説明

【課題】枕の洗浄や日干し等が原因で生じるセンサの故障を防止できる生体情報計測機能付き枕を提供する。
【解決手段】枕1Aは、被験者Hの生体情報を計測するセンサ10が枕本体2の内部に取出し可能に配置されているものである。センサ10は、枕本体2に対して位置固定された状態に配置されていることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の生体情報を計測する機能を有する枕及び生体情報計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設(例:病院)、介護施設、一般家庭等では、病人、健康人、乳幼児等の被験者の健康状態を把握するために、被験者の就寝中の生体情報を計測することが行われている。
【0003】
その計測に用いられる装置として、生体情報を無侵襲的に計測する装置が幾つか知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。その一例として、特開2004−113329(特許文献1)には、被験者の生体の信号を検出するセンサが枕の内部に配置された装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−113329号公報(段落[0026]〜[0031]、図3)
【特許文献2】特開2004−351110号公報
【特許文献3】特開2007−61587号公報
【特許文献4】特開2005−205023号公報
【特許文献3】特開2002−119496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上記公報に開示の装置では、センサを枕の内部から取り出すことができなかった。そのため、枕の洗浄や日干しによってセンサが故障する虞があった。さらにセンサが故障した場合には、枕ごと修理に出さなくてはならず、面倒であった。
【0005】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、枕の洗浄や日干し等が原因で生じるセンサの故障を防止できる生体情報計測機能付き枕、及び該枕を備えた生体情報計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の手段を提供する。
【0007】
[1] 被験者の生体情報を計測するセンサが枕本体の内部に取出し可能に配置されていることを特徴とする枕。
【0008】
[2] 前記センサは、前記枕本体に対して位置固定された状態に配置されている前項1記載の枕。
【0009】
[3] 前記センサは、前記枕本体の長さ方向に延びた状態に配置される帯板状の起歪板と、前記起歪板に装着されるとともに前記起歪板の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えている前項1又は2記載の枕。
【0010】
[4] 前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、前記枕本体の上下両面から前記枕本体の厚さ方向中間部に向かって等距離の位置に設定されている前項3記載の枕。
【0011】
[5] 前記枕本体は、その厚さ方向に複数層に且つ展開可能に折り重ねられて形成されたものであり、且つ、前記枕本体を複数層に折り重ねた状態に保持する保持手段を備えており、
前記起歪板は、前記枕本体を構成する複数層の折り重ね層における互いに隣接する2つの層間に、両層間で挟まれて位置固定された状態に配置されている前項3又は4記載の枕。
【0012】
[6] 前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されている前項3〜5のいずれかに記載の枕。
【0013】
[7] 前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されており、
前記起歪板は、前記枕本体の幅方向に対して、前記起歪板の幅方向両側縁部のうち被験者頚部側の側縁部が被験者頭部側の側縁部よりも下に位置するように傾斜した状態に配置されている前項3記載の枕。
【0014】
[8] 前記起歪板は、前記枕本体の内部に設けられた起歪板収容ポケット孔内に取出し可能に収容されている前項3、4又は7記載の枕。
【0015】
[9] 前記ポケット孔の開口部に、開口部を開閉自在に封止する封止部材が設けられている前項8記載の枕。
【0016】
[10] 前記センサは、該センサからの出力信号を無線信号として送信する無線通信手段を含んでおり、
前記センサの動作電源が前記起歪板に付設されている前項3〜9のいずれかに記載の枕。
【0017】
[11] 前項1〜10のいずれかに記載の枕と、
前記枕のセンサからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする生体情報計測装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の効果を奏する。
【0019】
[1]の発明では、センサが枕本体の内部に取出し可能に配置されているから、枕を洗浄する場合や日干しする場合、あるいはセンサが故障した場合など、センサを必要に応じて枕本体の内部から取り出すことができる。
【0020】
[2]の発明では、センサが枕本体に対して位置固定された状態に配置されているので、睡眠時の被験者の寝返り等の体動によって枕本体に対するセンサの位置がずれる不具合を防止できる。
【0021】
[3]の発明では、センサは起歪板と歪み検出手段とを備えているので、被験者の生体情報を確実に計測することができる。
【0022】
[4]の発明では、枕本体の内部における起歪板の配置位置は、枕本体の上下両面から枕本体の厚さ方向中間部に向かって等距離の位置に設定されていることにより、枕を上下にひっくり返して使用した場合であっても、センサの計測精度が枕をひっくり返す前の計測精度と同じになる。したがって、枕を上下両面で使用することができる。
【0023】
[5]の発明では、枕本体は、その厚さ方向に複数層に且つ展開可能に折り重ねられて形成されたものであり、起歪板は、枕本体を構成する複数層の折り重ね層における互いに隣接する2つの層間に、両層間で挟まれて位置固定された状態に配置されている。したがって、枕本体を形成するために展開状態の枕本体を複数層に折り重ねる際に、互いに隣接する2つの層間に起歪板を配置させて両層間で起歪板を挟むことにより、起歪板(センサ)を枕本体の内部に位置固定した状態に配置することができる。そのため、センサの枕本体内部への配置作業とセンサの位置固定作業を容易に行うことができる。
【0024】
さらに、枕本体は、枕本体を複数層に折り重ねた状態に保持する保持手段を備えているので、この保持手段によって枕本体を複数層に折り重ねた状態に保持することができる。
【0025】
[6]の発明では、枕本体の内部における起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されているので、センサによる被験者の生体情報の計測精度を向上させることができる。
【0026】
[7]の発明では、枕本体の内部における起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されているので、センサによる被験者の生体情報の計測精度を向上させることができる。
【0027】
さらに、起歪板は、枕本体の幅方向に対して、起歪板の幅方向両側縁部のうち被験者頚部側の側縁部が被験者頭部側の側縁部よりも下に位置するように傾斜した状態に配置されているので、起歪板の幅方向が就寝時の被験者の頭部から頚部に沿う方向と略同じになる。そのため、被験者がその頭部ないし頚部にセンサの存在による違和感を感じるのを極力抑えることができるし、しかも、センサによる生体情報の計測精度をより一層向上させることができる。
【0028】
[8]の発明では、起歪板は、枕本体の内部に設けられた起歪板収容ポケット孔内に取出し可能に収容されているので、起歪板(センサ)の枕本体内部への配置作業を容易に行うことができるし、起歪板が枕本体から不慮に脱落する不具合を防止できる。
【0029】
[9]の発明では、起歪板がポケット孔内から不慮に飛び出して枕本体から脱落する不具合を確実に防止できる。
【0030】
[10]の発明では、センサのコードレス化を図ることができる。
【0031】
[11]の発明では、被験者の生体情報を報知対象者に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0033】
図1〜4は、本発明の第1実施形態に係る枕及び生体情報計測装置を説明する図である。
【0034】
図1において、(20)は本第1実施形態の生体情報計測装置であり、(30)は被験者(H)が就寝する寝床としてのベッドである。
【0035】
ベッド(30)は、平面視四角形状(詳述すると長方形状)であり、このベッド(30)上にマットレス、敷き布団等の弾性マット(31)が敷設されている。
【0036】
本第1実施形態の計測装置(20)は、被験者(H)の主に就寝中の生体情報を計測するもので、医療施設(例:病院)、高齢者施設、介護施設、養護施設、宿泊施設(例:ホテル)、一般家庭等で用いられるものである。この計測装置(20)により計測される生体情報としては、呼吸情報を始め、脈拍情報(心拍情報)、体動情報等が挙げられる。被験者(H)としては、健康人、病人、高齢者、乳幼児、宿泊客等が挙げられる。
【0037】
この計測装置(30)は、本発明の第1実施形態に係る枕(1A)と報知手段(18)とを備えている。
【0038】
図2及び3に示すように、枕(1A)は、枕本体(2)と、被験者(H)の生体情報を計測するセンサ(10)とを備えている。
【0039】
枕本体(2)の素材は、ウレタンフォーム(例:低反発ウレタンフォーム)、ポリエチレフォーム、そば殻、スポンジ、綿、羽毛等であって、一般に市販されているものである。
【0040】
図3において、(Lp)は枕本体(2)の長さ方向を示し、(Wp)は枕本体(2)の幅方向を示し、(Dp)は枕本体(2)の厚さ方向(高さ方向)を示している。
【0041】
枕本体(2)の長さは例えば300〜800mmであり、枕本体(2)の幅は例えば200〜600mmであり、枕本体(2)の高さは50〜200mmである。ただし本発明では、枕本体(2)の長さ、幅及び高さはそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0042】
センサ(10)は、起歪板(11)と、該起歪板(11)の歪みを検出する歪み検出手段(12)と、制御基板(13)とを備えている。
【0043】
起歪板(11)は、弾性的に撓曲可能な帯板状のものであり、金属板から形成されており、詳述するとアルミニウム(その合金を含む)板から形成されており、板状の押出材や圧延材等からなる。起歪板(11)がアルミニウム板から形成されることにより、枕(1A)の軽量化を図ることができる。
【0044】
ただし本発明では、起歪板(11)はアルミニウム製であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼(ステンレス鋼を含む)、マグネシウム合金、銅(その合金を含む)製であっても良いし、プラスチック(例:繊維強化プラスチック)製であっても良い。
【0045】
この起歪板(11)は、枕本体(2)の長さ方向(Lp)(即ち被験者(H)の頭部の左右方向)に延びた状態に配置されるものであり、被験者(H)の頭部の重量(荷重)を受けて被験者(H)の生体活動に伴い歪みが生じるものである。
【0046】
起歪板(11)の上下両面は平坦状に形成されている。また、起歪板(11)の厚さは、起歪板(11)の長さ方向及び幅方向において一定に設定されている。また、起歪板(11)の幅(W)は、起歪板(11)の長さ方向において一定に設定されている。
【0047】
ただし本発明では、起歪板(11)の厚さは、起歪板(11)の長さ方向及び幅方向において一定に設定されていることに限定されるものではなく、その他に、例えば、起歪板(11)の長さ方向中間部の厚さが起歪板(11)の長さ方向各端部の厚さよりも薄く設定されていても良い。また本発明では、起歪板(11)の幅(W)は、起歪板(11)の長さ方向において一定に設定されていることに限定されるものではなく、その他に、例えば、起歪板(11)の長さ方向中間部の幅が起歪板(11)の長さ方向各端部の幅よりも短く設定されていても良い。また本発明では、起歪板(11)の長さ方向中間部の断面二次モーメントは、例えば、起歪板(11)の長さ方向各端部の断面二次モーメントと等しく設定されていても良いし、起歪板(11)の長さ方向各端部の断面二次モーメントよりも小さく設定されていても良い。
【0048】
起歪板(11)の長さ(L)は例えば300〜800mmの範囲に設定される。起歪板(11)の幅(W)は例えば50〜200mmの範囲に設定される。起歪板(11)の厚さは例えば0.5〜3mmの範囲に設定される。ただし本発明では、起歪板(11)の長さ(L)、幅(W)及び厚さはそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0049】
起歪板(11)の曲げこわさは、例えば3×104〜10×107Nmm2の範囲に設定されるのが望ましい。起歪板(11)の曲げこわさが上記の範囲に設定されることにより、被験者(H)の生体活動に伴い起歪板(11)に歪みが確実に生じたりその歪みが確実に変動したりするものとなる。ただし本発明では、起歪板(11)の曲げこわさは上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0050】
なお、被験者(H)の生体活動として、呼吸を始め、脈拍(拍動、心拍)、体動(例:寝返り)等が挙げられる。
【0051】
起歪板(11)は、ヤング率が30000〜220000MPaの範囲の材料で形成されたものであることが望ましい。起歪板(11)の材料のヤング率が上記の範囲に設定されることにより、被験者(H)の生体活動に伴い起歪板(11)に歪みが確実に生じたりその歪みが確実に変動したりするものとなる。ただし本発明では、起歪板(11)の材料のヤング率は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0052】
歪み検出手段(12)は、起歪板(11)の長さ方向中間部に固定状態に装着されており、上述したように起歪板(11)の歪みと更にその時間変動とを検出するものである。詳述すると、歪み検出手段(12)は、起歪板(11)の長さ方向中間部に生じる歪みと更にその時間変動とを検出するものである。また、歪み検出手段(12)から出力された信号は、被験者(H)の生体情報の計測に用いられるものである。
【0053】
この歪み検出手段(12)は、少なくとも1個の歪みゲージ(12a)からなり、本実施形態では、4個の歪みゲージ(12a)(12a)(12a)(12a)からなる。図3に示すように、これらの歪みゲージ(12a)(12a)(12a)(12a)のうち2個の歪みゲージ(12a)(12a)と残りの2個の歪みゲージ(12a)(12a)とは、それぞれ、起歪板(11)の長さ方向中間部の上下両面の互いに対向する位置に接着剤によって貼着されている。そして、これらの歪みゲージ(12a)(12a)(12a)(12a)は、互いに電気的に接続されてブリッジ回路(詳述するとホイートストンブリッジ回路)が形成されている。すなわち、このブリッジ回路は4個の歪みゲージ(12a)(12a)(12a)(12a)が組み込まれて形成されたものである。
【0054】
(17)は、歪み検出手段(12)(詳述すると、歪みゲージ(12a)のブリッジ回路)の入力信号線及び出力信号線である。なお図3では、この入出力信号線(17)は、互いに共通する1本の線で図示されており、歪み検出手段(12)と制御基板(13)とを互いに接続している。
【0055】
なお図2では、歪み検出手段(12)は図示省略されている。後述する図5も同様に歪み検出手段(12)は図示省略されている。
【0056】
制御基板(13)は、起歪板(11)の長さ方向一端部に固定状態に取り付けられている。図4に示すように、この制御基板(13)には、制御手段(14)と無線通信手段(15)と電源(16)とが搭載されている。
【0057】
制御手段(14)は、歪み検出手段(12)の入出力信号(すなわち、歪み検出手段(12)への入力信号及び歪み検出手段(12)からの出力信号)を制御するものである。この制御手段(14)は、歪み検出手段(12)の歪みゲージ(12a)のブリッジ回路からの出力信号(出力電圧)を増幅する増幅部(図示せず)と、該増幅部で増幅された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換部(図示せず)とを有している。
【0058】
さらに、この制御手段(14)は、A/D変換部で変換された信号に基づいて被験者(H)の生体情報を演算する演算部(図示せず)を有している。演算部は、記憶部(ROM、RAM)と中央演算処理部(CPU)とを有する演算回路(IC)により構成されている。そして、この演算部は、A/D変換部で変換された信号から呼吸成分、脈拍成分(拍動成分)、体動成分等の生体活動成分(生体情報成分)を抽出するためのフィルタリング処理部を有するとともに、該処理部でフィルタリング処理された信号に基づいて生体情報を演算するものとなされている。なお本発明では、演算部は、制御手段(14)に備えられているのではなく、後述する報知手段(18)に備えられていても良い。
【0059】
無線通信手段(15)は、センサ(10)からの出力信号としての制御手段(14)からの出力信号を、無線信号として外部装置に送信するものである。無線信号としては例えば赤外線信号又は電波信号が用いられる。また本実施形態では、外部装置として報知手段(18)が用いられている。無線通信手段(15)の報知手段(18)への送信は、携帯電話回線網、インターネット、無線LAN等の無線通信網を介して行われるか、あるいは無線通信網を介さないで直接的に行われる。
【0060】
電源(16)は、センサ(10)の動作に必要な電力をセンサ(10)に供給するものであり、詳述すると、歪み検出手段(12)、制御手段(14)及び無線通信手段(15)の動作に必要な電力をこれらに供給するものである。この電源(16)として、乾電池、蓄電池、二次電池などの電池が用いられる。なお、電源(16)から制御手段(14)に供給された電力は、制御手段(14)の動作に用いられるとともに、その一部は、制御手段(14)から入力信号線(17)を通じて歪み検出手段(12)に動作電力として供給される。
【0061】
計測装置(20)の報知手段(18)は、センサ(10)からの出力信号(詳述するとセンサ(10)の無線通信手段(15)から送信された無線信号)に基づいて被験者(H)の生体情報を報知対象者(被報知者)に報知するものである。報知対象者としては、看護師、介護者、監視者等が挙げられる。
【0062】
この報知手段(18)は、報知スピーカ、報知ランプ、表示手段などを有している。報知スピーカは、所定の情報を音声やブザー音などの音で報知対象者に報知するものである。報知ランプは、所定の情報をランプの点灯や点滅などで報知対象者に報知するものである。表示手段は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT等により構成されており、所定の情報を文字や図などで表示することにより報知対象者に報知するものである。(18a)は、無線通信手段(15)から送信された無線信号を受信する報知手段(18)の受信アンテナである。
【0063】
なお本発明では、報知手段(18)は、上述したように、制御手段(14)により制御され無線通信手段(15)により送信された信号に基づいて被験者(H)の生体情報を演算する演算部(図示せず)を必要に応じて備えていても良い。
【0064】
この報知手段(18)は、寝室、病室、ナースステーション、監視室、介護者の詰め所などに設置されたり、あるいは固定電話機や携帯電話機などに搭載されるものである。
【0065】
次に、本第1実施形態の枕(1A)の詳細な構成について以下に説明する。
【0066】
図2及び3に示すように、この枕(1A)の枕本体(2)の内部には、枕本体(2)の長さ方向(Lp)の一端面から他端面側に向かって枕本体(2)の長さ方向(Lp)と平行に延びた起歪板収容ポケット孔(3)が設けられている。このポケット孔(3)の開口部(3a)は、枕本体(2)の長さ方向(Lp)の一端面(詳述する一端面の中央部)に配置されている。また、このポケット孔(3)の奥部は開口しておらず即ち閉塞状に形成されている。したがって、このポケット孔(3)は袋状に形成されている。
【0067】
また、このポケット孔(3)の内周面の少なくとも一部には、起歪板(11)の滑りを防止する滑り止め手段(図示せず)が設けられている。この滑り止め手段として例えば滑り止めゴムが用いられる。
【0068】
また、枕本体(2)の内部におけるポケット孔(3)の配置位置は、枕本体(2)の厚さ方向(Dp)の丁度中間の位置に設定されており、すなわち、枕本体(2)の上下両面(2x)(2y)から枕本体(2)の厚さ方向(Dp)中間部に向かって等距離の位置に設定されている。
【0069】
さらに、枕本体(2)の内部におけるポケット孔(3)の配置位置は、枕本体(2)の幅方向(Wp)の丁度中間の位置に設定されており、すなわち、枕本体(2)の幅方向(Wp)両端面から枕本体(2)の幅方向(Wp)中間部に向かって等距離の位置に設定されている。
【0070】
ポケット孔(3)の開口部(3a)には、該開口部(3a)を開閉自在に封止する封止部材として、互いに係合可能な一対の面ファスナ(4)(4)が取り付けられている。
【0071】
図2に示した枕(1A)では、センサ(10)の起歪板(11)はポケット孔(3)の開口部(3a)から挿入されて起歪板(11)全体がポケット孔(3)内に収容され、その後、両方の面ファスナ(4)(4)同士が互いに係合されることにより、ポケット孔(3)の開口部(3a)が封止され、もって起歪板(11)(即ちセンサ(10))のポケット孔(3)内からの不慮の飛び出しが防止されている。
【0072】
また、ポケット孔(3)内に起歪板(11)が収容されることによって、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、枕本体(2)の厚さ方向(Dp)の丁度中間の位置に設定されており、すなわち、枕本体(2)の上下両面(2x)(2y)から枕本体(2)の厚さ方向(Dp)中間部に向かって等距離の位置に設定されている。さらに、ポケット孔(3)内に起歪板(11)が収容された状態において、起歪板(11)は、枕本体(2)の長さ方向(Lp)に延びた状態に且つ枕本体(2)に対して位置固定された状態に水平に配置されている。
【0073】
一方、枕(1A)を洗浄する場合、枕(1A)を日干しする場合、電源(16)としての電池を交換する場合、センサ(10)の故障によりセンサ(10)を交換する場合などには、互いに係合した両方の面ファスナ(4)(4)を分離してポケット孔(3)の開口部(3a)を開口し、次いで起歪板(11)をポケット孔(3)内から取り出すことにより、センサ(10)を枕本体(2)から取り外すことができる。
【0074】
なお、本第1実施形態では、封止部材として面ファスナ(4)が用いられているが、本発明では、封止部材は面ファスナ(4)であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、ボタン、スナップボタン、ファスナ等であっても良いし、その他の部材であっても良い。
【0075】
次に、本第1実施形態の枕(1A)及び生体情報計測装置(20)を用いた生体情報計測方法について以下に説明する。
【0076】
まず図3に示すように、枕本体(2)のポケット孔(3)内に起歪板(11)を収容した後、ポケット孔(3)の開口部(3a)を面ファスナ(4)により封止する。次いで、この枕(1A)を必要に応じて枕カバー(図示せず)でカバーする。
【0077】
次いで、図1及び2に示すように、この枕(1A)をベッド(30)(詳述するとベッド(30)の弾性マット(31))上に配置する。そして、被験者(H)の頭部をこの枕(1A)の上に載せて被験者(H)がベッド(30)上で通常の就寝姿勢で就寝する。なお就寝姿勢としては、仰臥姿勢を始め、その他に側臥姿勢などが挙げられる。
【0078】
すると、被験者(H)の頭部の重量(荷重)によって起歪板(11)が弾性的に僅かに下方向に凸円弧状に撓曲する。これにより、起歪板(11)に曲げ歪みが発生し、特に起歪板(11)の長さ方向中間部に曲げ歪みが集中的に発生する。また、就寝姿勢の被験者(H)の頚部及びその近傍の重量を受けて枕本体(2)の被験者(H)頚部側の部位が図2に二点鎖線で示すように窪む。
【0079】
被験者(H)が就寝(睡眠)すると、起歪板(11)の歪みが被験者(H)の就寝中の生体活動(例:呼吸、拍動、寝返り)に伴い時間的に変動する。このような歪みの時間的な変動が歪み検出手段(12)により検出される。そして、この歪み検出手段(12)からの出力信号(詳述するとブリッジ回路からの出力電圧)が出力信号線(17)を通じて制御基板(13)の制御手段(14)に送信される(図4参照)。
【0080】
制御手段(14)に送信された信号は、制御手段(14)により制御された後、無線通信手段(15)により無線信号として報知手段(18)に送信される。そして、報知手段(18)により報知対象者に被験者(H)の生体情報が報知される。これにより、報知対象者は被験者(H)の生体情報を知ることができる。
【0081】
而して、本第1実施形態の枕(1A)には次の利点がある。
【0082】
この枕(1A)では、被験者(H)の生体情報を計測するセンサ(10)が枕本体(2)の内部に取出し可能に配置されているから、センサ(10)を必要に応じて枕本体(2)の内部から取り出すことができる。したがって、枕(1A)を洗浄や日干しする場合、電源(16)としての電池を交換する場合、センサ(10)が故障した場合などに、センサ(10)を枕本体(2)の内部から取り出すことができる。
【0083】
さらに、センサ(10)が枕本体(2)に対して位置固定された状態に配置されているので、睡眠時の被験者(H)の寝返り等の体動によって枕本体(2)に対するセンサ(10)の位置がずれる不具合を防止できる。
【0084】
さらに、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、枕本体(2)の上下両面(2x)(2y)から枕本体(2)の厚さ方向(Dp)中間部に向かって等距離の位置に設定されているので、枕(1A)を上下にひっくり返して使用した場合であっても、センサ(10)の計測精度が枕(1A)をひっくり返す前の計測精度と同じになる。したがって、枕(1A)を上下両面(2x)(2y)で使用することができる。
【0085】
加えて、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、枕本体(2)の幅方向(Wp)両端面から枕本体(2)の幅方向(Wp)中間部に向かって等距離の位置に設定されている。したがって、枕本体(2)の幅方向(Wp)両端面を逆に配置しても枕(1A)を使用することができる。
【0086】
さらに、枕本体(2)に設けられた起歪板収容ポケット孔(3)内に起歪板(11)が取出し可能に収容されているので、起歪板(11)(即ちセンサ(10))の枕本体(2)への取付けを容易に行うことができるし、起歪板(11)が枕本体(2)から不慮に脱落する不具合を防止できる。
【0087】
さらに、センサ(10)は、該センサ(10)からの出力信号を無線信号として送信する無線通信手段(15)を含んでおり、センサ(10)(詳述すると、センサ(10)の歪み検出手段(12)、制御手段(14)及び無線通信手段(15))の動作電源(16)が起歪板(11)に取り付けられているので、センサ(10)のコードレス化を図ることができる。
【0088】
さらに、ポケット孔(3)の開口部(3a)に、該開口部(3a)を開閉自在に封止する封止部材として互いに係合可能な一対の面ファスナ(4)(4)が取り付けられている。したがって、ポケット孔(3)内に起歪板(11)を収容した後で、両方の面ファスナ(4)(4)同士を互いに係合させることにより、起歪板(11)がポケット孔(3)内から不慮に飛び出して枕本体(2)から脱落する不具合を確実に防止できる。
【0089】
また、本第1実施形態の生体情報計測装置(20)は、本第1実施形態の枕(1A)と、枕(1A)のセンサ(10)からの出力信号に基づいて被験者(H)の生体情報を報知する報知手段(18)と、を備えているので、被験者(H)の生体情報を報知対象者に報知することができる。
【0090】
<第2実施形態>
図5及び6は、本発明の第2実施形態に係る枕(1B)を説明する図である。この枕(1B)の構成について上記第1実施形態の枕(1A)とは異なる点を中心に以下に説明する。
【0091】
この枕(1B)では、枕本体(2)の内部におけるセンサ(10)の起歪板(11)の配置位置は、被験者(H)の頭部(詳述すると頭頂部)側の位置ではなく、被験者(H)の頚部側の位置に設定されており、詳述すると、枕本体(2)の幅方向(Wp)両端部のうち被験者(H)頚部側の端部の近傍位置に設定されている。さらに、起歪板(11)は、枕本体(2)の幅方向(Wp)に対して、起歪板(11)の幅方向両側縁部(11a)(11b)のうち被験者(H)頚部側の側縁部(11a)が被験者(H)頭部側の側縁部(11b)よりも下に位置するように傾斜した状態に配置されている。また、この枕(1B)では、ポケット孔(3)内に起歪板(11)を収容した場合に起歪板(11)が枕本体(2)の内部に上述したような位置及び傾斜状態に配置されるように、ポケット孔(3)は枕本体(2)の内部に形成されている。
【0092】
また、枕本体(2)の被験者(H)頚部側の部位は、就寝姿勢の被験者(H)の頚部及びその近傍の重量を受けて図5に二点鎖線で示すように窪む。
【0093】
この枕(1B)の他の構成は上記第1実施形態の枕(1A)と同じである。
【0094】
而して、本第2実施形態の枕(1B)では、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、被験者(H)の頚部側の位置に設定されているので、センサ(10)による被験者(H)の生体情報の計測精度を向上させることができる。
【0095】
さらに、起歪板(11)は、枕本体(2)の幅方向(Wp)に対して、起歪板(11)の幅方向両側縁部(11a)(11b)のうち被験者(H)頚部側の側縁部(11a)が被験者(H)頭部側の側縁部(11b)よりも下に位置するように傾斜した状態に配置されているので、図5に示すように起歪板(11)の幅方向が就寝時の被験者(H)の頭部から頚部に沿う方向と略同じになる。そのため、被験者(H)がその頭部ないし頚部にセンサ(10)(起歪板(11))の存在によるゴツゴツ感等の違和感を感じるのを極力抑えることができるし、しかも、センサ(10)による生体情報の計測精度をより一層向上させることができる。
【0096】
なお、枕本体(2)の幅方向(Wp)に対する起歪板(11)の幅方向の傾斜角度は、例えば1〜30°(特に好ましくは5〜20°)に設定されるのが良い。ただし本発明では、この傾斜角度は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0097】
<第3実施形態>
図7及び8は、本発明の第3実施形態に係る枕(1C)を説明する図である。この枕(1C)の構成について上記第1実施形態の枕(1A)とは異なる点を中心に以下に説明する。
【0098】
この枕(1C)では、図7に示すように、枕本体(2)はその展開状態において平面視長方形状に形成されている。そして、展開状態の枕本体(2)がその長さ方向(Lp)の中間位置(2c)で厚さ方向に二層に折り重ねられることにより、図8に示すように枕本体(2)が形成されている。こうして形成された枕本体(2)の長さ、幅及び厚さは、上記第1実施形態の枕本体(2)と略同じである。
【0099】
さらに、枕本体(2)を構成する二層の折り重ね層(2a)(2b)における互いに重ね合わされる二つの内面の両側縁部及び端部には、図7に示すように、それぞれ、枕本体(2)を二層に折り重ねた状態に保持する保持手段として、互いに係合可能な一対の面ファスナ(5)(5)が縫着されて取り付けられている。さらに、二層の折り重ね層(2a)(2b)における互いに重ね合わされる二つの内面のうち一方の内面の中央部には、センサ(10)の起歪板(11)が枕本体(2)の長さ方向(Lp)に延びた状態に水平に配置されている。そして、展開状態の枕本体(2)が上述のように二層に折り重ねられて互いに対応する面ファスナ(5)(5)同士が分離可能に係合されることにより、枕本体(2)が二層に折り重ねられた状態に保持されるとともに、互いに重ね合わされた二層の折り重ね層(2a)(2b)間に起歪板(11)が挟まれて位置固定された状態に、起歪板(11)が枕本体(2)の内部における枕本体(2)の幅方向(Wp)中間位置に水平に配置されている。
【0100】
なお本発明では、枕本体(2)内部への起歪板(11)の配置方法として、図8に二点鎖線で示すように、枕本体(2)の互いに重ね合わされた二層の折り重ね層(2a)(2b)の端部間を少し開いて隙間を形成し、この隙間から起歪板(11)を挿入して枕本体(2)の内部に配置しても良い。
【0101】
この枕本体(2)の内部から起歪板(11)(センサ(10))を取り出す場合には、二層に折り重ねられた状態の枕本体(2)を、互いに係合した面ファスナ(5)(5)同士を分離することにより図7に示すように展開する。この状態にしてから、起歪板(11)を取り出す。あるいは、 枕本体(2)の互いに重ね合わされた二層の折り重ね層(2a)(2b)の端部間を少し開いて隙間を形成し、この隙間から手を入れて起歪板(11)を取り出しても良い。
【0102】
この枕(1C)の他の構成は上記第1実施形態の枕(1A)と同じである。
【0103】
而して、本第3実施形態の枕(1C)では、枕本体(2)は、その厚さ方向に二層に且つ展開可能に折り重ねられて形成されたものであり、起歪板(11)は、枕本体(2)を構成する二層の折り重ね層(2a)(2b)における互いに隣接する2つの層(2a)(2b)間に、該両層(2a)(2b)間で挟まれて位置固定された状態に配置されている。したがって、枕本体(2)を形成するために展開状態の枕本体(2)を二層に折り重ねる際に、互いに隣接する2つの層(2a)(2b)間に起歪板(11)を配置させて両層(2a)(2b)間で起歪板(11)を挟むことにより、起歪板(11)(センサ(10))を枕本体(10)の内部に位置固定した状態に配置することができる。そのため、センサ(10)の枕本体(2)内部への配置作業とセンサ(10)の位置固定作業を容易に行うことができる。
【0104】
さらに、枕本体(2)は、枕本体(2)を二層に折り重ねた状態に保持する保持手段として面ファスナ(5)を備えているので、この面ファスナ(5)によって枕本体(2)を二層に折り重ねた状態に保持することができるし、折り重ねられた枕本体(2)を展開した状態に変換することができる。
【0105】
さらに、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、枕本体(2)の上下両面(2x)(2y)から枕本体(2)の厚さ方向(Dp)中間部に向かって等距離の位置に設定されている。したがって、上記第1実施形態の枕(1A)と同様に、枕(1C)を上下にひっくり返しても使用することができる。
【0106】
<第4実施形態>
図9及び10は、本発明の第4実施形態に係る枕(1D)を説明する図である。この枕(1D)の構成について、上記第1実施形態の枕(1A)及び上記第3実施形態の枕(1C)とは異なる点を中心に以下に説明する。
【0107】
この枕(1D)では、その枕本体(2)は、上記第3実施形態の枕本体と同様に、厚さ方向に二層に折り重ねられて形成されたものであるが、上記第3実施形態の枕本体とは展開状態の枕本体(2)を折る方向が異なっている。すなわち、図9に示すように、本第4実施形態の枕(1D)では、展開状態の枕本体(2)はその幅方向(Wp)の中間位置(2d)で厚さ方向に二層に折り重ねられている。
【0108】
この枕(1D)の他の構成は上記第3実施形態の枕(1C)と同じである。
【0109】
なお本発明では、枕本体(2)内部への起歪板(11)の配置方法として、図10に二点鎖線で示すように、枕本体(2)の互いに重ね合わされた二層の折り重ね層(2a)(2b)の端部間を少し開いて隙間を形成し、この隙間から起歪板(11)を挿入して枕本体(2)の内部に配置しても良い。
【0110】
なお本第3及び第4実施形態では、枕本体(2)の内部における起歪板(11)の配置位置は、枕本体(2)の幅方向(Wp)中間位置に設定されているが、本発明では、その他に、例えば被験者(H)の頚部側の位置に設定されていても良い。
【0111】
また本第3及び第4実施形態では、枕本体(2)は、二層に折り重ねられて形成されたものであるが、本発明では、その他に、三層に折り重ねられて形成されていても良いし、四層以上に折り重ねられて形成されていても良い。
【0112】
また本発明では、枕本体(2)を複数層に折り重ねた状態に保持する保持手段は、面ファスナ(5)であることに限定されるものではなく、その他に、ボタン、スナップボタン、ファスナ、紐であっても良い。あるいは本発明では、複数層に折り重ねられた状態の枕本体(2)を枕カバー(枕袋を含む)でカバーすることにより、枕本体(2)を複数層に折り重ねた状態に保持するものとなされていても良い。
【0113】
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものであることに限定されるものではない。
【0114】
また本発明では、起歪板(11)の下面には起歪板(11)を弾性的に支持する支持シートが配置されていても良い。
【0115】
また本発明では、歪み検出手段(12)は歪みゲージ(12a)であることに限定されるものではなく、その他の手段であっても良い。
【0116】
もとより本発明では、センサ(10)は起歪板(11)と歪み検出手段(12)とを備えたものであることに限定されるものではない。
【0117】
また本発明では、生体情報計測装置(20)は、被験者(H)の生体情報の他に、更に、ベッド(30)における被験者(H)の在床状況、例えば被験者(H)の入床や離床を検出できるように構成されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、被験者の生体情報を計測する機能を有する枕及び生体情報計測装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る枕及び生体情報計測装置をその使用状態で示す概略平面図である。
【図2】図2は、同枕の断面図である。
【図3】図3は、同枕を枕本体とセンサに分離して示す斜視図である。
【図4】図4は、同枕のセンサの構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係る枕の断面図である。
【図6】図6は、同枕を枕本体とセンサに分離して示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態に係る枕の展開斜視図である。
【図8】図8は、同枕の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施形態に係る枕の展開斜視図である。
【図10】図10は、同枕の斜視図である。
【符号の説明】
【0120】
1A〜1D:枕
2:枕本体
2a、2b:折り重ね層
3:ポケット孔
3a:開口部
4:面ファスナ(封止部材)
5:面ファスナ(保持手段)
10:センサ
11:起歪板
12:歪み検出センサ
14:制御手段
15:無線通信手段
16:電源
18:報知手段
20:生体情報計測装置
30:ベッド(寝床)
H:被験者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体情報を計測するセンサが枕本体の内部に取出し可能に配置されていることを特徴とする枕。
【請求項2】
前記センサは、前記枕本体に対して位置固定された状態に配置されている請求項1記載の枕。
【請求項3】
前記センサは、前記枕本体の長さ方向に延びた状態に配置される帯板状の起歪板と、前記起歪板に装着されるとともに前記起歪板の歪みを検出する歪み検出手段と、を備えている請求項1又は2記載の枕。
【請求項4】
前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、前記枕本体の上下両面から前記枕本体の厚さ方向中間部に向かって等距離の位置に設定されている請求項3記載の枕。
【請求項5】
前記枕本体は、その厚さ方向に複数層に且つ展開可能に折り重ねられて形成されたものであり、且つ、前記枕本体を複数層に折り重ねた状態に保持する保持手段を備えており、
前記起歪板は、前記枕本体を構成する複数層の折り重ね層における互いに隣接する2つの層間に、両層間で挟まれて位置固定された状態に配置されている請求項3又は4記載の枕。
【請求項6】
前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されている請求項3〜5のいずれかに記載の枕。
【請求項7】
前記枕本体の内部における前記起歪板の配置位置は、被験者の頚部側の位置に設定されており、
前記起歪板は、前記枕本体の幅方向に対して、前記起歪板の幅方向両側縁部のうち被験者頚部側の側縁部が被験者頭部側の側縁部よりも下に位置するように傾斜した状態に配置されている請求項3記載の枕。
【請求項8】
前記起歪板は、前記枕本体の内部に設けられた起歪板収容ポケット孔内に取出し可能に収容されている請求項3、4又は7記載の枕。
【請求項9】
前記ポケット孔の開口部に、開口部を開閉自在に封止する封止部材が設けられている請求項8記載の枕。
【請求項10】
前記センサは、該センサからの出力信号を無線信号として送信する無線通信手段を含んでおり、
前記センサの動作電源が前記起歪板に付設されている請求項3〜9のいずれかに記載の枕。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の枕と、
前記枕のセンサからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする生体情報計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−100796(P2009−100796A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272826(P2007−272826)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】