説明

枚葉式洗浄装置

【課題】基板の両面を洗浄するに際して、加工時間を短くすることができるとともに、工程欠陥が少なく、有効に基板洗浄を行うことが可能な枚葉式洗浄装置を提供すること。
【解決手段】それぞれに注入口11A及び放出口11Bを備えた複数の搬送通路11が内部に形成された注入軸10を固定台17上に立設し、該注入軸10の上部に前記放出口11Bのそれぞれに連通する配置で下部ノズル14を装備し、前記注入軸10の外周側に、前記注入軸10に対して回動自在にして、モーター2を有する中空軸3を配置し、少なくとも前記中空軸3の回転数を制御可能な制御手段7を前記中空軸3に連結し、前記中空軸3の上方に、基板を装着可能な基板チャック4を連結し、前記基板チャック4の上方に上部ノズル8を配置した、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体や平板表示器製造産業等における精密洗浄装置に係り、より詳しくは、シリコン、ガラス、セラミック等の基板を回転しながら洗浄するのに適した枚葉式洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体や平板表示器用の基板加工では、絶縁膜及び金属物質の蒸着、感光材の塗布、露光、現像、エッチング、アッシングー等の一連の加工工程で微細形状を形成するので、このような工程の進行によって基板には異物が残留するようになる。そして、このような異物あるいは残留物を除去し、あるいは膜の一定量の湿式エッチング等を目的とする装置が洗浄装置であり、このうち、一回の工程で一枚の基板を洗浄するものを枚葉式洗浄装置という。
【0003】
ここで、従来から用いられている枚葉式洗浄装置について図3を参照して説明すると、図3は従来から用いられている枚葉式洗浄装置の構造を説明するための図であり、図において61が従来の枚葉式洗浄装置である。
【0004】
そして、この従来の枚葉式洗浄装置61では、モーター62の回転軸63に基板チャック64が連結され、この基板チャック64に基板68を装着可能としている。そして、基板チャック68の上方にはノズル66が備えられており、このノズル66より、基板68の正面に向けて、薬液、リンス用純水、乾燥用ガス等の洗浄用材料67を噴射可能としている。
【0005】
そして、この構成により、基板68を基板チャック64に固定させた後にモーター62により基板68を回転させながら、上部のノズル66を通じて洗浄用材料を基板68の正面に噴射する。そうすると、基板68の回転力により洗浄用材料67が基板正面の全面に広まり、これにより基板の洗浄が可能となる。
【0006】
ところで、近年は半導体及び平面表示器の高集積化や高解像度などの為に基板の加工技術が微細化しているため、基板の正面だけではなく、裏面についても不純物膜あるいは異物の除去等の目的で洗浄することが要求されている。
【0007】
また、高集積化や高解像度用の半導体及び平面表示器の基板を加工する精密な洗浄工程は、基板が欠陥に対して極めて敏感であり、欠陥が製品の特性や歩留まりに直ちに影響を及ぼすので、加工中に発生する異物及び傷等の欠陥を抑制する為に短い工程時間と工程の高清浄度が要求される。
【0008】
しかしながら、前述したように、従来の枚葉式洗浄装置では、薬液を噴射するノズルの位置が基板の正面側だけであるため、この従来の枚葉式洗浄装置を使用して基板の両面を洗浄する場合には、まず基板の正面を洗浄した後に、基板を基板チャックから基板カセットに戻して、基板の正面と裏面を反対方向に反転させ、このような状態の基板をまた基板チャックに固定させた後に上部向きで位置した基板の裏面を上部ノズルからの薬液で洗浄しなければならない。
【0009】
このように、従来の枚葉式洗浄装置、特に、基板の上部に上部ノズルだけを用いた装置で基板の両面を洗浄する場合は、基板の正面と裏面を同時に洗浄することが出来ないため、正面の洗浄後基板を反転してまた裏面を洗浄する2回の工程で進行しなければならず、工程時間が長くなるという問題点と、基板取扱動作数が多くなり、基板に傷が発生するおそれもあるため、高い加工洗浄度を得ることが難しいという問題点が指摘されている。
【0010】
この点、基板を上下から洗浄可能な基板洗浄装置も提案されてはいるが、この基板洗浄装置では構成が複雑であるためにコストが上がってしまうという問題点が指摘できる。
【0011】
更に、基板の洗浄には複数の異種の洗浄液を使用することがあるところ、前述の基板洗浄装置ではこのような複数の異種の洗浄液を使用する構成が開示されていないために、有効に基板を洗浄することができない。
【特許文献1】特開2006−102706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明は、基板の両面を洗浄するに際して、加工時間を短くすることができるとともに、工程欠陥が少なく、有効に基板洗浄を行うことが可能な枚葉式洗浄装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の枚葉式洗浄装置は、それぞれに注入口及び放出口を備えた複数の搬送通路が内部に形成された注入軸を固定台上に立設し、該注入軸の上部に前記放出口のそれぞれに連通する配置で下部ノズルを装備し、前記注入軸の外周側に、前記注入軸に対して回動自在にして、モーターを有する中空軸を配置し、少なくとも前記中空軸の回転数を制御可能な制御手段を前記中空軸に連結し、前記中空軸の上方に、基板を装着可能な基板チャックを連結し、前記基板チャックの上方に上部ノズルを配置した、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明により基板の洗浄を行なう場合には、基板チャックに基板を装着した後にモーターを駆動させて基板を回転させる。そしてその状態において、上部ノズルより基板正面に向けて洗浄用材料を噴射するとともに、注入軸に形成した搬送通路を介して下部ノズルに洗浄用材料を供給し、これによって、下部ノズルより、基板裏面に向けて洗浄用材料を噴射する。
【0015】
そうすると、基板を反転させることなく、基板の正面及び裏面を同時に洗浄することができ、これにより、加工時間の短縮を達成できるとともに、基板取扱動作数が少なくなることにより工程欠陥を少なくすることも可能である。
【0016】
また、モーターを有する中空軸を、注入軸の外周側に、注入軸に対して回動自在にして配置するとともに、この中空軸の上方に基板を装着可能な基板チャックを連結し、これにより、中空軸を回転させることで基板を回転することとしているので、全体の構成がシンプルになり、コストを抑えることができる。
【0017】
更に、注入軸には、それぞれに注入口及び放出口を備えた複数の搬送通路が形成されているために、異種の薬液等を用いて洗浄することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の枚葉式洗浄装置の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本実施例の枚葉式洗浄装置1の構造を説明するための断面図であり、本実施例の枚葉式洗浄装置は、基板を回転させるための手段と、基板を洗浄するための手段とを有している。
【0019】
そして、基板を回転する為の手段は、モーター2、中空軸3、そして基板チャック4で構成されている。
【0020】
即ち、図において2がモーターであり、このモーター2は中空軸3を備えている。そして、この中空軸3の上方には基板チャック4が連結されており、この基板チャック4の上端部近傍に基板16を装着可能としている。そして、この構成により、基板16を基板チャック4に装着した状態でモーター2を駆動することで、基板16を回転可能としている。
【0021】
更に、本実施例においては、前記中空軸3の下方部分にはタイミングプーリー5が連結されるとともに、このタイミングプーリー5にはタイミングベルト6が連結され、更にタイミングベルト6はエンコーダー7に連結されており、これにより、基板16の回転数及び位置を検出、制御可能とし、有効な洗浄を可能としている。
【0022】
次に、基板を洗浄するための手段について説明すると、本実施例において基板洗浄の手段は、基板の上面を洗浄する手段と、基板の下面を洗浄する手段とを具備しており、基板の上面を洗浄する手段として、前記基板チャック4の上方に上部ノズル8を備え、これにより、基板16の上面へ向けて薬液等9を噴射可能としている。
【0023】
そして、基板の下面を洗浄する手段について説明すると、本実施例においては、前記中空軸3内に注入軸を備えており、この注入軸によって基板の下面を洗浄可能としている。
【0024】
即ち、図において10が注入軸であり、本実施例においてこの注入軸10は、前記中空軸3を上下に貫通する配置とされており、下端部分が固定台17に固定されている。
【0025】
更に、中空軸3の内部位置において、中空軸3と注入軸10の間にはフランジ付スリーブベアリング12を介在させて、このフランジ付きスリーブベアリング12を利用して注入軸10と中空軸3を結合させ、これにより注入軸10を中空軸3内に固定し、基板回転のためにモーター2の中空軸3を回転させた場合でも、注入軸10は回転せずに停止した状態を維持可能としている。
【0026】
次に、前記注入軸10内には、洗浄用の薬液等を搬送するための複数の搬送通路11が形成されており、この搬送通路11はそれぞれ、その下端には注入口11Aを備えており、また上端には放出口11Bを備えている。
【0027】
そして、前記放出口11Bには、ノズルキャップ13を介して下部ノズル14が連結されており、これにより、基板16の裏面へ向けて薬液15等を噴射可能としている。
【0028】
なお、本実施例において前記搬送通路11は、2種類の薬液等を噴射可能なように2本としているが、この搬送通路の本数は2本には限定されず、基板洗浄に用いられる液体、気体、純水、混合流体等の数に準じて任意の数とすればよい。
【0029】
また、注入軸10の素材としては、使用薬液に対して化学的に反応せず、機械的強度があるもので、PFA(四弗化エチレン・パーフルオロアルキシエチレン共重合樹脂)やPTFE(四弗化エチレン樹脂)などの弗素樹脂とかPEEK(ポリーエーテルエーテルケトン)等が好ましい。
【0030】
このような構成において、基板チャック4に基板16を装着した後に、モーター2を駆動させて基板16を回転させ、その状態で上部ノズル8及び下部ノズル14のそれぞれから、基板16の正面及び裏面のそれぞれに向けて洗浄用材料を噴射させると、基板16の正面及び裏面を同時に洗浄することができ、加工時間の短縮、及び、基板取扱動作数が少なくなることによる工程欠陥の減少が可能である。
【実施例1】
【0031】
本発明の具体的な実施例について図面を参照して説明すると、図2は、本実施例の枚葉式洗浄装置を用いて基板洗浄を行なう場合の具体的なシステム構成を示した図であり、図においては、本発明の枚葉式洗浄装置1により、二種類の薬液(洗浄用薬液A、洗浄用薬液B)による洗浄と、純水によるリンスと、二種類のガス(乾燥用ガスA、乾燥用ガスB)による乾燥によって基板の洗浄を行なう場合を示している。
【0032】
即ち、本実施例の枚葉式洗浄装置1では、上部ノズル及び下部ノズルをそれぞれ5本ずつ備えており、また、前記注入軸10内には5本の搬送通路11が形成されており、各搬送通路11は、その下端には注入口、上端には放出口を備え、各放出口には、ノズルキャップを介して前記5本の下部ノズル(いずれも図示せず)がそれぞれ、連結されている。
【0033】
また、本実施例においては、薬液タンク20内に、洗浄用薬液Aの供給タンク21、洗浄用薬液Bの供給タンク22、リンス用純水の供給タンク23、乾燥用ガスAの供給タンク24、乾燥用ガスBの供給タンク25を備えており、各供給タンク21〜25には配管が連結されている。
【0034】
そして、各配管には、洗浄用薬液Aの圧力調節器26、洗浄用薬液Bの圧力調節器27、リンス用純水の圧力調節器28、乾燥用ガスAの圧力調節器29、乾燥用ガスBの圧力調節器30が連結され、これにより、各配管を介して供給される薬液等の圧力を調節可能としている。
【0035】
次に、前記各配管には、洗浄用薬液Aの分岐点31、洗浄用薬液Bの分岐点23、リンス用純水の分岐点33、乾燥用ガスAの分岐点34、乾燥用ガスBの分岐点35が連結されており、この各分岐点により、前記各配管は、上部ノズル方向と下部ノズル方向へと分岐されている。
【0036】
そして、上部ノズル方向へと分岐された各配管はそれぞれ、各上部ノズルのそれぞれに連結されるとともに、上部ノズルとの間には、薬液等の流量を正面加工流量に調節するための、洗浄用薬液Aの上部ノズル用流量調節器36、洗浄用薬液Bの上部ノズル用流量調節器37、リンス用純水の上部ノズル用流量調節器38、乾燥用ガスAの上部ノズル用流量調節器39、乾燥用ガスBの上部ノズル用流量調節器40の各流量調節器が連結され、更にこの各流量調節器36〜40と前記上部ノズルとの間には、洗浄用薬液Aの上部ノズル用開閉バルブ41、洗浄用薬液Bの上部ノズル用開閉バルブ42、リンス用純水の上部ノズル用開閉バルブ43、乾燥用ガスAの上部ノズル用開閉バルブ44、乾燥用ガスBの上部ノズル用開閉バルブ45の各開閉バルブが介在されており、各バルブ41〜45を開放することによって、上部ノズル8より基板の正面へ向けて薬液等を噴射可能としている。
【0037】
次に、下部ノズル方向へと分岐された各配管はそれぞれ、前記各搬送通路11の下端の各注入口に連結されるとともに、各注入口との間には、流量を裏面加工流量に調節するための、洗浄用薬液Aの下部ノズル用流量調節器46、洗浄用薬液Bの下部ノズル用流量調節器47、リンス用純水の下部ノズル用流量調節器48、乾燥用ガスAの下部ノズル用流量調節器49、乾燥用ガスBの下部ノズル用流量調節器50の各流量調節器が連結され、更にこの各流量調節器46〜50と各注入口との間には、洗浄用薬液Aの下部ノズル用開閉バルブ51、洗浄用薬液Bの下部ノズル用開閉バルブ52、リンス用純水の下部ノズル用開閉バルブ53、乾燥用ガスAの下部ノズル用開閉バルブ54、乾燥用ガスBの下部ノズル用開閉バルブ55の各開閉バルブが介在され、各バルブ51〜55を開放することにより、搬送通路11を介して、下部ノズルより基板16の裏面へ薬液等を噴射可能としている。
【0038】
このような構成において、基板16を装着した状態でモーター2を駆動させて基板16を回転させ、この状態で、供給ポンプあるいは加圧ガス等の図示しない供給手段により、前記洗浄用薬液Aの供給タンク21、洗浄用薬液Bの供給タンク22、リンス用純水の供給タンク23、乾燥用ガスAの供給タンク24、乾燥用ガスBの供給タンク25より薬液等を供給すると、各薬液等は、前記洗浄用薬液Aの圧力調節器26、洗浄用薬液Bの圧力調節器27、リンス用純水の圧力調節器28、乾燥用ガスAの圧力調節器29、乾燥用ガスBの圧力調節器30のそれぞれにより、その圧力が加工圧力に調節された後に、前記洗浄用薬液Aの分岐点31、洗浄用薬液Bの分岐点23、リンス用純水の分岐点33、乾燥用ガスAの分岐点34、乾燥用ガスBの分岐点35で、上部ノズル方向及び下部ノズル方向へと分岐される。
【0039】
そして、上方ノズル方向へ分岐された各薬液は、洗浄用薬液Aの上部ノズル用流量調節器36、洗浄用薬液Bの上部ノズル用流量調節器37、リンス用純水の上部ノズル用流量調節器38、乾燥用ガスAの上部ノズル用流量調節器39、乾燥用ガスBの上部ノズル用流量調節器40により正面加工流量に調節される。
【0040】
その後、加工目的によって、前記洗浄用薬液Aの上部ノズル用開閉バルブ41、洗浄用薬液Bの上部ノズル用開閉バルブ42、リンス用純水の上部ノズル用開閉バルブ43、乾燥用ガスAの上部ノズル用開閉バルブ44、乾燥用ガスBの上部ノズル用開閉バルブ45の開閉時間を調節することにより、上部ノズルのそれぞれより、洗浄工程に沿った薬液等が基板16の正面に向けて噴射される。
【0041】
一方、下部ノズル方向へ分岐された各薬液は、洗浄用薬液Aの下部ノズル用流量調節器46、洗浄用薬液Bの下部ノズル用流量調節器47、リンス用純水の下部ノズル用流量調節器48、乾燥用ガスAの下部ノズル用流量調節器49、乾燥用ガスBの下部ノズル用流量調節器50の各流量調節器により各流量が加工流量に調節される。
【0042】
その後、加工目的によって、前記洗浄用薬液Aの下部ノズル用開閉バルブ51、洗浄用薬液Bの下部ノズル用開閉バルブ52、リンス用純水の下部ノズル用開閉バルブ53、乾燥用ガスAの下部ノズル用開閉バルブ54、乾燥用ガスBの下部ノズル用開閉バルブ55の各開閉バルブの開閉時間を調節することにより、各注入口、各搬送通路11、及び各放出口を介して、下部ノズルのそれぞれより、洗浄工程に沿った薬液等が基板16の裏面に向けて噴射される。
【0043】
そしてそのとき、加工目的によって、前記各開閉バルブ41〜45、51〜55の開閉時間を調節することにより、薬液洗浄、純水によるリンス、ガス乾燥の工程に分けることができる。
【0044】
このように、本実施例の枚葉式洗浄装置は、中空軸を備えたモーターを用いて、この中空軸内に、薬液等を搬送するための複数の搬送通路を備えた注入軸を装備するとともに搬送通路に下部ノズルを連結し、これにより、基板正面を洗浄するための正面洗浄用ノズルに加えて、基板裏面をも同時に洗浄可能としているため、加工時間を短くすることができるとともに、工程欠陥も少なくすることが可能である。
【0045】
また、モーターを有する中空軸を、注入軸の外周側に、注入軸に対して回動自在にして配置するとともに、この中空軸の上方に基板を装着可能な基板チャックを連結し、これにより、中空軸を回転させることで基板を回転することとしているので、全体の構成がシンプルになり、コストを抑えることができる。
【0046】
更に、注入軸には、それぞれに注入口及び放出口を備えた複数の搬送通路が形成されているために、複数の異種の薬液等を用いて洗浄することができ、有効に基板洗浄を行うことが可能である。
【0047】
更にまた、本実施例においては、タイミングプーリー5及びタイミングベルト6を介して中空軸3をエンコーダー7に連結し、これにより、基板16の回転数及び位置を検出、制御可能としているため、洗浄のプロセスに合わせてモーターを制御することが可能である。
【0048】
また、中空軸3の内部位置において中空軸3と注入軸10の間にフランジ付スリーブベアリング12を介在させ、これにより注入軸10と中空軸3を結合させているため、基板回転のためにモーター2の中空軸3を回転させた場合でも注入軸10が回転することがなく、基板に対する薬液等の噴射を安定した状態で行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の枚葉式洗浄装置では、基板の上面及び下面を同時に洗浄可能としているために、上面及び下面の洗浄を必要とする基板の洗浄装置の全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の枚葉式洗浄装置の実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明の枚葉式洗浄装置の具体的な実施例を説明するためのシステム構成図である。
【図3】従来の枚葉式洗浄装置を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 枚葉式洗浄装置
2 モーター
3 中空軸
4 基板チャック
5 タイミングプーリー
6 タイミングベルト
7 エンコーダー
8 上部ノズル
9 基板正面へ噴射される薬液等
10 注入軸
11 搬送通路
11A 注入口
11B 放出口
12 フランジ付きスリーブベアリング
13 ノズルキャップ
14 下部ノズル
15 基板裏面に噴射される薬液等
16 基板
7 固定台
21 洗浄用薬液Aの供給タンク
22 洗浄用薬液Bの供給タンク
23 リンス用純水の供給タンク
24 乾燥用ガスAの供給タンク
25 乾燥用ガスBの供給タンク
26 洗浄用薬液Aの圧力調節器
27 洗浄用薬液Bの圧力調節器
28 リンス用純水の圧力調節器
29 乾燥用ガスAの圧力調節器
30 乾燥用ガスBの圧力調節器
31 洗浄用薬液Aの分岐点
32 洗浄用薬液Bの分岐点
33 リンス用純水の分岐点
34 乾燥用ガスAの分岐点
35 乾燥用ガスBの分岐点
36 洗浄用薬液Aの上部ノズル用流量調節器
37 洗浄用薬液Bの上部ノズル用流量調節器
38 リンス用純水の上部ノズル用流量調節器
39 乾燥用ガスAの上部ノズル用流量調節器
40 乾燥用ガスBの上部ノズル用流量調節器
41 洗浄用薬液Aの上部ノズル用開閉
42 洗浄用薬液Bの上部ノズル用開閉バルブ
43 リンス用純水の上部ノズル用開閉バルブ
44 乾燥用ガスAの上部ノズル用開閉バルブ
45 乾燥用ガスBの上部ノズル用開閉バルブ
46 洗浄用薬液Aの下部ノズル用流量調節器
47 洗浄用薬液Bの下部ノズル用流量調節器
48 リンス用純水の下部ノズル用流量調節器
49 乾燥用ガスAの下部ノズル用流量調節器
50 乾燥用ガスBの下部ノズル用流量調節器
51 洗浄用薬液Aの下部ノズル用開閉バルブ
52 洗浄用薬液Bの下部ノズル用開閉バルブ
53 リンス用純水の下部ノズル用開閉バルブ
54 乾燥用ガスAの下部ノズル用開閉バルブ
55 乾燥用ガスBの下部ノズル用開閉バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに注入口(11A)及び放出口(11B)を備えた複数の搬送通路(11)が内部に形成された注入軸(10)を固定台(17)上に立設し、
該注入軸(10)の上部に前記放出口(11B)のそれぞれに連通する配置で下部ノズル(14)を装備し、
前記注入軸(10)の外周側に、前記注入軸(10)に対して回動自在にして、モーター(2)を有する中空軸(3)を配置し、
少なくとも前記中空軸(3)の回転数を制御可能な制御手段(7)を前記中空軸(3)に連結し、
前記中空軸(3)の上方に、基板を装着可能な基板チャック(4)を連結し、
前記基板チャック(4)の上方に上部ノズル(8)を配置した、ことを特徴とする枚葉式洗浄装置。
【請求項2】
前記注入軸(10)を、使用薬液に対して化学的に反応せず、機械的強度がある素材により形成したことを特徴とする請求項1に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項3】
前記複数の搬送通路(11)は、1又は複数の薬液搬送通路、1又は複数のリンス用純水搬送通路、及び1又は複数の乾燥ガス搬送通路であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項4】
前記注入軸(10)と中空軸(3)を、フランジ付きスリーブベアリング(12)を用いて連結することで、前記注入軸(10)の外周側に前記注入軸(10)に対して回動自在に中空軸(3)を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項5】
前記制御手段(7)としてエンコーダーを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項6】
前記中空軸(3)にタイミングプーリー(5)を連結するとともに、該タイミングプーリー(5)にタイミングベルト(6)を連結し、更にこのタイミングベルト(6)をエンコーダー(7)に連結したことを特徴とする請求項5に記載の枚葉式洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−81224(P2009−81224A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248496(P2007−248496)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(392014933)株式会社ラスコ (16)
【Fターム(参考)】