説明

果実処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる植物性の製品に基づく組成物、該組成物の使用、処理手順およびそのように得られた製品

果実の処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる製品に基づく組成物が記載されている。植物性の組成物は、果実の処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる乾燥リンゴ粉末を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の識別部分により、果実処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる植物性の製品に基づく組成物、該組成物の使用、処理手順およびそのように得られた製品に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着剤として使用される植物性多糖類に基づくこのタイプの組成物は、例えばルーマニア特許出願RO 118022から公知である。このタイプの組成物は、食品および医薬産業における使用、皮製品の製造のため、本の結合のため等の使用が想定される。しかしながら、このタイプの組成物は、調製において費用がかかり、かつ、粘着剤自体の妥当性を守るために正確にチェックされなければならない成分を含む。
【0003】
様々な材料および異なる構造の混合物を用いて、外観上は自然の皮革に類似したシート製品を得るために様々な方法が知られている。
【0004】
得られた擬革はそれゆえに、製品自体を安定させる支持構造体も多くの場合有する、様々な物質の組成物である。
【0005】
公知のタイプの方法はそれゆえにきわめて複雑になり、複合的な材料を必要として、きわめて費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ルーマニア特許出願RO 118022
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的はしたがって、環境のためのあらゆるリスクにならない植物性のペーストを得るため、特に調製される成分に基づいて費用のかかる生成を避けることである。
【0008】
該目的は、果実処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる植物性の製品に基づく組成物と、請求項1の識別部分の特徴を示すペーストとしてのその使用とにより達成される。
【0009】
本発明のさらなる目的は、擬革を得るため、および、単純な組成物の擬革を提案するための方法を単純化することである。
【0010】
このさらなる目的は、方法および擬革に関する主な請求項の識別部分に記載の擬革を生成する方法により達成される。
【0011】
完全に機械加工可能な製品であるにもかかわらず、このように得られた擬革は、柔らかさおよび着色に関して可能な改良を受ける。
【0012】
したがって、完全に否定的な結果につながる酸および化学的な色素が検査された。
【0013】
本発明のさらなる目的はしたがって、より機械加工可能な植物性の擬革を作成し、植物性の擬革に対してより適切な色素を提案することである。
【0014】
この目的は、請求項1の識別部分に記載の植物性食品由来の様々な色の合成で、植物性の擬革を生じる手順によって達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、接着剤の領域における新たな段階である。実際、開発された新規な接着剤は、リンゴ処理の産業廃棄物および95%の生体分解性のペーストから生じる、植物性の製品である乾燥リンゴ粉末で生成される。
【0016】
得られた混合物は、最小部分の天然のペースト(5-10-15%)と、残りの部分は専らリンゴ粉末、ふすま粉末、堅果の殻の残余の粉末、ジャガイモ皮の粉末および工業および農業処理から生じるすべての植物性の残余と、から構成される。ペーストの割合は、生成される添加剤の使用、および、様々な領域:工業、船、建築、機械、その他における使用次第である。
【0017】
これらの2つの成分の混合物:様々なスターチおよび植物性の分子から構成される植物性の粘着剤とともに、72%の天然の繊維、フラクトースおよびペクチンを含む0-1000のミクロンの挽いたリンゴ粉末は、その種においてユニークな新製品を作成する。
【0018】
木-木、鉄-鉄および他の工業製品間の引張強さは高い。
【0019】
実行され、IMALにより証明された検査は以下の通りである:
− 木-木の引張強さ6.5N/mm2
− 鉄-鉄の引張強さ4.7N/mm2
【0020】
様々な工業成分間の平均の引張強さは4N/mm2である。リンゴ製品の粒度分布の改良後に実行された検査により、接着剤がその引張強さを変化させ、改良することが判明した。その種においてユニークである接着剤は:無臭であり、容易に機械加工可能であり、冷熱に抵抗があり、空気と接触して硬化する。残余は、温水および冷水によってきれいにすることができる。
【0021】
現在市販の有毒物質およびビニル基を含む従来の接着剤に対して、新製品は、以下の利点を示す:
− 可燃性でない
− 有毒でない
− 目および表皮を刺激しない
− めまいおよび倦怠感が生じない
− 環境を損なわない
【0022】
ボルツァーノのTISによって実行された研究により、湿った場合の製品では0.6 [kWh/kg]のエネルギ値を有し、乾燥した場合で2.7 [kWh/kg]のエネルギ値を有することが判明した。
【0023】
この植物性の接着剤の複数の可変部分は、しかしながら100の植物性の残余のユニークな取替不能な基部を有する。
【0024】
引張強さの適用の例は、以下の通りである。
1) 鉄への接着
1. 4.2N/m2のサンプル
2. 4.4N/m2のサンプル
3. 4.6N/m2のサンプル
2) 木への接着
1. 4.9N/m2のサンプル
2. 4.9N/m2のサンプル
3. 4.8N/m2のサンプル
【0025】
基材として乾燥果実でできている物質を用いると、擬革として使われる薄層状の材料の取得に適応するため、2つの表面間で押圧を受けるのに適切であるサイズに挽くことができる。
【0026】
様々な位相の製粉、挽いた材料の収集および分配を実行するため、例えば、挽かれた混合材料を50から100barの圧力で運搬するベルトコンベアのような公知技術の装置およびシステムが使用される。
上述のように擬革のための基材として、植物性の材料が好ましくは使用される。例えば柔軟性および感触のような擬革の所望の性質により、粘着剤をこれらに加えることができる。
【0027】
好ましい実施形態において、リンゴおよび他の植物に存在するグルコースが使用される。
【0028】
本発明による手順は、以下の段階において本質的に分けられる:
いくつかの植物性由来の成分の減少。
ユニットとしての成分の混合。
果実処理、特に果実ジュースの廃棄物から生じるリンゴ粉末への混合された成分の添加、および、0から1000ミクロンへのミルによる製粉。
混合物:リンゴ粉末、リンゴベースの植物性の接着剤、例えば赤-緑-白-青-黄または構成された色合成のような食品着色料の構成。
すべての植物性の成分の組成に必要とされる、例えば40から100回転数/分へ変わる電気ミキサによる混合。
40°Cの室温での融合。
99.9%のリンゴ粉末混合物および1/1000の植物性の色の組成が円柱状に作成されるように製品を押圧するための調製。
80から150気圧での押圧。
0.5mmから10mmへの厚さにする。
【0029】
これらの植物性の成分の合成で実行される様々な実験の後、着色された皮製品を改善し、それをより柔軟かつ弾力的にして、製品の構造が改良された。着色は、あらゆる液体なしで乾燥して実行される。
【0030】
上記から明らかなように、実行される様々な検査はいくつかの実験データを説明することができず、それらは、比重量75%減少のような製品になされるすべての改良を正確に解釈するのに十分でないと推測することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施態様において接着される2つの部分間の連結の第1の変形の概略斜視図を示す。
【図2】第2の実施態様の斜視図である。
【図3】積層装置の立面図を概略的に示す。
【図4】概略的にプレス機の立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1に示すように、部分3に連結される部分1の表面上に、互いに対向した2つの表面を連結する他に、記載されるタイプの植物性のペーストがそれぞれの植物性の爪4を形成するために両方の凹部に入ることができるよう互いに対向して凹部が提供される。
【0033】
図2では、11および13に連結される2つの部分のうちの1つのみにおいて、爪14を形成するようにペーストを入らせるために凹部が得られる。接着される部分は、例えば木、鉄などのあらゆる材料である可能性がある。
【0034】
図3および4に示すように、符号21は、細かく切り刻んだリンゴ22が積層ベルト23によって供給される積層装置を全体として示す。さらなる材料は、漏斗タンクから適切に供給されることができる。積層ベルトの出力において、積層装置は、擬革として使われるのに十分に安定した圧縮材料を作成するため、漏斗タイプの加圧ベルト26下へ材料を輸送する支持ベルト25を示す。
【0035】
実施態様において、支持プレート28を含むプレス機27(図2)が使用され、そのプレス機は支持体29および圧力プレート30で支えられ、支持プレート28上へ材料22を押圧するため、ピストン31によって操作される。
【0036】
先行技術のあらゆる装置が、リンゴベースの材料を薄層状にするために使うことができると理解される。
C=M*Fμm2 =植物性の皮
C=M/Fμkg =植物性のペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる植物性の製品と乾燥リンゴ粉末とを含むことにおいて特徴付けられる、果実処理、特にリンゴの産業廃棄物から生じる植物性の製品に基づく組成物。
【請求項2】
95%の生体分解性のペーストを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
天然のペーストの最小部分(5%-10%-15%)と残りの部分のリンゴ粉末のみとの混合物から構成されることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記ペーストの割合は、生成される添加剤の使用、および、工業、船、建築および機械のような異なる領域における使用次第であることにおいて特徴付けられる、請求項2または3記載の組成物。
【請求項5】
2つの成分:72%の天然の繊維、フラクトースおよびペクチンを含む挽かれた100ミクロンのリンゴ粉末と、様々なスターチおよび植物性の分子から構成される植物性の粘着剤とを組み合わせることにおいて特徴付けられる、請求項2から4の1項に記載の組成物。
【請求項6】
1つの部分(1)から他の部分(3)まで連結される表面において、互いに対向する2つの表面を連結する他に、前記記載されたタイプの植物性のペーストが、それぞれの植物性の爪(4)を形成するため、2つの凹部に入ることができるように、互いに対向する凹部が得られることにおいて特徴付けられる、請求項2から5の組成物の1つに記載の組成物の使用。
【請求項7】
連結される(11および13)前記2つの部分のうちの1つのみにおいて、植物性の爪(14)を形成するように前記ペーストを入れるために凹部が形成されることにおいて特徴付けられる、請求項2から4の組成物の1つの組成物の使用。
【請求項8】
前記果実材料が薄層状の材料を成形するために適応する加圧手段によって供給されることにおいて特徴付けられる、該果実材料、特にリンゴを細かく切り刻む段階を含む請求項1記載の組成物から始まる擬革の生成のための手順。
【請求項9】
前記加圧手段が決まった厚さの薄層状の材料を形成するための適切な距離で互いに面する分岐を有するベルトによって形成されることにおいて特徴付けられる、請求項8記載の手順。
【請求項10】
前記加圧手段がプレス機によって形成されることにおいて特徴付けられる、請求項8記載の手順。
【請求項11】
前記積層体が他のタイプの材料に連結されることにおいて特徴付けられる、請求項8から10の1項に記載の手順。
【請求項12】
前記果実積層体が被覆として他の材料に連結されることにおいて特徴付けられる、請求項11記載の手順。
【請求項13】
100%の果実材料、特にリンゴから構成されることにおいて特徴付けられる、請求項8から12の1項により得られる擬革。
【請求項14】
果実および粘着剤から構成されることにおいて特徴付けられる、請求項8から12の1項により得られる擬革。
【請求項15】
1%までの粘着剤で構成されることにおいて特徴付けられる、請求項8から12の1により得られる擬革。
【請求項16】
前記粘着剤が果実に含まれる前記グルコースであることにおいて特徴付けられる、請求項8から12の1項により得られる擬革。
【請求項17】
他の材料に連結されることにおいて特徴付けられる、請求項8から12における1以上の請求項により得られる擬革。
【請求項18】
以下の段階:
いくつかの植物性由来の成分の減少;
ユニットとしての該成分の混合;
果実処理、特に果実ジュースの廃棄物から生じるリンゴ粉末への該混合された成分の添加、および、0から1000ミクロンへのミルによる製粉;
該混合物、リンゴ粉末、リンゴ・ベースの植物性の接着剤、例えば赤-緑-白-青-黄または構成された色合成のような食品着色料の構成;
すべての該植物性の成分の組成に必要とされる例えば40から100回転数/分へ変わる電気ミキサによる混合;
40°Cの室温での融合; 99.9%のリンゴ粉末混合物および1/1000の植物性の色の組成が円柱状に作成されるように製品を押圧するための調製;
により特徴付けられる、植物性の食品由来の様々な色の合成で請求項1記載の組成物から始まる植物性の擬革の生成のための手順。
【請求項19】
前記押圧が80から150barの間で行われることにおいて特徴付けられる、請求項18記載の手順。
【請求項20】
前記押圧が0.5mmから10mmまで変動する厚さまで前記材料を減少させることにおいて特徴付けられる、請求項18または19に記載の手順。
【請求項21】
請求項18から20の1項に記載の手順によって得られる擬革。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−544861(P2009−544861A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521371(P2009−521371)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002138
【国際公開番号】WO2008/012662
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(509017136)
【Fターム(参考)】