果実袋
【課題】開口部からの水分等の浸入をより確実に防止できる果実袋の提供を目的とする。
【解決手段】果実袋1は、果実を収容する袋状本体2に形成された開口部4近傍の対向面に、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5を設け、袋状本体2内面のチャック部材5近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6を設けた構成にしてある。また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部4近傍の対向面に、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5を設け、チャック部材5の一部を欠損させて開口部4の対向面にチャック欠損部9を形成し、チャック欠損部9に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6を設けた構成にしてある。
【解決手段】果実袋1は、果実を収容する袋状本体2に形成された開口部4近傍の対向面に、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5を設け、袋状本体2内面のチャック部材5近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6を設けた構成にしてある。また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部4近傍の対向面に、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5を設け、チャック部材5の一部を欠損させて開口部4の対向面にチャック欠損部9を形成し、チャック欠損部9に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6を設けた構成にしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、果実を鳥虫害、冷害などから保護する目的で果実袋が使用されている。このような果実袋は、一般に果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍に屈曲可能で形状保持機能を有する針金や合成樹脂等の封口部材を着設しており、使用時には袋状本体内に果実を収容した後、袋状本体の開口端部を収束し封口部材を捻って枝などに絡め封口するというものである(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかし、このような果実袋における封口作業を、樹上の果実一つ一つに対し行うには多大な労力を要する。また、前記果実袋は紙製であり、断熱のため三重構造となっているので、果実袋自体の単価が高く、果実袋を被せる果実の個数が多い場合には生産コストが高騰する。更に、このようなコストを抑えるため使用後の果実袋を廃棄することなく保管しておき、翌年再度使用するといった際には、紙製の袋状本体の皺や屈曲された封口部材を伸ばし形状を整え、複数の果実袋を重ね合わせて収納保管するといった作業を行っており、かかる保管時の作業にもおいても多大な労力を要するという問題があった。
【0004】
これに対し、袋状本体を合成樹脂フィルム製とし、この袋状本体の一辺に設けた開口部に沿ってポリチャックを設けることで開口部を開閉可能にした果実袋が下記特許文献2に開示されており、これにより安価で、且つ装着作業の作業性を向上させることができる果実袋が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−188975号公報
【特許文献2】特開2004−57142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の果実袋はポリチャックに挟まれた果実の枝の隙間から、水分や害虫が浸入するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、開口部からの水分等の浸入をより確実に防止できる果実袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る果実袋は、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面のチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0009】
また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、チャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0010】
そして、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0011】
更に、前記構成において、枝被い部が弾性部材で形成されているものである。
【0012】
更に、前記構成において、袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されているものである。
【0013】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されているものである。
【0014】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されているものである。
【0015】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えたものである。
【0016】
更に、前記した各構成において、袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成しているものである。
【0017】
更に、前記した構成において、底部材に水抜き穴が形成されているものである。
【0018】
更に、前記した構成において、底部材が通水性素材により構成されているものである。
【0019】
更に、前記した各構成において、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えているものである。
【0020】
更に、前記した構成において、断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われているものである。
【0021】
更に、前記した各構成において、断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されているものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る果実袋によれば、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面のチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたので、枝被い部が枝に密着して袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0023】
また、本発明に係る果実袋によれば、チャック部材を設けるとともにチャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部において果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたので、同様に、枝被い部が枝に密着して袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0024】
また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けたので、同様に、袋状本体内への水分の浸入の防止、及び害虫からの果実の保護が可能であり、更に、チャック部材の一方の端部を接着しなくてすむので、容易に製造できる。
【0025】
また、枝被い部が弾性部材で形成されている場合には、枝被い部が枝表面の凹凸や枝の湾曲などの形状に応じて柔軟に弾性変形し、枝被い部を枝に密着させることができ、袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止できる。
【0026】
そして、袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されている場合には、アルミ蒸着フィルムは断熱性が高いので、果実を冷害から保護することができる。
【0027】
更に、チャック部材が、凸条部材と、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されている場合には製造が容易となる利点がある。
【0028】
更に、チャック部材が、凸条部材と、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されている場合には、チャック部材の嵌合及び開封作業がより容易となる。
【0029】
更に、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えた場合には、摺動部材を移動させるだけで非常に容易に凸条部材と凹溝部材を係合でき、果実袋の果実への装着作業負担を大幅に軽減できる。
【0030】
更に、袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成している場合には、果実袋を果実に装着した際に胴部材の対向面が離間して底部材が拡張するので、胴部材の面積を小さくしても比較的大きな果実を袋状本体内に収容可能となる。よって、作業時や長期保管時の果実袋の占有面積を小さくできる。
【0031】
更に、底部材に水抜き穴が形成されている場合には、水抜き穴から水分を外部に排出することができる。
【0032】
更に、底部材が通水性素材により構成されている場合には、底部材のいずれの場所からでも水分を外部に排出することができ、非常に効率のよい水分の排出が可能となる。
【0033】
更に、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えている場合には果実を冷害から効率よく保護することができる。
【0034】
更に、断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われている場合には、果実表面に水分が付着するのを防止できる。
【0035】
更に、断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されている場合には、簡単な構造により安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0037】
図1は本発明の一実施形態に係る果実袋の斜視図、図2(a)は前記果実袋を畳んだ状態の正面図、図2(b)は図2(a)のA−A線矢視断面図、図3,4は前記果実袋の使用態様図である。各図において、この実施形態に係る果実袋1は、果実を収容する袋状本体2を備え、この袋状本体2の上部に開口部4が形成されており、該開口部4近傍の対向面には、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5が設けられている。
【0038】
袋状本体2は、対向配置された一対のシート状の胴部材12の左右両側縁部を接着して形成され、胴部材12の下部には内側に折り返された状態で前記胴部材12の間に挟まれて胴部材12の左右両側縁部に接着されるとともに、一対の胴部材12の各下端部に前後縁がそれぞれ接着された底部材3(襠部17)を備えている。これにより底部材3は胴部材12の下部に舟底形のシールパターンで接着され、袋状本体2内に果実を収容した際に胴部材12下部が離間して底部材3が拡開するようになっている。また、底部材3の略中央部には袋状本体2内に溜まった水を外部に排出する水抜き穴11が形成されている。
【0039】
袋状本体2の材質は、特に限定されないが、皺等の形成されにくい合成樹脂フィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル等が挙げられる。これらのうち、通気性を有し且つ透水性の低い点でポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0040】
チャック部材5は凸条部材7と凹溝部材8とからなり、凸条部材7が凹溝部材8に係脱自在に嵌合して開口部4を閉止する。チャック部材5の長手方向略中央部は欠損されており、これにより開口部4の対向面にチャック欠損部9が形成され、このチャック欠損部9に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6が設けられている。
【0041】
枝被い部6は筒心方向の長さが例えば1cm〜5cmといった所定長さを有する筒状の部材が筒心方向に二分割され、袋状本体2の対抗面であるチャック欠損部9に、一方が凸条部材7と、他方が凹溝部材8とそれぞれ一体に形成されている。枝被い部6が1cmより短い場合には枝被い部6による袋状本体2内への水の浸入を防止する効果が低くなり、5cmより長い場合には枝被い部6により果実の枝を被う作業がやや面倒となるとともに果実袋1が大きくなり畳んだ際に嵩張り保管場所としてより広い空間が必要となる。
【0042】
枝被い部6の材質は特に限定されず、合成樹脂、天然樹脂など挙げられるが、天然ゴム 、合成ゴムあるいはこれらの混合体、シリコンゴム 、ブチルゴム、 あるいはこれらの発泡樹脂等の弾性部材を用いることが好ましい。これにより、枝表面の凹凸や枝の湾曲などの形状に応じて柔軟に弾性変形し、枝被い部6を枝に密着させることができ、袋状本体2内への水分の浸入をより確実に防止できる。
【0043】
また、袋状本体2内には、袋状本体2の内面と果実との間に介設される断熱部材10を備えている。図2に示すように、この断熱部材10は、縦の長さaが、枝被い部6の下端部から底部材3の上端までの長さよりやや短くなっており、横幅の半分の長さbが袋状本体2の横幅よりやや短い矩形のシート状に形成され、横方向に折り返された状態で袋状本体2内に収容されている。
【0044】
断熱部材10の材質は、不織布、発泡樹脂、編地、布地等が挙げられるが、断熱性が高い点で不織布が好ましい。また、袋状本体2が透明または半透明である場合に断熱部材10が不透明の不織布等であれば、果実に直射日光が当たるのを防止でき、果実Fの温度が必要以上に上昇するのを抑制することができる。
【0045】
断熱部材10の果実と接触する面は撥水性塗料の塗膜で被われている。撥水性塗料としては、例えば、撥水剤として知られるパラフィンワックス系エマルジョン、フッ素系エマルジョン等の他、一般にシーラーとして使用されるアクリル系、メタクリル系、塩化ビニル系、ウレタン系、フッ素系、シリコンゴム系等の耐水性塗料をも含む。また、このような撥水性塗料の塗装方法は特に限定されず、刷毛、ローラー、スプレー、シャワー、カレンダーコート等の一般的な方法が適用できる。
【0046】
ここで、果実袋を装着する果実は、特に限定されないが、清見やデコポン等の柑橘系果実、モモ、ブドウ、カキ、リンゴ、ナシ、ビワなどが挙げられる。
【0047】
引続き、果実袋1の動作につき、以下に説明する。図3,4に示すように、果実袋1を果実に装着する際には、チャック部材5を開き、対面する断熱部材10の間に果実Fを収容するようにして果実袋1を果実Fに被せ、凸条部材7を凹溝部材8に嵌合してチャック部材5を閉じ、枝被い部6によって果実の枝Sを被う。これにより、簡単且つ確実に果実Fに果実袋1を装着することができ、枝被い部6が枝Sに密着するので袋状本体2内への水分の浸入を防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0048】
果実Fに装着した果実袋1の袋状本体2内において、果実Fから蒸散した水や袋状本体2内面で結露した水分、或いは万が一開口部4から浸入した雨などが果実Fに付着することがある。この場合、果実Fを側方から被う断熱部材10の果実Fと接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われているので、果実Fに付着した水分は直ちに撥水性塗料の塗膜を下方に滑り落ちる。よって、果実Fに長時間に亘り付着した水分が果実表面で凍結し、そのために果実にシミを形成したり、この凍結部分から果実Fが腐ってしまうといったことを防止できる。
【0049】
このように、果実Fに付着した水分は直ちに撥水性塗料の塗膜面を滑り落ちて袋状本体2の下部に溜まることとなるが、果実袋1を果実Fに被せた状態では、胴部材12の対向面が離間して底部材3が拡張し、底部材3の中央が最も低い位置となるので、果実Fと底部材3との間の距離cが長くなり、袋状本体2の下部に溜まった水分が果実の下部に接触して付着するといったことがない。加えて、底部材3の中央部が底部材3の最も低い位置となるので、この中央部に形成された水抜き穴11から重力に従って水分を外部に排出することができる。
【0050】
また、図5は、図4にけるB−B線矢視断面図である。図5に示すように、果実袋1を果実Fに被せた際、断熱部材10によって袋状本体2内で果実Fを側方から被うことで袋内を外気から断熱し果実Fを寒さから保護することができる。その際、横方向に折り返されたシート状の断熱部材10の端部同士が図5においてdで示す長さだけ離れてしまう場合があるが、果実Fから断熱部材10の端部までの長さeが、果実Fから断熱部材10の対向面までの長さgより長くなっており、果実Fと断熱部材10の端部との間に大きな空間が形成されているので、断熱部材10の端部同士が離れていても断熱性が損なわれるといったことがない。従って、シート状の断熱部材10を折り返しただけの簡単な構造で高い断熱効果を確保でき、果実袋1の製造コストを抑えることが可能である。
【0051】
また、カラス、ヒヨなどの鳥類が果実袋1の外側から果実Fをつつき果実Fを傷つけたり、また果実袋1を破ろうとする場合に、袋状本体2として紙より丈夫な合成樹脂フィルムを用いることで果実袋1を破れにくくすることができるとともに、袋状本体2内の断熱部材10により果実を保護することができる。特に、断熱部材10として不織布を用いた場合には所定の厚みと弾性を有するのでこのような鳥害をより効果的に防止できる。
【0052】
使用後の果実袋1はチャック部材5を開くだけで果実Fから容易に外すことができる。袋状本体1が合成樹脂フィルムで形成されている場合には、安価に製造でき、使用後であっても皺が形成されることがないので、皺や針金を伸ばストいった作業を行うことなくそのまま保管することができる。また、底部材3がガセット形式で形成されているので、嵩張らず小さい保管場所に多くの果実袋1を保管可能である。
【実施例2】
【0053】
図6は本発明の他の実施形態に係る果実袋の平面図であり、図7(a)は前記果実袋の部分拡大図である。図6において、実施例2に係る果実袋1aは袋状本体2aの左端にチャック欠損部9aが形成され、このチャック欠損部9aに枝被い部6aが形成されている。枝被い部6aは図7(a)に示すように平面視一部がやや鋭角に突出したC字状に形成され、枝被い部6aの一端側が凸条部材7aと、他端側が凹溝部材8aとそれぞれ一体に形成されている。また、図6に示すように、袋状本体2aの枝被い部6aの形成位置の対角となる位置に水抜き穴11aが形成されている。
【0054】
ここで、実施例2においては胴部材12aのみで袋状本体を構成し、ガゼット形式の底部材を形成しておらず、また、断熱部材の図示を省略した。そして、前記枝被い部6aに替えて、図7(b)に示すような平面視円形状の一部を切り欠いたC字状の枝被い部6bを用いてもよい。
【0055】
本実施例2に係る果実袋1aはチャック欠損部9aが開口部の左端部に形成されているので、チャック部材が左右に離間して形成されている上記実施例1に比較してチャック部材の嵌合及び開封作業が容易となる。
【0056】
また、図8に示すように、果実袋1aを果実Fに装着すると袋状本体2aは傾斜して水抜き穴11aの形成位置が袋状本体2aの最も低い位置となる。この場合、袋状本体2aの最下部と果実Fとの距離hが長くなるので、袋状本体2a下部に溜まった水分は果実Fに付着しずらくなる。また、この水抜き穴11aの形成位置に集まった袋状本体2a内の水分は、重力に従って水抜き穴11aから容易に外部に排出される。よって、実施例2に係る果実袋1aは上記実施例1のようにガゼット形式の底部材を形成しなくても袋状本体2a下部に溜まった水分の果実Fへの付着を防止できるとともに袋状本体2a内の水分を抜くことができる。このように簡単な構造なので、安価に製造でき、保管時の嵩張りも少なくできる。
【実施例3】
【0057】
図9は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示す。図9において、チャック欠損部9bは、チャック部材5bの長手方向中央部において、凸条部材7b及び凹溝部材8bを含む胴部材12bに略矩形状の貫通穴を形成してなり、また、枝被い部6cはゴム管を筒心方向に切り欠いて別部材として形成され、使用時には果実の枝を被った枝被い部6cをチャック欠損部9bに係合して用いる。
【0058】
尚、上記実施例1〜3では、チャック欠損部をチャック部材の中央または左端に形成したが、本発明の果実袋はそれに限定されるものでなく、チャック部材上の他の位置であってもよく、右端であってもよい。また、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えたが、断熱部材を用いずに果実袋を使用してもよく、断熱部材の果実と接触する面は撥水性塗料の塗膜で被ったが、係る塗膜を形成しなくてもよい。また、断熱部材はシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されていたが、断熱部材の形状は他の形状であってもよく、2枚以上のシート材を重ねて用いてもよい。
【実施例4】
【0059】
図10は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示し、図10(a)は前記果実袋1cを畳んだ状態の正面図、図10(b)は図10(a)のC−C線矢視断面図である。本実施例4に係る果実袋1cの袋状本体2cを構成する胴部材12cは、合成樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着した汎用のアルミ蒸着フィルム14と、該アルミ蒸着フィルム14の内面に接着剤などにより接着した不織布15とからなる構造を有する。
【0060】
アルミ蒸着フィルム14は断熱性が高いので、胴部材12cにアルミ蒸着フィルム14を用いれば果実を冷害から保護することができ、そして、このようなアルミ蒸着フィルム14の内面に不織布15を接着し一体に構成することによって、断熱性を更に高めることができ、製造も容易となる。
【0061】
また、このようなアルミ蒸着フィルム14及び不織布15からなる構造を有する胴部材12cは不透明となるので、果実袋1cを装着した果実に直射日光が当たるのを防止でき、果実Fの温度が必要以上に上昇するのを抑制することができる。従って、上記実施例1のように遮光を目的として不透明の断熱部材を別途袋状本体2内に収容するといった手間を省くことができる。
【0062】
そして、上記実施例1おいては、図2(a)に示すように、胴部材12の左右下隅部と底部材3との接着縁部が円弧状とされていることにより舟底形のシールパターンに形成されたが、本実施例4に係る果実袋1cの底部材3cは、図10(a)に破線iで示すように、折り返された略矩形状の底部材3c下端縁と、胴部材12cの下端縁とが所定幅で接着された構造を有する。
【0063】
この底部材3cは通水性素材により構成されている。これにより、底部材3cに水抜き穴11を形成しなくても、底部材3cのいずれの箇所からも袋状本体2c内に溜まった水を外部に排出することができる。通水性素材としては、例えば、不織布、編地、布地等が挙げられるが、断熱性が高い点で不織布が好ましい。
【0064】
更に、図10(a)に示すように、果実袋1cにはチャック欠損部を設けることなく、袋状本体2c内面、且つチャック部材5c近傍位置となるチャック部材5cの左端部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6cを設けている。図10においては直方体状の枝被い部6cを胴部材12cの凸条部材7cの形成された内面に接着した例を示しているが、枝被い部6cの形状は特に限定されず、直方体状、立方体状、球状、または不定形な形状であってもよい。これらのうち特に、成形が容易である点で略直方体状とすることが好ましい。
【0065】
また、枝被い部6cの材質は、合成樹脂、天然樹脂など挙げられ、天然ゴム、合成ゴムあるいはこれらの混合体やこれらの発泡樹脂等といった弾性部材を用いることができ、特に、エチレンプロピレンゴム、エチレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、及びこれらの混合体の発泡樹脂等が好ましく用いられる。これらの中でも特にエチレンプロピレンゴムまたはエチレンゴムの発泡樹脂がより好ましい。
【0066】
枝被い部6cに発泡樹脂を用いる場合には、発泡体中の気泡同士が繋がっている連続気泡の発泡樹脂ではなく気泡同士が繋がっていない独立気泡の発泡樹脂を用いることが好ましい。独立気泡の発泡樹脂を用いることにより、枝被い部6c表面に付着した水分は該付着位置に留まり、枝被い部6cの内部に浸透しにくいので、袋状本体2c内への水分の浸入を抑制することができる。
【0067】
また、枝被い部6cに発泡樹脂を用いた場合には、該発泡樹脂は容易に変形するので、胴部材12cの一方の内面に1個の枝被い部6cを設けただけであっても、果実の枝の外周を全周に亘って被うことが可能となる。尚、枝被い部6cは一対の胴部材12cの双方の内面に1対の発泡樹脂がそれぞれ接着された構造であってもよい。
【0068】
更に、果実袋1cは、チャック部材5cの長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材7cと凹溝部材8cを係脱自在に嵌合させる摺動部材13を備えている。この摺動部材13をチャック部材5cの長手方向に摺動することで、容易に凸条部材7cを凹溝部材8cに係合することができ、果実袋1cの果実への装着作業負担を大幅に軽減できる。
【0069】
また、果実袋1cを果実に装着した際に、摺動部材13を、枝被い部6cを設けたチャック部材5cの左端部に押しつけることによって、チャック部材5cの左端部において凸条部材7cと凹溝部材8cとによって枝被い部6cを挟持すると、果実の枝を被っている枝被い部6cが弾性変形し、開口部4cを非常に小さくすることができる。これにより、開口部4cにおいて、果実の枝と枝被い部6cとの隙間や、枝被い部6cとチャック部材5cとの隙間から水分が浸入するのを防止することができる。
【0070】
尚、実施例4に係る果実袋1cの袋状本体2cを構成する胴部材12cは、合成樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着した汎用のアルミ蒸着フィルム14と、該アルミ蒸着フィルム14の内面に接着剤などにより接着した不織布15とからなる構造を有したが、本発明の果実袋はこれに限定されず、アルミ蒸着フィルム及び不織布に替えて他のシート状部材を用いてもよく、アルミを蒸着していない合成樹脂フィルム等であってもよい。そして、フィルムの内面に不織布を接着しない構造としても構わない。
【実施例5】
【0071】
図11は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示す。図11に示す果実袋1dは、袋状本体2dの一方の側縁部に、開口部4dからチャック部材5dの下方位置まで袋状本体2dを構成する一対の胴部材12dを互いに離間させた離間部16が形成されている。離間部16には、果実の枝を被う一対の枝被い部6dを設けており、一対の枝被い部6dは、略直方体状の合成樹脂発泡体がチャック部材5dの下方位置で一対の胴部材12dに各々接着されてなり、この一対の枝被い部6dの間に果実の枝を挟み、チャック部材5dを封止することで、果実袋1dを果実に装着するようになっている。
【0072】
果実袋1dは、チャック部材5dの左端部を接着しないので容易に製造可能であり、これにより、製造コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態に係る果実袋の斜視図である。
【図2】前記果実袋を畳んだ状態の図である。
【図3】前記果実袋の使用態様図である。
【図4】前記果実袋の使用態様図である。
【図5】前記果実袋の使用態様図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る果実袋の平面図である。
【図7】前記果実袋の部分拡大図である。
【図8】前記果実袋の使用態様図である。
【図9】本発明に係る更に他の果実袋の平面図である。
【図10】本発明に係る更に他の果実袋畳んだ状態の図である。
【図11】本発明に係る更に他の果実袋の斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1,1a,1b,1c,1d 果実袋
2,2a,2b,2c,2d 袋状本体
3,3c 底部材
4,4d 開口部
5,5b,5c,5d チャック部材
6,6a,6b,6c,6d 枝被い部
7,7a,7b,7c,7d 凸条部材
8,8a,8b,8c,8d 凹溝部材
9 チャック欠損部
10 断熱部材
11,11a 水抜き穴
12,12a,12b,12c,12d 胴部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、果実を鳥虫害、冷害などから保護する目的で果実袋が使用されている。このような果実袋は、一般に果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍に屈曲可能で形状保持機能を有する針金や合成樹脂等の封口部材を着設しており、使用時には袋状本体内に果実を収容した後、袋状本体の開口端部を収束し封口部材を捻って枝などに絡め封口するというものである(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかし、このような果実袋における封口作業を、樹上の果実一つ一つに対し行うには多大な労力を要する。また、前記果実袋は紙製であり、断熱のため三重構造となっているので、果実袋自体の単価が高く、果実袋を被せる果実の個数が多い場合には生産コストが高騰する。更に、このようなコストを抑えるため使用後の果実袋を廃棄することなく保管しておき、翌年再度使用するといった際には、紙製の袋状本体の皺や屈曲された封口部材を伸ばし形状を整え、複数の果実袋を重ね合わせて収納保管するといった作業を行っており、かかる保管時の作業にもおいても多大な労力を要するという問題があった。
【0004】
これに対し、袋状本体を合成樹脂フィルム製とし、この袋状本体の一辺に設けた開口部に沿ってポリチャックを設けることで開口部を開閉可能にした果実袋が下記特許文献2に開示されており、これにより安価で、且つ装着作業の作業性を向上させることができる果実袋が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−188975号公報
【特許文献2】特開2004−57142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の果実袋はポリチャックに挟まれた果実の枝の隙間から、水分や害虫が浸入するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、開口部からの水分等の浸入をより確実に防止できる果実袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る果実袋は、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面のチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0009】
また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、チャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0010】
そして、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けた構成にしてある。
【0011】
更に、前記構成において、枝被い部が弾性部材で形成されているものである。
【0012】
更に、前記構成において、袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されているものである。
【0013】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されているものである。
【0014】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されているものである。
【0015】
更に、前記した各構成において、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えたものである。
【0016】
更に、前記した各構成において、袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成しているものである。
【0017】
更に、前記した構成において、底部材に水抜き穴が形成されているものである。
【0018】
更に、前記した構成において、底部材が通水性素材により構成されているものである。
【0019】
更に、前記した各構成において、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えているものである。
【0020】
更に、前記した構成において、断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われているものである。
【0021】
更に、前記した各構成において、断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されているものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る果実袋によれば、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面のチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたので、枝被い部が枝に密着して袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0023】
また、本発明に係る果実袋によれば、チャック部材を設けるとともにチャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部において果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたので、同様に、枝被い部が枝に密着して袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0024】
また、果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けたので、同様に、袋状本体内への水分の浸入の防止、及び害虫からの果実の保護が可能であり、更に、チャック部材の一方の端部を接着しなくてすむので、容易に製造できる。
【0025】
また、枝被い部が弾性部材で形成されている場合には、枝被い部が枝表面の凹凸や枝の湾曲などの形状に応じて柔軟に弾性変形し、枝被い部を枝に密着させることができ、袋状本体内への水分の浸入をより確実に防止できる。
【0026】
そして、袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されている場合には、アルミ蒸着フィルムは断熱性が高いので、果実を冷害から保護することができる。
【0027】
更に、チャック部材が、凸条部材と、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されている場合には製造が容易となる利点がある。
【0028】
更に、チャック部材が、凸条部材と、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されている場合には、チャック部材の嵌合及び開封作業がより容易となる。
【0029】
更に、チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えた場合には、摺動部材を移動させるだけで非常に容易に凸条部材と凹溝部材を係合でき、果実袋の果実への装着作業負担を大幅に軽減できる。
【0030】
更に、袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成している場合には、果実袋を果実に装着した際に胴部材の対向面が離間して底部材が拡張するので、胴部材の面積を小さくしても比較的大きな果実を袋状本体内に収容可能となる。よって、作業時や長期保管時の果実袋の占有面積を小さくできる。
【0031】
更に、底部材に水抜き穴が形成されている場合には、水抜き穴から水分を外部に排出することができる。
【0032】
更に、底部材が通水性素材により構成されている場合には、底部材のいずれの場所からでも水分を外部に排出することができ、非常に効率のよい水分の排出が可能となる。
【0033】
更に、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えている場合には果実を冷害から効率よく保護することができる。
【0034】
更に、断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われている場合には、果実表面に水分が付着するのを防止できる。
【0035】
更に、断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されている場合には、簡単な構造により安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0037】
図1は本発明の一実施形態に係る果実袋の斜視図、図2(a)は前記果実袋を畳んだ状態の正面図、図2(b)は図2(a)のA−A線矢視断面図、図3,4は前記果実袋の使用態様図である。各図において、この実施形態に係る果実袋1は、果実を収容する袋状本体2を備え、この袋状本体2の上部に開口部4が形成されており、該開口部4近傍の対向面には、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5が設けられている。
【0038】
袋状本体2は、対向配置された一対のシート状の胴部材12の左右両側縁部を接着して形成され、胴部材12の下部には内側に折り返された状態で前記胴部材12の間に挟まれて胴部材12の左右両側縁部に接着されるとともに、一対の胴部材12の各下端部に前後縁がそれぞれ接着された底部材3(襠部17)を備えている。これにより底部材3は胴部材12の下部に舟底形のシールパターンで接着され、袋状本体2内に果実を収容した際に胴部材12下部が離間して底部材3が拡開するようになっている。また、底部材3の略中央部には袋状本体2内に溜まった水を外部に排出する水抜き穴11が形成されている。
【0039】
袋状本体2の材質は、特に限定されないが、皺等の形成されにくい合成樹脂フィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル等が挙げられる。これらのうち、通気性を有し且つ透水性の低い点でポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0040】
チャック部材5は凸条部材7と凹溝部材8とからなり、凸条部材7が凹溝部材8に係脱自在に嵌合して開口部4を閉止する。チャック部材5の長手方向略中央部は欠損されており、これにより開口部4の対向面にチャック欠損部9が形成され、このチャック欠損部9に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6が設けられている。
【0041】
枝被い部6は筒心方向の長さが例えば1cm〜5cmといった所定長さを有する筒状の部材が筒心方向に二分割され、袋状本体2の対抗面であるチャック欠損部9に、一方が凸条部材7と、他方が凹溝部材8とそれぞれ一体に形成されている。枝被い部6が1cmより短い場合には枝被い部6による袋状本体2内への水の浸入を防止する効果が低くなり、5cmより長い場合には枝被い部6により果実の枝を被う作業がやや面倒となるとともに果実袋1が大きくなり畳んだ際に嵩張り保管場所としてより広い空間が必要となる。
【0042】
枝被い部6の材質は特に限定されず、合成樹脂、天然樹脂など挙げられるが、天然ゴム 、合成ゴムあるいはこれらの混合体、シリコンゴム 、ブチルゴム、 あるいはこれらの発泡樹脂等の弾性部材を用いることが好ましい。これにより、枝表面の凹凸や枝の湾曲などの形状に応じて柔軟に弾性変形し、枝被い部6を枝に密着させることができ、袋状本体2内への水分の浸入をより確実に防止できる。
【0043】
また、袋状本体2内には、袋状本体2の内面と果実との間に介設される断熱部材10を備えている。図2に示すように、この断熱部材10は、縦の長さaが、枝被い部6の下端部から底部材3の上端までの長さよりやや短くなっており、横幅の半分の長さbが袋状本体2の横幅よりやや短い矩形のシート状に形成され、横方向に折り返された状態で袋状本体2内に収容されている。
【0044】
断熱部材10の材質は、不織布、発泡樹脂、編地、布地等が挙げられるが、断熱性が高い点で不織布が好ましい。また、袋状本体2が透明または半透明である場合に断熱部材10が不透明の不織布等であれば、果実に直射日光が当たるのを防止でき、果実Fの温度が必要以上に上昇するのを抑制することができる。
【0045】
断熱部材10の果実と接触する面は撥水性塗料の塗膜で被われている。撥水性塗料としては、例えば、撥水剤として知られるパラフィンワックス系エマルジョン、フッ素系エマルジョン等の他、一般にシーラーとして使用されるアクリル系、メタクリル系、塩化ビニル系、ウレタン系、フッ素系、シリコンゴム系等の耐水性塗料をも含む。また、このような撥水性塗料の塗装方法は特に限定されず、刷毛、ローラー、スプレー、シャワー、カレンダーコート等の一般的な方法が適用できる。
【0046】
ここで、果実袋を装着する果実は、特に限定されないが、清見やデコポン等の柑橘系果実、モモ、ブドウ、カキ、リンゴ、ナシ、ビワなどが挙げられる。
【0047】
引続き、果実袋1の動作につき、以下に説明する。図3,4に示すように、果実袋1を果実に装着する際には、チャック部材5を開き、対面する断熱部材10の間に果実Fを収容するようにして果実袋1を果実Fに被せ、凸条部材7を凹溝部材8に嵌合してチャック部材5を閉じ、枝被い部6によって果実の枝Sを被う。これにより、簡単且つ確実に果実Fに果実袋1を装着することができ、枝被い部6が枝Sに密着するので袋状本体2内への水分の浸入を防止でき、害虫から果実を保護できる。
【0048】
果実Fに装着した果実袋1の袋状本体2内において、果実Fから蒸散した水や袋状本体2内面で結露した水分、或いは万が一開口部4から浸入した雨などが果実Fに付着することがある。この場合、果実Fを側方から被う断熱部材10の果実Fと接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われているので、果実Fに付着した水分は直ちに撥水性塗料の塗膜を下方に滑り落ちる。よって、果実Fに長時間に亘り付着した水分が果実表面で凍結し、そのために果実にシミを形成したり、この凍結部分から果実Fが腐ってしまうといったことを防止できる。
【0049】
このように、果実Fに付着した水分は直ちに撥水性塗料の塗膜面を滑り落ちて袋状本体2の下部に溜まることとなるが、果実袋1を果実Fに被せた状態では、胴部材12の対向面が離間して底部材3が拡張し、底部材3の中央が最も低い位置となるので、果実Fと底部材3との間の距離cが長くなり、袋状本体2の下部に溜まった水分が果実の下部に接触して付着するといったことがない。加えて、底部材3の中央部が底部材3の最も低い位置となるので、この中央部に形成された水抜き穴11から重力に従って水分を外部に排出することができる。
【0050】
また、図5は、図4にけるB−B線矢視断面図である。図5に示すように、果実袋1を果実Fに被せた際、断熱部材10によって袋状本体2内で果実Fを側方から被うことで袋内を外気から断熱し果実Fを寒さから保護することができる。その際、横方向に折り返されたシート状の断熱部材10の端部同士が図5においてdで示す長さだけ離れてしまう場合があるが、果実Fから断熱部材10の端部までの長さeが、果実Fから断熱部材10の対向面までの長さgより長くなっており、果実Fと断熱部材10の端部との間に大きな空間が形成されているので、断熱部材10の端部同士が離れていても断熱性が損なわれるといったことがない。従って、シート状の断熱部材10を折り返しただけの簡単な構造で高い断熱効果を確保でき、果実袋1の製造コストを抑えることが可能である。
【0051】
また、カラス、ヒヨなどの鳥類が果実袋1の外側から果実Fをつつき果実Fを傷つけたり、また果実袋1を破ろうとする場合に、袋状本体2として紙より丈夫な合成樹脂フィルムを用いることで果実袋1を破れにくくすることができるとともに、袋状本体2内の断熱部材10により果実を保護することができる。特に、断熱部材10として不織布を用いた場合には所定の厚みと弾性を有するのでこのような鳥害をより効果的に防止できる。
【0052】
使用後の果実袋1はチャック部材5を開くだけで果実Fから容易に外すことができる。袋状本体1が合成樹脂フィルムで形成されている場合には、安価に製造でき、使用後であっても皺が形成されることがないので、皺や針金を伸ばストいった作業を行うことなくそのまま保管することができる。また、底部材3がガセット形式で形成されているので、嵩張らず小さい保管場所に多くの果実袋1を保管可能である。
【実施例2】
【0053】
図6は本発明の他の実施形態に係る果実袋の平面図であり、図7(a)は前記果実袋の部分拡大図である。図6において、実施例2に係る果実袋1aは袋状本体2aの左端にチャック欠損部9aが形成され、このチャック欠損部9aに枝被い部6aが形成されている。枝被い部6aは図7(a)に示すように平面視一部がやや鋭角に突出したC字状に形成され、枝被い部6aの一端側が凸条部材7aと、他端側が凹溝部材8aとそれぞれ一体に形成されている。また、図6に示すように、袋状本体2aの枝被い部6aの形成位置の対角となる位置に水抜き穴11aが形成されている。
【0054】
ここで、実施例2においては胴部材12aのみで袋状本体を構成し、ガゼット形式の底部材を形成しておらず、また、断熱部材の図示を省略した。そして、前記枝被い部6aに替えて、図7(b)に示すような平面視円形状の一部を切り欠いたC字状の枝被い部6bを用いてもよい。
【0055】
本実施例2に係る果実袋1aはチャック欠損部9aが開口部の左端部に形成されているので、チャック部材が左右に離間して形成されている上記実施例1に比較してチャック部材の嵌合及び開封作業が容易となる。
【0056】
また、図8に示すように、果実袋1aを果実Fに装着すると袋状本体2aは傾斜して水抜き穴11aの形成位置が袋状本体2aの最も低い位置となる。この場合、袋状本体2aの最下部と果実Fとの距離hが長くなるので、袋状本体2a下部に溜まった水分は果実Fに付着しずらくなる。また、この水抜き穴11aの形成位置に集まった袋状本体2a内の水分は、重力に従って水抜き穴11aから容易に外部に排出される。よって、実施例2に係る果実袋1aは上記実施例1のようにガゼット形式の底部材を形成しなくても袋状本体2a下部に溜まった水分の果実Fへの付着を防止できるとともに袋状本体2a内の水分を抜くことができる。このように簡単な構造なので、安価に製造でき、保管時の嵩張りも少なくできる。
【実施例3】
【0057】
図9は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示す。図9において、チャック欠損部9bは、チャック部材5bの長手方向中央部において、凸条部材7b及び凹溝部材8bを含む胴部材12bに略矩形状の貫通穴を形成してなり、また、枝被い部6cはゴム管を筒心方向に切り欠いて別部材として形成され、使用時には果実の枝を被った枝被い部6cをチャック欠損部9bに係合して用いる。
【0058】
尚、上記実施例1〜3では、チャック欠損部をチャック部材の中央または左端に形成したが、本発明の果実袋はそれに限定されるものでなく、チャック部材上の他の位置であってもよく、右端であってもよい。また、袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えたが、断熱部材を用いずに果実袋を使用してもよく、断熱部材の果実と接触する面は撥水性塗料の塗膜で被ったが、係る塗膜を形成しなくてもよい。また、断熱部材はシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されていたが、断熱部材の形状は他の形状であってもよく、2枚以上のシート材を重ねて用いてもよい。
【実施例4】
【0059】
図10は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示し、図10(a)は前記果実袋1cを畳んだ状態の正面図、図10(b)は図10(a)のC−C線矢視断面図である。本実施例4に係る果実袋1cの袋状本体2cを構成する胴部材12cは、合成樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着した汎用のアルミ蒸着フィルム14と、該アルミ蒸着フィルム14の内面に接着剤などにより接着した不織布15とからなる構造を有する。
【0060】
アルミ蒸着フィルム14は断熱性が高いので、胴部材12cにアルミ蒸着フィルム14を用いれば果実を冷害から保護することができ、そして、このようなアルミ蒸着フィルム14の内面に不織布15を接着し一体に構成することによって、断熱性を更に高めることができ、製造も容易となる。
【0061】
また、このようなアルミ蒸着フィルム14及び不織布15からなる構造を有する胴部材12cは不透明となるので、果実袋1cを装着した果実に直射日光が当たるのを防止でき、果実Fの温度が必要以上に上昇するのを抑制することができる。従って、上記実施例1のように遮光を目的として不透明の断熱部材を別途袋状本体2内に収容するといった手間を省くことができる。
【0062】
そして、上記実施例1おいては、図2(a)に示すように、胴部材12の左右下隅部と底部材3との接着縁部が円弧状とされていることにより舟底形のシールパターンに形成されたが、本実施例4に係る果実袋1cの底部材3cは、図10(a)に破線iで示すように、折り返された略矩形状の底部材3c下端縁と、胴部材12cの下端縁とが所定幅で接着された構造を有する。
【0063】
この底部材3cは通水性素材により構成されている。これにより、底部材3cに水抜き穴11を形成しなくても、底部材3cのいずれの箇所からも袋状本体2c内に溜まった水を外部に排出することができる。通水性素材としては、例えば、不織布、編地、布地等が挙げられるが、断熱性が高い点で不織布が好ましい。
【0064】
更に、図10(a)に示すように、果実袋1cにはチャック欠損部を設けることなく、袋状本体2c内面、且つチャック部材5c近傍位置となるチャック部材5cの左端部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部6cを設けている。図10においては直方体状の枝被い部6cを胴部材12cの凸条部材7cの形成された内面に接着した例を示しているが、枝被い部6cの形状は特に限定されず、直方体状、立方体状、球状、または不定形な形状であってもよい。これらのうち特に、成形が容易である点で略直方体状とすることが好ましい。
【0065】
また、枝被い部6cの材質は、合成樹脂、天然樹脂など挙げられ、天然ゴム、合成ゴムあるいはこれらの混合体やこれらの発泡樹脂等といった弾性部材を用いることができ、特に、エチレンプロピレンゴム、エチレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、及びこれらの混合体の発泡樹脂等が好ましく用いられる。これらの中でも特にエチレンプロピレンゴムまたはエチレンゴムの発泡樹脂がより好ましい。
【0066】
枝被い部6cに発泡樹脂を用いる場合には、発泡体中の気泡同士が繋がっている連続気泡の発泡樹脂ではなく気泡同士が繋がっていない独立気泡の発泡樹脂を用いることが好ましい。独立気泡の発泡樹脂を用いることにより、枝被い部6c表面に付着した水分は該付着位置に留まり、枝被い部6cの内部に浸透しにくいので、袋状本体2c内への水分の浸入を抑制することができる。
【0067】
また、枝被い部6cに発泡樹脂を用いた場合には、該発泡樹脂は容易に変形するので、胴部材12cの一方の内面に1個の枝被い部6cを設けただけであっても、果実の枝の外周を全周に亘って被うことが可能となる。尚、枝被い部6cは一対の胴部材12cの双方の内面に1対の発泡樹脂がそれぞれ接着された構造であってもよい。
【0068】
更に、果実袋1cは、チャック部材5cの長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材7cと凹溝部材8cを係脱自在に嵌合させる摺動部材13を備えている。この摺動部材13をチャック部材5cの長手方向に摺動することで、容易に凸条部材7cを凹溝部材8cに係合することができ、果実袋1cの果実への装着作業負担を大幅に軽減できる。
【0069】
また、果実袋1cを果実に装着した際に、摺動部材13を、枝被い部6cを設けたチャック部材5cの左端部に押しつけることによって、チャック部材5cの左端部において凸条部材7cと凹溝部材8cとによって枝被い部6cを挟持すると、果実の枝を被っている枝被い部6cが弾性変形し、開口部4cを非常に小さくすることができる。これにより、開口部4cにおいて、果実の枝と枝被い部6cとの隙間や、枝被い部6cとチャック部材5cとの隙間から水分が浸入するのを防止することができる。
【0070】
尚、実施例4に係る果実袋1cの袋状本体2cを構成する胴部材12cは、合成樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着した汎用のアルミ蒸着フィルム14と、該アルミ蒸着フィルム14の内面に接着剤などにより接着した不織布15とからなる構造を有したが、本発明の果実袋はこれに限定されず、アルミ蒸着フィルム及び不織布に替えて他のシート状部材を用いてもよく、アルミを蒸着していない合成樹脂フィルム等であってもよい。そして、フィルムの内面に不織布を接着しない構造としても構わない。
【実施例5】
【0071】
図11は、本発明に係る果実袋の更に他の実施の形態を示す。図11に示す果実袋1dは、袋状本体2dの一方の側縁部に、開口部4dからチャック部材5dの下方位置まで袋状本体2dを構成する一対の胴部材12dを互いに離間させた離間部16が形成されている。離間部16には、果実の枝を被う一対の枝被い部6dを設けており、一対の枝被い部6dは、略直方体状の合成樹脂発泡体がチャック部材5dの下方位置で一対の胴部材12dに各々接着されてなり、この一対の枝被い部6dの間に果実の枝を挟み、チャック部材5dを封止することで、果実袋1dを果実に装着するようになっている。
【0072】
果実袋1dは、チャック部材5dの左端部を接着しないので容易に製造可能であり、これにより、製造コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態に係る果実袋の斜視図である。
【図2】前記果実袋を畳んだ状態の図である。
【図3】前記果実袋の使用態様図である。
【図4】前記果実袋の使用態様図である。
【図5】前記果実袋の使用態様図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る果実袋の平面図である。
【図7】前記果実袋の部分拡大図である。
【図8】前記果実袋の使用態様図である。
【図9】本発明に係る更に他の果実袋の平面図である。
【図10】本発明に係る更に他の果実袋畳んだ状態の図である。
【図11】本発明に係る更に他の果実袋の斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1,1a,1b,1c,1d 果実袋
2,2a,2b,2c,2d 袋状本体
3,3c 底部材
4,4d 開口部
5,5b,5c,5d チャック部材
6,6a,6b,6c,6d 枝被い部
7,7a,7b,7c,7d 凸条部材
8,8a,8b,8c,8d 凹溝部材
9 チャック欠損部
10 断熱部材
11,11a 水抜き穴
12,12a,12b,12c,12d 胴部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面、且つチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項2】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、チャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項3】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項4】
枝被い部が弾性部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の果実袋。
【請求項5】
袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の果実袋。
【請求項6】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の果実袋。
【請求項7】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の果実袋。
【請求項8】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えたこと特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の果実袋。
【請求項9】
袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の果実袋。
【請求項10】
底部材に水抜き穴が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の果実袋。
【請求項11】
底部材が通水性素材により構成されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の果実袋。
【請求項12】
袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の果実袋。
【請求項13】
断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われていることを特徴とする請求項12に記載の果実袋。
【請求項14】
断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の果実袋。
【請求項1】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体内面、且つチャック部材近傍位置に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項2】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、チャック部材の一部を欠損させて開口部の対向面にチャック欠損部を形成し、チャック欠損部に果実の枝を着脱自在に被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項3】
果実を収容する袋状本体に形成された開口部近傍の対向面に、開口部を開閉自在に水封するチャック部材を設け、袋状本体の側縁部に、開口部からチャック部材の下方位置まで袋状本体を構成する一対の胴部材が互いに離間した離間部を形成し、該離間部に果実の枝を被う枝被い部を設けたことを特徴とする果実袋。
【請求項4】
枝被い部が弾性部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の果実袋。
【請求項5】
袋状本体が、アルミ蒸着フィルムにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の果実袋。
【請求項6】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、二分割された枝被い部の一方が凸条部材と、他方が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の果実袋。
【請求項7】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、該凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、平面視C字状に形成された枝被い部の一端側が凸条部材と、他端側が凹溝部材とそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の果実袋。
【請求項8】
チャック部材が、袋状本体の一方の内面に形成された凸条部材と、袋状本体の他方の内面に形成され、凸条部材と係脱自在に嵌合する凹溝部材とからなり、チャック部材の長手方向に摺動自在に移動して、凸条部材と凹溝部材を係脱自在に嵌合させる摺動部材を備えたこと特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の果実袋。
【請求項9】
袋状本体が、対向配置された一対の胴部材の両側縁部を接着して形成され、胴部材の下部には内側に折り返してなる底部材が挟み込まれて袋状本体の底部に襠部を形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の果実袋。
【請求項10】
底部材に水抜き穴が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の果実袋。
【請求項11】
底部材が通水性素材により構成されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の果実袋。
【請求項12】
袋状本体の内面と果実との間に介設される断熱部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の果実袋。
【請求項13】
断熱部材の果実と接触する面が撥水性塗料の塗膜で被われていることを特徴とする請求項12に記載の果実袋。
【請求項14】
断熱部材がシート状に形成されていて、袋状本体内で果実を側方から被うように横方向に折り返されていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の果実袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−207468(P2009−207468A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82891(P2008−82891)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508037315)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508037315)
【Fターム(参考)】
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