説明

架橋型アニオン性水溶性重合体分散液及びそれを用いた抄紙方法

【課題】 アニオン性水溶性重合体の凝集剤としての機能性の向上を目的とした、架橋型アニオン性水溶性重合体を安定した分散液の状態で効率良く製造する方法の提供、及び該架橋型アニオン性水溶性重合体を使用した抄紙方法を提供すること。
【解決手段】 該架橋型アニオン性水溶性重合体は、重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が、分光光度計で測定して10〜500FAU(波長850nmの可視光線により測定)であり、アニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可能な高分子分散剤を共存させる分散重合法により安定した分散液の状態で効率良く製造する。また該架橋型アニオン性水溶性重合体分散液を添加することによって歩留率及び/又は濾水性が向上し、更に地合の良好な紙を抄紙することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は架橋型アニオン性水溶性重合体分散液及びそれを用いた抄紙方法に関するものであり、詳しくは重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が10〜500FAUである架橋型アニオン性水溶性重合体であって、塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下でアニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子の分散液であることを特徴とする架橋型アニオン性水溶性重合体に関し、また歩留率及び/または濾水性を向上させることを目的として抄紙前の製紙原料中に無機凝集剤、カチオン性デンプン、両性デンプン、有機カチオン性水溶性高分子及び有機両性水溶性高分子から選択される一種以上を添加した後、架橋型アニオン性水溶性重合体分散液あるいはその希釈液を添加する抄紙方法にも関する。
【技術背景】
【0002】
アニオン性水溶性重合体は、凝集剤として多岐にわたる用途に応用されている。例えば、一般水処理剤としての排水中の固液分離、カチオン性凝集剤と組み合わせた汚泥の脱水、製紙工業においてはカチオン性水溶性重合体との組み合わせによる歩留向上剤等に使用され、土木では土壌の固化剤としても使用されている。
【0003】
これらアニオン性水溶性重合体の重合方法は、以下が知られている。例えば、水溶液重合法はペ−スト状製品として供給され、油中水型エマルジョン重合品は重合後、転相剤とよばれる親水性乳化剤を加えラテックスの形態で供給され、油中水型分散重合法は、粉末状製品を製造するため適用される場合が多く、30〜50%濃度の単量体水溶液をそのまま重合しゲル状重合物をミ−トチョッパ−などで造粒後、直接乾燥する方法も粉末品の製造に応用されている。最近では、塩水溶液中でカチオン性/両性凝集剤を合成する方法を発展させ、塩水溶液中でアニオン性凝集剤を合成する試みがなされている。
【0004】
水溶性単量体あるいは水溶性単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造した水溶性高分子分散液は、特許文献1や特許文献2に記載された重合方法により製造することが可能である。
【0005】
また近年、従来の性能をより向上させる方法として、油中水型エマルジョン重合分散液の架橋型カチオン性/両性凝集剤が水処理脱水剤や製紙工程の歩留り向上剤、濾水性向上剤で有効な性能を示す事例が報告されている。この分散液はカチオン性水溶性単量体中に架橋剤を混合させて重合を行い得られた重合物である。塩水溶液中の分散重合法でもこのカチオン性水溶性単量体中に架橋剤を混合させて重合を行う技術を応用する事例はあるが、アニオン性水溶性単量体中を架橋剤存在下に重合を行う方法はまだ検討されていなかった。
【0006】
【特許文献1】特公平4−39481号公報
【特許文献2】特公平6−51755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者等は、アニオン性水溶性重合体の凝集剤としての機能を更にグレードアップするため架橋型アニオン性水溶性重合体に着目した。従って本発明の目的は、該架橋型アニオン性水溶性重合体を塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下、分散重合法により製造する場合、安定した分散液の状態で効率良く製造する方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため詳細な検討を行った結果、特定の重合条件下で反応を進行させることにより、高分子量の架橋型アニオン性水溶性重合体を製造できることを発見した。すなわち請求項1の発明は、重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が、分光光度計で測定して10〜500FAU(波長850nmの可視光線により測定)である架橋型アニオン性水溶性重合体であって、前記架橋型アニオン性水溶性重合体が、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表わされるアニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子の分散液であることを特徴とする架橋型アニオン性水溶性重合体に関する。
【化1】

一般式(1)
R1は水素またはメチル基、AはSO3、C6H4SO3、
CONHC(CH3)2CH2SO3、Y1は水素または陽イオンをそれぞれ表す。
【化2】

一般式(2)
R2は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、R3は水素またはカルボキシル基、BはCOOまたはC6H4COO、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表す。
【0009】
請求項2の発明は、前記水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可能なイオン性高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造する際、レドクッス系触媒で重合開始することを特徴とする請求項1に記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液である。
【0010】
請求項3の発明は、前記架橋剤が水溶性ポリビニル化合物であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液である。
【0011】
請求項4の発明は、前記高分子分散剤がアニオン性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液である。
【0012】
請求項5の発明は、前記架橋型アニオン性水溶性重合体分散液を構成する架橋型アニオン性水溶性重合体の重量平均分子量が、600万〜3000万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液である。
【0013】
請求項6の発明は、前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液である。
【0014】
請求項7の発明は、歩留率及び/または濾水性を向上させることを目的として抄紙前の製紙原料中に無機凝集剤、カチオン性デンプン、両性デンプン、有機カチオン性水溶性高分子及び有機両性水溶性高分子から選択される一種以上を添加した後、請求項1〜6のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液あるいはその希釈液を添加することを特徴とする抄紙方法である。
【発明の効果】
【0015】
重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が分光光度計で測定して10〜500FAU(波長850nmの可視光線により測定)である架橋型アニオン性水溶性重合体を製造する場合、アニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性単量体からなる水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下、分散重合法により製造することにより、粒径100μm以下の微粒子からなる安定した分散液の状態で効率良く製造することができる。
【0016】
本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体は少量の架橋剤を共存させ塩水溶液中の析出重合であるため、析出時重合体濃度が非常に高い状態になる。その結果、分子は結晶化しやすい状態に置かれ、局部的に高濃度になりやすく、結晶化を促進していると考えられる。従って高分子の一部が結晶化あるいは架橋剤による共有結合的結合によって溶液中で縮まった分子になっていると推定される。このような状態にある高分子を製紙工業における歩留向上剤として無機凝集剤、有機カチオン性高分子及び有機両性高分子から選択される一種以上と組み合わせて使用すると、製紙原料フロックが巨大化せず小さく締ったものとなりシェアに強い。従って歩留が向上するだけでなく、地合も良好な紙が抄紙できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下具体的に製造方法を説明する。原料として使用するアニオン性単量体、すなわちスルホン酸基含有水溶性単量体及び/又はカルボキシル基含有水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる水溶液と架橋剤を各々塩水溶液に溶解し、全アニオン性水溶性単量体の0〜80モル%をアルカリによって中和する。その後、前述のようなイオン性高分子からなる分散剤を添加し、窒素置換後、ラジカル重合開始剤により重合を開始させ、攪拌しながら重合することにより製造する。
【0018】
重合時の温度は、開始剤の種類により異なるが一般的に5〜55℃である。スルホン酸基含有水溶性単量体及び/又はカルボキシル基含有水溶性単量体と(メタ)アクリルアミドをレドックス系開始剤で共重合する場合、40℃以上の条件で重合を開始させると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、高重合度で安定な分散液が得られないため、15〜35℃が好ましい。
【0019】
重合は2、2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩化水素化物、あるいは4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどのアゾ系開始剤でも可能であるが、レドックス系開始剤を使用することがより好ましい。これは添加量が少量かつ低温で重合開始するため、重合の制御が容易なうえ、高重合度で安定した高分子分散液を製造することができるからである。この開始剤の添加量は、重合開始時、単量体当たり5〜100ppm、好ましくは10〜50ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回添加することが好ましい。添加回数としては、2〜5回、好ましくは2〜3回である。
【0020】
レドックス系開始剤としては、酸化性物質と還元性物質を組み合わせる。酸化性物質の例としては、ペルオクソニ硫酸アンモニウム、ペルオクソニ硫酸カリウム、過酸化水素などであり、還元性物質の例としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、チオ硫酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、トリエタノ−ルアミンあるいはテトラメチルエチレンジアミンなどであるが、このうちペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせが最も好ましい。
【0021】
使用するアニオン性単量体のうち、スルホン基含有単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などである。またカルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。さらに本発明の重合体分散液は、他の非イオン性の単量体との共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、これら一種または二種以上との共重合が可能である。最も好ましい組み合わせとしては、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸及び/又はアクリル酸とアクリルアミドである。
【0022】
重合体分散液を構成するアニオン性水溶性単量体の合計は通常2〜100モル%であるが、好ましくは5〜100モル%であり、最も好ましくは15〜100モル%である。またアクリルアミドのモル比としては、通常0〜98モル%であるが、好ましくは0〜95モル%であり、最も好ましくは0〜85モル%である。さらに共重合可能な非イオン性水溶性単量体を共重合することもできる。その量としては0〜20モル%である。
【0023】
使用する架橋剤は、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。この架橋剤添加量は単量体当たり質量で1〜1000ppm、好ましくは1〜100ppmである。1000ppmより多いと分子が縮まりすぎ、良好な性能を得ることができない。また、ギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を併用して使用することも可能である。
【0024】
本発明で使用する高分子分散剤は、イオン性、非イオン性とも使用可能であるが、好ましくはイオン性、さらに好ましくはアニオン性である。カチオン性高分子分散剤の場合、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物やジメチルジアリルアンモニウム塩化物などのカチオン性単量体の(共)重合体を高分子分散剤として使用するが、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどであるが、アクリルアミドとの共重合体が好ましい。
【0025】
アニオン性高分子分散剤の場合、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)やスチレンスルホン酸(塩)などのスルホン酸基含有単量体の(共)重合体を使用することが好ましい。また前記スルホン酸基含有単量体とカルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などとの共重合体も使用可能である。さらに非イオン性の単量体であるアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどとの共重合体も使用可能である。さらに無水マレイン酸/ブテン共重物の部分アミド化物なども使用可能である。
【0026】
また、非イオン性高分子分散剤としては、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラクタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体、無水マレイン酸/ブテン共重物の完全アミド化物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性重合体が有効である。
【0027】
これらカチオン性あるいはアニオン性高分子分散剤の分子量としては、5,000〜200万、好ましくは5万〜100万である。また、非イオン性高分子分散剤の分子量としては、1,000〜10万、好ましくは1,000〜5万である。これら非イオン性あるいはイオン性高分子分散剤の添加量は、単量体に対して1〜10重量%であり、好ましくは2〜6重量%である。
【0028】
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンなどの陽イオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどの陰イオンとを組み合わせた塩が使用可能であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、7重量%〜飽和濃度まで使用できる。
【0029】
本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体は、重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度は分光光度計で測定して10〜500FAU、好ましくは20〜400FAUである。この濁度は添加する架橋剤の量と分子量によって変化するが、10FAUより濁度が低いと溶液中で分子の縮まった度合いが低いため、架橋型アニオン性水溶性重合体の特徴ある性能が発揮されない。また500FAUより濁度が高いと溶液中で分子の縮まった度合いが高すぎる。すなわち粒子の水への不溶化を起こし製紙工業における歩留効果などの性能が低下する。そのため程よい濁度を有している必要がある。
【0030】
本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体を水で溶解すると弱い白濁が見られる。この原因の詳細はまだ良くわからないが以下の通りに推定される。すなわち本発明は塩水溶液中の析出重合である。そのため塩水溶液中で不溶化時重合体濃度が非常に高い状態になる。その結果、分子は結晶化しやすい状態に置かれることになる。この状態に加え少量の架橋剤を共存させ重合を行なっているため局部的に高濃度になりやすく、結晶化を促進していると考えられる。従って高分子の一部が結晶化あるいは架橋剤による共有結合的結合によって溶液中で縮まった分子になっていると推定される。架橋反応自体は、結晶化の直接的要因ではないが、結晶化を促進する要因の一つとなっていることが考えられる。この白濁は、希釈液を一定期間保存しても沈殿あるいは二層分離などの現象が起きることはなく、該希釈液が安定な状態として存在し、本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体の性質が発現しているものとみられる。
【0031】
また本発明の架橋剤存在下に塩水溶液中分散重合によって生成する架橋型アニオン性水溶性重合体の白濁の度合いは、分子量によっても異なる。すなわち重合時存在する架橋剤の量が少量でも生成する重合体の分子量が高ければ白濁の度合いは高くなる。逆に重合時存在する架橋剤の量が高くても重合体の分子量が低ければ白濁の度合いは低くなる傾向にあることが分かった。この現象の詳細は不明だが、本発明の塩水溶液中分散液を構成する重合体は、架橋剤存在下に分子量の高い水溶性重合体を製造すると製紙工業における歩留向上剤として好ましいものができることが分かった。この重合体の分子量としては、通常400万〜3000万であるが、好ましくは600万〜3000万である。
【0032】
上記白濁の度合いは分光光度計、例えばHACH社製DR/4000などによって、850nmの可視光線を用い測定する。本発明では重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度によって規定される。
【0033】
本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体は少量の架橋剤を共存させ塩水溶液中の析出重合であるため、析出時重合体濃度が非常に高い状態になる。その結果、分子は結晶化しやすい状態に置かれ、局部的に高濃度になりやすく、結晶化を促進していると考えられる。従って高分子の一部が結晶化あるいは架橋剤による共有結合的結合によって溶液中で縮まった分子になっていると推定される。このような状態にある高分子を製紙工業における歩留向上剤として使用した場合、製紙原料フロックが巨大化せず小さく締ったものとなりシェアに強い。従って歩留が向上するだけでなく、地合も良好な紙が抄紙できる。また無機凝集剤、有機カチオン性高分子及び有機両性高分子から選択される一種以上と組み合わせて使用することも可能であり更に優れた効果を発現する。
【0034】
組み合わせて使用する無機凝集剤は、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄などある。有機カチオン性水溶性高分子は、重合系・縮合系の有機カチオン性合成高分子が使用できる。縮合系の有機カチオン性合成高分子の例は、アミン・エピクロルヒドリン縮合物などである。重合系有機カチオン性合成高分子の例は、ポリエチレンイミンあるいはその変性物、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、(メタ)アクリル系カチオン性単量体、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などの重合物、あるいはアクリルアミドとの共重合物である。更に重合系有機両性合成高分子の例は、上記(メタ)アクリル系カチオン性単量体に(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはアクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などを共重合することにより製造することができる。
【0035】
またカチオンデンプンのカチオン化度としては、グルコ−ス単位に対して0.5モル%以上、5モル%以下、好ましくは1モル%以上、5モル%以下である。0.5モル%以上ではカチオン性が低すぎ併用する分散液からなるアニオン性水溶性高分子との相互作用が弱すぎ、また5モル%以上変性したカチオン性デンプンは市販されていないので実用的ではない。さらに両性デンプンのカチオン化度は1モル%以上、5モル%以下であり、アニオン化度は0.5モル%以上、2モル%以下である。カチオン化度が1モル%以下では、両性高分子の効果が発現せず、また5モル%以上ではカチオン性が高くなり過ぎ両性高分子の効果が発現しない。アニオン化度が0.2モル%未満、2モル%以上における場合も前記と同様に両性高分子の効果が発現しないからである。
【0036】
これらカチオン性水溶高分子性あるいは両性水溶性高分子の分子量は縮合系の場合は数百〜数万であり、重合系有機カチオン性あるいは両性合成高分子は100万〜2000万であり、好ましくは100万〜1500万である。
【0037】
カチオン性あるいは両性デンプンの分子量としては、1万以上、500万であり、酸化処理あるいは酵素処理をして分子量を下げたものよりも、天然のデンプン類をそのままカチオンあるいは両性に変性したものが好ましい。
【0038】
本発明の架橋型アニオン性水溶性重合体の添加量としては、製紙原料の固形分に対して20ppm〜5000ppmであり、好ましくは50ppm〜1000ppmである。また組み合わせて使用する場合のカチオン性あるいは両性有機合成高分子の添加量としては、20ppm〜5000ppmであり、好ましくは50ppm〜1000ppmである。
【0039】
カチオン性あるいは両性高分子物質の添加場所としては、製紙原料が白水により希釈されるファンポンプ入り口、あるいはスクリ−ン入り口などが考えられる。また架橋型アニオン性水溶性重合体の添加場所としては、スクリ−ン入り口あるいはスクリ−ン出口などが考えられる。
【0040】
本発明の歩留率及び/または濾水性を向上させる対象となる紙製品として上質紙、中質紙、新聞用紙、包装用紙、カード原紙、ライナー、中芯原紙あるいは白ボールなどである。
【0041】
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水150.3g、硫酸アンモニウム85.7g、60%アクリル酸50.5g、50%アクリルアミド139.4g、0.1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液0.2gを加えた後、水酸化ナトリウムによりアニオン性単量体の16モル%を中和した。またアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸単量体水溶液の90モル%を水酸化ナトリウムで中和した後、重合し製造した15%重合体水溶液(粘度42、600mPa・s)40.0gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行った。この間、恒温水槽により30℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、0.1%ペルオキソニ硫酸アンモニウム水溶液2.0g及び0.1%亜硫酸水素アンモニウム水溶液2.0gを順に添加し重合を開始させた。重合開始後6時間たったところで前記開始剤水溶液をそれぞれ10.0g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この得られた分散液を試作1とする。このアクリル酸/アクリルアミドのモル比は30/70であり、分散液粘度は540mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜50μmの粒子であることが判明した。さらに分光光度計(HACH社製DR/4000)によって重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は42FAUであることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合体濃度1%希釈液を一週間間保存しても沈殿あるいは二層分離は起きなかった。結果を表1に示す。
【実施例2】
【0043】
実施例1と同様の操作で0.1%のN,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液1.0gを加え、反応した。得られた分散液を試作2とする。この分散液の粘度は620mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜50μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は353FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例3】
【0044】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水169.8g、硫酸アンモニウム81.1g、塩化ナトリウム11.6g、50%2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸水溶液22.0g、60%アクリル酸12.8g、50%アクリルアミド120.7g、0.1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液0.2gを加えた後、水酸化ナトリウムによりアニオン性単量体の50モル%を中和した。またアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸からなる単量体水溶液の90モル%を水酸化ナトリウムで中和した後、重合し製造した15%重合体水溶液(粘度42、600mPa・s)48.0gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行った。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、0.1%ペルオキソニ硫酸アンモニウム水溶液0.9g及び0.1%亜硫酸水素アンモニウム水溶液0.9gを順に添加し重合を開始させた。重合開始後6時間たったところで前記開始剤水溶液をそれぞれ9.0g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。得られた分散液を試作3とする。この2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸/アクリル酸/アクリルアミドのモル比は10/10/80であり、分散液の粘度は750mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜60μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は65FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例4】
【0045】
実施例3と同様の操作で0.1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液1.0gを加え、反応した。得られた分散液を試作4とする。この分散液の粘度は920mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜60μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は380FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例5】
【0046】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水153.9g、硫酸アンモニウム88.8g、60%アクリル酸120.3g、50%アクリルアミド35.6g、0.1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液0.5gを加えた後、水酸化ナトリウムによりアニオン性単量の20モル%を中和した。またアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸単量体水溶液の90モル%を水酸化ナトリウムで中和した後、重合し製造した15%重合体水溶液(粘度42、600mPa・s)39.0gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行った。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、0.5%ペルオキソニ硫酸アンモニウム水溶液0.5g及び0.5%亜硫酸水素アンモニウム水溶液0.5gを順に添加し重合を開始させた。重合開始後6時間たったところで前記開始剤水溶液をそれぞれ1.8g追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。得られた分散液を試作5とする。このアクリル酸/アクリルアミドのモル比は80/20であり、分散液の粘度は740mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜40μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は186FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例6】
【0047】
実施例5と同様な操作で0.1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液1.0gを加え、反応した。得られた分散液を試作6とする。この分散液の粘度は800mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜40μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は387FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例7】
【0048】
実施例1と同様な操作でN,N−メチレンビスアクリルアミド対単量体3ppm存在させ試作7を製造した。この分散液の粘度は410mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜10μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は83FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【実施例8】
【0049】
実施例1と同様な操作でN,N−メチレンビスアクリルアミドを対単量体10ppmを存在させ試作8を製造した。この分散液の粘度は375mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、1〜10μmの粒子であることが判明した。さらに重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は20FAUであった。同様に希釈液の安定性をチェックし分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
(比較例1)実施例1でN,N−メチレンビスアクリルアミドを加えずに同様の方法で重合した。得られた分散液を比較1とする。この分散液の粘度は450mPa・sであり、重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は0FAUで透明であった。また同様に重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
(比較例2)実施例1で1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液0.15gを加え、同様の方法で重合した。得られた分散液を比較2とする。この分散液の粘度は400mPa・sであり、重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は6FAUであった。また同様に重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
(比較例3)実施例1で1%N,N−メチレンビスアクリルアミド水溶液1.0gを加え、同様の方法で重合した。得られた分散液を比較2とする。この分散液の粘度は720mPa・sであり、重合体濃度1%に溶解した水溶液の濁度は890FAUであった。また、同様に重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
(表1)

AMP:2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸
AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド
MBA:N,N−メチレンビスアクリルアミド(対単量体ppm)
数値の単位 分散液粘度:mPa・s、濁度(重合体濃度1質量%):FAU、重量平均分子量:万
【実施例9】
【0054】
上質紙製造用の製紙原料(LBKPを主体としたもの、pH6.23、全ss分2.37%、灰分0.41%)を検体として、パルプ濃度0.9重量%に水道水を用いて希釈、ブリット式ダイナミックジャ−テスタ−により歩留率を測定した。添加薬品として、カチオン性デンプン対製紙原料1.0重量%、炭酸カルシウム20%、中性ロジンサイズ0.2%、硫酸バンド1.0%、カチオン性水溶性高分子(カチオン60モル%の分散重合物、重量平均分子量800万、分散液粘度120mPa・s)、0.02%に、本発明分散液からなるアニオン性水溶性重合体(試作1〜試作9)または比較として重合したアニオン性水溶性分散液(比較1〜比較3)0.02%をそれぞれこの順に15秒間隔で添加し、攪拌を開始する。全薬品添加後のpHは6.87であった。30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。攪拌条件は、回転数1000r.p.m.、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、総歩留率(SS濃度)はADVANTEC NO.2にて濾過し測定した。また乾燥後、濾紙を600℃で焼却し灰分を測定し、歩留率を算出した。測定結果を表2に示す。
【0055】
(表2)

【0056】
このように、本発明の塩水溶液中分散液からなる架橋型アニオン性水溶性重合は、重合体濃度1質量%の水溶液濁度が適正な範囲にあると、水溶液濁度が0あるいは10FAU未満の比較サンプル、または500FAUより高いサンプルに較べ歩留率が向上することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が10〜500FAUである架橋型アニオン性水溶性重合体を製造する場合、前記架橋型アニオン性水溶性重合体がアニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下、分散重合法により製造した粒径100mμ以下の微粒子の分散液を効率良く、安定した分散液の状態で製造することができる。この分散液は一般水処理剤としての排水中の固液分離、カチオン性凝集剤と組み合わせた汚泥の脱水、製紙工業においてはカチオン性水溶性重合体との組み合わせによる歩留向上剤等に使用することにより、従来に比べ良好な効果が発現され、産業上の利用価値は高い。





















【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体濃度1質量%に溶解した水溶液の濁度が、分光光度計で測定して10〜500FAU(波長850nmの可視光線により測定)である架橋型アニオン性水溶性重合体であって、前記架橋型アニオン性水溶性重合体が下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表わされるアニオン性水溶性単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体からなる水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子の分散液であることを特徴とする架橋型アニオン性水溶性重合体。
【化1】

一般式(1)
R1は水素またはメチル基、AはSO3、C6H4SO3、
CONHC(CH3)2CH2SO3、Y1は水素または陽イオンをそれぞれ表す。
【化2】

一般式(2)
R2は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、R3は水素またはカルボキシル基、BはCOOまたはC6H4COO、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表す。
【請求項2】
前記水溶性単量体(混合物)を架橋剤の存在下に、塩水溶液中で該塩水溶液に可能なイオン性高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造する際、レドクッス系触媒で重合開始することを特徴とする請求項1に記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液。
【請求項3】
前記架橋剤が水溶性ポリビニル化合物であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液。
【請求項4】
前記高分子分散剤がアニオン性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液。
【請求項5】
前記架橋型アニオン性水溶性重合体分散液を構成する架橋型アニオン性水溶性重合体の重量平均分子量が、600万〜3000万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液。
【請求項6】
前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液。
【請求項7】
歩留率及び/または濾水性を向上させることを目的として抄紙前の製紙原料中に無機凝集剤、カチオン性デンプン、両性デンプン、有機カチオン性水溶性高分子及び有機両性水溶性高分子から選択される一種以上を添加した後、請求項1〜6のいずれかに記載の架橋型アニオン性水溶性重合体分散液あるいはその希釈液を添加することを特徴とする抄紙方法。


【公開番号】特開2006−104433(P2006−104433A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365334(P2004−365334)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000142148)ハイモ株式会社 (151)
【Fターム(参考)】