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架橋密度を減少させるための陽イオン末端キャッピングされたシロキサンプレポリマー
説明

架橋密度を減少させるための陽イオン末端キャッピングされたシロキサンプレポリマー

【課題】他の性質を低減させずに、架橋密度および弾性率が減少したコンタクトレンズおよび/または生物医学用具を提供する。
【解決手段】本発明は、生体適合性医療用具の製造に有用な所望の物理的特徴を持つ高分子組成物するための、重合することができる特定の陽イオンモノマーにおいて、陽イオン基の両方ではなく1つだけがビニル重合性部分を有している、モノビニル重合性ジカチオンシロキサンが合成され、1つのビニル重合性部分により、それを含有する重合モノマー混合物における弾性率を減少させる非架橋性プレポリマーが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適合性医療用具の製造に有用な高分子組成物に関する。より詳しくは、本発明は、眼用用具の製造に有用な所望の物理的特徴を持つ高分子組成物を形成するための、重合することができる特定の陽イオンモノマーに関する。
【背景技術】
【0002】
高分子ケイ素含有材料が、例えば、コンタクトレンズおよび眼内レンズを含む様々な生物医学的生体用途に用いられてきた。そのような材料は、一般に、ヒドロゲルと非ヒドロゲルに細分類することができる。ケイ素含有ヒドロゲルは、平衡状態で水を吸収して保持でき、一般に、約5質量パーセントより大きい、より一般に、約10から約80質量パーセントの含水量を有する架橋高分子系を構成する。そのような材料は、通常、少なくとも1種類のケイ素含有モノマーおよび少なくとも1種類の親水性モノマーを含有する混合物を重合することにより調製される。ケイ素含有モノマーまたは親水性モノマーのいずれが、架橋剤(架橋剤は、多価重合性官能基を有するモノマーとして定義される)として機能してもよく、もしくは別個の架橋剤を用いてもよい。
【0003】
陽イオンの重合性シロキサンプレポリマー(2006年1月27日に出願された特許文献1、2006年1月27日に出願された特許文献2、2006年1月6日に出願された特許文献3、2006年1月6日に出願された特許文献4、2006年1月6日に出願された特許文献5、および2006年1月6日に出願された特許文献6に記載されている;それらの各々は、本出願の譲受人への譲渡の義務があり、その各々はここに引用される)は、良好な湿潤特性、酸素透過性、および親水性を含む、生物医学的用途および眼科的用途に使用するための所望の性質を有する。
【特許文献1】米国特許出願第11/341208号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/341209号明細書
【特許文献3】米国仮特許出願第60/756637号明細書
【特許文献4】米国仮特許出願第60/756665号明細書
【特許文献5】米国仮特許出願第60/756638号明細書
【特許文献6】米国仮特許出願第60/756982号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、用具の配合物にこれらの2官能性モノマーをかなりの量で使用することにより架橋密度が増加してしまうので、他の性質を維持しながら、架橋密度、したがって、弾性率(modulus)を減少させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明において、陽イオン基の両方ではなく1つだけがビニル重合性部分を有している、モノビニル重合性ジカチオンシロキサンが合成される。1つのビニル重合性部分により、それを含有する重合モノマー混合物における弾性率を減少させる非架橋性プレポリマーが得られる。そのような材料は、当該技術分野においてよく知られた方法を用いて合成され、以下の化学式:
【化1】

【0006】
ここで、L1、L2およびL3は、独立して、同じであっても異なっても差し支えなく、ウレタン、カーボネート、カルバメート、カルボキシウレイド、スルホニル、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル置換アルキルエーテルおよびそれらの組合せからなる群より選択され;X-は、少なくとも1つ荷電された対イオンであり;nは1から約300の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、各々、独立して、水素、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、フッ素、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル基であり;Vは、重合性エチレン性不飽和有機ラジカルである、
を用いて説明される。
【0007】
ケイ素含有ヒドロゲルは、ヒドロゲルの有益な性質と、ケイ素含有ポリマーの有益な性質を併せ持つ(Kunzler and McGee, "Contact Lens Materials", Chemistry & Industry, pp.651-655, 21 August 1995)。ここに開示したケイ素含有ヒドロゲルは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の高酸素透過性と、従来の非イオン性ヒドロゲルの快適さ、湿潤性および汚れの付きにくさ(deposit resistance)を併せ持つコンタクトレンズを製造するのに用いられる。ここに開示されたポリマー組成物は、エチレン性不飽和陽イオン親水性基によりα末端がキャッピングされた重合ケイ素含有モノマーを含む。
【0008】
本発明は、コンタクトレンズを含む生物医学用具などの物品に有用な新規の陽イオン有機ケイ素含有モノマーを提供する。
【0009】
ここに用いたような「モノマー」という用語および同様の用語は、例えば、遊離ラジカル重合により重合可能な比較的低分子量の化合物、並びに「プレポリマー」、「マクロモノマー」などと称されるより高い分子量の化合物を意味する。
【0010】
ここに用いた「(メタ)」という用語は、随意的なメチル置換基を意味する。したがって、「(メタ)アクリレート」などの用語は、メタクリレートまたはアクリレートのいずれかを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、メタクリル酸またはアクリル酸のいずれかを意味する。
【0011】
第1の態様において、本発明は、化学式(I):
【化2】

【0012】
のモノマーに関し、
ここで、L1、L2およびL3は、独立して、同じであっても異なっても差し支えなく、ウレタン、カーボネート、カルバメート、カルボキシウレイド、スルホニル、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル置換アルキルエーテルおよびそれらの組合せからなる群より選択される。
-は、少なくとも1つ荷電された対イオンである。1つ荷電された対イオンの例としては、Cl-、Br-、I-、CF3CO2-、CH3CO2-、HCO3-、CH3SO4-、p−トルエンスルホネート、HSO4-、H2PO4-、NO3-、およびCH3CH(OH)CO2-からなる群が挙げられる。2つ荷電された対イオンの例としては、SO42-、CO32-およびHPO42-が挙げられる。他の荷電対イオンは、当業者に明らかであろう。水和された生成物中に残留量の対イオンが存在するかもしれないことが理解されよう。したがって、毒性の対イオンを使用することはやめるべきである。同様に、1つ荷電された対イオンについて、対イオンと第4級シロキサニルの比は1:1となることが理解されよう。負の荷電がより大きい対イオンの結果として、対イオンの総電荷に基づいて比が変わることになる。
nは1から約300の整数である。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、各々、独立して、水素、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、フッ素、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル基であり;Vは、重合性エチレン性不飽和有機ラジカルである。
【0013】
ここに使用するウレタンの代表的な実施例としては、その一例として、アルキルなどのさらに別の基に結合していてもよいカルボキシル基に結合した第2級アミンが挙げられる。同様に、第2級アミンは、アルキルなどのさらに別の基に結合していてもよい。
【0014】
ここに使用するカーボネートの代表的な実施例としては、その一例として、アルキルカーボネート、アリールカーボネートなどが挙げられる。
【0015】
ここに使用するカルバメートの代表的な実施例としては、その一例として、アルキルカルバメート、アリールカルバメートなどが挙げられる。
【0016】
ここに使用するカルボキシルウレイドの代表的な実施例としては、その一例として、アルキルカルボキシルウレイド、アリールカルボキシルウレイドなどが挙げられる。
【0017】
ここに使用するスルホニルの代表的な実施例としては、その一例として、アルキルスルホニル、アリールスルホニルなどが挙げられる。
【0018】
ここに使用するアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、不飽和の有無にかかわらず、1から約18の炭素原子の炭素原子および水素原子を含有する直鎖または分岐炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチルなどが挙げられる。
【0019】
ここに使用するフルオロアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、炭素原子に結合した1つ以上のフッ素原子を有する、上述した直鎖または分岐アルキル基、例えば、−CF3、−CF2CF3、−CH2CF3、−CH2CF2H、−CF2Hなどが挙げられる。
【0020】
ここに使用するエステル基の代表的な実施例としては、その一例として、1から20の炭素原子を有するカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0021】
ここに使用するエーテルまたはポリエーテル含有基の代表的な実施例としては、その一例として、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基が先に定義されたものである、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)およびその混合物またはコポリマーなどのアルキレンオキシド、ポリ(アルキレンオキシド)、R10が結合、先に定義したアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、R11が先に定義したアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である一般化学式−R10OR11のエーテルまたはポリエーテル基、例えば、−CH2CH2OC65および−CH2CH2OC25などが挙げられる。
【0022】
ここに使用するアミド基の代表的な実施例としては、その一例として、R12、R13およびR14が独立してC1〜C30炭化水素である、例えば、R12がアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基であって差し支えなく、R13およびR14がここに定義したアルキル基、アリール基、およびシクロアルキル基であって差し支えない、一般化学式−R12C(O)NR1314のアミドなどが挙げられる。
【0023】
ここに使用するアミン基の代表的な実施例としては、その一例として、R15がC2〜C30のアルキレン、アリーレンまたはシクロアルキレンであり、R16およびR17が独立して、例えば、ここに定義したアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基などのC1〜C30炭化水素である、一般化学式−R15NR1617のアミンなどが挙げられる。
【0024】
ここに使用するウレイド基の代表的な実施例としては、その一例として、1つ以上の置換基を有するウレイド基または未置換ウレイドが挙げられる。ウレイド基は、1から12の炭素原子を有するウレイド基であることが好ましい。置換基の例としては、アルキル基およびアリール基が挙げられる。ウレイド基の例としては、3−メチルウレイド、2,2−ジメチルウレイド、および3−フェニルウレイドが挙げられる。
【0025】
ここに使用するアルコキシ基の代表的な実施例としては、その一例として、分子の残りに酸素結合を介して結合した、すなわち、R20が先に定義したアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまたはアリールアルキルである、一般化学式−OR20の、先に定義したアルキル基、例えば、−OCH3、−OC25、または−OC65などが挙げられる。
【0026】
ここに使用するシクロアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、1つ以上のヘテロ原子、例えば、OおよびNなどを必要に応じて含有する、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ペルヒドロナフチル、アダマンチルおよびノルボルニル基架橋環基またはスピロ二環基などの約3から約18の炭素原子の置換または未置換の非芳香族単環式または多環式の環系、例えば、スピロ−(4,4)−ノン−2−イルなどが挙げられる。
【0027】
ここに使用するシクロアルキルアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチルなどの安定構造を結果として形成する、アルキル基からの任意の炭素でのモノマヘの主構造に結合した、アルキル基に直接結合した約3から約18の炭素原子を含有する置換または未置換の環式環含有ラジカルであって、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、例えば、OおよびNなどを含有しても差し支えない環式環などが挙げられる。
【0028】
ここに使用するシクロアルケニル基の代表的な実施例としては、その一例として、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルなどの少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を持つ約3から約18の炭素原子を含有する置換または未置換の環式環含有ラジカルであって、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、例えば、OおよびNなどを含有しても差し支えない環式環などが挙げられる。
【0029】
ここに使用するアリール基の代表的な実施例としては、その一例として、1つ以上のヘテロ原子、例えば、OおよびNなどを必要に応じて含有する、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ビフェニルなどの約5から約25の炭素原子を含有する置換または未置換の単環芳香族または多環芳香族ラジカルなどが挙げられる。
【0030】
ここに使用するアリールアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、先に定義したアルキル基に直接結合した、先に定義した置換または未置換のアリール基であって、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、例えば、OおよびNなどを含有しても差し支えないアリール基、例えば、−CH265、−C2565などが挙げられる。
【0031】
ここに使用するフルオロアリール基の代表的な実施例としては、その一例として、アリール基に結合した1つ以上のフッ素原子を有する、先に定義したアリール基が挙げられる。
【0032】
ここに使用する複素環式環基の代表的な実施例としては、その一例として、炭素原子および1から5のヘテロ原子、例えば、窒素、リン、酸素、硫黄およびそれらの組合せを含有する、置換または未置換の安定な3から約15員環ラジカルが挙げられる。ここに使用する適切な複素環式環ラジカルは、縮合環、架橋環またはスピロ環系を含んでよい、単環式、二環式または三環式環系であってよく、複素環式環ラジカルにおける窒素、リン、炭素、酸素または硫黄原子は、様々な酸化状態に、必要に応じて酸化されていてもよい。その上、窒素原子は必要に応じて4級化されていてもよく、環ラジカルはある程度または完全に飽和していてもよい(すなわち、ヘテロ芳香族またはヘテロアリール芳香族)。そのような複素環式環ラジカルの例としては、以下に限られないが、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフルニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチルリジニル、ペリドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピリジル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、イミダゾリル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサソリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キノクリジニル、イソチアゾリジニル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズインダゾイリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフルチル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、オキサジアゾリル、クロマニル、イソクロマニルなどおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0033】
ここに使用するヘテロアリール基の代表的な実施例としては、その一例として、先に定義した置換または未置換の複素環式環ラジカルが挙げられる。このヘテロアリール環ラジカルは、安定な構造を結果として形成する、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0034】
ここに使用するヘテロアリールアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、先に定義したアルキル基に直接結合した、先に定義した置換または未置換のヘテロアリール環ラジカルが挙げられる。このヘテロアリールアルキルラジカルは、安定な構造を結果として形成する、アルキル基からの任意の炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0035】
ここに使用する複素環基の代表的な実施例としては、その一例として、先に定義した置換または未置換の複素環ラジカルが挙げられる。この複素環ラジカルは、安定な構造を結果として形成する、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0036】
ここに使用するヘテロシクロアルキル基の代表的な実施例としては、その一例として、先に定義したアルキル基に直接結合した、先に定義した置換または未置換の複素環ラジカルが挙げられる。このヘテロシクロアルキルラジカルは、安定な構造を結果として形成する、アルキル基の炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0037】
「重合性エチレン性不飽和有機ラジカル」の代表的な実施例としては、その一例として、(メタ)アクリレート含有ラジカル、(メタ)アクリルアミド含有ラジカル、ビニルカーボネート含有ラジカル、ビニルカルバメート含有ラジカル、スチレン含有ラジカルなどが挙げられる。ある実施の形態において、重合性エチレン性不飽和有機ラジカルは、一般化学式:
【化3】

【0038】
により表すことができ、
ここで、R21は水素、フッ素またはメチルであり;R22は独立して水素、フッ素、1から6の炭素原子を有するアルキルラジカル、またはYが−O−、−S−または−NH−である−CO−Y−R24であり、ここで、R24は1から約10の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルである。
【0039】
「置換アルキル」、「置換アルコキシ」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルキルアルキル」、「置換シクロアルケニル」、「置換アリールアルキル」、「置換アリール」、「置換複素環」、「置換ヘテロアリール環」、「置換ヘテロアリールアルキル」、「置換ヘテロシクロアルキル環」、「置換環式環」および「置換カルボン酸誘導体」は、同じでも異なっていてもよく、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアルキニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のアリールアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のシクロアルケニル、置換または未置換のアミノ、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル環、置換または未置換のヘテロアリールアルキル、置換または未置換の複素環式環、置換または未置換のグアニジン、−COORx、−C(O)Rx、−C(S)Rx、−C(O)NRxRy、−C(O)ONRxRy、−NRxCONRyRz、−N(Rx)SORy、−N(Rx)SO2Ry、−(=N−N(Rx)Ry)、−NRxC(O)ORy、−NRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxC(S)Ry、−NRxC(S)NRyRz、−SONRxRy、−SO2NRxRy、−ORx、−ORxC(O)NRyRz、−ORxC(O)ORy、−OC(O)Rx、−OC(O)NRxRy、−RxNRyC(O)Rz、−RxORy、−RxC(O)ORy、−RxC(O)NRyRz、−RxC(O)Rx、−RxOC(O)Ry、−SRx、−SORx、−SO2Rx、−ONO2、ここで、先に挙げた基の各々におけるRx、RyおよびRzは、同じであっても異なっていても差し支えなく、水素原子、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアルキニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のアリールアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のシクロアルケニル、置換または未置換のアミノ、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロアリール、「置換または未置換の」ヘテロシクロアルキル環、置換または未置換の経てるアリールアルキル、または置換または未置換の複素環式環であって差し支えない、
などの1つ以上の置換基を含む。
【0040】
以下の構造を持つモノマーが、医療用具の形成に有用である:
【化4】

【0041】
ここに開示した新規の陽イオンケイ素含有モノマーを製造する合成方法の代表例が以下に提供されている:
【化5】

【0042】
第2の態様において、本発明は、結果として得られる重合した用具の架橋密度を制御して低減するために、モノビニルおよびジビニルの予測可能な混合物を生成するように容易に合成される、そのようなモノビニル重合性ジカチオンシロキサンを含む反応混合物を含む。ある量の非ビニル含有ポリマーも得られるが、適切な化学量論により許容できる量まで最小にすることができることに留意されたい。得られる混合物は、
【化6】

【0043】
を含み、
ここで、L1、L2、L3、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、nおよびX-は先に述べたようなものであり、L4は、独立して、L1、L2およびL3と同じかまたは異なる。
【0044】
第3の態様において、本発明は、化学式(I)のモノマーを含むモノマー混合物を形成する用具から形成された物品を含む。好ましい実施の形態によれば、その物品は、上述した陽イオンモノマーおよび少なくとも第2のモノマーを含む混合物の重合生成物である。好ましい物品は、光学的に透明であり、コンタクトレンズとして有用である。
【0045】
本発明のモノマーを含む物品を製造する方法は、請求項1のモノマーおよび少なくとも第2のモノマーを含むモノマー混合物を提供し、モノマー混合物を重合条件に施して、重合用具を提供し、重合用具を抽出し、重合用具を包装し、殺菌する各工程を有してなる。
【0046】
これらの材料により製造された有用な物品は、疎水性の、ことによるとケイ素を含有するモノマーを必要とするかもしれない。好ましい組成物は、親水性モノマーと疎水性モノマーの両方を有する。本発明は、硬質または軟質いずれかの、幅広い範囲の高分子材料に適用できる。特に好ましい高分子材料は、コンタクトレンズ、硬質ガス透過性コンタクトレンズ、有水晶および無水晶の眼内レンズおよび角膜移植片を含むレンズであるが、生体材料を含む全ての高分子材料が、本発明の範囲に含まれると考えられる。ケイ素含有ヒドロゲルが特に好ましい。
【0047】
本発明はまた、心臓弁および膜、外科用具、体内管代替物、子宮内用具、膜、隔膜、外科移植片、血管、人工尿管、人工乳房組織および体外で体液と接触することが意図されている膜、例えば、腎臓透析および心臓/肺装置など、カテーテル、マウスガード、義歯ライナー、眼用用具、および特にコンタクトレンズなどの医療用具も提供する。
【0048】
ケイ素含有ヒドロゲルは、少なくとも1種類のケイ素含有モノマーおよび少なくとも1種類の親水性モノマーを含有する混合物を重合することにより調製される。このケイ素含有モノマーは、架橋剤(架橋剤は、多数の重合性官能基を有するモノマーとして定義される)として働いても、または別個の架橋剤を用いてもよい。
【0049】
ケイ素含有コンタクトレンズ材料の初期の例が米国特許第4153641号明細書(Deichert et al.;ボシュ・ロム社に譲渡された)に開示されている。レンズは、二価の炭化水素基により、重合した活性化不飽和基にα、ω末端で結合したポリ(オルガノシロキサン)モノマーから製造される。1,3−ビス(メタクリロキシアルキル)ポリシロキサンなどの様々な疎水性ケイ素含有プレポリマーが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などの公知の親水性モノマーと共重合された。
【0050】
米国特許第5358995号明細書(Lai et al)には、嵩のあるポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリレートモノマー、および少なくとも1種類の親水性モノマーと重合したアクリルエステルでキャッピングされたポリシロキサンプレポリマーからなるケイ素含有ヒドロゲルが記載されている。この特許はボシュ・ロム社に譲渡され、その開示の全体がここに引用される。M2xとして一般に知られているアクリルエステルでキャッピングされたポリシロキサンプレポリマーは、2つのアクリルエステル末端基および「x」の数の繰り返しジメチルシロキサン・ユニットからなる。好ましい嵩のあるポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、TRISタイプの(メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン)であり、親水性モノマーはアクリルまたはビニルいずれかを含有している。
【0051】
本発明に使用してよいケイ素含有モノマーの混合物の他の例としては、以下が挙げられる:米国特許第5070215号および同第5610252号の各明細書(Bambury et al)に開示されたビニルカーボネートとビニルカルバメートのモノマー混合物;米国特許第5321108号、同第5387662号および同第5539016号の各明細書(Kunzler et al)に開示されたフルオロシリコーンモノマー混合物;米国特許第5374662号、同第5420324号および同第5496871号の各明細書(Lai et al)に開示されたフマレートモノマー混合物;および米国特許第5451651号、同第5648515号、同第5639908号および同第5594085号の各明細書(Lai et al)に開示されたウレタンモノマー混合物。これらの特許の全ては、譲受人、ここではボシュ・ロム社に一般に譲渡され、その開示の全体がここに引用される。
【0052】
非ケイ素疎水性材料の例としては、アルキルアクリレートおよびメタクリレートが挙げられる。
【0053】
非限定的実施例として、本発明のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンは、シリコーンヒドロゲルレンズを生成するために、幅広いモノマーと共重合されてよい。例えば、第2のモノマーは、不飽和カルボン酸;メタクリル酸、アクリル酸;アクリル置換アルコール;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート;ビニルラクタム;N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニルカプロラクトン;アクリルアミド;メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;メタクリレート;エチレングリコールジメタクリレート、メチルメタクリレート、アリルメタクリレート;親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメートのモノマー;親水性オキサゾロンモノマー、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、アリルメタクリレート(AMA);およびそれらの混合物から選択してよい。
【0054】
適切な親水性モノマーとしては、メタクリル酸およびアクリル酸などの不飽和カルボン酸;2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル置換アルコール;N−ビニルピロリドン(NVP)および1−ビニルアザナン−2−ワンなどのビニルラクタム;並びにメタクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)などのアクリルアミドが挙げられる。
【0055】
さらに別の例は、米国特許第5070215号明細書に開示された親水性ビニルカーボネートまたはビニルカルバメート、および米国特許第4910277号明細書に開示された親水性オキサゾロンモノマーである。他の適切な親水性モノマーは、当業者にとって明らかであろう。
【0056】
疎水性架橋剤としては、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)およびアリルメタクリレート(AMA)などのメタクリレートが挙げられるであろう。従来のシリコーンヒドロゲルモノマー混合物とは対照的に、例として、本発明のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンを含有するモノマー混合物は、比較的水溶性である。この特徴により、レンズが濁ることとなる不相溶性相分離の虞が小さく、重合材料が水で抽出できるという点で、従来のシリコーンヒドロゲルモノマー混合物より優れた利点が提供される。しかしながら、所望の場合には、従来の有機抽出法を用いてもよい。その上、抽出されたレンズは、所望のコンタクトレンズを得る上で重要であることが知られている性質である、酸素透過性(Dk)および低い弾性率の良好な組合せを示す。さらに、本発明のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンにより調製されたレンズは、表面処理を施さなくても湿潤性であり、乾燥状態で離型性(dry mold release)があり、モノマー混合物中の溶媒は必要とせず(けれども、グリセロールなどの溶媒を用いてもよい)、抽出された重合材料は細胞毒性ではなく、その表面はさわるとツルツルしている。本発明のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンを含有する重合モノマー混合物が所望の引裂強さを示さない場合には、TBE(4−t−ブチル−2−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート)などの強化剤をモノマー混合物に加えてもよい。他の強化剤が、当業者によく知られており、必要に応じて使用してもよい。
【0057】
本発明のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンの利点は、比較的水溶性であり、それらのコモノマー中にも可溶性であることであるが、最初のモノマー混合物中に有機希釈剤を含ませてもよい。ここに用いたように、「有機希釈剤」という用語は、最初のモノマー混合物中の成分の不相溶性を最小にする有機化合物を包含し、その最初の混合物中の成分と実質的に非反応性である。その上、有機希釈剤は、モノマー混合物の重合により生成される重合生成物の相分離を最小にするように働く。また、有機希釈剤は一般に、比較的非可燃性である。
【0058】
考えられ有機希釈剤としては、tert−ブタノール(TBA)、エチレングリコールなどのジオールおよびグリセロールなどのポリオールが挙げられる。有機希釈剤は、抽出工程中に硬化済み物品からの除去を促進させるように、抽出溶媒中に十分に可溶性であることが好ましい。他の適切な有機希釈剤は当業者に明らかであろう。
【0059】
有機希釈剤は、所望の効果をを提供するのに効果的な量で含まれる。一般に、この希釈剤は、モノマー混合物の5から60質量%で含まれ、10から50質量%が特に好ましい。
【0060】
本発明のプロセスによれば、少なくとも1種類の親水性モノマー、少なくとも1種類のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンおよび随意的な有機希釈剤を含むモノマー混合物は、静鋳造法や回転成形法などの従来の方法により、成形され、硬化させる。
【0061】
レンズ成形は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および過酸化物触媒などの開始剤を用いて、ここに引用する米国特許第3808179号明細書に述べられた条件などの条件下でのフリーラジカル重合によるものであって差し支えない。当該技術分野においてよく知られているようなモノマー混合物の重合の光開始を、ここに開示した物品の形成プロセスに用いてもよい。モノマーの重合前に、着色剤などを加えてもよい。
【0062】
その後、十分な量の未反応モノマーと、存在すれば、有機希釈剤を、硬化済み物品から除去して、物品の生体適合性を改善する。レンズを装着した際に、重合しなかったモノマーが目に入ると、炎症や他の問題が生じ得る。イソプロピルアルコールなどの可燃性溶媒により抽出しなければならない他のモノマー混合物とは異なり、本発明の新規のモノビニル重合性ジカチオンシロキサンの性質のために、水を含む非可燃性溶媒を抽出プロセスに用いてもよい。
【0063】
ここに開示したモノビニル重合性ジカチオンシロキサンを含有する重合済みモノマー混合物から形成された生体材料が一旦形成されたら、それらを抽出して、包装や最終的な使用のための準備をする。抽出は、重合材料を、水、tert−ブタノールなどの様々な溶媒に様々な期間に亘り曝露することにより行われる。例えば、ある抽出プロセスは、約3分間に亘り水中に重合材料を浸し、水を除去し、次いで、約3分間に亘り水の別のアリコート中に重合材料を浸し、その水のアリコートを除去し、次いで、オートクレーブ内で水または緩衝液中で重合材料を処理するものである。
【0064】
未反応モノマーおよび任意の有機希釈剤の抽出後、成形した物品、例えば、RGPレンズを、必要に応じて、当該技術分野で公知の様々なプロセスにより機械加工する。機械加工工程としては、レンズ表面の旋盤削り、レンズの縁の旋盤削り、レンズの縁のバフ仕上げや、レンズの縁または表面の研磨が挙げられる。本発明のプロセスは、レンズ表面が旋盤削りされるプロセスにとって特に有益である。何故ならば、レンズ表面の機械加工は、表面が粘着性またはゴム状である場合、特に難しいからである。
【0065】
一般に、そのような機械加工プロセスは、物品を成形型から離型する前に行われる。機械加工操作後、レンズは、成形型から離型し、水和して差し支えない。あるいは、その物品は、成形型から取り出した後に機械加工し、次いで、水和しても差し支えない。
【実施例】
【0066】
全ての溶媒および試薬は、共にさらに精製せずに用いた、ペンシルベニア州モリスヴィル所在のゲレスト社(Gelest, Inc.)から得た、900〜1000および3000g/モルのアミノプロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、およびニューヨーク州スコティア所在のシラー・ラボラトリーズ社(Silar Laboratories)から得たメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを除いて、ワイオミング州ミルウォーキー所在のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)から得て、入手した状態で用いた。モノマーの2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび1−ビニル−2−ピロリドンは標準技法を用いて精製した。
【0067】
分析測定
NMR:1H−核磁気共鳴(NMR)特徴付けを、当該技術分野における標準技法を使用して400 MHzのVarian分光計を用いて行った。別記しない限り、サンプルはクロロホルム−d(99.8原子%D)中に溶解させた。化学シフトは、7.25ppmでの残留クロロホルムピークを割り当てることにより決定した。ピーク面積およびプロトン比は、ベースラインで分離したピークの積分により決定した。存在し、明らかに見分けのつく場合には、分裂パターン(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=幅広)および結合定数(J/Hz)が報告されている。
【0068】
SEC: サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)分析は、Waters515HPLCポンプおよび1.0ml/分のHPLCグレードのTHF移動相流量を用いて、35℃で、Polymer Labs PLゲル混合床E(×2)カラムへのテトラヒドロフラン(THF)(5〜20mg/ml)中に溶解した100μlのサンプルの注入により行い、35℃でWaters410示差屈折率検出器により検出した。Mn、Mw、および多分散性(PD)の値を、Polymer Labポリスチレンの狭い基準との比較により決定した。
【0069】
ESI−TOF MS:エレクトロスプレー(ESI)飛行時間(TOF)MS分析をApplied Biosystems Mariner装置で行った。この装置は、陽イオンモードで動作した。この装置は、リジン、アンギオテンシノゲン、ブラジキニン(断片1〜5)およびdes−Proブラジキニンを含有する標準溶液で質量校正した。この混合物は、147から921m/zまでの7点校正を提供する。印加した電圧パラメータは、同じ標準溶液から得た信号から最適化した。
【0070】
テトラヒドロフラン(THF)中1mg/mlとしてポリマーサンプルの原液を調製した。これらの原液から、IPA中の2体積%の標準NaClを添加することにより、ESI−TOF MS分析のために、イソプロパノール(IPA)中30μM溶液としてサンプルを調製した。サンプルは、35μl/分の流量で、ESI−TOF MS装置中に直接注入した。
【0071】
機械的性質および酸素透過性:弾性率および伸張テストは、Instron(モデル4502)装置を用いて、ASTM D−1708aにしたがって行った。ここで、ヒドロゲルフイルムサンプルはホウ酸緩衝生理食塩水中に浸され、フイルムサンプルの適切なサイズは、ゲージ長22mmおよび幅4.75mmであり、このサンプルはさらに、Instron装置のクランプによるサンプルの保持部を提供するように犬用の骨形を形成する端部と、200+50マイクロメートルの厚さを有する。
【0072】
酸素透過性(Dkとも称される)は、以下の手法により決定した。それから得られた酸素透過性の値が上述した方法に相当する限り、他の方法および/または装置を用いてもよい。シリコーンヒドロゲルの酸素透過性は、端部に中央の円形金カソードおよびカソードから絶縁された銀アノードを含有するプローブを持つO2 Permeometer Model201T装置(米国、カリフォルニア州、アルバニー所在のクリアテック社(Createch))を用いて、ポーラログラフ法(ANSIZ80.20−1998)により測定する。測定は、150から600マイクロメートルに亘る3つの異なる中心厚の予め検査してピンホールのないことが分かっている平らなシリコーンヒドロゲルフイルムサンプルについてのみ行う。フイルムサンプルの中心厚の測定は、Rehder ET−1電子厚さゲージを用いて測定してもよい。一般に、フイルムサンプルは円形ディスクの形状を持つ。測定は、フイルムサンプルとプローブを、35℃±0.2℃で恒温となった循環しているリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含有する浴内に浸漬して、行う。プローブとフイルムサンプルをPBS浴中に浸漬する前に、フイルムサンプルを、恒温PBSで予め湿らせたカソード上に中心に配置して、カソードとフイルムサンプルとの間に気泡や過剰のPBSが存在しないことを確実にし、次いで、プローブのカソード部分がフイルムサンプルのみに接触している状態で、フイルムサンプルをプローブに取付キャップで固定する。シリコーンヒドロゲルフイルムについて、プローブのカソードとフイルムサンプルとの間に、例えば、円形ディスク形状を有する、テフロン(登録商標)ポリマー膜を利用することがたびたび有用である。そのような場合、「テフロン」膜を最初に、予め湿らせたカソード上に配置し、次いで、フイルムサンプルを「テフロン」膜上に配置して、「テフロン」膜またはフイルムサンプルの下に気泡や過剰のPBSが存在しないことを確実にする。測定値を一旦収集したら、0.97以上の相関係数値(R2)を持つデータのみをDk値のケイ酸に入力すべきである。厚さ当たり少なくとも2つの、満たしたR2値を持つDk測定値が得られる。公知の回帰分析を用いて、酸素透過率(Dk)は、少なくとも3つの厚さを持つフイルムサンプルから計算される。PBS以外の溶液で水和されたフイルムサンプルはどれも、最初に、精製水中に浸し、少なくとも25時間で恒温にさせ、次いで、PHB中に浸し、少なくとも12時間に亘り恒温にする。これらの機器は、定期的に洗浄し、RGP基準を用いて定期的に校正される。上限と下限は、その開示をここに引用する、William J.Benjamin, et al., The Oxygen Permeability of Reference Materials, Optom WisSci 7(12s):95(1997)により確立されたレポジトリ値の±8.8%を計算することにより確立する:

省略形
NVP 1−ビニル−2−ピロリドン
TRIS メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
HEMA 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
v−64 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)
【0073】
特別に別記しないかまたはその用法により明らかにならない限り、実施例に用いた全ての数は、「約」という極により修飾され、質量パーセントであると考えるべきである。
【0074】
実施例1.3−(クロロアセチルアミド)プロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)の合成
0℃でジクロロメタン(350ml)およびNaOH(水溶液)(0.75M、15ml)中の、ペンシルベニア州モリスヴィル所在のゲレスト社から得られた3−アミノプロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)(97.7g、3000g/モル)の溶液の激しく撹拌した二相混合物に、ジクロロメタン(50ml)中の塩化クロロアセチル(8ml、0.1モル)の溶液を滴下により加えた。周囲温度での1時間の反応期間後、有機層を分離し、シリカゲル(25g)およびNa2SO4(25g)上で5時間にわたって撹拌し、濾過した。減圧下で溶媒を除去して、無色の液体として生成物を得た(85 g, 83 %): 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ6.64 (br, 2 H), 4.05 (s, 4 H), 3.29 (q, J = 7 Hz, 4 H), 1.60-1.52 (m, 4 H), 0.56-0.52 (m, 4 H), 0.06 (s, 約264 H); GPC: Mw 3075 g/モル, PD 1.80。このサンプルの質量スペクトルは、74Daの繰返し質量単位を持つ1つ荷電したオリゴマーの質量分布を示した。これは、目的とするジメチルシロキサン(C26SiO)の繰返し成分単位に相当する。このサンプルの目的とする末端基の公称質量は326Da(C122422SiCl2)であり、要求されるナトリウム荷電剤は23Da(Na)の質量を有する。このサンプルに関する分布における質量ピークは(74×n+326+23)の公称質量数列に相当し、ここで、nは繰返し単位の数である。評価したオリゴマーに関して、実験と理論の同位体分布パターンの合致は良好である。
【化7】

【0075】
実施例2.カチオンメタクリレート末端ポリ(ジメチルシロキサン)の合成
酢酸エチル(25ml)中の実施例1からの3−(クロロアセチルアミド)プロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)(20.0g)の溶液に、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(3.40ml、20.1ミリモル)を加え、この混合物を暗闇の窒素雰囲気下において60℃で80時間に亘り加熱した。減圧下で、得られた溶液から溶媒および/または試薬を除去し、残留量の2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(<10w/w%)を含有する生成物(23.1g)を得た。これは、1H NMR分析により容易に定量化される:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ9.23 (br, 2 H), 6.07 (s, 2 H), 5.60 (s, 2 H), 4.71 (s, 4 H), 4.65-4.63 (m, 4 H), 4.18 (br, 4 H)3.47 (s, 12 H), 3.19-3.13 (m, 4 H), 1.88 (s, 6 H), 1.53-1.49 (m, 4 H), 0.51 -0.47 (m, 4 H), 0.01 (s,約327 H) 。このサンプルの質量スペクトルは、37Daの繰返し質量単位を有する2つ荷電したオリゴマーの質量分布を示した。逆重畳した場合、これは74Da(37Da×2)の繰返し質量単位に相当する。これは、目的とするジメチルシロキサン(C26SiO)の繰返し成分単位に相当する。このサンプルの目的とする末端基の公称質量は570Da(C285446Si)である。この末端基成分は2つの第4級窒素原子を含有し、それゆえ、追加の荷電剤は必要ない。2つの第4級窒素(N+)原子は、2つ荷電した質量ピークの存在も説明する。このサンプルの分布における質量ピークは((74/2)×n+570)の公称質量数列に相当し、ここで、nは繰返し単位の数である。評価したオリゴマーに関して、実験と理論の同位体分布パターンの合致は良好である。
【化8】

【0076】
実施例3.様々な末端アクリレートを持つカチオンクロライド末端ポリ(ジメチルシロキサン)の合成
酢酸エチル(50ml)中の実施例1からの3−(クロロアセチルアミド)プロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)(50.0g)の溶液に、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(3.03ml、18.0ミリモル)および3−(ジメチルアミノ)プロパノール(0.71ml、6.1ミリモル)を加え、この混合物を暗闇の窒素雰囲気下において60℃で80時間に亘り加熱した。減圧下で、得られた溶液から溶媒および/または試薬を除去し、残留量の2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートおよび3−(ジメチルアミノ)プロパノール(<10w/w%)を含有する生成物(53.5g)を得た。これは、上述したように、1H NMR分析により容易に定量化される。
【化9】

【0077】
実施例4〜5.カチオンシロキサニルプレポリマーを含有するフイルムの重合、加工および性質
カチオン末端ポリ(ジメチルシロキサン)プレポリマー(先の実施例2および3からの)並びに眼用材料において一般に用いられる他のモノマーおよび開始剤を含有する液体モノマー溶液を、様々な厚さでシラン化処理済みガラスプレートの間に挟み、窒素雰囲気下において100℃で2時間に亘り加熱することによる、フリーラジカル生成剤の熱分解を用いて重合した。表1に列記した配合物の各々が透明で不粘着性の不溶性フイルムを形成した。
【表1】

【0078】
フイルムをガラスプレートから取り外し、最小で4時間に亘り脱イオンH2O中で水和/抽出し、新たな脱イオンH2Oに移し、オートクレーブ内において121℃で30分間に亘り処理した。次いで、冷却したフイルムを、表2に記載したような眼用材料において関心のある選択した性質について分析した。機械的テストは、上述したようにASTM D−1708aにしたがってホウ酸緩衝生理食塩水中で行った。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I):
【化1】

のモノマーであって、
ここで、L1、L2およびL3は、独立して、同じであっても異なっても差し支えなく、ウレタン、カーボネート、カルバメート、カルボキシウレイド、スルホニル、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル置換アルキルエーテルおよびそれらの組合せからなる群より選択され;X-は、少なくとも1つ荷電された対イオンであり;nは1から約300の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、各々、独立して、水素、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C1〜C30フルオロアルキル基、C1〜C20エステル基、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテル、ポリエーテル含有基、ウレイド基、アミド基、アミン基、置換または未置換C1〜C30アルコキシ基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルキルアルキル基、置換または未置換C3〜C30シクロアルケニル基、置換または未置換C5〜C30アリール基、置換または未置換C5〜C30アリールアルキル基、置換または未置換C5〜C30ヘテロアリール基、置換または未置換C3〜C30複素環式環、置換または未置換C4〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換または未置換C6〜C30ヘテロアリールアルキル基、フッ素、C5〜C30フルオロアリール基、またはヒドロキシル基であり;Vは、重合性エチレン性不飽和有機ラジカルであるモノマー。
【請求項2】
-が、Cl-、Br-、I-、CF3CO2-、CH3CO2-、HCO3-、CH3SO4-、p−トルエンスルホネート、HSO4-、H2PO4-、NO3-、CH3CH(OH)CO2-、SO42-、CO32-、HPO42-およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のモノマー。
【請求項3】
-が、少なくとも1つ荷電した対イオンであり、Cl-、Br-、I-、CF3CO2-、CH3CO2-、HCO3-、CH3SO4-、p−トルエンスルホネート、HSO4-、H2PO4-、NO3-、CH3CH(OH)CO2-、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のモノマー。
【請求項4】
前記モノマーが、
【化2】

およびそれらの混合物からなる群より選択される構造を有することを特徴とする請求項1記載のモノマー。
【請求項5】
請求項1記載の少なくとも1種類のモノマーおよび少なくとも1種類の第2のモノマーを含む、重合生体材料を製造するのに有用なモノマー混合物。
【請求項6】
前記第2のモノマーに加えて、疎水性モノマーおよび親水性モノマーをさらに含むことを特徴とする請求項5記載のモノマー混合物。
【請求項7】
前記第2のモノマーが、不飽和カルボン酸;メタクリル酸、アクリル酸;アクリル置換アルコール;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート;ビニルラクタム;N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニルカプロラクトン;アクリルアミド;メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;メタクリレート;エチレングリコールジメタクリレート、メチルメタクリレート、アリルメタクリレート;親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメートのモノマー;親水性オキサゾロンモノマー、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、アリルメタクリレート(AMA);およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項5記載のモノマー混合物。
【請求項8】
重合コモノマーとして請求項1記載のモノマーを含む用具。
【請求項9】
前記用具がコンタクトレンズであることを特徴とする請求項8記載の用具。
【請求項10】
前記コンタクトレンズが硬質ガス透過性コンタクトレンズであることを特徴とする請求項9記載の用具。
【請求項11】
前記レンズがソフトコンタクトレンズであることを特徴とする請求項9記載の用具。
【請求項12】
前記レンズがヒドロゲルコンタクトレンズであることを特徴とする請求項9記載の用具。
【請求項13】
前記用具が眼内レンズであることを特徴とする請求項8記載の用具。
【請求項14】
前記レンズが有水晶眼内レンズであることを特徴とする請求項13記載の用具。
【請求項15】
前記レンズが無水晶眼内レンズであることを特徴とする請求項13記載の用具。
【請求項16】
前記用具が角膜移植片であることを特徴とする請求項8記載の用具。
【請求項17】
前記用具が、心臓弁、眼内レンズ、フイルム、外科用具、管置換物、子宮内用具、膜、隔膜、外科移植片、血管、人工尿管、人工乳房組織、腎臓透析装置の膜、心臓/肺装置の膜、カテーテル、マウスガード、義歯のライナー、眼用用具およびコンタクトレンズからなる群より選択されることを特徴とする請求項8記載の用具。
【請求項18】
用具の製造方法であって、
請求項1記載のモノマーおよび少なくとも1種類の第2のモノマーを含むモノマー混合物を提供する工程、
前記モノマー混合物に重合条件を施して、重合用具を提供する工程、
前記重合用具を抽出する工程、および
前記重合用具を包装し、殺菌する工程、
を有してなる方法。
【請求項19】
前記抽出工程を非可燃性溶媒により行うことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒が水であることを特徴とする請求項19記載の方法。

【公開番号】特開2013−100539(P2013−100539A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−20229(P2013−20229)
【出願日】平成25年2月5日(2013.2.5)
【分割の表示】特願2009−505539(P2009−505539)の分割
【原出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(391008847)ボシュ・アンド・ロム・インコーポレイテッド (137)
【氏名又は名称原語表記】BAUSCH & LOMB INCORPORATED
【Fターム(参考)】