説明

架橋発泡成形用樹脂組成物、架橋発泡成形体、履き物用部材および履き物

【課題】耐疲労性と軽量性のバランスに優れる架橋発泡成形体を製造可能な架橋発泡成形用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂成分、発泡剤および架橋剤を含む架橋発泡成形用樹脂組成物であって、前記樹脂成分として、以下の要件(1)〜(5)を全て満たす、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体を含む架橋発泡成形用樹脂組成物。
(1)密度が860〜950kg/m3
(2)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.5〜30
(4)Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜4
(5)メルトテンション(MT)が8cN以上

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋発泡成形用樹脂組成物、架橋発泡成形体、履き物用部材および履き物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン系樹脂からなる架橋発泡成形体は、日用雑貨、床材、遮音材、断熱材、履き物用部材(アウターソール(下部底)、ミッドソール(上部底)、インソール(中敷)など)などとして広範囲に使用されている。特に架橋発泡成形体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を架橋発泡してなる架橋発泡成形体(例えば、特許文献1参照。)が知られている。また、トリイソブチルアルミニウムとラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドとの接触処理物に、ジエチル亜鉛、ペンタフルオロフェノール、水、シリカおよびヘキサメチルジシラザンを反応させた助触媒担体を接触処理してなる重合触媒を用いてエチレンとα−オレフィンとを共重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて得られる架橋発泡成形体(例えば、特許文献2参照)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−2657号公報
【特許文献2】特開2005−314638号公報
【0004】
架橋発泡成形体を特にアウターソール、ミッドソール、インソールなどの履物用部材として用いる場合には、耐疲労性が高いことと、軽量性が求められる。従来の架橋発泡成形体は、耐疲労性と軽量性のバランスにおいて、さらなる性能の向上が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成の架橋発泡成形用樹脂組成物を用いることにより、耐疲労性と軽量性のバランスに優れる架橋発泡成形体、圧縮架橋発泡成形体、履き物用部材および履き物が得られることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の第一は、樹脂成分、発泡剤および架橋剤を含む架橋発泡成形用樹脂組成物であって、前記樹脂成分として、以下の要件(1)〜(5)を全て満たす、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体を含む架橋発泡成形用樹脂組成物である。
(1)密度が860〜950kg/m3
(2)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.5〜30
(4)Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜4
(5)メルトテンション(MT)が8cN以上
【0007】
本発明の第二は、上記架橋発泡成形用樹脂組成物を、架橋発泡成形してなる架橋発泡成形体にかかるものである。
【0008】
本発明の第三は、上記架橋発泡成形体を圧縮することにより得られる圧縮架橋発泡成形体にかかるものである。
【0009】
本発明の第四は、上記架橋発泡成形体または上記圧縮架橋発泡成形体からなる層を有する履き物用部材にかかるものである。
【0010】
本発明の第五は、上記履き物用部材を有する履き物にかかるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、耐疲労性と軽量性のバランスに優れる架橋発泡成形体を得ることができる架橋発泡成形用樹脂組成物、該樹脂組成物を架橋発泡成形してなる架橋発泡成形体、該架橋発泡成形体を圧縮して得られる圧縮架橋発泡成形体、前記架橋発泡成形体または圧縮架橋発泡成形体からなる層を有する履き物用部材、および、該履き物用部材を有する履き物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物は、樹脂成分、発泡剤および架橋剤を含む架橋発泡成形用樹脂組成物を含む。前記樹脂成分として、以下の要件(1)〜(5)を全て満たす、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体を含む。
(1)密度が860〜950kg/m3
(2)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.5〜30
(4)Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜4
(5)メルトテンション(MT)が8cN以上
【0013】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。本発明の架橋発泡成形体をミッドソール等の靴底部材として用いる場合は、架橋発泡成形体の強度を高める観点から、好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンが望ましい。
【0014】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99.5重量%である。またα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常0.5〜50重量%である。
【0015】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、860〜950kg/m3である(要件(1))。該密度は、架橋発泡成形体の剛性を高める観点から、好ましくは865kg/m3以上であり、より好ましくは870kg/m3以上であり、更に好ましくは900kg/m3以上である。また、架橋発泡成形体の軽量性を高める観点から、好ましくは920kg/m3以下である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980に規定された水中置換法に従って測定される。
【0016】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、0.01〜10g/10分である(要件(2))。該メルトフローレートは、高い発泡倍率の発泡体が得られ、また発泡成形性も向上することから、MFRは好ましくは0.2g/10分以上である。また、強度に優れる架橋発泡成形体が得られることから、MFRは好ましくは5g/10分以下であり、より好ましくは3g/10分以下である。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に従い、温度190℃および荷重21.18Nの条件でA法により測定される。なお、該メルトフローレートの測定では、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体に予め酸化防止剤を1000ppm程度配合したものを用いる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
【0017】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」と記載することがある。)と数平均分子量(以下、「Mn」と記載することがある。)との比(以下、「Mw/Mn」と記載することがある。)は、5.5〜30であり(要件(3))、Z平均分子量(以下、「Mz」と記載することがある。)と重量平均分子量(Mw)との比(以下、「Mz/Mw」と記載することがある。)は、2〜4である(要件(4))。Mw/Mnが小さすぎるあるいはMz/Mwが大きすぎると、架橋発泡成形が不安定になり、発泡体に割れが生じたりしやすくなることがある。Mw/Mnは、好ましくは6以上であり、Mz/Mwは、好ましくは4.5以下である。Mw/Mnが大きすぎるあるいはMz/Mwが小さすぎると、得られる架橋発泡成形体の機械的強度が低くなることがある。Mw/Mnは、好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、Mz/Mwは、好ましくは2以上である。なお、該Mw/Mnと該Mz/Mwとは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびZ平均分子量(Mz)を測定し、MwをMnで除し、MzをMwで除すことにより求められる。また、該Mw/Mnは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMw/Mnが大きくなる。該Mz/Mwは、後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMz/Mwが小さくなる。
【0018】
Mz/Mwは、高分子量成分の分子量分布を表すもので、Mw/Mnに比してMz/Mwが小さいことは高分子量成分の分子量分布が狭く、非常に高い分子量の成分割合が少ないことを意味し、Mw/Mnに比してMz/Mwが大きいことは高分子量成分の分子量分布が広く、非常に高い分子量の成分割合が高いことを意味する。好ましくは(Mw/Mn)−(Mz/Mw)が1以上であり、より好ましくは(Mw/Mn)−(Mz/Mw)が2以上である。
【0019】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、バンバリーミキサーなどの混練装置を用いて組成物を調製する際の発熱を抑制し、添加剤の不必要な分解などをより抑制する観点から、好ましくは60kJ/mol以上であり、より好ましくは70kJ/mol以上である。また、流動の活性化エネルギーは、架橋発泡成形時の発泡安定性を高める観点からは、好ましくは150kJ/mol以下であり、より好ましくは140kJ/mol以下であり、更に好ましくは130kJ/mol以下である。また、流動の活性化エネルギーは、後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のEaが大きくなる。
【0020】
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位はPa・secである。)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
【0021】
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
【0022】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート比(以下、「MFRR」と記載することがある。)は、成形加工時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは60以上であり、より好ましくは70以上であり、さらに好ましくは80以上であり、よりさらに好ましくは90以上である。また、得られる成形体の機械的強度をより高める観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは180以下である。該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重211.82N、温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(以下、「H−MFR」と記載することがある。)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。また、MFRRは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRRが小さくなる。
【0023】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトテンション(以下、「MT」と記載することがある。)は、8cN以上である(要件(5))。メルトテンションが小さすぎると、架橋発泡成形時に破泡が発生しやすくなり、発泡体の外観を損なうことがある。メルトテンションは、好ましくは10cN以上であり、より好ましくは12cN以上であり、さらに好ましくは15cN以上であり、よりさらに好ましくは17cN以上であり、最も好ましくは18cN以上である。また、該メルトテンションは、架橋発泡成形体の発泡倍率を高める観点からは、好ましくは50cN以下であり、より好ましくは40cN以下である。該メルトテンションは、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスから溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を押出し、押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取る際の張力において、引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断されるまでの間の最大張力である。また、メルトテンションは、後述する製造方法において、例えば、重合中のエチレンの圧力により変更することができ、重合中のエチレンの圧力を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトテンションが高くなる。また後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトテンションが高くなる。
【0024】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)と、下記一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)と、後述の助触媒成分(B)とが、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)とのモル比((A1)/(A2))を1〜40で、接触されてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法をあげることができる。(A1)/(A2)は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上である。また、(A1)/(A2)は、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
【0025】


[式中、M1は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X1およびR1は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、Q1は下記一般式(2)で表される架橋基を表す。

(式中、mは1〜5の整数であり、J1は元素周期律表の第14族の原子を表し、R2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。)]
【0026】


[式中、M2は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよく、Q2は、下記一般式(4)で表される架橋基を表す。

(式中、nは1〜5の整数であり、J2は元素周期律表の第14族の原子を表し、R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)]
【0027】
一般式(1)のM1および一般式(3)のM2は、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などがあげられる。
【0028】
一般式(1)のX1、R1、一般式(3)のX2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0029】
1、R1、X2、R3およびR4のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0030】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基などがあげられる。
【0031】
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。
【0032】
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0033】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0034】
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0035】
また、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基、置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基、ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基などがあげられる。
【0036】
置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基としては、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリメチルシリルプロピル基、トリメチルシリルブチル基、トリメチルシリルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)エチル基、ビス(トリメチルシリル)プロピル基、ビス(トリメチルシリル)ブチル基、ビス(トリメチルシリル)フェニル基、トリフェニルシリルメチル基などがあげられる。
【0037】
置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジメチルアミノフェニル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジメチルアミノ)エチル基、ビス(ジメチルアミノ)プロピル基、ビス(ジメチルアミノ)ブチル基、ビス(ジメチルアミノ)フェニル基、フェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノフェニル基などがあげられる。
【0038】
ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、エトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシ−n−プロピル基、イソプロポキシ−n−プロピル基、n−ブトキシ−n−プロピル基、sec−ブトキシ−n−プロピル基、tert−ブトキシ−n−プロピル基、フェノキシ−n−プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシイソプロピル基、n−プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n−ブトキシイソプロピル基、sec−ブトキシイソプロピル基、tert−ブトキシイソプロピル基、フェノキシイソプロピル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基などがあげられる。
【0039】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基などがあげられる。
【0040】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコソキシ基などがあげられる。また、これらのアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基などがあげられる。
【0041】
炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などがあげられる。また、これらのアラルキルオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキルオキシ基などがあげられる。
【0042】
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などがあげられる。また、これらのアリールオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリールオキシ基などがあげられる。
【0043】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素数1〜20の置換シリル基としては、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基で置換されたシリル基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、n−ペンチルシリル基、n−ヘキシルシリル基、フェニルシリル基などの1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジフェニルシリル基などの2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの3置換シリル基などがあげられる。
【0044】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素数1〜20の置換アミノ基としては、例えば、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基2つで置換されたアミノ基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基、フェニルブチルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロイソインドリル基などがあげられる。
【0045】
1として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0046】
1として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0047】
2として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0048】
3として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0049】
4として好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0050】
一般式(1)のQ1は一般式(2)で表される架橋基を表し、一般式(3)のQ2は一般式(4)で表される架橋基を表す。
【0051】
一般式(2)のmおよび一般式(4)のnは1〜5の整数である。mとして好ましくは、1〜2であり、nとして好ましくは、1〜2である。
【0052】
一般式(2)のJ1および一般式(4)のJ2は、元素周期律表の第14族の遷移金属原子を表し、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子などがあげられる。好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
【0053】
一般式(2)のR2、一般式(4)のR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基または炭素数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0054】
2およびR5のハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基および炭素数1〜20の置換アミノ基としては、X1、R1、X2、R3およびR4のハロゲン原子、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の置換シリル基および炭素数1〜20の置換アミノ基として例示したものをあげることができる。
【0055】
1およびQ2としては、メチレン基、エチリデン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、ブチリデン基、ブチレン基、ペンチリデン基、ペンチレン基、ヘキシリデン基、イソプロピリデン基、メチルエチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、メチルブチルメチレン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチルフェニル)メチレン基、ジ(メチルフェニル)メチレン基、ビス(ジメチルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルフェニル)メチレン基、フェニル(エチルフェニル)メチレン基、ジ(エチルフェニル)メチレン基、ビス(ジエチルフェニル)メチレン基、フェニル(プロピルフェニル)メチレン基、ジ(プロピルフェニル)メチレン基、ビス(ジプロピルフェニル)メチレン基、フェニル(ブチルフェニル)メチレン基、ジ(ブチルフェニル)メチレン基、フェニル(ナフチル)メチレン基、ジ(ナフチル)メチレン基、フェニル(ビフェニル)メチレン基、ジ(ビフェニル)メチレン基、フェニル(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレン基、
【0056】
シランジイル基、ジシランジイル基、トリシランジイル基、テトラシランジイル基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基、ジエチルシランジイル基、ジプロピルシランジイル基、ジブチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基、ジビニルシランジイル基、ジアリルシランジイル基、(メチル)(ビニル)シランジイル基、(アリル)(メチル)シランジイル基等をあげることができる。
【0057】
1として好ましくは、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基であり、より好ましくは、エチレン基、ジメチルシランジイル基である。また、Q2として好ましくは、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基であり、より好ましくは、ジフェニルメチレン基である。
【0058】
一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)としては、M1をジルコニウム原子、X1を塩素原子としたものとして、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0059】
メチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0060】
メチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0061】
メチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0062】
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(ビニル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(アリル)(メチル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0063】
ジメチルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0064】
ジメチルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0065】
ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0066】
上記例示においてη5−インデニル基の置換体は、架橋基が1−位の場合、一置換体であれば、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位および7−位の置換体を含み、架橋位が1−位以外でも同様に全ての組合せを含む。二置換体以上も同様に、置換基および架橋位の全ての組合せを含む。また、上記遷移金属化合物のX1のジクロリドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM1のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することができる。
【0067】
一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)として好ましくは、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジフェノキシド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0068】
一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)としては、M2をジルコニウム原子、X2を塩素原子とし、架橋基Q2をジフェニルメチレン基としたものとして、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0069】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0070】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0071】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0072】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0073】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0074】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0075】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0076】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0077】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0078】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0079】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0080】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0081】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0082】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0083】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0084】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0085】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0086】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0087】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0088】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0089】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0090】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0091】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0092】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0093】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0094】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0095】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0096】
上記遷移金属化合物のX2のジクロリドを、ジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物のQ2のジフェニルメチレン基を、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM2のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することもできる。
【0097】
一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)として好ましくは、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0098】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造に用いられる重合触媒の調製に使用される助触媒成分(B)としては、下記成分(b1)、下記成分(b2)、下記成分(b3)および下記成分(b4)が接触されてなる固体触媒成分があげられる。
(b1):下記一般式(5)で表される化合物
3x (5)
(b2):下記一般式(6)で表される化合物
6t-1TH (6)
(b3):下記一般式(7)で表される化合物
7t-2TH2 (7)
(b4):粒子状担体
[式中、M3は元素周期律表の第1、2、12、14または15族の金属原子を表し、xはM3の原子価に相当する数を表す。Lは水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。Tはそれぞれ独立に元素周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、tはそれぞれの化合物のTの原子価に相当する数を表す。R6はハロゲン原子、電子吸引性基、ハロゲン化基、電子吸引性基を有する基を表し、R6が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R7はハロゲン原子またはハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。]
【0099】
一般式(5)のM3は、元素周期律表の第1、2、12、14または15族の金属原子である。M3としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子、ビスマス原子などをあげることができる。好ましくは、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子またはビスマス原子であり、より好ましくは、マグネシウム原子、亜鉛原子、スズ原子またはビスマス原子であり、更に好ましくは亜鉛原子である。
【0100】
一般式(5)のxはM3の原子価に相当する数を表す。例えば、M3が亜鉛原子の場合、xは2である。
【0101】
一般式(5)のLは、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0102】
Lのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0103】
Lの置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基などがあげられる。
【0104】
Lのアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0105】
Lのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましく、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0106】
Lのアラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。好ましくは、ベンジル基である。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素数7〜20のハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0107】
Lのアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。好ましくは、フェニル基である。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素数6〜20のハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0108】
Lとして好ましくは、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、水素原子またはアルキル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
【0109】
一般式(6)および(7)のTは、元素周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、一般式(6)におけるTと一般式(7)におけるTとは同じであっても異なっていてもよい。第15族の非金属原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などがあげられ、第16族の非金属原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などがあげられる。Tとして好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0110】
一般式(6)および(7)のtは、それぞれのTの原子価を表し、Tが第15族の非金属原子の場合、tは3であり、Tが第16族の非金属原子の場合、tは2である。
【0111】
一般式(6)のR6は、ハロゲン原子、電子吸引性基、ハロゲン化基、電子吸引性基を有する基を表し、電子吸引性基を含有する基または電子吸引性基を表し、R6が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基としてあげられる。
【0112】
6のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0113】
6の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、ハイドロカルビルオキシカルボニル基、スルホン基、フェニル基などがあげられる。
【0114】
6のハロゲン化基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基などのハロゲン化ハイドロカルビル基;ハロゲン化ハイドロカルビルオキシ基;ハロゲン化ハイドロカルビルオキシカルボニル基などがあげられる。また、R6の電子吸引性基を有する基としては、シアノ化アリール基などのシアノ化ハイドロカルビル基、ニトロ化アリール基などのニトロ化ハイドロカルビル基などがあげられる。
【0115】
6のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基などがあげられる。
【0116】
6のハロゲン化アリール基としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基などがあげられる。
【0117】
6の(ハロゲン化アルキル)アリール基としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基などがあげられる。
【0118】
6のシアノ化アリール基としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基などがあげられる。
【0119】
6のニトロ化アリール基としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などがあげられる。
【0120】
6のハイドロカルビルオキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などがあげられ、より具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などがあげられる。
【0121】
6のハロゲン化ハイドロカルビルオキシカルボニル基としては、ハロゲン化アルコキシカルボニル基、ハロゲン化アラルキルオキシカルボニル基、ハロゲン化アリールオキシカルボニル基などがあげられ、より具体的には、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基などがあげられる。
【0122】
6として好ましくは、ハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくは、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、さらに好ましくは、フッ素化アルキル基、フッ素化アリール基、塩素化アルキル基または塩素化アリール基であり、特に好ましくは、フッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基である。フッ素化アルキル基として好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基である。フッ素化アリール基として好ましくは、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基またはパーフルオロ−2−ナフチル基であり、より好ましくは、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。塩素化アルキル基として好ましくは、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基または1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基である。塩素化アリール基として好ましくは、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基またはペンタクロロフェニル基である。
【0123】
一般式(7)のR7は、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。R7のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基などがあげられ、Lのアルキル基、アラルキル基、アリール基として例示した基を例示することができる。R7のハロゲン化ハイドロカルビル基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基などのハロゲン化ハイドロカルビル基などがあげられ、R6のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基として例示した基を例示することができる。
【0124】
7として好ましくは、ハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくは、フッ素化ハイドロカルビル基である。
【0125】
成分(b1)の一般式(5)で表される化合物としては、M3が亜鉛原子である化合物として、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;ジアリル亜鉛等のジアルケニル亜鉛;ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化n−プロピル亜鉛、塩化イソプロピル亜鉛、塩化n−ブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化n−ヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化n−プロピル亜鉛、臭化イソプロピル亜鉛、臭化n−ブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化n−ヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化n−プロピル亜鉛、よう化イソプロピル亜鉛、よう化n−ブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化n−ヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等があげられる。
【0126】
成分(b1)の一般式(5)で表される化合物として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジ−n−ヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0127】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物としては、アミン、ホスフィン、アルコール、チオール、フェノール、チオフェノール、ナフトール、ナフチルチオール、カルボン酸化合物などがあげられる。
【0128】
アミンとしては、ジ(フルオロメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロエイコシル)アミンなどをあげることができる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンをあげることができる。
【0129】
ホスフィンとしては、上記アミンの窒素原子をリン原子に変更した化合物をあげることができる。それらのホスフィンは、上記アミン中のアミンをホスフィンに置き換えることによって表される化合物である。
【0130】
アルコールとしては、フルオロメタノール、ジフルオロメタノール、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1H,1H−パーフルオロブタノール、1H,1H−パーフルオロペンタノール、1H,1H−パーフルオロヘキサノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H−パーフルオロドデカノール、1H,1H−パーフルオロペンタデカノール、1H,1H−パーフルオロエイコサノールなどをあげることができる。また、これらのアルコールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアルコールをあげることができる。
【0131】
チオールとしては、上記アルコールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのチオールは、上記アルコール中のノールをンチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0132】
フェノールとしては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノールなどをあげることができる。また、これらのフェノールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したフェノールをあげることができる。
【0133】
チオフェノールとしては、上記フェノールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのチオフェノールは、上記フェノール中のフェノールをチオフェノールに置き換えることによって表される化合物である。
【0134】
ナフトールとしては、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノールなどをあげることができる。また、これらのナフトールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したナフトールをあげることができる。
【0135】
ナフチルチオールとしては、上記ナフトールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのナフチオールは、上記ナフトール中のナフトールをナフチルチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0136】
カルボン酸化合物としては、例えば、ペンタフルオロベンゾイックアシッド、パーフルオロエタノイックアシッド、パーフルオロプロパノイックアシッド、パーフルオロブタノイックアシッド、パーフルオロペンタノイックアシッド、パーフルオロヘキサノイックアシッド、パーフルオロヘプタノイックアシッド、パーフルオロオクタノイックアシッド、パーフルオロノナノイックアシッド、パーフルオロデカノイックアシッド、パーフルオロウンデカノイックアシッド、パーフルオロドデカノイックアシッドなどをあげることができる。
【0137】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物として好ましくは、アミン、アルコールまたはフェノール化合物であり、アミンとして好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミンまたはビス(ペンタフルオロフェニル)アミンであり、アルコールとして好ましくは、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールであり、フェノールとして好ましくは、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールまたは3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
【0138】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0139】
成分(b3)の一般式(7)で表される化合物としては、水、硫化水素、アミン、アニリン化合物などをあげることができる。
【0140】
アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン等のアラルキルアミン;アリルアミン;シクロペンタジエニルアミンなどがあげられる。
【0141】
また、アミンとしては、フルオロメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミンなどのハロゲン化アルキルアミンなどがあげられる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンをあげることができる。
【0142】
アニリン化合物としては、アニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2,3−ジエチルアニリン、2,4−ジエチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、3,4−ジエチルアニリン、3,5−ジエチルアニリン、2,3,4−トリエチルアニリン、2,3,5−トリエチルアニリン、2,3,6−トリエチルアニリン、2,4,6−トリエチルアニリン、3,4,5−トリエチルアニリン、2,3,4,5−テトラエチルアニリン、2,3,4,6−テトラエチルアニリン、2,3,5,6−テトラエチルアニリン、ペンタエチルアニリンなどをあげることができる。また、これらのアニリン化合物のエチルをn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどに変更したアニリン化合物などがあげられる。
【0143】
また、アニリン化合物としては、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリン、3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)アニリンなどをあげることができる。また、これらのアニリン化合物のフルオロをクロロ、ブロモ、ヨードなどに変更したアニリン化合物をあげることができる。
【0144】
成分(b3)の一般式(7)で表される化合物として好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0145】
成分(b4)の粒子状担体としては、重合触媒調製用の溶媒あるいは重合溶媒に不溶な固体状物質が好適に用いられ、多孔質の物質がより好適に用いられ、無機物質または有機ポリマーが更に好適に用いられ、無機物質が特に好適に用いられる。
【0146】
成分(b4)の粒子状担体は、粒径の整ったものであることが好ましく、成分(b4)の粒子状担体の粒径の体積基準の幾何標準偏差は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.7以下である。
【0147】
成分(b4)の粒子状担体の無機物質としては、無機酸化物、粘土、粘土鉱物などをあげることができる。また、これらを複数混合して用いてもよい。
【0148】
無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgO、ならびに、これら2種以上の混合物をあげることができる。これらの無機酸化物の中では、SiO2および/またはAl23が好ましく、特にSiO2(シリカ)が好ましい。なお、上記無機酸化物は少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもよい。
【0149】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物として、表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用してもよい。改質無機酸化物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン;トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン;ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン;ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン;メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン;フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン;トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン;トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン;ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン;テトラクロロシラン;メタノール、エタノール等のアルコール;フェノール;ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム;ブチルリチウム等のアルキルリチウム等と接触された無機酸化物をあげることができる。
【0150】
更に、トリアルキルアルミニウムとの接触後、ジエチルアミンおよびジフェニルアミン等のジアルキルアミン、メタノールおよびエタノール等のアルコール、フェノールと接触された無機酸化物を例示することができる。
【0151】
また、無機酸化物は水酸基同士が水素結合することにより無機酸化物自体の強度が高まっていることがある。その場合、仮に表面水酸基の活性水素全てについて種々の置換基で置換してしまうと、粒子強度の低下等を招く場合がある。よって、無機酸化物の表面水酸基の活性水素は必ずしも全て置換する必要はなく、表面水酸基の置換率は適宜決めればよい。表面水酸基の置換率を変化させる方法は特に限定されない。該方法としては、例えば、接触に使用する化合物の使用量を変化させる方法を例示することができる。
【0152】
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、スメクタイト、モンモリロナイト群、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどをあげることができる。これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイトであり、更に好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライトである。
【0153】
無機物質としては、無機酸化物が好適に用いられる。無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は、通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱減圧する方法等をあげることができる。
【0154】
無機物質の平均粒子径は、通常1〜5000μmであり、好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは100〜500m2/gである。
【0155】
成分(b4)の粒子状担体の有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0156】
活性水素を有する官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等があげられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0157】
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基は、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であり、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等があげられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0158】
有機ポリマーにおいて、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の含有量は、有機ポリマーを構成する重合体単位グラムあたりの官能基のモル量として、好ましくは0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0159】
上記の活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体の製造方法としては、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合させる方法、該モノマーと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合させる方法をあげることができる。このとき更に重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーをも一緒に共重合することが好ましい。
【0160】
上記の重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチン基等のアルキニル基等をあげることができる。
【0161】
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物などをあげることができる。該モノマーの具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オールなどがあげられる。
【0162】
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾールなどをあげることができる。
【0163】
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、環状オレフィンなどをあげることができる。該モノマーの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。好ましくは、エチレン、スチレンである。また、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーとしては、ジビニルベンゼン等をあげることができる。
【0164】
有機ポリマーの平均粒子径は、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは50〜500m2/gである。
【0165】
有機ポリマーは、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥されたものが好ましい。加熱処理の温度は、目視で水分を確認できない有機ポリマーについては、通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは70〜150℃である。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間であり、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱乾燥する方法等をあげることができる。
【0166】
助触媒成分(B)は、成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)が接触されてなるものである。成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4))の接触順序としては、次の順序があげられる。
<1> 成分(b1)と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<2> 成分(b1)と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<3> 成分(b1)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<4> 成分(b1)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<5> 成分(b1)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<6> 成分(b1)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<7> 成分(b2)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<8> 成分(b2)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
<9> 成分(b2)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<10> 成分(b2)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
<11> 成分(b3)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<12> 成分(b3)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
【0167】
成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、接触には溶媒が用いられていてもよく、用いられることなくこれらの化合物が直接接触されていてもよい。
【0168】
溶媒が使用される場合、成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)、およびそれらの接触物と反応しないものが用いられる。しかしながら、上述のように、段階的に各成分が接触される場合には、ある段階においてある成分と反応する溶媒であっても、該溶媒が他の段階において各成分と反応しない溶媒であれば、該溶媒は他の段階で用いられることができる。つまり、各段階における溶媒は相互に、同じかまたは異なる。該溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等の非極性溶媒;ハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物等の極性溶媒をあげることができる。具体例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物をあげることができる。
【0169】
成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)とが接触されてなる接触物(c)と、成分(b4)とが接触される場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、接触物(c)を製造する場合の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
【0170】
一方、接触物(c)と成分(b4)とが接触される場合の溶媒(s2)としては、極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、ETN値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧ETN≧0.1なる範囲を満足する溶媒が特に好ましい。
【0171】
かかる極性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどをあげることができる。
【0172】
溶媒(s2)として更に好ましくは、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールであり、特に好ましくは、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、最も好ましくは、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールである。
【0173】
前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒が用いられることができる。炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒として例示した化合物が用いられる。極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒としては、例えば、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒などをあげることができる。好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。更に好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。また、トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、更に好ましくは15〜30体積%である。
【0174】
成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)とが接触されてなる接触物(c)と、成分(b4)とが接触される場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共に炭化水素溶媒を用いることもできる。この場合、成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)が接触された後、得られた接触物(c)と成分(b4)とが接触されるまでの時間は短い方が好ましい。時間として好ましくは0〜5時間であり、更に好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(c)と成分(b4)とが接触される温度は、通常−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜20℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
【0175】
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用されることができる。好ましくは、非極性溶媒である。なぜならば、成分(b1)と成分(b3)との接触物や、成分(b1)と成分(b2)との接触物と成分(b3)とが接触されてなる接触物は、一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に成分(b4)が存在する場合、該接触物が成分(b4)の表面に析出し、より固定化されやすい、と考えられるからである。
【0176】
成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)および成分(b3)の使用量としては、下記の関係式(III)を満足することが好ましい。
|M3の原子価−成分(b2)のモル量−2×成分(b3)のモル量|≦1 (III)
また、成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)の使用量は、好ましくは0.01〜1.99モルであり、より好ましくは0.1〜1.8モルであり、更に好ましくは0.2〜1.5モルであり、最も好ましくは0.3〜1モルである。成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b3)の好ましい使用量、より好ましい使用量、更に好ましい使用量、最も好ましい使用量は、M3の原子価、上記の成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)の使用量、および上記関係式(III)によってそれぞれ算出される。
【0177】
成分(b1)および成分(b2)の使用量は、助触媒成分(B)に含まれる成分(b1)に由来する金属原子が、助触媒成分(B)1gあたりに含まれる金属原子のモル数として、好ましくは0.1mmol以上となる量であり、より好ましくは0.5〜20mmolとなる量である。
【0178】
反応をより速く進行させるため、上記のような接触の後に、より高い温度での加熱工程を付加してもよい。加熱工程では、より高温とするために、沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、加熱工程を行う際に、接触で用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置き換えてもよい。
【0179】
助触媒成分(B)は、このような接触の結果、原料である成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および/または成分(b4)が未反応物として残存していてもよいが、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同じでも異なっていてもよい。このような洗浄処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。接触温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0180】
また、このような接触や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後0℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは0℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、更に好ましくは10℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、特に好ましくは10℃〜160℃の温度で2時間〜18時間であり、最も好ましくは15℃〜160℃の温度で4時間〜18時間である。
【0181】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造としては、一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)と、一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)と、助触媒成分(B)とが接触されてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法をあげることができる。
【0182】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)とのモル比((A1)/(A2))としては、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1.5〜5である。
【0183】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計の使用量は、助触媒成分(B)1gあたり、通常、1〜10000μmol/gであり、好ましくは10〜1000μmol/gであり、より好ましくは20〜500μmol/gである。
【0184】
重合触媒の調製において、遷移金属化合物(A1)、遷移金属化合物(A2)および助触媒成分(B)に加え、有機アルミニウム化合物(C)が接触されていてもよい。有機アルミニウム化合物(C)の使用量は、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計のモル数1モルあたりの有機アルミニウム化合物(C)のアルミニウム原子のモル数として、好ましくは、0.1〜1000であり、より好ましくは0.5〜500であり、更に好ましくは1〜100である。
【0185】
有機アルミニウム化合物(C)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム;ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等をあげることができる。これらの有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0186】
有機アルミニウム化合物(C)として好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0187】
また、重合触媒の調製において、遷移金属化合物(A1)、遷移金属化合物(A2)および助触媒成分(B)に加え、電子供与性化合物(D)が接触されていてもよい。電子供与性化合物(D)の使用量は、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計のモル数1モルあたりの電子供与性化合物(D)のモル数として、好ましくは0.01〜100であり、より好ましくは0.1〜50であり、更に好ましくは0.25〜5である。
【0188】
電子供与性化合物(D)としては、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミンをあげることができる。
【0189】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは30分間〜100時間である。また、接触は、各成分が重合反応槽に別々に投入されて、重合反応器内で行われてもよい。
【0190】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、気相重合法、スラリー重合法、バルク重合法などにより、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。好ましくは、気相重合法であり、より好ましくは連続気相重合法である。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
【0191】
重合触媒、各触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0192】
エチレンとα−オレフィンを気相重合する場合、重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、有機アルミニウム化合物(C)、電子供与性化合物(D)を導入してもよい。
【0193】
重合に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィンがあげられる。これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。エチレンとα−オレフィンとの組み合せとしては、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−オクテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテン等があげられ、好ましくはエチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテンである。
【0194】
また、エチレンとα−オレフィンとの共重合においては、必要に応じて、他の単量体を重合反応槽に導入し、本発明の効果を損なわない範囲において、該他の単量体を共重合させてもよい。該他の単量体としては、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、α,β−不飽和カルボン酸等をあげることができる。
【0195】
これらの具体例としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレン等のアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族炭化水素;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等があげられる。
【0196】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、更に、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合触媒成分または重合触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
【0197】
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
【0198】
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、助触媒成分(B)1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
【0199】
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)とを投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
【0200】
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
【0201】
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの助触媒成分(B)の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよいが、予備重合を開始する温度は、45℃以下とすることが好ましく、40℃以下とすることが好ましい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
【0202】
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0203】
本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物は、前記したエチレン−α−オレフィン共重合体を含む樹脂成分、発泡剤および架橋剤を含有する。
【0204】
本発明で使用し得る発泡剤としては、当該樹脂成分の溶融温度以上の分解温度を有する熱分解型発泡剤をあげることができる。例えば、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、アゾビスブチルニトリル、ニトロジグァニジン、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)アゾビスイソブチロニトリル、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジッド、5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、ヒドラゾジカルボンアミド等をあげることができ、これは1種類あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。これらの中でもアゾジカルボンアミドまたは炭酸水素ナトリウムが好ましい。また、本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物は、樹脂成分100重量部と、該樹脂成分100重量部に対し発泡剤を0.5〜50重量部含むことが好ましく、1〜20重量部含むことがより好ましく、1〜15重量部含むことがさらに好ましい。
【0205】
本発明における架橋発泡成形用樹脂組成物には、必要に応じて、発泡助剤を配合してもよい。該発泡助剤としては、尿素を主成分とした化合物;酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物;サリチル酸、ステアリン酸等などの高級脂肪酸;該高級脂肪酸の金属化合物などがあげられる。発泡助剤の使用量は、発泡剤と発泡助剤との合計を100重量%として、好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。
【0206】
本発明で用いる架橋剤としては、架橋発泡成形用樹脂組成物に含まれる樹脂成分の流動開始温度以上の分解温度を有する有機過酸化物が好適に用いられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジターシャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどをあげることができる。架橋剤の配合割合は、樹脂成分の総量を100重量部として、通常、0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1.5重量部である。
【0207】
本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物は、耐熱安定剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、充填材や顔料(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;パルプ等の繊維物質など)などの各種添加剤を含んでいてもよい。また、樹脂成分として、前記した要件(1)〜(5)を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合体以外に、エチレン−不飽和エステル系共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の樹脂やゴムを含んでいてもよい。特に本発明の架橋発泡成形体や、後述する圧縮架橋発泡成形体を靴底や靴底部材に用いる場合、ゴムや塩ビシート等他部材との接着が必要となることが多いため、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレン−不飽和エステル系共重合体を含むことが好ましい。本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物がエチレン−不飽和エステル系共重合体を含む場合、その含有量は、要件(1)〜(5)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体を100重量部とするとき、該共重合体100重量部に対し、25〜900重量部であることが好ましく、40〜400重量部であることがより好ましい。
【0208】
本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物は、架橋発泡成形体の製造に好適に用いられる。該架橋発泡成形樹脂組成物を用いる架橋発泡成形体の製造方法としては、上記樹脂成分と架橋剤と発泡剤とを、発泡剤と架橋剤のいずれもが分解しない温度で、ミキシングロール、ニーダー、押出機等によって溶融混合して得られた架橋発泡成形用樹脂組成物を、射出成型機等によって成形型に充填し、加圧(保圧)・加熱状態で発泡させ、次いで冷却して架橋発泡成形体を取り出す方法、該溶融混合して得られた架橋発泡成型用組成物を、成形型に入れ、加圧プレス機等により加圧(保圧)・加熱状態で発泡させ、次いで冷却して架橋発泡成形体を取り出す方法などがあげられる。
【0209】
本発明の架橋発泡成形用樹脂組成物を、成形型に充填し、50kg/cm以上で加圧しながら、発泡剤の分解温度以上であって、かつ架橋剤の分解温度以上の温度で加熱して架橋発泡せしめることにより、架橋発泡成形体を得ることができる。成形型の型締め圧力は50〜300kgf/cm2であることが好ましく、保圧時間は10〜60分程度が好ましい。
【0210】
また前記の方法で得られる架橋発泡成形体は、更に圧縮成型することで圧縮架橋発泡成形体としてもよい。前記圧縮成形は通常130〜200℃で、30〜200kg/cmの荷重を印加しながら5〜60分の条件で行われる。なお、履物用部材の一種であるミッドソールには、本発明の圧縮架橋発泡成形体がより好適である。
【0211】
本発明の架橋発泡成形体や圧縮架橋発泡成形体は、所望の形状に裁断して使用してもよく、バフかけ加工して使用してもよい。
【0212】
本発明の架橋発泡成形体や圧縮架橋発泡成形体は、他の層と積層して多層積層体としてもよい。他の層を構成する材料としては、塩化ビニル樹脂材料、スチレン系共重合体ゴム材料、オレフィン系共重合体ゴム材料(エチレン系共重合体ゴム材料、プロピレン系共重合体ゴム材料など)、天然皮革材料、人工皮革材料、布材料などがあげられ、これらの材料は、少なくとも1種の材料が用いられる。
【0213】
これら多層積層体の製造方法としては、例えば、本発明の架橋発泡成形体または圧縮架橋発泡成形体と、別途成形した他の層とを、熱貼合あるいは化学接着剤などによる貼合する方法などがあげられる。該化学接着剤としては公知のものが使用できる。その中でも特にウレタン系化学接着剤やクロロプレン系化学接着剤などが好ましい。またこれら化学接着剤による貼合の際に、プライマーと呼ばれる下塗り剤を事前に塗布してもよい。
【0214】
本発明の架橋発泡成形体および圧縮架橋発泡成形体は良好な耐疲労性と軽量性のバランスを示す。そのため、例えば、本発明の架橋発泡成形体および圧縮架橋発泡成形体は、単層または多層の形態で、靴、サンダルなどの履き物の部材などとして好適に用いることができる。履き物用部材としては、ミッドソール、アウターソール、インソールなどがあげられる。また本発明の架橋発泡成形体および圧縮架橋発泡成形体は、履き物用部材以外に、断熱材、緩衝材などの建築資材などにも用いられる。
【実施例】
【0215】
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に従い、温度190℃、荷重21.18Nでの条件でA法により測定した。
【0216】
(2)密度(単位:kg/m3
JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980に記載の水中置換法により測定した。
(3)メルトフローレート比(MFRR)
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.82N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(H−MFR)と、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)とを測定し、H−MFRをMFRで除した値を求めた。
【0217】
(4)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での動的粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた動的粘度−角速度曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
【0218】
(5)分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
【0219】
(6)メルトテンション(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからエチレン−α−オレフィン共重合体を溶融押出し、該押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力をメルトテンションとした。
【0220】
(7)架橋発泡成形体の比重(単位:kg/m3
ASTM−D297に従って測定した。この値が小さいほど、軽量性に優れる。
【0221】
(8)架橋発泡成形体のスキンオフ硬度(単位:なし)
得られた架橋発泡成形体について、食品用スライサー(株式会社なんつね製、HBC−2型)を用いて、発泡体表面(スキンオン面)から2mm分のスキンを剥離することで、発泡体断面(スキンオフ面)を露出させた。この露出させて発泡体断面について、ASTM−D2240に従って、C法硬度計にて測定した。
【0222】
(9)架橋発泡成形体の圧縮永久歪(単位:%)
得られた架橋加圧発泡体を厚み1cmにスライス後、裁断することで2.5cm×2.5cm×1.0cmのサンプルを得た。該サンプルの厚みを1.0cmから5mmに圧縮し、その状態を維持したまま、50℃に調整したオーブン中で6時間放置した。脱圧後、室温にて30分間放置した。その後、厚みt[mm]を測定し、下式に従い圧縮永久歪を求めた。測定は4つの試験片を用いて実施し、平均値を測定値とした。この値が小さいほど、耐疲労性に優れる。
圧縮永久歪(%)={(10−t)/(10−5)}×100
【0223】
実施例1 エチレン−α−オレフィン共重合体(A1)の調製
(1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
【0224】
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体触媒成分を得た。
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.01MPaになるように加え、1−ヘキセンを220ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.8mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液で0.3ml分と、濃度を0.2μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液で0.25ml分を投入し、続いて上記(1)で得られた固体触媒成分23.7mgを投入した。重合中は全圧、およびガス中の水素濃度を一定に維持するように、エチレン/水素混合ガス(水素=0.25mol%)を連続的に供給しながら、70℃で30分間重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体220gを得た。同様の重合を4回繰り返し、合計712gのエチレン−1−ヘキセン共重合体(A1)を得た。得られた共重合体は全て均一になるようロール混練し、その一部を用いて物性の評価を行った。混練で得られた共重合体の物性を表1に示した。
(3)発泡成形
エチレン−α−オレフィン共重合体(A1)60重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体(ザ・ポリオレフィン・カンパニー社製 コスモセン H2181[MFR=2g/10分、密度=940kg/m3、酢酸ビニル単位量=18重量%];以下、EVA(1)と称する。)40重量部に対して、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸1.0重量部と、酸化亜鉛1.0重量部と、熱分解型発泡剤(三協化成株式会社製 セルマイクCE)2.6重量部と、ジクミルパーオキサイド0.7重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、架橋発泡成形用樹脂組成物を得た。該架橋発泡成形用樹脂組成物を15cm×15cm×2.0cmの金型に充填し、温度165℃、時間30分間、圧力150kg/cm2の条件で発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表2に示す。
【0225】
比較例1 エチレン−α−オレフィン共重合体(A2)の調製
(1)シリカの処理
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、溶媒としてトルエン24kg、微粒子担体(a)として窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.81kgを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.91kgとトルエン1.43kgの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら32分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、95℃で3.3時間攪拌した。その後、得られた固体生成物をトルエン21kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエンを7.1kg加え、一晩静置した。
(2)固体触媒成分の調製
上記(1)で得られたトルエンスラリーへ、化合物(b)として50wt%のジエチル亜鉛のヘキサン溶液1.75kgと溶媒としてヘキサン1.0kgを投入し、攪拌した。その後、5℃に冷却した後、化合物(c)としてトリフルオロフェノール0.78kgと溶媒としてトルエン1.41kgの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら61分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。その後、22℃に降温した後に、化合物(d)として水0.11kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間、40℃で2時間、更に、80℃で2時間攪拌した。攪拌を停止し残量が16リットルとなるまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、攪拌した。95℃に昇温し、4時間攪拌した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することで固体触媒成分を得た。
(3)予備重合触媒成分の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド109mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、上記(2)で得た固体触媒成分0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム158mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと10.2リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分(a)1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
【0226】
(4)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造
上記(3)で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を80℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を0.4%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を1.6%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4hrであった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−α−オレフィン共重合体(A2)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。

(5)発泡成形
実施例1のエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)からエチレン−α−オレフィン共重合体(A2)に、熱分解型発泡剤量を2.6重量部から2.2重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表2に示す。
【0227】
比較例2
(1)発泡成形
比較例1の熱分解型発泡剤量を2.2重量部から3.3重量部に変更した以外は、比較例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表2に示す。
【0228】
比較例3
(1)発泡成形
樹脂成分としてEVA(1)のみを用い、熱分解型発泡剤量を2.6重量部から2.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表3に示す。
【0229】
比較例4
(1)発泡成形
比較例3の熱分解型発泡剤量を2.0重量部から3.0重量部に変更した以外は、比較例3と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表3に示す。
【0230】
実施例2 エチレン−α−オレフィン共重合体(A3)の調製
(1)予備重合触媒成分の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド[遷移金属化合物(A1)に相当]97mmolとジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(A2)に相当]7.8mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、上記比較例1(2)で得られた固体触媒成分0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム140mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと10.2リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分1g当り21gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
【0231】
(2)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造
上記(1)で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を0.46%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を1.9%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4hrであった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
(3)発泡成形
実施例1のエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)からエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)に、熱分解型発泡剤量を2.6重量部から2.8重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表4に示す。
【0232】
実施例3
(1)発泡成形
実施例1のエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)からエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)に、熱分解型発泡剤量を2.6重量部から3.6重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表4に示す。
【0233】
実施例4
(1)発泡成形
実施例1のエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)からエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)に、熱分解型発泡剤量を2.6重量部から4.9重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表4に示す。
【0234】
実施例5
(1)発泡成形
エチレン−α−オレフィン共重合体(A3)80重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA(1)20重量部に対して、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸1.0重量部と、酸化亜鉛1.0重量部と、熱分解型発泡剤3.5重量部と、ジクミルパーオキサイド0.7重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、架橋発泡成形用樹脂組成物を得た。該架橋発泡成形用樹脂組成物を15cm×15cm×2.0cmの金型に充填し、温度165℃、時間30分間、圧力150kg/cm2の条件で発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表4に示す。
【0235】
実施例6
(1)発泡成形
実施例5の熱分解型発泡剤量を3.5重量部から5.3重量部に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表5に示す。
【0236】
実施例7
(1)発泡成形
エチレン−α−オレフィン共重合体(A3)20重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA(1)80重量部に対して、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸1.0重量部と、酸化亜鉛1.0重量部と、熱分解型発泡剤2.2重量部と、ジクミルパーオキサイド0.7重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、架橋発泡成形用樹脂組成物を得た。該架橋発泡成形用樹脂組成物を15cm×15cm×2.0cmの金型に充填し、温度165℃、時間30分間、圧力150kg/cm2の条件で発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表5に示す。
【0237】
実施例8
(1)発泡成形
実施例6の熱分解型発泡剤量を2.2重量部から3.8重量部に変更した以外は、実施例6と同様にして発泡成形させることにより架橋発泡成形体を得た。得られた架橋発泡成形体の物性評価結果を表5に示す。
【0238】
【表1】

【0239】
【表2】

【0240】
【表3】

【0241】
【表4】

【0242】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成分、発泡剤および架橋剤を含む架橋発泡成形用樹脂組成物であって、前記樹脂成分として、以下の要件(1)〜(5)を全て満たす、エチレンに基づく単量体単位と炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体を含む架橋発泡成形用樹脂組成物。
(1)密度が860〜950kg/m3
(2)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.5〜30
(4)Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜4
(5)メルトテンション(MT)が8cN以上
【請求項2】
前記エチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)が60kJ/mol以上である請求項1に記載の架橋発泡成形用樹脂組成物。
【請求項3】
樹脂成分100重量部と、該樹脂成分100重量部に対し発泡剤を0.5〜50重量部含有する請求項1または2に記載の架橋発泡成形用樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の架橋発泡成形用樹脂組成物を架橋発泡成形して得られる架橋発泡成形体。
【請求項5】
請求項4に記載の架橋発泡成形体を圧縮することにより得られる圧縮架橋発泡成形体。
【請求項6】
請求項4に記載の架橋発泡成形体からなる層を有する履き物用部材。
【請求項7】
請求項5に記載の圧縮架橋発泡成形体からなる層を有する履き物用部材。
【請求項8】
請求項6または7に記載の履き物用部材を有する履き物。

【公開番号】特開2011−6679(P2011−6679A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122513(P2010−122513)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】