説明

染色助剤

(a)式
【化1】


(式中、R1は脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
2及びR3は、お互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基を表し、及び
X及びYは、お互いに独立して、脂肪族の炭素原子数1乃至12の炭化水素の二価の基を表す。)で表されるベタイン、
(b)式(2)
【化2】


(式中、R4は脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
5、R6及びR7は、お互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原
子数5乃至24のアリール基又は炭素原子数6乃至30のアラルキル基を表し、
-はハロゲン化物、硝酸塩、硫酸水素塩又はスルホン酸塩を表す。)で表される第4
級アンモニウム塩、及び
(c)アルコキシル化脂肪族アルコール
を含む組成物は、濃い色調の染料を使用する染色方法において、
PA/ELブレンド中のEL部分のための色調促進剤として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両性の、カチオン性の及び非イオン性の界面活性剤を含む織物用助剤組成物、及びエラステインと天然の又は合成のポリアミド繊維又はセルロース繊維とのブレンドを染色するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド/エラステイン(PA/EL)又は綿/エラステイン(CO/EL)のブレンドの染色中に頻繁に現れる悪影響は、特に濃い色調が染色される場合、繊維ブレンドのPA部及びEL部間の異なる色調である。染色されたブレンドの外観は、エラステイン部の色調の濃さを強める、ある特定の第4級アンモニウム塩のような助剤の適用によって改善でき、それ故にブレンドの特定の色調配色を有効にする。一方で、これら助剤の使用は、多くの場合、堅牢度特性、特に湿潤堅牢度の低下と関係がある。さらに、染液へのこのような色調促進剤の添加は、一般的に、沈殿物をある程度生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した短所は、両性の、カチオン性の及び非イオン性の界面活性剤を含有する、繊維助剤の適用によって克服できることが、今や見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は
(a)式
【化1】

(式中、R1は、脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
2及びR3は、お互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基を表し、及び
X及びYは、お互いに独立して、脂肪族の炭素原子数1乃至12の炭化水素の二価の基を表す。)で表されるベタイン、
(b)式(2)
【化2】

(式中、R4は脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
5、R6及びR7はお互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子
数5乃至24のアリール基又は炭素原子数6乃至30のアラルキル基を表し、
-はハロゲン化物、硝酸塩、硫酸水素塩又はスルホン酸塩を表す。)で表される第4
級アンモニウム塩、及び
(c)アルコキシル化脂肪族アルコール
を含む組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
式(1)で表されるベタインは両性界面活性剤として知られており;それらは市販されているか、又は例えばクロロカルボン酸と対応するアミンとの反応によるなどの、既知の方法に従って製造できる。
【0006】
式(1)中のR1は、適切には、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル
基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、ステアリル基、エイコシル基、9−ヘキサデセニル基、9−オクタデセニル基、11−オクタデセニル基又はオクタデカトリエニル基のような、脂肪族アルコールから誘導された、飽和の又は不飽和の脂肪族基である。
【0007】
X及びYは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2−ブテニ−1,4−ジイル及び2−ペンテニ−1,5−ジイル基のような、飽和又は不飽和の、脂肪族の2価の基であり得る。
【0008】
基R2及びR3としてのアルキル基の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基及びn−ドデシル基である。
【0009】
好ましくは、成分(a)は、R1がn−ウンデシル基であるところの、式(1)で表さ
れるベタインである。
【0010】
式(1)中、Xはトリメチレン基であるのが好ましい。
【0011】
式(1)中、Yはメチレン基であるのが好ましい。
【0012】
さらに好ましい態様では、成分(a)は、R2及びR3がメチル基であるところの、式(1)で表されるベタインである。
【0013】
ココアミドプロピルベタインは、成分(a)として特に好ましい。
【0014】
式(2)で表される第4級アンモニウム塩は、カチオン性界面活性剤として知られており、そして既知の方法に従って製造できる。
【0015】
式(2)中のR4は、適切には、例えばn−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基
、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、ステアリル基、エイコシル基、9−ヘキサデセニル基、9−オクタデセニル基、11−オクタデセニル基又はオクタデカトリエニル基のような、脂肪族アルコールから誘導された、飽和の又は不飽和の脂肪族基である。
【0016】
基R5、R6及びR7としてのアルキル基の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基
、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基及びn−ドデシル基である。
【0017】
基R5、R6及びR7としてのアリール基の例は、フェニル基、トリル基、メシチル基、
イシチル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、ナフチル基及びフェナントリル基である。
【0018】
適したアラルキル基の例は、ベンジル基、2−フェニルエチル基、トリルメチル基、メシチルメチル基及び4−クロロフェニルメチル基である。
【0019】
好ましい成分(b)は、R4がn−ドデシル基を表すところの、式(2)で表される第
4級アンモニウム塩である。
【0020】
式(2)中、R5は好ましくはベンジル基を表す。
【0021】
6及びR7は、好ましくはメチル基を表す。
【0022】
式(2)中のA-は、好ましくはハロゲン化物又はスルホン酸塩を表し、とりわけ塩化
物を表す。
【0023】
ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドは成分(b)として特に好ましい。
【0024】
成分(c)として適しているアルコキシル化脂肪族アルコールは既知であり、例えば、脂肪族アルコールと、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドのような、対応するアルキレンオキシドの反応による、既知の方法などに従って製造され得る。
【0025】
好ましい態様において、成分(c)はエトキシル化又はプロポキシル化された、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール又はリノレニルアルコールである。
【0026】
成分(c)として特に好ましいのは、エトキシル化オレイルアルコールである。
【0027】
特に好ましい態様において、本発明に従う組成物は、
(a) ココアミドプロピルベタイン
(b) ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及び
(c) エトキシル化オレイルアルコール
を含む。
【0028】
成分(a)、(b)及び(c)の量の比は、広い範囲内で変えることができる。
【0029】
好ましい成分(a)の量は30乃至70質量部、より好ましくは40乃至60質量部であるが、成分(b)の量は15乃至40質量部、より好ましくは20乃至30質量%であり、そして成分(c)の量は15乃至40質量部、より好ましくは20乃至30質量%である。
【0030】
本発明に従う助剤組成物は、通常、約5乃至50質量%、好ましくは10乃至30質量%の総固形分を含んでいる水溶液として適用される。中性乃至弱酸性のpHを維持するためには、水溶液に、例えば水酸化ナトリウムのような少量のアルカリを添加することが望ましい。
【0031】
本発明に従う助剤組成物を含む水溶液は、保存に安定した低粘度の液体組成物であり、容易に測定及び投与することができ、及び自動調剤システムの使用に適用できる。
この水溶液は20℃で密閉されたコンテナ中で1年よりも長い期間の保存に安定であり;それは、氷点下の温度で固化するが、室温に暖めた後、有効性を損なわずに再び使用できる。
この溶液は硬水に、及び普通に繊維加工に関連してみられる量のアルカリ、酸及び電解
質に対して安定である。
【0032】
本発明に従う助剤組成物は、成分(a)、(b)及び(c)に加えて、さらに分散剤、湿潤剤、レベリング剤及び消泡剤などの慣用の添加剤を含み得る。
【0033】
本発明に従う助剤組成物は、染色工程の前の前処理工程の繊維材料に適用でき、又は、好ましくは、染料及び、所望により、更なる添加剤として同じ溶液中に適用できる。
他の慣用の色調促進剤とは異なり、本発明に従う助剤は染料粒子の沈殿の原因にならない。
【0034】
本発明はまた、エラステインと、天然の又は合成のポリアミド又はセルロース繊維とのブレンドの染色方法に関し、本発明に従う助剤組成物と少なくとも1種の染料とを含む水性液を用いて、前記繊維を処理することを含む。
【0035】
請求項に係る方法に従って染色できる、適したポリアミド繊維材料は、例えば羊毛、革又は絹などの天然ポリアミド繊維材料、例えばポリアミド6又はポリアミド6,6などの合成ポリアミド繊維材料、及び例えば羊毛/セルロール、ポリアミド/セルロース又はポリアミド/羊毛のブレンドなどの繊維ブレンドを含む。繊維材料は合成ポリアミド繊維材料が好ましい。
【0036】
請求項に係る方法に従って染色できる、適したセルロース繊維材料は、例えば、綿、麻及び大麻のような、天然のセルロース系繊維、同じようにセルロース及び再生セルロースである。好ましい繊維材料は綿である。
【0037】
好ましくは、染色は、例えば、カラー インデックス、第3版(1971年)に記載されたような、適した反応染料、金属錯塩染料又は酸性染料を使用して実施される。ポリアミド繊維は、金属錯塩染料又は酸性染料を用いて、有利に染色されるのに対して、反応染料、特にトリアジン染料はセルロースの染色のために使用されるのが好ましい。
【0038】
繊維材料の染色に使用される染料は、例えば塩化ナトリウム又はデキストリンなどの更なる添加剤を含み得る。
【0039】
PA/ELブレンドは女性用下着、水着及び運動着並びに高価な運動競技用の服装のための弾性ニットの形態で、しばしば適用される。
【0040】
織物材料は、例えば繊維、ヤーン、織物又は編物の形態などのどの形態でも使用できる。
【0041】
適切には、少なくとも1種の界面活性剤及び/又は乳化剤、少なくとも1種の過酸化物安定剤及び少なくとも1種の金属イオン封鎖剤は、少なくとも1種の界面活性剤及び/又は乳化剤、少なくとも1種の過酸化物安定剤及び少なくとも1種の金属イオン封鎖剤の夫々を含む併用製品として前処理段階において適用される。前記併用製品は指定された漂白剤プロセッサーであり、及び、例えば、クラリット(CLARITE)(登録商標)LTC、クラリット(登録商標)WIN又はクラリット(登録商標)ONE(ハンツマン社の製品)など、市販されている。
【0042】
本発明に従う助剤組成物を用いた繊維材料の処理は吸尽工程に従って実施されるのが好ましく、そこでは、液比が広い範囲内から選択でき、及び、例えば1:3乃至1:100、好ましくは1:4乃至1:50及びとりわけ1:5乃至1:20などである。
【0043】
概して、本発明に従う助剤組成物が0.1乃至20g/L、好ましくは0.2乃至10g/Lの量で使用される場合は、良好な結果が得られる。
【0044】
特別な装置は必要とされない。例えば、慣習となっている染色装置、例えばオープンバス、ウィンチベック、ジグ、又はパドル、ジェット若しくはサーキュレーション装置が使用され得る。
【0045】
手順は、例えば、20乃至130℃、好ましくは50乃至120℃及びとりわけ60乃至100℃の温度で有利に実施される。処理時間は、例えば、10乃至90分、好ましくは15乃至60分であり得る。
【0046】
本発明の好ましい態様は、未染色の織物繊維材料が40乃至60℃で請求項1記載の組成物を含む水性吸尽溶液と接触させられるところの、PA/EL又はCO/EL混合繊維の染色方法を含む。染料及び、所望により、更に添加剤が添加され、そして次に温度が90乃至150℃、好ましくは95乃至105℃に昇温される。20乃至80分の処理時間の後、液体はゆっくり冷却され、水ですすがれ、乾燥され、及び必要であれば、後処理及び次の定着段階にさらされる。
【0047】
その液体は、本発明に従う助剤及び染料に加えて、例えば塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム、分散剤、湿潤剤及び消泡剤などの電解質等の更なる慣用の添加剤を含み得る。
【0048】
繊維材料の染色は、例えばパディング又は吸尽工程などの慣用の染色又は捺染方法に従って実施できる。染色液又は捺染糊は、水及び染料に加えて、例えば湿潤剤、消泡剤、レベリング剤又は例えば柔軟剤、難燃剤などの織物材料の特徴に影響する薬剤、又は防汚剤、撥水剤及び撥油剤、及びまた硬水軟化材及び例えばアルギン酸塩及びセルロースエーテルなどの天然又は合成増粘剤などの薬剤、などの更なる添加剤を含み得る。
【0049】
染料浴に使用される染料の量は要求される色調の濃さにより幅広い範囲で変えられる;一般的に、染色するための材料に基いて、0.01乃至15質量%、とりわけ0.01乃至10質量%の量が有利であることが判明している。
【0050】
反応染料、金属錯塩染料又は酸性染料を用いた染色は、3乃至8及びとりわけ4乃至7のpHで好ましく実施される。液比は、例えば1:3乃至1:50、好ましくは1:5乃至1:30の幅広い範囲内から選択できる。染色は50乃至130℃及びとりわけ80乃至120℃で実施されるのが好ましい。
【0051】
CO/ELブレンドは反応染料又は直接染料で染色するのに有利である。好ましい態様として、染色されたCO/EL繊維は定着剤で後処理にさらされる。適した定着剤は、例えば、アルバフィックス(Albafix)(登録商標)ECO(ハンツマン社によって供給)などのポリエチレンポリアミンである。
【0052】
本発明に従う方法に従い、高い均染度及び良好な堅牢度特性、とりわけ優れた洗濯及び湿潤堅牢度によって区別される、PA/EL又はCO/ELブレンド上で得られる染色がある。
【0053】
EL上の黒色染料の濃く強い堆積は、反応染色、金属錯塩染色又は酸性染色が本発明に従う方法に続いて適用された場合、湿潤堅牢度をなんら損失なく達成される。これは、極度の対比色(例えば黒/白)を備えた衣類の生産を可能にする。
この染色はヒートセットに対して高い安定性を有する。
例えば下着衣類を形作る間に、色調の変化又は湿潤堅牢度の損失は観測されない。
【0054】
色調促進剤及び染料の同時適用は、プロセスの安全性の増加と、時間、水及びエネルギーの節約との観点から、実質的なプロセス簡素化を意味する。
【実施例】
【0055】
以下の実施例でより詳細に本発明を説明する。
【0056】
助剤Aは、コカミドプロピルベタイン10.5質量%、ドデシルジメチルベンジルアンモウニウムクロリド5.6質量%、1分子あたり平均65エチレンオキシド単位を含むエトキシル化オレイルアルコール5.25質量%及び水酸化ナトリウム0.11質量%を含む水溶液である。
【0057】
実施例1
ポリアミド/エラステイン(70:30)トリコットの一片10gを50℃で、助剤Aを各々0(対照)、1質量%、2質量%又は3質量%を含有する液体と共に吸尽工程によって処理した。20分後、アルバフロウ(Albaflow)(登録商標)CIR(脂肪族アルコールエトキシレート、浸透剤、ハンツマン社によって供給)0.5g/L、アルバフルーイド(Albafluid)(登録商標)E(潤滑剤、ハンツマン社によって供給)1.0g/L、ユニバジン(Univadine)ER(レベリング剤、ハンツマン社によって供給)0.5g/L及びアルバテックス(Albatex)PS35(レベリング剤、ハンツマン社によって供給)1.0g/L、並びにC.I.アシッドイエロー220 0.8質量%、ラナセット(Lanaset)(登録商標)レッドPA 200%(金属錯塩染料、ハンツマン社によって供給)0.6質量%及びC.I.アシッドブラック172 3.0質量%を添加し、そして温度を40分以内に98℃まで昇温した。液比は10:1である。PA/ELトリコットを60分間98℃で染色し、10分間60℃で水浴中で2回すすぎ、そして最後に、製品を20分間60℃でアルバテックス(Albatex)(登録商標)DS(レベリング剤、ハンツマン社によって供給)2g/Lを含む洗浴中で処理し、10分間60℃で水浴中でもう一度すすぎ、そして乾燥した。
水に対する(厳密な)堅牢度は、にじみ効果、即ち洗浄工程の間に浴槽中に同時に存在する非着色の織物の着色度の評価によってAATCC61 2Aに従って決定した。この結果を表1にまとめた。
【0058】
【表1】

【0059】
実施例2
ポリアミド/エラステイン レース(90:10)の一片を、50℃で助剤A 1質量%を含む液体と共に吸尽工程によって処理した。20分後、C.I.ダイレクトイエロー6 0.11質量%及びC.I.アシッドブラック172 1.5質量%並びにユニバジンER(レベリング剤、ハンツマン社によって供給)1.0g/Lを添加し、そして温度を40分以内に98℃まで昇温した。液比は10:1である。沈殿物は染浴中では全く観察されなかった。PA/ELレースを60分間98℃で染色し、10分間60℃で水浴中で2回すすぎ、乾燥し、そして25秒間180℃でポストセットした。この様にして得られた染色はエラステイン繊維上に非常に良好な配色効果を示す。
【0060】
実施例3
綿/エラステイン(80:20)トリコットの一片10gを、60℃で、助剤Aを各々0(対照)又は3質量%を含む液体と共に吸尽工程によって処理した。20分後、アルバフロウ(登録商標)UNI−01(浸透促進剤、ハンツマン社によって供給)0.5g/L、アルバテックス(登録商標)AB−55(酸性緩衝液、ハンツマン社によって供給)0.5g/L、アルバテックス(登録商標)SA−200(アルカリ性緩衝液、ハンツマン社によって供給)3.5g/L、及び塩化ナトリウム60g/L、並びにノバクロン(Novacron)(登録商標)ディープオレンジS−4R(反応染料、ハンツマン社によって供給)0.7質量%、ノバクロン(登録商標)ディープチェリーS−D(反応染料、ハンツマン社によって供給)0.6質量%及びノバクロン(登録商標)ディープナイトS−R(反応染料、ハンツマン社によって供給)1.2質量%を添加し、そして温度を60℃まで昇温した。液比は10:1である。CO/ELトリコットは90分間60℃で染色し、10分間50℃で水浴で注ぎ、酢酸を用いて70℃で中和し、10分間95℃でエリオポン(Eriopon)(登録商標)R LIQ(アフターソーピング剤、ハンツマン社によって供給)2g/Lを含むソーピング浴中で処理し、10分間70℃ですすぎ、そして10分間冷水ですすいだ。
助剤Aで前処理を経ていない製品は20分間60℃で水浴でもう一度すぎ、50℃でpH6に中和し、そして乾燥した。
(助剤Aで前処理した)その他の製品は、20分間60℃でアルバフィックス(Albafix)(登録商標)ECO(定着剤、ハンツマン社によって供給)1.5g/Lを含む浴槽中で処理し、20分間60℃で水浴中でもう一度すすぎ、50℃でpH6に中和し、そして乾燥した。
水に対する(厳密な)堅牢度は、にじみ効果、即ち洗浄工程の間に浴槽中に同時に存在する非着色の織物の着色度、の評価によってISO105/E01に従って決定した。この結果を表2にまとめた。
【0061】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式
【化1】

(式中、R1は、脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
2及びR3は、お互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基を表し、及び
X及びYは、お互いに独立して、脂肪族の炭素原子数1乃至12の炭化水素の二価の基を表す。)で表されるベタイン、
(b)式(2)
【化2】

(式中、R4は脂肪族の炭素原子数4乃至30の炭化水素の一価の基を表し、
5、R6及びR7は、お互いに独立して、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原
子数5乃至24のアリール基又は炭素原子数6乃至30のアラルキル基を表し、
-はハロゲン化物、硝酸塩、硫酸水素塩又はスルホン酸塩を表す。)で表される第4
級アンモニウム塩、及び
(c)アルコキシル化脂肪族アルコール
を含む組成物。
【請求項2】
前記成分(a)として、式(1)(式中、R1はn−ウンデシル基を表す。)で表され
るベタインを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分(a)として、式(1)(式中、Xはトリメチレン基を表す。)で表されるベタインを含む、請求項1又は請求項2の何れかに記載の組成物。
【請求項4】
前記成分(a)として、式(1)(式中、R2及びR3はメチル基を表す。)で表されるベタインを含む、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記成分(a)として、式(1)(式中、Yはメチレン基を表す。)で表されるベタインを含む、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記成分(a)として、ココアミドプロピルベタインを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記成分(b)として、式(2)(式中、R4はn−ドデシル基を表す。)で表される
第4級アンモニウム塩を含む、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記成分(b)として、式(2)(式中、R5はベンジル基を表す。)で表される第4
級アンモニウム塩を含む、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記成分(b)として、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドを含む、請求
項1乃至請求項8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記成分(c)として、エトキシル化又はプロポキシル化された、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール又はリノレニルアルコールを含む、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記成分(c)として、エトキシル化オレイルアルコールを含む、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
30乃至70質量部の成分(a)、15乃至40質量部の成分(b)及び15乃至40質量部の成分(c)を含む、請求項1乃至9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項13】
エラステイン及び天然の又は合成のポリアミド又はセルロース繊維のブレンドの染色方法であって、
請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の組成物及び少なくとも1種の染料を含む水性液を用いて、該繊維を処理することを含む方法
【請求項14】
エラステイン及び合成ポリアミドのブレンドの染色のための、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
エラステイン及び綿のブレンドの染色のための、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
反応染料、金属錯塩染料又は酸性染料が使用される、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2013−506054(P2013−506054A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530096(P2012−530096)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001345
【国際公開番号】WO2011/035533
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(300052420)ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー (26)
【氏名又は名称原語表記】HUNTSMAN ADVANCED MATERIALS (SWITZERLAND) GMBH
【Fターム(参考)】