説明

染色可能なスパンデックス

商業用スパンデックスは、高固形分含有率ポリウレタン尿素ポリマー溶液からより高い効率、改善された一貫性でおよびより低コストで製造することができる。ポリウレタン尿素は、4,4’−MDIと2,4’−MDIとの組み合わせ、ならびにポリマー溶液が、紡績前に、高可溶性であり、そして適切な紡績前IVおよび第一級アミン含有率を有するような量の連鎖延長剤および連鎖停止剤を使用して製造される。かかるスパンデックス繊維、ならびにそれらを含む布および衣類は、良好な染色性および色堅牢度、ならびに他の望ましい特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)少なくとも1つの高分子グリコール、(b)(i)少なくとも約78モル%の1−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼン(4,4’−MDI)、および(ii)少なくとも約5モル%の1−イソシアナト−2−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼン(2,4’−MDI)を含むジイソシアネート混合物、(c)少なくとも1つの連鎖延長剤、ならびに(d)少なくとも1つのアミン連鎖停止剤から製造される高可溶性ポリウレタン尿素に関する。本発明は、良好な染色性および色堅牢度、ならびに他の望ましい特性を有する、高可溶性ポリウレタン尿素から製造されたスパンデックス繊維に関する。本発明はまた、かかるスパンデックスを含む布および衣類にも関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は2004年11月3日出願の米国特許出願第10/904,317号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
スパンデックスは、繊維形成物質が少なくとも85%のセグメント化ポリウレタンよりなる長鎖合成ポリマーである人造繊維に対する総称である。スパンデックスはまたエラスタンとも言われる。便宜のため、そして限定のためではなく、本明細書での本発明はスパンデックスという用語で議論されるが、以下の開示に記載されるすべての実施形態およびそれらの同等物を含むと解釈されるべきである。
【0004】
スパンデックスは典型的には2工程で製造される。先ず、高分子グリコールのような、低分子量の二官能性ポリマーがジイソシアネートと反応させられてイソシアネート末端プレポリマーと未反応ジイソシアネートとの混合物(「キャップドグリコール」)を形成する。キャップドグリコールは次に好適な溶媒に溶解され、二官能性連鎖延長剤および一官能性連鎖停止剤組成物と反応させられてポリウレタン尿素ポリマー溶液を形成する。商業用スパンデックス繊維が次に、得られたポリウレタン尿素溶液から通常の乾式紡糸または湿式紡糸技術を用いて形成される。
【0005】
このやり方でポリマーを製造することによって、スパンデックスは、キャップドグリコール上のイソシアネート基と連鎖延長剤との間の反応に由来するいわゆる「ハード」セグメントを含む。スパンデックスはまた、高分子グリコールに主として由来する「ソフト」セグメントを含む。スパンデックスの望ましいエラストマー特性は、一つには、このセグメント化構造によると考えられる。
【0006】
エチレンジアミンのような、連鎖延長剤の両末端は、キャップドグリコールからのイソシアネート基と反応するかもしれず、幾つかのケースでは連鎖延長剤の1末端のみが反応するかもしれない。その結果は、1末端に第一級アミンの連鎖延長剤を有するポリマーである。1キログラムのポリマー当たりのミリ当量単位での末端の濃度として表される、これらの「連鎖延長剤末端」(CE)の数は、ポリマー中の第一級アミンの濃度を測定することによって求めることができる。第一級アミン含有率は、通常の技法を用いて分析することができる。
【0007】
連鎖延長剤末端の数は、例えばキャップドグリコールに対する連鎖延長剤の化学量論を変えることによるなど、幾つかの手段によって制御することができる。あるいはまた、連鎖延長剤末端の数は、ジエチルアミン(DEA)のような連鎖停止剤を用いて制御することができる。連鎖停止剤は、連鎖延長剤と同じように、キャップドグリコールと反応するが、第2の反応性基を持たない。その結果は、連鎖延長剤末端よりもむしろ連鎖停止剤末端のポリマーである。ジエチルアミンが連鎖停止剤として使用されるとき、連鎖停止剤末端はまたジエチル尿素末端(DEU)と呼ばれる。
【0008】
連鎖延長剤および連鎖停止剤対キャップドグリコール中のイソシアネート官能基の化学量論を制御することによって、ポリマー末端の総数、それ故、ポリマーの分子量および固有粘度(IV)を調節することが可能である。これは、ポリウレタン尿素の分子量およびIVの有効な制御方法であることが知られている。例えば、その開示が参照により本明細書に援用される米国特許公報(特許文献1)を参照されたい。
【0009】
ポリマー末端の所望の数と連鎖延長剤末端であるものの所望の割合との組み合わせは本発明の態様であり、当該技術で通常測定されるポリマー特性の観点から記載することができる。前述のように、ポリマー末端の総数はIVに正比例する。ポリマー末端の数が多ければ多いほど、分子量はより低く、IVはより低い。同様に、連鎖延長剤末端の数はポリマー中の第一級アミンの量に関係する。このように、望ましいIVおよび第一級アミンの量の観点からの本発明の記載態様は、それぞれ、ポリマー末端の望ましい数および連鎖延長剤末端の観点からのそれら態様の記載と同等である。読者は、さらなる詳細については実施例に向けられる。
【0010】
スパンデックス繊維は、乾式紡糸のような繊維紡糸法によってポリウレタン尿素から形成することができる。乾式紡糸では、ポリマーおよび溶媒を含むポリマー溶液が紡糸口金オリフィスを通って紡糸チャンバー中へ計量供給されて1つまたは複数のフィラメントを形成する。ガスがチャンバーに通されて溶媒を蒸発させてフィラメントを凝固させる。複数のフィラメントは次にスパンデックス糸へ合体させることができる。用語「繊維」および「糸」は、スパンデックス繊維および糸に言及するとき本明細書では同じ意味で用いられる。
【0011】
ポリマー溶液に使用される溶媒は、ゲルをほとんどまたは全く含有しない均一な溶液を提供するべきである。乾式紡糸に特に好適な溶媒には、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)が含まれる。安全性およびコスト関連のためにDMAcが好ましく、実際に、当業界ではほとんど専ら使用されている。
【0012】
乾式紡糸の生産性は、時間当たり紡糸チャンバー当たりの糸のグラムに換算して典型的には記載され、巻取速度、糸およびフィラメント・デニールにならびに紡糸チャンバー当たりの糸の数に関係する。しかしながら、かかるパラメーターは、ポリマー溶液に使用される容量および溶媒ならびに各フィラメントの表面を通っての溶媒蒸発の速度によって確定される。蒸発の速度は、順繰りに、フィラメント・デニールに、および紡糸チャンバー内のフィラメントの数に関係する。例えば、総糸デニールを維持しながら、フィラメント・デニールの増加は、全体フィラメント表面積の減少および溶媒蒸発のより遅い速度を意味する。巻取速度は、かかるケースでは溶媒が紡糸チャンバー内で蒸発するのに十分な時間を見越すために低下させなければならない。同様に、紡糸チャンバー中のフィラメントが多ければ多いほど、取り扱わなければならないガスおよび溶媒蒸気の容量は大きい。ガスの高容量は、繊維一様性、プロセス連続性、および生産性を低下させる乱流を引き起こす。さらに、使用される溶媒の容量およびフィラメントからのその蒸発速度は、テナシティのようなスパンデックス繊維の物理的特性に影響を及ぼすかもしれない。
【0013】
乾式紡糸に使用される溶媒の量を減らす(すなわち、より高いパーセント固形分のポリマー溶液を使用する)ことができるならば、紡糸生産性はフィラメントから蒸発すべき溶媒がより少ないので改善されるであろうと長い間認められてきた。しかしながら、最高約37%固形分を含有するスパンデックス糸生産に好適なポリマー溶液が可能であるにすぎなかった。長年にわたって、より濃いポリマー溶液を調製する試みは、ポリウレタン尿素がDMAc中に約37重量%より上は溶けないので商業的に不成功であった。37%より多い固形分を含有するポリマー溶液は、初めには存在するかもしれないが、かかる溶液は不安定であり、それらがプロセス装置のハンドリング能力を超えるまで急速に粘度を増すか、ゲルを形成し、そして不溶性になるかのどちらかである。製造業者が高固形分ポリマー溶液からスパンデックスを実際に製造することができるそれらの先行ケースでさえ、生産性は不満足であり、繊維は許容されないほど不満足な特性を有した。
【0014】
商業的に許容されるために、スパンデックス繊維は、当業界で認められた幾つかの特性を満たさなければならない。これらの特性を満たさないスパンデックスに対しては小さな市場は存在するかもしれないが、かかるすき間用途は非常に限定される。これらの特性は当業者によって十分に理解されており、例えば、40デニールでのスパンデックスについては、0.95dl/gより大きいIV、少なくとも35gのテナシティ、7g未満の負荷力(LP)、少なくとも0.9gのアンロード力(UP)、および15未満のデニール変動係数(CDV)を含む。
【0015】
当業者は、商業的に許容されるスパンデックスについての特性がデニールと共に変わるので「40デニールでの」商業的に許容されるスパンデックスの上記例示がこれらの特性にか、40デニールスパンデックスにかのどちらかに本発明を限定すると解釈されるべきではないことを認めるであろう。本発明は、それらが40デニールで製造された場合には上記の特性を有するであろう他のデニールの商業的に許容されるスパンデックスを含む。従って、40デニールでのスパンデックスの特性についての本明細書での言及は、40デニールで製造された場合には列挙された特性を有するであろう、異なるデニールのスパンデックスを含む。
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,557,044号明細書
【特許文献2】米国特許第5,626,960号明細書
【非特許文献1】S.Siggia著、「官能基による定量有機分析(Quantitative Organic Analysis via Functional Group)」、第3版、ニューヨーク、Wiley & Sons、1963年、559−561ページ
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、紡績前に、約0.65〜約1.0dl/gのIVおよびポリマー固形分の1キログラム当たり約25〜約70ミリ当量NH2(meq/Kg)第一級アミン含有率を有し、そして少なくとも1つの高分子グリコールを、少なくとも78モル%4,4’−MDIおよび少なくとも約5モル%2,4’−MDIを含むジイソシアネート混合物、少なくとも1つの連鎖延長剤、ならびに少なくとも1つのアミン連鎖停止剤と接触させることによって製造されるポリウレタン尿素の製造方法を提供する。
【0018】
本発明はまた、紡績前に、約0.65〜約1.0dl/gのIVおよびポリマー固形分の1キログラム当たり約25〜約70ミリ当量NH2(meq/Kg)第一級アミン含有率を有するポリウレタン尿素ポリマーの上記のような製造方法を提供する。
【0019】
本発明は、上記のポリウレタン尿素から製造される、少なくとも約5ミリ当量/Kgの紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスを提供する。本発明はまた、上記のポリウレタン尿素から製造される、少なくとも約3ミリ当量/Kgのボイルオフ第一級アミン含有率を有するスパンデックスを提供する。
【0020】
本発明は、染色されたままでCIELABカラースケールで少なくとも約3.0の改善された色合い明度ΔL(絶対値として取られた)を有する、少なくとも約5ミリ当量/Kgの紡績されたままの糸第一級アミン含有率のスパンデックスをさらに提供する。本発明はまた、染色されたままでCIELABカラースケールで少なくとも約3.0の改善された色合い明度ΔL(絶対値として取られた)を有する、少なくとも約3ミリ当量/Kgのボイルオフ第一級アミン含有率を有する、染色促進剤を実質的に含まないスパンデックスを提供する。色合い明度L値は、本発明のスパンデックスの色合い明度L対約3ミリ当量/Kg未満の紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスについてのそれの比較により分光比色法によって測定された。
【0021】
本発明はまた、本発明のスパンデックスとタンパク質、セルロース系、および合成ポリマー繊維、またはかかる要素の組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1つの繊維とを含む、布、ならびに該布を含む衣類を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のスパンデックス製造方法は、先ず、望ましいIV(すなわち、総末端)および望ましい第一級アミン含有率(すなわち、連鎖延長剤末端)を有する高可溶性ポリウレタン尿素を製造する工程と、次に、前記ポリウレタン尿素を38重量%より多く含むポリマー溶液を調製する工程とを含む。商業的に許容されるスパンデックス・フィラメントは、37またはそれ未満の重量%溶液で通常用いられる速度を著しく超える速度でこのポリマー溶液から製造することができる。
【0023】
本発明のポリウレタン尿素は、ポリエーテルグリコールおよびポリエステルグリコールよりなる群から選択された少なくとも1つの高分子グリコール、少なくとも約78モル%4,4’−MDIおよび少なくとも約5モル%2,4’−MDIを含むジイソシアネート混合物、少なくとも1つの連鎖延長剤、ならびに少なくとも1つのアミン連鎖停止剤から製造されてもよく、ここで、「キャッピング比」(C.R.)として知られる(a)対(b)のモル比は約1:1.5〜約1:2、例えば約1:1.6〜約1:1.8、または約1:1.65〜約1:1.75であり、ここでさらに、少なくとも1つの連鎖延長剤(c)および少なくとも1つのアミン連鎖停止剤(d)は、ポリウレタン尿素が、紡績前に、約25〜約70ミリ当量/Kgの第一級アミン含有率で1.0未満IVを有するような量で存在する。
【0024】
本発明での使用に好適なポリエーテルグリコールは、約1500〜約4000、例えば約1600〜約2500、または約1800〜約2000の数平均分子量を有する。好適なポリエーテルグリコールには、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレン−コ−2−メチル−テトラメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレン−コ−エチレングリコール、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。テラタン(TERATHANE)(登録商標)1800(本願特許出願人から入手可能な)は模範的なポリテトラメチレンエチレングリコールである。
【0025】
有用なポリエステルグリコールには、コポリ(エチレン−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(2,2−ジメチルプロピレンドデカノエート)ジオール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、およびそれらの混合物のようなジオールのヒドロキシ末端反応生成物が含まれるが、それらに限定されない。
【0026】
ジイソシアネートの混合物が本発明のポリウレタン尿素を製造するために使用される。ジイソシアネート混合物の一成分は、少なくとも約78モル%、例えば約80〜約95モル%、または約83〜約91モル%で存在する4,4’−MDIである。ジイソシアネート混合物の第2成分は、少なくとも約5モル%、例えば約7〜約20モル%、または約9〜約17モル%で存在する2,4’−MDIである。ジイソシアネートの混合物中に1モル%未満2,2’−MDIが存在することが好ましい。
【0027】
場合により、2,2’−および2,4’−トルエンジイソシアネートのような、他のイソシアネートを4,4’−MDIおよび2,4’−MDIと組み合わせて使用することができよう。
【0028】
キャップドグリコールの製造で、ジイソシアネート混合物は一度にまたは2つ以上の工程でそして任意の順に加えることができる。必要ならば、ジブチルスズジラウレート、オクタン酸第一スズ、鉱酸、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジンのような第三級アミンなど、および他の公知の触媒を、キャッピング工程を支援するために使用することができる。キャップドグリコールは次に、混合物を含む、DMAc、DMF、DMSO、N−メチルピロリジノン(NMP)などのような好適な溶媒に加えられる。DMAcが模範的な溶媒である。
【0029】
単一連鎖延長剤または連鎖延長剤の混合物がキャップドグリコールから本発明のポリウレタン尿素を製造するために使用されてもよい。エチレンジアミン(EDA)が単一連鎖延長剤として使用されてもよい。連鎖延長剤の混合物が使用される場合、混合物は第1連鎖延長剤として少なくとも約90モル%EDAを含み、そして1つまたは複数の第2連鎖延長剤をさらに含んでもよい。第2連鎖延長剤の例には、ダイテック(DYTEK)(登録商標)A(本願特許出願人から入手可能な)として商業的に入手可能な2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPMD)、1,2−プロパンジアミン(PDA)、1,3−ブタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、1,6−ヘキサンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチルアミノビス(3−プロピルアミン)2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,1’−メチレン−ビス(4,4’−ジアミノヘキサン)、1,3−ジアミノペンタン、ピペラジン、シクロヘキシレン−1,3−ジアミン(水素化m−フェニレンジアミン)、イソホロンジアミン、1,4−ジアミノ−2−メチルピペラジン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルピペラジン、およびメチルビスプロピルアミン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。リストされた第2連鎖延長剤のうちでは、MPMDおよびPDAが典型的である。
【0030】
好適な連鎖停止剤には、第二級アミン、例えばジエチルアミン(DEA)、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、ジブチルアミン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0031】
場合により、ジエチレントリアミン(DETA)のような3官能性「連鎖分岐剤」を、溶液粘度安定性を制御するのを助けるために使用することができる。低レベルのDETAが望ましい繊維特性を依然として維持しながら溶液粘度の増加の速度を下げるのに有効である。
【0032】
本発明のポリウレタン尿素の製造で、連鎖延長剤および連鎖停止剤、および場合により連鎖分岐剤は、一度にまたは2つ以上の工程で加えることができる。例えば、連鎖延長剤、連鎖停止剤、および場合により連鎖分岐剤は、上記のような好適な溶媒に溶解されてもよい。DMAcが好適な溶媒の例である。
【0033】
有効量の様々な添加剤もまた、それらが本発明の有益な態様を損なわないという条件で、本発明のスパンデックスに使用することができる。例には、二酸化チタンのような艶消剤およびハイドロタルサイト、ハンタイトとハイドロマグネサイトとの混合物(例えば、ポリウレタン尿素を基準にして0.2〜5重量%で)、硫酸バリウム、ヒンダードフェノール、および酸化亜鉛のような安定剤、染料および染色促進剤、抗菌剤、粘着防止剤、シリコーンオイル、ヒンダードアミン光安定剤、UVスクリーナーなどが挙げられる。
【0034】
本発明の便益を実現するために、スパンデックスへ乾式紡糸されるポリマー溶液は、38重量%より大きいそして50重量%未満、例えば約40〜約48重量%、または約40〜約45重量%のパーセント固形分含有率を有するべきである。
【0035】
本発明の一実施形態は、紡績前のポリウレタン尿素の固有粘度(「紡績前IV」)が商業的に許容されるスパンデックス繊維のIV未満であることである。紡績前IVは約0.65〜約1.0dl/gであるべきである。
【0036】
本発明の別の実施形態は、紡績前のポリウレタン尿素溶液中の連鎖延長剤末端の量(第一級アミン含有率として表される)が約25〜約70ミリ当量/Kgであることである。
【0037】
本発明の追加の実施形態では、商業用スパンデックス生産の生産性は、より少ない溶媒、より少ないガス、およびより少ないエネルギーを同時に用いながら、劇的に高めることができる。さらに、本製品は、デニール変動係数によって測定されるように、より一貫性があり、かつ、より少ない廃棄物を発生させる。
【0038】
本発明のさらなる実施形態は、紡績されたままで、少なくとも約5ミリ当量/Kgの第一級アミン含有率を有するスパンデックス繊維である。スパンデックス繊維は良好な染色性ならびに色堅牢度を有する。これらの特性の両方とも、染色促進剤、例えば0.5重量%メタクロール(Methacrol)(登録商標)2462のような標準的な補助化学添加剤の効果なしで得られる。スパンデックスは標準添加剤を含有してもよいが、染色性および色堅牢度は、実施例で実証される同じ添加剤の類似使用量のサンプルと比較して、かかる添加剤のお陰ではない。加えられる添加剤の標準使用量は得られる改善された染色性および色堅牢度につながらないので、本発明のスパンデックスは、染色促進剤のような標準添加剤が「実質的にない」と考えられる。言い換えれば、スパンデックスと染色促進剤との化学が現在理解されているように、スパンデックス中の染色促進剤の濃度は観察される改善の原因となるには不十分である。本発明のスパンデックスは5重量%未満、例えば1重量%未満または0.7重量%未満の染色促進剤を含有してもよい。
【0039】
本発明のスパンデックスは、織物、横編物(フラットおよび丸編物をはじめとする)、縦編物、およびおむつのような個人衛生アパレルに単独でまたは様々な他の繊維と組み合わせて使用することができる。スパンデックスは、裸である、カバーする、またはコンパニオン繊維、例えばナイロン、ポリエステル、アセテート、コットンなどと絡ませることができる。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明のスパンデックスを含む布である。本発明のスパンデックスを含む布はまた、タンパク質、セルロース系、および合成ポリマー繊維、またはかかる要素の組み合わせよりなる群から選択され少なくとも1つの繊維を含んでもよい。本明細書で用いるところでは、「タンパク質繊維」は、ウール、絹、モヘア、カシミア、アルパカ、アンゴラ、ビクーナ、ラクダ、および他のヘアおよび毛皮繊維のような天然由来動物繊維をはじめとする、タンパク質よりなる繊維を意味する。本明細書で用いるところでは、「セルロース系繊維」は、例えば、コットン、レーヨン、アセテート、リオセル、リネン、ラミー、および他の植物繊維をはじめとする、木または植物材料から製造された繊維を意味する。本明細書で用いるところでは、「合成ポリマー繊維」は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、スパンデックス、ポリオレフィン、およびアラミドをはじめとする、化学元素または化合物から構築されたポリマーから製造された人造繊維を意味する。スパンデックスの染色性および色堅牢度は、スパンデックスが他の繊維と組み合わせられたときに示すかもしれない望ましくない「グリン・スルー(grin through)」の量を減らす。
【0041】
スパンデックスを含む布は、布の重量を基準にして約0.5〜約40重量%のスパンデックス含有率を有してもよい。例えば、スパンデックスを含む織布は約0.5〜約40重量%スパンデックスを含有してもよく、スパンデックスを含む丸編布は約2〜約25重量%スパンデックスを含有してもよく、スパンデックスを含むレッグウェアは約1〜約40重量%スパンデックスを含有してもよく、スパンデックスを含むラッセル生地は約10〜約40重量%スパンデックスを含有してもよく、スパンデックスを含む縦編みトリコットは約14〜約22重量%スパンデックスを含有してもよい。縦編みトリコット布については、たて糸方向に50%伸長での布回復力は約0.2〜約0.5Kgであってもよい。
【0042】
スパンデックスまたはそれを含む布は、例えば水性染料液から20℃〜130℃の温度での吸尽法によって、スパンデックスを含む材料の染料液でのパジングによって、またはスパンデックスを含む材料の染料液での吹き付けによってなど、慣習的な染色およびプリント手順によって染色され、プリントされてもよい。
【0043】
酸性染料を使用する場合、通常の方法がフォローされてもよい。例えば、吸尽染色法では、布は、3〜9のpHを有する水性染浴中へ導入することができ、染浴は次に、約10〜80分の間におおよそ20℃の温度から40〜130℃の範囲の温度まで着実に加熱される。染浴および布は次に、冷却前に40〜130℃の範囲の温度に10〜60分間保持される。固定されていない染料は次に布からリンスされる。スパンデックスの伸縮および回復特性は、110℃より上の温度での最小暴露時間によって最も良く維持される。
【0044】
高いカラー収率、カラー強度、および平坦度は、酸性からわずかにアルカリ性の条件下に適用される非金属化酸性レベリング染料(相対分子質量250〜950)、酸性からわずかにアルカリ性の条件下に適用される金属原子、例えばクロムまたはコバルトを含有するプレ金属化染料、および吸尽またはパッド用途でpH4〜9の酸性または中性からわずかにアルカリ性の条件下に適用される反応性染料で染色されたときに、スパンデックスまたはそれを含む布について得ることができる。一般に、本発明のスパンデックスは、アミン末端基を含有するポリアミドまたはウール糸を染色するために通常使用される反応性染料で染色されてもよい。直接染料は酸性〜中性染色条件下に適用されてもよい。
【0045】
本スパンデックスの洗濯堅牢度特性は、慣習的な補助化学添加剤の使用によってサポートされ、さらに高められてもよい。陰イオン性シンタンス(syntans)が湿潤堅牢度特性を改善するために用いられてもよく、染料の最小分配がスパンデックスとパートナー糸との間に要求されるときに緩染剤およびブロッキング剤としてもまた用いることができる。陰イオン性スルホン化オイルは、一様なレベルの染色が必要とされる場合にアニオン染料へのより強い親和力を有するスパンデックスまたはパートナー繊維から該染料を妨害するために使用される補助添加剤である。陽イオン性固定剤は、改善された洗濯堅牢度をサポートするために単独でまたは陰イオン性固定剤と併せて使用することができる。
【0046】
本発明の追加の実施形態は、本発明のスパンデックスを含む布を含む衣類である。「衣類」とは、ジャケット、コート、シャツ、スカート、ズボン、スポーツウェア、水着、ブラ、ソックスまたは下着のような衣類の品目を意味し、ベルト、手袋、ミトン、帽子、靴下、または履物のようなアクセサリーもまた含む。
【0047】
次の実施例はスパンデックスの高固形分、高生産性紡糸を実証する。追加の実施例は、スパンデックス繊維の特性、およびスパンデックス繊維を含む布の特性を実証する。これらの実施例は本発明を例示することを意図される。本発明の他の目的および利点は当業者に明らかになるであろう。理解されるであろうように、本発明は他のおよび異なる実施形態であることができ、その幾つかの詳細は、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、様々な明らかな観点での修正であることができる。従って、実施例は本来は例示的なものとして、そして限定的なものではないとして見なされるべきである。
【実施例】
【0048】
(ポリウレタン尿素の製造)
実施例でのポリウレタン尿素ポリマーは次の一般的な方法に従って製造した。化学量論的過剰のジイソシアネート混合物を高分子グリコールと混合し、おおよそ90℃に2時間加熱した。生じたキャップドグリコール混合物は、イソシアネート末端高分子グリコールと残留未反応ジイソシアネートとを含有した。測定された重量パーセント・イソシアネート(%NCO)がすべてのグリコールヒドロキシル基とイソシアネートとの反応を基準とする理論値にほぼ一致するまで反応を続行させた。生じたキャップドグリコールを次に、高剪断下に約45℃でDMAcに完全に溶解させた。キャップドグリコール溶液を、高剪断下に、適切な連鎖延長剤および連鎖停止剤を含有するDMAc溶液と接触させた。生じたポリマー溶液を、重量パーセント固形分、連鎖延長剤末端の濃度、第一級アミン含有率、および紡績前固有粘度について分析した。幾つかのポリマー溶液をまた、40℃落球粘度について分析した。添加剤溶液を加えて1.5重量%・サイアノックス(CYANOX)(登録商標)1790(サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries)から入手可能な、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−ベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン)、0.5重量%・メタクロール(METHACROL)(登録商標)2462(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)から入手可能な)、および0.6重量%のポリジメチルシロキサンシリコーンオイルを最終繊維に提供した。幾つかの実施例については、米国特許公報(特許文献2)(参照により本明細書によって援用される)に記載されているように、0.3重量%二酸化チタン(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能な、Tiピュア型(TiPure Type)R706)および4.0重量%のハンタイトとハイドロマグネサイト鉱物粒子との物理混合物(ミネルコ・スペシャルティーズ社(Minelco Specialties Ltd.)から入手可能な)をまた加えた。ポリマー溶液を次にDMAcから、その中へ加熱された窒素の流れが導入されるカラム中へ乾式紡糸した。生じたスパンデックス・フィラメントを合体させ、紡糸仕上げ剤を塗布し、繊維をパッケージへ巻き取った。
【0049】
実施例に使用するジイソシアネート混合物を、所望レベルの2,4’−MDIを得るためにイソネート(ISONATE)(登録商標)MDR(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.))およびモンデュール(MONDUR)(登録商標)ML(バイエル社(Bayer AG))またはルプラネート(Lupranate)(登録商標)MI(バスフ・コーポレーション(BASF Corporation))を適切な割合で混合することによって調製した。イソネート(登録商標)MDRは、少量の2,4’−MDI(おおよそ1.9%)を含有する4,4’−MDIである。モンデュール(登録商標)MLは、4,4’−MDI(おおよそ53.2%)、2,4’−MDI(おおよそ44.9%)および2,2’−MDI(おおよそ2.2%)の混合物である。ルプラネート(登録商標)MIは、4,4’−MDI(おおよそ51.2%)、2,4’−MDI(おおよそ47.4%)、および2,2’−MDI(おおよそ1.4%)の混合物である。
【0050】
実施例に使用するポリエーテルグリコールは、1800の数平均分子量を有するテラタン(登録商標)1800(本願特許出願人)ポリテトラメチレンエーテルグリコールであった。連鎖延長剤は、EDAかEDAとMPMDとの混合物(ダイテック(登録商標)A、本願特許出願人から入手可能な)かのどちらかであった。
【0051】
(分析方法)
出発原料中のMDI異性体の濃度は、2分の初期保持時間後に150から230℃まで8℃/分でプログラムされた、15メートルDB−1701キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフ分析によって測定した。
【0052】
ポリウレタン尿素の固有粘度(IV)は、ASTM(米国材料試験協会)D2515に従って標準キャノン−フェンスケ(Cannon−Fenske)粘度計チューブで25℃でDMAc中のポリマー希薄溶液の粘度対DMAcそれ自体のそれを比較すること(「相対粘度」法)によって測定し、dl/gとして報告する。紡績糸の固有粘度は、糸から仕上げ剤を除去した後、同様に測定した。
【0053】
固形分分析は、マイクロ波固形分分析計(CEM AVC80)を用いてポリウレタン尿素を含むポリマー溶液について行った。サンプルサイズは2〜3gであった。
【0054】
連鎖延長剤末端(CE)の数は、ポリマー溶液をDMAcに希釈し、引き続きアミン含有率について電位差滴定することによって測定した。この方法は、その幾らかがポリマー鎖上にあり、その幾らかが遊離の第一級および第二級アミンである、全アミン末端を溶液中で測定する。
【0055】
ポリマー鎖第一級アミン末端の数は、ポリマーフィルムのサンプルをDMAcに溶解させ、指示薬としてブロモフェノール・ブルー(Bromophenol Blue)を用いて第一級アミン含有率についてメタンスルホン酸で滴定することによって測定した。表中で、「第一級アミン末端」は「PAE」と略記する。
【0056】
「紡績したままの」糸中の第一級アミン末端の数は、糸サンプルをアセトン中に室温で4時間浸漬して仕上げ剤を除去し、糸を周囲温度で一晩風乾させ、糸を長さがおおよそ0.25インチ(0.64cm)の断片へカットし、次に糸をDMAcに溶解させ、指示薬としてブルモフェノール・ブルーを用いて第一級アミン含有率についてメタンスルホン酸で滴定することによって測定した。
【0057】
「ボイルオフ」糸中の第一級アミン末端の数は、乾燥した仕上げ剤なしの糸を沸騰水中に30分間入れ、断片へカットする前に一晩風乾させ、上記のように処理したことを除いては同様に測定した。
【0058】
ポリマー鎖ジエチル尿素(DEU)末端の数は、次式に従って計算した:
A=B×EqNCO/EqA
ここで、
Aはポリマーのミリ当量/Kg単位でのジアルキル尿素ポリマー末端基の濃度であり、
Bはポリマーのミリ当量/Kg単位でのポリマー・レシピで加えられるジアルキルアミン連鎖停止剤の全濃度であり、
EqNCOはポリマー・レシピでのキャップドグリコール中のイソシアネートの当量であり、そして
EqAは、下にさらに定義されるような、ポリマー・レシピでのアミンの当量の合計である。
【0059】
量Bは次の通り計算した:
B=Σ[(wt停止剤×1当量/モル×1000ミリ当量/当量)/MW停止剤/wt
ここで、
wt停止剤は加えられる連鎖停止剤のグラム単位での重量であり、
MW停止剤は加えられる連鎖停止剤のモル当たりのグラム単位での分子量であり、そして
wtは溶媒を含めてポリマー原料のキログラム単位での総重量である。
【0060】
量EqNCOは次の通り計算した:
EqNCO=wtCG×(%NCO/100)×1当量/モル/MWNCO
ここで、
wtCGはキャップドグリコールのグラム単位での重量であり、
%NCOはキャップドグリコールのパーセント・イソシアネートであり、そして
MWNCOはモル当たりのグラム単位でのNCOの分子量である。
【0061】
量EqAは次の通り計算した:
EqA=Σ(wtA×当量/モルA/MWA
ここで、
wtAは加えられるアミンのグラム単位での重量であり、
当量/モルAは加えられるアミンのモル当たりのアミン当量の数であり、そして
MWAは加えられるアミンのモル当たりのグラム単位での分子量である。
【0062】
ポリマー鎖第一級アミン末端の数とポリマー鎖ジエチル尿素末端の数との加算は、全ポリマー鎖末端の数を決定する。これは、比較的小さな数の未反応ポリマー末端(「終端」)、または溶媒中に存在するアミン不純物に由来するかもしれないそれらの少ない尿素および/またはアミン末端を含まない。
【0063】
デニール変動係数(CDV)を測定するために、巻き取られたスパンデックス・パッケージの表面での最初の50メートルの繊維を、ハンドリング損傷から生じる不正確さを避けるために取り除いた。スパンデックスを次に、ローリング取り出しを用いて130秒間パッケージから取り外し、圧電性セラミックピンを含む張力計にわたってフィードした。巻取ロールの外周はフィードロールの外周より50%大きく、フィードおよび巻取ロールは同じrpmで回転し、その結果ポリウレタン繊維は張力計にわたって50%伸びに延伸された。張力計は、スパンデックスがロールによってフィードされるときに張力を測定した。デニールは張力に正比例するので、張力の標準偏差を平均張力で割って変動係数を得た。CDVは用いられる線密度単位(デニール対デシテックス)とは無関係であり、低いCDVは高い繊維一様性を示唆する。
【0064】
キャップドグリコールのパーセント・イソシアネート(%NCO)は、電位差滴定法を用いて(非特許文献1)の方法に従って測定した。
【0065】
スパンデックスの強度および弾性特性は、ASTM D2731−72の一般的な方法に従って測定した。3つのフィラメント、2インチ(5cm)ゲージ長およびゼロ〜300%伸びサイクルを、制御された環境中おおよそ70°Fおよび65%相対湿度(±2%)での24時間のエージング後に、巻取装置から「そのままで」、すなわち、スカーリングまたは他の処理なしに、測定のそれぞれのために用いた。サンプルを、50cm毎分の一定伸び速度で5回サイクルさせ、次に第5伸長後に30秒間300%伸長に保持した。負荷力、最初の伸長中のスパンデックス上の応力は、第1サイクルでの200%伸長で測定し、表中グラム単位で報告し、「LP」と示す。アンロード力、第5アンロードサイクルで200%の伸長での応力もまたグラム単位で報告し、それは「UP」として示す。破壊時パーセント伸び率(「Eb」)およびテナシティは、滑りの減少のためにゴムテープを取り付けた改良インストロン(Instron)グリップを用いて第6伸長サイクルで測定した。パーセント永久歪みもまた、5つの0〜300%伸び/緩和サイクルを受けたサンプルについて測定した。パーセント永久歪み(「%永久歪み」)は、
%永久歪み=100(Lf−L0)/L0
(式中、L0およびLfは、それぞれ、第5伸び/緩和サイクル前後の、張力なしで真っ直ぐ保持されたときのフィラメント(糸)長さである)
のように計算した。
【0066】
ポリウレタン尿素溶液粘度は、40℃で操作される、モデルDV−8落球粘度計(デュラテック社、バージニア州ウェーズボロ)(Model DV−8 Falling Ball Viscometer(Duratech Corp.,Waynesboro,Va.))でASTM D1343−69の一般的な方法に従って測定し、ポイズ単位で報告する。この機器を用いて測定することができる最高の溶液粘度は35,000ポイズであった。
【0067】
スパンデックス繊維白色度保持率は、熱、紫外線、燃焼ガス、またはNO2ガスへの繊維の暴露時に生み出される変色の量を測定することによって評価した。スパンデックスに対するこれらの環境因子の影響を測定することに備えて、繊維を、低い張力下に8cm×11cm×0.2cmアルミニウム・カード上に巻き付けて3〜4ミリメートル厚さの層を形成した。巻き付けられたカードを、1.5g/lのスプラレート(Supralate)(登録商標)EP(ウィットコ社(Witco Corp.)によって販売されるスルフェート洗剤)および1.5g/lのピロリン酸ナトリウムを含有する水中に浸漬し、浴を30分間沸騰に加熱した(スカーリングする)。カードを次に脱イオン水でリンスし、一晩風乾させた。
【0068】
繊維変色は通常、黄色度の望ましくない増加で明示され、だからカード上の繊維のハンター(Hunter)「b」スケール(黄色度−青色度)値を、スペクトラフラッシュ(SpectraFlash)(登録商標)色彩計モデル(Colorimeter Model)SF−300(データカラー・インターナショナル(Datacolor International)から入手可能な、製造業者の標準基準プレートに対して較正した)で測定し、頭文字「b値」として報告する。すべての暴露試験の効果を、暴露の結果として試験サンプルが受けた変色の量の測定値を用いて決定した。変色は、示差比色法を用いて「b」値の変化(すなわち、「Δb」)として測定した。サンプルを、Δb値が2〜12になるまで下に記載するように暴露させ、この量の変化は典型的にはサンプルが少なくとも2または3サイクルの暴露を受けることを必要とした。対照サンプルを同様に処理した。Δbの低い値は、試験が繊維にほとんど変色を発生させなかったことを示唆する。
【0069】
熱分解試験(下の表で「サーマル」と標識される)は、サンプルを190℃、15分間サイクルで空気に暴露させるオーブン中で行った。紫外線への暴露(下の表で「UV」と標識される)のために、試験は、イリノイ州シカゴのアトラス・エレクトリック・デバイス社(Atlas Electric Devices Co.of Chicago,Ill)によって製造された、アトラス・シリーズC「耐候性試験機」(Atlas Series C“Weather−ometer”)で行った。耐候性試験機で、サンプルを3時間サイクルで日光のそれに似たスペクトルを有するキセノン光へ暴露させた。サンプルを燃焼ガスへ暴露させる試験(下の表で「ガス」と標識される)は、米国テスティング・カンパニー社(United States Testing Company,Inc)によって製造されたモデル8727大気ガスチャンバーを用いてAATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会)の試験方法23−1962と同様に行った。チャンバーに、主として青い炎を与えるように調節したブンゼン(Bunsen)バーナーでプロパン(ロバーツ・オキシゲン社(Roberts Oxygen Co,Inc.))を燃やすことによって発生させた燃焼ガスを供給した。炎の高さは、チャンバーの温度が57〜63℃に保たれるようなものであった。サンプル暴露期間はサイクル当たり18時間であった。NO2ガスへの暴露(下の表で「NO2」と標識される)については、を使用した。温度および相対湿度は、室内条件にまたはその近くに留まらせ、サンプルをサイクル当たり9時間暴露させた。チャンバーに、おおよそ1000ppmのNO2を含有する空気をおおよそ3リットル/分の速度で供給した。
【0070】
ヒートセット効率を測定するために、糸サンプルを10cmフレームに取り付け、1.5倍延伸した。フレーム(サンプル付き)を190℃に予熱したオーブンに120秒間水平に入れた。サンプルを緩和させ、フレームを室温に冷却した。サンプル(依然としてフレーム上の、そして緩和させた)を次に沸騰する脱塩水中に30分間浸漬した。フレームおよびサンプルを浴から取り出し、乾燥させた。糸サンプルの長さを測定し、ヒートセット効率(HSE、百分率として)を次式に従って計算した:
【0071】
【数1】

【0072】
175℃で少なくとも約85%のスパンデックス・ヒートセット効率がスパンデックスおよびコットンまたはウールを含有する布での使用に必要とされる。類似のヒートセット効率は、ナイロンのようなハード繊維との併用については190℃で達成することができる。
【0073】
熱湿クリープ(hot−wet creep)(HWC)は、糸の元の長さL0を測定し、それをその元の長さの1.5倍(1.5L0)に延伸し、それをその延伸状態で97〜100℃の範囲の温度に維持した水浴中に30分間浸漬し、それを浴から取り出し、張力を解除し、そして最終長さLfを測定する前に最低60分間室温でサンプルを緩和させることによって測定する。パーセント熱湿クリープは式
%HWC=100×[(Lf−L0)/L0
から計算する。
【0074】
低い%HWCの繊維は、染色のような、熱湿仕上げ操作で優れた性能を提供する。
【0075】
塩素誘発分解に対するスパンデックスの耐性を測定するために、44デシテックス、4合体フィラメント・スパンデックスの9cm長さループを、ループから吊した10g重りによって課せられる張力にさらし、次に3.5ppmの活性塩素を含有する、そしてpH7.5に調整された水に25℃で暴露させた。塩素レベルおよびpHを自動的にモニターし、必要に応じて希薄なNaOCl、HCl、またはNaOH溶液を加えることによって試験の間ずっと調整した。(サンプルは紡績したままで、ヒートセット、スカーリングなどをすることなしに試験した。)暴露の前に、浴が2ppm尿素を含有するように尿素を加えた。試験の間ずっと水の蒸発損失および尿素の反応損失を元に戻すために、90mlの水性7ppm尿素溶液を1時間おきにタイマー付きポンプによって浴に加えた。暴露の時間をサンプルが破壊するまで測定した。6検体を各サンプルについて試験した。
【0076】
布安定性のためのヒートセット温度を測定するために、幾つかの布サンプルを実施例に記載するように調製し、365°F(185℃)、375°F(190℃)、および385°F(196℃)でヒートセットした。各ヒートセット布について、布エッジ・カール試験を次の通り行った。サンプル10cm×10cmを、その側面が必要に応じて布のコースかウェールかのどちらかと平行であるように布から「平方」カットし、その中心点をペンでマークした。定規を平方サンプルの対角間に置き、文字「X」を、そのラインの交点がマークした中心点にあるように布上に描いた。「X」の各ラインは長さが5cmであり、各ラインが布サンプルの対角を対角線上に連結する想像線と一致するようにそれを配向させた。布を「X」の各ラインに沿って注意深くカットし、布の生じた4ポイント(2つがそれぞれ幅および長さ方向を表す)のカールの量を、ポイントが割当時間中に0回転、1/4回転、1/2回転、3/4回転、または1回転したかどうかによって2時間後に書き留めた。「1回転」は、布ポイントがサンプルの平面に平行に見たときに360°回転を完了したことを意味する。「X」カット上の2つの対点についての回転の平均を各サンプルについて記録した。1またはそれ未満の回転は、許容される量のカールを表すと考えられる。
【0077】
布重量の測定方法は、ANSI(米国規格協会)/ASTM D−1910布の構築特性についての標準試験方法(Standard Test Method for Construction Characteristics of Fabrics)に基づくものであった。布サンプルを10cm直径ダイでダイ穴開けした。各カットアウト布サンプルをグラム単位で秤量した。「布重量」を次にグラム/平方メートルとして計算した。
【0078】
縦編布中のスパンデックス含有率は、次式によって測定した:
[(SR×SD/TBE)]/[(SR×SD/TBE)+(CYR×CYD)]
ここで、
SRはスパンデックス・ランナー長さであり、
SDはスパンデックス・デニールであり、
TBEは全ビーム伸びであり、[(1+%チューブ伸び)×(1+%ビーム伸び)]と定義され、
CYRはコンパニオン糸ランナー長さであり、そして
CYDはコンパニオン糸デニールである。
【0079】
布回復力(アンロード力)を測定するために、3インチ×8インチ(7.6cm×20.3cm)の3検体を布からカットし、中央で折り曲げて開ループを形成した。各検体の長い寸法を試験した。アンロード力を縦方向で試験した。各開ループを、その端から約1インチ(2.5cm)で一緒に縫い合わせて外周が6インチ(15.2cm)の閉ループを形成した。布ループを、6インチ(15.2cm)クロスヘッド、空気圧式クランプ(サイズ3C、1インチ×3インチ(2.5×7.6cm)フラット面を有する)、80psi(552kPa)給気、および10インチ毎分(25.4cm/分)チャート速度のインストロン引張試験機で試験した。U字形ロッドを、ロッドの端(端の間2.78インチ(7cm)、端の周り3インチ(7.6cm))が布ループをしっかりと保持するために十分遠くにクランプから突出するように引張試験機のクランプのセットの1つの間に横向きに固定した。ループを突出ロッド端の周りに置き、12ポンド(5.4Kg)力まで延伸し、緩和させ、該サイクルを合計3回行った。「布伸び」は第3サイクルでの12ポンド(5.4Kg)力で測定し、アンロード力は第3サイクル緩和での50%残留利用可能伸びで測定し、キログラム(Kg)単位で報告した。「50%残留利用可能伸び」は、布が第3サイクルでの12ポンド(5.4Kg)力から50%緩和したことを意味する。
【0080】
表中、「ND」は「測定されなかった」ことを意味する。
【0081】
(実施例1)
スパンデックスを製造するために典型的に使用されるポリウレタン尿素ポリマーを、テラタン(登録商標)1800およびイソネート(登録商標)MDRを1:1.69のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールは2.6%の%NCOを有し、DMAcで希釈して45%固形分溶液を与えた。この溶液を次に、生じたポリマー溶液が0.95の固有粘度、2600ポイズの初期溶液粘度を有し、そして連鎖延長剤末端の数が15ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定されて34.8%固形分であるような割合で、EDAとダイテック(登録商標)Aとの連鎖延長剤混合物(90/10モル比)、および連鎖停止剤としてのジエチルアミンを含有するDMAc溶液と接触させた。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を950ヤード毎分(ypm)(869メートル毎分、m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.16であった。
【0082】
(実施例2)
ポリウレタン尿素ポリマーを、82%イソネート(登録商標)MDRおよび18%モンデュール(登録商標)MLを含有するジイソシアネート混合物を使用して製造した。キャップドグリコールを、テラタン(登録商標)1800を1:1.69のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールをDMAcで55%固形分に希釈し、生じたポリマー溶液が0.75の固有粘度、および3300ポイズの初期溶液粘度を有し、そして連鎖延長剤末端の数が40ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定されて45%固形分であるような割合でDMAc中のエチレンジアミンとジエチルアミンとの混合物と反応させた。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を950ypm(869m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.34であった。
【0083】
(実施例3)
ポリウレタン尿素ポリマーを、82%イソネート(登録商標)MDRおよび18%モンデュール(登録商標)MLを含有するジイソシアネート混合物を使用して製造した。キャップドグリコールを、テラタン(登録商標)1800を1:1.69のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールをDMAcで55%固形分に希釈し、生じたポリマー溶液が、連鎖延長剤末端の数が15ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定されて、おおよそ0.95の固有粘度(計算された)(全末端おおよそ55)を有するような割合でDMAc中のエチレンジアミンとジエチルアミンとの混合物と反応させた。45%固形分ポリマー溶液は高粘度およびゲル化のために繊維へ紡糸できなかった。
【0084】
(実施例4)
スパンデックスを製造するために典型的に使用されるポリウレタン尿素ポリマーを、テラタン(登録商標)1800およびイソネート(登録商標)MDRを1:1.69のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールは2.6%の%NCOを有し、DMAcで希釈してキャップドグリコールの55%固形分溶液を与えた。この溶液を次に、生じたポリマー溶液が40ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定される連鎖延長剤末端の数で45%固形分を有するような割合で、エチレンジアミン連鎖延長剤、および連鎖停止剤としてのジエチルアミンを含有するDMAc溶液と接触させた。溶液は非常に不安定であった。40℃落球粘度は1時間で10,000ポイズを超えて増加した。固有粘度は測定できず、ポリマーは紡糸できなかった。
【0085】
【表1】

【0086】
実施例1対実施例4の比較は、ジイソシアネートバランスをまた制御することなく、連鎖延長剤末端を望ましいレベルに調節するだけでは、スパンデックスを製造するために使用できる高固形分ポリマー溶液を提供しないことを示す。
【0087】
実施例2対実施例3の比較は、望ましいジイソシアネートバランスを有するが、適切な紡績前IVなしで、かつ、連鎖延長剤末端の適切な数なしでは、スパンデックスへ紡糸できない高粘度ポリマー溶液をもたらすことを示す。
【0088】
(実施例5)
実施例1のポリウレタン尿素ポリマーを、40デニール、2フィラメント・スパンデックス糸を製造するために使用し、ポリマー溶液から672ypm(614m/分)で紡績した。繊維特性を表2に報告する。
【0089】
(実施例6)
実施例2のポリウレタン尿素ポリマーを、40デニール、2フィラメント・スパンデックス糸を製造するために使用し、ポリマー溶液から672ypm(614m/分)で紡績した。繊維特性を表2に報告する。
【0090】
(実施例7)
実施例2のポリウレタン尿素ポリマーを、40デニール、2フィラメント・スパンデックス糸を製造するために使用し、ポリマー溶液から807ypm(738m/分)で紡績した。繊維特性を表2に報告する。
【0091】
【表2】

【0092】
表2は、実施例6および7が、実施例5のシステムでよりさらに一貫性の大きい(より低いCDVの)商業的に許容されるスパンデックスを製造するために使用できる高固形分ポリマー溶液を提供することを実証する。
【0093】
実施例7は、スパンデックスが他のシステムを用いるより高い巻取速度で、従ってより大きい生産性で製造できることをさらに例示する。商業的に許容されるスパンデックスは実施例7で807ypm(738m/分)で製造されたが、実施例5のスパンデックスは商業的に許容される特性を達成することなく(実施例5CDV>15)672ypm(614m/分)で紡糸されたことに留意されたい。実施例5の方法は、許容されるスパンデックス特性を達成するためにはさらにより低い速度で操作されなければならないであろう。
【0094】
(実施例8)
ポリウレタン尿素ポリマーを、2%2,4−MDIおよび98%4,4’−MDIを含有するジイソシアネート混合物を使用して製造した。(実施例では、各MDI異性体は全ジイソシアネート混合物のモル%として報告する。)キャップドグリコールを、テラタン(登録商標)1800を1:1.69のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールをDMAcで希釈し、次に、生じたポリマー溶液が0.98dl/gの固有粘度、2900ポイズの初期溶液粘度を有し、そして35%固形分であるような割合でEDAとダイテック(登録商標)Aとの連鎖延長混合物(90/10モル比)、連鎖停止剤としてのDEA、およびDETAを含有するDMAc溶液と接触させた。ポリマーサンプルについての追加データを表3に含める。連鎖延長剤末端の数は15ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。
【0095】
ポリウレタン尿素フィルムを次の手順に従ってキャストした。ポリマー溶液を、平面に固定されたマイラー(R)(Mylar(R))フィルム上に置き、0.005〜0.015インチ・フィルムをフィルムナイフでキャストした。ポリウレタン尿素フィルムでコートされたマイラー(登録商標)フィルムを次に平面から取り除き、フィルム乾燥ボックスに入れ、そこでそれを窒素流れ下に20〜25℃で最低16〜18時間乾燥させた。乾燥工程の間ずっと、遊離アミン(ポリマーに化学結合していないもの)はポリウレタン尿素フィルムから蒸発した。ポリウレタン尿素フィルムは13.5ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、39.0ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。
【0096】
40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.31dl/gであった。紡績糸についての紡績したままの第一級アミン末端、テナシティ、および他の特性値を表4に提示する。表5は紡績糸についての耐塩素性データを含む。
【0097】
(実施例9)
ポリウレタン尿素ポリマーを実施例8でのように、しかし次の相違ありで製造した。ポリマー溶液は0.96dl/gの固有粘度、3270ポイズの初期溶液粘度を有し、34.8%固形分であった。添加剤として0.3重量%TiO2および4.0重量%のハンタイトとハイドロマグネサイト鉱物粒子との物理混合物を有する紡績糸の固有粘度は1.30dl/gであった。ポリマーについての追加データを表3に与える。紡績糸についてのテナシティおよび他の特性を表4に提示する。表5は紡績糸についての耐塩素性データを含む。
【0098】
(実施例10)
ポリウレタン尿素ポリマーを、12.8%2,4’−MDIおよび87.2%4,4’−MDIを含有するジイソシアネート混合物を使用して製造した。キャップドグリコールを、テラタン(登録商標)1800を1:1.70のキャッピング比で使用して製造した。キャップドグリコールをDMAcで希釈し、次に、生じたポリマー溶液が0.78dl/gの固有粘度、2900ポイズの初期溶液粘度を有し、そして45%固形分であるような割合でEDA、DEA、およびDETAを含有するDMAc溶液と接触させた。ポリマーサンプルについての追加データを表3に含める。連鎖延長剤末端の数は40ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは34.2ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、48.8ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。
【0099】
40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.04dl/gであった。紡績糸についての追加データを表4および5に含める。
【0100】
(実施例11)
本発明のポリウレタン尿素ポリマーを、生じたポリマー溶液が0.88dl/gの固有粘度を有し、そして40%固形分であったことを除いては実施例10でのように製造した。ポリマーサンプルについての追加データを表3に含める。連鎖延長剤末端の数は30ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは26.6ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、38.2ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。
【0101】
40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.23dl/gであった。このサンプルについての追加データを表4に含める。
【0102】
(実施例12)
本発明のポリウレタン尿素ポリマーを実施例11でのように製造した。連鎖延長剤末端の数は30ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは26.7ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、38.2ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.15dl/gであった。このサンプルについての追加データを表3および4に含める。
【0103】
(実施例13)
本発明のポリウレタン尿素ポリマーを実施例11でのように製造した。連鎖延長剤末端の数は30ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは26.8ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、38.2ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.23dl/gであった。このサンプルについての追加データを表3および4に含める。表5は紡績糸についての耐塩素性データを含む。
【0104】
(実施例14)
ポリウレタン尿素ポリマーを実施例13でのように、しかし添加剤として0.1重量%TiO2および4.0重量%のハンタイトとハイドロマグネサイト鉱物粒子との物理混合物入りで製造した。ポリマーおよび紡績糸についての特性を表3、4、および5に報告する。
【0105】
(実施例15)
本発明のポリウレタン尿素ポリマーを実施例11でのように製造した。連鎖延長剤末端の数は50ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは44.7ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、20.4ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.02dl/gであった。このサンプルについての追加データを表3、4、および5に含める。
【0106】
(実施例16)
ポリウレタン尿素ポリマーを実施例15でのように、しかし添加剤として0.1重量%TiO2、4.0重量%のハンタイトとハイドロマグネサイト鉱物粒子との物理混合物、および少なくとも1つのモノ−ヒンダードヒドロキシフェニル基を含み、そして少なくとも約300ダルトン(Dalton)の分子量を有する0.5重量%の添加剤入りで製造した。ポリマーおよび糸特性を表3および4に報告する。紡績糸についての耐塩素性データを表5に提示する。
【0107】
(実施例17)
本発明のポリウレタン尿素ポリマーを実施例15でのように製造した。紡績前ポリマー固有粘度は0.88dl/gであり、溶液固形分は39%であった。連鎖延長剤末端の数は50ミリ当量/Kgのポリマー固形分であると測定された。このポリマー溶液からキャストしたポリウレタン尿素フィルムは36.0ミリ当量/Kgポリマー鎖第一級アミン末端を有することが分かり、31.4ミリ当量/Kgポリマー鎖ジエチル尿素末端を有すると計算された。40デニール、3フィラメント・スパンデックス糸を923ypm(844m/分)でポリマー溶液から紡績した。紡績糸の固有粘度は1.14dl/gであった。このサンプルについての追加データを表3および4に含める。このサンプルは0.3重量%(ポリマー固形分を基準にして)のTiO2および0.25重量%(ポリマー固形分を基準にして)のN,N−エチレンビス−ステアルアミド粘着防止剤(ケマミド(Kemamide)(登録商標)W40−300としてクロンプトン社(Crompton Corp.)から入手可能な)のポリマー固形分を含有した。
【0108】
【表3】

【0109】
【表4】

【0110】
表4のデータは、実施例8についての結果との類似性によって、本発明のスパンデックス糸が熱、紫外線、燃焼ガス、およびNO2ガスへの暴露からの繊維黄変に抵抗することを示す。繊維のヒートセット効率は優れている。熱湿クリープ条件への暴露後の熱湿クリープおよびアンロード力は商業的に許容される。サンプルは良好なCDV値を有し、端に沿った繊維一様性が許容されることを示す。
【0111】
【表5】

【0112】
表5のデータは、標準添加剤入りスパンデックス糸が良好な塩素耐久性を有すること、および公知の標準塩素レジスト剤が糸の塩素耐久性をさらに高めるために使用できることを示す。
【0113】
染色性、色堅牢度、および洗濯堅牢度試験のために、布サンプルを、ローソン編機(ローソン−ヘムフィル・カンパニー)(Lawson Knitting Unit(Lawson−Hemphill Company))、モデル「FAK」で丸編チュービングの形で製造した。1フィードの40デニール・スパンデックスを編んで100%スパンデックス布を形成した。
【0114】
ローソン・チュービング・サンプルを実施例に与える手順を用いて染色した。用語「%owf」は布の重量を基準とするパーセントを意味する。
【0115】
染色性および色堅牢度は、オプチビュー品質管理バージョン(Optiview Quality Control Version)4.0.3ソフトウェアを用いるカラー−アイ7000グレタッグマクベス(Color−Eye 7000 GretagMacbeth)TM色彩計スペクトル分析計で色合い明度「L]値を測定することによって求めた。結果をCIELAB単位で報告する。一次光源はD65であった。染色100%スパンデックス・ローソンチューブ布に関する色合い明度「L」値を、実施例8の市販スパンデックスを含む染色100%スパンデックス・ローソンチューブ布についてのそれらと比較した。特に明記しない限り、色差は、本発明の染色100%スパンデックス・ローソンチューブ布と実施例8で表される市販スパンデックスを含む染色100%スパンデックス・ローソンチューブ布との間の「L」値の変化(すなわち、「ΔL」)として報告する。
【0116】
「L」値が低ければ低いほど、色はより深い。比較染色性の点から見ると、負のΔL値は、サンプルが対照サンプルと比較して改善された染色性(より深い色)を有することを示唆する。負のΔL値の絶対値が大きければ大きいほど、色合い差の改善の程度はより大きく、従って染色性の程度はより大きい。比較色堅牢度の点から見ると、負のΔL値は、サンプルが対照サンプルと比較して改善された色合い深さ(より深い色)を有することを示唆する。負のΔL値の絶対値が大きければ大きいほど、色合い差の改善の程度はより大きく、従って色堅牢度の程度はより大きい。
【0117】
洗濯堅牢度を測定するために、染色100%スパンデックス布の断片に、低−中温での5つの典型的な家庭または商業洗濯をシミュレートすることを意図される、標準洗濯汚染試験(米国繊維化学者・色彩技術者協会試験方法(American Association of Textile Chemists and Colorists Test Method)61−1996、「洗濯に対する色堅牢度、家庭および商業:促進(Colorfastness to Laundering,Home and Commercial:Accelerated)」、2Aバージョン)を与えた。試験は、アセテート、コットン、ナイロン6,6、ポリエステル、アクリル、およびウール布の群を含有するマルチ繊維試験布の存在下に行い、汚染の程度を目視により格付けした。該格付けで、1および2は不満足であり、3はかなりであり、4は良好であり、5は優れている。スパンデックス布での色保持の程度はまた、オプチビュー品質管理バージョン4.0.3ソフトウェアを用いるカラー−アイ7000グレタッグマクベスTM色彩計スペクトル分析計を用いることによって定量的に測定した。
【0118】
(実施例18)
本実施例は、黄ビニルスルホン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、実施例8、9、13、14、15、または16からのスパンデックス糸を使用してローソン編機(ローソン−ヘムフィル・カンパニー、FAKサンプラー、シングルフィード)で丸編して6つの100%スパンデックス布サンプルを与えた。
【0119】
スカーリング工程は40:1液体:布比で実施し、染色工程は30:1液体:布比で実施した。6つのローソンチューブ・サンプルを、100°Fのマティス・ラボマット染浴(ワーナー・マティスAG、スイス国チューリッヒ(Mathis Labomat Dye Bath(Werner Mathis AG,Zurich Switzerland))中の2g/lルビット(Lubit)64、2.0g/lソーダ灰、0.25%バーセン(Versene)100、0.50%デュポノール(Duponol)RA、および1.5%マーポル(Merpol)DAの溶液に加えた(競争染色)。浴温を3°F/分で180°Fに上げ、180°Fに30分間保持し、170°Fに冷却し、きれいにした(きれいにしたは、液体排出物が加えられた試薬または染料なしになるまで布を含有する浴に新しい水を通すことを意味する)。染浴を2.0%ルビット64、1.0%マーポルLFH、および0.1%チオ硫酸ナトリウム入りで80°Fにセットした。pHを酢酸で6.0〜7.0に調整した。浴温を3°F/分で120°Fに上げた。コットン反応性染料(4.0%レマゾールGイエロー3RA(Remazol G Yellow 3RA))を染浴に加え、染浴を5分間ランさせ、5.0g/l硫酸ナトリウムを加え、システムを10分間ランさせた。次に35g/l硫酸ナトリウムを加え、システムを10分間ランさせた。最後の35g/l硫酸ナトリウムを加え、浴を140°Fに上げ、システムを15分間ランさせた。15.0g/lソーダ灰を加え、システムを140°Fで45分間ランさせた。染浴をきれいにし、100°Fで10分間2.0g/l酢酸でリンスし、再びきれいにした。2.0g/lルビット64および0.5%シントラポール(Synthrapol)SP入りの新しい浴を100°Fにセットし、5°F/分で200°Fに上げ、200°Fに10分間保持し、きれいにし、室温で風乾させた。
【0120】
実施例18についての染色性、色堅牢度、および洗濯堅牢度結果を表6A〜6Cに与える。特に記載のない限り、ΔL、Δa、Δb、およびΔE値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルと比較して当該サンプルについて報告する。
【0121】
【表6】

【0122】
表6Aのデータは、これらのサンプルについての負のΔL値および絶対値として表されたときのそれらの大きさによって明らかなように、実施例15および16のスパンデックスの布について非常に良好で独特の色を示す。
【0123】
【表7】

【0124】
表6Bのデータは、負のΔL値および絶対値として表されたときのΔL値の大きさによって明らかなように、実施例15および16のスパンデックスの布について一貫してより高い色堅牢度を示す。
【0125】
【表8】

【0126】
データは、実施例15および16のスパンデックスを含む布サンプルが実施例8のスパンデックスの布サンプルと比べてアセテート、ナイロン、およびウールについて洗濯堅牢度格付け(0.5単位)を改善したことを示す。
【0127】
(実施例19)
本実施例は、黒ビニルスルホン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、4%レマゾール・ブラック(Remazol Black)B染料を使用したことを除いては実施例18でのように編んで染色した。実施例19についての染色性、色堅牢度、および洗濯堅牢度結果を表7A〜7Cに与える。特に記載のない限り、ΔL、Δa、Δb、およびΔE値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルと比較して当該サンプルについて報告する。
【0128】
【表9】

【0129】
表7Aのデータは、実施例15および16のスパンデックスの布について改善された染色性(絶対値として表されたときに、他のΔL値より著しく大きい負のΔL)を示す。
【0130】
【表10】

【0131】
表7Bのデータは、負のΔL値および絶対値として表されたときのΔL値の大きさによって明らかなように、実施例15および16のスパンデックスの布についてより高い色堅牢度を示す。
【0132】
【表11】

【0133】
上の表のデータは、布サンプルすべてが優れた洗濯堅牢度を有することを示す。
【0134】
(実施例20)
本実施例は、赤ビニルスルホン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、4%イントラクロン・ブリリアント・レッド(Intracron Brilliant Red)VS−4BL染料を使用したことを除いては実施例18でのように編んで染色した。実施例20についての染色性、色堅牢度、および洗濯堅牢度結果を表8A〜8Cに与える。
【0135】
【表12】

【0136】
表8Aのデータは、実施例15および16のスパンデックスの布について改善された染色性(絶対値として表されたときに、他のΔL値より著しく大きい負のΔL)を示す。
【0137】
【表13】

【0138】
表8Bのデータは、負のΔL値によって明らかなように、実施例15および16のスパンデックスの布についてより高い色堅牢度を示す。
【0139】
【表14】

【0140】
上の表のデータは、実施例9、14、15、および16からのスパンデックスの布サンプルがスパンデックス実施例8の布と比べてコットンについて改善された洗濯堅牢度を示すことを示す。
【0141】
(実施例21)
本実施例は、青モノクロロトリアジン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、4%プロシオン・ブルー・ヘクスル(Procion Blue HEXL)染料を使用し、そして15.0g/lのソーダ灰を加えた後に、温度をゆっくり205°Fに上げ、その後205°Fで45分間ランさせたことを除いては実施例18でのように編んで染色した。実施例21についての染色性および色堅牢度結果を表9Aおよび9Bに与える。
【0142】
【表15】

【0143】
上の表のデータは、この染料でのすべてのスパンデックスサンプルの布について不満足な染色性を示す。
【0144】
【表16】

【0145】
上の表のデータはこの染料での不満足な色堅牢度を示す。
【0146】
(実施例22)
本実施例は、フルオロクロロトリアジン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、実施例8、9、13、14、15、または16からのスパンデックス糸を使用してローソン編機で丸編して6つの100%スパンデックス布サンプルを与えた。
【0147】
6つのスパンデックスサンプルを、6つのコットン布サンプル(それぞれがスパンデックス布と同じ重量を有する)と組み合わせ、アヒバ・テキソマット染浴(アヒバAG、スイス国ビルスフェルデン(Ahiba Texomat Dye Bath(Ahiba AG,Birsfelden Switzerland))中の2g/lルビット64、2g/lソーダ灰、0.25%バーセン100、0.50%デュポノールRA、および1.50%マーポルDAの6つの個々の溶液に100°Fで、40:1液体:布比で加えた。浴温を2°F/分で180°Fに上げ、180°Fで30分間ランさせ、170°Fに冷却し、きれいにした。染浴を1g/l炭酸水素ナトリウム、0.07g/l苛性ソーダ、および30g/l硫酸ナトリウム入り(pH9.2)で20:1液体:布比で80°Fにセットした。反応性染料レバフィックス・スカーレット(Levafix Scarlet)E−2GA(1.0%)を加え、温度を2°F/分で120°Fに上げ、120°Fに60分間保持した(pHは温度でおよび60分反応時間にわたって9.3に留まった)。1.5ml/l苛性ソーダ溶液(35%)を加えた(溶液pH10.65)。追加の30分撹拌した後(pH10.4〜10.5)、布を175°Fで15分間1g/lソーダ灰および1g/lマーポルLFHで2回リンスし、水できれいにし、175°Fで10分間水でリンスし、風乾させた。
【0148】
実施例22のスパンデックス布についての染色性結果を表10に与える。特に記載のない限り、ΔL、Δa、Δb、およびΔE値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルと比較して当該サンプルについて報告する。
【0149】
【表17】

【0150】
結果は、実施例15および16からのスパンデックスを含むサンプルについては少ない染色性を、実施例8および9からのスパンデックスを含むサンプルについては本質的に検出できない染色性を示す。
【0151】
(実施例23)
本実施例は、フルオロクロロトリアジン・コットン反応性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、手順において次の相違ありで実施例22でのように編んで染色した。染浴を1g/l炭酸水素ナトリウム、0.07g/l苛性ソーダ、および10g/l無水硫酸ナトリウム入り(pH9.1)で20:1液体:布比で80°Fにセットした。反応性染料レバフィックス・ゴールデン・イエロー(Levafix Golden Yellow)E−G(0.5%)を加え、温度を2°F/分で120°Fに上げ、120°Fに60分間保持した。1.5ml/l苛性ソーダ溶液(35%)の半分を加えた(溶液はpH9.2〜9.3であった)。溶液を15分間かき混ぜ、次に苛性ソーダ溶液の第2の半分を加えた。5分撹拌した後、追加の1.5ml/l苛性ソーダ溶液を加えた(溶液は、11.0であった実施例16のスパンデックスを除いてはpH9.4〜9.6であった)。10分撹拌した後、追加の3.0mlの0.75ml/l苛性ソーダを、実施例16のスパンデックスを含有するものを除きすべての溶液に加え、溶液pHは10.3〜10.4に上った。追加の30分撹拌した後、布を175°Fで15分間1g/lソーダ灰および1g/lマーポルLFHで2回リンスし、水できれいにし、175°Fで10分間水でリンスし、風乾させた。
【0152】
実施例23のスパンデックス布についての染色性結果を表11に与える。特に記載しない限り、ΔL、Δa、Δb、およびΔE値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルと比較して当該サンプルについて報告する。
【0153】
【表18】

【0154】
上の表のデータは、この染料でのすべてのスパンデックスサンプルの布について不満足な染色性を示す。
【0155】
(実施例24)
本実施例は、青酸性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、実施例8、9、13、14、15、または16からのスパンデックス糸を使用してローソン編機で丸編して6つの100%スパンデックス布サンプルを与えた。
【0156】
スカーリングは40:1液体:布比で実施し、染色工程は20:1液体:布比で実施した。6つのスパンデックスサンプルを6つのコットン布サンプル(それぞれがスパンデックス布と同じ重量を有する)と組み合わせ、100°Fのアヒバ・テキソマット染浴(アヒバAG、スイス国ビルスフェルデン)中の1.0g/lルビット64、0.50g/lのTSP、および0.5g/lマーポルLFHの6つの個々の溶液に加えた。浴温を2°F/分で180°Fに上げ、180°Fで20分間ランさせ、冷却し、きれいにした。染浴を3.0g/lマーポルLFH入りで62°Fにセットし、4.0g/l硫酸アンモニウムを加え、次にpHを水酸化アンモニウムで8.5〜9.0に調整した。溶液を5分撹拌し、次に1.0%サンドラン・ブルー(Sandolan Blue)E−BL200を加えた。温度を2°F/分で205°Fに上げ、205°Fに45分間保持した。染浴を冷却し、きれいにし、サンプルを室温で風乾させた。
【0157】
実施例24のスパンデックス布についての染色性結果を表12に与える。ΔL、Δa、Δb、およびΔEの値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルを基準とする。
【0158】
【表19】

【0159】
データは、実施例15および16のスパンデックスを含む布サンプルについて優れた染色性(絶対値として表されたときに、他のΔL値より著しく大きい負のΔL値)を示す。
【0160】
(実施例25)
本実施例は、黄酸性染料でのスパンデックス布の染色を実証する。6つの異なる40デニール・スパンデックスサンプルを、サンドラン・ゴールデン・イエロー(Sandolan Golden Yellow)MF−RL染料を使用したことを除いては実施例24でのように編んで染色した。染色性結果を表13に与える。ΔL、Δa、Δb、およびΔEの値はすべて、実施例8のスパンデックスでのサンプルを基準とする。
【0161】
【表20】

【0162】
データは、実施例15および16のスパンデックスを含む布サンプルについて優れた染色性を示す。
【0163】
次の3つの実施例に使用するニーハイ(knee high)は、下に示されるように実施例17からのスパンデックスを使用して1.5g張力でロナチ404薄手生地靴下(Lonati 404 sheer hosiery)編機で編んだ。比較ニーハイは、同様にしかし実施例9でのように製造されるスパンデックスの代表である商業的に入手可能なライクラ(Lycra)(登録商標)T−162Bスパンデックスを40デニール・スパンデックスの代わりに使用して編んだ。
【0164】
トップ
フィード1:15/7フラットナイロンおよび40デニール・スパンデックスで覆った180Dライクラ(登録商標)T−902Cスパンデックス
フィード2、3、4:40/13(テクスチャー加工)ナイロン
ボディ
フィード1:40デニール・スパンデックスで覆った15/7フラットナイロン
つま先
フィード1:15/7フラットナイロンおよび40デニール・スパンデックスで内張りした40/13テクスチャー加工ナイロン
【0165】
ニーハイ実施例については、スカーリングは40:1液体:布比で実施し、染色工程はマティス・ラボマット染浴(ワーナー・マティスAG、スイス国チューリッヒ)中で20:1液体:布比で実施した。
【0166】
ニーハイを、100°Fの1g/lルビット64、0.50g/lのTSP、および0.5g/lマーポルLFHのスカーリング浴液に加えた(競争スカーリングおよび染色)。浴温を3°F/分で180°Fに上げ、180°Fに20分間保持し、170°Fに冷却し、きれいにした(きれいにしたは、液体排出物が加えられた試薬または染料なしになるまで布を含有する浴に新しい水を通すことを意味する)。
【0167】
(実施例26)
本実施例は、黒酸性染料でのナイロンおよびスパンデックスを含む衣類の染色を実証する。
【0168】
染浴を1.0%バーコニル(Virconyl)431入りで90°Fにセットした。ナイロンブラックPVF酸性染料(6%)を加え、pHをアンモニアで7.5〜8.0に調整し、90°Fで15分ランさせた。温度を3°F/分で210°Fに上げ、210°Fに30分間保持し、170°Fに冷却し、pHを15分にわたって酢酸で5.5〜6.0に調整し、温度を3°F/分で210°Fに上げ、210°Fに30分間保持した。染浴を170°Fに冷却し、水抜きし、5分間コールドリンスし、水抜きし、軽く遠心分離し、風乾させた。
【0169】
結果を表14に提示する。色差を2セットのニーハイ間に明らかに見ることができた。スパンデックスとハード繊維との間の改善された色一貫性(または融合)のために、より少ないスパンデックスが、実施例17のより高度に染色されたスパンデックスを含むニーハイ中に見えた。
【0170】
【表21】

【0171】
(実施例27)
本実施例は、ニーハイに小麦色を与えるために選ばれた酸性染料の混合物でのナイロンおよびスパンデックスを含む衣類の染色を実証する。
【0172】
染浴を3.0%バーコニル431入りで90°Fにセットした。酸性染料(0.27%ナイランスレン・ブルー(nylanthrene blue)GLF、0.513%ナイランスレン・オレンジSLF、0.097%ナイランスレン・レッド2RDF)を加え、pHをTSPPで7.5〜8.0に調整した。浴を90°Fで30分ランさせ、3°F/分で200°Fに上げ、200°Fに30分間保持した。染浴を水抜きし、5分間コールドリンスし、水抜きし、軽く遠心分離し、風乾させた。
【0173】
結果を表15に提示する。色差を2セットのニーハイ間に明らかに見ることができた。スパンデックスとハード繊維との間の改善された色一貫性(または融合)のために、より少ないスパンデックスが、より高度に染色された実施例17のスパンデックスを含むニーハイ中に見えた。
【0174】
【表22】

【0175】
(実施例28)
本実施例は、赤酸性染料でのナイロンおよびスパンデックスを含む衣類の染色を実証する。
【0176】
染浴を0.5%マーポルLFHおよび1.0%硫酸アンモニウム入りで90°Fにセットした。pHを水酸化アンモニウムで8.5〜9.0に調整し、5分ランさせた。ポーラー・レッド(Polar Red)3BN140%(2.0%)を加え、90°Fで10分ランさせ、温度を3°F/分で180°Fに上げ、温度を2°F/分で205°Fに上げ、205°Fで45分ランさせた。浴を冷却し、きれいにし、風乾させた。
【0177】
結果を表16に提示する。色差を2セットのニーハイ間に明らかに見ることができた。スパンデックスとハード繊維との間の改善された色一貫性(または融合)のために、より少ないスパンデックスが、より高度に染色された実施例17のスパンデックスを含むニーハイ中に見えた。
【0178】
【表23】

【0179】
(実施例29)
カラー収率試験は、100%スパンデックス編みローソンチューブ布サンプルを、pH6.0の1.2%owfのナイロサン・ブリリアント・ブルーN−FL180%C.I.アシッド・ブルー278(Nylosan Brilliant Blue N−FL180%C.I.Acid Blue 278)(クラリアント(Clariant)から入手可能な)入り染料溶液に、液体比10:1で浸漬することによって行った。浴温を30℃から98℃までゆっくり上げ、98℃で60分間保持した。染色の終わりに、各サンプルの染浴を、スパンデックスサンプル上での染料吸尽の量を評価するために保持した。各別個の吸尽浴において、ポリアミド66・78デシテックス、68フィラメント・セミダル布のサンプルを冷却した吸尽染浴中へ浸漬し、染色法を繰り返した。スパンデックスサンプルおよびポリアミドサンプルについてのL値を表17に報告する。
【0180】
【表24】

【0181】
データは、比較スパンデックスサンプルの吸尽浴で染色したポリアミドサンプルが本発明のスパンデックスの吸尽浴で染色したポリアミドサンプルより高度に着色している(より低いL値を有する)ので本発明のスパンデックスについて染色収率の増加を示す。
【0182】
(実施例30)
実験を染料吸収の速度を測定するために行った。各ローソンチューブ100%スパンデックスサンプルを別々に、pH6.0の0.6%ナイロサン・ブリリアント・ブルーN−FL180%C.I.アシッド・ブルー278で10:1の液体比で染色した。浴温を1℃/分で98℃にゆっくり上げた。染色温度が40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、および98℃に上がったときに染浴液のサンプルを各セルから採取し、染浴液のサンプルを98℃で60分後の染色サイクルの終わりにも採取した。各別個の吸尽染浴にポリアミド66・78デシテックス、68フィラメント・セミダル布のサンプルを浸漬し、染色してスパンデックスサンプルによって吸収されなかった染料の量を明らかにした。染色したスパンデックス布についてのL値を表18Aに報告し、吸尽浴サンプルで染色したポリアミド布についてのL値を表18Bに報告する。
【0183】
【表25】

【0184】
【表26】

【0185】
上の表のデータは、実施例15および16のスパンデックスから編んだ布について染料繊維相互作用の増加を示す。実施例15スパンデックスの布は、吸尽浴染色によって明らかにされるように、60℃で色なしの染浴で約40〜50℃でより大きい染料吸収を示す。実施例16の布は、吸尽浴染色によって明らかにされるように、70℃で色なしの染浴で約40〜60℃でより大きい染料吸収を示す。他のサンプルは染料吸収の減少を示し、染料吸尽を全く示さない。
【0186】
(実施例31)
類似の染色サイトを含有するパートナー・ハード糸と競争染色するときの染料吸収の速度および色分配を、pH6.0の0.6%ナイロサン・ブリリアント・ブルーN−FL180%C.I.アシッド・ブルー278で10:1の液体比でポリアミド66、78デシテックス68フィラメント・セミダル布(78f68T3)と共に100%スパンデックス・ローソンチューブサンプルを染色することによって測定した。浴温を1℃/分で98℃に上げ、この温度に60分間維持した。温度が40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、および98℃に上がったときに各セルのサンプルを採取し、染浴を保持し、サンプルを染色サイクルの終わりに採取した。スパンデックスサンプルおよびポリアミドサンプルについてのL値を表19に報告する。
【0187】
【表27】

【0188】
実施例15および16のスパンデックスから編んだ布は、他のサンプルより上のかなりの染料吸収、染色性、および色収率の増加を示す。これらの布サンプルはまた、約80〜98℃の高い染色条件で強い分配を示す。他のスパンデックス布サンプルは、実施例15および16のスパンデックスを含有するものと比べて色収率の低下を示す。
【0189】
(布の製造)
次の布実施例で、整経機はモデル22E整経機(アメリカン・リバ社サウスカロライナ州ピードモント(American Liba,Inc.,Piedmont,SC))であった。ライクラ(登録商標)スパンデックスの1340エンドを、フラットリースを用いて50または100ヤード毎分(46または91メートル毎分)クリール速度で高強度No.21TN42鍛造ビーム(High−Strength No.21TN42 forged beams)(ブリッグス−シャフナー社、ノースカロライナ州ウィンストン−サーレム(Briggs−Shaffner Co.,Winston−Salem,NC)から入手可能な)上へ整経した。延伸を、適切な分当たりの相対回転(rpm)で前延伸ロールおよびビームを操作することによって加えた。整経速度は、用いる高延伸およびモーターの最高速度によって制限され、商業運転では、整経機へのより高速のモーターの再装備は、より高い整経速度を可能にすることができる。クリールは、アメリカン・リバ製の回転引取りモデル6(rolling takeoff Model 6)であった。ビームは42インチ(107cm)幅であり、21インチ(53cm)フランジを有した。各ビームの左、中央、および右外周が測定され、実質的に同じものであることが分かった。すべての実施例について、用いた前延伸レベルは125%であり、最終ビーム伸び率は65%であった。
【0190】
3ビームのセットを用いて、製編を、カール・マイアー(Karl Mayer)によって製造された、複合針および130インチ(3302mm)最大有効幅を有するラコップ・モデル4E32ゲージ・トリコット(RACOP Model 4E 32−gauge Tricot)編機で行った。スパンデックスをビームから取り外すのに困難さは全く観察されなかった。たて糸は100%裸のスパンデックスであった。非エラストマー繊維は40デニール(44デシテックス)13フィラメント型865アントロン(Antron)(登録商標)ナイロン(本願特許出願人の登録商標)であった。ナイロン・ランナー長さはすべての実施例で58インチ(147.3cm)であった。布は、ナイロンが2−3/1−0(縦編みチェイン表記法で)として編まれ、スパンデックスが1−0/1−2として編まれて標準ジャージー・トリコット(Jersey Tricot)構築物であった。
【0191】
生地布を、250°Fまでスチーム加熱し、そして250°Fより上に電気加熱するようにデザインされた3箱クランツ(Krantz)ピンフレーム乾燥機でヒートセットすることによって仕上げた。染色をヒサカ・モデルH(Hisaka Model H)水平ジェット染色機で行った。すべての実施例を、同じ標準ポリアミド/スパンデックス染色手順を用いて紺青色に染色し、自然幅で乾燥させた(120℃/45秒)。布を乾燥させ、次の手順を用いて仕上げた:2.5重量%ラナセット・ブルー(Lanaset Blue)2Rを30℃/pH7.0〜7.5で加えた。温度を次に45分にわたって98℃に上げ、45分間一定に保持した。布pHを酢酸で4.5に調整し、温度を72℃に冷却し、布をリンスし、次に染浴を水抜きした。布を次に軽く真空にし、120℃で乾燥させた。
【0192】
(実施例32)
実施例9でのように製造されるスパンデックスの代表の、41.7実デニール(46.3デシテックス)の市販ライクラ(R)スパンデックス(タイプT−162B)を使用して比較布を製造した。スパンデックスの製編張力は3エンドの各群について15gであり、ランナー長さは21.2インチ(53.8cm)であり、17.1重量%のスパンデックス含有率をもたらした。生地布質は70.7cpiであった。編布は291g/m2の基本重量および80%伸長で約1790gの負荷力を有した。ヒートセッティングは、自然幅より5%上で10%供給過剰で385°F(196℃)で45秒間行った。布を青くジェット染色し、次に187g/m2の最終重量および151cmの幅に乾燥させ/仕上げた。布特性を表20に提示する。
【0193】
(実施例33)
41.2実デニール(45.8デシテックス)の実施例17からのスパンデックス糸を使用して本発明のスパンデックス糸を含む布を製造した。スパンデックスの製編張力は3エンドの各群について15gであり、ランナー長さは20.7インチ(52.6cm)であり、16.4重量%のスパンデックス含有率をもたらした。生地布質は70.7cpiであった。編布は290g/m2の基本重量および80%伸長で約1970gの負荷力を有した。ヒートセッティングは、自然幅より5%上で10%供給過剰で375°F(190℃)で45秒間行った。布を青くジェット染色し、170g/m2の最終重量および150cmの幅に乾燥させ/仕上げた。布特性を表20に提示する。
【0194】
【表28】

【0195】
表20のデータは、「紡績したままの」負荷力(LP)がより低いスパンデックス布含有量を可能にし(一定の張力で編むときに)、そして所望の布回復力が布中のより低い重量%・スパンデックスでさえ維持され得ることを実証している。
【0196】
(実施例34)
40.0実デニール(44デシテックス)の実施例10からのスパンデックス糸を使用してスパンデックス糸を含む布を製造した。スパンデックスの製編張力は3エンドの各群について15gであり、ランナー長さは20.0インチ(50.8cm)であり、16.3重量%のスパンデックス含有率をもたらした。生地布質は70.7cpiであった。ヒートセッティングは、自然幅より5%上で10%供給過剰で375°F(190℃)で45秒間行った。布を青くジェット染色し、198g/m2の最終重量および156cmの幅に乾燥させ/仕上げた。
【0197】
仕上げ布は16.3重量%スパンデックス含有率および50%伸長で0.30kg布回復力を有した。紡績したままの負荷力は5.83gであり、紡績したままのアンロード力は1.08gであり、初期繊維IVは1.04dl/gであり、熱処理した繊維IVは3.06dl/gであった。このデータは、許容される布回復力が、布染色および仕上げ工程中のように、熱処理後のより高い繊維IVによって、一つには、維持され得ることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも5ミリ当量/Kgの紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスであって、染色されたままの前記スパンデックスが、約3ミリ当量/Kg未満の紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスの色合い明度Lと比較されるときに、分光比色法によって測定される際、CIELABカラースケールで少なくとも約3.0の、絶対値として取られた、改善された色合い明度ΔLを有することを特徴とするスパンデックス。
【請求項2】
前記紡績されたままのスパンデックスが少なくとも約10ミリ当量/Kgの第一級アミン含有率を有することを特徴とする請求項1に記載のスパンデックス。
【請求項3】
少なくとも約3ミリ当量/Kgのボイルオフ第一級アミン含有率を有するスパンデックスであって、染色されたままの前記スパンデックスが、約3ミリ当量/Kg未満の紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスの色合い明度Lと比較されるときに、分光比色法によって測定される際、CIELABカラースケールで少なくとも約3.0の、絶対値として取られた、改善された色合い明度ΔLを有することを特徴とするスパンデックス。
【請求項4】
酸性染料、直接染料、およびプレ金属化染料、またはかかる要素の組み合わせよりなる群から選択された染料で染色されることを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項5】
モノクロロトリアジンおよびフルオロクロロトリアジン・コットン反応性染料を除く少なくとも1つの反応性染料で染色されることを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項6】
1回洗濯後、約3ミリ当量/Kg未満の紡績されたままの第一級アミン含有率を有するスパンデックスと比較されるときに、分光比色法によって測定される際、CIELABカラースケールで3.0以上の、絶対値として取られた、改善された色合い明度ΔLを有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項7】
破壊までに少なくとも10時間の耐塩素誘発分解性を有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項8】
約4.0〜約7.5gの負荷力を有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項9】
約4.5〜約6.2gの負荷力を有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項10】
約1.0〜約1.2gのアンロード力を有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項11】
1.5倍延伸で190℃で少なくとも86%のヒートセット効率を有することを特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項12】
請求項1または3に記載のスパンデックスと、タンパク質、セルロース系、および合成ポリマー繊維、またはかかる要素の組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1つの繊維とを含むことを特徴とする布。
【請求項13】
酸性染料、直接染料、およびプレ金属化染料、またはかかる要素の組み合わせよりなる群から選択された染料で染色されることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項14】
モノクロロトリアジンおよびフルオロクロロトリアジン・コットン反応性染料を除く少なくとも1つの反応性染料で染色されることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項15】
前記スパンデックス含有率が約0.5〜約40重量%・スパンデックスであることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項16】
たて糸方向における50%伸長での布回復力が約0.2〜約0.5Kgであることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項17】
請求項12に記載の布を含むことを特徴とする衣類。
【請求項18】
請求項13に記載の布を含むことを特徴とする衣類。
【請求項19】
請求項14に記載の布を含むことを特徴とする衣類。
【請求項20】
一定の紡績されたままの第一級アミン含有率において色合い明度ΔLの観察される改善を提供するには不十分な染色促進剤の濃度であることをさらに特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項21】
5重量%未満の染色促進剤の濃度であることをさらに特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項22】
1重量%未満の染色促進剤の濃度であることをさらに特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項23】
0.7重量%未満の染色促進剤の濃度であることをさらに特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。
【請求項24】
本明細書に定義されるような染色促進剤を実質的に含まないことをさらに特徴とする請求項1または3に記載のスパンデックス。

【公表番号】特表2008−519179(P2008−519179A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540302(P2007−540302)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/032524
【国際公開番号】WO2006/052318
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【氏名又は名称原語表記】INVISTA Technologies S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】Talstrasse 80,8001 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】