説明

染色機器及び方法における改良

組織学の分野において、スライドガラスにマウンティングされた組織に試薬を投与する装置及び方法が開示されている。当該装置は、装置に装填されたスライドトレイ上に多くのスライドガラスを有している。各スライドトレイは、1つのバッチのスライドガラスを形成しており、すべてのバッチはグループを形成している。当該装置は、組織の要素の認定のために、バルクタイプの試薬からなる第1グループと、抗体またはプローブからなる第2グループとにグループ分けされる多くの試薬と、検出システムとを備えている。ロボットアーム形状のグループ流体ディスペンサが、一群のスライドガラスに試薬を分配する。各バッチのスライドガラスは、そのバッチのスライドガラスに試薬を分配するための流体ディスペンサをそれぞれ備えている。一実施例では、グループ流体ディスペンサは、各スライドガラス用に定義されたプロトコルによって、すべてのスライドガラスに、抗体、プローブ、検出試薬を分配し、バッチディスペンサは、各バッチにバルク試薬を分配するので、グループ流体ディスペンサを、すべてのスライドガラスへバルク試薬を分配することから解放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡用スライドガラスにマウンティングされた組織を染色するための、改良された装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料を基板に載置することに関する多くの技術が開発されている。これらの技術としては、例えば、生検材料からの組織試料を顕微鏡用スライドガラスに載置することや、試料のマイクロアレイ分析などがある。組織学では、生体試料が顕微鏡用スライドガラスに貼り付けられたあと、組織の特徴の視認性を高めるために染色される。例としては、細胞壁及び細胞核の視認性を高めるためのヘマトキシリン・エオシン染色を用いた一般的な染色がある。高度な染色では、疾病を暗示するような特定のタンパク質の存否を認定するために、組織に抗体が投与されてから染色される。RNA/DNAプローブなどの他の試薬が組織に投与されることもあり、これらは、組織上での一連の反応の間、細胞核でDNAと結合する。ハイブリダイズドDNAはその後、対象となるDNAの存否を認定するために染色される。
【0003】
調査、研究、診断で用いられるタンパク質の数は多く、増加している。同様に、対象となる遺伝子の数も増加している。もし、自動機器が、診断や研究に用いられる広範囲の試薬に適用されるとしたら、その機器は順応性を有していなければならない。しかし、試料採取が迅速に効率よく完了することも重要である。
【0004】
試験用スライドガラスに用いられる機器のひとつは、ライカ・マイクロシステム社(Leica Mycorsystems)によって販売され、国際公開第2004/001390号:「ドレイン機構を備えた生体反応装置」に記載されたボンドマックス自動先進染色機器である。機器に載置されたスライドガラスに試薬を分配するためにロボットアームが用いられる。スライドガラスはバッチ単位で機器に装填される。これは、機器が、第2バッチが装填される前に第1バッチの処理を開始できるため、順応性を持つものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004/001390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機器の容量及び多重バッチを同時に処理できる能力は、バッチの数、各スライドガラスのプロトコル及び処理時間、並びにロボットアームのタスク終了速度によって制限される。スライドガラス(バッチのスライドガラスを含む)のための処理時間を短縮することなどにより、自動染色機器の順応性を高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの特徴においては、一群の顕微鏡用スライドガラスに試薬を投与する機器であって、複数のスライドガラス支持体と、第1セットの1つまたは複数の試薬容器と、第2セットの1つまたは複数の試薬容器と、前記第1セットの試薬容器の1つまたは複数の試薬容器から汲み出された流体を分配するグループ流体ディスペンサと、前記第2セットの試薬容器の1つまたは複数の試薬容器から汲み出された流体を分配するバッチ流体ディスペンサと、を有する機器が提供される。
【0008】
ある実施形態では、前記スライドガラスは複数のバッチにグループ分けされる。
【0009】
ある実施形態では、前記グループ流体ディスペンサは、ロボットアームに設けられており、前記スライドガラスのすべてに試薬を分配する。
【0010】
ある実施形態では、前記バッチ流体ディスペンサは、ロボットアームに設けられており、前記スライドガラスのバッチの1つに流体を分配する。
【0011】
別の特徴においては、複数の基板に流体を分配する装置であって、1つまたは複数のサブグループ基板からなる一群の基板と、前記一群の基板全体に流体を分配するよう構成されたグループディスペンサと、1つまたは複数のサブグループ基板に流体を分配するよう構成された1つまたは複数の追加サブグループ流体ディスペンサと、を備える装置が提供される。
【0012】
好ましくは、前記1つまたは複数のサブグループ流体ディスペンサのそれぞれが、流体を分配する対象となる前記1つまたは複数のサブグループ基板に隣接して位置する。
【0013】
さらに別の特徴においては、一群のスライドガラスに試薬を分配する方法であって、グループ流体ディスペンサから、前記一群のスライドガラスにおけるスライドガラスに試薬を投与する工程と、前記一群のスライドガラスが2つ以上のバッチのスライドガラスからなる場合に、複数のバッチ流体ディスペンサから、対応する複数のバッチのスライドガラスに試薬を投与する工程と、を備える方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】多数の流体ディスペンサを備えた装置の概略図である。
【図2】スライドガラス染色アセンブリ及び流体ディスペンサを示す、図1の装置の部分概略図である。
【図3】図1の装置の流体ディスペンサ及びスライドガラス染色アセンブリの概略図である。
【図4】図2及び3に示す流体ディスペンサの流体ディスペンサ・ヘッドの断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
装置10は、出願人によって販売され、その一部がここに引用して援用される国際公開第2004/001390号:「ドレイン機構を備えた生体反応装置」に記載されたボンドマックス機器と、多くの部材及び操作方法が共通している。同様に、ここに引用して援用されるのは、同じくボンドマックス機器の操作方法を記載したボンドマックスの取扱説明書である。これらの文献間で矛盾が生じた場合には、取扱説明書の記載内容が正しいものとする。
【0016】
図1に示す装置10は、顕微鏡用スライドガラスにマウンティングされた組織を染色するために用いられるスライドガラス染色用機器であるが、マイクロアレイプレートや、生体検査に用いる他の基板などに流体を投与する際に用いることもできる。装置10は、ロボットアーム14に取り付けられたグループ流体ディスペンサ11と、容器15内の試薬第1セット、試薬第2セット16、及びスライドガラス染色アセンブリ17、18、19を有している。また、試薬容器15に流体連結されたシリンジポンプ21も示されている。
【0017】
装置10は、各スライドガラスに適用されるプロトコルを装置に指示するために用いられるコンピュータ(図示せず)によって操作される。装置10に内蔵されたコンピュータは、スライドガラスに適用されるプロトコルに関する情報を受け取り、ロボットアーム14やスライドガラス染色アセンブリ17、18、19の作動、試薬分配など、装置10の種々の機能を制御する。スライドガラス装填、スライドガラス特定、プロトコル特定、スライトガラス加熱、及びカバータイル(covertile)開閉などの、バッチ流体ディスペンサ及びグループ流体ディスペンサの作動及び機能に関係しないシステムに関しても、装置10は同様に作動し、出願人によって販売されているボンドマックス機器と同様または類似する構成部材を用いている。完全に機能する機器のある特徴が本件に記載されていない場合は、その特徴は、出願人によって販売され、ここに引用して援用されている標準的なボンドマックス機器とおりに作動するものと解釈して良い。
【0018】
各スライドガラス染色アセンブリ17、18、19は、図2及び3に示すように、バッチ流体ディスペンサ30を有している。
【0019】
図2及び3には、カバー33の下方に10個のスライドガラス支持体32を備えたスライドガラス染色アセンブリ17(本実施例では、他のスライドガラス染色アセンブリ18及び19と同一である)が示されている。作動時、ボンドスライドトレイ41上のスライドガラス染色アセンブリ17、18、19のひとつに、1つバッチのスライドガラスが装填される。トレイ41のスライドガラスは、スライドガラス支持体32の位置に対応した位置にあるため、作動時、各スライドガラスが各スライドガラス支持体32上に位置するようになっている。各スライドガラス支持体32は、スライドガラス及び組織を加熱する加熱部材を有するとともに、本件の出願時に稼動しているボンドマックス機器と同様に、各スライドガラス上でカバータイルを移動させる位置決め機構を備えている。
【0020】
スライドガラス染色アセンブリ17は、図2及び図3に示すように、バッチ流体ディスペンサ30に隣接して位置している。バッチ流体ディスペンサ30は、スライドガラス染色アセンブリ17の側部に沿って設けられたレール34と、流体がアセンブリ17のスライドガラスのそれぞれに分配されるよう、レール34に沿って移動するように構成されたディスペンス・ヘッド36(図4)とを有している。ディスペンス・ヘッド36をレール34に沿って必要となるスライドガラスへ駆動させるために、エネルギーチェーン装置が用いられる。一例では、ディスペンス・ヘッド36が一端から他端までレール34に沿って移動し、各スライドガラス近傍位置で停止し、スライドガラスにマウンティングされた組織と相互作用するように、そのスライドガラスに試薬を分配する。エネルギーチェーンは可撓性の流体導管を収容しており、これは、ディスペンス・ヘッド36で終端となっており、流体をスライドガラス上に送る。導管は、特定のディスペンサ専用のシリンジポンプ21に取り付けられている。従って、図示された機器では、3つのバッチ流体ディスペンサ30が、それぞれシリンジポンプ21を備えている。流体は、多数の試薬容器15から汲み出される。本例では、上述した試薬容器15は、それぞれマニホルドを備えている。各マニホルドは、それぞれの導管を介してすべてのシリンジポンプ21に接続されている。各シリンジポンプ21は、所望のマニホルドに流体連結されることで所望の種類の流体にアクセスできるようにする、選択可能なバルブ構造を備えている。例えば、ディスペンサ30がアルコールを分配する必要があるときは、バルブが、アルコール試薬容器からの導管との接続を開放するように動き、シリンジポンプ21が、その導管からシリンジへ、所望の量が得られるまでアルコールを汲み出する。その後、シリンジポンプ21は、アルコール容器へのバルブを閉じ、バッチ流体ディスペンサ30との接続を開放する。そして、シリンジポンプ21は、所望の量の流体を導管に沿ってバッチ流体ディスペンサ30へ押し出し、そこで、アルコールが適切なスライドガラス32に分配される。
【0021】
シリンジポンプ21に導入される流体の量は、導管内の流体の量、流体を必要とするスライドガラスの数、スライドガラスごとの分配量によって決定される。そのため、バッチ流体ディペンサ30は、各スライドガラスの近傍で停止することによって、1つあるいは複数のスライドガラスに試薬を分配することができる。いったん流体がスライドガラスに分配されると、シリンジポンプ21は空になるが、流体は導管内に保持される。導管内の流体を洗い流すために、バッチ流体ディスペンサ30は、洗浄ステーション(図示せず)が位置しているスライドガラス染色アセンブリ17、18、19の端部まで移動する。洗浄ステーションは、バッチ流体ディスペンサ30から流体を受ける開口部を備えており、そこで、洗浄ステーションによって受け取られた流体は、廃棄物容器に送られる。代表的には、本実施例では、シリンジポンプ21が、次に分配される流体量を導管を介して押し出し、前回の流体を廃棄し洗浄するようになっている。いったん古い流体が洗い流されると、バッチ流体ディスペンサ30が、再びスライドガラスまで移動して、必要とされる試薬を分配する。
【0022】
状況によっては、流体の中には適合性のないものがあり、例えば、混和することができないものがある。このように、新たな流体が古い流体を十分に洗浄できないと判断される場合には、中間流体を用いることができる。不適合な流体の一例は、蒸留水と脱ろう液である。しかし、アルコールはこれら双方と混和可能であるので、新たな流体が投与される前に、古い流体を除去する中間流体として用いることができる。
【0023】
それぞれ組織試料がマウンティングされているスライドガラスを有する装置10の作動時、各スライドガラスは、スライドガラス上の組織試料に投与される試薬(抗体またはプローブ)の種類に基づいて、それに割り当てられたプロトコルを有することになる。代表的なプロトコルは、各スライドガラスのための初回流体分配、さらなる流体、例えば、試料から蝋を除去するための脱ろう液の投与、エピトープ回復液の投与、その試料のための特定の試薬や種々の検出液(染料)の投与などであり、それらのすべて、あるいはいくつかは、前回の流体を除去するために、洗浄液の投与とともに散在させることができる。
【0024】
流体の投与は、特定の間隔で行われる必要がある場合がある。例えば、抗体は、洗浄される前に特定の時間の間、試料上に静置しておく必要がある。流体をあまりにも長時間放置した場合、あるいは、一定レベルの流体が補充されず、組織を乾燥させてしまった場合、組織の染色に影響を及ぼす可能性がある。また、流体がスライドガラスに投与されるべきでない時間、例えば温置(インキュベーション)時間、があるため、ロボットアーム及びディスペンサは、次のオペレーションが必要となるまでに、一定時間アイドリング状態に維持される場合もある。このように、流体の分配のタイミングは重要であり、2つ以上のバッチを同時に作動させる場合には、スケジューリング上の問題が発生する可能性がある。
【0025】
3つのトレイをすべて一度に装填する必要はない。染色アセンブリ17、18、19に、1〜10個のスライドガラスを有する第1トレイを装填して、機器を始動させることができる。いつでも他のトレイを装填することが可能で、これはバッチ工程として定義される。つまり、装置10は、スライドガラスの各トレイをバッチとして扱い、前回に装填されたバッチにおけるオペレーションが完了する前に、新たに入ってくるバッチでのオペレーションを開始することができるのである。装置10と同様にボンドマックス機器には、装填されたときに3つのバッチとなる3つのスライドガラス染色アセンブリ17、18、19があるが、ボンドマックス機器には、スライドガラス染色アセンブリのすべてのスライドガラスに流体を分配することができるディスペンサは1つだけある。よって、ボンドマックス機器では、ひとつのロボットが、すべてのバッチのスライドガラスにおけるすべての流体分配作業を担わなければならない。装置10では、後述するように、グループ流体ディスペンサ11の作業は、試薬容器15に配管された特定のバッチ流体ディペンサ30を使用することによって低減されている。
【0026】
作動中、ロボットアーム14の流体ディスペンサ11は、1つのスライドガラス染色アセンブリ17、18、19内で1つのバッチのスライドガラスのラインに沿って移動して、他のスライドガラス染色アセンブリ17、18、19に移動する前に、そのバッチのすべてのスライドガラスにおいて必要な流体の分配を担う。
【0027】
装置10では、試薬容器16は、検出試薬(接合試薬および染料)、抗体、プローブなどの試薬を有している。容量が小さいことと価値が高いこととを考慮して、これらの容器は、流体ライン及び洗浄に多くの試薬を浪費してしまうという理由により、どのディスペンサにも配管されていない。その代わり、グループ流体ディスペンサ11は、必要な試薬容器16から試薬を直接吸い出すのに用いられるピペットを備えている。図示した装置10では、30以上の異なる試薬容器16が装置10に装填されることがあり、これらは通常、9つの試薬からなる1つの検出システムを備えており、残りは、種々の抗体またはプローブである。したがって、ほとんどのスライドガラスに異なる抗体を投与することが可能である。作動中においては、混合汚染を防ぐために、異なる抗体の分配と分配の間で、グループ流体ディスペンサ11をすすぐ必要がある。そのため、ロボットアーム14は、流体を吸引する試薬容器16の1つから、流体を分配するスライドガラスに移動して、そこから、ディスペンサ・ピペットを洗浄するために洗浄ステーションに移動して、さらに別の試薬容器16に移動し、そして、新たなスライドガラスへ移動する必要がある。よって、ロボットアームは、1つのバッチで10個のスライドガラスに流体を分配するのにかなりの時間使用される可能性がある。この間、グループ流体ディスペンサが完全使用状態となるため、ロボットアーム14及びディスペンサ11から、他のバッチ上への他の流体の分配を行うことができない。装置10では、図2に示すバッチ流体ディスペンサ30が、試薬容器15からスライドガラスに試薬を分配するのに用いられる。例えば、グループ流体ディスペンサ11が、スライドガラス染色アセンブリ17のスライドガラスに抗体を分配している間、バッチ流体ディスペンサ30の1つが、別のバッチ、すなわちスライドガラス染色アセンブリ18または19、のスライドガラスに試薬を分配することができる。
【0028】
従って作動中、グループ流体ディスペンサ11は、1つのバッチにおいて各スライドガラスに試薬を分配しながら、一方で、各スライドガラス染色アセンブリ17、18、19に連設されるディスペンサ30が、それら自体のバッチにおいて端から端まで移動して試薬を分配することが可能になる。これは、必要に応じて同時に実行されても良いので、グループ流体ディスペンサ11及びロボットアームを自由にして、複数のバッチをより速やかに完了させることができる。グループ流体ディスペンサ11の分配が少ないほど、分配と分配との間に自由時間が多くなるのである。これにより、グループ流体ディスペンサ(ディスペンサ11)の使用中の時間と使用中の時間とのギャップが大きくなるにつれて新たなバッチのスケジューリングがより容易になり、すべてのスライドガラスへの分配を行うバッチディスペンサ(ディスペンサ30)によって行われるいくつかの分配が短くなるにつれて、グループ流体ディスペンサ11がいくつかの試薬を分配するのに必要な時間が短くなるであろう。従って、1回のバッチのグループ流体ディスペンサ11の作動を、別のバッチのグループ流体ディスペンサ11の作動にインターリーブ(interleave)することがより容易になり、その結果、3つのバッチを完了する時間が低減されるのである。
【0029】
バッチディスペンサ30が分配する代表的な試薬は、脱イオン水、アルコール、緩衝液、エピトープ回復液、脱ろう液などの試薬を含むものである。これらの流体は、主に2000〜5000mlの試薬容器15に保存されるため、バルク流体と呼ばれることもある。これとは対照的に、試薬容器16は、通常5〜30mlの容量である。
【0030】
本実施例では、バッチ流体ディスペンサ30は、これらが正しい位置にあるかどうかを検出するのに光センサを用いる。バッチ流体ディスペンサ30は、ステッピングモータによって作動し、1つの分配位置から次の分配位置まで、所定数だけステップするよう制御される。いったんモータが、バッチ流体ディスペンサ30を指定のステップ数だけ駆動すると、システムが光センサをチェックして、バッチ流体ディスペンサ30がスライドガラスに対して正しい位置にあるかどうかを判断する。バッチ流体ディスペンサ30が正しい位置にない場合は、それが正しい位置にあると検出されるまで、システムが、バッチ流体ディスペンサ30をトラック34に沿って移動させる。トラック34に沿って移動している間、バッチ流体ディスペンサ30は、ガイドホイール42によってトラック34に支持されている。
【0031】
装置10は、1つ、または2つ、または3つのスライドトレイを3つの染色アセンブリに装填した状態で作動することが可能である。他の装置の例では、染色アセンブリは3つに限定されるものではなく、要求される装置の処理量及びサイズに応じて、例えば、2つであっても良いし、それ以上であっても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板に流体を分配する装置であって、
1つまたは複数のサブグループ基板からなる一群の基板と、
前記一群の基板全体に流体を分配するよう構成されたグループディスペンサと、
1つまたは複数のサブグループ基板に流体を分配するよう構成された1つまたは複数の追加サブグループ流体ディスペンサと、を備える装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数のサブグループ流体ディスペンサのそれぞれが、流体を分配する対象となる前記1つまたは複数のサブグループ基板に隣接して位置する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
一群の顕微鏡用スライドガラスに試薬を投与する機器であって、
複数のスライドガラス支持体と、
第1セットの1つまたは複数の試薬容器と、
第2セットの1つまたは複数の試薬容器と、
前記第1セットの試薬容器の1つまたは複数の試薬容器から汲み出された流体を分配するグループ流体ディスペンサと、
前記第2セットの試薬容器の1つまたは複数の試薬容器から汲み出された流体を分配するバッチ流体ディスペンサと、を有する機器。
【請求項4】
前記スライドガラスが複数のバッチにグループ分けされる請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記グループ流体ディスペンサは、ロボットアームに設けられており、前記スライドガラスのすべてに試薬を分配する請求項3または4に記載の機器。
【請求項6】
前記バッチ流体ディスペンサは、ロボットアームに設けられており、前記スライドガラスのバッチの1つに流体を分配する請求項3または4に記載の機器。
【請求項7】
一群のスライドガラスに試薬を分配する方法であって、
グループ流体ディスペンサから、前記一群のスライドガラスにおけるスライドガラスに試薬を投与する工程と、
前記一群のスライドガラスが2つ以上のバッチのスライドガラスからなる場合に、複数のバッチ流体ディスペンサから、対応する複数のバッチのスライドガラスに試薬を投与する工程と、を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−524527(P2011−524527A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513821(P2011−513821)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000771
【国際公開番号】WO2009/152569
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504127832)ライカ バイオシステムズ メルボルン ピーティーワイ エルティーディー (3)
【住所又は居所原語表記】495 BLACKBURN ROAD,MOUNT WAVERLEY,VICTORIA 3149, AUSTRALIA
【Fターム(参考)】