説明

柔軟仕上剤

【構成】 (a) 特定のエステルアミド3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、(b) 特定のアルカノールアミド3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、(c) 長鎖脂肪酸又はその中和塩、(d) 特定の3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、(e) 高級アルコール又は高級モノアミン又は高級ジアミンのエチレンオキシド3〜50モル付加物及び、(f) 特定のアミド化合物或いは特定のエステル化合物から選ばれる一種又は二種以上の化合物をそれぞれ特定量含有し、pHが1〜5の範囲にある柔軟仕上剤。
【効果】 各種の繊維に対して優れた柔軟性及び弾力性を付与でき、且つ苛酷な条件での保存にも安定である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟仕上剤に関し、詳しくは各種の繊維に対して、優れた柔軟性及び弾力性(ふっくら感)を付与でき、且つ、苛酷な条件での保存にも安定な液体柔軟仕上剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、家庭用柔軟仕上剤として市販されている商品は殆どがジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロライドに代表されるような1分子中に2個の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩を主成分とした組成物である。この理由としては第4級アンモニウム塩は少量で各種繊維に対して良好な柔軟効果を有するからである。しかしながら、上記の第4級アンモニウム塩は、木綿類に対しては著しい柔軟効果を有しているが、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系などの合成繊維に対しては効果が十分とは言い難く、更に高濃度で処理すると衣料の弾力性が低下し、風合いが損なわれてしまうことがある。更に、上記第4級アンモニウム塩は疎水性が強いためすすぎ水中に投入する際、攪拌力が弱い場合は水への分散性が悪く、そのため衣料に対してムラ付きするおそれがある。また、特に低温で長期保存をする場合は、増粘したり、ゲル状になったり、分離したりすることがある。市販の柔軟剤は上記の第4級アンモニウム塩の他にポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤、電解質及び溶剤等の添加剤を配合し、水への分散性及び長期保存安定性を改良しているが、その効果は未だ不十分である。
【0003】また、従来より各種アミンを柔軟基剤とする液体柔軟仕上剤が知られている。例えば、特開昭52−59796 号公報にはメチルジ(硬化牛脂アルキル)アミンのような長鎖アルキルアミンを含有する繊維に柔軟性を付与する組成物が、特開昭58−60070 号公報にはアシル化アルカノールアミン、水溶性第4級アンモニウム塩及び脂肪酸エステルを含有する繊維に平滑性、快適な手触りを与える繊維材料仕上剤が、特開昭61−167083号公報には第4級アンモニウム化合物、高級脂肪酸とヒドロキシ低級アルキルポリアミンとの縮合反応物及びアルキルアミンポリグリコールエーテルを含有する分散性の良い柔軟剤が、特開昭61−275474号公報にはジ(高級アルキル)環式アミン及びプレンステッド酸を含有する織物処理用の安定な水性分散液が、特開昭64−85368 号公報にはジ長鎖アルキルアミン−陰イオン性界面活性剤イオン対複合体、非シリコーンロウ及び液体担体を含む柔軟化組成物が、特開平2−6662号公報にはヒドロキシ低級アルキルアルキレンジアミンと高級脂肪酸の縮合物等のアミン及び両性布地コンディショニング剤を含有する布地コンディショニング組成物が、特開平2−14076 号公報にはジ長鎖アルキルアミン−多官能カルボン酸錯体を含有する柔軟性、帯電防止性を付与する布類コンディショニング組成物が記載されている。更に、特開昭52−5394号公報にはモノ又はジ長鎖アルキルアルキレンジアミン静電気抑制剤及び第4級アンモニウム系柔軟剤を含有する布類状態調節組成物が記載されている。しかしながら、これらアミンを含有する柔軟剤は分散性、保存安定性は第4級アンモニウム塩を含有する柔軟剤に比べ比較的良いが、柔軟性能は未だ十分でない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミンを含有する柔軟剤について鋭意研究した結果、特定のエステルアミド3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、特定のアルカノールアミド3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、長鎖脂肪酸又はその中和塩、特定の3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩、高級アルコール又は高級モノアミン又は高級ジアミンのエチレンオキシド3〜50モル付加物及び、特定のアミド化合物或いは特定のエステル化合物から選ばれる一種又は二種以上の化合物をそれぞれ特定量用い、pHを1〜5に調整することにより、柔軟性に優れ、しかも衣類に弾力性(ふっくら感)を付与でき、且つ、過酷な条件下での保存にも安定な柔軟仕上剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、次の(a) 〜(f) 成分を含み、 (a)成分/〔 (b)成分+(c) 成分〕=50/50〜95/5(重量比)であり、且つpHが1〜5の範囲にある柔軟仕上剤を提供するものである。
(a) ;下記構造式(A) で示される3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩4〜30重量%
【0006】
【化5】


【0007】(式中、R1:炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基R2,R3:炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基m :1〜10n :2〜3を意味する。)
(b) ;下記構造式(B) で示される3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩0.1〜5重量%
【0008】
【化6】


【0009】(式中、R1b :炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基R2b :炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基p :1〜10q :2〜3を意味する。)
(c) ;下記構造式(C) で示される脂肪酸又はその中和塩 0.1〜3重量%R2cCOOH (C)(式中、R2c は炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基を意味する。)
(d) ;下記構造式(D-1) 又は(D-2) で示される3級アミン又はその中和塩もしく は4級塩 0.1〜10重量%
【0010】
【化7】


【0011】(式中、R4:1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はC2H4OCOR6R5:H 又はCOR6R6:炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基R7,R8:H 又はCOR6で何れか一方はCOR6であるr :1〜2を意味する。)
(e) ;炭素数8〜22の高級アルコール又は高級モノアミンもしくは高級ジアミン のエチレンオキシド3〜50モル付加物 0〜5重量%(f) ;下記構造式(F) で示される化合物或いは3〜6価の多価アルコールの炭素 数8〜22の脂肪酸とのエステル化物から選ばれる一種又は二種以上の化合 物 0〜5重量%
【0012】
【化8】


【0013】(式中、R9:炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基X :H 、CH3 又はC2H4OHY :H 、CH3 、C2H4OH、CSH2SCOOM又は CSH2SSO3Ms :1〜3M : H又は1〜2価の金属を意味する。)。
【0014】本発明の(a) 成分の(A) 式に示される3級アミン化合物の代表例は次のようにして得ることができる。該当する N−低級アルキルアルカノールアミンやジエタノールアミン等のジアルカノールアミンのシアノエチル化、水添反応等により得られる下式
【0015】
【化9】


【0016】で表される化合物を炭素数12〜22の脂肪酸と反応させることにより得ることができる。又、これらの反応の途中で副生する種々の化合物や不純物として
【0017】
【化10】


【0018】等が微量生成するが、これらが含有されていても、問題はない。3級アミン(A) から中和物を得るための酸としては塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、マレイン酸等の炭素数6以下の有機酸が挙げられるが、塩酸が最も安価で高性能である。また、中和工程は3級アミン(A) を予め中和したものを水に分散してもよいし、酸水溶液中に3級アミン(A) を液状又は固体状で投入してもよい。勿論3級アミン(A) と酸成分を同時に投入してもよい。また、3級アミン(A) の4級化物はメチルクロリドやジアルキル硫酸等を用いた公知の方法により得ることができる。
【0019】本発明の (b)成分である (B)式で示されるアミン化合物は (a)成分の (A)式で示されるアミン化合物を製造する際に同時に製造することが可能である。勿論、(b) 成分を (a)成分とは別に合成して、適当量配合して調整することもできる。又、中和塩や、4級化物も (a)成分と同様にして得ることができるし、 (a)成分と同時に中和や4級化を行ってもよい。
【0020】また、本発明の (c)成分は、 (a)成分や (b)成分を製造する時の条件を適宜調整することにより、組成物中に含有させることができ、また (c)成分を別に配合してもよい。脂肪酸の中和塩を用いる場合は、K 又はNa塩が一般的である。勿論、系中で (a)成分や (b)成分のアミン化合物と (c)成分の脂肪酸やその塩が、一部錯体を形成していてもよい。
【0021】本発明の (d)成分である前記の構造式(D-1) で示されるアミン化合物の具体例としては、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンと炭素数12〜22の脂肪酸の縮合物で、エステル結合の平均数が前者の場合は1.5 〜2.0 、後者の場合は1.4 〜2.2 のものが挙げられる。ここで用いる脂肪酸としては硬化牛脂脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、未硬化牛脂脂肪酸、部分硬化牛脂脂肪酸、オレイン酸、ステアリン酸等が好適である。また、本発明の (d)成分である前記の構造式(D-2) で示されるアミン化合物としては、
【0022】
【化11】


【0023】で表される化合物と脂肪酸の縮合物で、エステル化度が 1.5〜2.0 の範囲にあるものが好適である。(d) 成分の好ましい配合量は 0.1〜10重量%であり、特に (a)〜(c) 成分の総量に対して1〜50重量%配合することにより、柔軟性と弾力性を向上させる。この理由は明確ではないが、 (d)成分が他成分と相互作用し、衣料への吸着量を増加させるためと考えられる。また、(d) 成分として(D-1) 或いは(D-2) で表される3級アミンの中和塩又は4級塩を使用する場合は、 (a)成分や (b)成分と同時に中和反応や4級化反応を行ってもよいし、別個に反応して得ることもできる。
【0024】(e) 成分としては、より具体的には、次のものが例示される。炭素数8〜22の天然油脂由来のアルコール、例えば、ヤシ油アルキル組成アルコール、牛脂アルキル組成アルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、硬化牛脂アルキル組成アルコールや各種の合成アルコールにエチレンオキシドを3〜50モル、好ましくは5〜40モル付加させた非イオン系活性剤や、ラウリルアミンや硬化牛脂アルキル組成アミン等のモノアミンや、オレイルプロピレンジアミン等のジアミンにエチレンオキシド3〜50モル、好ましくは、5〜40モル付加させた非イオン系活性剤が使用される。本発明において、 (e)成分は0〜5重量%、好ましくは 0.2〜 3.5重量%配合される。
【0025】本発明の (f)成分の (F)式で表される化合物としては、より具体的には次のものが例示される。
【0026】
【化12】


【0027】また、 (f)成分のエステル化合物としては、次のものが例示される。グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリエタノールアミン等の3〜6価の多価アルコールのラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、硬化牛脂脂肪酸等の炭素数8〜22の長鎖脂肪酸とのエステル化合物である。エステル化合物は、すべてのOH基をエステル結合したものより、一部のOH基のみエステル化させたものの方が良好である。エステル化合物は上記の方法の他にトリグリセライドとグリセリンとのエステル交換反応によって得ることもできる。本発明において、 (f)成分は0〜5重量%、好ましくは 0.2〜 3.5重量%配合される。 (e)成分と(f) 成分は総量で組成物中に 0.2〜5重量%配合するのが好ましい。
【0028】本発明において、(a)成分と〔(b)成分+(c)成分〕の重量比は(a)成分/〔 (b)成分+(c) 成分〕=50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10である。
【0029】また、本発明の柔軟仕上剤はpHを1〜5、好ましくは 1.5〜3.0 に調整することにより、過酷な条件での保存にも安定な液体柔軟仕上剤となる。
【0030】本発明に係わる化合物を必須とする柔軟仕上剤を製品化する際、製品の粘性及びハンドリング性を考慮すると本発明に係わる化合物の総量は5〜45重量%、好ましくは6〜30重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
【0031】本発明の柔軟仕上剤を調製する際に、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を0.01〜1重量%配合することにより、柔軟仕上剤のハンドリング性が向上する。これらの金属塩としては、NaCl、Na2SO4、CaCl2 、KCl 、K2SO4 、MgCl2 等が挙げられる。
【0032】本発明の液体柔軟仕上剤は、ハンドリング性や外観の点から粘性や分散粒子の粒径が決定されるが、平均粒子径としては光散乱法により測定した値で、0.03〜1.0 μm 、好ましくは0.05〜0.5 μm がよい。また、本発明の柔軟仕上剤の粘度は、B型粘度計による25℃での測定値で、10〜200cps、好ましくは20〜100cpsである。
【0033】本発明の柔軟仕上剤に、更にジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基又はポリオキシアルキレン基で変性されたジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物、特に好ましくは部分的にポリオキシアルキレン基で変性されたジメチルポリシロキサンを配合することにより吸水性能を損なうことなく柔軟処理された衣料の肌ざわりを改良できる。これらのシリコーン化合物は0.02〜1.0 重量%配合されるのが好ましい。
【0034】また、製品の外観を良くしたり、香りを良くするために、色素や香料を配合するのが一般的である。色素としては、分子内に■SO3 基、■アミノ基又はアンモニウム基の■,■の両方を有する有機系の染料が保存安定性上好ましく、その添加量は1〜100ppm、さらに好ましくは5〜50ppm である。本発明の柔軟仕上剤に用いられる染料としては例えば次のものが例示される。
〔青色染料〕
C.I.Direct Blue1 C.I.Direct Blue2 C.I.Direct Blue6 C.I.Direct Blue15 C.I.Direct Blue41 C.I.Acid Blue 1 C.I.Acid Blue 7 C.I.Acid Blue 9 C.I.Acid Blue 15 C.I.Acid Blue 22 C.I.Acid Blue 29 C.I.Acid Blue 90 C.I.Acid Blue 104 C.I.Acid Blue 117 C.I.Acid Blue 138 C.I.Food Blue 1〔緑色染料〕
C.I.Direct green 1 C.I.Direct green 6 C.I.Direct green 28 C.I.Acid green 3 C.I.Acid green 9 C.I.Acid green 16 C.I.Acid green 20 C.I.Food green 3また、香料としては、炭化水素系の香料や官能基として
【0035】
【化13】


【0036】を有する化合物からなる香料成分を主体とするものが好ましい。特に安定な香料としては、シンナミックアルコール、フェニルエチルアルコール(β−フェニルエチルアルコール)、ターピネオール(1−メチル−4−イソプロピル−1−シクロヘキセン−8−オール)、バニリン(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)、アセチルイソオイゲノール(2−メトキシ−4−プロペニルフェニルアセテート)、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、エディオン(メチルジヒドロジャスモネート)、ゲラニルアセテート(2,6 −ジメチル−2,6 −オクタジエン−8−イルアセテート)、アルデヒドC−14ピーチ(γ−ウンデカラクトン)、ヨノン〔4−(2,6,6 −トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン〕、テンタローム(6−アセチル−1,1,3,4,4,6 −ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、クマリン(1,2 −ベンゾピロン)、セドリルメチルエーテル、パールライド(1,3,4,6,7,8 −ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8 −ヘキサメチルシクロペンタ−γ−ベンゾピラン)等が挙げられる。また、賦香率は0.05〜 2.0%が望ましい。
【0037】製品のハンドリング性や、保湿性の改良のため、炭素数1〜3の1〜3価のアルコールを10重量%以下の量配合することもできる。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0038】又、柔軟仕上剤の製品中に蛍光増白剤や消泡剤や抗菌剤を配合することはしばしばあり、本発明にも適用可能である。また、上記 (a)〜(f) 成分及び任意成分以外の残部は水である。
【0039】
【発明の効果】本発明の柔軟仕上剤は各種繊維に対して、十分な柔軟性、帯電防止性を与え、優れた弾力性を付与し、且つ苛酷な条件での保存にも安定である。さらに、本発明の柔軟成分は生分解性が良いため、環境への汚染の可能性が少ない。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例をもって詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】実施例及び比較例で用いた化合物を以下の表1〜5に示す。
【0042】
【表1】


【0043】
【表2】


【0044】
【表3】


【0045】
【表4】


【0046】
【表5】


【0047】注)
*エステル化度は分子中の平均のエステル結合の数を示す。
【0048】実施例1〜16及び比較例1〜5上記の表1〜5に示した (a)〜(g) 成分((g) 成分は任意成分である)を用いて、表7〜9に示す配合の組成物を調製した。なお、いずれの配合の場合も (a), (b) , (c) , (d) 及び(f) 成分の総量が16重量%となるようにし、すべての配合に、C.I Acid Blue 15を10ppm 、以下の表6に示す調合香料 0.2重量%を配合した。
【0049】
【表6】


【0050】<柔軟性、弾力性の評価>(1) 処理方法市販の木綿タオル2kg、アクリルジャージ1kgを 3.5°DH硬水にて市販洗剤アタック(花王株式会社製、登録商標)にて5回繰り返し洗濯(30リットル洗濯機)をし、各繊維についていた繊維処理剤を除去した後、表7〜9の配合組成物を有効成分として 1.5gを投入し、25℃、1分間攪拌下で処理した。
(2) 評価方法上記方法で処理した布を室内で風乾後、25℃、65%RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。これらの布について柔軟性、弾力性及び安定性の評価を行った。
<柔軟性及び弾力性の評価>柔軟性及び弾力性の評価は、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド15重量%からなる柔軟剤10ccで処理した布を対照にして一対比較を行った。評価は次のように表す。
+2;対照より柔らかい又は弾力性が高い+1;対照よりやや柔らかい又は弾力性がやや高い0;対照と同じ−1;対照がやや柔らかい又は対照より弾力性がやや低い−2;対照が柔らかい又は対照より弾力性が低い<安定性の評価>表7〜9に示す配合の組成物を次の条件に保存し評価した。
(1) 保存条件(イ)50℃(ロ)50℃と30℃の繰り返し (1サイクル/1日)
(ハ)−20℃と10℃の繰り返し(1サイクル/1日)
(ニ)−10℃(2) 評価○:2ケ月間外観の変化がない△:1ケ月間外観の変化がなく2ケ月後に分離又は増粘がある×:1ケ月後に分離又は増粘がある
【0051】
【表7】


【0052】
【表8】


【0053】
【表9】


【0054】注)
1) pH;原液のpH。
2) 粒径;分散粒子の平均粒子径、光散乱法にて測定、μm 。
3) 粘度;B型粘度計により測定された25℃での粘度、cps 。
【0055】表7〜9に示すように、本発明の配合物は柔軟性と弾力性を与え、且つ、十分な安定性を満足する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の(a) 〜(f) 成分を含み、 (a)成分/〔 (b)成分+(c) 成分〕=50/50〜95/5(重量比)であり、且つpHが1〜5の範囲にある柔軟仕上剤。
(a) ;下記構造式(A) で示される3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩4〜30重量%
【化1】


(式中、R1:炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基R2,R3:炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基m :1〜10n :2〜3を意味する。)
(b) ;下記構造式(B) で示される3級アミン又はその中和塩もしくは4級塩0.1〜5重量%
【化2】


(式中、R1b :炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基R2b :炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基p :1〜10q :2〜3を意味する。)
(c) ;下記構造式(C) で示される脂肪酸又はその中和塩 0.1〜3重量%R2cCOOH (C)(式中、R2c は炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基を意味する。)
(d) ;下記構造式(D-1) 又は(D-2) で示される3級アミン又はその中和塩もしく は4級塩 0.1〜10重量%
【化3】


(式中、R4:1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はC2H4OCOR6R5:H 又はCOR6R6:炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基R7,R8:H 又はCOR6で何れか一方はCOR6であるr :1〜2を意味する。)
(e) ;炭素数8〜22の高級アルコール又は高級モノアミンもしくは高級ジアミン のエチレンオキシド3〜50モル付加物 0〜5重量%(f) ;下記構造式(F) で示される化合物或いは3〜6価の多価アルコールの炭素 数8〜22の脂肪酸とのエステル化物から選ばれる一種又は二種以上の化合 物 0〜5重量%
【化4】


(式中、R9:炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基X :H 、CH3 又はC2H4OHY :H 、CH3 、C2H4OH、CSH2SCOOM又は CSH2SSO3Ms :1〜3M : H又は1〜2価の金属を意味する。)
【請求項2】 更にアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を0.01〜1重量%含有する請求項1記載の柔軟仕上剤。
【請求項3】 柔軟仕上剤中に分散する粒子の平均粒子径が0.03〜1.0 μmの範囲にある請求項1又は2記載の柔軟仕上剤。
【請求項4】 B型粘度計により測定された25℃での粘度が10〜200cpsの範囲にある請求項1〜3の何れか1項記載の柔軟仕上剤。
【請求項5】 ジメチルポリシロキサン及び/又は部分的にアミノ基又はポリオキシアルキレン基で変性されたジメチルポリシロキサンを0.02〜1.0 重量%含有する請求項1〜4の何れか1項記載の柔軟仕上剤。
【請求項6】 SO3 基と、アミノ基又はアンモニウム基とを分子内に有する有機色素を1〜100ppm含有する請求項1〜5の何れか1項記載の柔軟仕上剤。
【請求項7】 炭素数1〜3の1〜3価のアルコールを10重量%以下含有する請求項1〜6の何れか1項記載の柔軟仕上剤。

【公開番号】特開平5−195432
【公開日】平成5年(1993)8月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−6985
【出願日】平成4年(1992)1月18日
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)