説明

柔軟剤用香料組成物

【課題】煙草臭、焼肉臭等の不快な臭気に対しての防臭・消臭効果を有し、更に柔軟剤としての残香性を有する香料組成物及びそれを含む柔軟剤の提供。
【解決手段】下記成分(A)および(B)を含有し、その質量比が(A)>(B)で含有する柔軟剤用香料組成物、並びにこれを含有する柔軟剤組成物。
(A):リリアール、γ-デカラクトン、テンタローム、ムスクケトン、γ-ウンデカラクトン、α-アミルシンナミックアルデヒド、リラール、アンブロキサン、δ-デカラクトン、ラズベリーケトン、イソ・イー・スーパー及びローズフェノンから選ばれる香料成分
(B):アルデヒド C-12 MNA シッフベース、サリチル酸イソアミル、アルデヒド C-10 シッフベース、ガラクソリド、メチルイオノン、ペンタライド、アンブレッドライド、ハバノライド及びエチレンブラシレートから選ばれる香料成分

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭効果の優れた香料組成物及びそれを含有する柔軟剤組成物に関する。特に、タバコの臭いや、焼き肉臭等の調理臭に対する消臭、防臭効果に優れる香料組成物及びそれを含有する柔軟剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類用の柔軟剤組成物には、衣類を柔らかくする、静電気を防ぐなどの基本性能に加えて、抗菌効果、香りの持続性等の性能をも併せ持たせることが一般的になりつつある。例えば、特許文献1には、沸点約260℃以上であって、ClogP値(オクタノール/水の分配係)が約3以上である持続性香料組成物を含む布地軟化剤組成物が記載されている。
【0003】
更に、最近では商品的な価値観を付与する目的で、柔軟剤に対しても「審美性」、例えば透明な液色など様々な特色を付加した新しいタイプが上市されており、差別化を求めるユーザーから支持されている。
【0004】
また、抗菌効果・香りの持続性に加えて、衣類の防臭機能を付与させた商品も上市されており、特に、煙草臭、焼き肉臭などの不快な臭気に対する防臭・消臭機能へのニーズが高くなっている。例えば、特許文献2には、煙草の悪臭等を中和する特定のアルデヒドを含有させた、衣料品等の処理又は洗浄用の製品が開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの技術では、煙草臭、焼肉臭等の不快な臭気に対しての防臭・消臭効果と、柔軟剤としての残香性という要求の一方は具備するものの、他方においては十分ではなく、両方の効果を兼ね備えた柔軟剤用の香料組成物が望まれている。
【0006】
【特許文献1】特表平11-504994号公報
【特許文献2】特表平9-505500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、煙草臭、焼肉臭等の不快な臭気に対しての防臭・消臭効果を有し、更に柔軟剤としての残香性を有する香料組成物及びそれを含む柔軟剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、煙草臭、焼き肉臭などの防臭・消臭効果を有するが、残香性の異なる2群の香料成分を一定比率で配合することにより、柔軟剤処理した直後の衣類の香り、残香性はもとより、更に処理した衣類を着用した際の煙草臭などの不快な付着臭の防臭・消臭効果に優れることを見出した。
【0009】
本発明は、下記の香料成分(A)及び(B)を含有し、その質量比が(A)>(B)である柔軟剤用香料組成物を提供するものである。
【0010】
香料成分(A): リリアール(p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、γ-デカラクトン、テンタローム(6-アセチルヘキサテトラリン)、ムスクケトン、γ-ウンデカラクトン、α-アミルシンナミックアルデヒド、リラール(4-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、アンブロキサン(3α,6,6,9α-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン)、δ-デカラクトン、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン)、イソ・イー・スーパー(7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オタタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン)及びローズフェノン(酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の香料成分
【0011】
香料成分(B): アルデヒド C-12 MNA シッフベース(メチルノニルアセトアルデヒドとメチルアンスラニレートとのシッフベース)、サリチル酸イソアミル、アルデヒド C-10 シッフベース(デシルアルデヒドとメチルアンスラニレートとのシッフベース)、ガラクソリド(ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン)、メチルイオノン、ペンタライド(シクロペンタデカノリド)、アンブレッドライド(シクロヘキサデカノリド)、ハバノライド(シクロペンタデセノライド)及びエチレンブラシレートからなる群より選ばれる1種又は2種以上の香料成分
【0012】
更に本発明は、上記香料組成物を含有する柔軟剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の香料組成物及びこれを含有する柔軟剤組成物は、柔軟剤処理した直後の衣類の香り、残香性はもとより、更に処理した衣類を着用した際の煙草臭などの不快な付着臭の防臭・消臭効果に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の柔軟剤用香料組成物は、煙草、焼肉等の不快臭に対する防臭・消臭効果を有し残香性が高い香料成分(A)と煙草、焼肉等の不快臭に対する防臭・消臭効果を有するが残香性はあまり高くない香料成分(B)を含有し、かつ、その質量比を成分(A)>成分(B)としたことにより、不快臭に対し優れた防臭・消臭効果を呈するものである。
【0015】
本発明で使用する香料成分(A)は、残香性が高い香料成分である。成分(A)は、衣類に残る残香性が高いだけでなく、煙草臭・焼き肉臭等の不快臭に対するマスキング性に優れた前記特定の香料化合物群から選択される。成分(A)としては、残香性とマスキング性の兼ね合いより、特にα-アミルシンナミックアルデヒド及びリリアール(p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド)の少なくとも一方を含むことが好ましく、これらの成分を香料組成物中少なくとも10質量%、特に少なくとも20質量%含むものであることが好ましい。
【0016】
成分(A)の含有量は、不快臭に対するマスキング性の観点から、香料組成物中の90質量%以下、特に75質量%以下が好ましい。また、不快臭の消臭・防臭効果及び残香性の観点から、成分(A)全量に対し50質量%以上が単一香料成分であることが好ましい。
【0017】
本発明で使用する香料成分(B)は、残香性の低い香料成分である。成分(B)は、衣類に残る残香性は余り強くないが、この香料が衣類に付くことによって煙草臭、焼き肉臭等が低減されることが確認された前記特定の香料化合物群から選択される。特に、煙草臭・焼き肉等の不快臭を低減させる点より、有効成分としてガラクソリド(ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン)及びメチルイオノンの少なくとも一方を含むことが好ましい。これらの有効成分は、香りの種類及び強さの点から、成分(B)中に30重量%以上含まれることが好ましい。
【0018】
本発明の香料組成物中の成分(B)の含有量は、不快臭の低減の観点から、0.1〜50質量%、更には1〜40質量%、特に5〜35質量%が好ましい。
【0019】
本発明の香料組成物は、上記成分(A)残香性の高い香料成分と成分(B)残香性の低い香料成分を(A)>(B)の質量比で含有するものであるが、(A)/(B)が12/1以下、特に(A)/(B)=12/1〜3/2であることが好ましい。
【0020】
また、本発明の香料組成物中の成分(A)及び(B)の合計量は、消臭・防臭効果に優れ、かつ衣類への残香性が良好である点で、25〜95質量%、特に30〜75質量%が好ましい。
【0021】
本発明の香料組成物には、上記成分(A)及び(B)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、汎用的に用いられている香料成分を含むことができる。このような香料成分としては、例えば、アセチルイソオイゲノール、アセチルオイゲノール、アセチルセドレン、アセトフェノン、アニスアルコール、アニスアルデヒド、アネトール、アリルアミルグリコレート、アリルヨノン、アンスラニル酸メチル、安息香酸ベンジル、イオノン、インドール、オイゲノール、n-オクタナール、カロン、カンファー、ケイ皮酸ベンジル、ゲラニオール、酢酸セドリル、酢酸シンナミル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸フェニルエチル、酢酸o-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸 p-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、サリチル酸アミル、サリチル酸シクロヘキシル、サンダルマイソールコア(2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール))、シス-3-ヘキセノール、シトラール、シトロネロール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジヒドロミルセノール、ターピネオール、ダマスコン、チモール、デカナール、δ-デカラクトン、γ-デカラクトンデシルアルデヒド、テルピネオール、テルピネン、n-ノナナール、γ-ノナラクトン、2-ノネン酸メチル、バクダノール、ピネン、フェニルエチルアルコール、フェノキシ酢酸アリル、1-(2-t-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール、フルーテート(エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-イル カルボキシレート)、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸ベンジル、n-ヘキサナール、ヘキサン酸アリル、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘプタン酸アリル、ヘリオトロピン、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、ボルネオール、マイラックアルデヒド(4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキアルデハイド))、4-メチル-3-デセン-5-オール、3-メチル-3-フェニルグリシド酸エチル、3-メチル-5-フェニルペンタノール、2-メチル酪酸エチル、ライムオキサイド、酪酸エチル、リグストラール(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド)、リナロール、リモネン、スチラックスオイル、トンカビーンズ、パインオイル、ペチグレンオイル、ペッパーオイル、ペパーミントオイル、ローズマリーオイルが挙げられる。これらの香料成分の含有量は、本発明の香料組成物中の50質量%以下、特に40質量%以下、更に35質量%以下が好ましい。
【0022】
本発明の柔軟剤組成物は、上記香料組成物を0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%含有することが好ましい。
【0023】
本発明の柔軟剤組成物は、更に成分(C)として、次の一般式(1)で表されるアミン化合物、又はその塩若しくは4級化物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することが好ましい。
【0024】
【化1】

【0025】
〔式中、R1は炭素数10〜36の炭化水素基を示し、Xは−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−及び−O−から選ばれる基を示し、R2はメチレン基又は炭素数2若しくは3のアルキレン基を示し、R3及びR4は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基又はR1−[X−R2]n−を示し、nは0又は1の数を示す。〕
【0026】
一般式(1)中、R1は、炭素数12〜28、特に炭素数15〜17の炭化水素基であることが好ましく、またアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
【0027】
成分(C)としては、例えば下記一般式(1-1)又は(1-3)で表される3級アミン又はその塩、下記一般式(1-2)又は(1-4)で表される第4級アンモニウム塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。
【0028】
【化2】

【0029】
〔式中、R2、R3及びnは前記と同じ意味を示し、R5は炭素数10〜36のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6〜R8は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基を示し、X1は−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基を示し、Y-は有機又は無機の陰イオンを示す。〕
【0030】
-としては、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3の炭化水素基が置換していてもよいアリールスルホン酸イオンが挙げられ、なかでも塩化物イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換したベンゼンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0031】
化合物(1-1)及び(1-2)の中で特に好ましい化合物として、一般式(1-1-1)、(1-1-2)、(1-2-1)〜(1-2-3)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
【化3】

【0033】
〔式中、Y-は前記と同じ意味を示し、R9は炭素数13〜35、好ましくは15〜21、更に好ましくは17〜19のアルキル基又はアルケニル基を示し、R10〜R12はメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはメチル基又はヒドロキシエチル基を示し、R13は炭素数16〜36、好ましくは18〜36、更に好ましくは30〜36のアルキル基又はアルケニル基を示し、gは1〜3の数を示す。〕
【0034】
化合物(1-3)及び(1-4)の中で特に好ましい化合物として、一般式(1-3-1)〜(1-3-3)、(1-4-1)〜(1-4-3)で表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化4】

【0036】
〔式中、Y-は前記と同じ意味を示し、R14は炭素数11〜21、好ましくは11〜17、更に好ましくは15〜17のアルキル基又はアルケニル基を示し、hは2又は3の数を示し、R15はメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基又はR14−CONH−(CH2)h基を示し、R16はメチル基又はエチル基を示す。〕
【0037】
化合物(1-1)及び(1-3)は、無機又は有機の酸で中和された塩であってもよい、また塩として使用する場合は、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物にあらかじめ化合物(1-1)又は(1-3)を配合した後、そのアミノ基を酸剤で中和してもよい、中和のための酸としては塩酸、リン酸、硫酸、グリコール酸、クエン酸、炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0038】
本発明の柔軟剤組成物中の成分(C)の含有量は、3〜40質量%、特に5〜35質量%が好ましい。
【0039】
本発明の柔軟剤組成物には、成分(C)に加え、更に次の成分(D)を併用することが好ましい。
【0040】
成分(D): 分子内に炭素数8〜36、好ましくは炭素数14〜36のアルキル基又はアルケニル基等の炭化水素基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M(M:対イオン)を有するアニオン界面活性剤〔成分(D-1)〕、及び/又は炭素数12〜21、好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸又はその塩類〔成分(D-2)〕から選ばれる1種以上
【0041】
成分(D-1)の具体例としては、アルキル基又はアルケニル基が上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α-スルホ脂肪酸、α-スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が挙げられる。これらの中でも特に炭素数12〜36のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数12〜16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)ベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
【0042】
成分(D-2)の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸又はこれらの混合物が挙げられ、特にラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸が良好である。また、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂から誘導されるアルキル組成を有する脂肪酸又はそれらの塩も好ましい。塩として使用する場合には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルカノールアミン塩が好ましく、特にナトリウム塩、アルカノールアミン塩が好ましい。
【0043】
成分(D-1)を含む場合には、成分(C)と成分(D-1)の関係は、モル比で成分(C)/成分(D-1)=99/1〜40/60、好ましくは95/5〜50/50、より好ましくは90/10〜55/45、更に好ましくは80/20〜65/35である。また成分(D-2)を含む場合には、成分(C)と成分(D-2)の関係は、質量比で成分(C)/成分(D)=99.8/0.2〜70/30、好ましくは99.5/0.5〜75/25、更に好ましくは99/1〜80/20である。
【0044】
本発明の柔軟剤組成物は、貯蔵安定性の点から、上記成分(C)及び成分(D)に加え、更に成分(E)として、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。非イオン界面活性剤としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドから選ばれる1種以上が好ましく、特に一般式(2)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
【0045】
【化5】

【0046】
〔式中、R17は炭素数8〜28、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R18は炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基を示し、iは2〜100、好ましくは5〜80、特に好ましくは8〜60の数を示し、Uは−O−、−CON<、−CONH−又は−N<を示し、Uが−O−又は−CONH−である場合、jは1であり、Uが−CON<又は−N<である場合jは2である。〕
【0047】
一般式(2)で表される化合物の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。
【0048】
【化6】

【0049】
〔式中、R17は前記と同じ意味を示し、pは8〜100、好ましくは10〜60の数を示し、
qは4〜100、好ましくは6〜60の数を示し、r、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜40、好ましくは5〜40の数を示し、r+s+t+uは5〜60、好ましくは5〜40の数を示す。エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム及びブロック付加のいずれでもよい。〕
【0050】
本発明の柔軟剤組成物中の成分(E)の含有量は、安定性の点から、0.2〜10質量%、特に0.5〜8質量%が好ましい。
【0051】
また、本発明の柔軟剤組成物には、更に成分(F)として、無機塩を含有させることができる。好適な具体例としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムから選ばれる1種以上が挙げられる。これら無機塩の含有量は、柔軟剤組成物中の0〜5質量%、特に0.0005〜4質量%が好ましい。
【0052】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵後の色や匂いを改善するために、通常知られている金属封鎖剤又は酸化防止剤を含有させることができる。金属封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩に代表されるアミノカルボン酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩に代表される無機リン化合物、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸塩やポリホスホン酸塩、フィチン酸に代表される有機リン化合物を挙げることができる。酸化防止剤としては、1,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール及び2(3)-ブチル-4-オキシアニソール等が挙げられる。これら金属封鎖剤及び酸化防止剤の含有量は、成分(C)に対して0.00001〜1質量%、特に0.001〜0.1質量%が好ましい。
【0053】
本発明の柔軟剤組成物には、長期保存安定性を向上し、柔軟性能低下を抑制するため、多価アルコールの脂肪酸エステルを更に配合することができる。多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、好ましくは糖エステル、エチレングリコールエステル、ペンタエリスリトールエステル、グリセリンエステル等が例示される。この場合において、エステルを構成する脂肪酸としては、例えば、硬化牛脂脂肪酸、パームステアリン酸、オレイン酸、牛脂脂肪酸、未硬化パーム油由来脂肪酸、ステアリン酸、ラウリン酸、大豆脂肪酸由来の脂肪酸が挙げられる。
【0054】
多価アルコールの脂肪酸エステルの好ましい例としては、エチレングリコールステアレート、炭素数12〜22の飽和及び不飽和脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリグリセリド、ペンタエリスリトールステアレート、ソルビタンモノ-、ジ-、及びトリエステル(ただし、ソルビタンエステル中のアシル基は炭素数12〜22)が挙げられる。また、ポリグリセリドやソルビタンエステルのエチレンオキシド(5〜50モル)付加物などが挙げられる。多価アルコールの脂肪酸エステルの含有量は、本発明の柔軟剤組成物中の0〜10質量%、更には0.1〜5質量%、特に0.1〜1質量%が好ましい。
【0055】
本発明の柔軟剤組成物には、更にジメチルポリシロキサン、部分的にアミノ基又はポリオキシアルキレン基で変性されたジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物、特に好ましくは部分的にポリオキシアルキレン基で変性されたジメチルポリシロキサンを含有させることにより、吸水性能を損なうことなく柔軟処理された衣料の肌触りを改良できる。これらのシリコーン化合物の含有量は、本発明の柔軟剤組成物中の0.3〜0.5質量%が好ましい。
【0056】
本発明の柔軟剤組成物には、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール及びプロピレングリコールから選ばれる溶剤を配合してもよい。組成物中に0〜20質量%、特に0.5〜10質量%配合することができる。なお、エタノールを使用する場合は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩変性エタノールや8-アセチル化庶糖変性エタノールを使用することが望ましい。
【0057】
本発明の柔軟剤組成物には、柔軟仕上げ基剤として既知の非イオン或いはカチオン化合物、長鎖アルコール等を併用してもよい。また、製品の外観のために顔料又は染料を、仕上がりの白さのために蛍光増白剤を、或いは製造時及び輸送時やハンドリング時の消泡のために消泡剤を配合することもできる。
【0058】
本発明の柔軟剤組成物には、好ましい外観にするため、logP値が-2.0〜3.0の有機溶剤を含有させることができる。更に好ましい外観及び貯蔵安定性の点から、logP値が0.5〜3.0、特に1.0〜1.9である有機溶剤を用いることが好ましい。ここで好ましい外観とは、柔軟剤組成物の均一な分散状態又は透明な状態をいい、本発明では特に審美的に好ましい透明な状態をいう。
【0059】
logP値とは、有機化合物の水と1-オクタノールに対する親和性を示す係数であり、1-オクタノール/水の分配係数Pは、1-オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告されており、Daylight Chemical Information Systems, Inc.(Daylight CIS)などから入手しうるプログラム“CLOGP”で計算できる。またDaylight CISのデータベースには多くの値が掲載されている。
【0060】
“CLOGP”は、Hansch Leoのフラグメントアプローチにより算出される計算logP(ClogP)の値を算出するプログラムである。ここでフラグメントアプローチは、化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4C. Hansch, P. G. Sammens, J. B Taylor and C.
A. Ramsden, Eds., P.295, Pergamon Press, 1990)。
【0061】
このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logP値の実測値があればそれを、無い場合にはプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いる。このようなlogP値を有する有機溶剤としては、下記式(3)、式(4)及び式(5)で表される化合物が好適である。
【0062】
【化7】

【0063】
〔式中、R19は炭素数4〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基を示す。〕
【0064】
【化8】

【0065】
〔式中、R20及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、R23CO-(R23は炭素数1〜3のアルキル基)で示される基又は炭素数1〜7の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基を示し、R21は炭素数2〜9の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基を示し、kは1〜5の数を示す。〕
【0066】
【化9】

【0067】
〔式中、R24は、炭素数3〜8のアルキル基を示し、R25及びR26は水素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【0068】
好ましい化合物の具体例としては、n-ブタノール、イソブタノール、2-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ノナン-1,6-ジオール、ノナン-1,9-ジオール、2-メチルオクタン-1,8-ジオール、2-ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2-(2-メチル)プロポキシエタノール、ジエチレングリコールモノ-2-メチルプロピルエーテル、2-プロポキシ-1-プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、2-ブトキシ-1-プロパノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2-t-ブトキシ-1-プロパノール、2-フェノキシ-1-プロパノール、3-ジメチル-3-メトキシ-1-プロパノール、1,3-ジメチルブチルグリセリルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール又は2,4-ジメチル2,4-ペンタンジオールが挙げられる。
【0069】
これら有機溶剤の含有量は、本発明の柔軟剤組成物中の0.5〜40質量%、更には1〜35質量%、特に5〜30質量%が好ましい。
【0070】
本発明の柔軟剤組成物は、水で希釈した水溶液の形態であり、使用する水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水又は次亜塩素酸ナトリウムを0.00002〜0.0005質量%添加したイオン交換水が好ましい。貯蔵安定性の点で、水は組成物中に30〜95質量%、更に50〜85質量%含有することが好ましい。
【0071】
更に、本発明の柔軟剤組成物は、貯蔵安定性の点から、組成物の20℃におけるpHが、2〜8.5、更には2〜7、特に2〜6であることが好ましい。
【0072】
前記香料組成物と成分(C)を含む柔軟剤組成物の製造方法としては、水に、必要に応じて、非イオン界面活性剤及びエタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる溶剤を溶解させ、40〜70℃、好ましくは45〜65℃に加熱昇温し、その後成分(C)、必要に応じてアニオン界面活性剤、logPが-2.0〜3.0の有機溶剤、飽和又は不飽和脂肪酸又はその塩、無機塩及び飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を添加して攪拌混合し、酸で所定のpHに調整し、香料を配合し、冷却した後にその他の成分を添加する方法が貯蔵安定性の点から好ましい。また、脂肪酸又はその塩を配合するときは、あらかじめ成分(C)と混合しておくことが好ましい。
【実施例】
【0073】
実施例1 香料組成物の調製
表1に示す成分(A)、成分(B)及びその他の香料成分を混合して香料組成物とした。試料が粉末あるいは粘度の高いものである場合は、適宜熱を加えて溶解させた。なお、成分(C)としては、以下の(C-1)〜(C-3)を用いた。
【0074】
(C-1):ステアリン酸/パルミチン酸を50/50(質量比)で混合した混合脂肪酸とN-(3-アミノプロピル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアミンとを、脂肪酸/アミン=1.9/1(モル比)で通常の方法により脱水縮合反応させて得られたN-(3-アルカノイルアミノプロピル)-N-(2-アルカノイルオキシエチル)-N-メチルアミン及びN-(3-アルカノイルアミノプロピル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアミン、並びに未反応脂肪酸を80/15/5(質量比)で含む混合物
【0075】
(C-2):ステアリン酸とN-(3-アミノプロピル)-N,N-ジメチルアミンとを、モル比1/1で通常の方法により脱水縮合反応させて得られたN-(3-アルカノイルアミノプロピル)-N,N-ジメチルアミンとステアリン酸の混合物〔組成比99/1(質量比)〕
【0076】
(C-3):未硬化パーム脂肪酸とトリエタノールアミンとを、モル比1.6/1で通常の方法により脱水縮合反応させた後、この化合物をジメチル硫酸を用いてアルキル化して得られたN,N-ビス(2-アルカノイルオキシエチル)-N-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N-(2-アルカノイルオキシエチル)-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N,N-トリス(2-アルカノイルオキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N,N-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N-ビス(2-アルカノイルオキシエチル)-N-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミンのメチル硫酸塩及びN,N,N-トリス(2-アルカノイルオキシエチル)-N-メチルアミンのメチル硫酸塩、並びに未反応脂肪酸を55/10/7/2/21/5の質量比で含む混合物(なお、アルキル化時の反応溶媒はエタノールを使用し、合成品中のエタノール含有量は10質量%である)
【0077】
【表1】

【0078】
実施例2
〔柔軟剤の調製方法〕
300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の90質量%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。1つの羽根の長さが2cm、幅0.8cmの攪拌羽根が、傾斜角度45℃で3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(200rpm)、所要量のエタノールを添加し、次に加熱溶融させた成分(C)を添加した。塩化カルシウム又は塩化ナトリウムを添加する場合には、成分(C)を添加した後に添加した。また、脂肪酸を添加する場合には、あらかじめ成分(C)と加熱溶融した状態で混合し、均一な溶融液を調製して添加した。そのまま5分間攪拌後、10%塩酸水溶液と10%水酸化ナトリウム水溶液で所定のpHに調整した。次に出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水を添加した。その後、香料組成物を添加し、10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら(80rpm)、30℃まで冷却して、表2に示す柔軟剤組成物を調製した。
【0079】
【表2】

【0080】
〔評価方法〕
1.柔軟剤処理・脱水後における未乾燥及び乾燥後の衣類に残る香りの評価
新品のブラウス(アクリル60%、ポリエステル20%、ナイロン20%)3枚、バスタオル(綿100%)2枚、Tシャツ(綿100%)2枚を市販の弱アルカリ洗剤(花王(株),アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝(株),2槽式洗濯機VH-360S1、洗剤濃度0.0667質量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間)。その後、洗浄液を排水し、3分間脱水後、30Lの水道水を注入して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水を行った。その後、再度30Lの水道水を注入し、同様にすすぎ及び脱水を行った。この操作をもう一度繰り返した後、表2に示す配合の柔軟剤組成物を添加し、5分間攪拌した。柔軟剤の添加量は、10mLとした。
その後、脱水し、濡れた衣類の香りの強さ、及びこれを自然乾燥した衣類に残った香りの強さを、10人の専門パネラーにより評価した。評価は、以下に示す基準に従って行い平均値で示す。平均値が3以上のサンプルは望ましい香りの強さを満たしており、4以上では更に望ましい強さである。
【0081】
5:かなり強く匂う
4:強く匂う
3:あきらかに匂う
2:かすかに匂う
1:ごくわずかに匂う
0:匂わない
【0082】
2.香りの質に関する評価
乾燥した衣類の香りの清潔な又は柔らかい感じについて、専門パネラー10人によりそれぞれ評価した。清潔な又は柔らかい香りと評価した人数が6以上8人以下では望ましい香りの質を満たしており、9人以上では更に望ましい質を満たしているといえる。
【0083】
3.煙草臭及び焼き肉臭に対する防臭・消臭性の評価
上記1に示す方法によって柔軟剤で処理したTシャツを自然乾燥させた。その乾燥した衣類に煙草又は焼き肉の臭いを付けて、香りによるマスキング性を評価した。
【0084】
(煙草臭)
1.5m四方、高さ2mのステンレス製の密閉型ボックス内に処理したTシャツをハンガーで吊す。ボックスを密閉後、喫煙者にマイルドセブン1本を5分程度掛けて喫煙してもらう。その後5分程度燻煙し、ボックスから取りだし、その直後と1時間後の煙草臭の強さを評価する。
【0085】
(焼き肉臭)
19.8m2、高さ2mの室内に処理したTシャツをハンガーで吊す。部屋を密閉後、1時間にわたって肉を焼く。直後と1時間後の焼き肉臭の強さを以下に示す基準に従って評価し、平均値で示す。平均値が3以上4未満では防臭効果が高く、4以上では特に防臭効果が高いといえる。
【0086】
5:煙草臭/焼き肉臭が気にならない
4:煙草臭/焼き肉臭が少し気になる
3:煙草臭/焼き肉臭が気になる
2:煙草臭/焼き肉臭が強い
1:煙草臭/焼き肉臭がかなり強い
0:煙草臭/焼き肉臭しか匂わない
【0087】
〔評価の結果〕
以上の評価の結果を、表3に示す。
【0088】
【表3】

【0089】
本発明品1〜17は、いずれも脱水布、乾燥布における残香性が優れている。また柔軟剤処理を行った衣類の乾燥布における香りの質において、柔軟剤として求められる質である「清潔感」、「柔らかさ」の項目においても高い評価が得られた。更に煙草臭・焼き肉臭の防臭・消臭性においても付着直後、1時間後双方の場面で高い効果が得られることが確認できた。
【0090】
一方、比較品1〜6においては衣類の香りの強さ、乾燥布の香りの質、防臭・消臭効果のすべてが満足できる結果であるものはなく、低い評価しか得られなかった。このことから香料成分(A)、(B)の双方が含まれていることにより柔軟剤の香りとして重要である、「清潔感」及び「柔らかさ」を兼ね備え、かつ防臭効果が高い香りを創作することが可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の香料成分(A)及び(B)を含有し、その質量比が(A)>(B)である柔軟剤用香料組成物。
香料成分(A): リリアール(p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、γ-デカラクトン、テンタローム(6-アセチルヘキサテトラリン)、ムスクケトン、γ-ウンデカラクトン、α-アミルシンナミックアルデヒド、リラール(4-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、アンブロキサン(3α,6,6,9α-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン)、δ-デカラクトン、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン)、イソ・イー・スーパー(7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オタタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン)及びローズフェノン(酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニル)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の香料成分
香料成分(B): アルデヒド C-12 MNA シッフベース(メチルノニルアセトアルデヒドとメチルアンスラニレートとのシッフベース)、サリチル酸イソアミル、アルデヒド C-10 シッフベース(デシルアルデヒドとメチルアンスラニレートとのシッフベース)、ガラクソリド(ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン)、メチルイオノン、ペンタライド(シクロペンタデカノリド)、アンブレッドライド(シクロヘキサデカノリド)、ハバノライド(シクロペンタデセノライド)及びエチレンブラシレートからなる群より選ばれる1種又は2種以上の香料成分
【請求項2】
成分(A)が、α-アミルシンナミックアルデヒド及びリリアール(p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド)の少なくとも一方を香料組成物中10質量%以上含むものである請求項1記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項3】
成分(A)中の50質量%以上が単一香料である請求項1又は2記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項4】
成分(A)/成分(B)の質量比が12/1以下である請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項5】
成分(A)及び(B)の合計量が、香料組成物中の25〜95質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項6】
成分(A)がα-アミルシンナミックアルデヒド及びリリアール(p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド)の少なくとも一方を香料組成物中20質量%以上含み、かつ成分(B)が有効成分としてガラクソリド(ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン)及びメチルイオノンの少なくとも一方を含む請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の香料組成物を含有する柔軟剤組成物。
【請求項8】
更に成分(C)として、下記一般式(1)
【化1】

〔式中、R1は炭素数10〜36の炭化水素基を示し、Xは−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−及び−O−から選ばれる基を示し、R2はメチレン基又は炭素数2若しくは3のアルキレン基を示し、R3及びR4は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基又はR1−[X−R2]n−を示し、nは0又は1の数を示す。〕
で表されるアミン化合物、又はその塩若しくは4級化物から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項7記載の柔軟剤組成物。

【公開番号】特開2006−124884(P2006−124884A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316591(P2004−316591)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】