説明

柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル、及び前記容器を冷却するための方法

柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル(1)は、少なくとも1つの回転式プラットフォーム(2)と、このプラットフォーム(2)上に位置し、その各々が容器握持手段を有する容器用の複数のステーション(3)と、プラットフォーム(2)を支持するためのシャフト(5)とを具備する。新しい独創的な手法で、スター(1)は、容器のすでに密封された部分を冷却するための手段を具備する。柔軟性容器を冷却するための方法は、容器を搬送するステップと同時に柔軟性容器を強制的に冷却するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル(transfer star−wheel)、及びこの容器を冷却するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、柔軟性容器の製造及び充填の分野では、前もって形成された容器をできるだけ短時間に搬送、及び冷却するという特に重大な必要性がある。
【0003】
一般に、柔軟性容器は、通常ポリエチレン(PE)製の袋と、流出口とを含む。この流出口は、容器内に保持された製品、例えば酒類、フルーツジュースまたはその他の飲料を流出させることができる。
【0004】
この種の柔軟性容器は、開口を有する袋を先に形成し、流出口の一部を開口に挿入してから、この流出口の一部を密封により袋内に固定してなる。
【0005】
具体的には、密封作業は、前記開口の端部に対して、加熱手段によって行われる。この加熱手段は、端部自身の部分的な溶解を生じさせることにより、袋に挿入された流出口の一部に端部を付着させる。
【0006】
本分野において特に重大かつ未解決の問題は、袋の製造についての材料の結晶化を防ぎ、その機械的耐性を向上させるために、密封領域を冷却する必要性である。
【0007】
第2に、製造サイクルの効率におけるいかなる負の影響をも避けるために、前記冷却作業をできる限り短時間で完了させる必要性がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明の目的は、上記の欠点を解消し、容器加工用のラインの生産性に負の影響を与えずに稼動することができる、柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル及び上記の容器を冷却するための方法を利用可能にすることである。
【0009】
本発明の別の目的は、製造サイクルを最適化することができる容器の冷却方法を提案することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、合理的、高信頼、かつ経済的な技術的解決策の範囲内で上記の結果を得ることである。
【0011】
前記目的は、本発明の、柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル、及び上記容器を冷却するための方法により完全に達成される。これらは、以下に述べる請求項の内容によって特徴付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
これらの及びその他の特徴は、添付の図表において非限定的な例を用いてのみ説明される、好適な実施形態についての以下の記述からさらに容易に明らかになるであろう。
【0013】
図1を特に参照すると、本発明による搬送スターホイルは、その全体が番号1で示されており、回転式プラットフォーム(revolving platform)2を具備する。この回転式プラットフォーム2は、柔軟性容器または袋用の複数のステーション(station)3を備えており、これら複数のステーションのそれぞれには、容器握持手段が設けられている。
【0014】
具体的には、回転式プラットフォーム2は、支持回転シャフト5に一体的に連結されている。
【0015】
搬送スターホイル1は、全く新しい独創的な手法で、容器のすでに密封された部分を冷却するための手段を具備する。
【0016】
好ましい実施形態では、袋の上記部分を冷却するための手段は、冷却すべき上記部分に接近して接触する一対の顎部(jaws)9、10を具備する。
【0017】
前記冷却手段は、顎部9、10に冷却液を配送するための導管6と、前記液を戻すための導管7と、前記液が顎部と熱的な相互作用をした後に冷却液を排出するための導管8と、をさらに具備する。
【0018】
好ましい実施形態では、配送導管6及び戻り導管7は、回転式プラットフォーム2の支持シャフト5内に部分的に収容されている。具体的には、配送導管6と戻り導管7との双方は、支持シャフト5の外部に位置する可撓性管状体6a、7aにより規定された少なくとも一部分を含む。
【0019】
図示の実施例では、可撓性管状体6a、7aは、顎部に直接連結されている。
【0020】
図1を特に参照すると、第1の顎部9は固定されている一方、第2の顎部10は、第1の顎部から離れた状態で移動可能である。これにより、容器の密封部分を、これらの顎部の間に挿入することが可能になる。
【0021】
好ましい実施形態では、顎部9、10のそれぞれは、容器の密封された部分の凸面に対して相補的な形状を有する略凹面の凹部を持つ。前記凸面は、従来技術において説明したように、容器の密封された端部の間に埋め込まれた流出口4の存在により規定される。
【0022】
スターホイル1は、第2の顎部10を作動させる手段を具備する。この手段は、第2の顎部10を、第1の顎部9から離れるように移動させる。
【0023】
この好ましい図示された実施形態では、前記作動手段は、複数のロッド状要素11、12、13を具備している。これら複数のロッド状要素11、12、13は、略関節式の四角形を形成するように、物理運動学的に相互に連結している。具体的には、ロッド状要素11、12は、固定顎部9に一体的に連結した付属物30にヒンジ結合されている。一方、第2の顎部10は、上記ロッド状要素11、12、13のうちの少なくとも1つに連結される。
【0024】
作動手段は、回転式プラットフォーム2上の支持シャフト5から予め設定された距離に位置する支持ガイド15に沿って往復運動をするように、摺動自在に移動可能なカーソル(cursor)14をさらに具備する。
【0025】
さらに、前記ロッド状要素11、12、13のいずれかに(具体的には、番号13で示されるロッド状要素13に)連結した第1の端部16aと、カーソル14に連結した第2の端部16bとを有する連結ロッド16が存在する。
【0026】
第2の顎部10の作動手段は、回転式プラットフォーム2の支持シャフト5のまわりに位置する第2のガイド17をさらに具備しており、このガイド内には、カーソル14に枢動可能に係合されたローラ18がはめ込まれている。ガイド17は、実質上、強制弁開閉機構(desmodronic)ガイドである。
【0027】
この好ましい図示された実施形態では、容器握持手段は、鋏(pincer)19を具備する。この鋏19は、支持ガイド15上に取り付けられ、回転式プラットフォーム2上の支持シャフト5から予め設定された距離に位置している。
【0028】
具体的には、スターホイル1は、鋏19のそれぞれを、回転式プラットフォーム2の略周方向に移動させる手段を具備する。
【0029】
図1から図5を特に参照すると、鋏19のそれぞれを周方向に移動させる手段は、鋏の枠(frame)21用の滑席(sliding seat)20と、円盤体22とを具備している。この円盤体22は、支持シャフト5に連結され、実質上カムを形成する溝23を有する。
【0030】
鋏19のそれぞれを移動させる手段は、鋏の枠21に連結され、円盤体22に設けられた溝23に摺動自在に収容されたローラ24をさらに具備する。
【0031】
本発明の動作は、以下のとおりである。
【0032】
形成ステーション及び密封ステーションから、鋏19によって容器が拾い上げられる。
【0033】
次に、プラットフォーム2の回転と、これと同時の溝23内における各鋏の枠21のローラ24の摺動とによる作用により、鋏19は、支持シャフト5に向かって、周方向の後方に移動する。このようにして、容器の密封された部分は、直ちに、固定顎部9に接触するようになる。
【0034】
同時に、鋏が容器をつかめるように初期状態において固定顎部9から離れている可動顎部10は、支持ガイド15に沿ったカーソル14の垂直上方への移動の作用により、固定顎部に接近する。
【0035】
カーソル14の前記移動は、プラットフォーム2の回転と、これと同時の強制弁開閉機構型であるガイド17内部のローラ18の摺動と、により引き起こされる。
【0036】
図1を特に参照すると、カーソル14の移動は、連結ロッド16を上方に押圧し、ロッド状要素11、12、13により構成された関節式の四角形の回転を制御する。
【0037】
可動顎部10は、強制弁開閉機構ガイド17を適切に配置して、カーソル14の移動方向を逆にするだけで、離れるように移動させられる。
【0038】
容器の密封された部分を顎部9、10の間に位置付けた後、これらの顎部内を循環する冷却液が顎部と熱的相互作用をして、前記密封された部分を冷却する。
【0039】
冷却液は、配送導管6、6aを通じて顎部に送られ、そこから戻り導管7、7a中を流れて排出導管8へと送られる。
【0040】
本発明の柔軟性容器を冷却するための方法は、容器の形成及び密閉のために第1のステーションの出力に容器を集めるステップと、柔軟性容器を前記第1のステーションから第2の加工ステーションへ搬送するステップと、を含む。
【0041】
全く新しい独創的な手法で、この方法は、容器を搬送するステップと同時に柔軟性容器を強制的に冷却するステップを含むことを特徴とする。
【0042】
具体的には、この冷却ステップは、好ましくは約12℃〜20℃の範囲の温度の水である冷却液との非直接的な熱交換によって発生する。
【0043】
本発明は重要な利点をもたらす。
【0044】
まず第1には、本発明による搬送スターホイル及び方法は、設備の生産性の最適化を可能にする。
【0045】
本発明の別の利点は、密封された部分を冷却するので、ポリエチレンの結晶化を防ぐことができ、それにより容器の機械的な特性を向上させて容器の完全性を守るという事実により与えられる。
【0046】
有益に、本発明による搬送スターホイルは、極めて合理的かつ高信頼性な手法により、柔軟性容器の冷却の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイルの正面断面図
【図2】図1に示した搬送スターホイルに関連する構成要素の3つの異なる動作形態における3つの図の1つ
【図3】図1に示した搬送スターホイルに関連する構成要素の3つの異なる動作形態における3つの図の1つ
【図4】図1に示した搬送スターホイルに関連する構成要素の3つの異なる動作形態における3つの図の1つ
【図5】図4に示した構成要素の側面図
【図6】図1に示した搬送スターホイルの構成の詳細の側面図
【図7】図1に示した搬送スターホイルの平面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性容器に特に適用される搬送スターホイル(1)であって、
少なくとも1つの回転式プラットフォーム(2)と、
前記プラットフォーム(2)上に位置し、その各々が容器握持手段を有する前記容器用の複数のステーション(3)と、
前記回転式プラットフォーム(2)を支持するためのシャフト(5)と、
前記容器のすでに密封される部分を冷却するための手段と、
を具備することを特徴とする搬送スターホイル。
【請求項2】
前記容器のすでに密封される部分を冷却するための前記手段は、
前記容器の前記部分を握持するための少なくとも一対の顎部(9、10)と、
前記顎部(9、10)の少なくとも1つに冷却液を配送するための少なくとも1つの導管(6、6a)と、
前記顎部(9、10)から冷却液を戻すための少なくとも1つの導管(7、7a)と、
少なくとも1つの顎部(9、10)と熱的に相互作用をした後の冷却液を排出するための少なくとも1つの導管(8)と、を具備する、
ことを特徴とする請求項1記載の搬送スターホイル。
【請求項3】
前記一対の顎部(9、10)は、第1の固定顎部(9)と、第2の顎部(10)とからなり、前記第2の顎部(10)は、前記第1の顎部から離れるように移動することにより、容器の密封された部分を前記顎部(9、10)の間に挿入することができる、
ことを特徴とする請求項2記載の搬送スターホイル。
【請求項4】
前記第2の顎部(10)が前記第1の顎部から離れて移動するように、前記第2の顎部を作動させるための手段、を具備する、
ことを特徴とする請求項3記載の搬送スターホイル。
【請求項5】
前記作動手段は、
略関節式の四角形を形成するように物理運動学的に相互に連結する複数のロッド状要素(11、12、13)と、
前記回転式プラットフォーム(2)上の支持シャフト(5)から予め設定された距離に位置する支持ガイド(15)に沿って往復運動をするように、摺動自在に移動可能な少なくとも1つのカーソル(14)と、
付属物(30)に枢動可能に結合された前記ロッド状要素(11、12、13)の少なくとも1つに連結する第1の端部(16a)と、前記カーソル14に連結する第2の端部(16b)とを有する少なくとも1つのロッド(16)と、
実質上カムとして働き、前記回転式プラットフォーム(2)の前記支持シャフト(5)のまわりに位置し、前記カーソル(14)に枢動可能に係合されるローラ(18)により能動的に作動する第2のガイド(17)と、を具備し、
前記ロッド状要素(11、12、13)のうちの2つは、前記固定顎部(9)に一体的に連結する前記付属物(30)に枢動可能に結合され、前記第2の顎部(10)は、前記ロッド状要素(11、12、13)の少なくとも1つに連結されている、
ことを特徴とする請求項4記載の搬送スターホイル。
【請求項6】
前記配送導管(6、6a)及び前記戻り導管(7、7a)は、前記回転式プラットフォーム(2)の前記支持シャフト(5)内に、少なくとも部分的に収容されている、
ことを特徴とする請求項2記載の搬送スターホイル。
【請求項7】
前記配送導管(6、6a)は、前記回転式プラットフォーム(2)の前記支持シャフト(5)の外部に位置する可撓性管状体(6a)により、少なくとも部分的に規定される、 ことを特徴とする請求項6記載の搬送スターホイル。
【請求項8】
前記戻り導管(7、7a)は、前記回転式プラットフォーム(2)の前記支持シャフト(5)の外部に位置する可撓性管状体(7a)により、少なくとも部分的に規定される、 ことを特徴とする請求項6記載の搬送スターホイル。
【請求項9】
前記握持手段は、前記回転式プラットフォーム(2)上の前記支持シャフト(5)から予め設定された距離に位置する少なくとも1つの鋏(19)を具備する、
ことを特徴とする請求項1記載の搬送スターホイル。
【請求項10】
鋏(19)のそれぞれを周方向に移動させるための手段を具備する、
ことを特徴とする請求項9記載の搬送スターホイル。
【請求項11】
鋏(19)のそれぞれを周方向に移動させるための前記手段は、
前記鋏(19)の枠(21)用の少なくとも1つの滑席(20)と、
前記支持シャフト(5)に連結され、実質上カムを形成する少なくとも1つの溝(23)を有する円盤体(22)と、
前記鋏(19)の前記枠(21)に連結され、前記円盤体(22)上に設けられる前記溝(23)に摺動自在に収容される少なくとも1つのローラ(24)と、を具備する、
ことを特徴とする請求項10記載の搬送スターホイル。
【請求項12】
配送導管(6、6a)及び戻り導管(7、7a)は、前記顎部(9、10)の少なくとも1つに直接的に連結される、
ことを特徴とする請求項2記載の搬送スターホイル。
【請求項13】
柔軟性容器を冷却するための方法であって、
容器の形成及び密封のために、第1のステーションの出力に柔軟性容器を集めるステップと、
前記柔軟性容器を、前記第1のステーションから第2の加工ステーションへ搬送するステップと、
前記容器を搬送する前記ステップと同時に、前記柔軟性容器を強制的に冷却するステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記冷却ステップは、冷却液との非直接的な熱交換によって発生する、
ことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記冷却液は、約12℃〜20℃の範囲の温度の水である、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
柔軟性容器の一部を密封することにより柔軟性容器を形成するための少なくとも1つのスターホイルと、
前記柔軟性容器を充填するための少なくとも1つのスターホイルと、
形成される容器を、前記形成スターホイルから前記充填スターホイルへ搬送するための搬送スターホイルと、を具備し、
前記搬送スターホイルは、前記容器のすでに冷却される部分を冷却するための手段を有する、
ことを特徴とする柔軟性容器を充填するための設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−532412(P2007−532412A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504564(P2007−504564)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000152
【国際公開番号】WO2005/092597
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(506321805)インダグ ゲゼルシャフト フィア インダストリーベダルフ エムベーハー ウント カンパニー ベトリープス カーゲー (10)
【Fターム(参考)】