説明

柔軟物穿孔装置

【課題】柔軟物の素性に関わらず柔軟物に孔を容易に形成できる柔軟物穿孔装置を提供する。
【解決手段】柔軟物穿孔装置1は、基材5の軸方向、及び周方向に互いに隙間を空けて配列された複数の突起7を有する穿孔ドラム9と、穿孔ドラム9を回転させる回動手段11と、穿孔ドラム9の下方に配置された支持部材13と、穿孔ドラム9と支持部材13との間を通過する搬送ベルト15と、搬送ベルト15を走行させる搬送手段17とを備える。支持部材13が、搬送ベルト15を穿孔ドラム9の突起7の突き刺さる高さに支持し、搬送ベルト15に受け止められた柔軟物3を穿孔ドラム9の突起7が貫くことにより、網目状に配列した複数の孔を柔軟物3に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に素性の脆弱な柔軟物に複数の孔を形成する柔軟物穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全層皮膚欠損創の治療には、シリコーン膜を積層した凍結乾燥コラーゲンスポンジ、又は単層の凍結乾燥コラーゲンスポンジなど、板状の柔軟物が使用されることがある。この場合、柔軟物を創に貼り付け、人体で生成される線維芽細胞、及び毛細血管をコラーゲンスポンジの空隙に導き成長させることにより真皮層を再生することができる。
【0003】
柔軟物の全体に線維芽細胞、及び毛細血管を速やかに導くために、図7に示すように、柔軟物101に複数の孔103を形成する試みがある。複数の孔103は、互いに並列し、又は交差する複数の仮想線に沿って網目状に配置されることが好ましい。また、孔103は創から滲み出る体液の排出を促す働きをする。しかしながら、柔軟物101に孔103を形成するために刃物等を柔軟物101に突き刺す等すると、柔軟物101が断裂、破損することがあり、或いは柔軟物101に歪みが生じたり、スポンジ状の柔軟物の空隙が潰れてしまうという問題が起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−224573号公報
【特許文献2】特開平04−108444号公報
【特許文献3】特開平05−43734号公報
【特許文献4】特開平07−194687号公報
【特許文献5】特開平10−80438号公報
【特許文献6】特開2005−314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、柔軟物の素性に関わらず柔軟物に孔を容易に形成できる柔軟物穿孔装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の孔を柔軟物に形成する柔軟物穿孔装置であって、水平方向に延びる円柱状の基材の軸方向、及び前記基材の周方向に、互いに隙間を空けて配列された複数の突起を有する穿孔ドラムと、前記穿孔ドラムをその周方向に回転させる回動手段と、前記穿孔ドラムの下方に配置された支持部材と、前記穿孔ドラムと前記支持部材との間を通過し柔軟物を受け止める搬送ベルトと、前記搬送ベルトを走行させる搬送手段とを備え、前記支持部材が前記搬送ベルトを前記穿孔ドラムの突起の突き刺さる高さに支持し、前記搬送ベルトによって柔軟物が搬送される過程で、前記穿孔ドラムの突起が柔軟物を貫くことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記搬送手段が、前記穿孔ドラムの突起の回転する周速度に同期する速度で前記搬送ベルトを走行させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記搬送手段が、前記搬送ベルトを供給する供給手段と、前記供給手段から供給される搬送ベルトを巻き取る巻取手段とを備え、前記搬送ベルトが前記供給手段から前記巻取手段へ向かう行程で、前記穿孔ドラムと前記支持部材との間を通過することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記搬送ベルトの走行する方向に延び、前記複数の突起の隙間に進入する複数の規制線材を柔軟物の上方に配置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記複数の規制線材が互いに前記穿孔ドラムの基材の軸方向に並列していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記穿孔ドラムと前記支持部材との間の広さ調整する調整手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る柔軟物穿孔装置によれば、搬送ベルトに柔軟物が受け止められ搬送される過程で、穿孔ドラムの突起が柔軟物に突き刺さることにより、網目状に配列した複数の孔を柔軟物に形成することができる。このため、柔軟物に突起が突き刺さるときに、柔軟物が突起から受ける下向きの力を支持部材が受け止め、穿孔ドラムの突起が搬送ベルトに突き刺さる高さで支持部材が搬送ベルトを支持している。このため、柔軟物を下方へ撓ませることなく、穿孔ドラムの突起を柔軟物に確実に貫通させることができる。
【0013】
また、柔軟物は搬送時に推進力、又は牽引力を直に受けると変形しやすいので、本発明に係る柔軟物穿孔装置は、柔軟物を搬送ベルトに載せることによって柔軟物の搬送を実現している。このため、柔軟物はその形状を搬送時に高い精度で維持される。また、搬送ベルトに載せられた柔軟物は、支持部材に擦れることがなく、柔軟物と支持部材との間に柔軟物を歪ませるような摩擦力が生じない。
【0014】
搬送手段が穿孔ドラムの突起の回転する周速度に同期する速度で搬送ベルトを走行させる場合、搬送ベルトによって搬送される柔軟物を穿孔ドラムの突起が貫いた状態で、柔軟物に搬送ベルトの走行する方向の引っ張り力が加わらない。このため、本発明に係る柔軟物穿孔装置によれば、柔軟物の形状を搬送ベルトの走行する方向に歪ませることなく、上記の効果を達成することができる。
【0015】
更に、本発明に係る柔軟物穿孔装置によれば、搬送ベルトが供給手段から巻取手段へ向かう行程で穿孔ドラムと支持部材との間を通過するので、穿孔ドラムの突起に一度突き刺された搬送ベルトの部位は巻取手段によって巻き取られる。このため、搬送ベルトは、穿孔ドラムの突起に一度突き刺された部位に再び柔軟物を載せられることはないので、穿孔ドラムの突起が搬送ベルトに繰り返し突き刺さることに起因する削り屑が柔軟物に付着するのを予防することができる。
【0016】
更に加えて、穿孔ドラムの突起は、搬送ベルトを貫通しない(ハーフカットで止めている)ので、搬送ベルトから直ちに飛散するような削り屑は発生しにくい。穿孔ドラムの突起に一度突き刺された搬送ベルトの部位から上記の削り屑が飛散する前に、この部位が巻取手段によって巻き取られる。また、支持部材が穿孔ドラムの突起よって傷つくことはなく、支持部材の削り屑の発生することがない。
【0017】
上記の柔軟物を貫通した突起は穿孔ドラムの回転に従い上昇に転じる。このとき柔軟物が突起から上向きの摩擦力を受けることがある。本発明に係る柔軟物穿孔装置によれば、穿孔ドラムの突起に貫かれた柔軟物の上方に複数の規制線材を配置しているので、柔軟物が突起から受ける上向きの摩擦力によって撓むのが規制され、或いは柔軟物が穿孔ドラムに絡み付くのを予防することができる。また、規制線材は、搬送ベルトの走行する方向に延び、複数の突起の隙間に進入するので、穿孔ドラムと柔軟物との間を遮ることがない。
【0018】
更に、本発明に係る柔軟物穿孔装置によれば、複数の規制線材が互いに穿孔ドラムの基材の軸方向(以下、単に軸方向と記す。)に並列しているので、複数の規制線材による上記の効果を軸方向で一様に達成することができる。
【0019】
更に、本発明に係る柔軟物穿孔装置は、穿孔ドラムと支持部材との間の広さを調整手段により調整できるので、搬送ベルトに穿孔ドラムの突起が突き刺さる深さを自在に増減することができる。このため、穿孔ドラムを突起の長さの異なる仕様のものに交換したとき、或いは穿孔ドラムの突起が摩耗する等して短くなったときに、穿孔ドラムの突起を所望の深さで搬送ベルトに突き刺し、穿孔ドラムの突起を柔軟物に確実に貫通させることができる。また、柔軟物は厚みの異なる種々のものがあり、調整手段は、柔軟物は厚みに基づき穿孔ドラムと支持部材との間の広さを所望に調整できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置の原理を説明する要部の断面図。
【図2】本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置の要部の平面図。
【図3】本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置の側面図。
【図4】本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置に適用した穿孔ドラムの軸方向の断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置に適用した調整手段による穿孔ドラムの支持構造を示す平面図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】柔軟物の形態例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面は特に断らない限り図1〜図3を参照する。本発明の実施形態に係る柔軟物穿孔装置1は、柔軟物3に複数の孔を形成するものであり、水平方向に延びる円柱状の基材5の軸方向、及び基材5の周方向に互いに隙間を空けて配列された複数の突起7を有する穿孔ドラム9と、穿孔ドラム9をその周方向に回転させる回動手段11と、穿孔ドラム9の下方に配置された支持部材13と、穿孔ドラム9と支持部材13との間を通過する搬送ベルト15と、搬送ベルト15を穿孔ドラム9の突起7の回転する周速度に同期する速度で矢印Tの向きに走行させる搬送手段17とを備える。
【0022】
矢印S,Rは、軸方向、及び基材5の周方向に沿う向きを各々指している。突起7は図2で省略されている。図4に示す穿孔ドラム9の基材5は、その軸方向に重なり合う複数の環形板19を支軸21で支持し、これらの環形板19を互いに連結したものである。環形板19は、その全周に歯形の刃である突起7を等間隔で形成され、隣合う環形板19はそれぞれの突起7の位置を周方向に違えるよう支軸21に位置決めされている。支軸21は、方形枠23の内側に軸受けされている。また、複数の環形板19の中に突起7の欠ける等したものがあるときは、その環形板19を交換するだけで、穿孔ドラム9の機能を容易に回復させることができる。
【0023】
回動手段11は、支軸21に矢印Rの向きの回転力を入力する電動機である。支持部材13は、穿孔ドラム9の真下で筐体25に軸受けされた支持ローラー27と、軸方向に直交する水平方向から互いに支持ローラー27を挟んで対向する2つの支持板29とを備える。搬送ベルト15は、支持部材13によって穿孔ドラム9の突起7の突き刺さる高さに支持される。回動手段11、方形枠23、及び2つの支持板29は筐体25に支持されている。
【0024】
搬送手段17は、搬送ベルト15を供給する供給手段31と、供給手段31から供給される搬送ベルト15を巻き取る巻取手段33とを備える。搬送ベルト15は、合成樹脂、ゴム、又は複合材料から成る帯であっても良い。供給手段31は、搬送ベルト15を巻回して成るロール34を筐体25に軸受けされた巻回軸35によって支持したものである。
【0025】
巻取手段33は、筐体25に軸受けされた巻取軸37を電動機により回転させるものであり、搬送ベルト15を巻取軸37に巻き付かせながら供給手段31から搬送ベルト15を繰り出すことができる。符号39は、搬送ベルト15が供給手段31から巻取手段33へ向けて走行する行程で、搬送ベルト15を2つの支持板29の上面に導き、穿孔ドラム9と支持ローラー27との間を搬送ベルト15が通過するよう案内するガイドローラを指している。
【0026】
更に、柔軟物穿孔装置1は、搬送ベルト15の走行する方向に延び、かつ複数の環形板19のそれぞれの突起7の間の隙間に進入した規制線材41を備える。規制線材41は、その両端を方形枠23の内側に固定したピン43に掛止され、穿孔ドラム9の基材5の下側に回り込んでいる。複数の規制線材41が互いに軸方向に並列していることが好ましい。規制線材41の材料として、ナイロン等の柔軟な合成樹脂製の糸を適用することが好ましい。
【0027】
図5,6は、穿孔ドラム9と支持部材13の支持ローラー27との間の広さを調整するための調整手段45を柔軟物穿孔装置1に適用した例を示している。方形枠23は、正面材47、一対の側面材49、及び背面材51を枠組みし、一対の側面材49の間に、2本の横架材53を架け渡したものである。調整手段45は、軸方向に延びる2本の螺子棒55,56と、摺接面57を有するスライドカム59,60と、支持ローラー27の両端を軸受けしスライドカム59,60のそれぞれの摺接面57に支持された従動ベアリング61,62とを備える。
【0028】
螺子棒55,56は、正面材47、及び背面材51に軸受けされ、手回しハンドル63をそれぞれの端部に取り付けている。符号65は、螺子棒55,56を正面材47に固定し、又は開放するクランプ装置を指している。スライドカム59は螺子棒55に螺合している。螺子棒56は、スライドカム59を貫通しているが、スライドカム59に接合されていない。スライドカム60は螺子棒56に螺合している。螺子棒55は、スライドカム60を貫通しているが、スライドカム59に接合されていない。
【0029】
スライドカム59,60は、支持ローラー27を挟む位置で互いに軸方向から対向し、それぞれの摺接面57は、スライドカム59,60の内側へ向かうに従い下降するよう傾斜している。符号69は、横架材53に形成された案内溝を指している。オペレータが螺子棒55,56を回転させる向きにより、スライドカム59,60は矢印F、又はBの向きに移動する。このように移動するスライドカム59の摺接面57に従動ベアリング61が案内され、従動ベアリング61と共に支持ローラー27の一端67が他端68に対して昇降する。
【0030】
一方、スライドカム60の摺接面57に従動ベアリング62が案内され、従動ベアリング62と共に支持ローラー27の他端68が一端端67に対して昇降する。ここまで述べた調整手段45の動作は、支持ローラー27の傾きを調整するために行われる。また、オペレータがスライドカム59,60を互いに接近する向きに移動させると、従動ベアリング61,62と共に支持ローラー27は穿孔ドラム9に対して上昇する。これにより、穿孔ドラム9と支持ローラー27との間を狭めることができる。また、オペレータがスライドカム59,60が互いに離れる向きに移動させると、支持ローラー27は穿孔ドラム9に対して下降する。これにより、穿孔ドラム9と支持ローラー27との間を広げることができる。
【0031】
以上に述べた柔軟物穿孔装置1によれば、柔軟物3を搬送ベルト15に受け止めさせ、搬送ベルト15の走行に従わせ柔軟物3を搬送することができる。この過程で、図1に示す穿孔ドラム9の突起7が柔軟物3に突き刺さることにより、網目状に配列した複数の孔を柔軟物3に形成することができる。このため、柔軟物3が支持部材13に擦れることはなく、柔軟物3と支持部材13の支持板29との間に摩擦力が生じないので、これによって柔軟物3を歪ませなくて済むという利点がある。
【0032】
特に、柔軟物穿孔装置1は、穿孔ドラム9の突起7の回転する周速度に同期する速度で搬送ベルト15を走行させるので、搬送ベルト15によって搬送される柔軟物3を穿孔ドラム9の突起7が貫いた状態で、柔軟物3に搬送ベルト15の走行する方向の引っ張り力が加わらない。このため、柔軟物穿孔装置1によれば、柔軟物3の形状を搬送ベルト15の走行する方向に歪ませることなく、上記の効果を達成することができる。
【0033】
また、柔軟物3に突起7が突き刺さるときに、柔軟物3が突起7から受ける下向きの力を支持部材13が受け止め、穿孔ドラム9の突起7が搬送ベルト15に突き刺さる高さで支持部材13が搬送ベルト15を支持している。このため、柔軟物3を下方へ撓ませることなく、穿孔ドラム9の突起7を柔軟物3に確実に貫通させることができる。
【0034】
続いて、柔軟物3を貫通した穿孔ドラム9の突起7は、穿孔ドラム9の回転に従い上昇に転じるので、柔軟物3と突起7との間に、柔軟物3を引き上げようとする摩擦力が発生することがある。この場合、穿孔ドラム9の突起7に貫かれた柔軟物3の上方に位置する規制線材41から柔軟物3への反力により、柔軟物3が上向きに撓むのが規制され、或いは柔軟物3が穿孔ドラム9に絡み付くのを予防することができる。また、規制線材41は穿孔ドラム9と柔軟物3との間を遮ることがない。ここに述べた複数の規制線材41による効果は、穿孔ドラム9の基材5の軸方向で一様に達成される。
【0035】
更に、柔軟物穿孔装置1によれば、搬送ベルト15が供給手段31から巻取手段33へ向かう行程で、穿孔ドラム9と支持部材13との間を通過するので、穿孔ドラム9の突起7に一度突き刺された搬送ベルト15の部位は巻取手段33によって巻き取られる。このため、搬送ベルト15は、穿孔ドラム9の突起7に一度突き刺された部位に再び柔軟物3を載せられることはないので、穿孔ドラム9の突起7が搬送ベルト15に繰り返し突き刺さることに起因する削り屑が柔軟物3に付着することはない。
【0036】
更に、柔軟物穿孔装置1は、穿孔ドラム9と支持部材13との間の広さを調整手段45により調整できるので、搬送ベルト15に穿孔ドラム9の突起7が突き刺さる深さを自在に増減することができる。このため、穿孔ドラム9を突起7の長さの異なる仕様のものに交換したとき、或いは穿孔ドラム9の突起7が摩耗する等して短くなったときに、穿孔ドラム9の突起7を搬送ベルト15に所望の深さで突き刺し、柔軟物3を下方へ撓ませることなく、穿孔ドラム9の突起7を柔軟物3に確実に貫通させることができる。
【0037】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施することができる。穿孔ドラム9の突起7の総数、配列、個々の突起7の形状、刃幅、肉厚、及び基材5から突出する長さは、任意に設定できる事項であり、図4に示す形態に限定されるものではない。支持部材13の支持ローラー27、又は支持板29の何れかを省略しても良い。柔軟物3に形成される総ての孔が柔軟物3を貫通しなくて良い。
【0038】
搬送ベルト15の削り屑が問題視されない場合、搬送ベルト15を無端状とし、これに繰り返して穿孔ドラム9の突起7を突き刺すようにしても良い。規制線材41、及び調整手段45を省略しても本発明の実施が妨げられることはない。また、穿孔ドラム9の突起7の回転する周速度に対して、搬送ベルト15の走行する速度を速く、又は遅くしても良い。この場合、柔軟物3に形成される孔の寸法を突起7の刃幅よりも拡大することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、医療分野に限らず、あらゆる用途、材質、又は形状の柔軟物を加工するのに有益な技術である。
【符号の説明】
【0040】
1...柔軟物穿孔装置、3,101...柔軟物、5...基材、7...突起、9...穿孔ドラム、11...回動手段、13...支持部材、15...搬送ベルト、17...搬送手段、19...環形板、21...支軸、23...方形枠、25...筐体、27...支持ローラー、29...支持板、31...供給手段、33...巻取手段、34...ロール、35...巻回軸、37...巻取軸、39...ガイドローラ、41...規制線材、43...ピン、45...調整手段、47...正面材、49...側面材、51...背面材、53...横架材、55,56...螺子棒、57...摺接面、59,60...スライドカム、61,62...従動ベアリング、...、63...手回しハンドル、65...クランプ装置、67...一端、68...他端、69...案内溝、103...孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を柔軟物に形成する柔軟物穿孔装置であって、
水平方向に延びる円柱状の基材の軸方向、及び前記基材の周方向に、互いに隙間を空けて配列された複数の突起を有する穿孔ドラムと、
前記穿孔ドラムをその周方向に回転させる回動手段と、
前記穿孔ドラムの下方に配置された支持部材と、
前記穿孔ドラムと前記支持部材との間を通過し柔軟物を受け止める搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを走行させる搬送手段とを備え、
前記支持部材が前記搬送ベルトを前記穿孔ドラムの突起の突き刺さる高さに支持し、前記搬送ベルトによって柔軟物が搬送される過程で、前記穿孔ドラムの突起が柔軟物を貫くことを特徴とする柔軟物穿孔装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記穿孔ドラムの突起の回転する周速度に同期する速度で前記搬送ベルトを走行させることを特徴とする請求項1に記載の柔軟物穿孔装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記搬送ベルトを供給する供給手段と、前記供給手段から供給される搬送ベルトを巻き取る巻取手段とを備え、
前記搬送ベルトが前記供給手段から前記巻取手段へ向かう行程で、前記穿孔ドラムと前記支持部材との間を通過することを特徴とする請求項1又は2に記載の柔軟物穿孔装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの走行する方向に延び、前記複数の突起の隙間に進入する複数の規制線材を柔軟物の上方に配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の柔軟物穿孔装置。
【請求項5】
前記複数の規制線材が互いに前記穿孔ドラムの基材の軸方向に並列していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の柔軟物穿孔装置。
【請求項6】
前記穿孔ドラムと前記支持部材との間の広さ調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の柔軟物穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−75073(P2013−75073A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217455(P2011−217455)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】