説明

査定支援システム、査定支援サーバーおよび査定支援方法

【課題】複数の損害保険の目的物を査定するために移動しながら査定業務を行う査定人の業務を効率よく計画する。
【解決手段】査定支援システム1は、第一のサーバー200と、第一のサーバー200と第一のネットワーク10を介して通信可能な第二のサーバー300と、を備え、第一のサーバー200は、外部のサーバー100から発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信手段と、震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出手段と、抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成手段と、査定計画情報を、契約を扱う所定の第二のサーバー300に配信する配信手段と、を備え、第二のサーバー300は、査定計画情報を受信する査定計画情報受信手段と、査定計画情報を出力する査定計画情報出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、査定を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時等に、複数の事業拠点に従業員を再配置する技術は、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−287372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の技術では、従業員は再配置された拠点にとどまり業務を行う想定であるため、複数の損害保険の目的物を査定するために移動しながら査定業務を行う査定人の業務を効率よく計画することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、本願発明に係る査定支援システムは、損害保険の査定を支援する査定支援システムであって、第一のサーバーと、前記第一のサーバーと第一のネットワークを介して通信可能な第二のサーバーと、を備え、前記第一のサーバーは、外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信手段と、前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成手段と、前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約を扱う所定の前記第二のサーバーに配信する配信手段と、を備え、前記第二のサーバーは、前記第一のサーバーにより配信された前記査定計画情報を受信する査定計画情報受信手段と、前記査定計画情報を出力する査定計画情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また例えば、損害保険の査定を支援する査定支援サーバーであって、外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信手段と、前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成手段と、前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約の管轄を行う所定の外部のサーバーにネットワークを介して配信する配信手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また例えば、損害保険の査定を支援する査定支援システムの査定支援方法であって、前記査定支援システムは、第一のサーバーと、前記第一のサーバーと第一のネットワークを介して通信可能な第二のサーバーと、を備え、前記第一のサーバーは、外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信ステップと、前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成ステップと、前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約の管轄を行う所定の前記第二のサーバーに配信する配信ステップと、を実施し、前記第二のサーバーは、前記第一のサーバーにより配信された前記査定計画情報を受信する査定計画情報受信ステップと、前記査定計画情報を出力する査定計画情報出力ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明を適用することで、複数の損害保険の目的物を査定するために移動しながら査定業務を行う査定人の業務を効率よく計画することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の査定支援システムの概要を示す図である。
【図2】震度情報提供サーバーの概要を示す機能ブロック図である。
【図3】広域災害査定支援サーバーの概要を示す機能ブロック図である。
【図4】営業拠点サーバーの概要を示す機能ブロック図である。
【図5】査定人端末の概要を示す機能ブロック図である。
【図6】震度情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】震度分析情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】契約情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図9】査定人情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図10】査定計画情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図11】営業拠点情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図12】損害状況情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図13】広域災害査定支援サーバーのハードウェア構成を示す図である。
【図14】査定支援処理の処理フローを示す図である。
【図15】開始処理(プライマリ)の処理フローを示す図である。
【図16】開始処理(セカンダリ)の処理フローを示す図である。
【図17】契約者情報抽出処理の処理フローを示す図である。
【図18】査定人情報抽出処理の処理フローを示す図である。
【図19】査定人安否確認処理の処理フローを示す図である。
【図20】査定ランク付け処理の処理フローを示す図である。
【図21】査定計画処理の処理フローを示す図である。
【図22】拠点配信処理の処理フローを示す図である。
【図23】損害報告受付処理の処理フローを示す図である。
【図24】契約者情報抽出処理の処理イメージを示す図である。
【図25】査定人安否確認処理の画面例を示す図である。
【図26】査定人安否確認処理の画面例を示す図である。
【図27】査定計画処理の処理イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態について図1〜図27を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態の例である査定支援システム1の概要を示す図である。査定支援システム1には、震度情報提供サーバー100と、インターネット等のネットワーク10を介して震度情報提供サーバー100と接続する広域災害査定支援サーバー200P、200S(広域災害査定支援サーバー200Pと広域災害査定支援サーバー200Sとは、夫々がプライマリサーバー/セカンダリサーバーの役割を担う二重化されたサーバーである)と、イントラネットあるいは広域LAN/WAN(Local Area Network/Wide Area Network)等を介して広域災害査定支援サーバー200P、200Sと接続する複数の営業拠点に設置された営業拠点サーバー300と、が含まれる。
【0012】
また、携帯電話等のモバイル端末である査定人端末400は、携帯電話網等を経由して、ネットワーク10を介して広域災害査定支援サーバー200P、200Sと接続可能である。
【0013】
ネットワーク10は、いわゆるインターネット等の広域ネットワークである。ただし、これに限らず、ネットワーク10は、WANまたはVPN(Virtual Private Network)等の一般公衆回線を一部に用いた通信網であってもよい。
【0014】
ネットワーク20は、いわゆるLAN、WAN、VPN等の技術を利用した、営業拠点間のプライベートネットワークである。ただし、これに限らず、ネットワーク20は、WANまたはVPN等の一般公衆回線を一部に用いた通信網であってもよい。
【0015】
震度情報提供サーバー100は、日本の気象庁等による震度情報を提供するサーバーである。震度情報提供サーバー100は、本実施形態においては、地震発生時に、震度と、位置と、観測時刻等を含む震度情報等の地震に関する情報をインターネット上に公開し、所定のサーバー等に配信する。
【0016】
広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sは、それぞれがプライマリサーバーとセカンダリサーバーとなるいわゆる二重化されたサーバーを構成する。また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sは、災害発生時の可用性(アベイラビリティ)が高められるように、それぞれ異なる地域に配置されるのが望ましい。
【0017】
広域災害査定支援サーバー200P、200Sは、上記理由により、互いに同様の構成と、互いに同様のデータを有し、プライマリサーバーの稼働に問題が出た場合には、セカンダリサーバーが代替(テイクオーバー)して稼働することが望ましい。また、そのために、望ましくは、プライマリサーバーとなる広域災害査定支援サーバー200Pが保有するデータについて、セカンダリサーバーとなる広域災害査定支援サーバー200Sはミラーリング等により複製した情報を保有することが望ましい。
【0018】
広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sは、震度情報提供サーバー100から配信された震度情報等を受信し、当該震度情報および契約情報等に基づいて査定計画を生成し、営業拠点サーバー300に査定計画情報を配信する。
【0019】
営業拠点サーバー300は、営業拠点の夫々に配置されているサーバー装置であり、営業拠点が管轄する保険の目的(保険金支払の対象となる物件等)についての査定情報を管理する。また、営業拠点サーバー300は、査定計画の情報を受信すると、査定人が査定を行うための情報を紙等の媒体に出力する。
【0020】
査定人端末400は、いわゆるモバイル端末、例えばスマートフォンと呼ばれる携帯電話等であり、ネットワーク10を介して他の装置と通信を行うことが可能であり、例えば電子メールの送受信や、HTML(HyperText Markup Language)等のWebページの閲覧等が可能である。なお、査定人端末400は、インターネット接続プロバイダや携帯電話網、無線LAN網提供会社によるデータ通信サービス網を介して、ネットワーク10に接続を行う。
【0021】
図2は、震度情報提供サーバー100の機能構成を示す図である。震度情報提供サーバー100は、制御部110と、記憶部120と、通信処理部150と、を有する。制御部110には、発生した地震の観測データに基づいて地域ごとの震度情報を生成し、記憶部120に設けられた震度情報記憶部121へ格納する震度情報生成部111と、生成した震度情報を、ネットワーク10を介して所定の機関の受信可能な装置へ送信する震度情報配信部112と、が含まれる。
【0022】
震度情報記憶部121には、図6に示す震度情報テーブル500が格納される。震度情報テーブル500には、震度が観測された位置を特定する位置情報501と、観測された震度502と、観測された日時である観測日時503と、を特定する情報が格納される。すなわち、各地の震度が、観測時刻に応じて格納される。
【0023】
通信処理部150は、ネットワーク10等を介して他の機器に接続し、接続した他の機器から送信された情報の受信を行い、接続した他の機器に対して情報の送信を行う。
【0024】
図3は、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Pと略同様の構成を備える広域災害査定支援サーバー200Sについての機能構成を示す図である。広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sは、制御部210と、記憶部220と、出力表示部230と、入力受付部240と、通信処理部250と、を有する。なお、以降の記載において、広域災害査定支援サーバー200と示す場合には、広域災害査定支援サーバー200Pと広域災害査定支援サーバー200Sとのいずれも含むものとする。
【0025】
制御部210には、入力処理部211と、出力処理部212と、震度情報受信部213と、契約情報管理部214と、査定人情報管理部215と、安否管理部216と、査定計画部217と、査定情報管理部218と、地理情報処理部219と、が含まれる。
【0026】
入力処理部211は、通信処理部250を介して、図示しないクライアント端末(例えば、Webブラウザを搭載したパーソナルコンピュータ)または査定人端末400から送信された入力情報を受け付ける。また、入力処理部211は、通信処理部250を介して、震度情報提供サーバー100から送信された情報を受け付ける。また、入力処理部211は、入力受付部240を介して、操作者からの入力を受け付ける。
【0027】
出力処理部212は、通信処理部250を介して、クライアント端末および査定人端末400に対して、出力情報を送信する。出力情報は、例えば安否管理部216により安否確認の情報を受け付けた結果の表示等である。また、出力処理部212は、出力表示部230を介して、操作者への画面表示や音声等の出力を行う。
【0028】
震度情報受信部213は、通信処理部250を介して、震度情報提供サーバー100から送信された震度情報を受信する。また、震度情報受信部213は、受信した震度情報を用いて、震度分析情報を生成する。つまり、震度情報受信部213は、震度情報提供サーバー100が提供する震度情報を分析して、広域災害査定支援サーバー200P、200Sが使用するのに適当なコード等に変換・当てはめ等を行う。具体的には、震度情報受信部213は、位置情報に基づいて所定のエリアを特定するエリアコードを当てはめ、震度の情報に基づいて所定の震度コードに変換し、所定の担種コードを付与して震度分析情報を生成する。
【0029】
契約情報管理部214は、損害保険の契約に関する情報を管理する。具体的には、契約情報管理部214は、保険契約についての条件や、保険の目的、保険金額等の契約の詳細の情報の読み出し、変更等を行う。
【0030】
査定人情報管理部215は、損害状況を認定し、損害保険の適用を査定する査定人の情報を管理する。具体的には、査定人情報管理部215は、査定人が保有する資格や査定人の住所、安否情報等の読み出し、変更等を行う。
【0031】
安否管理部216は、査定人の安否確認を行う。具体的には、査定人に対して安否情報の入力を促す処理等を実施し、入力された安否情報等を記録するために査定人情報管理部215に受け渡す。
【0032】
査定計画部217は、査定人が査定を行う計画を立案する。具体的には、査定計画部217は、査定すべき損害保険の目的物に査定ランクを割当てる。また、査定計画部217は、査定を効率よく行うために所定数の複数の契約をまとめて査定グループを設定する。その際、査定計画部217は、査定人が効率よく移動できるよう契約を割り当てる。
【0033】
査定情報管理部218は、損害保険の契約毎に行われた保険金支払の査定に関する情報を管理する。すなわち、査定状況の情報を読み出し、査定状況の情報の入力を受け付けて、査定に関する情報を記録する。
【0034】
地理情報処理部219は、住所と地理的な位置との対応を管理する。具体的には、地理情報処理部219は、所定の領域ごとに予め割り振られたエリアコードに基づき、震度が観測された地点のエリアコードを特定する。また、地理情報処理部219は、例えば住所等により指定される所定の二点間の距離等を地理的な情報に基づき算出する。例えば、地理情報処理部219は、いわゆるGIS(Geographic Information System)により実現される。
【0035】
記憶部220には、震度分析情報記憶部221と、地理情報記憶部222と、契約情報記憶部223と、査定人情報記憶部224と、査定計画情報記憶部225と、営業拠点情報記憶部226と、が含まれる。
【0036】
震度分析情報記憶部221には、図7に示される震度分析情報テーブル510が格納される。震度分析情報テーブル510には、地震が観測された位置が属する所定の地理的領域を特定するエリアコード511と、観測された震度が属する所定の震度帯を特定する震度コード512と、観測された地震により損害保険による補償がなされるべき保険の性質を特定する担種コード513と、が格納される。担種コード513は、補償の対象となる災害、例えば地震危険を補填する保険種類を特定する情報である。
【0037】
地理情報記憶部222には、いわゆる地図情報が格納される。例えば、縮尺別に、緯度経度の座標情報と地理的情報とを対応付け、高度情報、住所情報がさらに対応付けられている地図情報が格納されている。地理情報は、地理情報処理部219により読み出され、種々の処理に利用される。
【0038】
契約情報記憶部223には、図8に示される契約情報テーブル550が格納される。契約情報テーブル550には、契約者の住所を特定する情報である契約者住所551と、契約者の氏名を特定する情報である契約者名552と、被保険者の氏名を特定する情報である被保険者名553と、保険の目的物の住所を特定する情報である所在地住所554と、契約者の電話番号を特定する情報である電話番号555と、補償される金額の上限である保険金額556と、補償の対象となる災害を補填する保険種類を特定する情報である担種コード557と、保険の目的を特定する情報である目的コード558と、補償が免除される金額である免責金額559と、保険の営業店を特定する情報である営業店560と、保険の販売を行った店等を特定する情報である代理店561と、補償の対象となる物件の種別を特定する情報である物件種別562と、補償の対象となる物件の柱の構造を特定する情報である構造(柱)563と、補償の対象となる物件の外壁の構造を特定する情報である構造(外壁)564と、補償の対象となる物件の屋根の構造を特定する情報である構造(屋根)565と、が格納される。
【0039】
査定人情報記憶部224には、図9に示される査定人情報テーブル600が格納される。査定人情報テーブル600には、査定人の住所を特定する情報である住所601と、査定人の氏名を特定する情報である氏名602と、査定人の電話番号を特定する情報である電話番号603と、査定人の携帯電話番号を特定する情報である携帯電話番号604と、査定人の携帯電話から送受信可能な電子メールアドレスを特定する情報であるメールアドレス携帯605と、査定人の所属する営業拠点を特定する情報である所属拠点606と、査定人が保有する資格を特定する情報である資格コード607と、査定人の安否情報を特定する情報である安否情報608と、査定人から報告があった現在地を特定する情報である現在地609と、査定人の参集可否を特定する情報である参集可否610と、が格納される。
【0040】
査定計画情報記憶部225には、図10に示される査定計画情報テーブル650が格納される。査定計画情報テーブル650には、契約者の住所を特定する情報である契約者住所651と、契約者の氏名を特定する情報である契約者名652と、被保険者の氏名を特定する情報である被保険者名653と、保険の目的物の住所を特定する情報である所在地住所654と、契約者の電話番号を特定する情報である電話番号655と、補償される金額の上限である保険金額656と、補償の対象となる災害の種類を特定する情報である担種コード657と、保険の目的を特定する情報である目的コード658と、補償が免除される金額である免責金額659と、保険の営業店を特定する情報である営業店660と、保険の販売を行った店等を特定する情報である代理店661と、補償の対象となる物件の種別を特定する情報である物件種別662と、補償の対象となる物件の柱の構造を特定する情報である構造(柱)663と、補償の対象となる物件の外壁の構造を特定する情報である構造(外壁)664と、補償の対象となる物件の屋根の構造を特定する情報である構造(屋根)665と、査定を行うべき査定人が有すべき資格を特定する情報である査定人資格666と、査定人が同日に査定する対象となる契約群を特定する情報である査定グループ667と、所在地住所654付近の地図画像データである地図データ668と、が格納される。
【0041】
営業拠点情報記憶部226には、図11に示される営業拠点情報テーブル700が格納される。営業拠点情報テーブル700には、営業拠点を特定する情報である営業拠点ID701と、営業拠点がカバーする顧客の地理的範囲を特定する情報であるカバーエリアコード702と、営業拠点に配置されている営業拠点サーバー300のネットワークアドレスを特定する情報であるアドレス703と、が格納される。
【0042】
出力表示部230は、広域災害査定支援サーバー200のGUI(Graphical User Interface)あるいはCUI(Character−based User Interface)等の各種情報を出力する。入力受付部240は、GUIあるいはCUIの操作情報の入力を受け付ける。
【0043】
通信処理部250は、ネットワーク10、ネットワーク20等を介して他の機器に接続し、接続した他の機器から送信された情報の受信を行い、接続した他の機器に対して情報の送信を行う。
【0044】
図4は、営業拠点サーバー300の機能構成を示す図である。営業拠点サーバー300は、制御部310と、記憶部320と、出力表示部330と、入力受付部340と、通信処理部350と、を有する。
【0045】
制御部310には、入力処理部311と、出力処理部312と、査定計画情報受信部313と、査定計画情報出力部314と、損害状況管理部315と、が含まれる。
【0046】
入力処理部311は、通信処理部350を介して、図示しないクライアント端末(例えば、Webブラウザを搭載したパーソナルコンピュータ)から送信された入力情報を受け付ける。また、入力処理部311は、通信処理部350を介して、広域災害査定支援サーバー200から送信された情報を受け付ける。また、入力処理部311は、入力受付部340を介して、操作者からの入力を受け付ける。
【0047】
出力処理部312は、通信処理部350を介して、クライアント端末に対して、出力情報を送信する。出力情報は、例えば査定計画の表示等である。また、出力処理部312は、出力表示部330を介して、操作者への画面表示や音声等の出力を行う。
【0048】
査定計画情報受信部313は、通信処理部350を介して、広域災害査定支援サーバー200から送信された査定計画情報を受信すると、当該査定計画情報を査定計画情報記憶部321へ格納する。
【0049】
査定計画情報出力部314は、査定計画情報記憶部321に格納された査定計画を、出力する。具体的には、査定計画を読み出して、図示しないプリンターや、出力表示部330に出力するよう指示する。
【0050】
損害状況管理部315は、査定結果を受け付けて、損害状況記憶部322に格納する。具体的には、損害状況管理部315は、査定結果として、契約に関する各種情報と、「全損」、「半損」、「一部損」、「その他」等の損害査定の状況と、査定人と契約者との間で査定結果について合意があったか否かを特定する損害協定の有無と、査定を行った査定人の氏名と、を受け付けて、後述する損害状況情報テーブル750(図12)に格納する。
【0051】
記憶部320には、査定計画情報記憶部321と、損害状況記憶部322と、が含まれる。
【0052】
査定計画情報記憶部321には、図10の査定計画情報テーブル650と同様のデータ構造を備えるテーブルが格納される。
【0053】
損害状況記憶部322には、図12に示される損害状況情報テーブル750が格納される。損害状況情報テーブル750には、契約者の住所を特定する情報である契約者住所751と、契約者の氏名を特定する情報である契約者名752と、被保険者の氏名を特定する情報である被保険者名753と、保険の目的物の住所を特定する情報である所在地住所754と、契約者の電話番号を特定する情報である電話番号755と、補償される金額の上限である保険金額756と、「全損」、「半損」、「一部損」、「その他」等の損害査定の状況を特定する情報である損害査定状況757と、査定人と契約者との間で査定結果について合意があったか否かを特定する情報である損害協定有無758と、査定を行った査定人の氏名である査定人氏名759と、が格納される。
【0054】
出力表示部330は、営業拠点サーバー300のGUIあるいはCUI等の各種情報を出力する。入力受付部340は、GUIあるいはCUIの操作情報の入力を受け付ける。
【0055】
通信処理部350は、ネットワーク20等を介して他の機器に接続し、接続した他の機器から送信された情報の受信を行い、接続した他の機器に対して情報の送信を行う。
【0056】
図5は、査定人端末400の機能構成を示す図である。査定人端末400は、制御部410と、記憶部420と、出力表示部430と、入力受付部440と、通信処理部450と、を有する。
【0057】
制御部410には、入力処理部411と、出力処理部412と、電子メール処理部413と、ブラウザ部414と、現在地取得部415と、が含まれる。
【0058】
入力処理部411は、入力受付部440を介して操作者からの入力を受け付ける。
【0059】
出力処理部412は、出力表示部430を介して、操作者への画面表示や音声等の出力を行う。
【0060】
電子メール処理部413は、通信処理部450を介して、所定の携帯電話網を利用したデータ交換等により、査定人端末400または査定人端末400に挿入されたSIM(Subscriber Identity Module)カード等の記憶媒体に対応付けられた電子メールアドレスを用いて電子メールを送受信する。また、電子メール処理部413は、受信した電子メールを表示し、送信する電子メールを作成するための編集を受け付ける。なお、電子メール処理部413は、電子メールにハイパーテキストによるURL(Uniform Resource Locator)の関連付けがなされている記載が含まれる場合には、当該URLの選択入力を受け付けると、ブラウザ部414へ当該URLにアクセスするよう指示を行うブラウザ連動機能を備える。
【0061】
ブラウザ部414は、アクセスするURLを受け付けると、通信処理部450を介して、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等により当該URLへHTML(HyperText Markup Language)ページを要求し、HTMLページを受信する。そして、ブラウザ部414は、受信したHTMLページを表示させ、当該ページに対する入力操作等の操作を受け付ける。なお、本実施形態においては、ブラウザ部414は、現在地取得部415が取得する現在地の座標情報を受け取り、所定のURLへ送出することができる。
【0062】
現在地取得部415は、査定人端末400の現在地を特定する情報を取得する。具体的には、現在地取得部415は、GPS(Global Positioning System)等の技術を用いて、現在地を特定する座標情報(例えば、緯度経度の情報)を特定する。また、本実施形態においては、現在地取得部415は、ブラウザ部414から現在地の情報取得の要求を受けると、現在地を特定する座標情報を受け渡す。
【0063】
記憶部420には、電子メール記憶部421が含まれる。電子メール記憶部421には、詳細を図示しないが、電子メール処理部413が送受信した電子メールの情報が格納される。なお、電子メール記憶部421は、査定人端末400上だけでなく、例えばネットワーク10上に存在する図示しないオンラインストレージ装置(例えば、メールサーバー)上等に設けられていてもよい。
【0064】
出力表示部430は、査定人端末400のGUIあるいはCUI等の各種情報を出力する。入力受付部440は、GUIあるいはCUIの操作情報の入力を受け付ける。
【0065】
通信処理部450は、ネットワーク10等を介して他の機器に接続し、接続した他の機器から送信された情報の受信を行い、接続した他の機器に対して情報の送信を行う。
【0066】
図13は、本実施形態における広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sのハードウェア構成を示す図である。なお、震度情報提供サーバー100、営業拠点サーバー300および査定人端末400については、広域災害査定支援サーバー200と略同様のハードウェア構成を備えるため、説明を省略する。
【0067】
本実施形態においては、広域災害査定支援サーバー200P(および広域災害査定支援サーバー200S)は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバー装置、各種携帯電話端末(スマートフォン等の高機能端末をも含む)、PDA(Personal Digital Assistant)などの計算機である。
【0068】
広域災害査定支援サーバー200Pは、入力装置201と、出力装置202と、演算装置203と、主記憶装置204と、外部記憶装置205と、通信装置206と、それぞれの装置を互いに接続するバス207と、を有する。
【0069】
入力装置201は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0070】
出力装置202は、ディスプレイやプリンター等の出力を行う装置である。
【0071】
演算装置203は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0072】
主記憶装置204は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0073】
外部記憶装置205は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0074】
通信装置206は、アンテナを介して無線通信を行う無線通信装置、又はネットワークケーブルを介して有線通信を行う有線の通信装置である。
【0075】
広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの記憶部220は、それぞれ、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの主記憶装置204または外部記憶装置205により実現される。
【0076】
また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの入力処理部211と、出力処理部212と、震度情報受信部213と、契約情報管理部214と、査定人情報管理部215と、安否管理部216と、査定計画部217と、査定情報管理部218と、地理情報処理部219とは、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの演算装置203に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0077】
このプログラムは、主記憶装置204または外部記憶装置205内に記憶され、実行にあたって主記憶装置204上にロードされ、演算装置203により実行される。
【0078】
また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの入力受付部240は、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sのそれぞれの入力装置201によって実現される。
【0079】
また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの出力表示部230は、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sのそれぞれの出力装置202によって実現される。
【0080】
また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの通信処理部250は、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sのそれぞれの通信装置206によって実現される。
【0081】
以上が、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sのハードウェア構成である。なお、上記した震度情報提供サーバー100と、広域災害査定支援サーバー200P、200Sと、営業拠点サーバー300と、査定人端末400と、のハードウェア構成および処理部等の構成は、上記の例に限られず、例えば代替可能な異なる部品等による異なる構成を備えるものであってもよい。
【0082】
例えば、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの入力処理部211と、出力処理部212と、震度情報受信部213と、契約情報管理部214と、査定人情報管理部215と、安否管理部216と、査定計画部217と、査定情報管理部218と、地理情報処理部219とは、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0083】
また、広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sの各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0084】
震度情報提供サーバー100、営業拠点サーバー300、査定人端末400についても、同様に、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。震度情報提供サーバー100と、営業拠点サーバー300と、査定人端末400と、の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0085】
また、震度情報提供サーバー100と、営業拠点サーバー300と、査定人端末400と、の各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0086】
[動作の説明]次に、本実施形態における災害発生時の処理のフローについて、図14に基づき説明する。図14は、災害発生時の査定支援システム1の全体の処理を示すフロー図である。なお、当該処理は、震度情報提供サーバー100が広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sに震度情報を送信することにより開始される。なお、図14に示す当該処理は、査定支援システム1の全体の処理のフローであるため、各ステップにおける処理の具体的な主体は、後述するとおりである。
【0087】
そこでまず、図14により、査定支援システム1の全体の処理のフローを概説する。震度情報を受信した広域災害査定支援サーバー200Pおよび広域災害査定支援サーバー200Sは、それぞれ、図15、図16に示す開始処理を実施する(ステップS01)。開始処理により、以降の処理を実施するべきサーバーと、震度5強以上のエリアおよびその震度と、担種コードとが特定される。
【0088】
次に、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図17に示す契約者情報抽出処理を行う(ステップS02)。契約者情報抽出処理により、担種コード、エリアコードを用いて、エリアコードで特定される地域の地震保険担保ありの契約者の情報、すなわち査定を行うべき契約の情報が抽出される。抽出される契約の情報には、契約者住所、契約者名、被保険者名、所在地住所、電話番号、保険金額(AMT/万円)、担種コード、目的コード、免責金額、物件種別、構造(柱)、構造(外壁)、構造(屋根)、営業店、代理店等の情報が含まれる。
【0089】
次に、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図18に示す査定人情報抽出処理を行う(ステップS03)。査定人情報抽出処理により、エリアコード、震度コードを用いて、エリアコードで特定される地域の営業拠点に所属する査定人の情報が抽出される。抽出される査定人の情報には、住所、氏名、電話番号、携帯電話番号、携帯メールアドレス、資格コード等の情報が含まれる。
【0090】
そして、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図19に示す査定人安否確認処理を行う(ステップS04)。査定人安否確認処理により、抽出された査定人の安否確認情報を蓄積する。なお、安否確認情報には、安否を特定する情報と、現在地を特定する情報と、参集(従業)可否を特定する情報と、が含まれる。
【0091】
次に、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図20に示す査定ランク付け処理を行う(ステップS05)。査定ランク付け処理においては、抽出された契約情報と、震度コードとに基づき、契約毎に、査定人に要求される資格コードが特定される。本実施形態においては、契約情報のうち、非木造物件かつ震度6強以上の契約については、1級建築士のランク付けがなされる。また、非木造物件かつ震度5強以上6強未満の契約については、1級鑑定人または2級鑑定人のランク付けがなされる。木造物件かつ震度6強以上の契約については、3級鑑定人および一般アジャスターのランク付けがなされる。上記以外の契約については、メカアジャスターのランク付けがなされる。
【0092】
次に、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図21に示す査定計画処理を行う(ステップS06)。査定計画処理においては、あらかじめ定められた営業拠点に、契約情報が振り分けられ、さらに、査定ランク別に、互いの距離が近い所定の契約件数(本実施形態においては、5件)を集めた査定グループが設定される。すなわち、効率よく査定が可能と考えられる査定グループ単位で査定人が査定を行う計画情報が得られる。
【0093】
次に、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sは、図22に示す拠点配信処理を行う(ステップS07)。拠点配信処理においては、予め定められた営業拠点にある営業拠点サーバー300へ、査定計画の情報(契約情報を含む査定グループの情報と、地図情報)が送信される。
【0094】
次に、営業拠点サーバー300は、図23に示す損害報告受付処理を行う(ステップS08)。損害報告受付処理においては、査定人が査定した結果である査定状況と、損害協定の有無、査定人氏名についての情報が営業拠点サーバー300に格納され、査定の進行状況が蓄積される。
【0095】
以上が、本実施形態における災害発生時の査定支援システム1の全体の処理のフローである。当該フローを実施することで、災害発生時に、複数の損害保険の目的物を査定するために移動しながら査定業務を行う査定人の業務を効率よく計画することが可能となる。
【0096】
図15は、ステップS01における開始処理の詳細フローを示す図である。より詳しくは、図15には、広域災害査定支援サーバー200P、すなわちプライマリの広域災害査定支援サーバーにて行われる開始処理の詳細フローが記載されている。
【0097】
まず、震度情報受信部213は、震度情報を受信し、格納する(ステップS011)。具体的には、震度情報受信部213は、震度情報提供サーバー100から送信された震度情報を受信して、一時的に図示しない記憶部220の所定の領域等に格納する。
【0098】
そして、震度情報受信部213は、受信した震度情報に、所定の震度(例えば、震度5強)以上となる地点が含まれるか否かを判定する(ステップS012)。なお、震度情報には、図6に示されるように位置情報と震度情報とが対応付けられているため、震度情報受信部213は、受信した震度情報に「震度5強」以上である情報が含まれているか否かを判定する。所定の震度以上となる地点が含まれない場合(ステップS012にて「No」の場合)には、震度情報受信部213は処理を終了させ、災害発生時の査定支援システム1の全体の処理をも終了させる。
【0099】
所定の震度以上となる地点が含まれる場合(ステップS012にて「Yes」の場合)には、震度情報受信部213は、当該所定の震度以上のエリアについて、エリアコードと、震度コードと、を特定し、担種コードを「地震保険」として特定する(ステップS013)。具体的には、震度情報受信部213は、震度情報を地理情報処理部219に受け渡す。そして、地理情報処理部219は、震度情報に基づいて、地図情報上に位置情報と震度の情報を配置し、等震度線を特定する。そして、等震度線に従って、震度5強以上となる領域を特定し、当該領域に含まれる地域のエリアコードを特定する。また、地理情報処理部219は、各エリアコードについて、震度コードを特定する。通常、地理情報処理部219は、エリアコードで特定される領域毎に、最大の震度に基づいて震度コードを特定する。そして、震度情報受信部213は、エリアコードと、震度コードと、担種コードと、を震度分析情報テーブル510に格納する。
【0100】
以上が、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pによる開始処理の処理フローである。
【0101】
図16には、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによる開始処理の詳細フローが記載されている。基本的には、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによる開始処理について、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pによる開始処理と略同様であるが、相違する処理があるため、以下にその相違点を中心に説明する。
【0102】
セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによる開始処理では、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pによる開始処理におけるステップS012の判定において「Yes」であった場合、すなわち所定の震度以上の地点が震度情報に含まれる場合、ステップS012Sを実施する。ステップS12Sは、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pが停止しているか否かを判定する(ステップS012S)。プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pが稼働している場合には、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sが重複する処理を実施する必要がないためである。具体的には、震度情報受信部213は、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pに対してPing等による応答を要求する。震度情報受信部213は、応答が所定の時間(例えば、1分)以上ない場合には、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pが稼働を停止していると判定し、応答があった場合には、稼働を停止していないと判定する。停止していないと判定した場合(ステップS012Sにて「No」の場合)には、震度情報受信部213は、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sの開始処理を終了させる。
【0103】
停止していると判定した場合(ステップS012Sにて「Yes」の場合)には、震度情報受信部213は、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによる処理継続が必要であるため、上述したステップS013以降の処理を行う。
【0104】
以上が、セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによる開始処理の処理フローである。セカンダリの広域災害査定支援サーバー200Sによると、プライマリの広域災害査定支援サーバー200Pそのものが災害により稼働しなくなった場合に処理を代理し、災害発生時の査定支援システム1の処理の可用性を高めることができる。
【0105】
図17は、ステップS02における契約者情報抽出処理の詳細フローを示す図である。まず、契約情報管理部214は、契約情報から、震度5強以上のエリアコードで特定される地域に含まれる契約を抽出する(ステップS021)。具体的には、契約情報管理部214は、震度分析情報記憶部221に格納されている震度分析情報テーブル510の中から、震度コード512が震度5強以上に該当するエリアコード511を特定する。そして、契約情報管理部214は、契約情報記憶部223に格納されている契約情報テーブル550の中から、所在地住所554が、震度5強以上のエリアコードで特定される地域に含まれる契約の情報を抽出する。
【0106】
次に、契約情報管理部214は、抽出した契約情報から、担種コードに対応する契約を抽出する(ステップS022)。具体的には、契約情報管理部214は、ステップS021にて抽出した契約情報の中から、さらに、震度分析情報テーブル510の担種コード513に対応する契約を抽出する。当該担種コードに対応する契約か否かは、震度分析情報テーブル510の担種コード513が、契約情報テーブル550の担種コード557に含まれるか否かにより判定する。
【0107】
そして、契約情報管理部214は、抽出した契約の情報について、契約情報を特定する(ステップS023)。具体的には、契約情報管理部214は、ステップS022にて抽出した契約情報を契約情報テーブル550から特定する。
【0108】
以上が、契約者情報抽出処理の処理フローである。契約者情報抽出処理によると、震度5強以上の地域の、地震に対する補償をすべき保険契約の情報を抽出することができる。
【0109】
図18は、ステップS03における査定人情報抽出処理の詳細フローを示す図である。まず、査定人情報管理部215は、営業拠点情報から、震度5強以上のエリアに含まれる拠点を抽出する(ステップS031)。具体的には、査定人情報管理部215は、震度分析情報記憶部221に格納されている震度分析情報テーブル510の中から、震度コード512が震度5強以上に該当するエリアコード511を特定する。そして、査定人情報管理部215は、営業拠点情報記憶部226に格納されている営業拠点情報テーブル700の中から、カバーエリアコード702に震度5強以上のエリアコードを含む営業拠点ID701を抽出する。
【0110】
次に、査定人情報管理部215は、抽出した拠点に所属する査定人の査定人情報を特定する(ステップS032)。具体的には、査定人情報管理部215は、ステップS031にて抽出した営業拠点に所属する査定人を、査定人情報テーブル600の所属拠点606に、ステップS031で抽出した営業拠点ID701のいずれかを含む情報を抽出することで特定する。
【0111】
以上が、査定人情報抽出処理の処理フローである。査定人情報抽出処理によると、震度5強以上の地域を管轄する営業拠点に属する査定人を抽出することができる。
【0112】
図19は、ステップS04における査定人安否確認処理の詳細処理フローを示す図である。なお、査定人安否確認処理においては、査定人へ電子メール送信を行うステップS041Sの処理は一度に行われるが、電子メール受信後の安否入力を受け付けるステップS041T以降の処理は、査定人による操作を待って行われる。また、査定人による操作が介在する処理であるため、広域災害査定支援サーバー200Pまたは広域災害査定支援サーバー200Sにて行われる処理と、査定人端末400にて行われる処理と、の二種類の処理より成る。
【0113】
まず、安否管理部216は、査定人情報抽出処理により特定された査定人に安否問い合わせメールを送信する(ステップS041S)。具体的には、安否管理部216は、ステップS03にて特定された査定人の夫々の査定人端末のメールアドレスを査定人情報テーブル600のメールアドレス携帯605から取得して、定型のメッセージおよび安否入力を行うためのWebページへアクセスするためのURL文字列を含む安否問い合わせメールを電子メールとして送信する。
【0114】
次に、査定人端末400の電子メール処理部413は、安否問い合わせメールを受信する(ステップS041T)。そして、電子メール処理部413は、査定人からの電子メール開封指示を受け付けると、受信した安否問い合わせメールを表示し、安否問い合わせメールに含まれるURLの選択入力を受け付ける(ステップS042T)。なお、電子メール処理部413は、URLの選択入力を受け付けると、ブラウザ部414に制御を渡す。ブラウザ部414は、当該URLへのリクエスト情報を構成し、ネットワーク10へ送出する。
【0115】
図25は、査定人安否確認処理の画面例を示す図である。このうち、図25(a)は、ステップS042で表示される電子メールを表示するメール画面901のイメージである。メール画面901には、テンプレートに従って地震の発生を知らせ安否報告を依頼する本文902と、安否報告のためのWebページのURLリンク903とが含まれる。なお、本実施形態では、本文902には、地震の発生時刻と、最大の震度と、が含まれる。当該情報は、安否管理部216が震度情報受信部213から情報を取得して、最早の観測日時503と、最大の震度502を特定して編集するようにしている。
【0116】
安否管理部216は、リクエスト情報を受信すると、URLに対応する安否入力画面の情報をリクエスト元へ送信する(ステップS042S)。
【0117】
図25(b)は、ステップS042Sで送信される安否入力画面910のイメージである。安否入力画面910には、操作ガイド文911と、安否選択入力領域912と、次処理開始指示受付領域(いわゆる「次へ」ボタン)913と、が含まれる。
【0118】
ブラウザ部414は、安否入力画面910を表示し、入力を受け付けると、受け付けた安否情報を所定のURL(「次処理開始指示受付領域913に予め対応付けられたURL」)へ送信する(ステップS043T)。
【0119】
安否管理部216は、安否情報を受信すると、URLに対応する現在地入力画面の情報をリクエスト元へ送信する(ステップS043S)。
【0120】
図25(c)は、ステップS043Sで送信される現在地入力画面920のイメージである。現在地入力画面920には、操作ガイド文921と、現在地自動取得指示入力受付領域922と、現在地手動取得指示入力受付領域923と、登録済みの所定の地点を選択的に受け付ける登録済地点入力受付領域924と、次処理開始指示受付領域(いわゆる「次へ」ボタン)925と、が含まれる。なお、ここで、現在地自動取得指示入力受付領域922への入力指示をブラウザ部414が受け付けると、ブラウザ部414は、現在地取得部415に現在地を取得するよう指示し、現在地取得部415が取得した現在地の情報を現在地情報として送信情報へ設定する。現在地手動取得指示入力受付領域923への入力指示をブラウザ部414が受け付けると、ブラウザ部414は、住所の入力を受け付けて、現在地情報として送信情報へ設定する。登録済地点入力受付領域924への入力指示をブラウザ部414が受け付けると、ブラウザ部414は、受け付けた登録済みの地点を現在地情報として送信情報へ設定する。
【0121】
ブラウザ部414は、現在地入力画面920を表示し、入力を受け付けると、受け付けた現在地情報を含む送信情報を所定のURL(「次処理開始指示受付領域925に予め対応付けられたURL」)へ送信する(ステップS044T)。
【0122】
安否管理部216は、現在地情報を受信すると、URLに対応する参集可否入力画面の情報をリクエスト元へ送信する(ステップS044S)。
【0123】
図26は、査定人安否確認処理の画面例を示す図である。このうち、図26(d)は、ステップS044Sで送信される参集可否入力画面930のイメージである。参集可否入力画面930には、出社することを示す第一の選択肢と、保留することを示す第二の選択肢と、すでに社に到着したことを示す第三の選択肢と、のいずれかの選択を受け付ける参集可否入力受付領域931と、次処理開始指示受付領域(いわゆる「次へ」ボタン)932と、が含まれる。なお、ブラウザ部414は、次処理開始指示受付領域(いわゆる「次へ」ボタン)932への入力指示を受け付けると、選択された選択肢のいずれかを含む送信情報を所定のURL(「次処理開始指示受付領域932に予め対応付けられたURL」)へ送信する(ステップS045T)。
【0124】
安否管理部216は、参集可否の情報を受信すると、査定人の安否と、現在地と、参集可否とを、格納する(ステップS045S)。具体的には、安否管理部216は、査定人情報記憶部224に格納されている査定人情報テーブル600の安否情報608と、現在地609と、参集可否610と、のそれぞれに、ステップS043Sで受信した安否情報と、ステップS044Sで受信した現在地と、ステップS045Sで受信した参集可否と、を格納する。
【0125】
安否管理部216は、入力完了画面を生成し、査定人端末400に送信する(ステップS046S)。
【0126】
図26(e)は、ステップS046Sで送信される入力完了画面940のイメージである。入力完了画面940には、処理が終了したことを伝えるための定型文941と、所定のWebページ(例えば、所定の企業のトップページ等)を表示させるURLリンク942が含まれる。
【0127】
ブラウザ部414は、ステップS046Sにて送信された入力完了画面940を受信し、これを表示する(ステップS046T)。
【0128】
以上が、査定人安否確認処理の処理フローである。査定人安否確認処理によると、震度5強以上の地域を管轄する営業拠点に属する査定人から、安否確認の情報を受け付けることができる。
【0129】
図20は、ステップS05における査定ランク付け処理の詳細処理フローを示す図である。なお、査定ランク付け処理のフローは、ステップS04の査定人安否確認処理のうちのステップS041Sを終えたことをトリガとして起動される。すなわち、すべての査定人からの安否確認を必ずしも終えていない状態で、処理が開始される。
【0130】
まず、査定計画部217は、未処理の契約情報を一件選択する(ステップS051)。具体的には、査定計画部217は、ステップS02にて抽出された契約情報の中から、査定人資格が特定されていない契約情報を一件選択する。より具体的には、査定計画部217は、ステップS02にて抽出された契約情報のうち、未だ査定人資格666が特定されず査定計画情報テーブル650に格納されていない契約情報を一件選択する。
【0131】
そして、査定計画部217は、選択した契約の目的物の構造(柱)が木造以外であるか否かを判定する(ステップS052)。具体的には、査定計画部217は、契約情報テーブル550を参照して、選択された契約情報の構造(柱)563を特定する。そして、査定計画部217は、構造(柱)563の情報が木造を示すものであるか否かを判定する。
【0132】
目的物の構造(柱)が木造以外である場合(ステップS052で「Yes」の場合)、査定計画部217は、選択した契約の震度が6強以上であるか否かを判定する(ステップS053)。具体的には、査定計画部217は、選択した契約情報の所在地住所554が属するエリアコードを特定し、当該エリアコードの震度コードを震度分析情報テーブル510から特定する。そして、査定計画部217は、特定した震度コードが震度6強以上であるか否かを判定する。
【0133】
選択した契約の震度が6強以上である場合(ステップS053にて「Yes」の場合)、査定計画部217は、当該契約の査定人の資格として「1級建築士」ランクを記憶する(ステップS054)。具体的には、査定計画部217は、査定計画情報テーブル650に当該契約情報を契約情報テーブル550からコピーして格納すると共に、当該契約情報の査定人資格666に「1級建築士」ランクを特定する情報を格納する。
【0134】
そして、査定計画部217は、未処理の契約が無いか否かを判定し(ステップS059)、未処理の契約が無い場合(ステップS059にて「Yes」の場合)には、査定ランク付け処理を終了する。未処理の契約が有る場合(ステップS059にて「No」の場合)には、前述のステップS051に制御を戻す。
【0135】
選択した契約の震度が6強以上でない場合(ステップS053にて「No」の場合)、査定計画部217は、当該契約の査定人の資格として「1級鑑定人」および「2級鑑定人」ランクを記憶する(ステップS055)。具体的には、査定計画部217は、査定計画情報テーブル650に当該契約情報をコピーして格納すると共に、当該契約情報の査定人資格666に「1級鑑定人」および「2級鑑定人」ランクを特定する情報を格納する。
【0136】
そして、査定計画部217は、制御をステップS059に進める。
【0137】
選択した契約の構造(柱)が木造である場合(ステップS052にて「No」の場合)、査定計画部217は、選択した契約の震度が6強以上であるか否かを判定する(ステップS056)。具体的には、査定計画部217は、選択した契約情報の所在地住所554が属するエリアコードを特定し、当該エリアコードの震度コードを震度分析情報テーブル510から特定する。そして、査定計画部217は、特定した震度コードが震度6強以上であるか否かを判定する。
【0138】
選択した契約の震度が6強以上である場合(ステップS056にて「Yes」の場合)、査定計画部217は、当該契約情報の査定人の資格として「3級鑑定人」および「一般アジャスター」ランクを記憶する(ステップS057)。具体的には、査定計画部217は、査定計画情報テーブル650に当該契約情報をコピーして格納すると共に、当該契約情報の査定人資格666に「3級鑑定人」および「一般アジャスター」ランクを特定する情報を格納する。
【0139】
そして、査定計画部217は、制御をステップS059に進める。
【0140】
選択した契約の震度が6強以上でない場合(ステップS056にて「No」の場合)、査定計画部217は、当該契約情報の査定人の資格として「メカアジャスター」ランクを記憶する(ステップS058)。具体的には、査定計画部217は、査定計画情報テーブル650に当該契約情報をコピーして格納すると共に、当該契約情報の査定人資格666に「メカアジャスター」ランクを特定する情報を格納する。
【0141】
そして、査定計画部217は、制御をステップS059に進める。
【0142】
なお、本実施形態においては、査定人が保有する資格として「1級建築士」、「1級鑑定人」、「2級鑑定人」、「3級鑑定人」、「一般アジャスター」および「メカアジャスター」(メカアジャスターは、車両についての損害保険査定人の資格である)を想定しているが、これに限られるものではない。つまり、建築物に対する専門性の高い知識を有すると想定される資格保有者が査定難易度の比較的高い物件を査定し、そうでない資格保有者ほど査定難易度が比較的低い物件を査定するようにランク付けを行うものであればよい。
【0143】
以上が、査定ランク付け処理の処理フローである。査定ランク付け処理によると、契約ごとに、査定人が有すべき資格を一斉に割り付けることができる。
【0144】
図21は、ステップS06における査定計画処理の詳細処理フローを示す図である。まず、査定計画部217は、予め定められた主要な営業拠点へ、各契約情報を振り分ける(ステップS061)。具体的には、査定計画部217は、災害時に営業拠点を統括する主要な拠点として定められて登録されている営業拠点ごとに、当該拠点が査定すべき契約情報を振り分ける。本実施形態においては、各都道府県下の営業拠点を全て統括する営業拠点が各都道府県に一つある想定であり、当該営業拠点へ都道府県ごとの契約を振り分ける。
【0145】
次に、査定計画部217は、主要拠点ごとに、振り分けられた契約情報を、査定ランク別に、主要拠点からの距離が近い順に所定件数で区分する(ステップS062)。具体的には、査定計画部217は、主要拠点ごとに、査定計画情報テーブル650を参照して、査定人資格666の別に契約情報を区分する。そして、査定計画部217は、査定人資格の区分ごとに、主要拠点からの距離が近い契約の順にソートし、所定の件数(例えば、査定グループを構成する契約数の整数倍である50件)ごとに順に区切る。
【0146】
次に、査定計画部217は、ステップS062にて区切った所定の件数の契約間の互いの距離の和が最小となる、所定数の契約を含む査定グループを設定する(ステップS063)。具体的には、ステップS062にて区切った所定の件数の契約について、各契約の所在地住所間の地図上の距離を、地理情報処理部219に依頼して取得する。そして、査定計画部217は、取得した契約間の距離を用いて、所定の件数(例えば、査定人が一日に行う平均査定件数である5件)ごとの査定グループを設定し、査定計画情報テーブル650の各契約に査定グループ667を識別する情報(例えば、同一の査定グループに設定された契約については、同一の査定グループID等のシリアル番号等)を格納する。なお、査定グループの構成に際して、査定計画部217は、所在地住所間の距離の和が最小となる組合せを特定し、査定グループを構成する。具体的には、査定計画部217は、ステップS062にて区切った所定の件数の契約の位置を特定し、そのうち所定の契約の所在地住所を基点として時計回りに所定件数ずつ抽出し、各々一つの査定グループとして設定するようにしてもよい。
【0147】
なお、上記ステップS063においては、契約の所在地住所間の距離を、地図上の直線距離として想定しているが、これに限られず、地図上で経路探索を行った結果得られる道のりとしてもよいし、高低差がある場合に所定の重み付けを行うようにして得られた所定のコスト値を用いるようにしてもよい。
【0148】
以上が、査定計画処理の処理フローである。査定計画処理によると、査定人による効率のよい査定を実現可能な査定計画の情報を生成することができる。
【0149】
なお、上記実施形態においては、予め定められた主要拠点からの距離を基準に査定計画を立案しているが、これに限定されるものではない。例えば、査定人情報テーブル600(図9)に含まれる査定人の現在地609からの距離を基準に査定計画を立案するようにしてもよい。その場合、現在地が当該契約の所在地住所の付近にある査定人を特定し、当該査定人の現在地609を用いて距離を算出する。
【0150】
または、上記実施形態においては、ステップS063において、契約間の距離の和が最小となるグループを特定するために、所定の契約の所在地住所を基点として時計回りに所定件数ずつ抽出し、各々一つの査定グループとして設定しているが、これに限られない。例えば、査定計画部217は、所定の契約の所在地住所を基点として最短距離にある契約を選択し、選択した契約の所在地住所を基点として最短距離にある契約を次なる契約として選択することを繰り返して5件の契約を抽出し、これらを一つの査定グループとして設定するようにしてもよい。
【0151】
図22は、ステップS07における拠点配信処理の詳細処理フローを示す図である。まず、査定計画部217は、契約情報ごとに、地図データを格納し、査定グループ毎に地図データを格納する(ステップS071)。具体的には、査定計画部217は、各契約情報について、所在地住所を中心とする所定の縮尺の地図情報を、地理情報処理部219から取得し、査定計画情報テーブル650の地図データ668に格納する。また、査定計画部217は、査定グループごとに、含まれる契約の所在地住所の全てが記載された縮尺の地図情報を、地理情報処理部219から取得する。
【0152】
次に、査定計画部217は、査定グループ毎に、含まれる契約情報と、地図データと、を対応付けて配信データを生成する(ステップS072)。具体的には、査定計画部217は、ステップS071にて格納した査定計画情報テーブル650から、査定グループ667の情報が同一である契約についてまとめて契約の情報を読み出し、当該読み出した情報に、査定グループに含まれる契約の所在地住所の全てが記載された縮尺の地図情報を対応付け、両者を含む所定のフォーマットの配信データを生成する。なお、契約の所在地住所が離れている等の理由により地図の詳細が確認できない場合には、査定グループに含まれる契約の所在地住所の全てが記載された縮尺の地図情報に代えて適宜の縮尺の地図情報を組み合わせて配信するようにしてもよい。また、査定グループに含まれる契約の所在地住所の全てが記載された縮尺の地図情報について、拡大表示すなわち縮尺変更が可能な地図情報を用いる場合には、所在地住所を中心とする所定の縮尺の地図情報の対応付けを省略するようにしてもよい。
【0153】
そして、査定計画部217は、主要拠点へ、当該拠点に対応する配信データを配信する(ステップS073)。具体的には、査定計画部217は、査定計画処理のステップS061にて振り分けた契約情報にしたがって、各主要拠点へ、当該拠点に振り分けられた契約情報についての配信データを配信する。その際、査定計画部217は、ネットワーク20を介して営業拠点サーバー300へ配信データを送信するが、営業拠点サーバー300のネットワーク上のアドレスを、営業拠点情報テーブル700に格納されたアドレス703に基づいて特定し、通信処理部250に送信を依頼する。
【0154】
なお、ステップS073で配信された配信データは、営業拠点サーバー300の査定計画情報受信部313により受信されて査定計画情報記憶部321へ格納される。そして、査定計画情報出力部314は、査定計画情報記憶部321へ格納された査定計画の情報を出力する。
【0155】
以上が、拠点配信処理の処理フローである。拠点配信処理によると、所定の営業拠点の管轄下にある契約についての査定計画の情報を、営業拠点サーバー300に対して配布することができる。
【0156】
図23は、ステップS08における損害報告受付処理の詳細処理フローを示す図である。当該処理は、査定人が査定を終えた契約について、査定結果を受け付けて格納する処理であるため、営業拠点サーバー300にて、査定が終了した契約についての入力を行う指示を受け付けると、処理が開始される。
【0157】
まず、損害状況管理部315は、査定された契約情報について、損害査定の状況と、損害協定の有無と、査定人氏名と、についての入力を受け付ける(ステップS081)。具体的には、損害状況管理部315は、入力用の所定の画面を出力表示部330に表示させて、損害査定の状況と、損害協定の有無と、査定人氏名と、についての入力を受け付ける。なお、損害査定の状況とは、査定の結果、所定の基準に基づく「全損」、「半損」、「一部損」、「その他」のいずれかの状況をいう。また、損害協定とは、査定結果についての契約者との合意をいう。そのため、損害協定の有無については、損害状況管理部315は、契約者との当該合意があれば「有り」、合意が無ければ「無し」のいずれかの入力を受け付ける。
【0158】
そして、損害状況管理部315は、入力された情報を損害状況として格納する(ステップS082)。具体的には、損害状況管理部315は、ステップS081において入力を受け付けた損害査定の状況と、損害協定の有無と、査定人氏名と、を損害状況記憶部322の損害状況情報テーブル750の損害査定状況757と、損害協定有無758と、査定人氏名759と、にそれぞれ格納する。また、当該格納に際して、損害状況管理部315は、契約の情報と関連付けるために、契約者住所751と、契約者名752と、被保険者名753と、所在地住所754と、電話番号755と、保険金額756と、の情報についても、査定計画情報記憶部321の査定計画情報テーブル650の情報を取得して、格納する。
【0159】
以上が、損害報告受付処理の処理フローである。損害報告受付処理によると、査定人が査定した結果得られた情報の入力を受け付け、記録することができる。
【0160】
以上、本実施形態における災害発生時の処理のフローについて説明した。本実施形態における災害発生時の処理のフローによると、査定人の安否の確認を行い、査定人による査定業務を効率よく実施するための計画を生成し、査定を支援することができる。
【0161】
図24は、ステップS02における契約者情報抽出処理の処理イメージを示す図である。図24は、地図イメージであり、震度5強となる地点を結んでできる等震度線800と、震度5強未満の地域に所在地住所が含まれる契約810と、震度5強未満の地域に含まれる営業拠点811と、震度5強以上の地域に所在地住所が含まれる契約820と、震度5強以上の地域に含まれる営業拠点821と、が示されている。
【0162】
ステップS02における契約者情報抽出処理においては、等震度線800により囲まれた震度5強以上の地域の契約820が抽出される。
【0163】
図27は、ステップS06における査定計画処理の処理イメージを示す図である。図27には、査定計画処理の結果、等震度線800で囲まれた震度5強以上の地域に所在地住所がある所定件数の契約が、査定グループ1010、1020、1030、1040として設定されていることが示されている。
【0164】
以上、本発明の第一の実施形態に係る査定支援システム1について説明した。査定支援システム1によると、複数の損害保険の目的物を査定するために移動しながら査定業務を行う査定人の業務を効率よく計画することが可能となる。
【0165】
以上、本発明の実施の形態について、具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0166】
例えば、上記実施形態においては、査定計画処理において、査定人安否確認処理において安否の入力があり、参集可能とされた査定人を、その保有資格に応じて具体的に割り当てた査定計画を作成するようにしてもよい。このようにすることで、さらに具体的に効率の良い査定業務を支援することができる。
【0167】
また例えば、上記実施形態においては、査定計画処理において、営業拠点から近い順に契約を区分し、区分内で契約間の距離が最小となるように査定グループを設定しているが、これに限らず、地理的要因、例えば道路や橋の通行可否や進入禁止領域等の情報に基づいて査定グループをさらに区分けするようにしてもよい。大規模地震等においては、地形が変化する可能性も高いためである。
【0168】
また例えば、上記実施形態においては、査定計画処理において、営業拠点から近い順に契約を区分し、区分内で契約間の距離が最小となるように査定グループを設定しているが、これに限らず、区分内で契約間の移動にかかる時間が最小となるように査定グループを設定するようにしてもよい。
【0169】
なお、上記実施形態における査定支援システム1は、システムとして取引対象とするだけでなく、各機器単位、または機器の動作を実現するプログラム部品単位で取引対象とすることも可能である。
【符号の説明】
【0170】
1・・・査定支援システム、10、20・・・ネットワーク、100・・・震度情報提供サーバー、200・・・広域災害査定支援サーバー、300・・・営業拠点サーバー、400・・・査定人端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
損害保険の査定を支援する査定支援システムであって、
第一のサーバーと、前記第一のサーバーと第一のネットワークを介して通信可能な第二のサーバーと、を備え、
前記第一のサーバーは、
外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信手段と、
前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成手段と、
前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約を扱う所定の前記第二のサーバーに配信する配信手段と、
を備え、
前記第二のサーバーは、
前記第一のサーバーにより配信された前記査定計画情報を受信する査定計画情報受信手段と、
前記査定計画情報を出力する査定計画情報出力手段と、
を備えることを特徴とする査定支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記査定計画情報を生成する処理において、査定人が効率よく移動できるよう前記契約を前記査定グループに割り当てる、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記査定計画情報を生成する処理において、前記契約の所在地間の距離の和が最小となる契約を前記査定グループに割り当てる、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記査定計画情報を生成する処理において、前記契約の所在地間の移動にかかる時間が最小となる契約を前記査定グループに割り当てる、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記契約の特性に応じて、査定すべき査定人の特性を特定し、
前記査定人の特性の別に前記査定グループを設ける、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記契約の対象物の構造の特性および前記契約の対象物の震度に応じて、査定すべき査定人の特性を特定し、
前記査定人の特性の別に前記査定グループを設ける、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の査定支援システムであって、さらに、
前記第一のサーバーと第二のネットワークを介して通信可能な端末を備え、
前記抽出手段は、前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定人をさらに抽出し、
前記抽出手段により抽出した査定人に予め対応付けられた前記端末から、安否情報を収集する査定人安否情報収集手段、
を備える、ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項8】
請求項7に記載の査定支援システムであって、
前記査定人安否情報収集手段は、さらに、
前記端末から、参集可否情報を収集する、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記査定計画に、前記各契約の所在地についての地図情報を付加する、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の査定支援システムであって、
前記査定計画生成手段は、
前記査定計画に、前記査定グループに含まれる契約の所在地が示される地図情報を付加する、
ことを特徴とする査定支援システム。
【請求項11】
損害保険の査定を支援する査定支援サーバーであって、
外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信手段と、
前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成手段と、
前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約の管轄を行う所定の外部のサーバーにネットワークを介して配信する配信手段と、を備える、
ことを特徴とする査定支援サーバー。
【請求項12】
損害保険の査定を支援する査定支援システムの査定支援方法であって、
前記査定支援システムは、
第一のサーバーと、前記第一のサーバーと第一のネットワークを介して通信可能な第二のサーバーと、を備え、
前記第一のサーバーは、
外部のサーバーから発生した地震の震度情報を受信する震度情報受信ステップと、
前記震度情報を用いて、所定震度以上の地域に含まれる査定対象の契約を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出した契約を、所定数の契約により構成される査定グループに割り当てた査定計画情報を生成する査定計画生成ステップと、
前記査定計画情報を、前記査定グループに含まれる契約の管轄を行う所定の前記第二のサーバーに配信する配信ステップと、
を実施し、
前記第二のサーバーは、
前記第一のサーバーにより配信された前記査定計画情報を受信する査定計画情報受信ステップと、
前記査定計画情報を出力する査定計画情報出力ステップと、
を実施することを特徴とする査定支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−190419(P2012−190419A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55776(P2011−55776)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000135771)株式会社パスコ (102)
【出願人】(595140170)東京海上日動火災保険株式会社 (13)
【出願人】(502316164)株式会社東京海上研究所 (1)