説明

柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤

【課題】解決しようとする課題点としては、産業上における、柿の蒂部分の有効利用方法の開発である。
【解決手段】本発明は柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を提供するものである。また本発明は柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を用いる、紫外線曝露に起因する光老化を効果的に予防又は改善する方法を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤に関するものである。また紫外線曝露に起因する光老化の予防又は改善する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柿は全国で約29万t、富有柿の産地で有名な岐阜においても約2万t生産され、柿果実や柿果実を用いた加工食品が食用として広く用いられている。しかしながら、柿の蒂部分については、加工食品等では廃棄物としてほとんどが破棄されているのが現状であり、かつ加工食品以外においても単純にゴミとして扱われている。従って、自然からの得られたものを有効利用するグリーンケミストリーの観点から、廃棄物である柿の蒂部分を、産業上、有効利用する方法を新規に考案する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題点としては、産業上における、柿の蒂部分の有効利用方法の開発である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは柿の蒂部分の有効利用方法について検討した結果、柿蒂抽出物が優れた活性酸素消去作用、美白作用、抗炎症作用、コラゲナーゼ活性阻害作用及びコラゲナーゼ産生抑制作用を有することを見いだし、柿蒂抽出物を用いて活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を構成することを可能とした。柿蒂抽出物に関する先行開示技術としては、古くからしゃっくりや嘔吐感を治める漢方薬として用いられている他、光毒性抑制剤及びこれを含有する化粧品及び食品への応用(特許文献1)、毛髪化粧料及び育毛剤への応用(特許文献2)等が存在するが、本発明である活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤への応用に関しては新規である。
【0005】
【特許文献1】特開2000-319154号公報
【特許文献2】特開2002-20242号公報
【0006】
一方、太陽光に含まれる紫外線曝露は光老化を引き起こす。光老化では細胞マトリックスの過剰な分解や過剰なメラニンの産生を引き起こし、色素沈着が顕著となる。また紫外線曝露により生じる活性酸素は、細胞のDNA損傷を促進する他、炎症性のサイトカインを誘導し炎症を発生させ、コラーゲンを分解するコラゲナーゼの発現を高める。以上の知見から、本発明者らは柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を用いることで、紫外線曝露に起因する光老化を効果的に予防又は改善することが可能であることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を提供するものである。また本発明は柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を用いる、紫外線曝露に起因する光老化を効果的に予防又は改善する方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明品である柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤は、優れた活性酸素消去作用、美白作用、抗炎症作用、コラゲナーゼ活性阻害作用及びコラゲナーゼ産生抑制作用を有するものである。そして前記の各種作用を付帯させることを目的として、これらの薬剤を化粧品又は食品への添加剤として用いることが可能である。そして前記の各種薬剤又はこれらを配合した化粧品又は食品を外用又は内服することで、紫外線曝露に起因する光老化を予防又は改善することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明品で用いる柿蒂抽出物とは、乾燥又は非乾燥状態の柿(Diospyros kaki L)の蒂部分を適宜粉砕したものを原料とし、水や、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,3,5-ペンタントリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール(分子量100〜10万)等の多価アルコール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、キシレン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、フェノール、トルエン等の低極性溶媒、適宜規定度を調製した酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、クエン酸等)やアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等)等から選ばれる1種もしくは2種以上の単一溶媒もしくは混合溶媒を用いて抽出して得られた抽出物である。用いられる柿の品種に特に制限はなく、分類学上でDiospyros kakiに属するものであれば、いずれも用いることができる。
【0010】
抽出条件として、抽出温度に関しては、用いる溶媒の凝固点以上から沸点以下であれば任意に設定が可能であり、具体的には−4℃から150℃の範囲である。好ましくは柿蒂中に含まれる成分の変性や反応による消失等が生じにくく、かつ抽出効率が比較的良好な25〜100℃の温度範囲である。また抽出にかかる圧力としては、具体的には1.0〜2.5kg/cm2の範囲内で適宜設定される。また原料に対する溶媒の重量比率は、具体的には原料:溶媒が、4:1〜1:100の範囲内で任意に設定することができるが、特に1:5〜1:20の重量比率が好ましい。抽出する時間に関しては、具体的に1時間以内といった極端に短時間である場合を除いて特に制限はなく、数日から数週間の範囲である。
【0011】
本発明で用いる柿蒂抽出物は前記の溶媒及び抽出条件より得られる抽出物に、更に精製したものを用いることも可能である。精製方法としては、具体的には濾紙や濾過助剤並びにメンブランフィルター等を用いた濾過法、分液操作法、蒸留法、昇華法、沈殿法、再結晶化法、遠心分離法、減圧濃縮法、pH調製、塩析等の方法が挙げられ、これらの方法の1種もしくは2種以上が選択される。
【0012】
本発明の柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤として、柿蒂抽出物そのものを活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤として使用する他、水、アルコール類、多価アルコール類、界面活性剤、酸、アルカリ、増粘剤、賦形剤、防腐剤等を適宜柿蒂抽出物に添加し調整したものを前記薬剤とすることも可能である。本発明の各種薬剤の形状として、通常液状である他、更に固形状、粉末状、顆粒状、ペレット状、ゲル状、粘液状等であっても良い。
【0013】
本発明において、柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を、添加用成分として化粧品又は食品に用いることができる。化粧品の剤型は任意であり、カプセル状、粉末状、顆粒状、固形状、液状、ゲル状、気泡状、乳液状、クリーム状、軟膏状、シート状、ムース状、粉末分散状、多層状、エアゾール状等の剤型を成す。具体的には、化粧水、美容液、美白化粧水、乳液、美白乳液、クリーム、美白クリーム、軟膏、美白軟膏、ローション、美白ローション、オイル、パック等の基礎化粧料、石鹸、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングミルク、洗顔料等の皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、トリートメント等の洗髪用化粧料や、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアジェル、ヘアローション、ヘアオイル、ヘアエッセンス、ヘアウォーター、ヘアワックス、ヘアフォーム等の整髪料、育毛剤、養毛剤、脱毛防止剤、1剤式染毛剤や2剤式染毛剤、ヘアカラー等の染毛料、パーマネントウェーブ剤や縮毛矯正剤等のパーマ剤やウエーブ保持剤等の頭皮又は頭髪化粧料、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛等のメークアップ化粧料、美爪料等の仕上げ用化粧料、香水類、歯磨剤、洗口剤、マウスウォッシュ、浴用剤等が挙げられる。また前記薬剤の化粧品への配合量としては、組成物全量中、0.0001質量%以上の濃度範囲で使用されるのが一般的であり、好ましくは0.01〜50.0質量%の、特に好ましくは0.1〜20質量%の範囲内である。
【0014】
また食品の剤型もまた任意であり、アンプル状、カプセル状、粉末状、顆粒状、丸剤、錠剤状、固形状、液状、ゲル状、気泡状、乳液状、クリーム状等の剤型を成す。具体的には、前記剤型を付した健康食品、更にはガム、キャンデー、タブレット等の口腔用組成物、かまぼこ、ちくわ等の加工水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生めん、中華めん、ゆでめん、ソバ等のめん類、ソース、醤油、タレ、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ等の調味料、カレー粉、からし粉、コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけ、又は各種野菜・果実の缶詰・瓶詰等の加工野菜・果実類、チーズ、バター、ヨーグルト等の乳製品、穀類の加工製品、発酵食品、みそ汁、スープ、果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料、酒類等が挙げられる。また前記薬剤の食品への配合量としては、組成物全量中、0.0001質量%以上の濃度範囲で使用されるのが一般的であり、好ましくは1.0〜80.0質量%の、特に好ましくは5.0〜50質量%の範囲内である。
【0015】
本発明である柿蒂抽出物を有効成分として外用又は内服することによる紫外線曝露に起因する光老化を予防又は改善する方法とは、柿蒂抽出物を有効成分とする前記の各薬剤やそれらを配合する化粧品を日常的に皮膚や頭皮等に塗布すること又はそれらを配合する食品を日常的に摂取することである。1回の外用塗布量又は摂取量については特に制限はなく、各使用者の体調、皮膚状態、環境等にあわせて適宜調整することが好ましい。
【0016】
本発明である活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤、並びにこれらを配合した化粧品又は食品には、必須成分である柿蒂抽出物に加え、更に油脂類、ロウ類、鉱物油、脂肪酸又はそのエステル、アルコール類、多価アルコール類、多糖類やポリビニル系重合体やポリアクリル酸系重合体等の水溶性高分子、シリコーン類、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両親媒性界面活性剤、有機酸類、ビタミン類、アミノ酸類、核酸類、糖類、植物原料由来の抽出物、動物原料由来の抽出物、微生物由来の抽出物、無機塩、無機又は有機顔料、紫外線吸収剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、酵素類、賦形剤、増粘剤、染料、香料、脱臭剤又は消臭剤、気泡剤、調味料等の各種成分を添加剤として配合することにより、更に多種の機能性を有する化粧品又は食品を提供できる。製剤中における含有量は、特に規定しないが、通常、0.0001〜50重量%の濃度範囲が一般的である。
【0017】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。
【実施例1】
【0018】
50%エタノール水溶液による柿蒂抽出液の製造
乾燥させた柿蒂100gを微粉末状に粉砕し、1.0Lの50w/w%エタノール水溶液中に加え、25℃,7日間静置して抽出した。次に得られた抽出液に濾紙(ADVANTEC社製 No2)を用いた濾過を行い、次いで濾紙(ADVANTEC社製 No65及びNo131)及び濾過助剤(昭和化学工業社製 ラヂオライトP-5及びW-50)を用いた濾過を行い、次いでφ0.45μmメンブランフィルターを用いて濾過を行うことで、標題物である柿蒂の50%エタノール抽出液(固形分濃度1.5%)を得た。
【実施例2】
【0019】
熱水による柿蒂抽出液の製造
乾燥させた柿蒂50gを微粉末状に粉砕し、1.0Lの精製水中に加え、95℃,3時間加熱抽出した。次に得られた抽出液に濾紙(ADVANTEC社製 No2及びNo65)を用いた濾過を行い、得られた濾液を4℃,1週間静置した。次に濾液を濾紙(ADVANTEC社製 No65及びNo131)及び濾過助剤(昭和化学工業社製 ラヂオライトP-5及びW-50)を用いて濾過し、次いでφ0.45μmメンブランフィルターを用いて濾過を行うことで、標題物である柿蒂の熱水抽出液(固形分濃度1.1%)を得た。
【実施例3】
【0020】
50%1,3-ブチレングリコール水溶液による柿蒂抽出液の製造
乾燥させた柿蒂50gを微粉末状に粉砕し、500mLの50w/w%1,3-ブチレングリコール水溶液中に加え、25℃,7日間静置して抽出した。次に得られた抽出液に濾紙(ADVANTEC社製 No2)を用いた濾過を行い、次いで濾紙(ADVANTEC社製 No65及びNo131)及び濾過助剤(昭和化学工業社製 ラヂオライトP-5及びW-50)を用いた濾過を行い、次いでφ0.45μmメンブランフィルターを用いて濾過を行うことで、標題物である柿蒂の50%1,3-ブチレングリコール抽出液(固形分濃度0.9%)を得た。
【実施例4】
【0021】
活性酸素消去作用試験
本試験ではDPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)ラジカル消去法を用いて試験した。本試験に供試する試料として、実施例1で得られた柿蒂抽出液を50%エタノール水溶液を用いて固形分濃度0.05%及び0.01%に調整した試料、及び陽性対照としてDL-α-トコフェロール0.05%含有する50%エタノール水溶性及びDL-α-トコフェロール0.01%含有する50%エタノール水溶性を用いた。本試験で用いる試薬であるDPPH溶液は、DPPH(1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazyl,和光純薬工業株式会社製)を6.0×10-5Mとなるようメタノールに溶解して調製した。DPPH溶液1.95mLと供試試料0.05mLを混合して、室温,遮光条件下で30分間反応させた。同様の条件でメタノール1.95mLと供試試料0.05mLを混合したものをブランク、またDPPH溶液1.95mLと50%エタノール水溶液0.05mLを混合したものをコントロールとした。反応後の各混合液の波長515nmにおける吸光度を測定し、得られた吸光度の値から下記の計算式よりDPPH阻害率(%)を算出した。

DPPHラジカル阻害率(%)=[{ABSC-(ABSS-ABSB)}/ABSC]×100
ABSC:コントロールにおける吸光度
ABSS:供試試料における吸光度
ABSB:ブランクにおける吸光度
【0022】
柿蒂抽出物の活性酸素消去作用を試験した結果、実施例1の柿蒂抽出物(固形分濃度0.05%)においては100%のDPPHラジカル阻害率を示し、また実施例1の柿蒂抽出物(固形分濃度0.01%)においては81.3%の阻害率を示した。一方、陽性対照であるDL-α-トコフェロール溶液(濃度0.05%)においては71.9%の阻害率を、DL-α-トコフェロール溶液(濃度0.01%)においては34.1%の阻害率を示した。以上の結果から柿蒂抽出物は優れた活性酸素消去作用を有することが判明した。
【実施例5】
【0023】
美白作用試験
本試験ではメラニン産生抑制作用を美白作用の指標として試験した。本試験に供試する試料として、実施例1で得られた柿蒂抽出液を50%エタノール水溶液を用いて固形分濃度5mg/mLに調整した試料及び陽性対照として美白作用が確認されている5mg/mLアルブチン含む50%エタノール水溶液、及び陰性対照として50%エタノール水溶液を用いた。B16マウスメラノーマ細胞 3×104cellsを5%FBS-MEM液体培地(60mmシャーレ)にて37℃,5%CO2下で24時間前培養した後、培地を除去した。次に前培養したB16メラノーマ細胞に、5%FBS-MEM液体培地及び培地全量に対して含有濃度が50μg/mLとなる量の試料を添加し、次いで、37℃,5%CO2下で72時間前培養した。次に培地を除去し、Tripsin/EDTA溶液を用いて細胞を回収した。回収した細胞を10%DMSO含有1N NaOH溶液に溶解させ、細胞中のメラニンを抽出した。得られたメラニン抽出液の波長420nmにおける光学密度(以下、OD475nm)を測定し、得られた数値をメラニン産生量と本試験では定義した。N数は3で行い、各試料の示した平均値と標準偏差を算出した。
【0024】
柿蒂抽出物のメラニン産生抑制作用を試験した結果、実施例1の柿蒂抽出物におけるOD475nmの数値は0.141±0.0081であり、アルブチンにおいては0.164±0.0093、陰性対照である50%エタノール水溶液においては0.209±0.0091であった。柿蒂抽出物を添加した系において、最も低いOD475nmを示したことから、柿蒂抽出物は優れたメラニン産生抑制作用を有することが明らかとなった。そして本試験ではメラニン産生抑制作用を美白作用の指標としたことから、本発明で用いる柿蒂抽出物は優れた美白作用を有することが判明した。
【実施例6】
【0025】
抗炎症作用試験
本試験ではヒスタミン遊離抑制作用を抗炎症作用の指標として試験した。試験方法はJ.Soc.Cosmet.Japan,vol.25,No.4,p.246(1992)に記載の方法を用いた。本試験に供試する試料として、実施例1で得られた柿蒂抽出液を50%エタノール水溶液を用いて固形分濃度1mg/mLに調整した試料及び及び陰性対照として50%エタノール水溶液を用いた。ラット(4〜9週齢Wister系雄性ラット、1匹)の腹腔内から摘出し、比重遠心分離により分離及び調整した1×105cells/mL肥満細胞浮遊液1.2mLに、供試試料0.2mL及びcompound48/80を終濃度1μg/mLとなるように添加し、37℃,15分間インキュベートした。次に肥満細胞浮遊液を含む混合液を氷冷し、次いで3000rpm,5分間遠心分離して上清を採取した。次に上清中に含まれるヒスタミンを、o-フタルジアルデヒドを用いて発色させ、励起波長360nm及び蛍光波長450nmにおける吸光度を測定し、下記の計算式よりヒスタミン遊離抑制率(%)を算出した。

ヒスタミン遊離抑制率(%)=[1−{(ABSa−ABSc)/(ABSb−ABSc)}]×100
ABSa:肥満細胞浮遊液に供試試料及びcompound48/80を添加した系の吸光度
ABSb:肥満細胞浮遊液にcompound48/80を添加した系の吸光度
ABSc:肥満細胞浮遊液に供試試料のみ添加した系の吸光度
【0026】
柿蒂抽出物のヒスタミン遊離抑制作用を試験した結果、実施例1の柿蒂抽出物におけるヒスタミン遊離抑制率は84%であったことから、柿蒂抽出物は優れたヒスタミン遊離抑制作用を有することが明らかとなった。そして本試験ではヒスタミン遊離抑制作用を抗炎症作用の指標としたことから、本発明で用いる柿蒂抽出物は優れた抗炎症作用を有することが判明した。
【実施例7】
【0027】
コラゲナーゼ活性阻害作用試験
本試験に供試する試料として、実施例1で得られた柿蒂抽出液を50%エタノール水溶液を用いて固形分濃度0.5%に調整した試料(以降、柿蒂50%エタノール抽出液と表記)、実施例2で得られた柿蒂抽出液を用いて固形分濃度0.5%に調整した試料(以降、柿蒂熱水抽出液と表記)を用いた。陰性対照として50%エタノール水溶液を用いた。5%FBS(ウシ胎児血清,Thermo Trase社製)及び1%Antibiotis(GIBCO社製)含有DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium,SIGMA社製)培地を用いて、正常ヒト新生児包皮皮膚線維芽細胞(クラボウ社製,以降、線維芽細胞と表記)を37℃,5%CO2雰囲気下で培養した後、培地を除去して25mM HEPES緩衝液(同仁化学社製)2mLで線維芽細胞を2回洗浄した。25mM HEPES緩衝液で調整したトリプシン/EDTA溶液(同仁化学社製)を線維芽細胞に添加し、37℃,5%CO2雰囲気下で10分間反応させ、10%FBS含有25mM HEPES緩衝液を2mL添加し、10分後、1000rpm,5分間遠心分離を行い、線維芽細胞を回収した。次に回収した細胞に5%FBS及び1%Antibiotic含有DMEM培地を加え、1×105cells/mLの細胞懸濁液を調整し、これを15mL、10cm培養用ディッシュに播種し、37℃,5%CO2雰囲気下で24時間培養した。培養後培地を除去し、0.02%LAH(ラクトアルブミン加水分解物,SIGMA社製)及び10ng/mLIL-1α(インターロイキン-1α,Chemicon社製)含有DMEM培地15mLを添加して、37℃,5%CO2雰囲気下で48時間培養した。次に培養液を10000rpm,10分間遠心分離し、上清100μL当たり1mg/mLトリプシン(SIGMA社製)含有25mM HEPES緩衝液を10μL添加して、37℃,5分間処理した後、5mg/mLトリプシンインヒビター(GIBCO社製)含有25mM HEPES緩衝液を10μL添加して、トリプシンを失活させることで粗酵素液とした。次に氷冷した1mg/mLFITC標識1型コラーゲン(コスモバイオ社製)溶液50μLと1.11mMTris-HCL緩衝液(pH7.5)90μLを1.5mL容マイクロチューブに加え混合し、次いで供試試料10μLを加え混合した。次に粗酵素液50μL(盲検用及びコラーゲン全量測定用の場合は精製水50μL)をマイクロチューブに添加し、37℃,2時間加温した。コラーゲン全量測定用の場合は95℃で1分間加熱した。次に各マイクロチューブに氷冷した10mM オルトフェナントロリン含有250mM Tris-HCl緩衝液200μLを加え、数秒間強く撹拌し、25℃,30分間静置後、コラーゲン全量測定用を除いて1000rpm,15分間遠心分離した。次に上清を蛍光分光光度計(コロナ電気社製)を用いて、励起波長495nm,蛍光波長520nmにおける吸光度を測定し、以下に記載の計算式を用いて供試試料のコラゲナーゼ活性阻害率(%)を算出した。

各系におけるコラゲナーゼ活性(units/mL)=[(ABSa−ABSb)/(ABSt−ABSb)]×8.33
ABSa:供試試料を添加した系の吸光度
ABSb:盲検用に用いた系の吸光度
ABSt:コラーゲン全量測定用に用いた系の吸光度

コラゲナーゼ活性阻害率(%)=[供試試料のコラゲナーゼ活性(units/mL)/陰性対照のコラゲナーゼ活性(units/mL)]×100
【0028】
柿蒂抽出物のコラゲナーゼ活性阻害作用を試験した結果、柿蒂50%エタノール抽出液におけるコラゲナーゼ活性阻害率は29.5%、柿蒂熱水抽出液におけるコラゲナーゼ活性阻害率は71.2%であった。以上の結果から柿蒂抽出物は優れたコラゲナーゼ活性阻害作用を有することが判明した。
【実施例8】
【0029】
コラゲナーゼ産生抑制作用試験
本試験に供試する試料として、実施例1で得られた柿蒂抽出液を精製水及び30%エタノール水溶液を用いて固形分濃度0.1%に調整したものを用いた。陰性対照として30%エタノール水溶液を用いた。陽性対照として0.1%アスコルビン酸溶液を用いた。5%FBS及び1%Antibiotic含有DMEM培地を用いて、正常ヒト新生児包皮皮膚線維芽細胞(クラボウ社製,以降、線維芽細胞と表記)を37℃,5%CO2雰囲気下で培養した後、培地を除去して25mM HEPES緩衝液2mLで線維芽細胞を2回洗浄した。25mM HEPES緩衝液で調整したトリプシン/EDTA溶液を線維芽細胞に添加し、37℃,5%CO2雰囲気下で10分間反応させ、10%FBS含有25mM HEPES緩衝液を2mL添加し、10分後、1000rpm,5分間遠心分離を行い、線維芽細胞を回収した。次に回収した細胞に5%FBS及び1%Antibiotic含有DMEM培地を加え、6×104cells/mLの細胞懸濁液を調整し、1mLずつ24wellsプレートに播種し、37℃,5%CO2雰囲気下で24時間培養した。次に培地を除去し、0.02%LAH及び10ng/mLIL-1α含有DMEM培地を1mL添加し、かつ供試試料10μLを添加して、37℃,5%CO2雰囲気下で48時間培養した。次に上清を1000rpm,10分間遠心分離した後、上清中のコラゲナーゼ産生量をMMP-1 Human ELISA System(Amersham Pharmacia Biotech社製)を用いて測定し、陰性対照におけるコラゲナーゼ産生量(ng/mL)を基準として、以下の計算式より供試試料のコラゲナーゼ産生抑制率(%)を算出した。

コラゲナーゼ産生抑制率(%)=[{陰性対照のコラゲナーゼ産生量(ng/mL)−供試試料のコラゲナーゼ産生量(ng/mL)}/陰性対照のコラゲナーゼ産生量(ng/mL)]×100
【0030】
柿蒂抽出物のコラゲナーゼ産生抑制作用を試験した結果、実施例1の柿蒂抽出液におけるコラゲナーゼ産生抑制率は85.7%であり、一方陽性対照であるアスコルビン酸においては65.6%であった。以上の結果から柿蒂抽出物は優れたコラゲナーゼ産生抑制作用を有することが判明した。
【0031】
(製造例)各種化粧品又は食品の製造
柿蒂抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、美白剤、抗炎症剤、コラゲナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ産生抑制剤を配合した各種化粧品及び食品の製造例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0032】
(製造例1)乳液 質量%
柿蒂エタノール抽出物 4.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
セチルアルコール 1.5
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレン(20)ソオルビタンモノオレート 2.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
パラオキシ安息香酸エステル 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
【0033】
(製造例2)化粧水 質量%
柿蒂1,3ブチレングリコール抽出物 3.0
グルタミン酸ナトリウム 1.0
1,3-ブチレングリコール 6.0
グリセリン 5.0
ポリエチレングリコール400 3.0
オリーブ油 0.5
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
ポリオキシエチレン(5)オレイルアルコールエーテル 0.3
エタノール 10.0
香料 適量
色素 適量
フェノキシエタノール 0.1
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 1.2
精製水 100とする残余
【0034】
(製造例3)ローション 質量%
柿蒂熱水抽出物 4.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
エタノール 15.0
酸化鉄 0.2
酸化亜鉛 0.5
カオリン 2.0
トレハロース 2.0
デキストリン 0.5
感光素201号 適量
感光素401号 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
【0035】
(製造例4)ローション 質量%
柿蒂水抽出物 2.0
クエン酸ナトリウム 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ラフィノース 1.0
エタノール 5.0
フェノキシエタノール 0.2
ペクチン 0.01
キサンタンガム 0.05
アセチルグルコサミン 0.05
ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸 0.2
γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.001
アラントイン 0.2
N-メンチルグリセリルエーテル 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
デカルボキシカルノシン塩酸塩 0.05
香料 適量
精製水 100とする残余
【0036】
(製造例5)クリーム 質量%
柿蒂エタノール抽出物 5.0
ステアリン酸 2.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
セタノール 3.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワラン 10.0
流動パラフィン 10.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
グルタミン酸ナトリウム 2.0
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
ニコチン酸アミド 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
香料 適量
精製水 100とする残余
【0037】
(製造例6)洗顔料 質量%
柿蒂50%エタノール水溶液抽出物 0.5
アスパラギン酸ナトリウム 1.0
メトキシケイ皮酸 1.0
ミリスチン酸 25.0
ステアリン酸 5.0
牛脂脂肪酸 5.0
プロピレングリコール 10.0
水酸化カリウム 6.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 6.0
グリセロール 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
グリチルレチン酸ジカリウム 1.0
防腐剤 0.1
香料 適量
精製水 100とする残余
【0038】
(製造例7)ボディーソープ 質量%
柿蒂30%プロピレングリコール水溶液抽出物 0.8
クエン酸酸ナトリウム 2.0
N-アセチルグルタミン酸 1.0
ラウリン酸カリウム 15.0
ミリスチン酸カリウム 5.0
プロピレングリコール 5.0
ソルビトール 3.0
ポリエチレン末 0.5
ヒドロキシプロピルキトサン溶液 0.5
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
【0039】
(製造例8)パウダーファンデーション 質量%
柿蒂1,3ブチレングリコール水溶液抽出物 3.0
シリコーン処理マイカ 25.0
セリサイト 17.0
疎水処理シリカ 20.0
酸化チタン 20.0
球状アルミナ粉末 4.0
ジメチルポリシロキサン 4.0
メチルフェニルポリシロキサン 1.0
ワセリン 3.0
オクチルメトキシシンナメート 3.0
ソルビタンジイソステアレート 1.0
抗酸化剤 適量
香料 適量
パラオキシ安息香酸 適量
タルク 残量
【0040】
(製造例9)乳化液状ファンデーション 質量%
柿蒂熱水抽出物 3.2
グルタミン酸ナトリウム 1.5
オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル 4.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
アルミニウムモノステアレート 0.01
流動パラフィン 12.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
12-ヒドロキシステアリン酸 1.0
ナイロンパウダー 4.5
黒酸化鉄 1.5
黄酸化鉄 3.0
酸化チタン 5.0
赤酸化鉄 2.0
パラオキシ安息香酸ブチル 0.2
ソルビトール 7.0
精製水 100とする残余
【0041】
(製造例10)口紅 質量%
柿蒂75%エタノール水溶液抽出物 2.5
パラフィンワックス 5.0
セレシン 5.0
キャンデリラワックス 2.0
マイクロクリスタリンワックス 1.0
ポリエチレンワックス 1.0
エチレンプロピレンコポリマー 1.0
水添ポリイソブテン 10.0
リンゴ酸ジイソステアリル 15.0
イソノナン酸イソトリデシル 12.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 8.0
オクチルドデカノール 3.0
スクワラン 5.0
オレイン酸フィトステリル 3.0
メチルフェニルポリシロキサン 3.0
DL-α-トコフェロール 0.1
赤色201号 0.4
赤色202号 0.2
黄色4号 0.5
雲母チタン 7.0
トリオクタン酸グリセリル 残量
【0042】
(製造例11)ヘアシャンプー 質量%
柿蒂水抽出物 1.0
クエン酸カリウム 1.5
N-ラウロイルメチルタウリンナトリウム 7.0
ラウロイルサルコシンナトリウム 6.0
ラウリルジメチルベタイン 2.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
プロピレングリコール 5.0
2-フェノキシエタノール 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
精製水 100とする残余
【0043】
(製造例12)ヘアリンス 質量%
柿蒂50%エタノール水溶液抽出物 1.5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
セトステアリルアルコール 3.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
カチオン化セルロース 1.0
ミリスチン酸イソステアリル 1.0
プロピレングリコール 5.0
ヒドロキシベンゾフェノン 0.1
香料 適量
精製水 100とする残余
【0044】
(製造例13)ヘアトリートメント 質量%
柿蒂1,3ブチレングリコール抽出物 2.0
ベヘニン酸 5.0
ステアリン酸 3.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 8.5
塩化ジアリル(12-18)ジメチルアンモニウム 0.5
カチオン化ケラチン加水分解物 0.2
セラミド3 0.1
アミノ変性シリコーンエマルジョン 0.2
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.3
ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸 0.3
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 1.0
ベンジルオキシエタノール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
クエン酸ナトリウム 2.0
香料 適量
精製水 100とする残余
【0045】
(製造例14)養毛・育毛剤 質量%
柿蒂エタノール抽出物 5.0
グルタミン酸ナトリウム 2.0
エタノール 60.0
酢酸DL-α-トコフェロール 0.5
トウガラシチンキ 0.5
アロエエキス 3.0
レゾルシン 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
カルボキシメチルキチン 0.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 0.1
アルギニン 0.25
グルタミン 0.25
抗菌剤 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
【0046】
(製造例15)浴用剤 質量%
柿蒂熱水抽出物 1.2
炭酸水素ナトリウム 60.0
ホウ砂 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0
カリンエキス 5.0
抗菌剤 適量
香料 適量
無水硫酸ナトリウム 100とする残余
【0047】
(製造例16)軟膏 質量%
柿蒂プリピレングリコール抽出物 8.0
l-メントール 3.0
DL-カンフル 0.5
プロピレングリコール 15.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
ラウロマクロゴール 1.5
トリエタノールアミン 0.7
精製水 25.0
エタノール 100とする残余
【0048】
(製造例17)貼付剤 質量%
柿蒂熱水抽出物 6.0
l-メントール 3.0
DL-カンフル 1.5
ポリアクリル酸 4.5
ポリアクリル酸ナトリウム 1.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.0
グリセロール 20.0
ソルビトール 5.0
ポリオキオシエチレンノニルフェニルエーテル 0.5
カオリン 5.0
ヒマシ油 1.0
精製水 100とする残余
上記成分を溶解、分散及び練合したものを、ポリエステル不織布に1m2当たり、1000gとなるよう展延し、貼付剤を製造した。
【0049】
(製造例18)被覆製剤
ガーゼ又はリニメント布に柿蒂エタノール抽出物、並びに保湿剤、抗炎症剤、細胞賦活作剤、抗酸化剤等を混合した処方液を含浸させ、外傷部に添付する。またこれらを直接、局所に散布し、ガーゼ等で被覆する適用方法も採択されうる。
【0050】
(製造例19)カプセル剤
柿蒂エタノール抽出物 20.0g
アスコルビン酸マグネシウム 0.5g
酢酸DL-α-トコフェロール 0.5g
シリコーン油 30.0g
ツイーン80 0.05g
コーンスターチ 48.95g
上記の成分を均一に混合し、200mgをゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
【0051】
(製造例20)カプセル剤
柿蒂熱水抽出物 15.0g
デンプン 60.0g
マンニトール 10.0g
炭酸水素カルシウム 5.0g
ポリビニルピロリドン 20.0g
上記の成分を均一に混合し、200mgをゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
【0052】
(製造例21)錠剤
柿蒂5%クエン酸水溶液抽出物 100.0mg
コーンスターチ 50.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 150.0mg
カルボキシメチルキチン 30.0mg
上記の成分を均一に混合し打錠して、錠剤を製造した。
【0053】
(製造例22)錠剤
柿蒂水抽出物 100.0mg
コーンスターチ 80.0mg
メチルセルロース 40.0mg
ステアリン酸マグネシウム 20.0mg
タルク 10.0mg
上記の成分を均一に混合し打錠して、錠剤を製造した。
【0054】
(製造例23)顆粒剤
柿蒂熱水抽出物 50.0mg
カルボキシメチルセルロース 180.0mg
プロピレングリコール 20.0mg
アルギン酸ナトリウム 30.0mg
スクロース 10.0mg
上記の成分を均一に混合し造粒して、顆粒剤を製造した。
【0055】
(製造例24)顆粒剤
柿蒂50%エタノール水溶液抽出物 60.0mg
カルボキシメチルセルロース 180.0mg
アルギン酸ナトリウム 30.0mg
エリスリトール 10.0mg
クエン酸 5.0mg
上記の成分を均一に混合し造粒して、顆粒剤を製造した。
【0056】
(製造例25)シロップ剤 質量%
柿蒂75%エタノール水溶液抽出物 4.0
スクロース 5.0
ソルビトール 1.0
クエン酸ナトリウム 0.5
グルタミン酸ナトリウム 0.5
香料 適量
精製水 100とする残余
上記の成分を均一に混合して、シロップ剤を製造した。
【0057】
(製造例26)シロップ剤 質量%
柿蒂熱水抽出物 4.0
アスコルビン酸グルコシド 0.5
シルク抽出物 0.2
コガネバナエキス 0.2
スクロース 2.0
アルギン酸ナトリウム 0.2
香料 適量
精製水 100とする残余
上記の成分を均一に混合して、シロップ剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柿蒂抽出物を有効成分とすることを特徴とする活性酸素消去剤
【請求項2】
柿蒂抽出物を有効成分とすることを特徴とする美白剤
【請求項3】
柿蒂抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗炎症剤
【請求項4】
柿蒂抽出物を有効成分とすることを特徴とするコラゲナーゼ活性阻害剤
【請求項5】
柿蒂抽出物を有効成分とすることを特徴とするコラゲナーゼ産生抑制剤
【請求項6】
柿蒂抽出物を有効成分として外用又は内服することを特徴とする紫外線曝露に起因する光老化を予防又は改善する方法

【公開番号】特開2006−83070(P2006−83070A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266808(P2004−266808)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000119472)一丸ファルコス株式会社 (78)
【Fターム(参考)】