説明

栄養サプリメント

硬骨魚及び軟骨魚に見出される骨格組織に由来する栄養サプリメントが、ヒトを含む動物におけるミネラル欠乏、特にカルシウム欠乏の治療、更に関節炎、腎臓結石、及び痛風の治療に有用であることを見出した。更に、この栄養サプリメントを含む栄養サプリメント組成物及び医薬組成物を提供する。栄養サプリメントは、300,000〜400,000mg/kgのカルシウム、100〜150mg/kgのリン、10〜20mg/kgのマグネシウム、及び1,500〜2,000mg/kgのナトリウムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は栄養サプリメント、特にカルシウム欠乏、関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者の治療に有用な栄養サプリメントに関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明者は、魚に見出される骨格組織が、カルシウム欠乏の患者の治療に有用であることを見出した。更に本発明者は、魚に見出される骨格組織が関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者の治療に有用であることを見出した。
【0003】
そこで、本発明の第1の態様では、魚に見出される骨格組織に由来する栄養サプリメントが提供される。
【0004】
本発明の第2の態様では、魚に見出される骨格組織並びに担体及び/又は賦形剤を含む栄養サプリメント組成物が提供される。
【0005】
本発明の第3の態様では、魚に見出される骨格組織並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0006】
本発明の別の態様では、上記に定義した栄養サプリメント、栄養サプリメント組成物、又は医薬組成物を有効量投与することを含む、カルシウム欠乏の患者の治療方法が提供される。
【0007】
本発明の更に別の態様では、上記に定義した栄養サプリメント、栄養サプリメント組成物、又は医薬組成物を有効量投与することを含む、関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者の治療方法が提供される。
【0008】
本発明の一実施形態では、有効量の栄養サプリメント、栄養サプリメント組成物、又は医薬組成物の投与は、有効量の栄養サプリメント、栄養サプリメント組成物、又は医薬組成物を患者に経口投与又は非経口投与することを含む。
【0009】
本発明の別の態様では、魚に見出される骨格組織の、カルシウム欠乏の患者の治療のための医薬の製造における使用が提供される。
【0010】
本発明の更に別の態様では、魚に見出される骨格組織の、関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者の治療のための医薬の製造における使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、栄養サプリメント、特に魚に見出される骨格組織に由来する栄養サプリメント、前記骨格組織を含む栄養サプリメント組成物、前記骨格組織を含む医薬組成物、並びにかかる栄養サプリメント及び組成物の、ミネラル欠乏、関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風に苦しむ患者を治療するための使用に関する。
【0012】
典型的には、骨格組織は魚の頭蓋に見出され、好ましくは頭蓋の頭頂部に存在する小さな一対の堆積物として形成されている。骨格組織は、硬骨性又は軟骨性であってもよい。骨格組織の具体例としては、限定されるものではないが、脳の下に位置する頭蓋中の空洞である耳嚢に見出される耳石が含まれる。耳石は、霰石等の多結晶炭酸カルシウムから形成される。本発明の別の実施形態では、骨格組織も多結晶炭酸カルシウムから形成されてもよいと考えられる。
【0013】
本発明の一実施形態では、骨格組織は硬骨魚に見出されるものであってもよい。骨格組織は、タラ科(Gadidae科、より一般的にはCod科として知られる)の硬骨魚の頭蓋に見出されることが好ましい。骨格組織を見出すことができる、タラ科又はタラ様の魚の代替的科の具体例としては、限定されるものではないが、カワリヒレダラ科(Melanonidae)、アシナガダラ科(Euclichthyidae)、メルルーサ科(Merlucciidae)、ヒカリダラ亜科(Steindachneriinae)、及びソコダラ科(Macrouridae)が含まれる。
【0014】
本発明の代替的実施形態において、骨格組織はサメ、エイ、ガンギエイ等の軟骨魚に見出される。
【0015】
骨格組織が見出されることが知られている硬骨魚又は軟骨魚の科の具体例としては、限定されるものではないが、ジンベイザメ科(Rhincodontidae)、トラフザメ科(Stegostomatidae)、コモリザメ科(Ginglymostomatidae)、オオワニザメ科(Odontaspididae)、オナガザメ科(Alopiidae)、ネコザメ科(Heterodontidae)、ネズミザメ科(Lamnidae)、カグラザメ科(Hexanchidae)、テンジクザメ科(Hemiscyllidae)、トラザメ科(Scyliorhinidae)、オオセ科(Orectolobidae)、メジロザメ科(Carcharhinidae)、シュモクザメ科(Sphyrnidae)、ノコギリエイ科(Pristidae)、トンガリサカタザメ科(Rhynchobatidae)、サカタザメ科(Rhinobatidae)、カスザメ科(Squatinidae)、ヒラタエイ科(Urolophidae)、シビレエイ科(Torpedinidae)、ガンギエイ科(Rajidae)、アカエイ科(Dasyatididae)、イトマキエイ科(Mobulidae)、ツバクロエイ科(Gymnuridae)、トビエイ科(Myliobatidae)、ギンザメ科(Chimaeridae)、カライワシ科(Elopidae)、ソトイワシ科(Albulidae)、サバヒイ科(Chanidae)、イセゴイ科(Megalopidae)、オキイワシ科(Chirocentridae)、ニシン科(clupeidae)、カタクチイワシ科(Engraulidae)、ウツボ科(Muraenidae)、アナゴ科(Congridae)、ウミヘビ科(Ophichthidae)、ハマギキ科(Ariidae)、ゴンズイ科(Plotosidae)、エソ科(Synodontidae)、ミズテング科(Harpodontidae)、ガマアンコウ科(Batrachoididae)、ウバウオ科(Gobiesocidae)、イザリウオ科(Antennariidae)、アシロ科(Ophidiidae)、カクレウオ科(Carapidae)、フサイタチウオ科(Bythitidae)、トビウオ科(Exocoetidae)、サヨリ科(Hemirhamphidae)、ダツ科(Belonidae)、トウゴロウイワシ科(Atherinidae)、イットウダイ科(Holocentridae)、マツカサウオ科(Monocentridae)、マトウダイ科(Zeidae)、ヒシダイ科(Caproidae)、クサアジ科(Veliferidae)、ヤガラ科(Fistulariidae)、ヘラヤガラ科(Aulostomidae)、ウミヘビ科(Ophichthidae)、セミホウボウ科(Dactylopteridae)、ウミテング科(Pegasidae)、ヘコアユ科(Centriscidae)、カミソリウオ科(Solenostomidae)、ヨウジウオ科(Syngnathidae)、フサカサゴ科(Scorpaenidae)、イボオコゼ科(Aploactinidae)、ホウボウ科(Triglidae)、コチ科(Platycephalidae)、ハタ科(Serranidae)、ヌノサラシ科(grammistidae)、トゲタナバタウオ科(Acanthoclinidae)、タナバタウオ科(Plesiopidae)、メギス科(Pseudochromidae)、アカメ科(Centropomidae)、タカサゴイシモチ科(Ambassidae)、アオバダイ科(Glaucosomatidae)、シマイサキ科(Teraponidae)、キス科(Sillaginidae)、キントキダイ科(Priacanthidae)、テンジクダイ科(Apogonidae)、アジ科(Carangidae)、シイラ科(Coryphaenidae)、キツネアマダイ科(Malacanthidae)、ムツ科(Pomatomidae)、スギ科(Rachycentridae)、コバンザメ科(Echeneidae)、ギンカガミ科(Menidae)、ヒイラギ科(Leiognathidae)、マツダイ科(Lobotidae)、フエダイ科(Lutjanidae)、イサキ科(Haemulidae)、タカサゴ科(Caesionidae)、チョウセンバカマ科(Banjosidae)、フエフキダイ科(Lethrinidae)、タイ科(Sparidae)、イトヨリダイ科(Nemipteridae)、クロサギ科(Gerreidae)、ヒメジ科(Mullidae)、ニベ科(Scianidae)、ヒメツバメウオ科(Monodactylidae)、レプトブラマ科(Leptobramidae)、ハタンポ科(Pempheridae)、イスズミ科(Kyphosidae)、タカベ科(Scorpididae)、テッポウウオ科(Toxotidae)、クロホシマンジュウダイ科(Scatophagidae)、マンジュウダイ科(Ephippididae)、Rhinoprenidae科、チョウチョウウオ科(Chaetodontidae)、キンチャクダイ科(Pomacanthidae)、スズメダイ科(Pomacentridae)、カワビシャ科(Pentacerotidae)、ゴンベ科(Cirrhitidae)、トビギンポ科(Creediidae)、アカタチ科(Cepolidae)、センニンガジ科(Congrogadidae)、ノトグラプトゥス科(Notograptidae)、ボラ科(Mugilidae)、ツバメコノシロ科(Polynemidae)、カマス科(Sphyraenidae)、ベラ科(Labridae)、ブダイ科(Scaridae)、トラギス科(Mugiloididae)、アゴアマダイ科(Opistognathidae)、ミシマオコゼ科(Uranoscopidae)、イソギンポ科(Blenniidae)、ヘビギンポ科(Tripterygiidae)、ネズッポ科(Callionymidae)、ハゼ科(Gobiidae)、カワアナゴ科(Eleotridae)、ツノダシ科(Zanclidae)、アイゴ科(Siganidae)、ニザダイ科(Acanthuridae)、マカジキ科(Istiophoridae)、メカジキ科(Xiphiidae)、サバ科(Scombridae)、ボウズガレイ科(Psettodidae)、ダルマガレイ科(Bothidae)、カレイ科(Pleuronectidae)、ササウシノシタ科(Soleidae)、ウシノシタ科(Cynoglossidae)、ホカケトラギス科(Percophididae)、イボダイ科(Centrolophidae)、エボシダイ科(Nomeidae)、オオメメダイ科(Ariommatidae)、ウチワフグ科(Triodontidae)、ベニカワムキ科(Triacanthodidae)、ギマ科(Triacanthidae)、モンガラカワハギ科(Balistidae)、カワハギ科(Monacanthidae)、ハコフグ科(Ostraciidae)、フグ科(Tetraodontidae)、ハリセンボン科(Diodontidae)が含まれる。
【0016】
本発明の栄養サプリメントは、魚の頭蓋から骨格組織を取り出し、清掃及び粉砕して細かい粉末にすることで調製される。典型的には、骨格組織は、半透明で乳白色の外観を有し、モールの尺度(Mohr scale)で約5単位の硬度を有する。骨格組織の平均重量は約230mgである。
【0017】
得られた栄養サプリメントは、300,000〜400,000mg/kgのカルシウム、100〜150mg/kgのリン、10〜20mg/kgのマグネシウム、及び1,500〜2,000mg/kgのナトリウムを含み、ヒトを含む哺乳動物による消費に適している。
【0018】
特に、上記濃度のカルシウム、リン、及びマグネシウムは、本発明の栄養サプリメントを、哺乳動物のミネラル欠乏、特にカルシウム欠乏の治療における使用に適したものにする。上記哺乳動物としては、ヒト;イヌ、ネコ等のコンパニオンアニマル;ウマ、ウシ、ヒツジ等の家畜;ネコ科、イヌ科、ウシ科、有蹄類等の動物園の動物が含まれる。
【0019】
栄養サプリメントは、乾燥粉末の形態で直接摂取されてもよいし、固形又は液状の飲食物と混合して摂取されてもよい。
【0020】
更に、栄養サプリメントを担体及び/又は賦形剤と組み合わせて栄養サプリメント組成物を作製してもよい。許容可能な多くの担体が栄養サプリメントの分野で公知であり、担体は任意の好適な担体であってよい。担体は、ヒトを含む動物への投与に適しており、かつ栄養サプリメントの所望の活性に実質的に影響を与えない担体として働くものであればよい。また、担体(1又は複数)は組成物の所望の投与経路及び剤形に基づいて選択することができる。例えば本発明に係る栄養サプリメント組成物は、液体形態、固体形態等の種々の剤形での使用に適している。
【0021】
更に、魚に見出される骨格組織と薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤とを組み合わせることで医薬組成物を調製してもよい。
【0022】
本明細書において「薬学的に許容される」とは、ヒトを含む動物が摂取するのに好適であり、過度な毒性、配合禁忌性、不安定性、刺激、アレルギー反応等がなく、ベネフィット/リスク比が妥当な、薬学的に活性の薬剤又は不活性の成分を指す。
【0023】
本発明の組成物は、1又は複数の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤及び/又は希釈剤及び/又はアジュバント、及び所望であればその他の活性成分と関連して存在してもよい。
【0024】
経口用途の組成物は、医薬組成物を製造するための当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、1又は複数の矯味剤、香味剤、着色剤、保存剤、安定化剤、緩衝剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等、並びにビタミン、ミネラル、補酵素、有機又は無機の酸化防止剤又はその前駆体、追加的な栄養サプリメント及び/又はハーブエキス、及びその他の活性成分を含み得る。
【0025】
本発明の組成物に使用してもよい矯味剤の具体例としては、限定されるものではないが、フルクトース、スクロース、糖、デキストロース、ラクトース、マルトース、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、蜂蜜固形物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、サッカリン、アスパルテーム、シクラメート、アセスルファムK、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、その他のスーパー甘味料、及びこれらの混合物が含まれ、これらは栄養サプリメントと化学的相互作用しないような十分少ない量で担体に添加されてよい。
【0026】
本発明の組成物に使用してもよい香味剤の具体例としては、限定されるものではないが、ペパーミント、ペパーミント−メントール、ユーカリプトール、ウインターグリーン、甘草、チョウジ(clove)、シナモン、スペアミント、サクランボ、レモン、オレンジ、ライム、メントール、及びこれらの様々な組合せが含まれる。
【0027】
本発明の組成物は、経口用途に適した様式で製剤することができ、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性の懸濁液、分散性の散剤若しくは顆粒剤、エマルション、硬カプセル剤、軟カプセル剤、又はシロップ剤若しくはエリクシル剤として製剤することができる。
【0028】
錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された栄養サプリメントを含む。この賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、微結晶性セルロース、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、及び酢酸セルロース、エチルセルロース等のセルロースエステル等の不活性な希釈剤;コーンスターチ、又はアルギン酸、又は複合ケイ酸塩等の造粒剤及び崩壊剤;デンプン、ポリビニルピロリドン、PEG−8000、ゼラチン、又はガムアカシア等の結合剤;及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、又はタルク等の平滑剤であり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、公知の技術でコーティングされていてもよい。場合によっては、公知技術でそのようなコーティングを調製して、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせ、それによってより長期間の持続作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリル等の遅延化材料を使用することができる。
【0029】
経口用途の製剤は、栄養サプリメントが不活性な固形希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリン)と混合された硬ゼラチンカプセル剤として提供されてもよく、栄養サプリメントが水又は油性媒体(例えばピーナッツ油、流動パラフィン、又はオリーブオイル)と混合された軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。
【0030】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された栄養サプリメントを含む。そのような賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ガムトラガント、ガムアカシア等の懸濁化剤であり;分散剤又は湿潤剤は、レシチン等の天然ホスファチドであってもよく、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合物(例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であり得る。水性懸濁液は、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル等の1又は複数の保存剤;1又は複数の着色剤、1又は複数の香味剤、及びスクロース、サッカリン等の1又は複数の矯味剤を含んでもよい。
【0031】
油性懸濁液は、栄養サプリメントを、ラッカセイ油、オリーブオイル、ゴマ油、ヤシ油等の植物油中又は流動パラフィン等の鉱油中に懸濁することで製剤することができる。油性懸濁液は、蜜蝋、固形パラフィン、又はアセチルアルコール等の増粘剤を含んでもよい。口当たりの良い経口剤を提供するために矯味剤及び香味剤を添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加することで保存することができる。
【0032】
水を加えることで水性懸濁液を調製するのに適した分散性の散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1又は複数の保存剤と混合された栄養サプリメントを提供する。好適な分散剤若しくは湿潤剤又は懸濁化剤は、上記に既に例示されている。矯味剤、香味剤、着色剤等の追加的な賦形剤が存在してもよい。
【0033】
本発明の医薬組成物は、水中油滴型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物油若しくは鉱油、又はその混合物であってよい。好適な乳化剤は、ガムアカシア、又はガムトラガント等の天然のガム;大豆、レシチン等の天然のホスファチド;脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン);並びに前記エステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であってよい。エマルションは、矯味剤及び香味剤を含んでもよい。
【0034】
シロップ剤及びエリクシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコース、スクロース等の矯味剤と一緒に製剤されてもよい。そのような製剤は、鎮痛薬、保存剤、矯味剤、及び着色剤を含んでもよい。
【0035】
医薬組成物は、滅菌された注入可能な水性懸濁液又は油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、前述の好適な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤を用いて公知技術に従って製剤することができる。滅菌された注入可能な製剤は、例えば1,3−ブタンジオール溶液として、滅菌された注入可能な溶液、又は非経口的に許容可能な非毒性の希釈剤又は溶媒の懸濁液であってもよい。使用することができる許容可能なベヒクル及び溶媒には、水、リンゲル液、及び等張食塩水がある。更に、滅菌不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から用いられている。この目的のために、合成モノ−又はジ−グリセリドを含む刺激のない任意の不揮発性油を用いることができる。更に、オレイン酸等の脂肪酸も、注入可能な製剤に用いることができる。
【0036】
本発明の栄養サプリメント、又は栄養サプリメント並びに1若しくは複数の担体及び/若しくは賦形剤を含む組成物の摂取はまた、驚くべきことに、腎臓結石、通風、及び関節炎の患者の治療にも有益であることが分かった。
【0037】
担体及び/又は賦形剤と組み合わせて1つの剤形を作ることができる、栄養サプリメントの有効量は、治療するホスト及び具体的投与方法に応じて変わる。投与単位剤形(dosage unit form)は通常、約5mg〜約5000mgの栄養サプリメントを含む。1日の消費量としては1000〜5000mgまでの投与量が好適である。本明細書において「有効量」とは、対象患者におけるミネラル欠乏、特にカルシウム欠乏の症状、又は関節炎、腎臓結石、及び/若しくは痛風の症状を、栄養サプリメントを投与する前の患者の症状と比べて緩和又は軽減するのに十分な栄養サプリメントの量を指す。特定の患者又は対象に対する有効量は、年齢、体重、全体的な健康、性別、食生活、投与時間、投与経路、排出速度を含む種々の要因及び治療を受けている特定の状態の重篤度に依存すると理解される。
【0038】
腎臓結石の治療においては、栄養サプリメント230mgを3日間毎日摂取する投与量が好ましい。その他の病気の治療には、800mgを1日2〜3回摂取する投与量が好ましい。
【0039】
有効量の栄養サプリメントを、単独で又は本発明の組成物として製剤して、経口又は非経口投与すると、前述の病気に苦しんでいる人の症状が軽減される。典型的には、組成物を経口投与又は非経口投与した24時間以内に、腎臓結石の臨床患者の症状が軽減され、副作用はほとんど又は全く伴わない。組成物の作用で腎臓結石が溶解され、溶解された腎臓結石は一般的な様式で患者を通り抜けると考えられる。
【0040】
本発明の複数の実施形態を更に説明するために以下に実施例を記載する。
【実施例1】
【0041】
タラの頭蓋から硬骨性堆積物を取り出し、清掃及び粉砕して細かい白い粉末にした。この粉末を解析した結果、粉末の組成は次の表の通りであった。
【0042】
【表1】

【0043】
表から明らかなように、栄養サプリメントの第1の推奨投与量(2列目参照)は、1日230ミリグラムの3日間摂取である。第2の推奨投与量は、400mgの1日3回摂取である(3列目参照)。この量では、患者は1日に有益な量のカルシウムを摂取する。
【0044】
一方、その他の成分、特に鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、及び銅の摂取量は、4列目に示した食品基準コードで推奨される最小限の量よりもずっと少ない。
【0045】
本明細書において先行技術の使用及び刊行物が参照されていることがあるが、このような参照は、オーストラリア又はその他の国において、これらのいずれかが当該技術分野の一般的共通知識の一部を構成することを自認するものではないと理解される。
【0046】
本発明の説明において、「含む」又はその活用形は、明記又は必然的な含意により文脈からそうでないことが要求されない限り、包含的意味で使用されており、すなわち、記載した構成が存在することを示すが、本発明の種々の実施形態における更なる構成の存在又は追加を排除するものではない。
【0047】
基本的発明概念を逸脱することなく、既に記載したものに加え、関連技術分野の熟練者には多数の変更及び修正が想定される。そのような変更及び修正は全て、前述の記載により決定される本発明の範囲内であるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚に見出される骨格組織に由来する栄養サプリメント。
【請求項2】
前記骨格組織が硬骨性又は軟骨性である、請求項1に記載の栄養サプリメント。
【請求項3】
前記骨格組織が魚の頭蓋に見出されるものである、請求項1又は2に記載の栄養サプリメント。
【請求項4】
前記骨格組織が、頭蓋の頭頂部に存在する小さな一対の堆積物として形成されるものである、請求項3に記載の栄養サプリメント。
【請求項5】
前記骨格組織が耳石である、請求項4に記載の栄養サプリメント。
【請求項6】
前記骨格組織がタラ科の硬骨魚の頭蓋に見出されるものである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の栄養サプリメント。
【請求項7】
前記骨格組織が、以下を含む科の群の硬骨魚又は軟骨魚に見出されるものである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の栄養サプリメント:ジンベイザメ科、トラフザメ科、コモリザメ科、オオワニザメ科、オナガザメ科、ネコザメ科、ネズミザメ科、カグラザメ科、テンジクザメ科、トラザメ科、オオセ科、メジロザメ科、シュモクザメ科、ノコギリエイ科、トンガリサカタザメ科、サカタザメ科、カスザメ科、ヒラタエイ科、シビレエイ科、ガンギエイ科、アカエイ科、イトマキエイ科、ツバクロエイ科、トビエイ科、ギンザメ科、カライワシ科、ソトイワシ科、サバヒイ科、イセゴイ科、オキイワシ科、ニシン科、カタクチイワシ科、ウツボ科、アナゴ科、ウミヘビ科、ハマギキ科、ゴンズイ科、エソ科、ミズテング科、ガマアンコウ科、ウバウオ科、イザリウオ科、アシロ科、カクレウオ科、フサイタチウオ科、トビウオ科、サヨリ科、ダツ科、トウゴロウイワシ科、イットウダイ科、マツカサウオ科、マトウダイ科、ヒシダイ科、クサアジ科、ヤガラ科、ヘラヤガラ科、ウミヘビ科、セミホウボウ科、ウミテング科、ヘコアユ科、カミソリウオ科、ヨウジウオ科、フサカサゴ科、イボオコゼ科、ホウボウ科、コチ科、ハタ科、ヌノサラシ科、トゲタナバタウオ科、タナバタウオ科、メギス科、アカメ科、タカサゴイシモチ科、アオバダイ科、シマイサキ科、キス科、キントキダイ科、テンジクダイ科、アジ科、シイラ科、キツネアマダイ科、ムツ科、スギ科、コバンザメ科、ギンカガミ科、ヒイラギ科、マツダイ科、フエダイ科、イサキ科、タカサゴ科、チョウセンバカマ科、フエフキダイ科、タイ科、イトヨリダイ科、クロサギ科、ヒメジ科、ニベ科、ヒメツバメウオ科、レプトブラマ科、ハタンポ科、イスズミ科、タカベ科、テッポウウオ科、クロホシマンジュウダイ科、マンジュウダイ科、Rhinoprenidae科、チョウチョウウオ科、キンチャクダイ科、スズメダイ科、カワビシャ科、ゴンベ科、トビギンポ科、アカタチ科、センニンガジ科、ノトグラプトゥス科、ボラ科、ツバメコノシロ科、カマス科、ベラ科、ブダイ科、トラギス科、アゴアマダイ科、ミシマオコゼ科、イソギンポ科、ヘビギンポ科、ネズッポ科、ハゼ科、カワアナゴ科、ツノダシ科、アイゴ科、ニザダイ科、マカジキ科、メカジキ科、サバ科、ボウズガレイ科、ダルマガレイ科、カレイ科、ササウシノシタ科、ウシノシタ科、ホカケトラギス科、イボダイ科、エボシダイ科、オオメメダイ科、ウチワフグ科、ベニカワムキ科、ギマ科、モンガラカワハギ科、カワハギ科、ハコフグ科、フグ科、ハリセンボン科。
【請求項8】
前記栄養サプリメントが、前記骨格組織を清掃及び粉砕して細かい粉末にすることで調製される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の栄養サプリメント。
【請求項9】
前記栄養サプリメントが、300,000〜400,000mg/kgのカルシウム、100〜150mg/kgのリン、10〜20mg/kgのマグネシウム、1,500〜2,000mg/kgのナトリウムを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の栄養サプリメント。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメント並びに担体及び/又は賦形剤を含む、栄養サプリメント組成物。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメント並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、請求項10に記載の栄養サプリメント組成物、又は請求項11に記載の医薬組成物を、そのような治療を必要とする患者に有効量投与することを含む、カルシウム欠乏の患者の治療方法。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、請求項10に記載の栄養サプリメント組成物、又は請求項11に記載の医薬組成物を、そのような治療を必要とする患者に有効量投与することを含む、関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者の治療方法。
【請求項14】
前記栄養サプリメント、前記栄養サプリメント組成物、又は前記医薬組成物の有効量の投与が、前記栄養サプリメント、前記栄養サプリメント組成物、又は前記医薬組成物を有効量患者に経口投与又は非経口投与することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
毎日約5mg〜約5000mgの用量が患者に投与される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
1日に投与される投与量が1000mg〜5000mgまでである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
カルシウム欠乏の患者を治療するための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。
【請求項18】
関節炎、腎臓結石、及び/又は痛風の患者を治療するための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。

【公表番号】特表2010−510779(P2010−510779A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538552(P2009−538552)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001825
【国際公開番号】WO2008/064411
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(509147525)
【Fターム(参考)】