説明

栄養サプリメント

粉末形態もしくは液体形態のいずれかにあるケラチンタンパク質を含む栄養サプリメント、ならびに酸化によって可溶性ケラチンタンパク質を生成するための新規な方法が提供される。本開示の一実施形態において、可溶性ケラチンタンパク質生成物は、低pHにおいておよび上記タンパク質中のシステイン残基の実質的に全てを酸化するに十分な時間にわたる加熱において、酸化溶液中で不溶性ケラチン供給源を処理することによって生成され得る。次いで、pHを上記タンパク質のpKaへ、もしくは上記タンパク質が塩形態で存在する点へと上昇させることによって、低い塩溶液中にある高分子量タンパク質の溶液が、得られ得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
高タンパク質栄養源は、スポーツ栄養市場の一部にとって、およびバランスのとれたフードサプリメント(food supplement)を栄養不良の人々に提供するために、重要である。硫黄およびその誘導体(例えば、シスチンおよびグルタチオン)は、身体における酸化還元バランスに影響を及ぼし、細胞ベースのプロセスおよび関連する全身的な健康状態に影響を及ぼすことにおいて非常に重要である。ケラチン供給源(例えば、羽毛、角、蹄および羊毛)は、タンパク質および含硫アミノ酸が非常に高いが、代表的には、ケラチン中に存在するシスチン結合と関連した架橋の程度が高いことに起因して、消化性および栄養価値が低い。
【0002】
ケラチン供給源(例えば、羽毛)からヒト栄養生成物を作製するための1つの方法は、特許文献1に記載されている。上記記載されたプロセスは、羽毛全体もしくは他のケラチン供給源を、ジメチルホルムアミド中に溶解する工程を包含する。羽毛は、周囲圧力で、75〜100% ジメチルホルムアミド中で沸騰させることによって可溶化される。得られたタンパク質ゲルは、沈殿させられ、上記DMFは、蒸留によって回収される。
【0003】
ケラチンをより消化性にするための他の従来法は、大きなタンパク質鎖を分解し、およびシスチン結合を改変するための加水分解の使用を含む。得られたペプチドは、強い異味(off taste)および臭いによって特徴付けられるので、ヒト栄養供給源としては口に合わない。特定の酸化プロセスは、例えば、含硫アミノ酸(例えば、システイン)を酸化して、上記分子に増大した負電荷を導入することによって、ケラチンタンパク質およびペプチドの溶解度を増大させるために、使用されてきた。
【0004】
可溶性ケラチンタンパク質生成物を羊毛から生成するためのプロセスは、特許文献2に記載されている。しかし、この特許は、「if the pH of the liquid medium is less than 7, the oxidizing agents do not function well(上記液体媒体のpHが7未満である場合、上記酸化剤は、十分に機能しない)」(第3欄、19行目)と述べている。これはさらに、高濃度(>20%)の酸化剤が必要とされること、具体的には、「when the concentration of the oxidizing agents are less than 10% an expected object of the present invention cannot be achieved(上記酸化剤の濃度が10%未満である場合、本発明の予期される目的は、達成され得ない)」と述べている。上記特許文献2は、上記生成物が、食品添加物として使用され得ると述べているが、記載される生成物は、ヒトの口に合うとは予測されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,970,614号明細書
【特許文献2】米国特許第5,276,138号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ヒト消費に適切であり、不溶性ケラチン供給源(例えば、羊毛、動物の毛髪、もしくは羽毛)から得られる新規なタンパク質組成物を提供する。本開示は、可溶性ケラチンタンパク質生成物が、低pHおよび熱で、上記タンパク質中のシステイン残基の本質的に全てを酸化するに十分な時間にわたって、不溶性ケラチン供給源を、酸化溶液中で処理することによって生成され得るという発見から起こる。次いで、そのpHを上記タンパク質のpKaへと、もしくは上記タンパク質が塩形態で存在する点へと上昇させることによって、低い塩溶液中にある高分子量タンパク質の溶液が得られ得る。この溶液は、風味および嗜好性に対して有害な作用を有するペプチドおよび塩を本質的に含まず、有益な健康効果のために、高い割合の含硫アミノ酸を維持する。
【0007】
上記溶液は、望ましい場合、任意の残りの酸化剤を中和することによって、および種々の濾過技術によって、さらに精製され得る。得られたタンパク質生成物は、乾燥させられ得、製粉されて、水、ジュース、もしくは栄養ドリンクの中に溶解するのに、または食品に振りかけるのに適切な粉末化生成物を得る。あるいは、上記タンパク質は、液体サプリメントとして、または水、ジュースもしくは他の飲料(例えば、風味付けした飲料)に添加するための濃縮物として、提供され得る。上記栄養サプリメント(nutritional supplement)のいずれかは、さらなる栄養素、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、着色料、矯味矯臭剤(flavorant)、甘味剤、濃化剤、保存剤、もしくは他の承認された食品添加物をさらに含み得る。
【0008】
上記開示されたタンパク質組成物は、任意の目的のための(幼児、高齢者のための、運動選手のための、体重増加を求める人のための、容易に消化可能なタンパク質液体が望ましい病気もしくは怪我から回復する人のための(例えば、化学療法から回復する場合)、または高タンパク質もしくは硫黄増加食を求める誰かのための栄養補助食品(dietary supplement)が挙げられるが、これらに限定されない)タンパク質補充に適切である。上記タンパク質組成物はまた、錠剤、飲料、温かい茶もしくは冷たい茶として提供され得るか、またはバーに組み込まれ得る。
【0009】
従って、本開示は、粉末形態もしくは液体形態のいずれかにある可溶性ケラチンタンパク質組成物、ならびに酸化によって可溶性ケラチンタンパク質を精製するための新規な方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本開示は、ケラチンの不溶性供給源(例えば、羊毛、角、蹄、動物の毛髪、および羽毛)から生成される栄養サプリメントとして有用な水溶性ケラチンタンパク質組成物、ならびに上記タンパク質組成物を生成する方法を包含する。ヒト消費に適切なケラチンタンパク質粉末が、低pHで不溶性ケラチン供給源の酸化を介して生成されることは、本開示の一局面である。栄養源が、上記ケラチン供給源として鳥の羽毛を使用して生成されることは、本開示のさらなる局面である。上記開示されたプロセスは、ケラチンタンパク質に特徴的であり、上記構造および上記ケラチン供給源の不溶性に寄与するジスルフィド結合を切断するために有効である。本明細書に記載されるように、これら結合の切断は、溶解性であり、口に合う味および臭いであり、消化可能なタンパク質組成物を生じる。
【0011】
本開示において、酸化の第1の工程は、低濃度の酸化剤で行われる。低濃度の酸化剤は、1〜10%(両端を含む)の酸化剤濃度を意味し、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、もしくは1〜10%の間の整数の任意の有理数であり得る。種々の酸化剤が、記載されるプロセスにおいて使用され得、ギ酸、過酢酸もしくは過酸化水素が挙げられるが、記載されるプロセスが、それら特定の酸化剤に限定されない。上記酸化プロセスの間にアルカリが添加されないことは、本開示の新規な局面である。この結果として、上記酸化工程は、酸性であり、上記酸化後の混合物のpHは、代表的には、1.5〜5であり、最も一般的には、pHは、3.6である。本発明の一実施形態において、酸は、上記酸化工程の間に添加され、そのpHは、1.5〜3あたりで維持される。種々のミネラルもしくは有機酸(例えば、硫酸)は、例えば、上記プロセスにおいて使用され得る。完全な酸化を確実にするために、上記酸化工程は、長期にわたって高温で行われ得る。特定の実施形態において、上記酸化工程は、高温(例えば、80〜110℃)で60〜120分間にわたって維持される。以下の実施例において記載されるように、上記反応は、90℃において90分間にわたって維持され得る。
【0012】
本開示は、可溶性を達成するために高pHを使用することに依拠した以前のケラチン抽出法より確実な利点を提供する。さらに、これら先行技術の方法は、上記酸化プロセスの生成物における塩の存在を含み、その後の生成物は、口に合うものではない。上記開示されたプロセスは、上記可溶化混合物のpHを、タンパク質加水分解に必要とされる点より下に維持することによって、以前の方法とは異なる。上記開示されるプロセスの第2の段階において、アルカリは、そのpHを<7.5に維持するように注意を払いながら、pHを上昇させるために添加され得る。任意のミネラルもしくは有機アルカリが、使用され得る(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムもしくは水酸化アンモニウム)。高pHが、可溶性タンパク質の満足行く収率を達成するために必要とされる以前に記載された方法とは対照的に、本開示のプロセスは、熱、攪拌および低pHを、酸化と合わせて、完全な酸化が起こり、上記ケラチン供給源が可溶性になることを確実する。上記酸化された混合物は、長期間にわたって高温で維持されて、完全な溶解を確実にする。上記プロセスのこの工程の間に、上記溶液もしくは懸濁物は、80〜110℃に、20〜90分間にわたって維持されるか、または実施例に記載されるように、90℃で40分間にわたって維持され得る。上記プロセスの任意の残りの酸化剤は、還元剤の添加を介して上記生成物から除去され得る。一般的な還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウムもしくはメタ重亜硫酸ナトリウム)が使用され得る。単純な濾過プロセスの後に、上記ケラチンタンパク質の溶液は、必要に応じて、質量分離法(例えば、逆浸透圧、ナノ濾過、透析もしくは限外濾過)でさらに加工処理されて、残りの塩およびペプチドが上記インタクトなタンパク質生成物から分離され得る。任意の一般に公知の濃縮および乾燥法が、上記ケラチン溶液を乾燥粉末にさらに加工処理するために使用され得る。使用され得る方法としては、エバポレーション、噴霧乾燥、ドラム乾燥、および凍結乾燥が挙げられる。これら方法によって生成される上記タンパク質生成物は、栄養供給源として、消化可能でありかつ口に合う。
【0013】
ヒト栄養サプリメントに適したタンパク質粉末の例を、実施例1に記載されるように生成した。上記タンパク質組成物は、灰白色の粉末であった。その組成は、表1に示される。
【0014】
【表1】


上記記載されたプロセスは、高い消化性、高い含硫アミノ酸含有量および口に合う味の材料を生成する。これは、高分子量を維持し、異味および臭いに寄与する、生成物中のペプチドおよび塩の含有を回避しながら、ケラチン不溶性と関連するジスルフィド結合をなお破壊し、よって上記ケラチンを消化性にする結果として、達成される。
【0015】
加工処理されていないケラチン供給源(例えば、羽毛もしくは羊毛)の消化性は、代表的には低く、約5%というインビトロでの消化性が、一般に報告されている。実施例3の生成物の消化性を、従来の分析(AOAC 971.09 2005)を介して、89%であると決定した。
【0016】
タンパク質およびペプチドにおける異味は、従来の分析において灰分(ash)として決定される、上記生成物中に存在する高程度の塩と関連し得る。ケラチン加水分解物に関する代表的なレベルは、約20〜40%である。実施例1の生成物の塩含有量は、6%であり、灰分として決定される。
【0017】
異味はまた、上記生成物中のペプチドの存在に起因して生じ得る。ペプチドは、代表的には、約1kD以下の分子量を有する。pHを、加水分解に必要とされるより低いレベルに制御することによって、実施例3および4において生成されるケラチンは、低レベルのペプチドを含むに過ぎない。さらに、分子量分離の使用は、上記生成物中のペプチドの量を低下させる。実施例1および3の生成物に対しての、サイズ排除クロマトグラフィーを使用する分子量決定は、ペプチド材料もしくはMw 1kD以下の材料と関連した実質的なピークなしで、6.5kDを上回る分子量を有するとして主要成分を同定する(アプロチニン(分析において使用される6.5kD標準)と比較した場合)。
【0018】
タンパク質単離物(例えば、ホエイもしくはダイズタンパク質)は、ほとんど異味も臭いもない穏やかな(bland)味見本であるとみなされる。実施例1〜4の生成物を、オープンラベル味比較においてボランティアによって、ダイズタンパク質およびホエイタンパク質と比較した。実施例1〜4の生成物は全て、ダイズタンパク質およびホエイタンパク質に対して同様に穏やかであるとみなされた。特に、実施例1の生成物は、ホエイタンパク質から区別できないとみなされた。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
1. 7900ml 水、840mlの30%(w/w) 過酸化水素を混合し、90℃へと加熱する。
【0020】
2. 2kgの「絞って水気の少ない」(代表的には、35% 固体、65% 水)羽毛(鶏肉加工業者から直接)を添加し、最大90℃へと加熱し戻す。
【0021】
3. 90℃で90分間にわたって保持する。pHは、この終わりには代表的には、3.6であり、羽毛は柔らかくなる。
【0022】
4. 60℃へと冷却し、次いで、100gの20%(w/w) 焼灼薬(caustic)(NaOH)を添加するが、pHを<7.5に保持し、次いで、90℃へと加熱し戻す。
【0023】
5. 90℃で40分間維持し、pHが<5.9であれば、より多くの焼灼薬を添加し、3〜6g 焼灼薬を添加して、pHを6.1にする。発泡している場合、焼灼薬の添加をやめ、攪拌を軽減させる。合計の焼灼薬添加(工程4での100gを含む)は、代表的には、115〜120g(20% (w/w)溶液)である。
【0024】
6. 熱源を外し、冷却させ、1mmスクリーンを通して濾過する。
【0025】
7. 残っている過酸化水素がなくなるまで、10%(w/w) 亜硫酸ナトリウム溶液を添加する。代表的には、3.5kgが必要とされる。亜硫酸ナトリウム溶液の添加と、残りの過酸化水素レベルの評価との間に、5分間攪拌する。
【0026】
8. 30℃へと冷却し、次いで、高分子量タンパク質(約1kDaより大きい)を、透析チューブもしくは限外濾過を使用して、低分子量タンパク質、ペプチドおよび塩から分離する。保持物の伝導性は、代表的には、5% 総固体の濃度において、代表的には、1.5mSであるはずである。
【0027】
9. 乾燥させ、粉末へと製粉する。
【0028】
代表的な収率は、79%。
【0029】
(実施例2)
以下を除いて実施例1と同様:
工程1において、60mlの10%(v/v) HSOも添加する。
【0030】
工程4において、140gの焼灼薬を添加する。
【0031】
工程5において、総焼灼薬添加は、代表的には、175gである。
【0032】
代表的な収率は、79%。
【0033】
(実施例3)
工程7および8を省略することを除いて、実施例1と同様。
【0034】
代表的な収率は、99%。
【0035】
(実施例4)
工程8を省略することを除いて、実施例1と同様。
【0036】
代表的な収率は、99%。
【0037】
(実施例5:飲料もしくは食品添加物のための可溶性粉末)
ケラチン粉末(実施例1〜4に従って調製)を、サプリメントとして、食品、飲料もしくは水に直接添加するために提供した。上記粉末サシェは、100mg ケラチン、100mg ビタミンCおよび1g マルトデキストリンを含んでいた。
【0038】
(実施例6:濃縮ケラチン液体サプリメント)
ケラチン粉末(実施例1に従って調製)を含む水溶液を、食品、飲料もしくは水に添加するための濃縮液サシェとして提供した。上記濃縮液は、5% ケラチンおよび保存剤、亜硫酸ナトリウムを含んでいた。
【0039】
(実施例7:ケラチンサプリメント液体ドリンク)
以下の成分を含む250ml 飲料を、提供した。
ケラチン(実施例1に従って調製) 2.5g
スクロース 10g
ビタミンC 1g
着色料 <1g
風味増強剤 <1g
(実施例8:運動選手のためのケラチンタンパク質フードサプリメント)
ケラチン粉末(実施例1に従って調製)を、運動選手のためのタンパク質サプリメントを作るために調合した。上記サプリメントは、以下を含んでいた:
ケラチン(実施例1に従って調製) 999g
風味増強剤(バニラ) <1g
ビタミンサプリメント <1g
ミネラルサプリメント <1g
(実施例9:ケラチンタンパク質バー)
ケラチン粉末(実施例1に従って調製)を、タンパク質および硫黄の取り込みを高めることを求める人のために、タンパク質バーを作るために調合した。
【0040】
20gのケラチン(実施例1に従って調製)を、以下の成分、グルコース、ミルクチョコレート、大豆レシチン、グリセリン、マルトデキストリン、パイナップルジュース濃縮物、蜂蜜、塩および着色剤とあわせて、以下の組成物を有する質量60gのバーを作った:
エネルギー 915kJ
タンパク質 20g
総脂肪 3g
総炭水化物 27.3g
(実施例10:煎じた(brewed)ケラチン茶ドリンク)
0.5gケラチン粉末(実施例1に従って調製)を、0.5g乾燥した緑茶の茶葉と合わせ、代表的には、温かい茶の準備に使用される多孔性のサシェに入れた。上記サシェをシールし、1カップのお湯に2分間浸して、ケラチン補充物を有する緑茶ドリンクを作る。
【0041】
本発明の特定の実施形態および本発明の方法の工程は、好ましい実施形態に関して本明細書に記載されてきたが、具体的には開示されていないが、当該分野で公知であるさらなる代替手段は、本開示の範囲内に入ることが意図される。従って、バリエーションが、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、材料、デバイスおよび/もしくは方法に対して、ならびに本明細書に記載される方法の工程において、もしくは工程の順序において、適用され得ることは、当業者に明らかである。当業者にとって明らかな全てのこのような類似の置換物および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質粉末を含む栄養サプリメントであって、ここで該タンパク質粉末は、分子量が1000ダルトンより大きく、100総アミノ酸あたり少なくとも4個のシステイン含有量を有するケラチンタンパク質から本質的になり、さらに、該粉末は、乾燥重量ベースで85%〜99%のタンパク質、10%未満の水分、5%未満の脂肪、1〜10%の灰分、および2%未満の炭水化物を含む、栄養サプリメント。
【請求項2】
ケラチンタンパク質粉末を含む栄養サプリメントであって、ここで該ケラチンタンパク質は、5%未満の、分子量が1000ダルトン未満のペプチド、および6%以下の塩を含む、栄養サプリメント。
【請求項3】
ヒト消費に適したケラチンタンパク質粉末であって、ここでシステインアミノ酸の硫黄原子は酸化され、そして該粉末は、本質的に塩を含まない、ケラチンタンパク質粉末。
【請求項4】
酸性溶液中のケラチン供給源を酸化する工程、および1000ダルトンより大きな分子量の可溶性タンパク質を単離する工程を含むプロセスによって作製される、ケラチンタンパク質粉末。
【請求項5】
ケラチンタンパク質粉末であって、
不溶性ケラチン供給源を、90℃の酸化剤の水溶液に添加し、混合物を90分間にわたって90℃に維持する工程;
該混合物を60℃へと冷却し、次いで、pHを上昇させて、タンパク質塩を生成するに十分な量の塩基を添加するが、pHを7.5未満に維持し、次いで、最大90℃まで加熱し戻し、pHを6.1未満に維持しながら40分間にわたって保持する工程;ならびに
該混合物を冷却し、1mmスクリーンを通して濾過する工程
を含むプロセスによって作製される、ケラチンタンパク質粉末。
【請求項6】
フードサプリメントを含むケラチンタンパク質を生成する方法であって、該方法は、
(a)不溶性ケラチン供給源を酸化水溶液に混合する工程であって、ここで酸化剤は、酸化混合物を得るために、1〜10% w/wの濃度で該溶液中に含まれる、工程;
(b)該酸化混合物を、80℃〜110℃の温度で60〜120分間の期間にわたって維持する工程;
(c)該混合物を冷却し、pHを該タンパク質のpKaへと上昇させて、可溶化したケラチンタンパク質溶液を生成するに十分な塩基を添加する工程
を含む、方法。
【請求項7】
前記ケラチン溶液を乾燥させる工程、および乾燥させたタンパク質を粉末へと製粉する工程をさらに包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンパク質粉末を含む、粉末化栄養サプリメント。
【請求項9】
1種以上の矯味矯臭剤、1種以上の甘味剤、1種以上のビタミン、1種以上のミネラル、1種以上の炭水化物、および1種以上の油のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項8に記載の栄養サプリメント。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンパク質粉末を含む、液体栄養サプリメント。
【請求項11】
1種以上の矯味矯臭剤、1種以上の甘味剤、1種以上のビタミン、1種以上のミネラル、1種以上の炭水化物、および1種以上の油のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項10に記載の栄養サプリメント。
【請求項12】
ケラチンタンパク質、甘味剤、増量剤、脂肪、炭水化物および保存剤を含む、栄養サプリメントタンパク質バー。
【請求項13】
茶およびケラチンタンパク質を含む、煎じ液。

【公表番号】特表2012−531927(P2012−531927A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519605(P2012−519605)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/040813
【国際公開番号】WO2011/003015
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511259751)ケラプラスト テクノロジーズ, リミテッド (2)
【Fターム(参考)】