栄養学的に使用するための高濃度自己マイクロエマルジョン化コエンザイムQ10調製物

【課題】ヒト及び他の哺乳動物のためのCoQ10栄養補給剤及び/又は治療薬の、溶解及び生物学的利用可能性を強化するための方法及び組成物の提供。
【解決手段】組成物の約2重量%〜約20重量%の量で組成物中に含まれるCoQ10と;組成物の約30重量%までの量で組成物中に含まれる水不混和性溶媒と;組成物の約60重量%〜約82重量%の量で組成物中に含まれる非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールを含む)と;を組み合わせることによって疎水性自己マイクロエマルジョン化(selfmicroemulsifying)基剤組成物を調製するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、栄養補給剤及び/又は治療薬として使用するための自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物中に高濃度のコエンザイムQ10を供給するための方法及び組成物に関する。
【0002】
発明の背景
一般に、コエンザイムQ(以下、「CoQ」と呼ぶ)は、生理学的物質であるイソプレノイドキノン又はキノールのクラスであり、生細胞内でミトコンドリア電子伝達系に関連する構成因子として生成される。より具体的には、CoQは、代謝経路(特に、好気性経路)を介した酸化的リン酸化反応における電子伝達体として作用してATPを産生し、結果として、エネルギーが得られる。CoQは、一般に、CoQsubn又はCoQn(式中、nは、側鎖として分子のキノン/キノール部分に結合したイソテルペノイド単位数を示す)と呼ばれる特異的形態で生成される。異なる種は、電子伝達のために異なる長さ(n)のCoQ分子を使用する。例えば、CoQ9は、側鎖中に9個のイソプレノイド単位を有し、げっ歯類で最も一般的なCoQ形態である。CoQ10は、10単位を有し、ヒトで最も一般的なCoQであるが、ヒトでより短い形態が見出されており、CoQ10の前駆体としての機能を果たし得る。更に、生きた生物中のあらゆるCoQ分子は、天然に酸化形態(キノン)又は還元形態(キノール)で存在することができ、実際、通常の電子伝達過程においてある形態が他の形態に変換される。
【0003】
ヒト栄養補給剤としてのCoQ10(酸化形態のユビデカレノン又は還元形態のユビキノールとしても公知)の使用は、十分に確立されている。CoQ10は、以下のヒトにおける重要な生理学的機能に関連する:免疫系の刺激、循環の増強、心血管系の強化、及び細胞中でのミトコンドリアのエネルギー生成への一般的寄与など。CoQ10欠損は、以下のいくつかの重篤なヒト疾患に関連している:糖尿病、喘息、癌、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋ジストロフィー、変性心疾患、及び精神薄弱など。更に、身体が疲労した健康なヒト及び心血管疾患及び他の慢性疾患の患者、及び長期薬物療法を受けている患者のCoQ10に対する需要が高まっているようである。従って、このような病気を罹患した患者にCoQ10補給剤を投与することは治療的に適切であり得る。
【0004】
ヒト摂取用のCoQ10補給剤の処方で遭遇する困難の1つは、CoQ10が水にほぼ不溶であることである。消化管が実質的に水系であるという事実のために、生物学的に利用可能な形態でCoQ10を提供することが困難であり、これは、CoQ10が消化液中で溶解される形態で消化管内に容易に分散されて、体内吸収されることを意味する。
【0005】
生物学的に利用可能なCoQ10補給剤を提供する試みは多数行われている。これに関して、生物学的に利用可能な特性が増強されたCoQ10を処方するための最近の試みの1つが、米国特許第6,056,971号に開示されている。この特許の好ましい実施形態は、一般に油溶性を示し、且つ水中に分散可能であるが、完全に溶解しないSPAN型材料(すなわち、ソルビタン脂肪酸エステル)及び一般に水溶性であり、且つ分散可能であるTWEEN型材料(ポリエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル)を含む可溶化剤としての表面活性剤(「界面活性剤」)の混合物の利用を開示している。この特許は、Span型材料とTween型材料との組み合わせによって2つの材料の量の相対比を調整可能であり、それにより、可溶化組成物の適切な程度の水溶性又は水不溶性(すなわち、親水性対親油性)が得られると記載している。この特許は、更に、「水相を形成するためにゆっくり水を添加する必要性を回避する重要な機能を果たす(当該分野で開示されている)」多価アルコールの利用を開示している。液体組成物を、可溶化剤と多価アルコールとの混合、混合物の「50℃〜60℃」の温度への加熱、加熱混合物へのCoQ10の添加、及び冷却後の軟ゼラチンカプセルへの混合物の一部の最終的添加によって調製する。この特許中の実施形態は、この手順によって組成物あたり3.55重量%の濃度の非水性形態のCoQ10を生成することができることを開示している。
【0006】
米国特許第6,056,971号が非水性形態のCoQ10送達のための有用な液体組成物を得ることができるにも関わらず、この組成物は、いくつかの望ましくない制約がある。最も顕著な制約は、総組成物あたり3.55重量%のCoQ10濃度が、オイルベースの組成物を使用して達成可能な約3%の濃度よりもわずかに高いだけであることである。この特許に開示の方法の別の制約は、混合物中で多価アルコールを使用することである。そのため、部分的にTWEEN−80(ポリソルベート80)を使用して作製する必要があり、このTWEEN−80は、低分子量のアルコールの添加によって希釈されない限り、室温でCoQ10と共に使用した場合に固体であることが多い難溶性界面活性剤である。この特許に開示の方法の別の制約は、可溶化剤と多価アルコールとの混合物を、比較的高温である純粋なCoQ10結晶の少なくとも融点(約48℃〜52℃)まで加熱し、CoQ10の添加後、組成物を、軟ゼラチンカプセルに添加するために冷却しなければならないことである。本発明者らは、液体組成物の冷却時に、かなりの量のCoQ10結晶が溶液に沈殿すると判断した。沈殿したCoQ10結晶は可溶化組成物中にもはや溶解しないので、カプセルを摂取した場合、カプセル中に形成された多数の結晶は、胃腸管で吸収することができないと予想される。結果として、結晶乾燥経口CoQ10調製物の生物学的利用能と同様に、組成物から沈殿した結晶は、生物学的利用能がはるかに低いので、CoQ10の有効濃度は、元の濃度よりも実質的に低い。
【0007】
経口投与されるCoQ10補給剤に加えて、非経口投与されるCoQ10補給剤の調製も試みられている。米国特許第4,824,669号は、CoQ10の油相への溶解から出発し、次いで、油相を水媒体と混合し、混合物の超音波処理又は小オリフィスへの通過の繰り返しによってホモジナイズする、臨床的に許容可能な脂肪乳濁液(fatty emulsion)の調製に関する。この方法は、界面活性剤を使用しないが、困難且つ面倒な調製ステップによって制限される。これは、比較的低濃度のCoQ10にも制限され、7.5〜30マイクログラム/mLと報告されており、組成物あたり0.00075重量%〜0.003重量%に等しい。これは、正常なヒトのCoQ10血漿濃度(約0.75マイクログラム/mL)の10〜40倍の濃度でしかない。
【0008】
米国特許第5,035,895号は、3mgメグルミン、27mgグリセリン、50mgの70%D−ソルビトール溶液、10mgCoQ10、及び10mg卵黄レシチンの複合混合物を開示している。この混合物を、撹拌機を使用して処理し、純水を添加して1.0mlにする。この特許は、記載の手順によって1%のCoQ10濃度を達成することができることを開示しているが、困難な生成法及びイオン性界面活性剤を使用している。また、乳化剤としての卵黄レシチンを使用するためには、乳濁液における微生物の増殖を回避するために、厳格な滅菌及び1回限りの使用(single−patient−use)に従う必要がある。
【0009】
従ってCoQ10補給剤の経口投与には、再結晶せず、且つ基剤から沈殿せず、結果として、CoQ10の生物学的利用能を減少させない高濃度のCoQ10を含む自己マイクロエマルジョン化基剤組成物が必要である。或いは、室温又はそれ未満の温度で組成物からいくつかのCoQ10結晶が沈殿する場合、軟ゼラチンカプセルが胃腸管内で溶解して、組成物が胃液に接触する前に、体温(約37℃)でCoQ10結晶が基剤に再溶解する能力を有する基剤組成物が必要である。更に、アルコールを含まないが、依然としてCoQ10が最大に分散するのに最適である非常に小さな(12nm〜25nm)ミセルを有する自己マイクロエマルジョン化系を形成する基剤が必要である。より有用には、組成物は、簡潔であり(2つ又は3つのみの成分を含む)、且つ容易に作製されるべきである。
【0010】
更に、室温で基剤から再結晶及び沈殿せず、結果として、非経口での使用に不適切な生成物を生じない、高濃度のCoQ10を含む自己マイクロエマルジョン化基剤組成物からなる非経口投与されるCoQ10補給剤が必要である。このような基剤を、一定の筋肉内用途において直接注射するか、静脈内注射に適切な高濃度の水ベースのマイクロエマルジョンの調製で使用するための滅菌無水液体としてパッケージングすることができる。これらのマイクロエマルジョンを、滅菌バイアル中での生理学的な水ベースの流動物の添加及びその後の穏やかな震盪及び混合によって調製することができ、同一の様式で、静脈内注射を意図した凍結乾燥生成物(例えば、抗生物質)として調製することができる。基剤は、微生物成長を支持するリン又は窒素(レシチンなど)を含む乳化剤を含むべきではない。滅菌に関して、基剤組成物及びこれから作製されたマイクロエマルジョンを、汚染リスクを最小にするために限外濾過によって容易に滅菌される場合も有用であろう。
【0011】
本発明は、上記制約を克服し、以前よりも実質的に高濃度のCoQ10を含む、経口、局所、及び非経口処方物で使用されるCoQ10基剤組成物の有効な調製方法を提供する。
【0012】
発明の要旨
本発明は、一般に、ヒト及び他の哺乳動物のためのCoQ10栄養補給剤及び/又は治療薬の溶解及び生物的利用可能性を強化するための方法及び組成物を提供する。本発明の方法により、組成物の約20重量%までの濃度の生物学的に利用可能なCoQ10を含む自己マイクロエマルジョン化基剤組成物が生成される。次いで、基剤組成物を、カプセル処方物又は液体処方物にて経口投与されるか、静脈内処方物又は筋肉内処方物にて非経口投与されるか、ローション処方物、クリーム処方物、又は軟膏処方物にて局所投与されるか、点眼処方物にて眼科的に投与される、補給剤及び/又は薬剤の生成で使用することができる。これらの各処方物について、好ましい基剤組成物は、本質的に、以下からなる:組成物の約2重量%〜約20重量%の量で組成物中に含まれるCoQ10と;組成物の約30重量%までの量で組成物中に含まれる水不混和性溶媒と;組成物の約60重量%〜約82重量%の量で組成物中に含まれる非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールを含む)。好ましくは、所定量の水不混和性溶媒を、最初に、約27℃〜約40℃の調製温度に加熱し、次いで、所定量の高純度の結晶CoQ10を加熱した溶媒中で撹拌する。溶媒とCoQ10との混合物を、全てのCoQ10結晶が完全に溶媒に溶解するまで撹拌する。溶媒及びCoQ10の温度をおよそ調製温度に維持しながら、調製温度に予め加熱することができる所定量の非イオン性界面活性剤を溶媒に添加し、十分に撹拌しながらCoQ10を溶解して、自己マイクロエマルジョン化基剤組成物を作製する。この基剤組成物は、無水であり、均一であり、熱力学的に安定であり、透明な橙色の液体として認められる(CoQ10溶液の特徴)。
【0013】
次いで、経口投与可能なCoQ10栄養補給剤を形成するために、カプセル処方物について、単位投薬量の組成物を、可溶性カプセル、好ましくは、軟ゼラチンカプセルに添加する。自己マイクロエマルジョン化組成物を含むカプセルが、消化管に入った場合、体内の消化液の温度によって組成物が温められ、組成物から再結晶され得るあらゆるCoQ10組成物が、カプセルが溶解する前に組成物に再溶解されるようになる。体温で起こるCoQ10の再溶解により、カプセルが溶解した場合に確実により多くのCoQ10が生物学的に利用可能になる。カプセル溶解の際、自己マイクロエマルジョン化組成物は、消化液と接触し、天然にミセル型の生物学的に利用可能なマイクロエマルジョンを形成し、これは、各ミセルの直径が約12〜25nmであるCoQを含むミセルからなる。
【0014】
カプセル形態中での経口投与可能なCoQ10補給剤の調製に加えて、本発明の基剤組成物を、飲料又は含嗽剤を含むCoQ10の調製で使用することができる。飲料について、1(1)重量部の基剤組成物を、約40℃〜約50℃の温度の2(2)重量部の水で希釈してマイクロエマルジョンを形成させることが好ましい。マイクロエマルジョンを室温に冷却した後、所定量のマイクロエマルジョンを消費可能な飲料又は液体に添加して、CoQ10含有飲料を形成させることができる。含嗽剤について、所定量の非希釈基剤組成物を、水ベースの含嗽剤に直接添加することができる。
【0015】
本発明は、更に、基剤組成物を、ローション、クリーム、又は軟膏として直接使用することができる局所投与可能なCoQ10補給剤の調製を含む。
【0016】
更に、本発明の基剤組成物を、非経口投与される薬剤の調製のために使用することができる。筋肉内投与について、所定量の基剤を、筋肉に直接注射し、そこで、基剤が細胞外液中で、生物学的に利用可能なマイクロエマルジョンを形成する。静脈内及び眼科的投与について、約3(3)〜4(4)重量部のキャリア液に対して約1(1)重量部の基剤の量で、キャリア液に所定量の基剤を添加し、生物学的に利用可能なマイクロエマルジョンがキャリア液中に形成され、次いで、これを、静脈内投与のために静脈内注射するか、眼科的投与のために局所投与することができる。
【0017】
最後に、本発明は、カプセル処方物又は液体処方物にて経口投与されるか、静脈内処方物又は筋肉内処方物にて非経口投与されるか、ローション処方物、クリーム処方物、又は軟膏処方物にて局所投与されるか、点眼処方物にて眼科的に投与される、補給剤及び/又は薬剤の生成での使用にも適切な無溶媒基剤組成物を含む。無溶媒マイクロエマルジョン基剤組成物は、本質的に、組成物の約2重量%〜約3重量%の量で組成物中に含まれるCoQ10と、組成物の約97重量%〜約98重量%の量で組成物中に含まれる液体又は溶融非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールを含む)とからなる。
【0018】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、一般に、ヒト及び他の哺乳動物のためのCoQ10栄養補給剤及び/又は治療薬の溶解及び生物的利用可能性を強化するための方法及び組成物を提供する。本発明の方法により、組成物の約20重量%までの濃度の生物学的に利用可能なCoQ10を含む自己マイクロエマルジョン化基剤組成物が生成される。次いで、基剤組成物を、カプセル処方物又は液体処方物にて経口投与されるか、静脈内処方物又は筋肉内処方物にて非経口投与されるか、ローション処方物、クリーム処方物、又は軟膏処方物にて局所投与されるか、点眼処方物にて眼科的に投与される、補給剤及び/又は薬剤の生成で使用することができる。これらの各処方物について、好ましい基剤組成物は、本質的に、以下からなる:組成物の約2重量%〜約20重量%の量で組成物中に含まれるCoQ10と;組成物の約30重量%までの量で組成物中に含まれる水不混和性溶媒と;組成物の約60重量%〜約82重量%の量で組成物中に含まれる非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールを含む)。
【0019】
自己マイクロエマルジョン化基剤組成物の好ましい生成方法は、本質的に、好ましくは、所定量の溶媒を、約27℃〜約40℃の調製温度に加熱し、次いで、所定量の結晶CoQ10を、加熱した溶媒にかき混ぜながら入れるステップからなる。溶媒とCoQ10との混合物を、全てのCoQ10結晶が、混合物の外観が帯黄色の不透明な液体から橙色の透明な液体へ変化することによって示される溶媒に完全に溶解するまで十分に撹拌する。使用される界面活性剤及び溶媒の型と;CoQ10の溶解量と;調製温度と;に応じて、CoQ10溶解に必要な時間を、数分から数時間取ることができる。溶媒及びCoQ10の温度をおよそ調製温度に維持しながら、調製温度に予め加熱することができる所定量の非イオン性界面活性剤を溶媒に添加し、十分に撹拌しながらCoQ10を溶解して、自己マイクロエマルジョン化基剤組成物を作製する。この基剤組成物は、無水であり、均一であり、熱力学的に安定であり、透明な橙色の液体として認められる(CoQ10溶液の特徴)。一般に、自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物を形成するために、CoQ10と、溶媒と、界面活性剤との各要素を、約3(3)〜5(5)分間だけ撹拌しなければならない。
【0020】
代替的に、自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物の好ましい調製方法に加えて、基剤組成物を、所定量の水不混和性溶媒と、所定量の溶融又は液体形態の非イオン性界面活性剤との混合によって調製することができる。混合物を、約3(3)〜約5(5)分間撹拌する。次いで、混合物の調製温度を約27℃〜約40℃に維持しながら、所定量の微結晶形態のCoQ10を、混合物の外観が帯黄色の不透明な液体から橙色の透明な液体へ変化することによって示される全CoQ10が溶解するまで、十分に撹拌しながら、約10(10)〜約30(30)分間混合物に添加した。得られた自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物は、以下の好ましい方法に従って調製した基剤組成物と同一の性質を有する:無水であり、均一であり、熱力学的に安定であり、透明な橙色の液体として認められる熱力学的に安定なCoQ10溶液。
【0021】
更に別の代替法では、基剤組成物を、以下の1ステップによって調製することができる:所定量の微結晶形態のCoQ10と;所定量の水不混和性溶媒と;所定量の溶融又は液体形態の非イオン性界面活性剤と;を組み合わせるステップ。次いで、要素の調製温度を約27℃〜約40℃に維持しながら、自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物を、混合物の外観が帯黄色の不透明な液体から橙色の透明な液体へ変化することによって示される全CoQ10が溶解するまで、約10(10)〜約30(30)分間要素を撹拌することによって形成する。更に、以下の最終結果は、好ましい実施形態における最終結果と同一である:熱力学的に安定であり、無水であり、均一であり、透明な橙色の液体である自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物。
【0022】
基剤組成物の約20重量%の最も高濃度のCoQ10は、溶媒とほぼ同重量のCoQ10を溶解することができる水不混和性溶媒の使用及び約37℃〜約40℃の調製温度での基剤の調製によって得られ、それにより、ヒト及び他の哺乳動物のほぼ体温で熱力学的に安定な溶液である基剤組成物が得られる。基剤の約20重量%のCoQ10濃度でさえも、基剤が約35℃〜約40℃である場合にCoQ10が基剤に完全に溶解するので、基剤組成物は、熱力学的安定性を示す。本発明は、塩基の約20重量%までの生物学的に利用可能な濃度のCoQ10を含む栄養補給剤及び治療薬を生成するという基剤組成物のこの重要な特徴を使用する。
【0023】
本発明のカプセル処方物の生成における自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物を使用するために、好ましい方法又は2(2)つの代替法のうちのいずれかによって調製した単位投薬量の基剤を、使用まで保存することができる可溶性ゼラチンカプセルに簡潔に添加する。しかし、約37℃の温度で調製し、且つ基剤の約20重量%の濃度のCoQ10を含む基剤組成物を含むカプセルのために、約37℃未満の温度(例えば、室温)でのカプセルの保存中、いくつかのCoQ10は、基剤組成物から再結晶する可能性が最も高い。しかし、再結晶したCoQ10が、基剤内で十分に分散する微結晶から構成されることが本発明の最も重要な特徴である。結果として、カプセルを摂取して、約37℃又はそれを超える温度で水性の消化管内容物と接触する場合、カプセル壁が崩壊する前に(通常、カプセル摂取から約3(3)〜10(10)分かかる)再結晶したCoQ10が液体基剤に再溶解する。CoQ10の再溶解により、カプセルの破壊時に、確実により多くのCoQ10を生物学的に利用可能であり、液体基剤組成物が消化管の水性内容物と接触する。カプセル溶解の際、基剤中に完全に溶解したCoQ10を含む自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物が水性消化液と接触し、基剤は、天然に、ミセル型の生物学的に利用可能なマイクロエマルジョンを形成する。これらのミセルマイクロエマルジョンは、各ミセルの直径が約12〜25nmであるCoQ10を含むミセルからなる。更に、本発明に記載のように形成させたミセルマイクロエマルジョンは、典型的に、水中で光学的に透明なミセル分散液を形成する。形成された典型的なミセル粒子は、約300分子の界面活性剤、150分子のCoQ10、及び1000分子の溶媒のみを含み得る。
【0024】
体温未満の温度で、例えば室温で、熱力学的に安定な溶液である基剤の約20重量%の濃度のCoQ10を含むカプセルを保存する場合、いくつかのCoQ10は、黄色CoQ10微結晶として再結晶することができ、それにより、透明な橙色の液体組成物が黄色で不透明になる。外観の変化は、CoQ10結晶が組成物に再溶解する能力に悪影響を与えないが、いくつかの補給剤又は薬剤では、外観の変化を防止することが望ましいかもしれない。この結果を、組成物中のCoQ10濃度の約25%までの簡潔な減少、好ましくは、約8%までの溶媒濃度の増加によって達成することができる。このより低い濃度レベルでは、依然として従来の技術を使用して以前に得ることができる濃度レベルの約3倍であるが、CoQ10は、室温(約23℃)で基剤から再結晶せず;むしろ、CoQ10は、基剤中に溶解したままであり、外観は変化しない。
【0025】
本発明者らは、好ましい調製方法又は2つの代替法のうちの1つのいずれかによる自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物の調製によって、37℃を超える調製温度での基剤調製に必要な全時間を、実質的に減少させることができることを更に見出した。CoQ10が溶媒に溶解する速度は、主に、溶媒の温度及びその粘度の関数であるが、37℃を超える温度で調製する基剤組成物は、37℃で調製した基剤と同一の性質を有する。CoQ10結晶を、CoQ10の溶融に十分に高温(48℃〜約52℃)の溶媒に添加する場合、溶融CoQ10を混合し、ほぼ即座に溶解する。他方では、室温条件下で、トリグリセリド油などの高粘度溶媒では、5%のCoQ10濃度を得るためでさえ、数時間の撹拌が必要であり得る。それに反して、スイートオレンジ油などの低粘度溶媒は、室温で、30%の濃度のCoQ10を直ちに溶解することができる。CoQ10が約48℃〜約52℃で溶融し、エタノールなどの広範囲の低疎水性媒質のみにて高濃度で溶解するという事実は、室温又は体温での高濃度のCoQ10溶液のデザインの妨げとなっている。高温で溶融CoQ10を容易に形成する多数の異なる高濃度のCoQ10溶液は、体温で安定しないか準安定性を示す。しかし、調製温度をCoQ10の融点(高品質の結晶CoQ10については、約48℃〜52℃である)に増加させる必要がないことが本発明の特徴である。
【0026】
本発明は、基剤の約20重量%の濃度のCoQ10を得るために、体温又は体温をわずかに超える調製温度で基剤組成物を調製しなければならないことを開示しているにも関わらず、本発明は、体温未満の調製温度(約27℃に低下)も含んでいる。20%の濃度のCoQ10を調製するために使用したいくつかの溶媒及び界面活性剤も使用して、体温未満の温度で基剤を調製する場合に確実に全てのCoQ10を基剤組成物に溶解させるためか、任意のCoQ10が調製温度未満の温度で基剤から再結晶する場合に組成物の温度がその調製温度に戻った時に確実に結晶が基剤に再溶解するために、CoQ10濃度を所定量に減少させなければならない。
【0027】
更に、本発明の技術を逸脱することなく、20%を超える濃度のCoQ10を基剤組成物に添加することができることが当業者に明らかである。しかし、CoQ10濃度をより高くしても、胃腸管内で形成されるマイクロエマルジョン中でより高い濃度のCoQ10が生物学的に利用可能とならない。なぜなら、CoQ10濃度を増加させるには、それに対応して界面活性剤濃度を減少させる必要が必ずあるからである。界面活性剤量の減少により、マイクロエマルジョン内のCoQ10を含有するミセル数が同様に減少し、その結果、腸管内で生物学的に利用可能なCoQ10濃度が減少する。
【0028】
本発明のカプセル処方物は、ポリエチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤(以下、一般に、「PEG含有界面活性剤」という)を含む基剤組成物であって、水との完全な混和性を示し(界面活性剤が水に対して高い親和性を示し、水に容易に溶解することを意味する)、界面活性剤が光学的に透明なミセル溶液を形成する、基剤組成物を開示する。水不混和性溶媒を用いるか用いないで界面活性剤及びCoQ10の可溶化組成物を水中でミセルマイクロエマルジョンを形成するミセル溶液の形成が本発明の特徴である。
【0029】
一般に、本発明者らは、水中で許容可能なCoQ10マイクロエマルジョンを形成するPEG含有界面活性剤分子を、各界面活性剤分子の直鎖又は非直鎖のポリエチレングリコール部分の全長が、前記分子の疎水性炭化水素部分の長さの2〜6倍の長さである界面活性剤によって特徴づけられることを発見した。2未満のこの比の減少により、典型的には、水中でミセル溶液が形成されない界面活性剤が生成され、この界面活性剤はCoQ10マイクロエマルジョンをも形成しないが、この界面活性剤は、通常の乳濁液を形成することができる。値6を超える界面活性分子のポリエチレングリコール部分の疎水性部分に対する長さの比で、ミセル溶液及びマイクロエマルジョンの両方が形成されるが、界面活性剤の粘度及び融点も増加し、実質的に、基剤組成物の調製に必要な時間が増加する。この比がより高くなると、界面活性剤の負荷率(loading factor)(透明なマイクロエマルジョンを形成するために水に溶解することができる界面活性剤量を与えられたCoQ10又は疎水性溶媒の量と定義される)も減少する。
【0030】
カプセル処方物中でCoQ10可溶化剤として使用されるほとんどの許容可能なPEG含有界面活性剤は、以下のいくつかの共通の特徴を有する:1)これらは非イオン性であり、その高親和性及び水溶性がPEG(ポリエトキシ)成分に依存することと;2)界面活性剤の疎水性R基が生体適合性を示し、且つ体温に近いか体温未満の融点でなければならないことと;3)R基の一方の末端に結合したPEG鎖は、全部で水中での界面活性剤ミセル凝集体のサイズを制限するのに十分に長くなければならないこと。この最後の特徴により、水中で形成する小ミセル凝集体(又は同程度のミセル凝集体に類似する光学的に透明なマイクロエマルジョン)は、熱力学的に安定であることが確実である。典型的には、水中の好ましい純粋な界面活性剤の曇り点濃度(cloud point concentration)は、非常に高いか存在しない。
【0031】
より具体的には、本発明のカプセル処方物のための基剤組成物の調製で使用される最も好ましいPRG含有界面活性剤を、2つのクラスのうちの1つに属するように定義することができる。第1のPEG含有界面活性剤クラスは、一般構造[POE(n)]−R’−R(式中、POEは、単量体数nのポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコール又はPEG部分としても公知)であり、R’に結合したこれらのPOE官能基のmを有し、mは1〜3であり、R’は結合部分(特に、グリセリル、ソルビタン、エステル、アミノ、又はエーテル(酸素)官能基)であり、Rは、飽和又は不飽和アルキル基又はアルキルフェニル基からなる疎水性部分である)を有する。この第1のクラス内の非イオン性界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンステロールである。任意のこれらの化学的部分(chemical moieties)の混合物は、本発明の目的のための良好な界面活性剤としても機能する。
【0032】
第1のPEG含有界面活性剤クラス内の有用且つ好ましいサブクラスには、A(界面活性剤中のPOE単量体単位の総数(1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数mとの積によって得られる)である)のB(疎水性官能基R中の炭素数である)に対する比によって更に定義され、前記比が、約0.7と4との間であり、好ましくは、A/Bは、約1〜2の範囲である、構造を有する界面活性剤が含まれる。このサブクラス内の非イオン性界面活性剤の例は、PEG−15モノラウラート、PEG−20モノラウラート、PEG−32モノラウラート、PEG−48モノラウラート、PEG−13モノオレアート、PEG−15モノオレアート、PEG−20モノオレアート、PEG−32モノオレアート、PEG−72モノオレアート、PEG−15モノステアラート、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート(BASF CorporationのSolutol(登録商標))、PEG−23モノステアラート、PEG−40モノステアラート、PEG−72モノステアラート、PEG−20グリセリルラウラート、PEG−30グリセリルラウラート、PEG−20グリセリルステアラート、PEG−20グリセリルオレアート、PEG−30グリセリルモノオレアート、PEG−30グリセリルモノラウラート、PEG−40グリセリルモノラウラート、PEG−20ソルビタンモノオレアート(ポリソルベート80、Tween80)、PEG−20ソルビタンモノラウラート(Tween20)、PEG−20ソルビタンモノパルミタート(Tween40)、及びPEG20ソルビタンステアラート(Tween60)、PEG−40ソルビタンモノオレアート、PEG−80ソルビタンモノラウラート、POE−23ラウリルエーテル、POE−20オレイルエーテル、PEG30−60ノニルフェノールシリーズ(TritonNシリーズ)、及びPEG30−55オクチルフェノールシリーズ(TritonXシリーズ、特に、X−305(POE30)及びX−405(POE40))である。これらの界面活性剤の任意の混合物も十分に機能する。
【0033】
第2のPEG含有界面活性剤クラスは、トリグリセリド油に由来し、一般構造[R−(POE)subn]sub3−グリセリド(式中、POEは、脂肪酸アシル残基R’とグリセロール残基(グリセリド)との間に挿入された単量体数nのポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコール又はPEG部分としても公知)であり、ポリエトキシ化前に、共通のトリグリセリドとしてアシル残基に直接結合している)を有する。この第2のクラス内の非イオン性界面活性剤の例は、ポリエトキシ化トウモロコシ油又はポリエトキシ化ヒマシ油などのポリエトキシ化植物油である。これらのポリエトキシ化植物油の混合物は、本発明の目的のための良好な界面活性剤としても機能する。
【0034】
第2のPEG含有界面活性剤クラス内の好ましいサブクラスには、A(界面活性剤中のPOE単量体単位の総数(1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数3との積によって得られる))のB(3つの脂肪酸R’残基中の炭素数)に対する比によって更に定義され、前記比が、約0.5と3との間であり、好ましくは、A/Bは、約0.6〜1.5の範囲である構造を有する界面活性剤が含まれる。このサブクラス内の非イオン性界面活性剤の例は、PEG−40パーム核油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油(例えば、Cremaphor(登録商標)−35)、PEG−60ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、及びPEG−60トウモロコシ油である。これらの界面活性剤の混合物は、本発明の目的のために十分に機能する。
【0035】
上記の2クラスに類似する第3のPEG含有界面活性剤クラスは、理論上、プロピレングリコールなどの生体適合性ジアルコールの脂肪酸エステルからなるジエステル化合物のポリエトキシ化によって製造することができる。本発明者らは、これらの化合物は、残基Rの脂肪酸炭素とPEG単量体数との比が0.5〜4に維持される限り、最初の2つのPEG含有界面活性剤クラスに記載の性質と実質的に同一の性質を有すると予想する。
【0036】
最後に、2つの化学的に定義されたPEG含有界面活性剤の混合物も本発明で十分に機能することに留意する。全ての好ましいPEG含有界面活性剤は、混合物として使用した場合に、適合し、十分に機能するが、特定の混合物は必要でないか好ましくなく、マイクロエマルジョンの生成で単一の薬剤として作用するために好ましい界面活性剤を選択したことが本発明の特徴であり、2つ又はそれを超える界面活性剤型の混合物の特定の「HLB」(疎水性親油性バランス(hydrophobic lipophilic balance))比を達成する目的で一定の界面活性剤混合物を特定する従来発明と対照的である。
【0037】
好ましいPEG含有界面活性剤(例えば、粘度をあまり増加させることなく30%までのSolutol(登録商標)「溶液」を形成するBASF CorporationのSolutol(登録商標))を水に添加することにより、直径が約12nmの自己凝集性界面活性剤クラスターのミセル溶液が形成される。溶液は、マイクロエマルジョンと類似した光学的に透明な分散液を形成するが、溶液が水以外の成分を1つしか含まないので、技術的にマイクロエマルジョンではない。CoQ10又は疎水性CoQ10溶媒様d−リモネン又はオレイン酸エチル(下記)のような疎水性ゲスト溶質(hydrophobic guest solute)を添加したこのようなミセル溶液を、一般に、「マイクロエマルジョン」と記載する。しかし、分子構造が常に界面活性剤で「コーティングされた」疎水性物質の小滴を含む古典的な2成分水中油滴型乳濁液の分子構造であるかどうかは疑わしい。本発明者らが行ったドップラー光散乱研究は、本発明に記載の全界面活性剤クラスから形成したマイクロエマルジョンの直径は12nm(120オングストローム)ほどしかなく、粒子半径が単一の非コイル化(uncoliled)界面活性剤分子の長さより少し短い(約7nm)ことを意味することを示す。このような小さくて簡潔な構造は、古典的な乳濁液の疎水性液滴コアのための空間を持たないが、界面活性剤アンサンブル(ensemble)の疎水性末端によって密に取り混ぜられ、連動しておそらくミセルの反対側から影響を与える、比較的雑然としたコア中にその包埋された溶媒及び疎水性ゲスト分子(CoQ10など)を含まなければならない。例えば、本発明者らは、Solutol(登録商標)の簡潔なミセル溶液中の「空の」凝集体の直径とSolutol(登録商標)がオレイン酸エチルのような疎水性溶媒ゲスト分子とマイクロエマルジョンを形成した場合に形成される「マイクロエマルジョン」粒子の直径の相違を見出さなかった。
【0038】
基剤の約20重量%の濃度のCoQ10を含む本発明の基剤組成物の重要な性質は、ヒト及びほとんどの他の哺乳動物の体温を含む約37℃又はそれを超える温度で、基剤がCoQ10の熱力学的に安定な溶液であることである。従って、一部で確実に基剤が体温で安定な溶液であるようにするために、20%のCoQ10濃度を含む基剤組成物の調製での使用に許容可能である上記のPEG含有界面活性剤を選択する。これに関して、基剤調製で使用するために選択される水不混和性CoQ10溶媒が、体温で熱力学的に安定である基剤の形成にも寄与することが好ましい。これらの基準を満たす溶媒は、時折、文献で、溶媒が界面活性剤と連携して所望の性質を有する基剤を形成するという点で、「共溶媒」と呼ばれる。しかし、本発明者らは、好ましい非イオン性界面活性剤群を使用して、溶媒がCoQ10とはるかに重要に直接相互作用して基剤からの結晶化を回避することを見出した。
【0039】
許容可能な水不混和性溶媒の選択において主に検討されることは、許容可能な界面活性剤の選択においていくらか類似している。生物学的利用能の基本的要件、毒性が低いことと、味及び香りが良いこととに加えて、溶媒は、ヒト及びほとんどの他の哺乳動物の体温(約37℃)又は体温付近の融点を持ち、体温未満で実質的な量のCoQ10を溶解することができなければならない。トリグリセリド油は、体温で約5重量%を超えるCoQ10の溶解が困難であるので、一般に、これらの基準を満たさない。CoQ10はほとんどの一般的な生体適合性溶媒(植物油、MCT、トリブチリン、エタノール、プロピレングリコール、Span−80など)から再結晶する傾向があるので、高濃度のCoQ10マイクロエマルジョンの構築における主な難問は、体温又は体温付近で高濃度のCoQ10を溶解することができる心地よい香りの生体適合性疎水性溶媒を見出すことである。一旦このような溶媒が同定されると、この溶媒の体温でのCoQ10との飽和能力を決定し、CoQ10濃度を減少させることによって、より親水性の高い界面活性剤と共に、確実にCoQ10と溶媒との混合物がCoQ10沈殿しないようにする。典型的には、CoQ10沈殿を回避するために、CoQ10濃度を、約10%に減少させる必要がある。溶媒中のCoQ10濃度を適切にした後、好ましいPEG含有界面活性剤群を適切な比率で使用してマイクロエマルジョン基剤を形成し、このようなCoQ10溶媒溶液を使用して自己マイクロエマルジョン化系を形成することができる。
【0040】
本発明で使用される許容可能な水不混和性生体適合溶媒を、一般に、以下の3(3)つのエステル群のうちの1つから選択することができる:モノエステル、ジエステル、及びトリエステル。エステルは、脂肪族(飽和又は不飽和、直鎖及び分岐鎖)酸又はアルコール残基から構成される液体群から形成される。モノエステルは、モノアルコール及び一価酸由来の残基から構成される。ジエステルは、一価酸及びジアルコール由来の残基又は二価酸及びモノアルコール由来の残基から構成される。トリエステルは、一価酸及びトリアルコール又は三価酸及びモノアルコールから構成される。
【0041】
モノエステルについて、好ましい飽和又は不飽和脂肪族酸残基は、酢酸プロピオン酸(acetic,propionic acid)、又は他の飽和若しくは不飽和生体適合性脂肪族酸からなる群より選択される。単鎖脂肪酸及びこれを含むエステル調製物は、味及び臭いが不快であるので、偶数の炭素長(C(Csub8)又はそれを超える)の脂肪酸が好ましい。エステルのための飽和又は不飽和脂肪族アルコール残基は、好ましくは、エチル、n−プロピルアルコール、又は他の飽和若しくは不飽和生体適合性脂肪族アルコールを含む群から選択される。このようなアルコールの多くは、炭素数が8個、又はそれを超える直鎖モノ−アルコールである(n−オクタノールなど)。偶数の炭素を有するアルキルアルコールが好ましい。モノエステル溶媒の好ましい例は、オレイン酸エチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、酢酸オレイル、プロピオン酸オレイル、オクタン酸オクチル、デカン酸オクチル(octyl decanonate)、又はオレイン酸オクチルである。
【0042】
エステル残基由来のアルコール及びカルボン酸の生体適合性のために、体温付近で液体であるエステルを処方するための残基の選択に加えて、好ましいジエステルも選択される。各残基は、生体適合性を示すカルボン酸又はアルコールに対応することが好ましい。ジエステルは、1つのジヒドロキシアルコールと縮合した2つのカルボン酸残基又は2つのモノアルコールと縮合した1つのジカルボン酸残基から構成され得る。
【0043】
ジアルコール及び一価酸由来のジエステルについて、好ましいジアルコールは、生体適合性小ジヒドロキシアルコール(プロピレングリコール、1,2ブタンジオール、及び1,3ブタンジオールなど)からなる群より選択される。好ましい脂肪族一価酸は、酢酸若しくはプロピオン酸、又はC(Csub8)又はこれより長い偶数の炭素を有する脂肪酸である脂肪族酸を含む群から選択される。ジアルコール及び一価酸に基づいたこのような液体ジエステルの好ましい例は、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、及びジオレイン酸1,2ブタングリコールである。
【0044】
二価酸及びモノアルコール由来のジエステルについて、二価酸は、一般に、脂肪族酸残基が、生体適合性の脂肪族飽和又は不飽和ジカルボン酸であるジカルボン酸(コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、2−オキソグルタル酸、又は長鎖ジカルボン酸(セバシン酸)など)からなる群より選択することができる。モノアルコール由来のジエステルについて、短鎖ジカルボン酸(コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、2−オキソグルタル酸など)と共に使用されるモノアルコールは、10炭素又はそれを超える生体適合性モノヒドロキシアルコールからなる群より選択される。融点が十分低いが、組織に対する刺激が十分低く、且つ許容可能な味のエステルの形成においてカプリルアルコール及びオレイルアルコールが特に注目される。これには、一般に、総炭素数が16又はそれを超えるエステルが必要である。二価酸及びモノアルコールに基づいたこのような液体ジエステルの好適な例は、フマル酸ジオレイル、マロン酸ジオレイル、及びセバシン酸ジプロピルである。コハク酸カプリルオレイルなどの混合エステルも好適である。
【0045】
生体適合性トリエステルは、生体適合性トリアルコール(グリセロールなど)及び一価酸の残基から構成され得る。代替的に、トリエステルを、生体適合性トリカルボン酸(クエン酸及びイソクエン酸など)とモノアルコールとのエステルから作製することもできる。好ましいトリアルコールトリエステルには、液体天然トリグリセリド及び他の合成トリグリセリドが含まれる。これらのトリグリセリドには、トリオレイン酸グリセロール、中鎖トリグリセリド油、並びにカプリル酸及びオレイン酸由来のアシル基が好ましい混合グリセリドエステルが含まれるが、これらに限定されない。トリカルボン酸エステル及びモノアルコールに由来する対応する液体トリグリセリドには、クエン酸トリカプリル、クエン酸トリオレイル、イソクエン酸トリカプリル、イソクエン酸トリオレイル、及びクエン酸とイソクエン酸との混合アルコールエステルが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
更に、本発明で使用される水不混和性生体適合性溶媒を、一般に、液体植物エッセンシャルオイル(トリグリセリドではない)からなる群より選択することができる。より具体的には、溶媒を、以下からなる群より選択することができる:1)主成分としてモノテルペン(リモネン及びミルセンなど)又はセスキテルペン(セドレン又はファルネセンなど)を含むテルペノイドベースの液体植物エッセンシャルオイル;2)テルペノイドケトンベースの液体植物エッセンシャルオイル(カルボンベースのエッセンシャルオイル(例えば、スペアミント油、クロモジ油)、フェンコンベースのエッセンシャルオイル(例えば、ウイキョウ油)、カンフルベースのエッセンシャルオイル(例えば、ローズマリー油)など);3)テルペノイドアルコールを含む植物エッセンシャルオイル(リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、又はファルネソールなど)及びその誘導体(酢酸、酪酸、安息香酸(benzolate)、又はアントラニル酸(anthranylate)など);4)テルペノイドアルデヒドを含む植物エッセンシャルオイル(シトラール、シトロネラール、又はゲラニアールなど);5)柑橘類由来の植物エッセンシャルオイル(オードブロウツ油(eau de brouts oil)、プチグレイン油、ネロリ油、及びビターオレンジ油(ダイダイ由来の全て)、スイートオレンジ油(アマダイダイの圧搾油(好ましい))、ライム油、グレープフルーツ油、レモン油、タンジェリン油、マンダリン油(C.レチクラタ(C.reticulata))、タンジェロ(C.レチクラタ×C.パラディッシ(C.paradisi))油、又は他の柑橘類エッセンシャルオイルが含まれるが、これらに限定されない);6)非柑橘類生体適合性液体植物エッセンシャルオイル(ヨーロッパモミ、エール(ale)(種々のマツ)、アンブレットシード、アンゼリカシード、ベンゾイン(アンソクコウノキ)、ベルガモット(C.ベルガミア)、ベルガモットミント(M.シトラタ)、カブリューバ、カナンガ、キャロットシード、カスカリラ、アトラスシダーウッド(C.アトランティカ)、テキサスシダーウッド(J.メキシカーナ)、バージニアンシダーウッド(J.バージニアーナ)、セロリシード、ジャーマンカモミール(C.レクティタ)(C.recutita)、ローマンカモミール(A.ノビリス)、シトロネラ(C.ナルダス)、フレンチクラリセージ(S.スクラレア)、コパイバ、キュセブ(cuceb)、ヒノキ、ダバナ、ディアタング、フェネグリーク、カナディアンファーニードル(A.バルサメア)、ガルバヌム、ゼラニウム(P.グラビオレンス)、ショウガ、ガージャン、ヘイ(hay)、ツヨプセン、永久花、ジャスミン、ジュニパーベリー、ラブダナム、ラバンジン、ラベンダー、レモングラス(C.シトラタス又はC.フレキソシス(C.flexosis))、リナロエ、スパニッシュマジョラム(T.マスチチナ(T.masticina))、メイチャン、ミモザ、マートル、パルマローザ、パチョリ、ブラックペッパー、ペルーバルサム、ペルーペッパー(S.モーレ(S.molle))、フェニキアネズ(Phoenecian juniper)(J.フェニシア)、欧州アカマツ(P.シルベストリス)、ブルガリアンローズ又はモロッコローズ(R.ダマセナ)、ローズマリー、スパニッシュセージ(S.ラバンドゥリフォリア)、スネイクルート、スペアミント、カナダツガ油(T.カナデンシス、P.マリアーナ、P.グラウカを含む)、ウコン、及びイランイランが含まれるが、これらに限定されない);7)無水(すなわち、溶媒抽出された)植物油(エニシダ油(S.ジュンセウム)、マスチック油(P.レンチスカス)、バーベナ油(L.シトリオドラ)、スイセン油、橙花油、セイヨウバラ油(R.センチフォリア)、及びタバコリーフオイル(N.アフィニス))が含まれるが、これらに限定されない);8)植物エッセンシャルオイル中に見出される精製生体適合性化学物質(特に、d−リモネン(好ましい)、l−リモネン、d−カルボン、l−カルボン、l−酢酸リナリル、l−リナロール、酢酸ゲラニル、ファルネソール、及び酢酸ファルネシル)及び他の化学的に関連する生体適合性水不混和性液体テルペノイド(モノテルペン及びセスキテルペノイド)、テルペノイドケトン、テルペノイドアルコール、テルペノイドアルコールエステル、及びテルペノイドアルデヒド。
【0047】
最後に、本発明で使用される水不混和性生体適合性溶媒を、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びベンジルアルコールからなる群より選択することもできる。
【0048】
上記溶媒に加えて、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の溶媒を任意の他の溶媒と混合することができることが当業者に明らかである。
【0049】
カプセル処方物で使用される基剤組成物の約20重量%の濃度の完全に溶解したCoQ10を生成する本発明の能力の例として、CoQ10のための水不混和性生体適合性溶媒として、有効成分d−リモネンを含むスイートオレンジ油を使用することが最も好ましい。この溶媒の使用により、体温で熱力学的に安定なCoQ10濃度が約55重量%まで可能になる。Cremophor(登録商標)−35のような好ましい界面活性剤が、その重量の66%まで親油性溶液に溶解することができるので(すなわち、60%界面活性剤の最終混合物(CoQ10/溶媒の40%疎水性物質ミックス)まで)、6重量部のCremaphor(登録商標)を使用して4重量部の50%CoQ10溶液を溶解し、20重量%のCoQ10を含む安定なマイクロエマルジョン基剤を形成することができることになる。この基剤は、言い換えると、37℃の水中における自己マイクロエマルジョン化系である。溶媒としてスイートオレンジ油を使用する場合、CoQ10濃度を約50%に減少させると37℃又はこれを超える温度での基剤からの沈殿を阻害するのに十分である。
【0050】
本発明の処方物が水溶性アルコール又は多価アルコール(エタノール、プロピレングリコール、n−プロパノール、グリセロール、及びt−ブタノールなど)の使用を含まないという点で、本発明は、乳濁液基剤の調製で使用していた以前の方法と容易に区別される。これらのいくつかが順に考察されている。このような親油性アルコールはCoQ10の融点で大量のCoQ10を溶解することができるにも関わらず、生体系に特徴的な温度ではCoQ10には非常に不十分な溶媒であるので、CoQ10のような非常に親油性の高い物質に対する乳濁液基剤中のこれらの物質の役割は、主要な溶媒や「共溶媒」ですらない。その代わりに、プレエマルジョン(pre−emulsion)基剤中のこのようなアルコールは化学溶媒の役割は果たさないが、むしろ、乳濁液基剤の粘度の減少によって乳濁液基剤を希釈して熱効果を刺激するように作用する小分子の役割を果たす。アルコールはまた、水と分離させるための界面活性剤分子の疎水性部分との予備相互作用によって、水を侵入させて乳濁液を形成するための界面活性剤系を調製することもできる。しかし、本発明者らは、一旦これらの乳濁液又はミセルマイクロエマルジョンが形成されると、このような水溶性小アルコールはもはやその熱力学的安定性において役割を果たさないと判断した。従って、一旦乳濁液又はマイクロエマルジョンが形成されると、アルコールを調合することができ、アルコールの補助なく乳濁液を形成することができる場合、アルコールは、乳濁液中のCoQ10の濃度又は安定性を増強しない。従って、本発明者らは、生体適合性PEG含有界面活性剤の慎重な選択の重要性を開示した。これらの界面活性剤の全てが水に対する親和性が比較的高く、更に、本発明に記載の比較的低い生成濃度で水と卓越して混合させるために粘度が低い。従って、低分子量アルコールを含めることは、室温又は体温などの比較的低温でさえも、界面活性剤からのCoQ10乳濁液又はマイクロエマルジョンの任意の形成段階で必要である。
【0051】
組成物の20重量%までの濃度のCoQ10を含むカプセル処方物の提供に加えて、本発明の方法及び組成物は、CoQ10以外のCoQ物質を含むカプセル処方物を含む。具体的には、カプセル処方物はまた、任意の以下のCoQ物質の使用を含む:CoQ1、CoQ2、CoQ3、CoQ4、CoQ5、CoQ6、CoQ7、CoQ8、又はCoQ9(以下、個別には「CoQ物質」、集合的に、「CoQ物質」と呼ぶ)。CoQ10を含むカプセル処方物に関して使用した方法と同一の調製方法を使用することができる。この方法は、好ましい実施形態で特定したCo10の濃度範囲をCoQ物質のうちの1つの濃度範囲に置換することのみが異なる。更に、カプセル処方物のためのCoQ10基剤組成物の調製で使用するために開示された任意のPEG含有界面活性剤及び水不混和性溶媒を使用して、任意のCoQ物質を含む基剤を調製することができる。しかし、好ましいPEG含有界面活性剤はPEG−35ヒマシ油であり、好ましい水不混和性溶媒はスイートオレンジ油である。完全に溶解したCoQ物質のいずれか1つを含む得られた基剤組成物は、自己マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物が、無水であり、均一であり、透明な橙色の液体として認められる熱力学的に安定な溶液であるという点で、CoQ10を含む基剤組成物と同一の特徴を有する。同様に、CoQ物質を含む経口投与可能な栄養補給剤を形成するために、単位投薬量の組成物を、可溶性カプセル(好ましくは、軟ゼラチンカプセル)に添加することができる。消化管内でのカプセル溶解の際、完全に溶解したCoQ物質を含む基剤組成物は、消化液と接触し、天然に、ミセル型の高度に生物学的に利用可能なマイクロエマルジョンを形成する。
【0052】
カプセル形態で調製された経口投与可能なCoQ10栄養補給剤に加えて、本発明は、CoQ10含有飲料又は含嗽剤として液体処方物で経口投与することができるCoQ10栄養補給剤を含む。一般に、本発明の好ましい基剤組成物の使用及び所定量の基剤組成物を消費可能な液体又は飲料に分散させてCoQ10含有飲料を作製することによって液体処方物が得られる。この目的のために、溶解性カプセル処方物と共に使用するための基剤組成物を調製するために使用される同一の好ましい方法の使用又は溶解性カプセル処方物と共に使用するための基剤の、2つの別の調製方法のいずれかの使用によって基剤組成物を調製する。液体処方物の1つの実施形態では、CoQ10を、基剤の約15重量%の量で基剤に含め、PEG含有界面活性剤を、基剤の約60重量%の量で基剤に含め、水不混和性溶媒を、基剤の約25重量%の量で基剤に含める。カプセル処方物のための基剤組成物を調製するために使用することができる以前に開示の任意の界面活性剤及び溶媒が液体処方物の調製での使用に許容可能であるにも関わらず、本発明の液体形態との使用に好ましい界面活性剤は、その許容可能な味及び臭いにより、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート(BASF CorporationのSolutol(登録商標))、PEG−15モノオレアート、PEG−23モノステアラート、又はPEG−23モノミリスタートである。更に、最も好ましい溶媒は、その生体適合性及び許容可能な味により、スイートオレンジ油及び他の柑橘類エッセンシャルオイルである。他の許容可能な溶媒は、エステル(オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、又はジカプリル酸プロピレングリコール)であり、これもその生体適合性及び許容可能な味による。オレイン酸エチルベースの組成物で溶解できるよりも高濃度のCoQ10を、柑橘類オイル溶媒ベースの組成物中に溶解することができる。CoQ10含有飲料を作製するために、1つの実施形態では、上記濃度の1(1)重量部の基剤組成物を、最初に、約40℃〜約50℃の温度の約2(2)重量部の水で希釈し、次いで、温かいマイクロエマルジョンを作製するために、希釈混合物を約5(5)〜10(10)分間撹拌する。マイクロエマルジョンを室温に冷却後、CoQ10含有飲料を形成するために、所定量のマイクロエマルジョンを、消費可能な飲料又は液体(水ベースの飲料であり得るか、80度までのアルコールベースの飲料でもよい)に添加することができる。別の用途では、所定量の非希釈基剤組成物を、水ベースの含嗽剤に直接添加し、十分に撹拌後、含嗽剤中にマイクロエマルジョンが形成される。
【0053】
CoQ10含有マイクロエマルジョンの液体処方物を、CoQ10が飲料の約10重量%までの量の濃度であり、室温で良好な安定性を示すように飲料中に含むことができるが、このような高濃度のCoQ10を商業的な使用は、10グラム又はそれを超える用量でPEG含有界面活性剤によって胃腸管が下痢を起こす性質があるので、問題となり得る。しかし、基剤がマイクロエマルジョンを形成する含嗽剤が胃腸管に侵入する量は少ないので、含嗽剤に含むことができる基剤組成物の量を同様に制限する必要はない。液体処方物について、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、又はジカプリル酸プロピレングリコールなどのエステルを、基剤組成物作製のための溶媒として自由に使用することができるが、伝統的な植物エッセンシャルオイルでの実施により、柑橘類エッセンシャルオイルの摂取は1日あたり約1グラム未満に制限されることが示唆される。
【0054】
本発明を更に使用して、例えば、ローション、クリーム、又は軟膏として本発明の好ましい基剤組成物を皮膚に直接塗布することができる局所処方物を提供することができる。局所処方物について、還元形態(すなわち、ユビキノール)のCoQ10を使用することが最も好ましい。更に、カプセル処方物のための基剤組成物を調製するために使用することができる以前に開示の任意のPEG含有界面活性剤及び水不混和性溶媒が局所処方物の調製での使用に許容可能であるにも関わらず、本発明の局所形態との使用に好ましい界面活性剤は、その許容可能な味及び臭いにより、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート(Solutol(登録商標))、PEG−15モノオレアート、PEG−23モノステアラート、又はPEG−23モノミリスタートであり、更に、香り及び生体適合性が溶媒選択に重要な役割を果たす場合、最も好ましい水不混和性溶媒は、ペパーミント油、スペアミント油、スイートオレンジ油、及び他のエッセンシャルオイル、又はオレイン酸エチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピルである。いくつかの局所使用の例を、以下の「実施例」の部に示す。局所塗布物(topical application)を、水と予め混合することなく、皮膚に直接使用することができる。従って、塗布物は、非脂肪性ローション又はクリームであり、依然として乳濁液を形成する性質により、塗布物は、水のみによって容易に洗い流される保護層を皮膚上に形成する。この特徴により、残存する非イオン性界面活性剤及び全ての「油分の無い(greaseless)」残渣が、水での簡単な洗浄によって翌朝に容易に除去されるので、夜間の皮膚の維持に完全に適切なスキンケア製品が得られる。乳濁液ベースの生成物が夜間に疎水性CoQ10を皮膚細胞に運搬し、その後に水での洗浄で皮膚から容易に除去される能力の特徴により、化粧品としての使用に完全に適合する生成物が得られる。本発明者らは、Solutolベースの局所生成物を、約45℃の溶融Solutol(登録商標)を使用して調製しなければならないが、その後、ローション又はクリーム様処方物として室温又は体温で保存することができることに留意している。
【0055】
経口又は局所で投与されるCoQ10補給剤を調製するための本発明の使用に加えて、本発明を使用して、静脈内又は筋肉内液体注射として非経口で送達されるか、点眼薬として眼科的に送達される治療薬を生成することができる。静脈内及び局所眼科的投与では、治療液を、一般に、一定量の本発明の好ましい基剤組成物の別のキャリア液(等張(0.9%)食塩水又は5%デキストロース水溶液(筋肉内投与のため)など)への分散によって調製する。筋肉内注射について、基剤を体温に温め、筋肉に直接注射し、筋肉で基剤が体内の細胞外液中でマイクロエマルジョンを形成し、細胞外液がリンパ系にCoQ10を運搬し、それにより、体内に運搬される。
【0056】
本発明の非経口形態及び眼科形態と共に使用するための好ましいPEG含有界面活性剤は、非経口可溶化剤としてのその許容可能な生体適合性及び歴史的使用により、Solutol(登録商標)及びCremophor(登録商標)である。Cremophor(登録商標)は筋肉内での使用に好ましい一方で、Solutol(登録商標)は、高温で液体であるので、注射前に温水と予め混合しなければならず、静脈内での使用及び点眼薬として好ましい。更に、Cremophor(登録商標)及びSolutol(登録商標)が好ましいが、カプセル処方物のための基剤組成物を調製するために使用することができる任意の以前に開示の界面活性剤は、非経口又は眼科処方物の調製での使用が許容される。非経口又は眼科的使用について、好ましい溶媒は、オレイン酸エチルであり、これは、N.F.(国民医薬品集)物質として非経口投与が許可されている。オレイン酸エチルに加えて、植物エッセンシャルオイル以外のカプセル処方物のための基剤組成物を調製するために使用することができる任意の以前に開示の界面活性剤は、非経口又は眼科処方物の調製での使用が許容される。ほとんどの非経口及び眼科的投与について、約2%の濃度のCoQ10を含む基剤組成物は、良好な安定性を達成することが可能である。基剤を、3重量部の0.9%加温生理食塩水で希釈して、静脈内注射又は局所点眼投与のための0.5%CoQ10の水性の透明なマイクロエマルジョンを形成することができる。
【0057】
非経口及び眼科処方物は、本発明の好ましい基剤組成物を使用することによって提供され、処方物を、可溶性カプセルと共に使用される基剤組成物を調製するために使用される好ましい方法の使用又は可溶性カプセルと共に使用される基剤の別の2つの調製方法のいずれかの使用によって調製する。非経口及び眼科処方物の1つの実施形態では、CoQ10は、基剤の約2.0重量%の量で基剤中に含まれ、PEG含有界面活性剤としてのSolutol(登録商標)は、基剤の約82重量%の量で基剤中に含まれ、水不混和性溶媒としてのオレイン酸エチルは、基剤の約16重量%の量で基剤中に含まれる。静脈内及び眼科的投与について、1(1)重量部のCoQ10基剤組成物を、約40℃と約45℃との間の温度に加温した約3(3)〜約4(4)重量部のキャリア液(生理食塩水又は5%デキストロース水溶液など)と混合する。所定量の得られたマイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの約0.5重量%の濃度のCoQ10を含み、これは、マイクロエマルジョンの温度を、体温と室温との間(約37℃と約23℃との間)に冷却した後に、静脈内又は点眼投与に適切である。筋肉内投与について、CoQ10基剤組成物を、体温(約37℃と約40℃との間)に加温し、その後に筋肉に直接注射することができ、そこで基剤は身体の細胞外液中にマイクロエマルジョンを形成する。
【0058】
本発明は、経口投与のために組成物の約20重量%のまで濃度のCoQ10を含み、非経口投与薬のために約2.5重量%までの濃度のCoQ10を含む好ましい基剤組成物の調製におけるPEG含有界面活性剤及び水不混和性溶媒の使用を開示する。しかし、本発明者らは、許容可能な最先端の濃度のCoQ10(基剤の約3重量%まで)を、いかなる溶媒も使用することなく(すなわち、CoQ10を溶解するための個別の疎水性液体を使用することなく)PEG含有界面活性剤を使用することによって調製することができると更に決定づけた。水不混和性溶媒の使用は、より高い濃度のCoQ10が望ましい場合のみで必要である。従って、本発明は、本質的に、組成物の約2重量%〜約3重量%の量で組成物中に含まれるCoQ10と;組成物の約97重量%〜約98重量%の量で組成物中に含まれる液体又は溶融したPEG含有界面活性剤と;からなる無溶媒マイクロエマルジョン化可能な基剤組成物を含む。
【0059】
好ましくは、カプセル処方物について、所定量のCoQ10を所定量の液体又は溶融した界面活性剤(好ましくは、Cremophor(登録商標)又はSolutol(登録商標))に添加することによって無溶媒基剤組成物を形成し、その後に、界面活性剤中にCoQ10を溶解するために、CoQ10及び界面活性剤を十分に撹拌する。使用する界面活性剤に依存して、この過程を完了するのに数分から数時間かかり得る。溶媒を含む好ましい基剤と同様に、無溶媒基剤組成物は、無水であり、均一であり、溶液として熱力学的に安定であり、透明な橙色の液体として認められる(CoQ10溶液の特徴)。次いで、無溶媒基剤組成物を使用して、単位投薬量の無溶媒基剤を可溶性カプセルに添加することによってカプセル処方物を生成することができ、無溶媒基剤は、基剤が水性胃液に接触した場合に好ましい基剤組成物と同一の様式でマイクロエマルジョンを形成する。
【0060】
無溶媒基剤組成物を、消費可能な飲料又は含嗽剤の調製でも使用することができる。飲料を、約1(1)重量部の無溶媒基剤を約2(2)重量部の水(水の温度は約40℃〜約50℃である)と混合して基剤組成物を希釈することによって生成することができる。次いで、希釈した無溶媒基剤を数分間撹拌してマイクロエマルジョンを形成させ、所定量のマイクロエマルジョンを消費可能な飲料に添加することができる。しかし、含嗽剤について、非希釈形態の無溶媒基剤を、水ベースの含嗽剤に直接添加することができ、十分な撹拌後に、含嗽剤中にマイクロエマルジョンが形成される。飲料又は含嗽剤に好ましい界面活性剤は、その許容可能な味及び臭いにより、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート(BASF CorporationのSolutol(登録商標))、PEG−15モノオレアート、PEG−23モノステアラート、又はPEG−23モノミリスタートである。
【0061】
同様に、無溶媒基剤組成物を、非経口又は眼科的に投与される薬剤の調製で使用することができる。これらの薬剤について、好ましい界面活性剤は、Cremophor(登録商標)又はSolutol(登録商標)である。無溶媒基剤中に含まれる界面活性剤がCremophor(登録商標)の場合、マイクロエマルジョンを、約1(1)重量部の無溶媒基剤を約3(3)〜約4(4)重量部のキャリア液と混合することによって調製し、次いで、マイクロエマルジョンを、静脈内薬又は点眼処方物として使用することができる。他方では、界面活性剤がSolutol(登録商標)である場合、マイクロエマルジョンを、約1(1)重量部の無溶媒基剤を約5(5)重量部のキャリア液と混合することによって調製する。更に、非希釈無溶媒基剤組成物を、筋肉内投与される薬剤として直接注射することができる。非希釈無溶媒基剤を、局所塗布される処方物を含むローション、クリーム、又は軟膏として直接使用することもできる。局所塗布される処方物について、好ましい界面活性剤は、その許容可能な味及び臭いにより、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート(Solutol(登録商標))、PEG−15モノオレアート、PEG−23モノステアラート、又はPEG−23モノミリスタートである。
【0062】
上記の好ましい界面活性剤に加えて、基剤中に溶媒を含むカプセル処方物での使用に適切な任意のPEG含有界面活性剤を、無溶媒基剤組成物の調製で使用することもできる。
【0063】
無溶媒基剤組成物がCoQ10マイクロエマルジョンを形成する証明された能力に関するいくつかのコメントは、妥当なようである。しかし、これに関して、本発明者らは、無溶媒基剤組成物の有用性は、なぜ無溶媒基剤がCoQ10マイクロエマルジョンを形成することができるのかということについてのあらゆる理論の正確さに依存しないということを提起する。一般に、本発明者らは、少なくとも塩基の約3%までのCoQ10濃度で溶媒を使用せずにCoQ10マイクロエマルジョンが容易に形成されることは、ミセルマイクロエマルジョンの形成が水及び適切な界面活性剤自体以外の任意の材料の存在に依存しないという基本的所見によって説明されると考える。従って、他の要素を含まないPEG含有界面活性剤のマイクロエマルジョンが実際に可能であるので、低濃度のCoQ10の無溶媒ミセル型マイクロエマルジョンが可能であり得る。水中で、好ましいPEG含有界面活性剤クラスによって自動的に形成されるミセル溶液は、ゲスト疎水性物質から作製される内部液滴が存在する必要はない。むしろ、およそ典型的な界面活性剤分子の長さ(約7nm)を有する最も小さなミセルサイズによって示されるように、ミセル界面活性剤の疎水性部分がこの目的にかなう。本発明で好ましいPEG含有界面活性剤のミセル溶液の光散乱研究では、界面活性剤を水のみに混合する場合でさえ、非常に低濃度の水中でこれらのミセル及びミセル溶液が形成されることを示す。例えば、純粋中でのSolutol(登録商標)HS−15の「臨界ミセル濃度」は、製造者(BASF)から「0.005及び0.002%」と示されている。これらの濃度は、装置のほぼ検出限度であり、任意の少量の純粋なSolutol(登録商標)HS−15の水溶液がミセルを含むと想定するのに十分に小さい。これらのミセルは、疎水性ゲスト分子を有する場合、マイクロエマルジョンである。これらのミセルのコアは、疎水性ゲストを含まない場合、おそらく中空ではないが、単純に、(その約12nmというサイズから示唆されるように)7nm長の界面活性剤分子の2nmの疎水性テールを含む。従って、12nmのミセルは、直径4nmほどのコアを有すると予想することができる。
【0064】
本発明の溶媒含有マイクロエマルジョンは、CoQ10分子が自由に移動する(more)ことができる標準的な液滴あたり二相の乳濁液(two−phase emulsion−a drop)の中心に溶媒が液滴として存在するのに十分な溶媒を含まない。むしろ、ミセルマイクロエマルジョンでは、コーティングしたCoQ10分子は、直径12〜25nmのミセルのコアにぎっしり詰まっているようであり、親油性コアの直径は6nm(ほぼ1つのCoQ10分子の長さ)しかない。結果として、乳化過程では、溶媒の役割は、主に、マイクロエマルジョンが形成された時にCoQ10が比較的小さなマイクロエマルジョンコアに閉じ込められる前に、CoQ10が基剤から結晶化するのを防止することのようである。しかし、溶媒を使用せずに界面活性剤中に溶解した低濃度のCoQ10の場合、水の添加によってマイクロエマルジョンミセルを形成することができ、いかなる溶媒コーティングを用いなくともミセルの親油性コアにCoQ10分子が閉じ込められる。界面活性剤のみから作製された界面活性剤ミセルが基本的に水に安定性なのは、会合した「溶媒」の有無と無関係に、このようなミセルを使用して、CoQ10のようなゲスト疎水性分子を「可溶化」して運搬することができるからである。
【0065】
本発明における溶媒の目的はエマルジョン滴のコアを形成することではないということになる。なぜなら、このようなコアは小ミセルマイクロエマルジョン中に存在することができないからである。むしろ、本発明者らは、本発明における溶媒は親油性が高く自己相互作用するCoQ10分子を個別にコーティングし、その相互作用を減少させるように機能すると仮定する。これは、好ましい実施形態における最も高い溶媒対CoQ10比が約7:1であり、この比は、CoQ10分子の外面をコーティングするために必要な溶媒分子比に近く、典型的な溶媒分子の2倍を少し超えるという事実によって示唆される。CoQ10分子の長い直鎖のπ結合が豊富なテールは容易に結晶を形成するが、これらの結晶は、CoQ10と疎水性に相互作用する小分子の親油性溶媒によってその形成が防止される。しかし、溶媒自体が屈曲及びねじれを含む非直鎖分子(これらの分子が結晶中で十分に積み重なるのを防止するケトン基及び二本鎖型など)である。
【0066】
局所実施形態を除く本発明の全ての実施形態について、CoQ10を、酸化形態(ユビキノン)で使用することが好ましい。或いは、CoQ10を還元形態(ユビキノール)で使用することができる。しかし、局所実施形態について、CoQ10を還元形態で使用することが好ましい。CoQ10の還元形態を使用する場合、CoQ10含有補給剤が空気に長期間(数週間又はそれを超える)接触することが予想される場合には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)又は非エステル化ビタミンE(d−アルファトコフェロール又は他のトコフェロールバイトマー(vitomer))などの抗酸化剤を基剤組成物に添加しなければならない。還元形態の酸化形態への酸化を防止するために、約1/1000の量の抗酸化剤を基剤に添加すべきである。特に、ゼラチン液充填カプセルは、通常、酸素に比較的不浸透性を示すので、この用途では、ユビキノールの使用における抗酸化剤の必要性は低くなり得る。
【0067】
最後に、好ましい基剤組成物及び無溶媒基剤組成物の両方が、各基剤のその非希釈形態(すなわち、マイクロエマルジョンの形成前)又は希釈形態(すなわち、マイクロエマルジョンの形成後)のいずれかでの0.2ミクロンフィルターの通過によって容易に滅菌されることが本発明の特徴である。
【0068】
以下の実施例は、本発明を更に説明し、例示している。
【0069】
実施例1
本発明の方法が、基剤の20重量%の濃度のCoQ10を含む基剤組成物を生成することができ、基剤が37℃で安定であり、単位投薬ゼラチンカプセルでの使用に適切であることを更に開示するために、本実施例を選択する。第1に、400mgの結晶CoQ10を、400mgの37〜40℃の加温オレンジ油に溶解して、50%CoQ10溶液を形成し、この溶液を、十分に撹拌しながら1200mgの37〜40℃の加温cremophorと混合してこれらを完全に混合する。加温液体基剤組成物は、透明な橙色の外観を有することに留意する。単位投薬量の基剤を、温めた状態で透明なゼラチンカプセルに負荷する。
【0070】
充填されたCoQ10カプセルを、ここで、低温下(市販のフリーザーなど)で一晩冷却して、過剰量のCoQ10を溶液から結晶化させる。これらを室温に数時間戻し、確実にもはや液体がCoQ10で過飽和しないようにする。
【0071】
マイクロエマルジョン試験を以下のように行う。水温が37±1℃の125mlの蒸留水を、磁気撹拌棒を入れた150mlのErlenmeyerフラスコにいれ、よく混合するのに十分に撹拌しながらCoQ10カプセルのうちの1カプセルを温水に入れる。10分間の撹拌後、ゼラチンカプセル及びその内容物は、透明な黄色の液体混合物に完全に溶解したようであり、これは、正に化学的な「溶液」のようである。しかし、暗所では、このような「溶液」は、5mWの630〜670nmの赤色ダイオードレーザービームの照射によってマイクロエマルジョンであることを証明することができる。ビームラインに沿ったレーザー光の高角度レイリー−チンダル後方散乱(high−angle Rayleigh−Tyndall back scattering)の外観は、Cremaphor−35(登録商標)ミセル溶液で認められるものと類似しており、このことは、ミセル凝集体サイズのマイクロエマルジョンが形成されたことを証明している。従って、オレンジ油/CoQ10組成物は、水に「溶解する」ことは示されないが、むしろ、界面活性剤によって温水中に「マイクロエマルジョン化する」ことを示す。
【0072】
実施例2
カプセル中に10%のCoQ10を含む基剤。本実施例は、単位用量のゼラチンカプセルで使用される溶媒(オレイン酸エチル)と界面活性剤(Cremaphor(登録商標))との組み合わせの使用を例示する。第1に、1.0gのCoQ10を、3.0gの37〜40℃のオレイン酸エチルに溶解して、25%CoQ10溶液を形成させる。次いで、この溶液を、十分に撹拌しながら6.0gの37〜40℃の加温cremophorと混合してこれらを完全に混合する。加温液体は、基剤の10重量%のCoQ10を含む。透明な橙色の外観を有することに留意する。単位投薬量の基剤を、温めた状態で透明なゼラチンカプセルに入れる。室温にしばらく置いた後、CoQ10の再結晶化が認められるが、体温下では(37℃)、これらの結晶は数分で溶液に溶解し、この溶液を軟ゼラチンのための充填剤として使用することが可能である。体温の水と撹拌すると、これらから更に良好なマイクロエマルジョンが得られる。
【0073】
確実に結晶化させるために、市販のフリーザーに数時間入れた後に室温(23℃)に数時間加温すると、全てのカプセルが結晶化するが、ほとんどのCoQ10は、液体に再溶解する。カプセルを37℃の水に接触させた後、残存する結晶が最初に溶融し、その後に透明なマイクロエマルジョンとして分散する。
【0074】
実施例3
高濃度(15%)CoQ10含有カプセルの例。室温(23℃)で安定であり、単位用量ゼラチンカプセルでの使用に適切であり、透明な液体ゲルカプセルが望ましい場合のcremophor(登録商標)−35を使用したCoQ10マイクロエマルジョン基剤。第1に、1.5gのCoQ10を、27℃の2.25グラムのオレンジ油に溶解し、次いで、6.25グラムのcremophor(登録商標)−35を添加し、完全に混合するまで撹拌する。加温液体が、透明な橙色の外観を有することに留意する。これを、再結晶することなく室温に冷却することができ、低温(すなわち、25℃未満)で再結晶する場合、室温に戻す。この組成物は、室温(23℃)又はそれを超える温度でのCoQ10のマイクロエマルジョンの作製に好適である。
【0075】
確実に結晶化させるために市販のフリーザーに数時間入れた後に室温(23℃)に数時間加温すると、ほとんどのCoQ10は、基剤液体に再溶解する。カプセルを37℃の水に接触させた後、残存する結晶が最初に溶融し、その後、基剤が温水に接触した時に透明なマイクロエマルジョンとして分散する。
【0076】
実施例4
室温(25℃〜27℃)での再結晶に対して安定であり、飲料での使用に適切な高濃度(15%)のCoQ10マイクロエマルジョンの例。第1に、1.5gのCoQ10を、40℃の2.5グラムオレンジ油に溶解し、次いで、6.0グラムの溶融Solutol(登録商標)液を添加し、全固体粒子が溶解するまで撹拌する。加温液体が、透明な橙色の外観を有することに留意する。これを、再結晶することなく室温に冷却することができるか、低温(CoQ10微結晶懸濁液の外観を生じる)に冷却し、その後、27℃に戻して、全ての懸濁CoQ10の沈殿物を消失させることができる。この基剤は、27℃又はそれを超える温度の水溶液中で乳化する。心地よいオレンジの香りを付与する場合、これは、流動飲料(fluid beverage)への添加に好適である。Solutolベースの液体基剤処方物は、静置すると、おそらくSolutol(登録商標)のPEG成分に起因する液体の相分離が認められるが、水に添加する前にマイクロエマルジョン過程を妨害することなくこれらを再混合することができる。
【0077】
実施例5
室温(23℃)で安定であり、透明なカプセル調製物又は局所調製物に好適な12%CoQ10処方物の調製。第1に、1.2gのCoQ10を、40℃の2.0グラムオレンジ油に溶解し、次いで、6.8グラムの溶融Solutol(登録商標)液を添加し、全CoQ10粒子が溶解するまで撹拌する。加温液体が、透明な橙色の外観を有することに留意する。更に、Solutolベースの液体基剤処方物は、静置すると、おそらくSolutol(登録商標)の公知の不活性な非エステル化PEG成分に起因する液体の相分離が認められるが、水に添加する前又はその間にマイクロエマルジョン過程を妨害することなくこれらを再混合することができる。
【0078】
実施例6
室温で安定であり、非経口用途に好適な2.5%CoQ10生成物のための溶媒(オレイン酸エチル)及び界面活性剤(Cremaphor(登録商標))の使用例。第1に、110mgのCoQ10を、37〜40℃の890mg加温オレイン酸エチルに溶解して11%CoQ10溶液を形成する。次いで、この溶液を、十分に撹拌しながら37〜40℃の3.4グラムの加温Cremaphor(登録商標)と混合してこれらを完全に混合する。加温液体は、透明な橙色の外観を有することに留意する。体温への加温後、哺乳動物の筋肉内に直接注射するか、CoQ10が0.5重量%であり、且つ静脈内投与に適切な非経口マイクロエマルジョンのために、1重量部の塩基の4重量部の生理食塩水に対する比で生理食塩水に混合することができる。
【0079】
上記基剤を単位用量カプセルで使用する場合、市販のフリーザーに数時間入れて確実に結晶化させ、その後に室温(23℃)に数時間加温することによって試験することができる。ほとんどのCoQ10が半液体として再溶解することが認められる。カプセルを37℃の水に接触させた後、残存する結晶が最初に溶融し、その後に、透明なマイクロエマルジョンとして分散する。
【0080】
実施例7
室温で安定であり、局所又は静脈内非経口用途に好適な2%CoQ10生成物のための溶媒(オレイン酸エチル)及び界面活性剤(Solutol(登録商標))の使用例。第1に、110mgのCoQ10を、37〜40℃の890mg加温オレイン酸エチルに溶解して11%CoQ10溶液を形成させる。次いで、この溶液を、45℃に加温した4.5グラムの加温Solutol(登録商標)と混合し、十分に撹拌しながらこれらを完全に混合する。加温液体は、透明な橙色の外観を有することに留意する。室温(23℃)への冷却後に液体のままであり得るので、この形態で、2%局所CoQ10治療処方物として使用することができる。IV非経口用途について、体温(37℃)で安定であり、CoQ10が0.5重量%であり、且つ静脈内投与に適切な非経口マイクロエマルジョンのために、これを、1重量部の塩基の3重量部の生理食塩水に対する比で40℃の生理食塩水に混合することができる。
【0081】
上記組成物を市販のフリーザーに数時間入れて確実にCoQ10を結晶化させる場合、室温(23℃〜25℃)に数時間加温し、ほとんどのCoQ10が半液体として再溶解する。カプセルを37℃の水に接触させた場合、残存する結晶が最初に溶融し、その後に、透明なマイクロエマルジョンとして分散する。
【0082】
実施例8
室温で安定であり、I.M.又はI.V.非経口用途に好適な2%CoQ10生成物の調製のために溶媒を用いない界面活性剤(Cremaphor(登録商標))のみの使用例。第1に、100mgのCoQ10を、十分に撹拌しながら40〜45℃の4900mgの加温Cremaphor(登録商標)に溶解して2%CoQ10溶液を形成させる。これには5〜10分必要である。加温液体は、透明な橙色の外観を有することに留意する。CoQ10結晶を溶解させた後、混合物を室温に冷却し、この時点で、混合物は、透明な橙色の液体のままである。I.V.(静脈内)非経口用途について、体温で安定であり、CoQ10が0.5重量%であり、且つ静脈内投与に好適な非経口マイクロエマルジョンのために、これを、再度40〜45℃に溶融し、1重量部の塩基の3重量部の水に対する比で40〜45℃の生理食塩水に混合することができる。I.M.(筋肉内)非経口用途について、これを、(無水)2%CoQ10乳濁液基剤として筋肉に直接注射することができる。
【0083】
実施例9
室温で安定であり、局所又は静脈内非経口用途に好適な3%CoQ10生成物の調製のために溶媒を用いない界面活性剤(Solutol(登録商標))のみの使用例。第1に、150mgのCoQ10を、十分に撹拌しながら40〜45℃の4850mgの加温Solutol(登録商標)に溶解して3%CoQ10溶液を形成する。これには5〜10分必要である。加温液体は、透明な橙色の外観を有することに留意する。本実施例及び以下などで溶媒を使用しない場合に必要な最低溶液温度が、溶媒を使用する実施例で必要とされた温度より数℃高いことに留意すべきである。CoQ10結晶を溶解させた後、混合物を室温に冷却し、この時点で、混合物は、ペースト状の橙色ローション(クリーム状の固体)となる。IV非経口用途について、体温で安定であり、CoQ10が0.5重量%であり、且つ静脈内投与に好適な非経口マイクロエマルジョンのために、これを、再度40〜45℃に溶融し、1重量部の塩基の5重量部の水に対する比で40〜45℃の生理食塩水に混合することができる。
【0084】
本発明を好ましい実施形態及び一定の他の実施形態に記載しているが、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態及び特徴を得ることができることが当業者に認識される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエマルジョン形成用の自己マイクロエマルジョン化可能な無水性かつ均一性の基剤組成物であって:
a)該組成物の最大20重量パーセントの有効量のCoQ10と;
b)前記組成物の最大30重量パーセントの有効量の植物エッセンシャルオイルの形態での水不混和性溶媒であって、前記植物エッセンシャルオイルがトリグリセリドオイルを含まない水不混和性溶媒と;
c)前記組成物の60重量パーセントないし82重量パーセントの有効量の非イオン性界面活性剤と;
を含み、当該非イオン性界面活性剤が:
i)構造が[POE(n)]−R’−Rの第1の非イオン性界面活性剤であって:
POEが単量体数nのポリオキシエチレン部分であり;
前記POEの官能基のうちのm個がR’に結合し;
mの値が1ないし3であり;
R’がグリセリル基、ソルビタン基、エステル基、アミノ基、又はエーテル基から選択される結合部分であり;
Rが飽和型又は不飽和型のアルキル基又はアルキルフェニル基からなる疎水性部分であり;
前記構造が、該疎水性官能基Rにおける炭素数であるBに対する、1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数mとの積によって得られる、該界面活性剤におけるPOE単量体単位の総数であるAの比率によって更に規定され;
該Bに対するAの比率の範囲が0.7ないし4である;
第1の非イオン性界面活性剤と;
ii)構造が[R’−(POE)−グリセリドの第2の非イオン性界面活性剤であって:
POEが、脂肪酸アシル残基R’とグリセロール残基との間に挿入され、ポリエトキシ化前に共通のトリグリセリドとして該アシル残基に直接的に結合した単量体数nのポリオキシエチレン部分であり;
前記構造が、3つの該脂肪酸残基R’における炭素数であるBに対する、1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数3との積によって得られる、該界面活性剤におけるPOE単量体単位の総数であるAの比率によって更に規定され;
該Bに対するAの比率の範囲が0.5ないし3である;
第2の非イオン性界面活性剤と;
からなる群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイド系の植物エッセンシャルオイルであり、主成分としてモノテルペンを含むことを特徴とする基剤組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の基剤組成物において、前記モノテルペンがリモネン又はミルセンであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイド系の植物エッセンシャルオイルであり、主成分としてセスキテルペンを含むことを特徴とする基剤組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の基剤組成物において、前記セスキテルペンがセドレン又はファルネセンであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイドケトン系の植物エッセンシャルオイルであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の基剤組成物において、前記テルペノイドケトン系の植物エッセンシャルオイルがカルボン系のエッセンシャルオイルであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の基剤組成物において、前記カルボン系のエッセンシャルオイルがスペアミント油又はクロモジ油であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがフェンコン系のオイルであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の基剤組成物において、前記フェンコン系のオイルがウイキョウ油であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがカンフル系のオイルであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の基剤組成物において、前記カンフル系のオイルがローズマリー油であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイドアルコールであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の基剤組成物において、前記テルペノイドアルコールがリナロール、ゲラニオール、シトロネロール、又はファルネソールであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイドアルコールの誘導体であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の基剤組成物において、前記テルペノイドアルコールの誘導体が酢酸、酪酸、安息香酸、又はアントラニル酸であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルがテルペノイドアルデヒドを含むことを特徴とする基剤組成物。
【請求項18】
請求項17に記載の基剤組成物において、前記テルペノイドアルデヒドがシトラール、シトロネラール、又はゲラニアールであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルが柑橘類由来のオイルであることを特徴とする基剤組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の基剤組成物において、前記柑橘類由来のオイルがスイートオレンジ油、ビターオレンジ油、オードブロウツ油、プチグレイン油、ネロリ油、ライム油、グレープフルーツ油、レモン油、タンジェリン油、マンダリン油、又はタンジェロ油であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項21】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルが、ヨーロッパモミ、エール(ale)(種々のマツ)、アンブレットシード、アンゼリカシード、ベンゾイン(アンソクコウノキ)、ベルガモット(C.ベルガミア)、ベルガモットミント(M.シトラタ)、カブリューバ、カナンガ、キャロットシード、カスカリラ、アトラスシダーウッド(C.アトランティカ)、テキサスシダーウッド(J.メキシカーナ)、バージニアンシダーウッド(J.バージニアーナ)、セロリシード、ジャーマンカモミール(C.レクティタ:C.recutita)、ローマンカモミール(A.ノビリス)、シトロネラ(C.ナルダス)、フレンチクラリセージ(S.スクラレア)、コパイバ、キュセブ(cuceb)、ヒノキ、ダバナ、ディアタング、フェネグリーク、カナディアンファーニードル(A.バルサメア)、ガルバヌム、ゼラニウム(P.グラビオレンス)、ショウガ、ガージャン、ヘイ(hay)、ツヨプセン、永久花、ジャスミン、ジュニパーベリー、ラブダナム、ラバンジン、ラベンダー、レモングラス(C.シトラタス又はC.フレキソシス(C.flexosis))、リナロエ、スパニッシュマジョラム(T.マスチチナ:T.masticina)、メイチャン、ミモザ、マートル、パルマローザ、パチョリ、ブラックペッパー、ペルーバルサム、ペルーペッパー(S.モーレ:S.molle)、フェニキアネズ(Phoenecian juniper:J.フェニシア)、欧州アカマツ(P.シルベストリス)、ブルガリアンローズ又はモロッコローズ(R.ダマセナ)、ローズマリー、スパニッシュセージ(S.ラバンドゥリフォリア)、スネイクルート、スペアミント、カナダツガ油(T.カナデンシス)、ウコン、及びイランイランからなる群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項22】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記植物エッセンシャルオイルが無水植物油であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項23】
請求項22に記載の基剤組成物において、前記無水植物油がエニシダ油(S.ジュンセウム)、マスチック油(P.レンチスカス)、バーベナ油(L.シトリオドラ)、スイセン油、橙花油、セイヨウバラ油(R.センチフォリア)、及びタバコリーフオイル(N.アフィニス)からなる群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項24】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記水不混和性溶媒が植物エッセンシャルオイルから抽出される精製生体適合性化学物質であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項25】
請求項24に記載の基剤組成物において、前記精製生体適合性化学物質がd−リモネン、l−リモネン、d−カルボン、l−カルボン、l−酢酸リナリル、l−リナロール、酢酸ゲラニル、ファルネソール、及び酢酸ファルネシルからなる群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記第1の非イオン性界面活性剤がPEG−15モノラウラート、PEG−20モノラウラート、PEG−32モノラウラート、PEG−48モノラウラート、PEG−13モノオレアート、PEG−15モノオレアート、PEG−20モノオレアート、PEG−32モノオレアート、PEG−72モノオレアート、PEG−15モノステアラート、PEG−660 15−ヒドロキシステアラート、PEG−23モノステアラート、PEG−40モノステアラート、PEG−72モノステアラート、PEG−20グリセリルラウラート、PEG−30グリセリルラウラート、PEG−20グリセリルステアラート、PEG−20グリセリルオレアート、PEG−30グリセリルモノオレアート、PEG−30グリセリルモノラウラート、PEG−40グリセリルモノラウラート、PEG−20ソルビタンモノオレアート、PEG−20ソルビタンモノラウラート、PEG−20ソルビタンモノパルミタート、PEG20ソルビタンステアラート、PEG−40ソルビタンモノオレアート、PEG−80ソルビタンモノラウラート、POE−23ラウリルエーテル、POE−20オレイルエーテル、PEG30−60ノニルフェノール類、及びPEG30−55オクチルフェノール類、及びその混合物の群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項27】
請求項1に記載の基剤組成物において、前記第2の非イオン性界面活性剤がPEG−40パーム核油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、及びその混合物の群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項28】
マイクロエマルジョン形成用の自己マイクロエマルジョン化可能な無水性かつ均一性の基剤組成物であって:
a)該組成物の最大20重量パーセントの有効量のCoQ物質と;
b)前記組成物の最大30重量パーセントの有効量の植物エッセンシャルオイルの形態での水不混和性溶媒であって、前記植物エッセンシャルオイルがトリグリセリドオイルを含まない水不混和性溶媒と;
c)前記組成物の60重量パーセントないし82重量パーセントの有効量の非イオン性界面活性剤と;
を含み、当該非イオン性界面活性剤が:
i)構造が[POE(n)]−R’−Rの第1の非イオン性界面活性剤であって:
POEが単量体数nのポリオキシエチレン部分であり;
前記POEの官能基のうちのm個がR’に結合し;
mの値が1ないし3であり;
R’がグリセリル基、ソルビタン基、エステル基、アミノ基、又はエーテル基から選択される結合部分であり;
Rが飽和型又は不飽和型のアルキル基又はアルキルフェニル基からなる疎水性部分であり;
前記構造が、該疎水性官能基Rにおける炭素数であるBに対する、1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数mとの積によって得られる、該界面活性剤におけるPOE単量体単位の総数であるAの比率によって更に規定され;
該Bに対するAの比率の範囲が0.7ないし4である;
第1の非イオン性界面活性剤と;
ii)構造が[R’−(POE)−グリセリドの第2の非イオン性界面活性剤であって:
POEが、脂肪酸アシル残基R’とグリセロール残基との間に挿入され、ポリエトキシ化前に共通のトリグリセリドとして該アシル残基に直接的に結合した単量体数nのポリオキシエチレン部分であり;
前記構造が、3つの該脂肪酸残基R’における炭素数であるBに対する、1分子あたりの単量体数nと総PEG鎖数3との積によって得られる、該界面活性剤におけるPOE単量体単位の総数であるAの比率によって更に規定され;
該Bに対するAの比率の範囲が0.5ないし3である;
第2の非イオン性界面活性剤と;
からなる群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項29】
請求項28に記載の基剤組成物において、前記CoQ物質がCoQ1、CoQ2、CoQ3、CoQ4、CoQ5、CoQ6、CoQ7、CoQ8、又はCoQ9の群から選択されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項30】
請求項1又は請求項28に記載の基剤組成物において、当該基剤組成物が、当該基剤組成物の経口投与用に、溶解性のカプセル内に含まれることを特徴とする基剤組成物。
【請求項31】
請求項1又は請求項28に記載の基剤組成物において、当該基剤組成物が、飲料又は含嗽剤と混合されることを特徴とする基剤組成物。
【請求項32】
請求項1又は請求項28に記載の基剤組成物において、当該基剤組成物が筋肉内投与可能であることを特徴とする基剤組成物。
【請求項33】
請求項1又は請求項28に記載の基剤組成物において、当該基剤組成物が局所投与可能であることを特徴とする基剤組成物。

【公開番号】特開2013−107889(P2013−107889A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−268842(P2012−268842)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2007−541159(P2007−541159)の分割
【原出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(506275553)バイオアバイラビリティ,インク. (5)
【Fターム(参考)】