栄養補助剤の改変された放出のための方法及び組成物
【課題】1種又は複数の単離、精製された長鎖多糖類並びに抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤の提供。
【解決手段】トラガカントガム、グアルガム等の長鎖多糖類、トコフェロールフラボノール等の抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸等の栄養補助剤を組み合わせた、改変された放出を有する、100psiより大きい圧力で圧縮された栄養補助剤。
【解決手段】トラガカントガム、グアルガム等の長鎖多糖類、トコフェロールフラボノール等の抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸等の栄養補助剤を組み合わせた、改変された放出を有する、100psiより大きい圧力で圧縮された栄養補助剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概括的に栄養補助剤の改変された放出の分野、そしてより具体的には消化中の食品のものにより近く類似する栄養補助を提供する組成物、調合物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景は、その範囲を限定することなく、抗酸化物センサー工学及び検出法に関連して説明される。
【0003】
生体系は、ラジカル及び他の酸化促進物質の効果と闘う抗酸化系を発達させてきた。抗酸化物質は、酸化可能な基質の濃度に比較して低い濃度で存在する時に、酸化可能な基質の酸化を著しく遅らせ又は抑制するあらゆる物質である。多数の生物によりコードされているスーパーオキシド・ジスムターゼ及びカタラーゼのような抗酸化物質である酵素が存在する。ビタミンC及び植物フェノールのような物質は、生体系中に食餌を通して導入される抗酸化物質である。これらの物質の天然に存在するレベルは、体内では適当に生成されず、また通常の食餌においては摂取されないことが提唱されてきた。抗酸化物質は果実及び野菜中に欠乏しており、そして/又は食餌中に存在する果実及び野菜は現代の加工のお陰でそれらの抗酸化物が枯渇しているために、通常の食餌はしばしば、十分な抗酸化物質を提供しない。通常の食餌は改善することができるであろうが、今日の生活様式及び西欧式食品の貧弱な組成が、補助食品摂取を、身体により要求される抗酸化物質を送達するためのもっとも実際的方法にさせる。通常の食餌を補助するためには、補助剤中に包含される成分の抗酸化能を決定することが必要である。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、栄養学的に有効量の、例えば抗酸化物、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物の改変された放出のための組成物、方法及び調合物を包含し、ここで補助剤は長鎖多糖類の存在下で100psiより大きい圧力で圧縮される。同様な条件:カプセル、重量、等を使用し、指標栄養物、例えば抗酸化物を使用すると、本発明は長鎖の多糖類とともに圧縮されると、栄養剤の経時的溶解を許すことが見いだされた。栄養補助計画の一部であることもできる長鎖多糖類の例は、例えば2〜約50,000の糖類モノマーの長さを有するモノマーのサブユニットをもつことができ、約100、500、1000、2000又は10,000psi以上までもの間に圧縮されてもよい。即時に放出される今日使用されている大部分の栄養補助剤と異なり、本発明は1種又は複数の抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物のより自然な放出を許す。本発明は、食料(food stuff)と異なり、科学的であるが、またより自然な両方の方法で、必須栄養素の特定の欠乏を補助するために使用することができる。
【0005】
補助剤はカプセル、植物性カプセル又はハードゼラチンのカプセル内に入れることができる。例えば5,000psiより大きい、より高い圧力で圧縮されると、85%を超える栄養補助剤が約1時間〜約8時間の間に、他の調合物中では85%を超える栄養素補助剤が約2時間〜約6時間の間に放出されることが見いだされた。長鎖の多糖類はガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択されるモノマーを包含することができる。補助剤は約2,000〜10,000、5,000〜10,000又は10,000psiより大きい圧力でローラー圧縮により圧縮することができる。1種又は複数の長鎖多糖類は約0.1〜約75重量パーセントの間の例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物を有することができる。
【0006】
補助剤は例えば、単離、精製されたトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物からの、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロースから選択される1種又は複数の長鎖多糖類を包含することができる。1つの特別な例において、長鎖多糖類及び/又は栄養学的に有効量の1種又は複数の糖類は、それぞれ約1〜約10重量パーセントの間の単離、精製されたガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物を包含する。
【0007】
本発明のもう1つの態様において、放出を改変された食餌補助剤は、単離、精製されたトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択される1種又は複数の単離、精製された長鎖多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を包含し、ここで長鎖多糖類及び栄養補助剤は2,000psiより大きい圧力でローラー圧縮される。
【0008】
本発明のもう1つの放出を改変された食餌補助剤は、栄養学的に有効量の1種又は複数の単離、精製された長鎖多糖類、1種又は複数の親油性抗酸化物及び1種又は複数の疎油性抗酸化物を包含し、ここで補助剤は5,000psiより大きい圧力でローラー圧縮される。
【0009】
本発明はまた、100、500、1,000、2,000、5,000又は10,000psiより大きい圧力で圧縮される、1種又は複数の長鎖多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、ハーブ抽出物、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される栄養学的に有効量の1種又は複数の栄養補助剤を混合することにより放出を改変された食餌補助剤を製剤する方法を包含する。該方法はトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガムガッチ、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物からの栄養学的に有効量の1種又は複数の単離、精製された多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を包含する放出を改変された食餌補助剤を製造するために使用することができ、ここで多糖類及び栄養補助剤は2,000psiより大きい圧力で圧縮される。
【0010】
本発明はまた、総サンプルの酸化レベル及び総サンプルの酸化状態に対する抗酸化物の効果を直接測定する抗酸化物センサー及び方法を包含する。本発明はまた、最適な健康のために有効量の抗酸化物を個体に与えるために有用な組成物及び方法を包含する。本明細書に開示される装置及び方法は、実時間と同時に、そして直接に、サンプルの総合的抗酸化能を検出する。本発明者は、当該技術分野が2種の相互に相反する分類の抗酸化物(親油性及び疎油性)を人工的に創造し、それらを別々に測定してきたことを認識した。更に、当該技術分野はまた、一般にラジカルの存在を間接的に、すなわち検出可能なリポーターの分子を使用して測定してきた。
【0011】
本発明は迅速な、安価なそして直接的な検出システムを使用することにより先行技術の検出器及び方法の限界を克服する。これらの限界に対処するために、本発明者は本明細書に開示される「酸素ラジカル吸光能−酸素(ORAC(o))」装置及び方法を開発した。ORAC(o)装置を使用することにより、本発明者は初めて、同時にそして実時間に、溶解された酸素のレベルに対する親油性及び疎油性抗酸化物双方の効果を測定することができた。ORAC(o)アッセイを使用することにより、発明者はまた、単独であるいは1種又は複数の抗酸化物増強剤と組み合わせて使用することができる、相乗的抗酸化組成物を開発することができた。
【0012】
より具体的には、本発明は、溶媒/水/界面活性剤混合物中のサンプル及び酸素ラジカル感受性分子と流体連絡して溶解された酸素センサーを包含する、親油性及び疎油性抗酸化物双方の抗酸化活性を直接検出するための装置を包含し、ここで酸素ラジカル感受性センサーは溶媒/水/界面活性剤混合物中の親油性及び疎油性抗酸化物双方を同時に検出する。酸素ラジカル感受性分子は、酸素と反応するであろう分子、例えば共役二重結合をもつ分子、あるいは窒素又は硫黄含有化合物であることができる。酸素ラジカル感受性分子の例は、例えばフルオレセイン、β−フィコエリスリン(β−PE)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、リノール酸又はそれらの組み合わせ物である。酸素ラジカルのレベルは溶媒/水/界面活性剤混合物中の溶解された酸素メーター又はセンサーを直接使用して決定される。溶解酸素のレベルは酸素センサー、例えば、電気化学的、化学発光、表面プラズモン共鳴、赤外線、電気容量結合、色素結合光ファイバー又はハイパースペクトル酸素センサーを使用して決定することができる。溶解酸素メーター又はセンサーは高処理分析のために直列に配置してもよく、単一のサンプル検出計であってもよく、そして/又はオフィス又は家庭用使用のためにすら、適応させることができる。溶媒は有機溶媒、例えばアセトンであってもよい。界面活性剤は洗剤、例えばTween−20のような非−イオン性洗剤であってもよい。溶媒/水/界面活性剤混合物中の溶媒は、概括的に溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約10〜90容量パーセント、例えば33%である。溶媒/水/界面活性剤混合物中の水は概括的に溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約10〜90容量パーセント、例えば33〜67%である。溶媒/水/界面活性剤混合物中の界面活性剤(又は洗剤)は溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約0.1〜10容量パーセントであり、水中に溶解して保存してもよい。1つの特定の例において、溶媒/水/界面活性剤の比は約1:1:1である。
【0013】
装置は更に1種又は複数のプロセッサー、例えば、検出器を制御し、データを収集し、データを保存し、データ及び/又は情報のデータベースに基づいて計算を実施し、そして/又はデータ又はデータの要約を表、グラフ、図等の形態に表示することができるコンピューター、を包含することができる。プロセッサー/コンピューターはまた、酸素センサー及び溶媒/水/界面活性剤混合物と流体連絡している流体系に接続されて、制御すらすることができる。本発明は、、知られた標準剤の活性の結果として認められる酸素の相対的消失に対して、抗酸化能について試験されているサンプルの活性からもたらされる酸素の相対的消失を相関させる曲線下面積を測定する。本発明及び本明細書に記載の方法を使用することにより、溶解された酸素のレベルを、親油性及び疎油性抗酸化物双方を包含する溶液中で、同時に、直接、測定する。AUCを計算するための式の1例は:
【0014】
【数1】
【0015】
[式中、AUCSMPはサンプルの曲線下面積値であり、
AUCBLNKはブランクの曲線下面積値であり、
AUCTRLXはTrolox(R)に対する曲線下面積値であり、そして
SMPはサンプルである]
であることができる。
【0016】
本発明はまた、1種又は複数の抗酸化物及び酸素ラジカルの標的の存在下で溶媒/水/界面活性剤混合物中に溶解された試験溶液中の溶解された酸素レベルを決定する段階を包含する、抗酸化活性を直接決定する方法を包含し、ここで水溶性及び脂溶性双方の抗酸化活性が酸素検出器で測定される。溶解された酸素ラジカルレベルは酸素検出器、例えば、電気化学的、化学発光的、表面プラズモン共鳴、電気容量結合、色素結合光ファイバー又はハイパースペクトル酸素センサーを使用して決定することができる。抗酸化活性は摂氏約37度で測定することができる。ラジカル開始剤の例は、例えば2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)[2−(N−ステアリル)アミジノプロパン]2塩酸(SA−1)、2,2’−アゾ(2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン)−[2−[2−(4−n−オクチル)イミダゾリン−2−イル]−プロパン]2塩酸(C−8)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)、それらの塩、混合物又は同等物を包含する。検出器は使い捨て物ですらあってもよい。
【0017】
本発明はまた、あらゆる単離、精製された疎油性抗酸化物及びあらゆる単離、精製された親油性抗酸化物を包含する食餌補助剤を包含し、ここで合わせた疎油性及び親油性抗酸化物は6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより大きい溶解酸素値を有する。当業者は、その値をまた、液体の当量として、例えば、6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/ミリリッターとして表わすことができることを認めるであろう。疎油性及び親油性抗酸化物は徐放性であり、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物から選択される1種又は複数のビタミンEを包含することができる。親油性抗酸化物の例はクエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物を包含する。
【0018】
あらゆる単離、精製された疎油性抗酸化物及びあらゆる単離、精製された親油性抗酸化物を包含する食餌補助剤はまた、2種以上の必須糖類、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及び/又はキシロースを包含することができる。1つの態様において、補助剤はまた、ビタミンC源、例えば、オーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルジナンジアナ(Terminalia ferdinandiana))のような高レベルの天然の生体利用性ビタミンCを含む植物源を包含する。もう1つの特別の態様において、ビタミンCは、農場で育成されるブッシュプラムより高率のビタミンCを含む野生のオーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルジナンジアナ(Terminalia ferdinandiana))のようなビタミンCの植物源からの抗酸化活性の増強剤である。補助剤はまた、1種又は複数のプロバイオチック、例えば、乳酸桿菌及びビフィズス菌を包含することができる。補助剤は圧縮されて、全般に酸素不透過性表面、例えば、ローラー圧縮粒子、カプセル、錠剤、ミニタブ、カプレット、発泡錠又はそれらの組み合わせ物を提供することができる。
【0019】
ORAC(o)の装置及び前記の方法との比較のポイントとして、単離,精製された親油性及び疎油性抗酸化物は7000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより大きい抗酸化ORAC(fl−lipo)値を有するであろう。本発明は、それらの食餌中に本発明の抗酸化物を包含した抗酸化物/糖類栄養剤ブレンドを摂取している各個体における抗酸化レベルの変化を測定するための一般標識研究(open label study)において使用された。疎油性及び親油性抗酸化物は患者に提供されると、ORAC(β−PE)により測定される、累積的患者集団の平均基底抗酸化物レベルから、13%を超えた平均増加をもたらした。本発明はまた、多数の組成物を包含する。本明細書に開示される組成物は、近年、利用可能な食餌補助剤が、個々の成分から期待される活性より高い、測定可能な活性をもつ親油性及び疎油性抗酸化物を合わせることに失敗している事実の認識に基づく。本発明の装置及び方法を使用することにより、本発明者は親油性及び疎油性抗酸化物の相乗的組み合わせ物を開発することのみならずまた、抗酸化活性の増強剤をも添加することができた。
【0020】
クエルセチンのようなフラボノイドは近年、遺伝子の抗酸化物応答要素により、グルタチオン合成における速度限定酵素の重要なサブユニット、ガンマ−グルタミルシステイン合成酵素の転写を増加することが示された。次に、増加された転写は組織培養細胞中の還元された(活性)グルタチオンの増加した細胞内レベルに表わされる。クエルセチンは赤ワイン、ブドウの皮及びタマネギの主要成分である。赤ワイン、ブドウの皮及びタマネギからのクエルセチンの研究により、健康に対して有益な効果が示唆される。クエルセチンはヒトにより十分に吸収されることが示されている。1つの研究により、食後2時間で、摂取されたすべてのクエルセチンが代謝されたことが示された(European Research on Functional Effects of Dietary Antioxidants, September 25−28,2002,Cambridge,UK参照)。中程度の量の赤ワインを摂取している被験者において実質的に減少したLDL酸化を見いだしたので、研究者は、防護効果がクエルセチン及びその代謝物の活性に起因する可能性が非常に大きいと主張した。クエルセチンはまた、赤血球の安定性を高めることが示されている。
【0021】
本発明者は、酸化ストレスに影響を与える多数のそして広範な因子のために、抗酸化物補助剤投与は個体の需要及び化学に対して合わせる必要があるであろうことを認識した。更に、個体の異なる需要を充たすためには、トコフェロールの組み合わせ物が必要であることが認められた。いくつかの抗酸化物は身体により「選択される」ので、トコフェロールの組み合わせ物が必要である。例えば、北米の食餌中のビタミンEの主要形態は、植物油並びに大豆及びトウモロコシから誘導される製品中に一般に認められるガンマ−トコフェロールである。しかし、身体は主としてアルファ−トコフェロールを保持する。アルファ−トコフェロール移動タンパク質に基づく特別の方法が、身体中のアルファ−トコフェロールの濃度を制御することが見いだされた。先行技術における抗酸化組成物と異なり、本発明は多数の形態のビタミンEを身体に供給するために混合トコフェロールを使用して、各形態の最適量の選択、保持及び使用を許す。更に、クエルセチン及び混合トコフェロールの相乗的組み合わせ物は、個体の需要に基づいて異なる可能性がある、広範な抗酸化栄養物の最適な選択を身体に提供する。
【0022】
本発明者はこれらの抗酸化物の活性を増加する補助になる化合物を添加することにより、相乗的クエルセチン及び混合トコフェロール組み合わせ物の活性を更に最大にすることを追求した。1つのこのような増強剤はビタミンCである。ビタミンCはそれに起因する著しい抗酸化活性並びに幾つかの非抗酸化性栄養機能を有する。多数の人々が、酸化促進性を特に遷移金属の存在下でビタミンCによるものとする。ビタミンCの酸化促進性は全く破壊性ではない。しかし、他の研究者は、非結合金属の存在下ですら、ビタミンCが抗酸化物として働くことを見いだしたと主張している。抗酸化活性の他の増強剤は、ブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物のような天然の抽出物を包含する。1つの研究において、緑茶はインビトロで強力な抗突然変異活性を示し、ラット結腸の発癌物質誘導の前癌病巣の発生を抑制した。緑茶はまた、腸のポリープの形成を有意に抑制した。従って、本発明者は、クエルセチン及び混合トコフェロールのような天然源からの精製、単離された抗酸化物の相乗的組み合わせ物を合わせたのみならずまた、これらの物質の検出可能な抗酸化活性を増強する増強剤を添加した。
【0023】
更に特には、食餌補助剤の組成物は、栄養学的に有効量の2種以上の必須糖類、単離、精製された疎油性酸素ラジカル失活剤並びに単離、精製された親油性酸素ラジカル失活剤を包含し、ここで合わせた疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより高い酸素ラジカル失活値を有する。1つのアッセイにおいて、疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は患者に投与されると、ORAC(fl−lipo)により測定されて、患者集団の基底抗酸化レベルから13%を超える平均増加をもたらす。疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は持続放出用にパッケージされ、そして1種又は複数の以下のビタミンE分子:アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物を包含することができる。親油性酸素ラジカル失活剤は1種又は複数の以下の物質:フラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物を包含することができる。補助剤は更に、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロース、それらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される2種以上の糖類を包含することができる。
【0024】
本発明の特徴物及び利点のより完全な理解のために、次に、付記の図面とともに本発明の詳細な説明を参照される。
【0025】
発明の詳細な説明
本発明の種々の態様の製造及び使用は以下に詳細に考察されるが、本発明は広範な特定の背景において具体化することができる多数の適用可能な発明の構想を提供することが認識されなければならない。本明細書で考察される特別の態様は本発明を調製し、使用するための特定の方法を単に示すもので、発明の範囲を限定するものではない。
【0026】
本発明の理解を容易にするために、幾つかの用語が以下に定義される。本明細書で定義される用語は本発明に関連する分野における当業者により、一般に理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」のような用語は単数の物質を表わすことを意図されるのみならず、その特定の例を具体化のために使用することができる一般的クラスを包含する。本明細書の用語は本発明の特定の態様を説明するために使用されるが、それらの使用は請求項中に概説されるものを除き、本発明を限定するものではない。
【0027】
本発明は一部は、当該技術分野が2種の相互に相いれない範疇の抗酸化物を創造し、それらを別々に測定してきた事実の認識に基づく。更に、当該技術分野はまた、概括的に、ラジカルの存在を間接的に、すなわちリポーター分子を使用して測定してきた。本発明はサンプルの総合的抗酸化能を同時に検出するのみならずまた、直接的に検出する装置及び方法を提供する。
【0028】
本明細書で使用される用語「必須糖類」は、細胞の糖タンパク質のオリゴ糖鎖中に一般的に見いだされ、そして食餌により又は人体中の生化学的製造によっては容易には利用可能にできない単糖類を規定するために使用される[例えば、Harper’s Biochemistry(Murray et al.,1996)(リスト番号8)及びPrinciples of Biochemistry,Vol II(Zubay,et al.,1995)(リスト番号11)参照]。200種以上の単糖類が自然界に発見されているが、これら11種:ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、イズロン酸、アラビノース及びグルクロン酸、が哺乳動物の良好な健康を維持するために重要であると考えられる。これらの炭水化物の構造は周知である[例えば、Stryer’s Biochemistry(Stryer,1995)及びthe Merck Index,12th Edition,1996参照]。
【0029】
本明細書で使用される用語「長鎖糖類」及び「長鎖多糖類」は、鎖内水素結合可能な2種以上の糖類を有する糖類の鎖を表わすために使用される。例えば、米国特許第4,735,935号明細書中の、引用により本明細書中に取り込まれた関連部分は、沈殿、凍結乾燥された長鎖多糖類が2〜約50,000のモノマー/鎖1本を有する、アロエ・ベラからの長鎖多糖類の単離法を教示している。長鎖多糖類は、本明細書で教示され、開示されたように種々の植物及び動物原料から単離することができる。本発明の長鎖多糖類を単離し、精製し、そして特定の鎖長又はそれらの組み合わせ物をすら単離することは、例えば、長鎖多糖類を加水分解し、長鎖多糖類の特定の長さのバルク単離、より長い長鎖多糖類のポリマー化、より短い及びより長い長鎖多糖類の組み合わせ物の選択、例えば、電気穿孔法、FPLC、HPLC、サイズ排除、サイズ排除クロマトグラフィー、沈殿等による長鎖多糖類の分離、により得ることができる。
【0030】
本明細書で使用される用語「改変された放出」は本明細書では、本発明の調合物を使用して、約60分間〜約2、4、6、8又はそれ以上の時間の間であると本明細書で定義される長期間にわたり、栄養学的に有効量の栄養物の送達を実施するための放出プロファイルを表わすために使用される。改変された放出はまた、約60分間〜約2、4、6、又は8時間後までもの栄養物の80〜90パーセント(%)を超える放出として機能的に定義することができる。改変された放出はまた、幾つかの活性物質は動物により絶対吸収されることはできないので、摂取法に関係なく、患者又は被験体に栄養物を利用可能にさせることにより評価することができる。コーティング材及び/又はコーティングの厚さの選択により、小腸及び大腸双方に、小腸のみに、又は大腸のみに送達を達成するために、本明細書に開示されたように、種々の改変された放出投与剤形が当業者により容易にデザインされることができる。長鎖多糖類に実施することができる改変の例は、例えば、長鎖多糖類中の糖類の種類又は組成を変更すること、糖類の側鎖を化学的に(有機的又は化学的に)改変すること(例えば、アセチル化)、長鎖多糖類を加水分解すること、長鎖多糖類を分粒すること、より長い長鎖多糖類をポリマー化すること、より短い及びより長い長鎖多糖類の組み合わせ物を選択すること、長鎖多糖類を例えば、電気穿孔法、FPLC、HPLC、サイズ除去、サイズ除去クロマトグラフィー、沈殿等により分離すること、を包含する。持続性放出調合物は、改変された放出の変更が存在しない場合にはそこまで達成されなかったであろう、より遠位の、より下部の腸管中のいずれかの一般に予測可能な部位で、放出が達成されるように調製され、送達されることができる。
【0031】
本発明は単独で、あるいは栄養物の放出を遅らせるための、1種又は複数の方法、技術、機械的、化学的及び他の改変、カプセル封入、パッキング等、例えば、カプセル、ゲルカプ又はコーティングすらと組み合わせて、使用することができる。カプセルの例は動物、野菜、ポリマー、それらの混合物及び組み合わせ物を包含する。コーティング(種類、厚さ、等)は、一部又は全体のコーティングが、約5未満のpHの胃液中に溶解しないが、pH約5以上で溶解するような十分な厚さに適用することができる。
【0032】
本明細書で使用される用語「栄養学的に有効量」は、哺乳動物に有益な栄養学的効果又は反応を与えるであろう量を規定するために使用される。例えば、ビタミン−及びミネラル−含有食餌補助剤に対する栄養学的応答は哺乳動物により異なるので、栄養学的に有効量のビタミン及びミネラルはそれぞれ異なるであろうことを理解しなければならない。同様に、必須アミノ酸、ビタミン−C、鉄、ヨウ素、ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂質等の欠乏は、生理学的及び細胞機能に影響を与えることが知られている。本明細書に開示された栄養学的有効量の抗酸化物及び糖類は、これらの栄養補助剤のためのそれらの食餌を維持又は増強することを追求する、例えばヒトの食餌中の、これらの重要な栄養物のレベルを維持しそして/又は高める働きをする。従って、ある哺乳動物は一定の量で存在するビタミン及びミネラルの特定のプロファイルを必要とするかも知れないが、もう1種の哺乳動物は、異なる規定量で存在するビタミン及びミネラルの同様な特定のプロファイルを必要とするかも知れない。
【0033】
本明細書で使用される「抗酸化物」は酸化可能な標的分子の酸化を遅らせる又は抑制するいずれかの分子を意味する。抗酸化物は:生物学的に重要な反応性フリーラジカル又は他の反応性酸素物質(例えば、O2−、H2O2、HOCl、フェリル、ペルオキシル、ペルオキシナイトライト及びアルコキシル)を取り除く、酸素ラジカルの形成を抑制する、あるいはフリーラジカル又は他の反応性酸素物質を反応性の低い物質に触媒により転化させる、ことにより作用する。抗酸化物は概括的に2クラス:(1)脂質(親油性又は疎水性)抗酸化物、及び(2)水性(疎油性又は親水性)抗酸化物、に分類される。脂質の抗酸化物の例は、それらに限定はされないが、コア脂質コンパートメント中に位置するカロテノイド(例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リコペン、α−カロテン及びβ−カロテン)並びに脂質コンパートメントの界面に位置するトコフェロール(例えば、ビタミンE、α−トコフェロール、γ−トコフェロール及びδ−トコフェロール)並びにレチノイド(例えばビタミンA、レチノール及びパルミチン酸レチニル)並びに脂溶性ポリフェノール、例えばクエルセチンを包含する。水性抗酸化物の例はそれらに限定はされないが、アスコルビン酸及びその酸化形態の「デヒドロアスコルビン酸」、尿酸及びその酸化形態「アラントイン」、ビリルビン、アルブミン及びビタミンC及び、リン脂質膜に高い親和性をもつ、カテキンのような水溶性ポリフェノール、イソフラボン並びにプロシアニジンを包含する。
【0034】
酸素ラジカルの相対的レベル及び抗酸化能を検出する一般に使用される方法は「酸素ラジカル吸光能(ORAC)アッセイ」である。知られたORAC−タイプのアッセイにおいては、抗酸化値は特定の酸素ラジカルによる酸化に対して良好な標的であるか又はそうでないかにかかわらず、例えば、蛍光又は他の検出可能な分子上の酸素ラジカルの効果を測定することにより間接的に測定される。一般に、抗酸化物で未処理のサンプル(すなわち対照サンプル)と比較して、抗酸化物が試験サンプルに添加されると、スーパーオキシドのようなフリーラジカル又は、過酸化水素のような非ラジカルの反応性酸素物質の量の検出可能な減少がサンプル中で認められる。しかし、これらの間接的な方法は、仲介物に対するラジカルの効果が酸化物質及び抗酸化物質の相対的レベルの真の反映物であるとの推定により、測定される仲介物(例えば、フルオレセイン、β−フィトエリスリン(β−PE)等)を介して抗酸化状態の変化をモニターする。これらのアッセイのための対照は、サンプルの標準物として測定され、使用される知られた濃度の酸素ラジカル発生剤及び知られた抗酸化物質である。
【0035】
本明細書で使用される用語「フリーラジカル」は、少なくとも1個の対をもたない電子を含有する分子を表わす。大部分の分子は偶数の電子を含有し、それらの共有結合は通常、共有された電子対を包含する。このような結合の分裂が、それぞれ対をもたない電子(あらゆる対をもつ電子に加えて)を伴う2個の別々のフリーラジカルを生成する。フリーラジカルは電気的に帯電しているか又は中性であり、著しく反応性であことができ、そして通常寿命が短い。フリーラジカルは相互に又は対をもたない電子をもつ原子と結合する。正常な分子と反応すると、フリーラジカルはそれら自身の電子構造を完成しようとして、新規のラジカルを生成し、それが他の分子と反応し続け、連鎖反応を生成する。フリーラジカルの連鎖反応は高温における物質の分解及び重合化において特に重要である。身体においては、酸化されたフリーラジカルは損傷組織の原因である。熱、紫外線及びイオン化光線はすべてフリーラジカルを生成する。フリーラジカルは酸化的代謝の二次効果として生成される。過剰なフリーラジカルはスーパーオキシド・ジスムターゼ、カタラーゼ及びペルオキシダーゼのような天然の防御酵素を制圧することができる。過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(HO.)、一重項酸素(1O2)、スーパーオキシド・アニオンラジカル(O・2−.)、一酸化窒素ラジカル(NO・)、ペルオキシルラジカル(ROO・)、ペルオキシナイトライト(ONOO−)のようなフリーラジカルは脂質又は水コンパートメントのいずれかに存在することができる。抗酸化性栄養素(例えば、ビタミンC及びE、セレン、ポリフェノール)はこれらの効果を減少させることができる。
【0036】
本明細書で使用される慣用句「脂質コンパートメント」は環式又は非環式長鎖脂肪族炭化水素を有する化合物並びに脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール及びアルデヒドのようなそれらの誘導体を表わす。例えば、一般的脂質は脂肪酸、脂肪、リン脂質、ステロイド、エイコサノイド、ワックス及び脂溶性ビタミンを包含する。幾つかの脂質は概括的に2群、単純な脂質及び複合脂質、例えば、トリグリセリド又は脂肪及び油、グリセロールの脂肪酸エステル、ワックス、長鎖アルコールの脂肪酸エステル並びに、コレステロール及びエルゴステロールのようなステロイド、に分類することができる。複合脂質は例えば、ホスファチド又はリン脂質(リン含有脂質)、糖脂質(炭水化物含有脂質)、及びスフィンゴ脂質(スフィンゴシン含有脂質)を包含する。
【0037】
本明細書で使用される用語「脂質」は脂肪又は脂肪様物質を包含する。該用語はタンパク質又は炭水化物のような化学名よりむしろ説明的である。脂質は真の脂肪(すなわち脂肪酸とグリセロールのエステル)、リポイド(すなわち、リン脂質、セレブロシド、ワックス)及びステロール(すなわちコレステロール、エルゴストロール)を包含する。脂質は自動酸化のような機序による酸化の標的であることができる。本明細書で使用される用語「脂肪酸」は、例えば陰性に帯電した概括的に線状の炭化水素鎖の群を表わす。脂肪酸の炭化水素鎖は長さ及び酸化状態が異なる。概括的に、脂肪酸は陰性に帯電した部分(例えば、カルボキシル端における)及び、脂肪酸の水溶性及び両親媒性を決定する「テール」部分を有する。例えば、脂肪酸は細胞の内部にエネルギーを貯蔵するために使用される又は血流中の脂肪を輸送するための脂肪として、生体膜を包含するリン脂質の成分である。本明細書で使用される用語「リン脂質」は、以下の副グループ:脂肪酸、アルコール及び窒素含有塩基、の少なくとも1種を包含するリン酸のエステルのいずれかのクラスを表わす。
【0038】
本明細書で使用される用語「1種又は複数の脂肪」は脂肪酸のグリセリルエステルのいずれか、例えば、脂肪酸のモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロール形態を表わす。トリグリセリドは中性に帯電し、完全に疎水性の分子、すなわち還元された分子を表わす。モノアシルグリセリド及びジアシルグリセリドはリン脂質の合成における代謝中間体であるが、他方、トリグリセリドは水を含有しない圧縮された状態に化学エネルギーを貯蔵するために使用される脂肪分子を形成する。本明細書で使用される用語「脂溶性ビタミン」は、例えば一般的な脂溶性ビタミンを表わし、ビタミン(A)(レチノール)、ビタミンD(例えば、ビタミンD3(コレカルシフェロール))、ビタミンE、ビタミンK等を包含する。
【0039】
本明細書で使用される慣用句「脂質の抗酸化活性」又は「脂質抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの脂質コンパートメントから生ずる抗酸化能の量(measurement)を表わす。本明細書で使用される慣用句「水性抗酸化活性」又は「水性抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの水性コンパートメントから生ずる抗酸化能の量(measurement)を表わす。本明細書で使用される慣用句「総合的抗酸化活性」又は「総合的抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの脂質及び水性部分双方から生ずる抗酸化能の量を表わす。
【0040】
本明細書で使用される慣用句「水性コンパートメント」は脂質コンパートメントと相互反応しない流体サンプルの部分を表わす。水性コンパートメントは血液、血漿、血清、便、脳脊髄液、羊膜液、腸液、リンパ液及び滑液のような生体液サンプルを包含する。例えば、血清のような流体サンプルの水性コンパートメントは、血液を凝固させ、遠心分離して血液細胞及び凝固要素を除去後に残留する液体部分のみならずまた、タンパク質(例えば、アルブミン及びグロブリン)、抗体、酵素、少量の栄養有機物質(アミノ酸及びグルコースのような)、無機物質(ナトリウム、塩化物、硫酸化物、リン酸塩、カルシウム、カリウム、重炭酸塩、マグネシウム、ヨウ素、亜鉛及び鉄のような)、少量の老廃物(尿素、尿酸、キサンチン、クレアチニン、クレアチン、胆汁色素及びアンモニアのような)及び痕跡量のガス(酸素及び二酸化炭素のような)のような他の化合物もまた包含する可能性がある。流体サンプルはまた、非生体サンプル、例えば、化学調合物、合成組成物又は食品及び化粧品である可能性もある。
【0041】
本明細書で使用される用語「サンプル」は、そこでフリーラジカルを、フリーラジカル生成剤(例えば、親油性フリーラジカル生成剤又は親水性フリーラジカル生成剤)を使用して生成することができ、そして本発明の(ORAC(o))検出器及び方法を使用して検出することができる液体又は流体の生体サンプルあるいは固体の生体サンプルを表わす。生体サンプルは例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、羊膜液、間隙液及び滑液を包含する。固体の生体サンプルは例えば、組織、細胞、組織培養物、固定細胞、細胞上澄みあるいは組織又は細胞物質の一部(又は抽出物)までをも包含する。用語のサンプルはまた、化学溶液、合成組成物及び食品のような非生体サンプルをも包含する。本明細書で使用される用語「相対的ORAC(o)」及び「ORAC(o)」は1グラム又は1ミリリッター当たりのTrolox(R)のミクロ−モルに対する当量により測定される同等な値を表わす。マイナス値のORAC(o)は、組成物が酸化促進剤、すなわち抗酸化物として働くよりむしろ酸化を促進する物質であることを示す、ブランクで得られるものより低いラジカル失活作用を表わす。
【0042】
本明細書で使用される慣用句「ラジカル生成剤」又は「ラジカル開始剤」は互換性に使用され、フリーラジカルを生成する物質、化合物又は分子を表わす。ラジカル生成剤は、測定されたレベルで、例えば、抗酸化物又は酸化可能なインジケーターがフリーラジカルと相互反応して、測定可能な又は検出可能な出力をもたらすことができるレベルで、フリーラジカルを生成することができる。ラジカル生成剤の例は、知られた一定速度でフリーラジカルの束を生成する化合物である、例えばアゾラジカル生成剤を包含する。アゾラジカル生成剤の例は、例えば2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、鉄、アスコルビン酸及び金属イオンを包含する。
【0043】
本明細書で使用される「被験体」はあらゆる生存生物を表わす。用語の被験体は、例えば魚、哺乳動物、爬虫類、鳥類、昆虫等を包含する。特別な例はヒト、ヒト以外の霊長類(例えば、ジンパンジー及び他の類人猿及び猿類)、農場動物(牛、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマ)、家畜の哺乳動物(例えば、イヌ及びネコ)、実験室動物(マウス、ラット及びモルモット等のような齧歯動物を含む)を包含する。該用語は特定の年齢又は性別を意味しない。従って、雄雌に拘わらず、成長した、及び新生児の被験体、並びに胎児を網羅することが意図される。
【0044】
本明細書で使用される慣用句「フリーラジカル関連障害」はフリーラジカルの産生又はそれに対する暴露からの病理学的状態を表わす。本明細書で使用される用語「フリーラジカル関連障害」はフリーラジカルからの損傷が疾病状態の病原に寄与する、又はフリーラジカルインヒビター(例えば、デスフェリオキサミン)、スカベンジャー(例えば、トコフェロール、グルタチオン)又は触媒(例えば、SOD、カタラーゼ)の投与が、症状を減少させ、生存率を高めあるいは病理学的状態を防御し、又は予防する際のその他の検出可能な臨床的効果をもたらすことにより、顕著な利益をもたらすことが示される病理学的状態を包含する。フリーラジカル障害の例はそれらに限定はされないが、虚血性再潅流傷害、炎症性疾患、全身性紅斑性狼蒼、心筋梗塞、心臓発作、外傷性出血、脊髄外傷、クローン病、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、糖尿病)、白内障形成、老化関連黄斑変性症、アルツハイマー病、ブドウ膜炎、気腫、胃潰瘍、酸素中毒、腫瘍形成、望ましくない細胞アポトーシス及び放射線障害を包含する。
【0045】
本明細書で使用される用語「酸化的ストレス」は、被験体における酸素のフリーラジカルによりもたらされる損傷のレベルを表わす。損傷のレベルは、反応性酸素物質が形成され、次に抗酸化物により不活性化される速度並びに部位及び修復の速度による。酸化的状態及び酸化的ストレスに関連して、本明細書で使用される用語「片寄り」又は「片寄る」は互換性に使用され、サンプルの抗酸化活性の変化を表わす。酸化的状態の変化は、知られた正常値からの抗酸化活性の増加、減少、上昇又は低下であることができる。例えば、サンプルの脂質コンパートメント、サンプルの水性コンパートメント又はサンプルの脂質及び水性双方のコンパートメント中の抗酸化活性の増加又は減少である。
【0046】
本明細書で使用される用語、栄養剤の「製薬学的に許容できる塩」は、健常な医学的判断の範囲内で、不都合な毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに、ヒト及び下級動物の組織中に、その上に又はそれと一緒の使用に適し、そして適度な利益/危険比率により均衡の採れた塩を表わすために使用される。製薬学的に許容できる塩は当該技術分野で周知である(例えば、関連部分が引用により本明細書に取り込まれた、S.M.Berge,et al.,J.Pharmaceutical Sciences,1977参照)。適当な塩は本発明の化合物の最終単離及び精製期間中に又は別に、適当な有機酸と遊離塩基官能基を反応させることにより調製することができる。代表的な酸付加塩は、限定はされないが、アセテート、アヂペート、アルギネート、サイトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、バイスルフェート、ブチレート、カンホレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート(イソチオネート)、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルミトエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タルトレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカルボネート、p−トルエンスルホネート及びウンデカノエートを包含する。第四級化剤として使用される塩基性窒素含有基の例は、低級アルキルハロゲン化物(メチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨージド)、ジアルキルスルフェート(ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨージド)、アリールアルキルハロゲン化物(ベンジル及びフェネチルブロミド)等を包含する。製薬学的に許容できる酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸)及びリン酸及び有機酸(例えば、蓚酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸)を包含する。塩基性付加塩もまた、製薬学的に許容できる金属カチオンの適当な塩基(例えば、ヒドロキシド、カーボネート又はビカーボネート)との、あるいはアンモニア又は有機第一級、第二級又は第三級アミンとの、本明細書に開示された抗酸化化合物の最終的単離及び精製期間中にインサイチューで調製することができる。製薬学的に許容できる塩は限定はされないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属基剤のカチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩等)並びに無毒の第四級アンモニア及びアミンカチオン(なかでもアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びエチルアンモニウムを包含する)を包含する。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン等を包含する。
【0047】
本明細書で使用される用語「増強する」は本発明の疎油性及び/又は親油性抗酸化物の活性を増強する又は高めるために直接に又は間接的に作用する1種又は複数の物質を表わす。1つのこのような増強剤は、抗酸化物を再活性化又は再利用するように作用することができ、それ自体重要な抗酸化活性を有することができるビタミンCである。ビタミンCの酸化促進性は遷移金属の存在下で認められてきた。抗酸化作用の他の増強剤はブドウの種抽出物及び緑茶抽出物のような天然抽出物を包含する。1つの研究において、緑茶はインビトロで強力な抗突然変異原性作用を示し、動物モデルにおいて、発癌物質誘発の前癌病巣の発生を抑制した。従って、増強剤はクエルセチン及び混合トコフェロールのような天然源から精製、単離された抗酸化物を増強し、又はそれと相乗作用をもつことすら可能性がある。
【0048】
本明細書で使用される用語「糖栄養性」又は「糖栄養剤」は、自然状態で合成され、そして腸の細胞液中で遊離しており、細胞から細胞の連絡において活性であり(すなわち、サイトカイン、成長因子、等)、又は細胞膜の著しく特異的な分子活性の焦点を含んでなる分子構造(すなわち、受容体部位、イオン−輸送チャンネル、抗原認識、等)を形成することができる、種々のクラスの連絡及び信号分子の生化学的合成に必要な、複合炭水化物又は糖類又は単糖を表わす。
【0049】
本明細書で使用される用語「植物栄養の」又は「植物栄養物」は、植物の細胞を防護するために生成される、植物中にのみ認められる、天然合成分子を表わす。植物栄養物は主として抗酸化性、フリーラジカルスカベンジャー及び生命維持に必要な微細栄養素活性を有する。食餌補助剤投与により供給されるこれらの分子は、成熟植物組織中に認められ、種子の皮及び種子の周囲の果肉組織中にもっとも濃厚である。哺乳動物組織においてはこれらの分子は食餌中で供給されると、細胞の微細環境における生化学、免疫学及び生理学を最適化するのに活性である。
【0050】
本明細書で使用される用語「植物抽出物」及び「ハーブ抽出物」は互換性に使用されて、植物組織中で生産され、水、極性又は石油溶媒により抽出されることができ、そしてある程度の有益な健康又は治療的作用をもつ植物化学薬品を表わす。大部分のハーブ物質は、特に濃縮されると毒性である可能性があるが、「疾患の処置及び健康の促進のための民間療法」として茶及び湿布中にそれらのより伝統的な方法で使用される時には一般に安全である。本明細書で使用される用語「ハーブの身体強壮剤(body−toning agent)」は、皺、皮膚の垂れ、色素沈着昂進を有効に低下又は排除する皮膚の張り及び弾性の回復並びに失われた美容的外観のその他の望ましくない要素の回復により証明される老化又は日焼け損傷により誘起される弾性組織及びコラーゲン繊維の損傷を減少及び回復することが本発明者により認められた物質を表わす。
【0051】
本発明の食餌補助剤中に包含される炭水化物は潅木、樹木、植物、酵母菌、真菌、カビ、ゴム、樹脂、デンプン及びセルロース誘導体及び天然ムチン源、のような広範な天然の及び合成原料から入手可能である。特に、いくつかの天然原料は(a)アカシア、カラヤ、トラガカント又はガッチを含有する潅木又は樹木の滲出物、(b)寒天、アルギン又はカラギーナンを包含する海洋性ガム、(c)グア、イナゴマメ又はオオバコを包含する種子ガム、(d)ペクチン又はアセチル化ポリマンノースを含有する植物抽出物、(e)デンプン及びセルロース誘導体(ヘタスターチ、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、酸化セルロースのような)並びにデキストラン、キサンタンを含有する微生物ガム、を包含する。しかし、本発明の組成物はそれぞれの炭水化物が得られる原料により限定されることは意図されない。
【0052】
本発明の糖類は単糖、オリゴ糖及び/又は多糖類として天然に見出すことができる。従って、本発明の組成物はそれらのモノマー、オリゴマー及び/又はポリマー形態の糖類を含有することができる。糖類の知られた天然の原料及びそれらの使用のリストについては、関連部分が引用により本明細書に取り入れられている、米国特許出願第2003072770号明細書を参照されたい。
【0053】
本明細書で使用される用語「炭水化物」は、それらの定義は炭水化物化学の当業者に周知の用語「糖類」、「多糖類」、「オリゴ糖類」及び「砂糖」と互換性に使用される。本発明の組成物は少なくとも2種以上の必須糖類を包含することが意図されるが、糖類は単糖、オリゴ糖及び/又は多糖類の形態にあることができる、例えば、トラガカントガム及びグアルガムを含有する組成物はガラクツロン酸、シアリン酸、マンノース及びガラクトースを含有するものと考えられるであろうことに注意しなければならない。従って、与えられる食餌補助剤中の特定のガムの量を制御することにより、食餌補助剤中のそれぞれの糖類の量を制御することができる。
【0054】
本明細書で使用される用語「少なくとも2種の形態のビタミンEの混合物」は、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロールから選択されるトコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノールの少なくとも2種の形態の混合物及びそれらの組み合わせ物又は誘導体を表わすために使用される。1つの態様において、「少なくとも2種の形態ビタミンEの混合物」はアルファ、ベータ、デルタ及びガンマトコフェロールから選択されるトコフェロールの少なくとも2種の形態の混合物である。もう1つの態様において、「ビタミンEの少なくとも2種の形態の混合物」はアルファ、ベータ、デルタ及びガンマトコフェロールの混合物である。「ビタミンEの少なくとも2種の形態の混合物」は例えば、VITAECAPS,SA,Spain、Henkel Corporation、又はCognis Corporation(Kankakee,IL)から入手できる。COVITOL(R)F−350MはCognisから市販されており、食用植物油から得られる混合トコフェロールを含む天然原料のアルファ−トコフェロールを含有する。本発明の抗酸化組成物中に包含されるトコフェロールの特定の混合物は、ORAC(o)抗酸化測定を実施することにより決定される。
【0055】
トコフェロールの塩又は誘導体は、アセテート、スルフェート、スクシネート、ニコチネート、アロファネート、ホスフェート、キノン又はハロゲン化誘導体のような製薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、等を包含する。本発明は、誘導体がビタミンEの抗酸化活性を維持すると仮定すると、6−クロマノール環及び/又は側鎖に置換、添加及び他の変更を実施されたビタミンE誘導体の使用を包含する。例えば、トコフェロール及びそれらの誘導体は、環及び側鎖上の、アルキル基、二重結合及び他の置換基及び変化物の数及び位置により変更することができる。「アルキル」はメチル、ブチル及びオクチルのような、炭素及び水素のみを含有する環状、分枝又は直鎖の化学基である。アルキル基は未置換でも、あるいは1個又は複数の置換基、例えばハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ又はベンジルのいずれかで置換されていてよい。アルキル基は飽和されていもあるいは1カ所又は数箇所において不飽和でもよい。典型的には、アルキル基は1〜8個の炭素、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含んでなるであろう。更なるトコフェロールは、環構造あるいは、酸素、窒素、硫黄及び/又はリンを含有するような種々の他の部分の側鎖、に対する共役により構成することができる。トコフェロール誘導体はまた、アルファ−、ベータ−、デルタ−及びガンマ−トコフェロールのような原型的トコフェロール中に認められるものから、側鎖の長さを改変することにより調製することができる。トコフェロールはまた、環構造物及び側鎖における立体化学及び結合の飽和度を変えることができる。
【0056】
プロドラッグを包含する更なるトコフェロール誘導体は、側鎖又は環構造物に対する糖又は他の部分の共役により調製することができる。混合トコフェロールは、限定されずに、単一のトコフェロールの立体異性体の混合物(例えば、アルファ−トコフェロールの+及び−立体異性体;(+/−)はラセミ混合物を示す)又は構造的に異なるトコフェロールの混合物(例えば、アルファ−プラスガンマ−トコフェロール)を包含する。
【0057】
本発明は上記に引用された11種の必須糖類を包含するが、他の糖類、栄養化合物又は生物学的に活性な又は不活性な化合物を本発明の食餌補助剤中に包含してもよいことに注意しなければならない。このような他の栄養化合物はいずれかの1種又は複数の植物栄養物、ジオスコレア(dioscorea)複合物、植物抽出物、ハーブ抽出物、植物の一部、ハーブの成分、ビタミン又はミネラルを包含する。これらの栄養化合物は本発明の食餌補助剤に添加することができるか、又はそれらを食餌補助剤を投与されている哺乳動物に別に提供することができる。例えば、本発明の糖栄養物含有投与剤形を摂取しているヒトはまた、同様な又は別の投与剤形のいずれかの植物栄養物を摂取することができる。不活性化合物はフレーバー、充填剤、滑沢剤、バッファー、ゲル、結合剤、賦形剤、担体及び/又は本発明の食餌補助剤の調合又は投与を容易にするような他の化合物、を含有することができる。本発明の食餌補助剤組成物を含有するすべての糖栄養物、更なる化合物、薬剤又は他の物質を含有するものすら、Mannatech,Inc.(Coppell,Tex.)から直接入手することができる。
【0058】
本発明は疎水性及び/又は親水性抗酸化物双方を包含する組成物の酸素ラジカル吸光能(ORAC)を直接に、同時に測定するための装置及び方法を包含する。アッセイが、サンプル中の酸素含量を直接測定する、酸素ラジカルの吸光能アッセイ(ORAC(o))において、酸素の消失を直接追跡することにより、ラジカルを失活させる抗酸化物の能力を測定するので、用語「ORAC(o)」が使用される。ORAC(fl)及びORAC(β−PE)のような現在の産業の標準的アッセイは、酸素ラジカルに露出時に、蛍光化合物(フルオレセイン又はβ−フィコエリスリン)の蛍光発光の低下を間接的に測定することにより抗酸化能を測定する。これらのアッセイは、親水性抗酸化物では有効に作用するが、疎水性抗酸化物又は疎水性及び親水性抗酸化物の混合物を測定する際には限られた有効度を有する。更に、知られたORAC(fl)及びORAC(β−PE)システムと異なり、本明細書に開示されるORAC(o)は簡略化及び使い捨てセンサーとしての製造に適する。システムは、生体サンプルから使用者の酸化能の即時評価のためのオフィス及び家庭用すらのシステムの製造をすら許すほど十分頑丈である。
【0059】
ORAC(o)装置
図1はORAC(o)の直接的抗酸化装置10の図である。図示されるように装置10は3種の基礎構成部品:検出システム12、流体システム14及び、相互に連絡してデータ収集、流体及びサンプル制御及びデータ処理を提供することができる、データ処理システム16を有する。検出システム12は、1本又は複数の導管20を経て流体システム14と流体連絡する酸素センサー18を有する。1本又は複数の導管20を経て流れる流体は、手動でそして/又はデータ処理システム16の制御下で制御することができる1個又は複数の弁22を使用して制御される。操作時に、サンプル24が流体システム中に入り、検出器18中に誘導され、そしてデータ収集後、廃棄物貯蔵庫26に送達される。流体システム14はまた、ポンプにより、真空により、又は圧力、例えば、加圧不活性ガスにより流体システム14を通って輸送される1種又は複数の溶液28を包含することができる。本発明による使用に関しては、概括的に水、溶媒、洗剤又は水:洗剤ミックス、酸素ラジカル発生剤、酸化標的、等を包含し、酸素検出室34への送達前に混合室30において混合することができるので、流体システム14中の溶液28は一般に前以て混合又は平衡させられるであろう。流体システムの選択は、当業者に知られるであろうように、所望される又は選択される自動化の程度によるであろう。サンプル24は酸素センサー18を目盛合わせするために使用されるものと同一溶液で前以て混合されるか又は前以て混合室30で前以て混合すらすることができる。
【0060】
本発明に使用のための酸素検出器18の例は、溶媒、水及び洗剤の存在下で溶解された酸素を検出することができる任意の溶解酸素センサーを包含するであろう。溶解酸素センサーの例は例えば、電気化学的、化学発光、表面プラズモン共鳴、赤外線、電気容量カップル、色素カップル光ファイバー又はハイパースペクトラル酸素センサーすらを包含する。1つの特別な例において、溶解酸素センサーはYSI 5300A生物学的酸素センサー(YSI,USA)、SPREETAセンサー(Texas Instruments)、PASCO PS2108(Pasco,USA)、等である。1つの例において、溶解酸素センサーは以下の規格:範囲0〜20mg/L、精度:最大限界の±10%;分解能:0.01mg/L;最大サンプル収集速度:20sps;初期値サンプル収集速度:2sps;応答(Response):60秒間に98%;温度範囲:0〜50℃;温度補正10〜40℃;カソード:白金;アノード:Ag/AgCl;膜:1mlのケイ素、を有し、そして製造会社、例えば、Dissolved Oxygen EZ(Pasco,USA)により提供されるソフトウエアと接続して使用することができる。システムはまた、流体システムと流体接続されたpH、ORP、伝導度又は混濁度センサーを包含することができる。
【0061】
操作時に、本明細書に開示されるORAC(o)システムは以下のように使用することができる:使用者がサンプルを収集し、それをORAC(o)溶媒キット(乾燥又は液体)中に又はそれとともに溶解する。ORAC(o)センサー、例えば、携帯用表面プラズモン共鳴酸素センサー(例えば、Texas InstrumentsのSPREETAセンサーを参照)を1種又は複数の目盛基準に暴露し、次に使用者のサンプルに暴露する。酸素センサーはセンサー上の検出器表面からの出力を評価し、使用者に読みだし値を提供するプロセッサーに接続される。読みだし値はスクリーン上に表示され、印刷されそして/又はプロセッサー、メモリー等に伝達される。使用者のサンプルは尿、唾液、涙、粘膜分泌物、汗、血液(又は血液製剤)、組織、便又は酸素ラジカルを有すると疑われる他の生体サンプルであることができる。1つの例において、サンプルは呼吸装置、例えば、閉鎖呼吸装置により収集される1種又は複数の息(1種又は複数の吸気及び/又は呼気)である。センサーにより検出される値は使用者の酸化状態を評価するために、将来の参照のため、あるいは過去又は未来の値との比較のためにメモリー(一時的、半永久的又は永久的)に保存すらできる。
【0062】
本発明の抗酸化活性のORAC(o)アッセイの基礎構成部品は、既存のORAC−様の方法を利用しており、従って、たとえあったとしても集中的訓練の必要なしに、実験室における使用に容易に適合できる。端的には、ORAC(o)は、例えば、サンプル溶液中の1種又は複数の酸素ラジカル生成分子及び基準としての酸化失活剤(抗酸化剤)の相対的活性を直接測定することにより、酸素センサー、例えば血漿酸素センサー又は可溶性酸素センサーを使用して酸化促進活性を測定する。特定の物質、例えば、還元剤又は揮発性物質はラジカルの原料、例えば、AAPHの不在下で溶液中の酸素の吸収又は生成をもたらす可能性があり、溶液中の酸素量に影響を与える可能性があることに注意しなければならない。本発明を使用すると、当業者は、例えば、フリーラジカル開始剤の添加前の溶液中のサンプルの動態を評価することにより、サンプルのラジカル失活及び非ラジカル失活作用を区別することができる。本発明の使用により決定される、試験サンプルのラジカル失活及び非ラジカル失活作用は双方とも酸化状態に関連することに注意しなければならない。酸素ラジカル生成剤及び酸素ラジカル失活剤の相対的作用は間接的方法ORAC(fl)、ORAC(fl−lipo)、ORAC(β−PE)等によるように経時的に滴定そして/又は測定することができる。
【0063】
図2は本発明の方法の基礎的段階を要約するフロー図50である。段階52において、溶解性酸素プローブが溶媒:水:洗剤混合物の存在下で平衡化されそして/又は目盛合わせされて、基底線を測定される。1つの例において、溶媒:水:洗剤は1:1:1比率のアセトン:水:Tween−20混合物である。段階54において、抗酸化活性の基底線決定は、プラスの対照及び、抗酸化物として、例えばTrolox(R)を使用する抗酸化活性の比較のための基底線として働く。Trolox(R)及び関連分子の1つの利点はこれらのビタミンE誘導体がロット毎により安定で、ロットのばらつきが少なく、そして合成によるので、抗酸化活性の信頼できる濃度を提供することである。段階54における混合物は、段階58における酸素ラジカル発生剤の添加の前に、段階56で酸素ラジカルの標的、例えばリノール酸と混合される。アッセイを実行させ、段階60において、曲線下面積(AUC)を、溶解酸素の消失を経時的に測定することにより計算し、サンプルに対する値を保存する。連続して又は平行に、サンプルを溶媒:水:洗剤混合物中に溶解し(段階66)、次に段階68で酸素ラジカル標的を添加する。概括的に、段階56及び68では同一タイプの酸素ラジカル標的を使用し、そして段階58及び70で同一タイプの酸素ラジカル発生剤を使用することが一般的である。段階72において、サンプルに対するAUCを検出し、サンプルの値を保存する。標準剤及びサンプルのAUCが決定された後に、ブランクに対するAUCを差し引くことにより値を標準化させる。次に標準化された標準剤及びサンプルのAUC値を使用して、サンプル中の抗酸化活性のレベルを比較、計算する。
【0064】
以下の考察は本発明を具体的に示す補助のために使用され、その範囲を限定するために使用してはならない。洗剤のTween20はリノール酸の分散の補助をすることができる。リノール酸は酸素がそれに吸収され得る二重結合を提供する。Trolox(R)は内部標準剤として使用される合成抗酸化物である。すべてのサンプルから得られる値をTrolox(R)の値に関連付ける。酸素ラジカル生成分子:2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)が酸素と反応して炭素中心のラジカルを形成する。AAPHにより生成されるラジカルがリノール酸の酸化を誘発する。リノール酸の酸化の結果として、炭素中心のラジカル中の酸素分子と結合してリノール酸の二重結合がケトンになる。酸素プローブが、リノール酸の酸化により、酸素が反応室から除去されている速度の測定値を採取する。アゾラジカルはリノール酸と直接反応して、リノール酸ラジカルの形成を誘発することができる。次にリノール酸ラジカルが反応室中に存在する酸素と反応してケトンを形成する。提唱されたいずれかの機序により、酸素はリノール酸の酸化により消費される。抗酸化物はリノール酸の酸化を阻止することにより反応室内の酸素の消費を遅らせる。時間プロットに対する溶解酸素の曲線下面積の計算が、リノール酸の酸化を遅らせるその能力により示されるサンプルの抗酸化能の指標をもたらす。
【0065】
酸素ラジカル生成剤
アゾ−ラジカル生成剤は、抗酸化活性の測定のためのラジカルを生成するための知られた濃度で、本発明のORAC(o)アッセイ中に存在する。アゾ反応開始剤は例えば、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)[2−(N−ステアリル)アミジノプロパン]2塩酸(SA−1)、2,2’−アゾ(2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン)−[2−[2−(4−n−オクチル)イミダゾリン−2−イル]−プロパン]2塩酸(C−8)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)を包含する。
【0066】
例えば、ラジカル生成剤2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)は分子窒素及び2個の炭素ラジカルに分解する。炭素ラジカルは合わさって安定な生成物を生成するか又は分子の酸素と反応して、ペルオキシルラジカルを与える。AAPHの半減期は約175時間(中性pHで37℃)である。従って、フリーラジカル生成の速度は溶液中で最初の数時間は本質的に一定である。AAPHはしばしば、それ自体で脂肪酸の水性分散物中の脂質過酸化のために使用され、それは単独で又は親油性及び/又は疎油性ラジカル生成剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に開示される溶媒系は、装置がサンプル中の総酸素を測定するので、親油性及び/又は疎油性ラジカル生成剤のいずれか又は双方の使用を許す。
【0067】
溶媒系
ORAC(o)の溶媒系は溶媒、水相及び洗剤を包含する3部系である。例えば、溶媒はアルコール、アミン、エステル、グリコールエーテル、グリコール、テルペン及び/又はそれらの混合物から選択される有機溶媒であることができる。有機溶媒系は溶媒成分の約50%未満、約30〜33パーセント、20%未満そしてある場合には10%未満であるように調合される。
【0068】
1つの態様において、溶媒はアセトンであり、ORAC(o)溶媒系の約10〜90容量/容量パーセントの間であることができ、水性部分はORAC(o)溶媒系の約10〜90容量/容量パーセントの間であり、洗剤は溶媒系の0.001〜90%であることができる。ORAC(o)溶媒系は例えば、1/3の水、1/3の洗剤(「1/3」溶媒)であり、サンプルは例えば、1mg/mLの濃度であることができる。次に同一の溶媒を使用して希釈物を調製する。洗剤はTWEEN(R)(すなわちTWEEN(R)20)、BRIJ(R)又はTRITON(R)のような非イオン洗剤、CHAPS(R)のような双イオン性洗剤、カチオン洗剤、あるいはコレート、デオキシコレート、ナトリウムドデシルスルフェート又はTWEEN(R)−80のようなアニオン洗剤、あるいは界面活性剤であることができる。水対アセトン対洗剤の比率はそれぞれ、約5%〜90%から90%〜5%であることができる。1/2のアセトン及び1/2の水を使用する2成分系を使用するORAC(fl)と異なり、ORAC(o)溶媒系の洗剤は総サンプルからの酸素の直接の測定を許す。1つの変法は、ランダムにメチル化されたβ−シクロデキストリンを使用するORAC(fl−lipo)である。
【0069】
ORAC(o)アッセイの使用
ORAC(o)アッセイは本発明の栄養補助剤の成分評価のため、そして競合剤及び/又は本発明の最終的食餌補助剤を試験し、評価するためにすら、生体サンプルの総合的抗酸化活性を測定するために使用することができる。生体サンプルの評価における使用のためには、これらは、例えば、血清、脂溶性血清画分、水溶性血清画分、尿、脂溶性尿画分、水溶性尿画分、LDL画分、組織ホモジネート、抗酸化補助剤、食品又は保存剤の品質管理、新規抗酸化補助剤の開発、新規食品、新規保存剤又は新規抗酸化物治療の開発、食品製造及び加工の品質管理、植物(plants)の抗酸化活性の評価あるいは、例えば化粧品の抗酸化活性のモニターであることができる。
【実施例1】
【0070】
ORAC(fl)及びORAC(o)アッセイを使用する抗酸化活性の比較
抗酸化組成物の成分を、蛍光を測定する先行技術の酸素ラジカル吸光能法(ORAC(fl)を使用し、そして溶解酸素を測定する本発明の方法(ORAC(o))を使用して、抗酸化活性を分析した。製品の抗酸化活性はペルオキシルラジカルにより誘発される損傷から系を防護するその能力である。
【0071】
比較のための抗酸化活性を測定するための先行技術の方法
ORAC(fl)アッセイに対し、Ou等の方法(Ou,B.,Hampsch−Woodill,M.and Prior,R.L.,J.Agric.Food Chem.2001,49,4619−4626)に従った。公開されたOuの方法との相異は、オービタルシェーカーの速度(Ou、400rpm、本明細書では280rpm)及び遠心分離速度(Ou、14,000rpmで15分、本明細書で3200rpmで15分)及びアッセイの長さ(Ouで30分、本明細書で100分)を包含した。フルオレセイン、ナトリウム塩はAldrich(Milwaukee,WI)から入手した。Ouの方法に対し、試験される抗酸化生成物に標準量のフルオレセインを添加し、蛍光の開始レベルを測定する。フリーラジカル開始剤を添加し、蛍光消失時間及び程度を測定する。Trolox(R)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸は強力な抗酸化性をもつビタミンEの細胞透過性の水溶性の誘導体である。Trolox(R)はラットの胸腺細胞中でペルオキシナイトライト−媒介の酸化ストレス及びアポトーシスを抑制し、そしてロット毎に一定した合成抗酸化物であり、標準剤として使用され、各サンプルとの比較のために使用される。各サンプルに対するORAC(o)値の計算に使用されるブランク(対照)を各実験に包含することができる。時間に対する蛍光をプロットする。ブランク(対照)を各曲線から差し引く。抗酸化物のネットの曲線下面積をTrolox(R)のネット曲線下面積と比較する。ネット曲線下面積が大きいほど、サンプル中の分子の抗酸化能が大きい。すべてのORAC(fl)分析をCOBAS FARA II遠心分離分析装置(Roche Diagnostic System Inc.,Branchburg,NJ;励起波長=493nm、及び発光フィルター=515nm)上で実施した。結果はサンプル1グラム当たりのTrolox(R)のミクロモル当量として与えられる。
【0072】
抗酸化活性の測定法
操作時には、本発明のORAC(o)アッセイを使用して、大気と平衡して存在する酸素による標的分子(リノール酸)に対する溶液の抗酸化組成物、組み合わせ物等を評価した。フリーラジカル開始剤を添加し、酸素が消失するために要する時間を測定すると、消失速度をもたらす。Trolox(R)を標準剤として使用し、ブランクを対照として実施する。時間に対する溶解酸素の量をプロットして、ネット曲線下面積を直接比較させる。詳細な方法は以下のようである:バッファー(K2HPO4(F.W.174.2)、NaH2PO4(FW 120.0)をSigma(St.Louis,MO)から入手した。リノール酸99%、Trolox(R)(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)97%、TWEEN(R)20及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸97%(AAPH)をAldrich(Milwaukee,WI)から入手した。HPLC等級のアセトンをFisher(Hampton,NH)から入手した。YSI 5300A生物学的酸素メーターをYSI(Yellow Springs,Ohio)から入手して、製造会社の仕様に従って使用した。
【0073】
ORAC(o)法
以下のストック溶液を使用した。リン酸バッファー(75mM、pH7.4)、750mMのK2HPO4(F.W.174.2)の調製;500mLの容量フラスコ中に65.33gを秤量し、マークまでdH20を添加する。濃度は750mMである。750mMのK2HPO4ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。750mMのNaH2PO4(FW 120.0);500mLの容量フラスコ中に45.00gを秤量し、マークまでdH20を添加する。濃度は750mMである。750mMのNaH2PO4ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。750mMのK2HPO4ストック溶液40ml及び750mMのNaH2PO4ストック溶液10ml(4:1の比率)を混合する。これが50mLのORACストック溶液バッファーを与えるであろう。ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。混合物をdH20で希釈して(1:9)、ORACバッファーの作業溶液を調製し、pHを測定する。それは7.4になるに違いない。使用の準備ができるまでカバーして室温で保持する。
【0074】
Tweenの調製
10gのTween20を秤量し、90gの脱イオン水を添加する。混合物をカバーをして、1晩撹拌する。Tweenストック溶液を1週間保存する。カウンタートップに保存する。
【0075】
溶媒の調製
25mLのアセトン、25mLの脱イオン水及び25mLのTween20を混合する。この溶媒を使用してサンプルを調製する。実験を実施する前に、膜に特に注意を払いながらプローブの損傷を検査しなければならず、必要な場合は交換する。プローブを脱イオン水中に先端を入れて保存しなければならない。本アッセイには唯一のプローブ及び唯一の反応室を使用しなければならない。8時間毎にブランク及びTrolox(R)(10μg/ml又は0.03995μモル/ml)を実験する。サンプルは10μg/mlの濃度で実験される。サンプル濃度及びTrolox(R)濃度は同一でなければならない。
【0076】
1mgのサンプルを秤量し、1mlの溶媒を添加することにより希釈物を調製して、最初の抽出を実施する。1時間震盪し、0.5mlの最初の抽出溶液をガラスのシンチレーションバイアル中に入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、第1の希釈物を調製する。第1の希釈物を約30秒間渦撹拌する。その濃度は0.1mg/ml又は100ppmである。0.5mlの第1の希釈物を取り、もう1つのガラスのシンチレーションバイアル中に入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、約30秒間渦撹拌すると、0.01mg/ml又は10ppmの濃度を生ずる。0.5mlのバイアルサンプルを取り、もう1つのガラスのシンチレーションバイアルに入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、約30秒間渦撹拌すると、0.01mg/ml又は10ppmの濃度を生ずる。バイアルを4℃の冷蔵庫に入れる。37℃の水浴中でリノール酸を融解させ、0.18mLのTweenストック溶液、0.18mLのバッファー及び0.44mLの脱イオン水を70.8mgのリノール酸に添加することにより、リノール酸溶液(最少の光線により)を調製する。溶液の試験管をフォイルに包んで保存する。8時間毎に、リノール酸溶液を新鮮に調製する。酸素ラジカル生成剤を調製するために、67.8mgのAAPHを秤量し、0.9mLのバッファー中に溶解する。AAPHを冷蔵保存し、8時間までそれを使用することができる。1時間震盪する。Trolox(R)溶液は常に冷蔵保持しなければならない。抗酸化活性測定を開始するために1.86mLのバッファーを各反応容器中に、そして2.36mLの水を37℃のシンチレーションバイアルに添加し、反応マトリックスが温度に到達する間に3分間撹拌させる。0.284mLのサンプルを添加し、プローブ先端を反応溶液に接触させずに容器中に入れ、1分間撹拌する。測定値は光線遮断環境においてもっとも適切に収集される。
【0077】
データ収集後、プローブを室から取り出し、それぞれ0.357mLのリノール酸溶液を添加し、プローブの先端を室内に即座に戻す。0.357mLのAAPH溶液を添加し、反応領域に泡が残らず、プローブケース上の溢れ畝中に溶液がないように注意してしかし迅速にプローブを溶液試験管内に入れる。次にプローブを溶液中に入れ、読み取りを実施する。データを収集し、抗酸化活性を計算する。
【0078】
サンプルを1mg/mLの濃度で「1/3溶媒」中(ORAC(o)溶媒系とも呼ばれる)に調製した。「1/3」溶媒は水、アセトン及び、水で1:9に希釈されたTWEEN(R)20の溶液の同量部である。サンプルを280rpmでオービタルシェーカー上で室温で1時間震盪した。サンプル溶液は、「1/3」溶媒による更なる希釈後(概括的に10μg/mLまで)、分析の用意ができた。「1/3」溶媒はまたブランクとしても使用した。
【0079】
ORAC(o)アッセイを、YSI 5300A生物学的酸素メーターを使用して実施した。リノール酸を、70.8mgのリノール酸に、0.18mLの75mMリン酸バッファー(pH7.4)、0.18mLの10重量パーセントのTWEEN(R)20ストック溶液及び0.44mLの脱イオン水を添加することにより、調製した。AAPHを、67.8mgのAAPHに0.9mLのバッファーを添加することにより調製した。最終反応容量(5.218mL)中に、リノール酸(21.59mM)をフリーラジカル攻撃の標的として使用し、ペルオキシルラジカル生成剤としてAAPH(19.00mM)を使用した。Trolox(R)(10μg/mL)を標準剤として使用した。読み取りは、ゼロ読み取りが認められるまで、毎秒実施した。
【0080】
ORAC(o)(「酸素ラジカル吸光能」、酸素特異的電極)値を計算する式は:
【0081】
【数2】
【0082】
である。
【0083】
あるいはまた、ORAC(o)は液体の式を評価する時には、ミリリッターで計算することができる。この計算は、サンプル1グラム当たりのTrolox(R)当量のマイクロモルとして知られる量を与える。マイナスの値のORAC(o)は、ブランクで得られる値より低いラジカル失活活性を反映し、それは、組成物が抗酸化物として作用するよりむしろ、酸化促進剤、すなわち酸化を促進する物質であることを示す。ORAC(o)アッセイの推定は酸素がサンプルにより吸収又は放出されていないことであるが、しかし、サンプルの酸素レベルにおけるどんな効果も評価し、そして計算された抗酸化値に補正するために使用されることができる。
【0084】
ORAC(o)及びORAC(fl)アッセイパラメーターの比較
ORAC(fl)に比較されるORAC(o)の利点は、抗酸化能の間接的測定に対する直接的測定において測定されたことであった。ORAC(fl)は、それがフルオレセイン(標的分子)が測定されている唯一の蛍光成分であるという仮定に基づくために、間接的酸素ラジカル検出法である。しかし、多数の抗酸化化合物が自然に蛍光を発し(例えば、ブルーベリー)、ラジカル−ラジカル反応からのこれらの化合物の組み合わせ物もまた発光する。従って、サンプルからの蛍光は蛍光に基づくアッセイの結果を歪曲させる可能性がある。他方、ORAC(o)法は酸素の取り込みの直接的測定、すなわちフリーラジカルへの酸素の消失の直接的測定である。抗酸化能のこの測定法は、酸素が水溶性又は脂溶性成分に結合されるかどうかに拠らない。ORAC(fl)及びORAC(o)法のアッセイパラメーターの比較は表1に提供される。
【0085】
【表1】
【0086】
本発明の1つの著明な利点は、利用者がかれらの実験室環境に本発明の装置及び方法を取り入れるために、新技術を学び、又は装置を購入する必要がないことである。例えば、本発明はサンプルの飽和を測定する時に、例えば、Ou等により開発された十分に確立された間接的測定システムにおけるものと同様な、多数のバッファー、条件、抽出及び/又は分離段階を使用する。Ou等は20mL中500mgの濃度でアセトン/水(50:50,v/v)中にサンプルを調製し、400rpmの回転シェーカー上でそれらを1時間回転し、14,000rpmで15分間遠心分離し、pH7.4の75mMのリン酸カリウムバッファーでそれらを希釈した(Ou,et al.,Development and Validation of Oxygen Radical Absorbance Capacity Assay for Lipophilic Antioxidants Using Randomly Methylated−β−Cyclodextrin as the Solubility Enhancer,J.Agric.Food Chem.2002,50.1815−1821)。本発明者は、大部分の試験サンプルはOuの条件(ORAC(fl)の条件)下では溶液中に侵入しないであろう、より溶解性の成分が溶解性の弱い成分を置換することを見いだした。その結果、ORAC(fl)条件下で可溶化されたサンプルの部分のみがORAC(fl)サンプル及び測定中に包含された。従って、分析のためのORAC(fl)法に従って実施された上澄み溶液は実際のサンプルの総合的抗酸化活性を表わさないようである。ORAC(fl)バッファー中のサンプルの溶液はサンプルの内容物を必ずしも反映しないために、ORAC(fl)を使用すると、結果は歪曲される可能性がある。
【0087】
サンプルの溶解を伴う問題が認識され、ORAC(fl)を使用する時に、クエルセチン及び混合トコフェロールの混合物について実施された、抗酸化物測定に対する混合トコフェロールの寄与の欠乏が認められた。図7に示されるように、ORAC(o)システムを使用して、5μg/mLのクエルセチン及び5μg/mLの混合トコフェロールの組み合わせ物の抗酸化効果が別々の10μg/mLの各成分に匹敵することが認められた。それに対し、間接的ORAC(fl)システムは、クエルセチン単独に対する値を超える、同様な組み合わせ物からの更なる効果を示さない(図11参照)。サンプルの濃度がより希薄であり、そしてサンプルの溶媒がサンプルのすべての成分を可溶化するためのアセトン、水及び洗剤を含有するために、混合トコフェロールを含むこのような組み合わせ物からの活性の欠如及び飽和の問題は、ORAC(o)法からは発生しない。サンプルの溶媒中のTWEEN(R)20の存在が、混合トコフェロールからの活性の検出を説明した。Trolox(R)の活性に対する対照として、図7は別々の10μg/mLの各成分に比較した、5μg/mLのクエルセチン及び5μg/mLの混合トコフェロールを示すが、Trolox(R)対照をも包含し、サンプル中に残留する酸素ラジカルのレベルを経時的に検出するORAC(o)の能力を示す。
【0088】
ORAC(o)は、より高価なORAC(fl)(自動化約$250,000;非自動化約$50,000)に比較して著しい節約をもたらす。それに対し、本明細書に開示されるORAC(o)装置は、大型の蛍光検出システムの経費の何分の一かで、医師のオフィス及び家庭の使用すらに対する販売用に開発することができる、容易に小型化されそして/又は自動化されることができる、即納できる酸素センサーシステムを利用する。1回の実験室検定試験のために「公式分析化学者協会(AOAC)」の指針により実施される検定試験が表2、3及び4の結果を与えた。
【0089】
【表2】
【0090】
毎日の値は10μg/mLの濃度のクエルセチンサンプルの3回の実験の平均である。HORRAT値は実測されたRSDR値と当業者に知られたHorwitz等式により予測されるRSDR値間の比率であり、その精度に関する、方法の許容性の指標とみなされる。1回の実験室の実施研究において、0.5〜2.0間の一連のHORRAT比率は、方法の許容できる精度を示す。5日間の試験のHORRAT値は1.98である。直線範囲としての分析範囲の決定は表3に与える。
【0091】
【表3】
【0092】
リニア・インテグリティは、サンプル濃度が1000μg/mlに近づくと低下するように見える。直線範囲としての分析範囲の決定により、500μg/mlまでの変動濃度の曲線下面積の値が決定される。表4は単一日の結果の精度の結果を与える。
【0093】
【表4】
【0094】
単一日の精度試験は10μg/mlの濃度のクエルセチンサンプルの5回の別の実験を伴う。ORAC(o)法の表4のHORRAT値は0.65448である。ORAC(o)アッセイを実施例2に示された抗酸化組成物中の成分の比率を最適化するために使用した。クエルセチン、49.18%;混合トコフェロール、32.79%;ブドウの皮の抽出物、9.84%;緑茶抽出物、6.56%及びブッシュプラム、1.64%の重量比を有する組成物の1つの態様は、ORAC(o)を使用して、1グラム当たり17,254ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化値を与えた。同様な組成物がORAC(fl)を使用して、1グラム当たり5,281ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化値を与えた。これらのデータは、抗酸化活性を測定するORAC(o)及びORAC(fl)法は間接的なORAC(fl)法の限界のために、得られる結果において異なることを示す。
【実施例2】
【0095】
相乗的抗酸化組成物
本発明の食餌補助剤に従うと、それぞれ、世界中の地方からの長寿の人々の食餌中に顕著である5種の成分を抗酸化組成物中に合わせた。本発明者は長寿で知られた地方の食餌の総合的調査に基づいて成分を選択した。本発明者は、これらの地域の食餌がフラボノール及びトコフェロールが豊富であることを認めた。更に、特定の天然の化合物がそれらの抗酸化活性を再活性化する分子、例えば、ビタミンCと有効に相互反応することが本発明者により認められた。事実、集中的研究により、例えばα−トコフェロールの再生におけるビタミンCの役割を支持する(Pizzorno and Murray,Textbook of Natural Medicine,1999,2nd Ed.New York,Churchill Livingston)。
【0096】
本研究に基づき、本発明者は長寿の人々の種々の地方からの、高率の生体利用可能な化合物を包含する天然及びその他の原料からの単離、精製抽出物を1つの調合物に合わせた。本発明の1つの例において、以下の基礎成分:フラボノール、混合トコフェロール、ブドウの皮の抽出物、緑茶抽出物又はブッシュプラムが選択され、それらは、例えば、Leaf A.,Launois J.“A Scientis Visits Some of the World’s Oldest People,”National Geographic.1973 January中に引用されたように、エクアドルのVilcabambaのAndean村、カシミールのKarakoram RangeのHuzaの陸地又は以前のUSSRのGeorgian StateのAbkhaziaの、サルヂニアのItalian島の(Koenig R.“Sardinia’s Mysterious Male Methuselahs,”Science.2001,March 16)そしてオーストラリアの人々の食餌中に顕著である。
【0097】
本発明の組成物は相乗的抗酸化活性を示した。説に制約されることを望まないが、抗酸化組成物の種々の成分は、身体が全体に防護されるように細胞内サイトソル、細胞膜及び細胞外液を防護する作用を有する。ブッシュプラム成分は例えば、細胞中に侵入することができ、親水性であり、そしてサイトソルを防護するために利用できる天然のビタミンC含量が高く、ブドウの皮抽出物及び緑茶抽出物は親水性で、細胞中に侵入できず、そして細胞外液を防護するために利用でき、そして混合トコフェロールは親油性で、そして親水性で親油性双方であるフラボノール(例えば、クエルセチン)と一緒に膜を防護する。更に、食餌中又は食餌補助剤自体中にすらに包含されるあらゆる繊維は排泄のための適当なベヒクルを提供することができる。
【0098】
相乗的抗酸化組成物の成分
本発明のORAC(o)装置及び方法の入手可能性により、本発明者は親油性及び疎油性双方の抗酸化物並びにこれらの物質の抗酸化活性を増強する補助をする他の物質、例えば、ビタミンC等の組み合わせ物の総合的抗酸化活性を測定することができた。ORAC(o)システムを使用して、フラボノイド、例えばクエルセチン、少なくとも2種の形態のビタミンEの混合物及び場合により、ブドウの皮抽出物、緑茶抽出物及びオーストラリアブッシュプラムを包含する、相乗作用を有する抗酸化組成物が開発された。相乗作用は特に、40/60〜90/10%の、ビタミンE形態の混合物に対するクエルセチンの重量比において認められた。組成物の1つの態様は以下の重量比:クエルセチン49.18%、混合トコフェロール32.79%、ブドウの皮抽出物9.84%、緑茶抽出物6.56%及びブッシュプラム1.64%を包含する。
【0099】
図6はクエルセチン、混合トコフェロール及びトコフェロールとクエルセチンの混合物及び合成抗酸化物の標準剤のTrolox(R)(Hoffman−La Roche)を比較するORAC(o)アッセイの結果を示すグラフである。
【0100】
クエルセチンのようなフラボノイド
組成物のフラボノイドはフラボン、フラボノール、イソフラボン、イソフラボノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩又はそれらの混合物であることができる。フラボノールの例はクエルセチン、ケンフェロール及びミリセチンを包含する。組成物中に包含される特定のフラボノイド又はフラボノイド類似体又は塩は、ORAC(o)抗酸化作用決定を実施することにより決定される。クエルセチンの作用の80%以内の活性は類似体を与えると推定される。フラボノイド、とりわけクエルセチンの言及はまた、そこで糖が例えば、アラビノース、ラムノース、ガラクトース又はグルコースであるアグリコン又はグリコシドを言及することが意図される。クエルセチンのラムノースグリコシドはルチン又はクエルセトリンとして知られ、ミリセチンのラムノースグリコシドはミリシトリンとして知られる。クエルセチンの類似体は3,5,7,3’及び4’位の1カ所又は複数の位置に−OH基以外の置換基を含んでなる化合物を包含する。その他の置換基は:5個未満の炭素原子のアルキル、アセチル、スルフィル又はマロニルを包含する。クエルセチンの類似体に対しては1カ所のみ又は2カ所の位置が−OH基以外の何かで置換されている。
【0101】
クエルセチンのようなフラボノイドはインビトロで容易に合成される。しかし、フラボノイド(クエルセチンを包含する)は現存し、例えば、天然に存在する食品、とりわけ果実及び野菜(リンゴ、ナシ、ブドウ、タマネギ、赤ワイン、ベルペッパー、赤カラント、黒カラント、レモン、チェリー、クランベリー、グースベリー、トマト、オリーブ、ラディッシュ、コールラビ、ホースラディシュ、ジャガイモ及びアスパラガスのような)から単離、精製することができる。クエルセチンはPharmline(Florida,NY)から入手することができる。
【0102】
ブッシュプラム:
オーストラリアブッシュプラム(Terminalia ferdinandiana(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ))は約5%のビタミンC及びHPLCクロマトグラム(データは示されていない)により示されるような種々の成分を含有する。これらの成分はフラボン及びフラボノイドを包含すると考えられる。HPLCクロマトグラムは、メタノール及び水で抽出されたブッシュプラムの粉末のサンプルを使用して、1mL/分の流速で0.1%のトリフルオロ酢酸及び100%のメタノールの段階的勾配を使用する逆相C18カラムからのものである。条件はフラボノイドを分離し、ビタミンCを分離するために開発された。吸光度は245nmで測定された。
【0103】
ブッシュプラムのパルプ及び皮を果実の種子から除き、水中スラーリに調製した。スラーリを凍結乾燥し、粉砕した。本明細書の抗酸化組成物のために、凍結乾燥物質の所望量を秤量した。ブッシュプラムは0%〜87.9%の量で本発明の組成物中に存在し、もう1つの態様においては約2重量%であった。
【0104】
ブドウの皮抽出物
ブドウの皮抽出物はブドウの皮から調製され、30〜82%のポリフェノールを含有し、Polyphenoics,Madera,CA;Hunan Kinglong,Bio−Resource Co.Ltd,Changsha Economic Development Zone,China又はPharmline,Florida,NYから入手することができる。
【0105】
緑茶抽出物
緑茶抽出物はカメリア・シネンシス(Camellia sinensis)の葉からの抽出物であり、35〜95%のポリフェノールを含有し、Amax NutraSource Inc.,Eugen,OR、Blue California,Rancho Santa Margarita,CA又はPL thomas & Co.,Morristown,N.J.から入手することができる。
【0106】
他の成分
本発明の抗酸化組成物は1種又は複数の無毒の、製薬学的に許容できる担体(例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マニトール、ソルビトール、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、等)を包含することができる。これらの1種又は複数の担体を使用して、カプセル又は錠剤を容易に調合することができ、嚥下又は咀嚼を容易にさせることができる。錠剤は適当な担体、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香り付け剤、流動誘発剤又は融解剤を含有することができる。錠剤は場合により1種又は複数の更なる成分と一緒に、圧縮又は成形により製剤することができる。圧縮錠は場合により結合剤(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋カルボキシメチルセルロース)、界面活性剤又は分散剤と混合された、自由流動形態(例えば、粉末、顆粒)の有効成分を打錠することにより製剤することができる。適した結合剤はデンプン、ゼラチン、天然の糖(例えば、グルコース又はベータ−ラクトース)、コーン甘味料、天然及び合成ガム(例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス、等を包含する。これらの投与剤形に使用される滑沢剤はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、等を包含する。崩壊剤は例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、等を包含する。成形錠は不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状有効成分の混合物を適当な機械中で成形することにより製剤することができる。
【0107】
カプセル及び錠剤は場合により、コートする又は刻み目を付けることができ、そして抗酸化組成物の遅い又は制御された放出を与えるように調合することができる。薬剤の制御放出のための時限放出組成物は概括的に、選択される期間内に腸内分解又は崩壊に抵抗する物質と混合され又はそれらでコートされた薬剤粒子を含有する。薬剤の放出は滲出(leeching)、腐蝕、破裂、拡散又は同様な作用により起ることができる。
【0108】
担体は時限放出を与えるのみならずまた、抗酸化物の安定性を促進することができる。AMBROTOSE(R) Phyto Formulaと呼ばれる植物炭水化物の混合物は抗酸化組成物と組み合わせることができる。このような組み合わせ物は抗酸化組成物の棚寿命を延長し、時限放出形態を提供する。AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは約30/30/20/19/1の重量/重量比のアラビアガム(アカシア)、キサンタンガム、トラガカントガム、ガムガッチ(TicGumから入手することができる)及びアロエベラゲル抽出物(例えば、内側の葉のゲル(inner leaf gel)、Carrington Labs,Irving,TX,MANAPOL(R)粉末又は類似製品)を含有する。AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは2:1〜1:2の重量比で本発明の抗酸化組成物とブレンドされる。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは2:1の重量比で抗酸化組成物とブレンドされる。
【0109】
カプセル又は錠剤は、特定の調合に応じて、約0.1%未満〜90%の重量百分率で更なる植物成分を含有することができる。担体の場合には、担体自体は一般に組成物に対する栄養的意味に効果をもたないであろうが、しかし、これらの担体は本発明の栄養学的に有効量の放出のタイミング、位置及び放出プロファイルに意味をもつ可能性がある。例えば、本発明の1種又は複数の抗酸化物は、一連の放出事象において、例えば血液又は尿中に検出される抗酸化物レベルを急激に高めるように1回又は複数のボーラスとして放出されることができる。もう1つの態様において、抗酸化物は幾らか平らに放出されることができるか、あるいは血中又は尿中レベルのスパイクを伴う勾配として提供されることすらできる。事実、本発明は摂取期間中、異なる時間及び/又は部位で、疎油性及び親油性抗酸化物の放出すらを包含することができる。例えば、1つの抗酸化物は即時放出のために発泡性担体中に提供されることができ、他方異なる抗酸化物は例えば、胃酸により又は腸管内での放出のために提供される。
【0110】
調合法
ローラー圧縮抗酸化組成物を調合する方法は、本明細書に示された抗酸化組成物とAMBROTOSE(R) Phyto Formulaをブレンドする工程を含んでなる。生成されたブレンドをローラー圧縮装置に移し、ローラー間で圧縮して、圧縮物を形成する。ブレンドにかけられた圧力は成分間の物理的接着を高める。次に圧縮物を粉砕して顆粒を形成する。次に顆粒をカプセル又は錠剤のような所望の剤形に形成する。1つの例において、Fitzpatrick Chilsonator Model 4LX10Dローラー圧縮装置を10トンの固定力及び約0.093のFitzmillスクリーンをもつ、面を横切り、回転に対して垂直に刻み目をいれるローラーとともに使用することができる。ローラー圧縮装置、例えば、Gerteis Polygran乾燥ローラー圧縮装置システム(Gerteis,Germany)は、可変性の回転速度、力の適用及びギャップ幅能力をもつことができる。ローラー圧縮装置は、2個の相対して回転するローラー間にブレンドを通過させることにより、ブレンド上に圧力を均一にかけることにより、機能する。ローラーによりブレンド上にかけられる圧力がシート又はリボンのような圧縮物にブレンドを圧縮し、典型的にはそれが粉砕され、顆粒を生成する。あるいはまた、顆粒化は必要に応じてスラッグ化し、粉砕し又はふるうことにより達成することができる。#20〜80メッシュをもつ顆粒が選択される。
【0111】
AMBROTOSE(R) Phyto Formulaとの抗酸化組成物のローラー圧縮組み合わせ物のより長い棚寿命は、酸素に暴露される抗酸化組成物の表面積の量の減少によると考えられる。ローラー圧縮組み合わせ物はまた、カプセル又は打錠過程における賦形剤の充填剤の必要を回避する。本明細書で示される抗酸化組成物とのAMBROTOSE(R)Phyto Formulaの組み合わせ物の更なる利点は:腸内の非対電子のためのシンクとして働くことができる不溶性繊維の提供及び、フリーラジカルにより損傷される細胞の修復における細胞媒介の連絡に寄与する細胞の糖質形態の正確な構造のための単糖類の提供、を包含する。
【0112】
投与量
本発明の組成物の投与に有用な投与調合物は100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000mgの抗酸化組成物のカプセル又は錠剤を包含する。1つの態様において、充填剤、担体又は安定剤を組成物に全く添加しない。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaを2:1、1:1又は1:2の重量比で本発明の抗酸化組成物とブレンドする。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaを2:1の重量比で抗酸化組成物とブレンドする。もう1つの態様において、カプセル又は錠剤はAMBROTOSE(R)Phyto Formulaとブレンドされた500mgの抗酸化組成物を提供する。この態様に対しては、1日に2錠又は2カプセルを摂取することができる。口当たりを増加し又は吸収を遅らせるために適当なコーティングを適用することができる。
【0113】
図8及び図9は抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用して、クエルセチン及び混合トコフェロールの種々の比率に対するネット曲線下面積(AUC)の結果を示す。サンプル(Q+MT)の総濃度はアッセイされた各百分率に対し10μg/mLである。例えば、0%のクエルセチンにおいては、混合トコフェロールの濃度は10μg/mLであり、サンプル中にクエルセチンは存在しない。10%のクエルセチンにおいては、サンプルは1μg/mLのクエルセチン及び9μg/mLの混合トコフェロールを有する。20%のクエルセチンにおいては、サンプルは2μg/mLのクエルセチン及び8μg/mLの混合トコフェロールを有する。40〜100%の間のクエルセチンでは相乗性が容易に認められ、40〜90%のクエルセチンにおいてもっとも容易に認められる。直線は相加効果を表わし、すなわち10%のクエルセチンにおいて、線は90%の混合トコフェロール単独の活性及び10%のクエルセチン単独の活性の合計を表わす。相乗効果はこの線より上に認められる。
【0114】
本発明の組成物の主要な抗酸化成分(クエルセチンにより代表されるフラボノイド、及び少なくとも2形態のビタミンEの混合物)は5成分の12.1%〜100%、30%〜85%を含んでなり、又はもう1つの態様においては、約82重量%を含んでなる。1つの態様において、クエルセチンの量は5成分の総重量の49.18%であり、ビタミンE形態の量は32.79%である。
【0115】
本発明の組成物の第2の成分(又は増強剤)(ブドウの皮の抽出物、緑茶の抽出物及びブッシュプラム)は5成分の0%〜87.9重量%、15%〜70重量%又は約18重量%を含んでなる。図10に示すように、ブドウの皮抽出物と緑茶抽出物の最適比率は、49.18%のクエルセチン、32.79%の混合トコフェロール及び1.64%のブッシュプラムの存在下で決定された。緑茶抽出物に対するブドウの皮抽出物の最適比は60/40〜80/20である。1つの態様において、ブドウの皮抽出物は抗酸化組成物の総重量の9.84%であり、緑茶抽出物は6.56%である。ブッシュプラム(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ)は約0%〜87.9%の間の量で、もう1つの態様においては約2%の量で組成物の1成分として提供される。図10の態様において、ブッシュプラムは組成物の1.64%である。
【0116】
ORAC(o)アッセイは、以下の重量比:クエルセチン49.18%、混合トコフェロール32.79%、ブドウの皮抽出物9.84%、緑茶抽出物6.56%及びブッシュプラム1.64%、を有する抗酸化物ブレンドが1グラム当たり17,254ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化活性を有することを示す。
【0117】
AMBROTOSE AO(R)の安定性
2:1重量比のAMBROTOSE(R)(Mannatech,USA)及び本発明の抗酸化調合物のブレンドのAMBROTOSE AO(R)は、約6カ月の棚寿命に等しい、加速安定度条件(40℃、75%相対湿度)下でその活性を維持することが示された。
【0118】
ORAC(fl)アッセイに比較したORAC(o)アッセイの有効性
図11は、クエルセチンと異なる比率で混合された時に、α−トコフェロールによるAO活性に何の寄与をも示さなかったORAC(fl)の結果のグラフである。グラフは標準のアセトン:水溶液中におけるORAC(fl)アッセイにおいて、クエルセチン濃度の増加に正比例するAUCの線状増加を示す。AO活性に対する寄与の欠如は、α−トコフェロールのアセトン:水中への溶解不能によるかも知れない。
【0119】
図12A及び12Bは混合トコフェロールを使用するORAC(fl−lipo)の結果並びにサンプルを溶解し、親油性及び疎油性抗酸化能双方を検出するために、溶媒/水/洗剤溶液を使用する相対的AUCの結果のグラフである。図11(上記)において、親油性AOのAO寄与を検出するための標準のORAC(fl)法を使用して、α−トコフェロールについては統計的に有意な活性を検出することができないことが示された。図12Aに示されるように、α−トコフェロールに対するORAC(fl−lipo)AUCを公開されたORAC(fl−lipo)法(アセトン:水)とアセトン:水:Tween−20間で比較し、そしてORAC(fl−lipo)アッセイのAUCにおいて大きい増加を検出した。図12Bは、結果がこのアッセイを使用すると相乗性の欠如を示す、横座標を通る直線に従うので、クエルセチンと混合トコフェロールを合わせる時、知られたORAC(fl−lipo)法を使用すると相乗性が検出されないことを示す。
【0120】
文献の検索及びその中に推奨される方法に基づくと、知られたアッセイによりこれらの結果を得ることは驚くにはあたらない。いわゆる「高−ORAC食品」(例えば、www.ars.usda.govを参照されたい)の評価のための現代の標準は、その標準は疎油性抗酸化物と離れて別に、親油性抗酸化物の抗酸化能を測定することである、と述べている。本発明は、血清ORAC値に対する効果に試験管のORAC値を関連付ける時に、研究者が観察した分裂をもたらすかも知れないこの相異(dichotomy)の必要を排除する。ORAC(fl)評価に比較した血清中の抗酸化効果を測定する際に、USDAの「農業研究サービス」は例えば、試験管ORACアッセイでホウレンソウがイチゴより低い評価を受けたが、血清ORAC値に対してはホウレンソウがイチゴより大きい効果を有したことを見いだした。本発明及び本明細書に記載の組成物を使用することにより、本発明者は、ヒトの体内の抗酸化物の活性をよりよく反映する変動する溶解度をもつ抗酸化物間の相互反応を許すシステムを開発することにより、該分裂を是正した。間接的ORAC(fl)及び/又はORAC(fl−lipo)法は総合的抗酸化活性を測定できず、特定の食品の相乗効果を検出しない。
【0121】
図13は、AUC測定値に対するその効果を示すために、使用される洗剤の量の変動を伴うα−トコフェロールを使用するORAC(fl)AUCの結果のグラフである。このアッセイにおいて、1/3の溶媒をその完全な1/3及び、より少量のTween−20を含む混合物中に使用した。図14は、洗剤混合物に対して溶媒:水の2種の異なる比率で溶解された、固定比率のクエルセチン:α−トコフェロール比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。図13及び図14中の結果は、洗剤(Tween−20)がAUCの増加に寄与しなかったことを示し、従って、ORAC(fl)活性の検出は標準のアセトン:水混合物に比較して増加することを示す。
【実施例3】
【0122】
抗酸化相乗性及び増強のORAC(o)による検出
ORAC(o)アッセイが親油性及び疎油性抗酸化活性の双方を検出することができることを示すために、親油性及び疎油性抗酸化物の知られた濃度の特定の組み合わせ物の効果並びにブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物単独に比較した、例えばブドウの種子抽出物及び緑茶の抽出物の添加によるその増強、を示すために一連の研究を実施した。図15は、異なる比率のクエルセチン及び混合トコフェロールで得られたORAC(o)値を示すグラフである。図16は、異なる比率のブドウの種子抽出物(GSE)及び緑茶抽出物(GTE)に対するORAC(o)値を示すグラフである。GSE及びGTEに対する抗酸化活性の最大比の決定後、2者を最適比のクエルセチン及び混合トコフェロールと組み合わせた。図17は、最大のクエルセチン:混合トコフェロールとブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物比率の組み合わせ物の、ORAC(o)値を示すグラフである。合わせたクエルセチン及び混合トコフェロール、GSE、GTEが補助剤の抗酸化能を最大にしたことが見いだされた。
【実施例4】
【0123】
プラセボ制御されない少数の健常個体の一般標識試験におけるAMBROTOSE AO(R)の抗酸化効果
抗酸化物は生体の基質の酸化を遅延させる又は抑制することができるあらゆる物質と定義される。抗酸化物質を含有する果実及び野菜の豊富な食餌は、酸化的ストレスからもたらされると考えられる病理学的状態の減少した発生と関連付けられてきた。しかし、単離された抗酸化化合物による補助はしばしば、幾つかの症例では健康を改善するために無効であり、他の場合には危険であることが証明された1、3、4。果実及び野菜の高い摂取による抗酸化物質の利益は、単一の抗酸化物質から専らもたらされるのではなく、むしろこれらの食品中に存在する異なる抗酸化物質の組み合わせ物の協同作用からもたらされるかも知れないことが示唆された5、6。単一の抗酸化物質に対するこの注目が、科学者がいまだ、栄養補助剤を使用して抗酸化物の豊富な食餌の防護効果を倍加(duplicate)しなければならない7可能な説明である。
【0124】
最近の研究により、細胞の連絡及び免疫機能を支持する糖を供給する、糖栄養(GN)補助剤、栄養補助剤がインビトロ及びインビボの双方で抗酸化性を有することが示唆された。GN補助剤を含有する培養培地中で増殖されたラット肝細胞は、対照に比較してより高いレベルの還元グルタチオンを示し、それにより増加した抗酸化的防御を示した8。
【0125】
予備的臨床研究により、GN補助剤を消費している人々において酸化的ストレスの生体マーカーの減少及び酸化的防御の生体マーカーの増加が示された。通常の食餌に毎日2grのGN補助剤添加後、76日以内に、総合的鉄結合能及び葉酸に有意な増加が認められ、そして銅/セルロプラスミイン比率の有意な減少が認められた。更に、血清アルケナール、ホモシステイン、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)及び総コレステロールの減少及び酸素ラジカルの吸光能(ORACβ−PE)の増加を示唆する傾向が認められた9。
【0126】
最近の研究により、広範な栄養物質(幾つかは知られた、しかし他はまで同定されていない)が果実及び野菜の抗酸化活性に起因することが示された10、11、12、13、14。幾つかの知られた有益な抗酸化物はポリフェノール及びビタミンC及びEを包含する6。ブドウ(及び赤ワイン)、緑茶及びオーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ)を包含する特定の食品及び飲料は、比較的高レベルのこのような抗酸化物を含有する6、15、16。この研究はGN補助剤を緑茶、ブドウ、混合トコフェロール、クエルセチン及びオーストラリアブッシュプラムから誘導されたブレンドと合わせた新規の栄養補助剤により提供された抗酸化的防御作用を測定した。
【0127】
方法:
血液サンプルはCover−Tek,Inc.,Dallas,TXにより収集された。すべての血液及び尿サンプルがGenox Corporation,Baltimore,MDにより分析され、すべての統計分析をDecision Analyst,Arlington,TXが実施した。
【0128】
サンプルの抗酸化能を試験するための幾つかの方法が公表されている17。本研究に使用された試験は全血清ORACβ−PEの測定であった。この方法は、知られた標準剤のTrolox(R)に比較される時の、特にペルオキシルラジカルに対する、血清サンプルの抗酸化失活能を決定するためにβ−フィコエリスリン、蛍光プローブを使用する。結果は1グラム当たりのミクロモルのTrolox当量(TE)で表わされる18。該研究で使用される他の標準化された分析法は、脂質に対するフリーラジカル損傷量に間接的に相関する尿の脂質ヒドロペルオキシド及びアルケナール並びにDNA損傷に間接的に相関する尿の8−OHdGの測定であった19、20、21。
【0129】
本研究に使用される抗酸化栄養補助剤、Ambrotose AO(R)は、成分:クエルセチン、混合トコフェロール、ブドウ抽出物、緑茶抽出物、オーストラリアのプラム、のインビトロの評価を使用して開発された。各成分のインビトロの抗酸化値は、標準のORACfl法(異なる蛍光プローブ、フルオレセインを使用する)を使用して決定した。成分の混合物の抗酸化値は、溶解された酸素を直接測定する新規に開発された方法、ORACoを使用して決定した。脂溶性及び水溶性抗酸化物はインビボでは協同して働くので、脂溶性及び水溶性化合物の寄与及び相互反応を同時に測定するORACoは、蛍光に基づく方法(ORACfl、ORACfl−lipo及びORACβ−PE)より改善されたものである。これらの方法はせいぜい、脂溶性又は水溶性化合物の活性を単独で測定する。従ってORACoは、水溶性及び脂溶性成分双方のブレンドの総合的インビトロ抗酸化活性の、より正確な決定を提供する。水溶性及び脂溶性成分を合わせて、ORACoにより評価して、ブレンドの最大の相乗性及び最適なインビトロのORACo値を確立した。
【0130】
その結果のブレンドを1:2の比率でAmbrotose(R)複合物とともにローラー圧縮して、Ambrotose AO(R)を形成した。Ambrotose(R)中の多数の天然ガムは化合物の放出を制御して、持続性の送達をもたらすために使用された。本研究は、血清ORACβ−PEにより直接的に、そして尿中脂質ヒドロペルオキシド、アルケナール及び8−OHdG分析により間接的に決定される、Ambrotose AO(R)の異なる量のインビボの抗酸化活性を、標準試験を使用して決定するようにされた。Prior及びCaoは最近、腎不全のような、ある病理状態が酸化ストレスに極めて無関係な、何か1つの試験に影響を与える可能性があるので、いずれか1つの試験よりむしろ一連の試験が必要であることを示唆した22。
【0131】
すべての参加者からインフォームド・コンセントを得た。研究を妨げると考えられるどんな栄養補助剤も又はどんな薬剤をも摂取していない12人の男女の健常な成人ボランティアが参加した。22〜61歳の4人の男性及び8人の女性の研究被験者は、増加する量の抗酸化補助剤を摂取した。経時的にORACβ−PEの可変性を評価し、実験室の結果の再現性を試験するために、補助剤を摂取していない更なる被験者から血液及び尿サンプルを採取した。研究中、参加者は彼らの通常の研究前の日常生活及び食餌を継続した。表5は研究被験者についての情報を提供する。
【0132】
【表5】
【0133】
12人の研究被験者は、補助剤を摂取しない最初の2週間の洗浄期間後、そしてそれぞれ増加する量の抗酸化補助剤摂取の2週間の最後に、早朝空腹時血清ORACβ−PE及び尿分析を実施された。使用量は補助剤使用の最初の14日間(第1期)に対しては毎日500mg(1カプセル)、第2の14日間(第2期)に対しては毎日1.0g(2カプセル)、そして第3の14日間(第3期)に対しては毎日1.5g(3カプセル)であった。更に、補助剤を摂取していない個体からの血液及び尿サンプルは、分析の精度を試験するために3重に分析した。血液及び尿サンプルは独立した瀉血専門医により採取され、即座にドライアイス中でパックされ、準備(preparation)のために地方の病院の実験室に運ばれた。次に準備された血清及び尿サンプルをGenoxプロトコールによる独立した分析のためにGenoxにドライアイス中で1晩で運送された23。次にすべてのサンプルをGenoxでドライアイス中に保存され、どんな分析試薬の変動をも最少にするためにORACβ−PE及び尿測定を研究の終了時にすべて同時に実施した。
【0134】
結果:ORAC値及び基底データからの変化パーセント
Ambrotose AO(R)を摂取する12人の参加者に対するORACβ−PE値及び基底線からの変化百分率は表6に与えられる。基底線は、2週間の洗浄後であり、第1期は500mgで2週間後、第2期は1.0gで2週間後、そして第3期は1.5gで2週間後である。第2期の幾つかのサンプルの血清バイアルのラベルがGenoxへの運送期間中に剥離した。ORACβ−PE値はこの期間の研究参加者の3人に特定することができただけで、残りの研究参加者又は更なる非研究個体には指定することができなかった。
【0135】
【表6】
【0136】
未処理ORACデータの統計分析
基底線、第1期、第2期及び第3期の未処理ORACデータ間の相異があるかどうかを決定するために反復測定のANOVAを実施した。期間全体の間には有意差が存在した(F(3,24)=4.02,p=.020)。この後の分析により、第2期が基底線から有意差があることが示された(t(24)=−3.47,p=.002)。第1期は第2期と有意差があった(t(24)=−2.77,p=.011)。第2期は第3期と有意に差異差があった(t(24)=2.87,p=.009)。各期間に対する平均は表7に示される。
【0137】
【表7】
【0138】
基底線ORACデータからの変化パーセントの統計分析
前記に報告された分析に使用された未処理データ(表6)と異なり、本分析は基底線からの変化パーセントとして表わされた期間の間の差異を検討した。反復測定ANOVAを実施して、第1期、第2期及び第3期のORACデータの、基底線からの変化パーセント間の差異を算定した。オムニバス試験は全体に有意差を示さなかった(F(2,13)=0.71,p=0.510)。更に、次の分析は、期間の間に有意差を示さなかった。各期間に対する平均は表8に示される。
【0139】
【表8】
【0140】
平均脂質ヒドロペルオキシド、総アルケナール及び8−OHdG値は表9に要約される。それらは同一サンプルに対して同時に測定された、尿クレアチニンにより割ることにより尿中濃度のばらつきに対して補正されている。
【0141】
【表9】
【0142】
大気の質
大気の質が酸化的ストレスのレベルに影響を与えることが知られている。オゾン及び二酸化窒素のような一般的汚染物質の増加濃度が大気の質を低下させる。これはROSの生成のより大きい可能性をもたらす24、25。被験者が居住するDallas/Fort Worth(DFW)地域の各2週間の期間に対する平均米国環境保護機関(EPA)の大気の質指数の要約が表6に与えられている。EPAは区域の大気の質マップに色彩コードを使用している:緑:「良好」(0〜79百億分の一[ppb]のオゾン)、黄色:「軽度」(80〜99ppb)、橙色:「感受性群に対しては不健康」(100〜124ppb)、赤「不健康」(125〜149ppb)及び紫:「非常に不健康」(150ppbを超える)。色彩に対して数値:緑:1、黄色:2、橙色:3、赤:4及び紫:5、を指定し、公表されたEPAマップ上の各色彩の面積(area)に基づいて毎日の数値の平均を算定することにより、研究地域の毎日のEPAマップの数値を計算した。次に毎日の数値は研究の各2週間につき平均された(表10)。
【0143】
【表10】
【0144】
前記に概説された第2期の研究参加者に値を指定する際の不確定を許容して、12人の研究参加者に対する可能な最低の平均ORACβ−PEを計算した。そのラベルを識別することができなかった血清サンプルからの最低の9個の値は参加者に属するものであると推定し、それらを3種の既知の値と合わせると、可能な最低の平均を与え、従って、基底線からの変化のもっとも内輪の算定を与える。9種の最低のORACβ−PE値は、4727.9、5233.9、5104.3、4599.9、5699.9、5364.8、3987.3、4179.7及び4584.9であった。表5からの3種の既知の第2期の値と合わせると、これは第2期の12人の研究参加者に対して5467.70の平均ORACβ−PE値を与えた。これは4279.49の基底線平均より27.8%上である。
【0145】
考察
研究により、果実及び野菜の豊富な食餌の摂取は、酸化的ストレスに対して防御することが示された7、26、27。食餌指針は、1日に2〜4サービングの果実及び3〜5サービングの野菜の消費を推奨している28。この知識及びこれらの推奨にも拘わらず、米国の非常に僅かな個人しか1日推奨量を摂取していない。「米国農務省(USDA)」スポンサー臨床研究において、研究者は特に、1日通常の5サービングから実験的10サービングまでの果実及び野菜の増加した消費が、2週間後に、約13%まで血清ORACβ−PE値を有意に増加したことを見いだした7。最近の研究において、各量の補助剤を使用する平均血清ORACβ−PE値の増加は:500mgで19.1%、1.0gで37.4%そして1.5gで14.3%であった。これらのデータは、健康人における血清ORACβ−PE値の基底線よりの最大の上昇をもたらす最適な量は1.0gであることを示唆する。1.0gのAmbrotose AO(R)による27.8%の増加の控えめの算定は、1日更に5サービングの果実及び野菜を消費している個体により報告され、公表された13%の2倍以上である。
【0146】
尿中脂質ヒドロペルオキシド/クレアチニン値は、補助剤の使用増加とともに減少した。各量に対する減少は、500mgで12.1%、1.0gで15.0%そして1.5gで17.0%であり、それは、脂質の損傷からの防御が、研究された範囲にわたり、補助剤の量増加とともに増加したことを示唆している。なぜ、脂質のヒドロペルオキシドのデータがORACβ−PE値と正確に相関しないかは明白でない。血清ORACβ−PEは、測定時にフリーラジカルを失活させるその能力に関する、血液の抗酸化防護の指標である。尿中脂質ヒドロペルオキシドは過去のいつかの脂質の酸化的損傷のマーカーである。実際の脂質損傷と尿中の脂質ヒドロペルオキシドの出現の間の時間的相関は十分には規定されない。これらの時間的相異が一部はこの不一致の原因であることはあり得る。尿中脂質ヒドロペルオキシドに加えて、尿中8−OHdG及びアルケナールも各期間に測定された。有意差も又は傾向も認められなかった。これも再度、実際の脂質とDNA損傷及び尿中の生体マーカーの出現の間の時間的相関に関係するかも知れない。
【0147】
研究の参加者はDFW地域に居住した。DFWに対する、公表されたEPAの毎日の大気の質の測定値は各2週間の期間につき平均された。大気の質は研究の経過中次第に悪化していた。これは通常、ROSを増加することにより、そして従って脂質ヒドロペルオキシドのような酸化的損傷の生体マーカーを増加することにより、酸化的ストレスを増加することが期待されるであろう29。その反対に、増加した血清ORAC値により測定される、増加した防護作用が明白であった。更に、尿中脂質ヒドロペルオキシド値の減少傾向並びに尿中8−OHdG及びアルケナールの安定性は、減少した酸化的損傷の証拠を提供する。総合すると、これらのデータは、補助剤により与えられた抗酸化効果が実際測定された効果よりも大きかった可能性があることを示唆している。
【0148】
結論
公表された指針に従うと、個体は果実及び野菜を摂取することが推奨されているが、現実は、大部分の人々は摂取しないであろうことである。これらの準備的データは、完成品中の抗酸化活性を保存する最適な抗酸化成分を含有する栄養補助剤は、血清ORACβ−PEにより測定される健康な個体における抗酸化防御を増加し、そして尿中脂質ヒドロペルオキシドにより測定される脂質の酸化的損傷を減少することを示唆する。500mg、1.0g及び1.5gのAmbrotose AO(R)を使用して、2週間後に血清ORACβ−PEの基底線より上の増加により示される、健康人における防御は、2週間、食餌に5サービングの果実及び野菜の追加により公表されたデータ中に記載されたものより大きかった(19.1%、37.4%及び14.3%対13%)。
【0149】
本明細書に示されるように、抗酸化補助剤は健康人における酸化的ストレスの4種の測定値を使用して検査され、そして血清ORACβ−PE中の増加が認められた。ORACβ−PE値により示唆される健康な被験者間の最適な範囲は、1日1gであったが、研究は、低い血清ORAC値を有する個体は、高い用量の抗酸化補助剤投与から利益を得るかも知れないことを示した30。従って、増加した酸化的ストレスを受けている人々あるいはストレスを受けた個体は、より大量の用量により利益を得るかも知れない。
【0150】
ORACoは抗酸化物ブレンド調合物において使用されたが、独立の実験室がヒトの臨床試験用血漿サンプルを分析するために確立された方法、ORACβ−PEを使用した。Ambrotose AO(R)製品の抗酸化効力のインビボの算定はORACo法の使用によらなかった。これらのデータは、本発明の抗酸化補助剤が血清ORACβ−PEにより測定される、消費者における抗酸化防御を増加し、そして尿中脂質ヒドロペルオキシドにより測定される、脂質の酸化的損傷を減少させることを示す。
【実施例5】
【0151】
10,000psi以上のローラー圧縮が実施される時の生体活性分子のための時限放出剤としての多糖類物質
本発明者は、例えば、Ambrotose AO(R)を使用するその調合物の崩壊、すなわち成分、例えば、抗酸化剤のクエルセチンの即時放出、を研究するために開発された特定の調合物及び方法が、期待されたように放出しないことを認めた。研究は、本明細書に示されたすべての実施例を処理するために使用された、周知の、公式の分析法の使用とともに開始された。方法は当初、完全に定量的であり、そして検体として抗酸化剤のクエルセチンを測定するようになっていたために、詳細な2段階を含有した。最初にクエルセチン以外の成分の視覚による解釈が、予期に反した放出プロファイルを示した、すなわち比較が実施された溶解条件は同一であったが、実際の結果は同一ではなかった。
【0152】
図18は最初の研究のために選択された3個のモジュールを示す。4種の別々のサンプルをクエルセチン、ブドウの皮及び2種の他の製品(抗酸化剤処方A及び抗酸化剤処方B)につき、3段階で試験した。「制御された溶解」段階はすべての実施例で同一であることに注意されたい。端的には、Ambrotose AO(R)改変放出具体化のための溶解に基づく方法は、マーカーとしてクエルセチンを使用するHPLC及びUV−Visを包含した。更に、調合物の視覚による観察はHPLC及びUV−Visの観察と一致した。
【0153】
多数の国における食餌補助剤の放出認可物に対する近年の規格は、腸の物理的状態をおおまかに模倣する装置中で、錠剤又はカプセル製品形態の完全な崩壊の提供を包含する。これらの条件は米国薬局方(USP)及び英国薬局方(BP)双方に基づく規格に適用される。崩壊試験は消化系と相互反応する補助剤材料の物理的利用能を模倣するものとしてもっとも良く説明される。成分が体内に導入される条件はその利用の速度及び効率に影響を与える。栄養物の利用の速度及び効率は「利用曲線」として説明することができる。狭い集中した曲線は、例えば静脈注射を表わすことができ、他方、それらが利用可能になる前に消化されなければならない食品中に認められるもののような繊維に結合された栄養物は、より緩徐な放出のために、より幅広い曲線をもつであろう。所望の動態に応じて、分配モデルは即時作用性並びに時限放出性担体媒質の双方を使用して開発されることができる。
【0154】
本発明の徐放性液体調合物中の有効物質の溶解プロファイルを例えば、標準的低pH又は水溶解プロファイルアッセイを使用して試験した。端的には、ローラー圧縮されたAmbrotose(R)を、毎分150回転(RPM)でサンプルを混合するパドルを使用して、5.0グラムの塩化カリウムがその中に溶解された1リッターの脱イオン水中の、摂氏37度の水浴中での溶解による放出パーセントにつき試験された。未処理の又は滴定された液体調合物の5ミリリッターの試験サンプルをシリンジ(水/KClミックス中で洗浄することができる)を使用して浴に添加する。2mlのアリコートを例えば、0.5、1、3及び8時間目に採取することができる。あるいはまた、USP装置II(パドル)として構成されたDistek Model 2100B溶解浴を使用して投与剤形を溶解することにより溶解プロファイルを試験することができる。パドルの回転は50rpmに設定された。溶解媒質は例えば、37℃のpH6.8のリン酸バッファー900mlであることができる。
【0155】
不幸なことには、30分間以内の、全体の視覚的崩壊の、USP及びBP指導規格に従う崩壊試験に対する近年受け入れられる方法は、腸に近づくためにより長時間を要する、より緩徐な曲線をもつ補助剤の利用能を正確に測定する方法が欠如している。Ambrotose AO(R)カプセルは特に、持続性放出及び緩徐な利用能に対してデザインされたので、30分間の枠内で完全には崩壊しない。これは、計画された実施時間内にAmbrotose AO(R)が利用可能になることの失敗と見るべきでなく、むしろ即時作用性成分を求める現代の方法における偏向と見るべきである。USP及びBPの崩壊条件は間接的に、比較的狭い利用性を強制する。幾つかの適用において、関与する成分により、これは望ましくないか又は毒性の可能性がある。Ambrotose AO(R)の所望される徐放作用を示すために溶解試験、UV−Vis及びHPLC法を使用する簡単な方法が提供される。主要な目標は、より複雑なHPLC法はUV−Visの結果と相関させるためにのみ使用して、この作用を測定する際には、UV−Vis単独で十分であるとみなすことである。
【0156】
方法
377nmにおけるその高いUV−Vis作用、Ambrotose AO(R)中の比較的高い組成物百分率及び正常に作動するクロマトグラフィーのために、この方法における検体としてクエルセチンが選択された。溶解試験から予期された濃度範囲内の対照曲線を提供するために、Ambrotose AO(R)の調合物中に使用される同一のクエルセチンストックの標準材料を使用した。最初の義務(charge)がBPによるTGA投与された崩壊試験のその調合物の失敗を正当化することであったので、MannatechのAmbrotose AO(R)のオーストラリアのロットを本研究に使用したことに注意しなければならない。
【0157】
溶解条件は、同様なアッセイについてUSP及びBP双方に従うモデルを使用した。1つの例外は、健常な結果を維持しながら、分析時間を合理的に保持するために、溶解装置のより高い平均回転速度を選択したことである。実際は単一の方法を選択することができ、そしてより簡単なUV−Vis法のみが理想的であろうが、その結果を相関させるために二重測定法を使用した。失敗した30分間崩壊試験の観察を、同一試験サンプル上で実施した。次にクエルセチンマーカーに基づくAmbrotose AO(R)の利用能曲線を、規程された溶解条件内で0.5、1、2、3、4及び8時間にわたりプロットした。この簡単な、一定した方法は、いずれの適当に装置を備えた実験室によっても反復することができ、必要な場合には、放出試験のための品質管理環境に形を変える(translate)ことができるであろう。
【0158】
装置、溶解システム:
この方法のために、Hanson溶解システムSR8−Plusを使用した。それは与えられた規格に合わせたパドル深度をもつ、USP装置タイプII(パドル)形態を使用して実施された。同様なアッセイに基づく溶解媒質は、1バスケット当たり800mlの脱イオン水(d.i.)(18+Mohm)、37℃の浴温及び200rpmのパドル速度であった。サンプル採取のために、12×75mmのガラスの試験管(又は同等物)及び装置中の分析の準備における希釈物のためのメタノールと一緒に、1mlのピペットを要する。方法中に規程されているサンプルの希釈は、UV−Vis及びHPLC双方上の分析のために最適な範囲内の試験浴中に、最大クエルセチン濃度を入れる。
【0159】
UV−Vis分光光度計
石英ガラスキュベットと一緒に、UV−Vis分光光度計(Cary 50 Bio,Varian)を測定に使用した。単一の波長読み取り値を377nmで収集した。すべての読み取りに同一石英キュベットを使用し、各溶解試験浴からのそれぞれ初回T0サンプルを使用して、装置をゼロに合わせた。UV−Vis読み取りの準備において、所望の377nmにおける読み取りのみならずまた、一定のゼロ点を維持する能力につき、システムを点検した。
【0160】
HPLCシステム
測定にShimadzu LC−VPバイナリーポンプHPLCシステムを使用した。使用された検出器は6.25Hz走査速度で377nmでモニターされるShimadzu PDA SPD−M10Aであった。使用されたカラムは5μm粒度をもつPhenomenex Hydro RP,4.6mm×150mmであった。カラム及びPDA流動セルは30℃の温度に維持された。すべてのサンプル及び標準剤のために20ulの注入を実施した。すべてのサンプル及び標準剤をHPLC上に注入する前に0.20uM CAフィルター(Whatman)を通した。一定のピーク形成のために統合(integration)を自動化した。HPLC並びに統合を制御するためにShimadzu VP7.2バージョンのソフトウエアパッケージを使用した。以下は分析に使用された勾配プログラムである。溶媒Aは脱イオン水(d.i.)中0.1%のギ酸であり、溶媒Bはメタノール中0.1%のギ酸であった。すべての溶媒をシステム平衡化の前に脱気し、分析のための総合実施時間は30分であった。これらの条件を与えられると、クエルセチンのピークは約14.8分で溶離すると期待することができる。
【0161】
【表11】
【0162】
標準剤及びサンプル
PharmlineのクエルセチンHD(ロット#152560)の連続希釈物を使用してUV−Vis及びHPLC双方のための一連の標準剤を作製した。標準剤は800mlの容量の脱イオン水中1個の溶解されたAmbrotose AO(R)カプセルに相関する濃度範囲(〜0〜100ppm)を与えられた。すべてのサンプルは許容できる試験ロットを提供する放出のために許容される、AUS Ambrotose AO(R)(ロット#N04081226)の同一ボトルから得た。標準剤及び試験サンプル双方は同一の方法で処理され、最初にd.i.水に溶解し、次に方法中に記載のようにサンプルを採取し、そしてメタノールで1:3に希釈され、次にそれぞれの装置上で分析された。
【0163】
溶解システムの状態を安定化後に、1浴当たりに1個のAmbrotose AO(R)カプセルを添加する。溶解作用の正確な表示を得るために、最低3浴を実施することが示唆される。カプセルを浴中に導入する瞬間がT0になり、そしてこの初期T0読み取りに対してクエルセチン利用能曲線のすべての読み取りが測定される。次に30分間の間隔で1mlの容量でサンプルを採取する。更に、制御容量を維持するためにサンプル採取後、1mlの容量のd.i.水を浴中に入れ替える。初期サンプルはカプセルが浴中に導入されるとすぐに、T0として採取される。次にカプセルの溶解が完了していることが明白になるまで、T0から4〜6時間まで、サンプルを採取し続ける。次にすべてのサンプルが採取された後、それらをメタノールで1:3に希釈し、それらの管中で震盪して、分析の用意ができる。クエルセチン標準剤のためには、100ppmの溶液をd.i.水中で調製し、そのストックから連続的希釈物を生成する。次に標準希釈物を1ml容量で採取し、メタノールで1:3に希釈し、サンプルと同様な方法で震盪して、分析の準備ができる。クエルセチン濃度の予期範囲を超える標準剤を使用して、最低5個の連続希釈点を採取する。
【0164】
測定されるサンプル浴からのT0、又は標準曲線測定値の場合にはd.i.水中75%メタノールを充填される石英キュベット(すべての読み取りに使用される同一のもの)を使用して、光度計をゼロに合わせる。石英キュベットはある容量のd.i.水ですすいで、読み取りの中間のどんな残留クエルセチンをも除去する。溶解の終結点は、2回の連続した読み取り後に(1回1時間)サンプルのUV−Vis活性の増加をもはや検出しない時点と定義される。この「平坦域」がカプセルからの完全なクエルセチン溶解点を示す。UV−Vis読み取り中に光源の経路等をブロックする粒子により異常な値が存在する場合には、Q試験を使用して読み取りを無視し、再度採取させる。読み取り値は通常むしろ一定のままであるので、これがいつ起るかは明白である。許容できる平均を得るために、サンプル毎に最低3回の読み取り値が採取される。UV−Vis測定値を採取後、サンプルを濾過し、比較のために与えられるHPLC条件上で個別に実施する。次に双方の装置からのデータを標準曲線からの応答と一緒に相関させて、Ambrotose AO(R)サンプルからの緩徐に増加する応答を示す。
【0165】
結果
計測器は異なるかも知れないが、本研究から作成されたデータの要約が参照のために包含される。それは、与えられた実験条件下のAmbrotose AO(R)溶解の予測動態を理解する補助になる。以下はクエルセチン標準希釈物に対する、時間に対するUV−Vis吸光度応答と、HPLC縮尺曲線下面積の相関を要約する表及びグラフである。示される範囲はAmbrotose AO(R)からの0〜200%の予測クエルセチン活性である。3回の別の実験実施に対する平均を与え、示した実験は同一日に実施された。
【0166】
【表12】
【0167】
標準剤からの値の相関は、2種の装置間に見られる低い偏差に基づき有望であることが判明した。更に、クエルセチンの応答はAmbrotose AO(R)溶解試験から期待される可能な濃度の全領域にわたり、直線的であることが認められた。表13は各サンプルに対する、時間に対するUV−Vis吸光度と、縮尺HPLC曲線下面積との間の曲線の相関に与えられる同様な比較を示す。認められるように、2種の装置間には同様に低い偏差が認められる。これは、より簡単なUV−Vis法をAmbrotose AO(R)カプセルからの総クエルセチン時限放出を測定するための定量的手段として、単独で実施することができるという確信を示唆している。
【0168】
【表13】
【0169】
サンプルの曲線は、クエルセチン溶解と相関する応答において緩徐で一貫性の増加を示す。この応答は何の大きな片寄りもなく双方の装置で同等に認めることができる。反復試験はこの増加が、与えられる溶解条件下で平均4時間まで及ぶことを示した。更に強い相関を形成するために、異なるロットのサンプルを使用して、更なる反復試験を実施することができる。表12及び表13に示す結果はそれぞれ図19及び20に示したグラフにプロットされている。ペレットはモルタル及び乳棒で再粉砕する前に最低120秒間10,000psiで維持し、そして溶解試験のために再度カプセル封入した。
【0170】
考察
経時的吸光度曲線により測定される溶解研究中に、Ambrotose AO(R)は240分まで初期読み取り値を超えて活性を増加した。溶液中へのAmbrotose AO(R)カプセルの緩徐な、一定の崩壊が示され、それにより、腸内における緩徐な利用性として解釈することができる。圧縮錠又はカプセル形態からの視覚的崩壊のみが総合的溶解の完了点ではないことにも注目しなければならない。いくらかの微細カプセル封入材料がまだクエルセチンと結合して溶液中に分散されており、それが順次まだ利用可能でないものにさせるかも知れない。
【0171】
研究の視覚的分析により、ほぼT60において、大部分のカプセル材料はバルクカプセルから分離されたことが確証されたが、利用能の応答曲線は増加し続ける。この方法は、カプセルによる失敗したUSP及びBP崩壊法の証明として、そして食事補助剤の改変された放出を測定する手段として使用することができる。特に、これらの結果はAmbrotose AO(R)の改変された放出の出願(オーストラリア)を支持してもたらされ、そして他の食事補助錠又はカプセルの改変された放出に拡大される可能性を有する。該方法はまた、より複雑なHPLCの結果と同様な結果を担持する、簡単なUV−Vis測定における確証を与える。品質管理規格は、特定の時間の間隔において測定される、与えられる最大値に対する最少のクエルセチンの応答に基づく、この事実の周囲で構築することができる。十分な実施例がこれらの結果を支持し続けた後には、これらのタイプの結果に対するサンプル採取率は、減少させることができる。
【0172】
【表14】
【0173】
【表15】
【0174】
【表16】
【0175】
【表17】
【0176】
従って、同一条件:カプセル、重量、等を使用して、空にしそして、ローラー圧縮されないことを除いて同様な組成物のカプセルを使用して再充填された(カプセルの圧縮がすべてのサンプルに対して同一であることを保証するため)Ambrotose AO(R)カプセルに対して、クエルセチン溶解性を経時的に試験した。ローラー圧縮Ambrotose AO(R)はQmax(最大クエルセチン溶解)に達するための時間を4×〜8×増加した。緩い形態のAmbrotose(R)は即時放出された。視覚による比較は、ローラー圧縮カプセルは非ローラー圧縮バージョンの崩壊点を十分に超えて、その形態を維持したことを示す。説により制約されることを望まないが、Ambrotose(R)の長鎖ポリマーが鎖様に作用して、クエルセチン(又はそのための何か他の活性生体分子)が制御された速度で「滲出する(leeches out)」可能性がある。従って、長鎖多糖類、例えば、2〜約50,000の糖類モノマーの鎖を、1種又は複数の栄養学的に有効量の抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物と、約100、500、1000、2000又は10,000psiまでもの間に圧縮することができる。
【0177】
本明細書に記載の特定の態様は具体化により示され、本発明を限定するものとして示されたのではないことは理解されよう。本発明の主要な特徴物は本発明の範囲から逸脱せずに種々の態様に使用することができる。当業者は、定常の実験を超えないものを使用して、本明細書に記載の特定の方法に対する多数の同等物を認識し、又は確証することができるであろう。このような同等物は本発明の範囲内にあると考えられ、請求項により網羅される。
【0178】
本明細書に言及されたすべての刊行物及び特許出願物は、本発明が関与する当業者の技術レベルを示す。すべての刊行物及び特許出願物は、あたかも個々の刊行物又は特許出願物がそれぞれ特別に、そして個別に、引用により取り込まれていることを示したと同程度に、引用により本明細書に取り込まれている。
【0179】
本明細書に開示され、請求されたすべての組成物及び/又は方法は、本開示を踏まえて、必要以上の実験を伴わずに調製、実施することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい態様について説明されてきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記載された組成物及び/又は方法に、そして方法の段階又は段階の系列に、変更を適用することができることは当業者に明白であろう。より具体的には、同一又は同様な結果を達成するであろうが、化学的及び生理学的双方に関連した特定の物質を本明細書に記載された物質と置き換えることができることは明白であろう。当業者に明白な、すべてのこのような置換体及び改変物は、付記の請求項により定義される本発明の精神、範囲及び概念内にあると判断される。
【0180】
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【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】ORAC(o)の直接的抗酸化装置を表わす。
【図2】本発明のORAC(o)法のフロー図である。
【図3】開始剤としてAAPH、標準剤としてTrolox(R)、そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)におけるブランク溶液を比較する2種のグラフである。
【図4】開始剤としてAAPH、標準剤としてTrolox(R)そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)における抗酸化剤の標準剤Trolox(R)を比較する2種のグラフである。
【図5】標準剤としてAAPH、開始剤としてTrolox(R)そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)におけるブランク溶液、標準剤及びサンプル)を比較する2種のグラフである。
【図6】本発明のORAC(o)法により測定される、10μg/mLの濃度における各成分に別々に比較される、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物の抗酸化効果を示すグラフである。
【図7】本発明のORAC(o)法により測定される、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物、並びに対照としてのTrolox(R)の抗酸化効果を示すグラフである。
【図8】抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用する、クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定比率からの曲線下面積(AUC)の結果のグラフである。
【図9】クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定からの期待された結果に比較された、期待された結果(線)及び線より上に検出される相乗性の程度を示す抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用する、クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定比からのAUC結果のもう1つのグラフである。
【図10】49.18%のクエルセチン、32.79%の混合トコフェロール及び1.64%のブッシュプラムの存在下の、ブドウの皮抽出物及び緑茶抽出物の変動比率に対するORAC(o)アッセイからの結果を示すグラフである。緑茶抽出物に対するブドウの皮抽出物の最適な比率は60/40〜80/20である。
【図11】10μg/mLの濃度の各成分に別々に比較された、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物のORAC(fl)の結果を示すグラフである。
【図12】アセトン:水中に溶解されたα−トコフェロールに対するクエルセチンの滴定を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図13】溶媒:水:洗剤混合物中に溶解されたクエルセチン:α−トコフェロール比の固定比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図14】洗剤混合物に対する2種の異なる割合の溶媒:水中に溶解された、固定比率のクエルセチン:α−トコフェロール比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図15】クエルセチン及び混合トコフェロールの異なる比率により得られるORAC(o)値を示すグラフである。
【図16】異なる比率のブドウの種抽出物及び緑茶抽出物に対するORAC(o)値を示すグラフである。
【図17】最大のクエルセチン:混合トコフェロール及びブドウの種抽出物及び緑茶抽出物比率の組み合わせ物のORAC(o)値を示すグラフである。
【図18】最初の研究に対して選択される3種のモジュールを示す。
【図19−20】それぞれ、HPLC及びUV/Visによる、クエルセチンの相対的放出プロファイルを示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は概括的に栄養補助剤の改変された放出の分野、そしてより具体的には消化中の食品のものにより近く類似する栄養補助を提供する組成物、調合物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景は、その範囲を限定することなく、抗酸化物センサー工学及び検出法に関連して説明される。
【0003】
生体系は、ラジカル及び他の酸化促進物質の効果と闘う抗酸化系を発達させてきた。抗酸化物質は、酸化可能な基質の濃度に比較して低い濃度で存在する時に、酸化可能な基質の酸化を著しく遅らせ又は抑制するあらゆる物質である。多数の生物によりコードされているスーパーオキシド・ジスムターゼ及びカタラーゼのような抗酸化物質である酵素が存在する。ビタミンC及び植物フェノールのような物質は、生体系中に食餌を通して導入される抗酸化物質である。これらの物質の天然に存在するレベルは、体内では適当に生成されず、また通常の食餌においては摂取されないことが提唱されてきた。抗酸化物質は果実及び野菜中に欠乏しており、そして/又は食餌中に存在する果実及び野菜は現代の加工のお陰でそれらの抗酸化物が枯渇しているために、通常の食餌はしばしば、十分な抗酸化物質を提供しない。通常の食餌は改善することができるであろうが、今日の生活様式及び西欧式食品の貧弱な組成が、補助食品摂取を、身体により要求される抗酸化物質を送達するためのもっとも実際的方法にさせる。通常の食餌を補助するためには、補助剤中に包含される成分の抗酸化能を決定することが必要である。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、栄養学的に有効量の、例えば抗酸化物、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物の改変された放出のための組成物、方法及び調合物を包含し、ここで補助剤は長鎖多糖類の存在下で100psiより大きい圧力で圧縮される。同様な条件:カプセル、重量、等を使用し、指標栄養物、例えば抗酸化物を使用すると、本発明は長鎖の多糖類とともに圧縮されると、栄養剤の経時的溶解を許すことが見いだされた。栄養補助計画の一部であることもできる長鎖多糖類の例は、例えば2〜約50,000の糖類モノマーの長さを有するモノマーのサブユニットをもつことができ、約100、500、1000、2000又は10,000psi以上までもの間に圧縮されてもよい。即時に放出される今日使用されている大部分の栄養補助剤と異なり、本発明は1種又は複数の抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物のより自然な放出を許す。本発明は、食料(food stuff)と異なり、科学的であるが、またより自然な両方の方法で、必須栄養素の特定の欠乏を補助するために使用することができる。
【0005】
補助剤はカプセル、植物性カプセル又はハードゼラチンのカプセル内に入れることができる。例えば5,000psiより大きい、より高い圧力で圧縮されると、85%を超える栄養補助剤が約1時間〜約8時間の間に、他の調合物中では85%を超える栄養素補助剤が約2時間〜約6時間の間に放出されることが見いだされた。長鎖の多糖類はガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択されるモノマーを包含することができる。補助剤は約2,000〜10,000、5,000〜10,000又は10,000psiより大きい圧力でローラー圧縮により圧縮することができる。1種又は複数の長鎖多糖類は約0.1〜約75重量パーセントの間の例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物を有することができる。
【0006】
補助剤は例えば、単離、精製されたトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物からの、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロースから選択される1種又は複数の長鎖多糖類を包含することができる。1つの特別な例において、長鎖多糖類及び/又は栄養学的に有効量の1種又は複数の糖類は、それぞれ約1〜約10重量パーセントの間の単離、精製されたガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース及びそれらの混合物又は組み合わせ物を包含する。
【0007】
本発明のもう1つの態様において、放出を改変された食餌補助剤は、単離、精製されたトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択される1種又は複数の単離、精製された長鎖多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を包含し、ここで長鎖多糖類及び栄養補助剤は2,000psiより大きい圧力でローラー圧縮される。
【0008】
本発明のもう1つの放出を改変された食餌補助剤は、栄養学的に有効量の1種又は複数の単離、精製された長鎖多糖類、1種又は複数の親油性抗酸化物及び1種又は複数の疎油性抗酸化物を包含し、ここで補助剤は5,000psiより大きい圧力でローラー圧縮される。
【0009】
本発明はまた、100、500、1,000、2,000、5,000又は10,000psiより大きい圧力で圧縮される、1種又は複数の長鎖多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、ハーブ抽出物、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される栄養学的に有効量の1種又は複数の栄養補助剤を混合することにより放出を改変された食餌補助剤を製剤する方法を包含する。該方法はトラガカントガム、グアルガム、穀粉、米粉、サトウキビ、ビート糖、ジャガイモ、牛乳、寒天、アルギン、ローカストビーンガム、オオバコ、カラヤガム、種子ガム、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガムガッチ、デンプン、セルロース、分解セルロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ペクチン、キチン、アカシア、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、デキストラン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、スクロース、アセチル化ポリマンノース、マルトース、グルカン、レンチナン、マンナン、レバン、ヘミセルロース、イヌリン、フルクタン、ラクトース及びそれらの混合物又は組み合わせ物からの栄養学的に有効量の1種又は複数の単離、精製された多糖類並びに抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を包含する放出を改変された食餌補助剤を製造するために使用することができ、ここで多糖類及び栄養補助剤は2,000psiより大きい圧力で圧縮される。
【0010】
本発明はまた、総サンプルの酸化レベル及び総サンプルの酸化状態に対する抗酸化物の効果を直接測定する抗酸化物センサー及び方法を包含する。本発明はまた、最適な健康のために有効量の抗酸化物を個体に与えるために有用な組成物及び方法を包含する。本明細書に開示される装置及び方法は、実時間と同時に、そして直接に、サンプルの総合的抗酸化能を検出する。本発明者は、当該技術分野が2種の相互に相反する分類の抗酸化物(親油性及び疎油性)を人工的に創造し、それらを別々に測定してきたことを認識した。更に、当該技術分野はまた、一般にラジカルの存在を間接的に、すなわち検出可能なリポーターの分子を使用して測定してきた。
【0011】
本発明は迅速な、安価なそして直接的な検出システムを使用することにより先行技術の検出器及び方法の限界を克服する。これらの限界に対処するために、本発明者は本明細書に開示される「酸素ラジカル吸光能−酸素(ORAC(o))」装置及び方法を開発した。ORAC(o)装置を使用することにより、本発明者は初めて、同時にそして実時間に、溶解された酸素のレベルに対する親油性及び疎油性抗酸化物双方の効果を測定することができた。ORAC(o)アッセイを使用することにより、発明者はまた、単独であるいは1種又は複数の抗酸化物増強剤と組み合わせて使用することができる、相乗的抗酸化組成物を開発することができた。
【0012】
より具体的には、本発明は、溶媒/水/界面活性剤混合物中のサンプル及び酸素ラジカル感受性分子と流体連絡して溶解された酸素センサーを包含する、親油性及び疎油性抗酸化物双方の抗酸化活性を直接検出するための装置を包含し、ここで酸素ラジカル感受性センサーは溶媒/水/界面活性剤混合物中の親油性及び疎油性抗酸化物双方を同時に検出する。酸素ラジカル感受性分子は、酸素と反応するであろう分子、例えば共役二重結合をもつ分子、あるいは窒素又は硫黄含有化合物であることができる。酸素ラジカル感受性分子の例は、例えばフルオレセイン、β−フィコエリスリン(β−PE)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、リノール酸又はそれらの組み合わせ物である。酸素ラジカルのレベルは溶媒/水/界面活性剤混合物中の溶解された酸素メーター又はセンサーを直接使用して決定される。溶解酸素のレベルは酸素センサー、例えば、電気化学的、化学発光、表面プラズモン共鳴、赤外線、電気容量結合、色素結合光ファイバー又はハイパースペクトル酸素センサーを使用して決定することができる。溶解酸素メーター又はセンサーは高処理分析のために直列に配置してもよく、単一のサンプル検出計であってもよく、そして/又はオフィス又は家庭用使用のためにすら、適応させることができる。溶媒は有機溶媒、例えばアセトンであってもよい。界面活性剤は洗剤、例えばTween−20のような非−イオン性洗剤であってもよい。溶媒/水/界面活性剤混合物中の溶媒は、概括的に溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約10〜90容量パーセント、例えば33%である。溶媒/水/界面活性剤混合物中の水は概括的に溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約10〜90容量パーセント、例えば33〜67%である。溶媒/水/界面活性剤混合物中の界面活性剤(又は洗剤)は溶媒/水/界面活性剤混合物の少なくとも約0.1〜10容量パーセントであり、水中に溶解して保存してもよい。1つの特定の例において、溶媒/水/界面活性剤の比は約1:1:1である。
【0013】
装置は更に1種又は複数のプロセッサー、例えば、検出器を制御し、データを収集し、データを保存し、データ及び/又は情報のデータベースに基づいて計算を実施し、そして/又はデータ又はデータの要約を表、グラフ、図等の形態に表示することができるコンピューター、を包含することができる。プロセッサー/コンピューターはまた、酸素センサー及び溶媒/水/界面活性剤混合物と流体連絡している流体系に接続されて、制御すらすることができる。本発明は、、知られた標準剤の活性の結果として認められる酸素の相対的消失に対して、抗酸化能について試験されているサンプルの活性からもたらされる酸素の相対的消失を相関させる曲線下面積を測定する。本発明及び本明細書に記載の方法を使用することにより、溶解された酸素のレベルを、親油性及び疎油性抗酸化物双方を包含する溶液中で、同時に、直接、測定する。AUCを計算するための式の1例は:
【0014】
【数1】
【0015】
[式中、AUCSMPはサンプルの曲線下面積値であり、
AUCBLNKはブランクの曲線下面積値であり、
AUCTRLXはTrolox(R)に対する曲線下面積値であり、そして
SMPはサンプルである]
であることができる。
【0016】
本発明はまた、1種又は複数の抗酸化物及び酸素ラジカルの標的の存在下で溶媒/水/界面活性剤混合物中に溶解された試験溶液中の溶解された酸素レベルを決定する段階を包含する、抗酸化活性を直接決定する方法を包含し、ここで水溶性及び脂溶性双方の抗酸化活性が酸素検出器で測定される。溶解された酸素ラジカルレベルは酸素検出器、例えば、電気化学的、化学発光的、表面プラズモン共鳴、電気容量結合、色素結合光ファイバー又はハイパースペクトル酸素センサーを使用して決定することができる。抗酸化活性は摂氏約37度で測定することができる。ラジカル開始剤の例は、例えば2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)[2−(N−ステアリル)アミジノプロパン]2塩酸(SA−1)、2,2’−アゾ(2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン)−[2−[2−(4−n−オクチル)イミダゾリン−2−イル]−プロパン]2塩酸(C−8)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)、それらの塩、混合物又は同等物を包含する。検出器は使い捨て物ですらあってもよい。
【0017】
本発明はまた、あらゆる単離、精製された疎油性抗酸化物及びあらゆる単離、精製された親油性抗酸化物を包含する食餌補助剤を包含し、ここで合わせた疎油性及び親油性抗酸化物は6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより大きい溶解酸素値を有する。当業者は、その値をまた、液体の当量として、例えば、6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/ミリリッターとして表わすことができることを認めるであろう。疎油性及び親油性抗酸化物は徐放性であり、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物から選択される1種又は複数のビタミンEを包含することができる。親油性抗酸化物の例はクエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物を包含する。
【0018】
あらゆる単離、精製された疎油性抗酸化物及びあらゆる単離、精製された親油性抗酸化物を包含する食餌補助剤はまた、2種以上の必須糖類、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化−マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及び/又はキシロースを包含することができる。1つの態様において、補助剤はまた、ビタミンC源、例えば、オーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルジナンジアナ(Terminalia ferdinandiana))のような高レベルの天然の生体利用性ビタミンCを含む植物源を包含する。もう1つの特別の態様において、ビタミンCは、農場で育成されるブッシュプラムより高率のビタミンCを含む野生のオーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルジナンジアナ(Terminalia ferdinandiana))のようなビタミンCの植物源からの抗酸化活性の増強剤である。補助剤はまた、1種又は複数のプロバイオチック、例えば、乳酸桿菌及びビフィズス菌を包含することができる。補助剤は圧縮されて、全般に酸素不透過性表面、例えば、ローラー圧縮粒子、カプセル、錠剤、ミニタブ、カプレット、発泡錠又はそれらの組み合わせ物を提供することができる。
【0019】
ORAC(o)の装置及び前記の方法との比較のポイントとして、単離,精製された親油性及び疎油性抗酸化物は7000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより大きい抗酸化ORAC(fl−lipo)値を有するであろう。本発明は、それらの食餌中に本発明の抗酸化物を包含した抗酸化物/糖類栄養剤ブレンドを摂取している各個体における抗酸化レベルの変化を測定するための一般標識研究(open label study)において使用された。疎油性及び親油性抗酸化物は患者に提供されると、ORAC(β−PE)により測定される、累積的患者集団の平均基底抗酸化物レベルから、13%を超えた平均増加をもたらした。本発明はまた、多数の組成物を包含する。本明細書に開示される組成物は、近年、利用可能な食餌補助剤が、個々の成分から期待される活性より高い、測定可能な活性をもつ親油性及び疎油性抗酸化物を合わせることに失敗している事実の認識に基づく。本発明の装置及び方法を使用することにより、本発明者は親油性及び疎油性抗酸化物の相乗的組み合わせ物を開発することのみならずまた、抗酸化活性の増強剤をも添加することができた。
【0020】
クエルセチンのようなフラボノイドは近年、遺伝子の抗酸化物応答要素により、グルタチオン合成における速度限定酵素の重要なサブユニット、ガンマ−グルタミルシステイン合成酵素の転写を増加することが示された。次に、増加された転写は組織培養細胞中の還元された(活性)グルタチオンの増加した細胞内レベルに表わされる。クエルセチンは赤ワイン、ブドウの皮及びタマネギの主要成分である。赤ワイン、ブドウの皮及びタマネギからのクエルセチンの研究により、健康に対して有益な効果が示唆される。クエルセチンはヒトにより十分に吸収されることが示されている。1つの研究により、食後2時間で、摂取されたすべてのクエルセチンが代謝されたことが示された(European Research on Functional Effects of Dietary Antioxidants, September 25−28,2002,Cambridge,UK参照)。中程度の量の赤ワインを摂取している被験者において実質的に減少したLDL酸化を見いだしたので、研究者は、防護効果がクエルセチン及びその代謝物の活性に起因する可能性が非常に大きいと主張した。クエルセチンはまた、赤血球の安定性を高めることが示されている。
【0021】
本発明者は、酸化ストレスに影響を与える多数のそして広範な因子のために、抗酸化物補助剤投与は個体の需要及び化学に対して合わせる必要があるであろうことを認識した。更に、個体の異なる需要を充たすためには、トコフェロールの組み合わせ物が必要であることが認められた。いくつかの抗酸化物は身体により「選択される」ので、トコフェロールの組み合わせ物が必要である。例えば、北米の食餌中のビタミンEの主要形態は、植物油並びに大豆及びトウモロコシから誘導される製品中に一般に認められるガンマ−トコフェロールである。しかし、身体は主としてアルファ−トコフェロールを保持する。アルファ−トコフェロール移動タンパク質に基づく特別の方法が、身体中のアルファ−トコフェロールの濃度を制御することが見いだされた。先行技術における抗酸化組成物と異なり、本発明は多数の形態のビタミンEを身体に供給するために混合トコフェロールを使用して、各形態の最適量の選択、保持及び使用を許す。更に、クエルセチン及び混合トコフェロールの相乗的組み合わせ物は、個体の需要に基づいて異なる可能性がある、広範な抗酸化栄養物の最適な選択を身体に提供する。
【0022】
本発明者はこれらの抗酸化物の活性を増加する補助になる化合物を添加することにより、相乗的クエルセチン及び混合トコフェロール組み合わせ物の活性を更に最大にすることを追求した。1つのこのような増強剤はビタミンCである。ビタミンCはそれに起因する著しい抗酸化活性並びに幾つかの非抗酸化性栄養機能を有する。多数の人々が、酸化促進性を特に遷移金属の存在下でビタミンCによるものとする。ビタミンCの酸化促進性は全く破壊性ではない。しかし、他の研究者は、非結合金属の存在下ですら、ビタミンCが抗酸化物として働くことを見いだしたと主張している。抗酸化活性の他の増強剤は、ブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物のような天然の抽出物を包含する。1つの研究において、緑茶はインビトロで強力な抗突然変異活性を示し、ラット結腸の発癌物質誘導の前癌病巣の発生を抑制した。緑茶はまた、腸のポリープの形成を有意に抑制した。従って、本発明者は、クエルセチン及び混合トコフェロールのような天然源からの精製、単離された抗酸化物の相乗的組み合わせ物を合わせたのみならずまた、これらの物質の検出可能な抗酸化活性を増強する増強剤を添加した。
【0023】
更に特には、食餌補助剤の組成物は、栄養学的に有効量の2種以上の必須糖類、単離、精製された疎油性酸素ラジカル失活剤並びに単離、精製された親油性酸素ラジカル失活剤を包含し、ここで合わせた疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は6,000μモルTrolox(R)当量(TE)/グラムより高い酸素ラジカル失活値を有する。1つのアッセイにおいて、疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は患者に投与されると、ORAC(fl−lipo)により測定されて、患者集団の基底抗酸化レベルから13%を超える平均増加をもたらす。疎油性及び親油性酸素ラジカル失活剤は持続放出用にパッケージされ、そして1種又は複数の以下のビタミンE分子:アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物を包含することができる。親油性酸素ラジカル失活剤は1種又は複数の以下の物質:フラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物を包含することができる。補助剤は更に、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロース、それらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される2種以上の糖類を包含することができる。
【0024】
本発明の特徴物及び利点のより完全な理解のために、次に、付記の図面とともに本発明の詳細な説明を参照される。
【0025】
発明の詳細な説明
本発明の種々の態様の製造及び使用は以下に詳細に考察されるが、本発明は広範な特定の背景において具体化することができる多数の適用可能な発明の構想を提供することが認識されなければならない。本明細書で考察される特別の態様は本発明を調製し、使用するための特定の方法を単に示すもので、発明の範囲を限定するものではない。
【0026】
本発明の理解を容易にするために、幾つかの用語が以下に定義される。本明細書で定義される用語は本発明に関連する分野における当業者により、一般に理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」のような用語は単数の物質を表わすことを意図されるのみならず、その特定の例を具体化のために使用することができる一般的クラスを包含する。本明細書の用語は本発明の特定の態様を説明するために使用されるが、それらの使用は請求項中に概説されるものを除き、本発明を限定するものではない。
【0027】
本発明は一部は、当該技術分野が2種の相互に相いれない範疇の抗酸化物を創造し、それらを別々に測定してきた事実の認識に基づく。更に、当該技術分野はまた、概括的に、ラジカルの存在を間接的に、すなわちリポーター分子を使用して測定してきた。本発明はサンプルの総合的抗酸化能を同時に検出するのみならずまた、直接的に検出する装置及び方法を提供する。
【0028】
本明細書で使用される用語「必須糖類」は、細胞の糖タンパク質のオリゴ糖鎖中に一般的に見いだされ、そして食餌により又は人体中の生化学的製造によっては容易には利用可能にできない単糖類を規定するために使用される[例えば、Harper’s Biochemistry(Murray et al.,1996)(リスト番号8)及びPrinciples of Biochemistry,Vol II(Zubay,et al.,1995)(リスト番号11)参照]。200種以上の単糖類が自然界に発見されているが、これら11種:ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、イズロン酸、アラビノース及びグルクロン酸、が哺乳動物の良好な健康を維持するために重要であると考えられる。これらの炭水化物の構造は周知である[例えば、Stryer’s Biochemistry(Stryer,1995)及びthe Merck Index,12th Edition,1996参照]。
【0029】
本明細書で使用される用語「長鎖糖類」及び「長鎖多糖類」は、鎖内水素結合可能な2種以上の糖類を有する糖類の鎖を表わすために使用される。例えば、米国特許第4,735,935号明細書中の、引用により本明細書中に取り込まれた関連部分は、沈殿、凍結乾燥された長鎖多糖類が2〜約50,000のモノマー/鎖1本を有する、アロエ・ベラからの長鎖多糖類の単離法を教示している。長鎖多糖類は、本明細書で教示され、開示されたように種々の植物及び動物原料から単離することができる。本発明の長鎖多糖類を単離し、精製し、そして特定の鎖長又はそれらの組み合わせ物をすら単離することは、例えば、長鎖多糖類を加水分解し、長鎖多糖類の特定の長さのバルク単離、より長い長鎖多糖類のポリマー化、より短い及びより長い長鎖多糖類の組み合わせ物の選択、例えば、電気穿孔法、FPLC、HPLC、サイズ排除、サイズ排除クロマトグラフィー、沈殿等による長鎖多糖類の分離、により得ることができる。
【0030】
本明細書で使用される用語「改変された放出」は本明細書では、本発明の調合物を使用して、約60分間〜約2、4、6、8又はそれ以上の時間の間であると本明細書で定義される長期間にわたり、栄養学的に有効量の栄養物の送達を実施するための放出プロファイルを表わすために使用される。改変された放出はまた、約60分間〜約2、4、6、又は8時間後までもの栄養物の80〜90パーセント(%)を超える放出として機能的に定義することができる。改変された放出はまた、幾つかの活性物質は動物により絶対吸収されることはできないので、摂取法に関係なく、患者又は被験体に栄養物を利用可能にさせることにより評価することができる。コーティング材及び/又はコーティングの厚さの選択により、小腸及び大腸双方に、小腸のみに、又は大腸のみに送達を達成するために、本明細書に開示されたように、種々の改変された放出投与剤形が当業者により容易にデザインされることができる。長鎖多糖類に実施することができる改変の例は、例えば、長鎖多糖類中の糖類の種類又は組成を変更すること、糖類の側鎖を化学的に(有機的又は化学的に)改変すること(例えば、アセチル化)、長鎖多糖類を加水分解すること、長鎖多糖類を分粒すること、より長い長鎖多糖類をポリマー化すること、より短い及びより長い長鎖多糖類の組み合わせ物を選択すること、長鎖多糖類を例えば、電気穿孔法、FPLC、HPLC、サイズ除去、サイズ除去クロマトグラフィー、沈殿等により分離すること、を包含する。持続性放出調合物は、改変された放出の変更が存在しない場合にはそこまで達成されなかったであろう、より遠位の、より下部の腸管中のいずれかの一般に予測可能な部位で、放出が達成されるように調製され、送達されることができる。
【0031】
本発明は単独で、あるいは栄養物の放出を遅らせるための、1種又は複数の方法、技術、機械的、化学的及び他の改変、カプセル封入、パッキング等、例えば、カプセル、ゲルカプ又はコーティングすらと組み合わせて、使用することができる。カプセルの例は動物、野菜、ポリマー、それらの混合物及び組み合わせ物を包含する。コーティング(種類、厚さ、等)は、一部又は全体のコーティングが、約5未満のpHの胃液中に溶解しないが、pH約5以上で溶解するような十分な厚さに適用することができる。
【0032】
本明細書で使用される用語「栄養学的に有効量」は、哺乳動物に有益な栄養学的効果又は反応を与えるであろう量を規定するために使用される。例えば、ビタミン−及びミネラル−含有食餌補助剤に対する栄養学的応答は哺乳動物により異なるので、栄養学的に有効量のビタミン及びミネラルはそれぞれ異なるであろうことを理解しなければならない。同様に、必須アミノ酸、ビタミン−C、鉄、ヨウ素、ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂質等の欠乏は、生理学的及び細胞機能に影響を与えることが知られている。本明細書に開示された栄養学的有効量の抗酸化物及び糖類は、これらの栄養補助剤のためのそれらの食餌を維持又は増強することを追求する、例えばヒトの食餌中の、これらの重要な栄養物のレベルを維持しそして/又は高める働きをする。従って、ある哺乳動物は一定の量で存在するビタミン及びミネラルの特定のプロファイルを必要とするかも知れないが、もう1種の哺乳動物は、異なる規定量で存在するビタミン及びミネラルの同様な特定のプロファイルを必要とするかも知れない。
【0033】
本明細書で使用される「抗酸化物」は酸化可能な標的分子の酸化を遅らせる又は抑制するいずれかの分子を意味する。抗酸化物は:生物学的に重要な反応性フリーラジカル又は他の反応性酸素物質(例えば、O2−、H2O2、HOCl、フェリル、ペルオキシル、ペルオキシナイトライト及びアルコキシル)を取り除く、酸素ラジカルの形成を抑制する、あるいはフリーラジカル又は他の反応性酸素物質を反応性の低い物質に触媒により転化させる、ことにより作用する。抗酸化物は概括的に2クラス:(1)脂質(親油性又は疎水性)抗酸化物、及び(2)水性(疎油性又は親水性)抗酸化物、に分類される。脂質の抗酸化物の例は、それらに限定はされないが、コア脂質コンパートメント中に位置するカロテノイド(例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リコペン、α−カロテン及びβ−カロテン)並びに脂質コンパートメントの界面に位置するトコフェロール(例えば、ビタミンE、α−トコフェロール、γ−トコフェロール及びδ−トコフェロール)並びにレチノイド(例えばビタミンA、レチノール及びパルミチン酸レチニル)並びに脂溶性ポリフェノール、例えばクエルセチンを包含する。水性抗酸化物の例はそれらに限定はされないが、アスコルビン酸及びその酸化形態の「デヒドロアスコルビン酸」、尿酸及びその酸化形態「アラントイン」、ビリルビン、アルブミン及びビタミンC及び、リン脂質膜に高い親和性をもつ、カテキンのような水溶性ポリフェノール、イソフラボン並びにプロシアニジンを包含する。
【0034】
酸素ラジカルの相対的レベル及び抗酸化能を検出する一般に使用される方法は「酸素ラジカル吸光能(ORAC)アッセイ」である。知られたORAC−タイプのアッセイにおいては、抗酸化値は特定の酸素ラジカルによる酸化に対して良好な標的であるか又はそうでないかにかかわらず、例えば、蛍光又は他の検出可能な分子上の酸素ラジカルの効果を測定することにより間接的に測定される。一般に、抗酸化物で未処理のサンプル(すなわち対照サンプル)と比較して、抗酸化物が試験サンプルに添加されると、スーパーオキシドのようなフリーラジカル又は、過酸化水素のような非ラジカルの反応性酸素物質の量の検出可能な減少がサンプル中で認められる。しかし、これらの間接的な方法は、仲介物に対するラジカルの効果が酸化物質及び抗酸化物質の相対的レベルの真の反映物であるとの推定により、測定される仲介物(例えば、フルオレセイン、β−フィトエリスリン(β−PE)等)を介して抗酸化状態の変化をモニターする。これらのアッセイのための対照は、サンプルの標準物として測定され、使用される知られた濃度の酸素ラジカル発生剤及び知られた抗酸化物質である。
【0035】
本明細書で使用される用語「フリーラジカル」は、少なくとも1個の対をもたない電子を含有する分子を表わす。大部分の分子は偶数の電子を含有し、それらの共有結合は通常、共有された電子対を包含する。このような結合の分裂が、それぞれ対をもたない電子(あらゆる対をもつ電子に加えて)を伴う2個の別々のフリーラジカルを生成する。フリーラジカルは電気的に帯電しているか又は中性であり、著しく反応性であことができ、そして通常寿命が短い。フリーラジカルは相互に又は対をもたない電子をもつ原子と結合する。正常な分子と反応すると、フリーラジカルはそれら自身の電子構造を完成しようとして、新規のラジカルを生成し、それが他の分子と反応し続け、連鎖反応を生成する。フリーラジカルの連鎖反応は高温における物質の分解及び重合化において特に重要である。身体においては、酸化されたフリーラジカルは損傷組織の原因である。熱、紫外線及びイオン化光線はすべてフリーラジカルを生成する。フリーラジカルは酸化的代謝の二次効果として生成される。過剰なフリーラジカルはスーパーオキシド・ジスムターゼ、カタラーゼ及びペルオキシダーゼのような天然の防御酵素を制圧することができる。過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(HO.)、一重項酸素(1O2)、スーパーオキシド・アニオンラジカル(O・2−.)、一酸化窒素ラジカル(NO・)、ペルオキシルラジカル(ROO・)、ペルオキシナイトライト(ONOO−)のようなフリーラジカルは脂質又は水コンパートメントのいずれかに存在することができる。抗酸化性栄養素(例えば、ビタミンC及びE、セレン、ポリフェノール)はこれらの効果を減少させることができる。
【0036】
本明細書で使用される慣用句「脂質コンパートメント」は環式又は非環式長鎖脂肪族炭化水素を有する化合物並びに脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール及びアルデヒドのようなそれらの誘導体を表わす。例えば、一般的脂質は脂肪酸、脂肪、リン脂質、ステロイド、エイコサノイド、ワックス及び脂溶性ビタミンを包含する。幾つかの脂質は概括的に2群、単純な脂質及び複合脂質、例えば、トリグリセリド又は脂肪及び油、グリセロールの脂肪酸エステル、ワックス、長鎖アルコールの脂肪酸エステル並びに、コレステロール及びエルゴステロールのようなステロイド、に分類することができる。複合脂質は例えば、ホスファチド又はリン脂質(リン含有脂質)、糖脂質(炭水化物含有脂質)、及びスフィンゴ脂質(スフィンゴシン含有脂質)を包含する。
【0037】
本明細書で使用される用語「脂質」は脂肪又は脂肪様物質を包含する。該用語はタンパク質又は炭水化物のような化学名よりむしろ説明的である。脂質は真の脂肪(すなわち脂肪酸とグリセロールのエステル)、リポイド(すなわち、リン脂質、セレブロシド、ワックス)及びステロール(すなわちコレステロール、エルゴストロール)を包含する。脂質は自動酸化のような機序による酸化の標的であることができる。本明細書で使用される用語「脂肪酸」は、例えば陰性に帯電した概括的に線状の炭化水素鎖の群を表わす。脂肪酸の炭化水素鎖は長さ及び酸化状態が異なる。概括的に、脂肪酸は陰性に帯電した部分(例えば、カルボキシル端における)及び、脂肪酸の水溶性及び両親媒性を決定する「テール」部分を有する。例えば、脂肪酸は細胞の内部にエネルギーを貯蔵するために使用される又は血流中の脂肪を輸送するための脂肪として、生体膜を包含するリン脂質の成分である。本明細書で使用される用語「リン脂質」は、以下の副グループ:脂肪酸、アルコール及び窒素含有塩基、の少なくとも1種を包含するリン酸のエステルのいずれかのクラスを表わす。
【0038】
本明細書で使用される用語「1種又は複数の脂肪」は脂肪酸のグリセリルエステルのいずれか、例えば、脂肪酸のモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロール形態を表わす。トリグリセリドは中性に帯電し、完全に疎水性の分子、すなわち還元された分子を表わす。モノアシルグリセリド及びジアシルグリセリドはリン脂質の合成における代謝中間体であるが、他方、トリグリセリドは水を含有しない圧縮された状態に化学エネルギーを貯蔵するために使用される脂肪分子を形成する。本明細書で使用される用語「脂溶性ビタミン」は、例えば一般的な脂溶性ビタミンを表わし、ビタミン(A)(レチノール)、ビタミンD(例えば、ビタミンD3(コレカルシフェロール))、ビタミンE、ビタミンK等を包含する。
【0039】
本明細書で使用される慣用句「脂質の抗酸化活性」又は「脂質抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの脂質コンパートメントから生ずる抗酸化能の量(measurement)を表わす。本明細書で使用される慣用句「水性抗酸化活性」又は「水性抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの水性コンパートメントから生ずる抗酸化能の量(measurement)を表わす。本明細書で使用される慣用句「総合的抗酸化活性」又は「総合的抗酸化能」は互換性に使用され、サンプルの脂質及び水性部分双方から生ずる抗酸化能の量を表わす。
【0040】
本明細書で使用される慣用句「水性コンパートメント」は脂質コンパートメントと相互反応しない流体サンプルの部分を表わす。水性コンパートメントは血液、血漿、血清、便、脳脊髄液、羊膜液、腸液、リンパ液及び滑液のような生体液サンプルを包含する。例えば、血清のような流体サンプルの水性コンパートメントは、血液を凝固させ、遠心分離して血液細胞及び凝固要素を除去後に残留する液体部分のみならずまた、タンパク質(例えば、アルブミン及びグロブリン)、抗体、酵素、少量の栄養有機物質(アミノ酸及びグルコースのような)、無機物質(ナトリウム、塩化物、硫酸化物、リン酸塩、カルシウム、カリウム、重炭酸塩、マグネシウム、ヨウ素、亜鉛及び鉄のような)、少量の老廃物(尿素、尿酸、キサンチン、クレアチニン、クレアチン、胆汁色素及びアンモニアのような)及び痕跡量のガス(酸素及び二酸化炭素のような)のような他の化合物もまた包含する可能性がある。流体サンプルはまた、非生体サンプル、例えば、化学調合物、合成組成物又は食品及び化粧品である可能性もある。
【0041】
本明細書で使用される用語「サンプル」は、そこでフリーラジカルを、フリーラジカル生成剤(例えば、親油性フリーラジカル生成剤又は親水性フリーラジカル生成剤)を使用して生成することができ、そして本発明の(ORAC(o))検出器及び方法を使用して検出することができる液体又は流体の生体サンプルあるいは固体の生体サンプルを表わす。生体サンプルは例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿、羊膜液、間隙液及び滑液を包含する。固体の生体サンプルは例えば、組織、細胞、組織培養物、固定細胞、細胞上澄みあるいは組織又は細胞物質の一部(又は抽出物)までをも包含する。用語のサンプルはまた、化学溶液、合成組成物及び食品のような非生体サンプルをも包含する。本明細書で使用される用語「相対的ORAC(o)」及び「ORAC(o)」は1グラム又は1ミリリッター当たりのTrolox(R)のミクロ−モルに対する当量により測定される同等な値を表わす。マイナス値のORAC(o)は、組成物が酸化促進剤、すなわち抗酸化物として働くよりむしろ酸化を促進する物質であることを示す、ブランクで得られるものより低いラジカル失活作用を表わす。
【0042】
本明細書で使用される慣用句「ラジカル生成剤」又は「ラジカル開始剤」は互換性に使用され、フリーラジカルを生成する物質、化合物又は分子を表わす。ラジカル生成剤は、測定されたレベルで、例えば、抗酸化物又は酸化可能なインジケーターがフリーラジカルと相互反応して、測定可能な又は検出可能な出力をもたらすことができるレベルで、フリーラジカルを生成することができる。ラジカル生成剤の例は、知られた一定速度でフリーラジカルの束を生成する化合物である、例えばアゾラジカル生成剤を包含する。アゾラジカル生成剤の例は、例えば2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、鉄、アスコルビン酸及び金属イオンを包含する。
【0043】
本明細書で使用される「被験体」はあらゆる生存生物を表わす。用語の被験体は、例えば魚、哺乳動物、爬虫類、鳥類、昆虫等を包含する。特別な例はヒト、ヒト以外の霊長類(例えば、ジンパンジー及び他の類人猿及び猿類)、農場動物(牛、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマ)、家畜の哺乳動物(例えば、イヌ及びネコ)、実験室動物(マウス、ラット及びモルモット等のような齧歯動物を含む)を包含する。該用語は特定の年齢又は性別を意味しない。従って、雄雌に拘わらず、成長した、及び新生児の被験体、並びに胎児を網羅することが意図される。
【0044】
本明細書で使用される慣用句「フリーラジカル関連障害」はフリーラジカルの産生又はそれに対する暴露からの病理学的状態を表わす。本明細書で使用される用語「フリーラジカル関連障害」はフリーラジカルからの損傷が疾病状態の病原に寄与する、又はフリーラジカルインヒビター(例えば、デスフェリオキサミン)、スカベンジャー(例えば、トコフェロール、グルタチオン)又は触媒(例えば、SOD、カタラーゼ)の投与が、症状を減少させ、生存率を高めあるいは病理学的状態を防御し、又は予防する際のその他の検出可能な臨床的効果をもたらすことにより、顕著な利益をもたらすことが示される病理学的状態を包含する。フリーラジカル障害の例はそれらに限定はされないが、虚血性再潅流傷害、炎症性疾患、全身性紅斑性狼蒼、心筋梗塞、心臓発作、外傷性出血、脊髄外傷、クローン病、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、糖尿病)、白内障形成、老化関連黄斑変性症、アルツハイマー病、ブドウ膜炎、気腫、胃潰瘍、酸素中毒、腫瘍形成、望ましくない細胞アポトーシス及び放射線障害を包含する。
【0045】
本明細書で使用される用語「酸化的ストレス」は、被験体における酸素のフリーラジカルによりもたらされる損傷のレベルを表わす。損傷のレベルは、反応性酸素物質が形成され、次に抗酸化物により不活性化される速度並びに部位及び修復の速度による。酸化的状態及び酸化的ストレスに関連して、本明細書で使用される用語「片寄り」又は「片寄る」は互換性に使用され、サンプルの抗酸化活性の変化を表わす。酸化的状態の変化は、知られた正常値からの抗酸化活性の増加、減少、上昇又は低下であることができる。例えば、サンプルの脂質コンパートメント、サンプルの水性コンパートメント又はサンプルの脂質及び水性双方のコンパートメント中の抗酸化活性の増加又は減少である。
【0046】
本明細書で使用される用語、栄養剤の「製薬学的に許容できる塩」は、健常な医学的判断の範囲内で、不都合な毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに、ヒト及び下級動物の組織中に、その上に又はそれと一緒の使用に適し、そして適度な利益/危険比率により均衡の採れた塩を表わすために使用される。製薬学的に許容できる塩は当該技術分野で周知である(例えば、関連部分が引用により本明細書に取り込まれた、S.M.Berge,et al.,J.Pharmaceutical Sciences,1977参照)。適当な塩は本発明の化合物の最終単離及び精製期間中に又は別に、適当な有機酸と遊離塩基官能基を反応させることにより調製することができる。代表的な酸付加塩は、限定はされないが、アセテート、アヂペート、アルギネート、サイトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、バイスルフェート、ブチレート、カンホレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート(イソチオネート)、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルミトエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タルトレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカルボネート、p−トルエンスルホネート及びウンデカノエートを包含する。第四級化剤として使用される塩基性窒素含有基の例は、低級アルキルハロゲン化物(メチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨージド)、ジアルキルスルフェート(ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨージド)、アリールアルキルハロゲン化物(ベンジル及びフェネチルブロミド)等を包含する。製薬学的に許容できる酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸)及びリン酸及び有機酸(例えば、蓚酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸)を包含する。塩基性付加塩もまた、製薬学的に許容できる金属カチオンの適当な塩基(例えば、ヒドロキシド、カーボネート又はビカーボネート)との、あるいはアンモニア又は有機第一級、第二級又は第三級アミンとの、本明細書に開示された抗酸化化合物の最終的単離及び精製期間中にインサイチューで調製することができる。製薬学的に許容できる塩は限定はされないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属基剤のカチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩等)並びに無毒の第四級アンモニア及びアミンカチオン(なかでもアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びエチルアンモニウムを包含する)を包含する。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン等を包含する。
【0047】
本明細書で使用される用語「増強する」は本発明の疎油性及び/又は親油性抗酸化物の活性を増強する又は高めるために直接に又は間接的に作用する1種又は複数の物質を表わす。1つのこのような増強剤は、抗酸化物を再活性化又は再利用するように作用することができ、それ自体重要な抗酸化活性を有することができるビタミンCである。ビタミンCの酸化促進性は遷移金属の存在下で認められてきた。抗酸化作用の他の増強剤はブドウの種抽出物及び緑茶抽出物のような天然抽出物を包含する。1つの研究において、緑茶はインビトロで強力な抗突然変異原性作用を示し、動物モデルにおいて、発癌物質誘発の前癌病巣の発生を抑制した。従って、増強剤はクエルセチン及び混合トコフェロールのような天然源から精製、単離された抗酸化物を増強し、又はそれと相乗作用をもつことすら可能性がある。
【0048】
本明細書で使用される用語「糖栄養性」又は「糖栄養剤」は、自然状態で合成され、そして腸の細胞液中で遊離しており、細胞から細胞の連絡において活性であり(すなわち、サイトカイン、成長因子、等)、又は細胞膜の著しく特異的な分子活性の焦点を含んでなる分子構造(すなわち、受容体部位、イオン−輸送チャンネル、抗原認識、等)を形成することができる、種々のクラスの連絡及び信号分子の生化学的合成に必要な、複合炭水化物又は糖類又は単糖を表わす。
【0049】
本明細書で使用される用語「植物栄養の」又は「植物栄養物」は、植物の細胞を防護するために生成される、植物中にのみ認められる、天然合成分子を表わす。植物栄養物は主として抗酸化性、フリーラジカルスカベンジャー及び生命維持に必要な微細栄養素活性を有する。食餌補助剤投与により供給されるこれらの分子は、成熟植物組織中に認められ、種子の皮及び種子の周囲の果肉組織中にもっとも濃厚である。哺乳動物組織においてはこれらの分子は食餌中で供給されると、細胞の微細環境における生化学、免疫学及び生理学を最適化するのに活性である。
【0050】
本明細書で使用される用語「植物抽出物」及び「ハーブ抽出物」は互換性に使用されて、植物組織中で生産され、水、極性又は石油溶媒により抽出されることができ、そしてある程度の有益な健康又は治療的作用をもつ植物化学薬品を表わす。大部分のハーブ物質は、特に濃縮されると毒性である可能性があるが、「疾患の処置及び健康の促進のための民間療法」として茶及び湿布中にそれらのより伝統的な方法で使用される時には一般に安全である。本明細書で使用される用語「ハーブの身体強壮剤(body−toning agent)」は、皺、皮膚の垂れ、色素沈着昂進を有効に低下又は排除する皮膚の張り及び弾性の回復並びに失われた美容的外観のその他の望ましくない要素の回復により証明される老化又は日焼け損傷により誘起される弾性組織及びコラーゲン繊維の損傷を減少及び回復することが本発明者により認められた物質を表わす。
【0051】
本発明の食餌補助剤中に包含される炭水化物は潅木、樹木、植物、酵母菌、真菌、カビ、ゴム、樹脂、デンプン及びセルロース誘導体及び天然ムチン源、のような広範な天然の及び合成原料から入手可能である。特に、いくつかの天然原料は(a)アカシア、カラヤ、トラガカント又はガッチを含有する潅木又は樹木の滲出物、(b)寒天、アルギン又はカラギーナンを包含する海洋性ガム、(c)グア、イナゴマメ又はオオバコを包含する種子ガム、(d)ペクチン又はアセチル化ポリマンノースを含有する植物抽出物、(e)デンプン及びセルロース誘導体(ヘタスターチ、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、酸化セルロースのような)並びにデキストラン、キサンタンを含有する微生物ガム、を包含する。しかし、本発明の組成物はそれぞれの炭水化物が得られる原料により限定されることは意図されない。
【0052】
本発明の糖類は単糖、オリゴ糖及び/又は多糖類として天然に見出すことができる。従って、本発明の組成物はそれらのモノマー、オリゴマー及び/又はポリマー形態の糖類を含有することができる。糖類の知られた天然の原料及びそれらの使用のリストについては、関連部分が引用により本明細書に取り入れられている、米国特許出願第2003072770号明細書を参照されたい。
【0053】
本明細書で使用される用語「炭水化物」は、それらの定義は炭水化物化学の当業者に周知の用語「糖類」、「多糖類」、「オリゴ糖類」及び「砂糖」と互換性に使用される。本発明の組成物は少なくとも2種以上の必須糖類を包含することが意図されるが、糖類は単糖、オリゴ糖及び/又は多糖類の形態にあることができる、例えば、トラガカントガム及びグアルガムを含有する組成物はガラクツロン酸、シアリン酸、マンノース及びガラクトースを含有するものと考えられるであろうことに注意しなければならない。従って、与えられる食餌補助剤中の特定のガムの量を制御することにより、食餌補助剤中のそれぞれの糖類の量を制御することができる。
【0054】
本明細書で使用される用語「少なくとも2種の形態のビタミンEの混合物」は、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロールから選択されるトコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノールの少なくとも2種の形態の混合物及びそれらの組み合わせ物又は誘導体を表わすために使用される。1つの態様において、「少なくとも2種の形態ビタミンEの混合物」はアルファ、ベータ、デルタ及びガンマトコフェロールから選択されるトコフェロールの少なくとも2種の形態の混合物である。もう1つの態様において、「ビタミンEの少なくとも2種の形態の混合物」はアルファ、ベータ、デルタ及びガンマトコフェロールの混合物である。「ビタミンEの少なくとも2種の形態の混合物」は例えば、VITAECAPS,SA,Spain、Henkel Corporation、又はCognis Corporation(Kankakee,IL)から入手できる。COVITOL(R)F−350MはCognisから市販されており、食用植物油から得られる混合トコフェロールを含む天然原料のアルファ−トコフェロールを含有する。本発明の抗酸化組成物中に包含されるトコフェロールの特定の混合物は、ORAC(o)抗酸化測定を実施することにより決定される。
【0055】
トコフェロールの塩又は誘導体は、アセテート、スルフェート、スクシネート、ニコチネート、アロファネート、ホスフェート、キノン又はハロゲン化誘導体のような製薬学的に許容できる塩、エステル、立体異性体、等を包含する。本発明は、誘導体がビタミンEの抗酸化活性を維持すると仮定すると、6−クロマノール環及び/又は側鎖に置換、添加及び他の変更を実施されたビタミンE誘導体の使用を包含する。例えば、トコフェロール及びそれらの誘導体は、環及び側鎖上の、アルキル基、二重結合及び他の置換基及び変化物の数及び位置により変更することができる。「アルキル」はメチル、ブチル及びオクチルのような、炭素及び水素のみを含有する環状、分枝又は直鎖の化学基である。アルキル基は未置換でも、あるいは1個又は複数の置換基、例えばハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ又はベンジルのいずれかで置換されていてよい。アルキル基は飽和されていもあるいは1カ所又は数箇所において不飽和でもよい。典型的には、アルキル基は1〜8個の炭素、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含んでなるであろう。更なるトコフェロールは、環構造あるいは、酸素、窒素、硫黄及び/又はリンを含有するような種々の他の部分の側鎖、に対する共役により構成することができる。トコフェロール誘導体はまた、アルファ−、ベータ−、デルタ−及びガンマ−トコフェロールのような原型的トコフェロール中に認められるものから、側鎖の長さを改変することにより調製することができる。トコフェロールはまた、環構造物及び側鎖における立体化学及び結合の飽和度を変えることができる。
【0056】
プロドラッグを包含する更なるトコフェロール誘導体は、側鎖又は環構造物に対する糖又は他の部分の共役により調製することができる。混合トコフェロールは、限定されずに、単一のトコフェロールの立体異性体の混合物(例えば、アルファ−トコフェロールの+及び−立体異性体;(+/−)はラセミ混合物を示す)又は構造的に異なるトコフェロールの混合物(例えば、アルファ−プラスガンマ−トコフェロール)を包含する。
【0057】
本発明は上記に引用された11種の必須糖類を包含するが、他の糖類、栄養化合物又は生物学的に活性な又は不活性な化合物を本発明の食餌補助剤中に包含してもよいことに注意しなければならない。このような他の栄養化合物はいずれかの1種又は複数の植物栄養物、ジオスコレア(dioscorea)複合物、植物抽出物、ハーブ抽出物、植物の一部、ハーブの成分、ビタミン又はミネラルを包含する。これらの栄養化合物は本発明の食餌補助剤に添加することができるか、又はそれらを食餌補助剤を投与されている哺乳動物に別に提供することができる。例えば、本発明の糖栄養物含有投与剤形を摂取しているヒトはまた、同様な又は別の投与剤形のいずれかの植物栄養物を摂取することができる。不活性化合物はフレーバー、充填剤、滑沢剤、バッファー、ゲル、結合剤、賦形剤、担体及び/又は本発明の食餌補助剤の調合又は投与を容易にするような他の化合物、を含有することができる。本発明の食餌補助剤組成物を含有するすべての糖栄養物、更なる化合物、薬剤又は他の物質を含有するものすら、Mannatech,Inc.(Coppell,Tex.)から直接入手することができる。
【0058】
本発明は疎水性及び/又は親水性抗酸化物双方を包含する組成物の酸素ラジカル吸光能(ORAC)を直接に、同時に測定するための装置及び方法を包含する。アッセイが、サンプル中の酸素含量を直接測定する、酸素ラジカルの吸光能アッセイ(ORAC(o))において、酸素の消失を直接追跡することにより、ラジカルを失活させる抗酸化物の能力を測定するので、用語「ORAC(o)」が使用される。ORAC(fl)及びORAC(β−PE)のような現在の産業の標準的アッセイは、酸素ラジカルに露出時に、蛍光化合物(フルオレセイン又はβ−フィコエリスリン)の蛍光発光の低下を間接的に測定することにより抗酸化能を測定する。これらのアッセイは、親水性抗酸化物では有効に作用するが、疎水性抗酸化物又は疎水性及び親水性抗酸化物の混合物を測定する際には限られた有効度を有する。更に、知られたORAC(fl)及びORAC(β−PE)システムと異なり、本明細書に開示されるORAC(o)は簡略化及び使い捨てセンサーとしての製造に適する。システムは、生体サンプルから使用者の酸化能の即時評価のためのオフィス及び家庭用すらのシステムの製造をすら許すほど十分頑丈である。
【0059】
ORAC(o)装置
図1はORAC(o)の直接的抗酸化装置10の図である。図示されるように装置10は3種の基礎構成部品:検出システム12、流体システム14及び、相互に連絡してデータ収集、流体及びサンプル制御及びデータ処理を提供することができる、データ処理システム16を有する。検出システム12は、1本又は複数の導管20を経て流体システム14と流体連絡する酸素センサー18を有する。1本又は複数の導管20を経て流れる流体は、手動でそして/又はデータ処理システム16の制御下で制御することができる1個又は複数の弁22を使用して制御される。操作時に、サンプル24が流体システム中に入り、検出器18中に誘導され、そしてデータ収集後、廃棄物貯蔵庫26に送達される。流体システム14はまた、ポンプにより、真空により、又は圧力、例えば、加圧不活性ガスにより流体システム14を通って輸送される1種又は複数の溶液28を包含することができる。本発明による使用に関しては、概括的に水、溶媒、洗剤又は水:洗剤ミックス、酸素ラジカル発生剤、酸化標的、等を包含し、酸素検出室34への送達前に混合室30において混合することができるので、流体システム14中の溶液28は一般に前以て混合又は平衡させられるであろう。流体システムの選択は、当業者に知られるであろうように、所望される又は選択される自動化の程度によるであろう。サンプル24は酸素センサー18を目盛合わせするために使用されるものと同一溶液で前以て混合されるか又は前以て混合室30で前以て混合すらすることができる。
【0060】
本発明に使用のための酸素検出器18の例は、溶媒、水及び洗剤の存在下で溶解された酸素を検出することができる任意の溶解酸素センサーを包含するであろう。溶解酸素センサーの例は例えば、電気化学的、化学発光、表面プラズモン共鳴、赤外線、電気容量カップル、色素カップル光ファイバー又はハイパースペクトラル酸素センサーすらを包含する。1つの特別な例において、溶解酸素センサーはYSI 5300A生物学的酸素センサー(YSI,USA)、SPREETAセンサー(Texas Instruments)、PASCO PS2108(Pasco,USA)、等である。1つの例において、溶解酸素センサーは以下の規格:範囲0〜20mg/L、精度:最大限界の±10%;分解能:0.01mg/L;最大サンプル収集速度:20sps;初期値サンプル収集速度:2sps;応答(Response):60秒間に98%;温度範囲:0〜50℃;温度補正10〜40℃;カソード:白金;アノード:Ag/AgCl;膜:1mlのケイ素、を有し、そして製造会社、例えば、Dissolved Oxygen EZ(Pasco,USA)により提供されるソフトウエアと接続して使用することができる。システムはまた、流体システムと流体接続されたpH、ORP、伝導度又は混濁度センサーを包含することができる。
【0061】
操作時に、本明細書に開示されるORAC(o)システムは以下のように使用することができる:使用者がサンプルを収集し、それをORAC(o)溶媒キット(乾燥又は液体)中に又はそれとともに溶解する。ORAC(o)センサー、例えば、携帯用表面プラズモン共鳴酸素センサー(例えば、Texas InstrumentsのSPREETAセンサーを参照)を1種又は複数の目盛基準に暴露し、次に使用者のサンプルに暴露する。酸素センサーはセンサー上の検出器表面からの出力を評価し、使用者に読みだし値を提供するプロセッサーに接続される。読みだし値はスクリーン上に表示され、印刷されそして/又はプロセッサー、メモリー等に伝達される。使用者のサンプルは尿、唾液、涙、粘膜分泌物、汗、血液(又は血液製剤)、組織、便又は酸素ラジカルを有すると疑われる他の生体サンプルであることができる。1つの例において、サンプルは呼吸装置、例えば、閉鎖呼吸装置により収集される1種又は複数の息(1種又は複数の吸気及び/又は呼気)である。センサーにより検出される値は使用者の酸化状態を評価するために、将来の参照のため、あるいは過去又は未来の値との比較のためにメモリー(一時的、半永久的又は永久的)に保存すらできる。
【0062】
本発明の抗酸化活性のORAC(o)アッセイの基礎構成部品は、既存のORAC−様の方法を利用しており、従って、たとえあったとしても集中的訓練の必要なしに、実験室における使用に容易に適合できる。端的には、ORAC(o)は、例えば、サンプル溶液中の1種又は複数の酸素ラジカル生成分子及び基準としての酸化失活剤(抗酸化剤)の相対的活性を直接測定することにより、酸素センサー、例えば血漿酸素センサー又は可溶性酸素センサーを使用して酸化促進活性を測定する。特定の物質、例えば、還元剤又は揮発性物質はラジカルの原料、例えば、AAPHの不在下で溶液中の酸素の吸収又は生成をもたらす可能性があり、溶液中の酸素量に影響を与える可能性があることに注意しなければならない。本発明を使用すると、当業者は、例えば、フリーラジカル開始剤の添加前の溶液中のサンプルの動態を評価することにより、サンプルのラジカル失活及び非ラジカル失活作用を区別することができる。本発明の使用により決定される、試験サンプルのラジカル失活及び非ラジカル失活作用は双方とも酸化状態に関連することに注意しなければならない。酸素ラジカル生成剤及び酸素ラジカル失活剤の相対的作用は間接的方法ORAC(fl)、ORAC(fl−lipo)、ORAC(β−PE)等によるように経時的に滴定そして/又は測定することができる。
【0063】
図2は本発明の方法の基礎的段階を要約するフロー図50である。段階52において、溶解性酸素プローブが溶媒:水:洗剤混合物の存在下で平衡化されそして/又は目盛合わせされて、基底線を測定される。1つの例において、溶媒:水:洗剤は1:1:1比率のアセトン:水:Tween−20混合物である。段階54において、抗酸化活性の基底線決定は、プラスの対照及び、抗酸化物として、例えばTrolox(R)を使用する抗酸化活性の比較のための基底線として働く。Trolox(R)及び関連分子の1つの利点はこれらのビタミンE誘導体がロット毎により安定で、ロットのばらつきが少なく、そして合成によるので、抗酸化活性の信頼できる濃度を提供することである。段階54における混合物は、段階58における酸素ラジカル発生剤の添加の前に、段階56で酸素ラジカルの標的、例えばリノール酸と混合される。アッセイを実行させ、段階60において、曲線下面積(AUC)を、溶解酸素の消失を経時的に測定することにより計算し、サンプルに対する値を保存する。連続して又は平行に、サンプルを溶媒:水:洗剤混合物中に溶解し(段階66)、次に段階68で酸素ラジカル標的を添加する。概括的に、段階56及び68では同一タイプの酸素ラジカル標的を使用し、そして段階58及び70で同一タイプの酸素ラジカル発生剤を使用することが一般的である。段階72において、サンプルに対するAUCを検出し、サンプルの値を保存する。標準剤及びサンプルのAUCが決定された後に、ブランクに対するAUCを差し引くことにより値を標準化させる。次に標準化された標準剤及びサンプルのAUC値を使用して、サンプル中の抗酸化活性のレベルを比較、計算する。
【0064】
以下の考察は本発明を具体的に示す補助のために使用され、その範囲を限定するために使用してはならない。洗剤のTween20はリノール酸の分散の補助をすることができる。リノール酸は酸素がそれに吸収され得る二重結合を提供する。Trolox(R)は内部標準剤として使用される合成抗酸化物である。すべてのサンプルから得られる値をTrolox(R)の値に関連付ける。酸素ラジカル生成分子:2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)が酸素と反応して炭素中心のラジカルを形成する。AAPHにより生成されるラジカルがリノール酸の酸化を誘発する。リノール酸の酸化の結果として、炭素中心のラジカル中の酸素分子と結合してリノール酸の二重結合がケトンになる。酸素プローブが、リノール酸の酸化により、酸素が反応室から除去されている速度の測定値を採取する。アゾラジカルはリノール酸と直接反応して、リノール酸ラジカルの形成を誘発することができる。次にリノール酸ラジカルが反応室中に存在する酸素と反応してケトンを形成する。提唱されたいずれかの機序により、酸素はリノール酸の酸化により消費される。抗酸化物はリノール酸の酸化を阻止することにより反応室内の酸素の消費を遅らせる。時間プロットに対する溶解酸素の曲線下面積の計算が、リノール酸の酸化を遅らせるその能力により示されるサンプルの抗酸化能の指標をもたらす。
【0065】
酸素ラジカル生成剤
アゾ−ラジカル生成剤は、抗酸化活性の測定のためのラジカルを生成するための知られた濃度で、本発明のORAC(o)アッセイ中に存在する。アゾ反応開始剤は例えば、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸、2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)[2−(N−ステアリル)アミジノプロパン]2塩酸(SA−1)、2,2’−アゾ(2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン)−[2−[2−(4−n−オクチル)イミダゾリン−2−イル]−プロパン]2塩酸(C−8)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(MeO−AMVN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)、アゾ−ビス−イソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(DAMP)及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)を包含する。
【0066】
例えば、ラジカル生成剤2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸(AAPH)は分子窒素及び2個の炭素ラジカルに分解する。炭素ラジカルは合わさって安定な生成物を生成するか又は分子の酸素と反応して、ペルオキシルラジカルを与える。AAPHの半減期は約175時間(中性pHで37℃)である。従って、フリーラジカル生成の速度は溶液中で最初の数時間は本質的に一定である。AAPHはしばしば、それ自体で脂肪酸の水性分散物中の脂質過酸化のために使用され、それは単独で又は親油性及び/又は疎油性ラジカル生成剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に開示される溶媒系は、装置がサンプル中の総酸素を測定するので、親油性及び/又は疎油性ラジカル生成剤のいずれか又は双方の使用を許す。
【0067】
溶媒系
ORAC(o)の溶媒系は溶媒、水相及び洗剤を包含する3部系である。例えば、溶媒はアルコール、アミン、エステル、グリコールエーテル、グリコール、テルペン及び/又はそれらの混合物から選択される有機溶媒であることができる。有機溶媒系は溶媒成分の約50%未満、約30〜33パーセント、20%未満そしてある場合には10%未満であるように調合される。
【0068】
1つの態様において、溶媒はアセトンであり、ORAC(o)溶媒系の約10〜90容量/容量パーセントの間であることができ、水性部分はORAC(o)溶媒系の約10〜90容量/容量パーセントの間であり、洗剤は溶媒系の0.001〜90%であることができる。ORAC(o)溶媒系は例えば、1/3の水、1/3の洗剤(「1/3」溶媒)であり、サンプルは例えば、1mg/mLの濃度であることができる。次に同一の溶媒を使用して希釈物を調製する。洗剤はTWEEN(R)(すなわちTWEEN(R)20)、BRIJ(R)又はTRITON(R)のような非イオン洗剤、CHAPS(R)のような双イオン性洗剤、カチオン洗剤、あるいはコレート、デオキシコレート、ナトリウムドデシルスルフェート又はTWEEN(R)−80のようなアニオン洗剤、あるいは界面活性剤であることができる。水対アセトン対洗剤の比率はそれぞれ、約5%〜90%から90%〜5%であることができる。1/2のアセトン及び1/2の水を使用する2成分系を使用するORAC(fl)と異なり、ORAC(o)溶媒系の洗剤は総サンプルからの酸素の直接の測定を許す。1つの変法は、ランダムにメチル化されたβ−シクロデキストリンを使用するORAC(fl−lipo)である。
【0069】
ORAC(o)アッセイの使用
ORAC(o)アッセイは本発明の栄養補助剤の成分評価のため、そして競合剤及び/又は本発明の最終的食餌補助剤を試験し、評価するためにすら、生体サンプルの総合的抗酸化活性を測定するために使用することができる。生体サンプルの評価における使用のためには、これらは、例えば、血清、脂溶性血清画分、水溶性血清画分、尿、脂溶性尿画分、水溶性尿画分、LDL画分、組織ホモジネート、抗酸化補助剤、食品又は保存剤の品質管理、新規抗酸化補助剤の開発、新規食品、新規保存剤又は新規抗酸化物治療の開発、食品製造及び加工の品質管理、植物(plants)の抗酸化活性の評価あるいは、例えば化粧品の抗酸化活性のモニターであることができる。
【実施例1】
【0070】
ORAC(fl)及びORAC(o)アッセイを使用する抗酸化活性の比較
抗酸化組成物の成分を、蛍光を測定する先行技術の酸素ラジカル吸光能法(ORAC(fl)を使用し、そして溶解酸素を測定する本発明の方法(ORAC(o))を使用して、抗酸化活性を分析した。製品の抗酸化活性はペルオキシルラジカルにより誘発される損傷から系を防護するその能力である。
【0071】
比較のための抗酸化活性を測定するための先行技術の方法
ORAC(fl)アッセイに対し、Ou等の方法(Ou,B.,Hampsch−Woodill,M.and Prior,R.L.,J.Agric.Food Chem.2001,49,4619−4626)に従った。公開されたOuの方法との相異は、オービタルシェーカーの速度(Ou、400rpm、本明細書では280rpm)及び遠心分離速度(Ou、14,000rpmで15分、本明細書で3200rpmで15分)及びアッセイの長さ(Ouで30分、本明細書で100分)を包含した。フルオレセイン、ナトリウム塩はAldrich(Milwaukee,WI)から入手した。Ouの方法に対し、試験される抗酸化生成物に標準量のフルオレセインを添加し、蛍光の開始レベルを測定する。フリーラジカル開始剤を添加し、蛍光消失時間及び程度を測定する。Trolox(R)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸は強力な抗酸化性をもつビタミンEの細胞透過性の水溶性の誘導体である。Trolox(R)はラットの胸腺細胞中でペルオキシナイトライト−媒介の酸化ストレス及びアポトーシスを抑制し、そしてロット毎に一定した合成抗酸化物であり、標準剤として使用され、各サンプルとの比較のために使用される。各サンプルに対するORAC(o)値の計算に使用されるブランク(対照)を各実験に包含することができる。時間に対する蛍光をプロットする。ブランク(対照)を各曲線から差し引く。抗酸化物のネットの曲線下面積をTrolox(R)のネット曲線下面積と比較する。ネット曲線下面積が大きいほど、サンプル中の分子の抗酸化能が大きい。すべてのORAC(fl)分析をCOBAS FARA II遠心分離分析装置(Roche Diagnostic System Inc.,Branchburg,NJ;励起波長=493nm、及び発光フィルター=515nm)上で実施した。結果はサンプル1グラム当たりのTrolox(R)のミクロモル当量として与えられる。
【0072】
抗酸化活性の測定法
操作時には、本発明のORAC(o)アッセイを使用して、大気と平衡して存在する酸素による標的分子(リノール酸)に対する溶液の抗酸化組成物、組み合わせ物等を評価した。フリーラジカル開始剤を添加し、酸素が消失するために要する時間を測定すると、消失速度をもたらす。Trolox(R)を標準剤として使用し、ブランクを対照として実施する。時間に対する溶解酸素の量をプロットして、ネット曲線下面積を直接比較させる。詳細な方法は以下のようである:バッファー(K2HPO4(F.W.174.2)、NaH2PO4(FW 120.0)をSigma(St.Louis,MO)から入手した。リノール酸99%、Trolox(R)(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)97%、TWEEN(R)20及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸97%(AAPH)をAldrich(Milwaukee,WI)から入手した。HPLC等級のアセトンをFisher(Hampton,NH)から入手した。YSI 5300A生物学的酸素メーターをYSI(Yellow Springs,Ohio)から入手して、製造会社の仕様に従って使用した。
【0073】
ORAC(o)法
以下のストック溶液を使用した。リン酸バッファー(75mM、pH7.4)、750mMのK2HPO4(F.W.174.2)の調製;500mLの容量フラスコ中に65.33gを秤量し、マークまでdH20を添加する。濃度は750mMである。750mMのK2HPO4ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。750mMのNaH2PO4(FW 120.0);500mLの容量フラスコ中に45.00gを秤量し、マークまでdH20を添加する。濃度は750mMである。750mMのNaH2PO4ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。750mMのK2HPO4ストック溶液40ml及び750mMのNaH2PO4ストック溶液10ml(4:1の比率)を混合する。これが50mLのORACストック溶液バッファーを与えるであろう。ストック溶液を目盛合わせした温度計の付いた冷蔵庫(2〜8℃)に保存する。標的温度は4℃である。混合物をdH20で希釈して(1:9)、ORACバッファーの作業溶液を調製し、pHを測定する。それは7.4になるに違いない。使用の準備ができるまでカバーして室温で保持する。
【0074】
Tweenの調製
10gのTween20を秤量し、90gの脱イオン水を添加する。混合物をカバーをして、1晩撹拌する。Tweenストック溶液を1週間保存する。カウンタートップに保存する。
【0075】
溶媒の調製
25mLのアセトン、25mLの脱イオン水及び25mLのTween20を混合する。この溶媒を使用してサンプルを調製する。実験を実施する前に、膜に特に注意を払いながらプローブの損傷を検査しなければならず、必要な場合は交換する。プローブを脱イオン水中に先端を入れて保存しなければならない。本アッセイには唯一のプローブ及び唯一の反応室を使用しなければならない。8時間毎にブランク及びTrolox(R)(10μg/ml又は0.03995μモル/ml)を実験する。サンプルは10μg/mlの濃度で実験される。サンプル濃度及びTrolox(R)濃度は同一でなければならない。
【0076】
1mgのサンプルを秤量し、1mlの溶媒を添加することにより希釈物を調製して、最初の抽出を実施する。1時間震盪し、0.5mlの最初の抽出溶液をガラスのシンチレーションバイアル中に入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、第1の希釈物を調製する。第1の希釈物を約30秒間渦撹拌する。その濃度は0.1mg/ml又は100ppmである。0.5mlの第1の希釈物を取り、もう1つのガラスのシンチレーションバイアル中に入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、約30秒間渦撹拌すると、0.01mg/ml又は10ppmの濃度を生ずる。0.5mlのバイアルサンプルを取り、もう1つのガラスのシンチレーションバイアルに入れ、次に4.5mlの溶媒を添加し、約30秒間渦撹拌すると、0.01mg/ml又は10ppmの濃度を生ずる。バイアルを4℃の冷蔵庫に入れる。37℃の水浴中でリノール酸を融解させ、0.18mLのTweenストック溶液、0.18mLのバッファー及び0.44mLの脱イオン水を70.8mgのリノール酸に添加することにより、リノール酸溶液(最少の光線により)を調製する。溶液の試験管をフォイルに包んで保存する。8時間毎に、リノール酸溶液を新鮮に調製する。酸素ラジカル生成剤を調製するために、67.8mgのAAPHを秤量し、0.9mLのバッファー中に溶解する。AAPHを冷蔵保存し、8時間までそれを使用することができる。1時間震盪する。Trolox(R)溶液は常に冷蔵保持しなければならない。抗酸化活性測定を開始するために1.86mLのバッファーを各反応容器中に、そして2.36mLの水を37℃のシンチレーションバイアルに添加し、反応マトリックスが温度に到達する間に3分間撹拌させる。0.284mLのサンプルを添加し、プローブ先端を反応溶液に接触させずに容器中に入れ、1分間撹拌する。測定値は光線遮断環境においてもっとも適切に収集される。
【0077】
データ収集後、プローブを室から取り出し、それぞれ0.357mLのリノール酸溶液を添加し、プローブの先端を室内に即座に戻す。0.357mLのAAPH溶液を添加し、反応領域に泡が残らず、プローブケース上の溢れ畝中に溶液がないように注意してしかし迅速にプローブを溶液試験管内に入れる。次にプローブを溶液中に入れ、読み取りを実施する。データを収集し、抗酸化活性を計算する。
【0078】
サンプルを1mg/mLの濃度で「1/3溶媒」中(ORAC(o)溶媒系とも呼ばれる)に調製した。「1/3」溶媒は水、アセトン及び、水で1:9に希釈されたTWEEN(R)20の溶液の同量部である。サンプルを280rpmでオービタルシェーカー上で室温で1時間震盪した。サンプル溶液は、「1/3」溶媒による更なる希釈後(概括的に10μg/mLまで)、分析の用意ができた。「1/3」溶媒はまたブランクとしても使用した。
【0079】
ORAC(o)アッセイを、YSI 5300A生物学的酸素メーターを使用して実施した。リノール酸を、70.8mgのリノール酸に、0.18mLの75mMリン酸バッファー(pH7.4)、0.18mLの10重量パーセントのTWEEN(R)20ストック溶液及び0.44mLの脱イオン水を添加することにより、調製した。AAPHを、67.8mgのAAPHに0.9mLのバッファーを添加することにより調製した。最終反応容量(5.218mL)中に、リノール酸(21.59mM)をフリーラジカル攻撃の標的として使用し、ペルオキシルラジカル生成剤としてAAPH(19.00mM)を使用した。Trolox(R)(10μg/mL)を標準剤として使用した。読み取りは、ゼロ読み取りが認められるまで、毎秒実施した。
【0080】
ORAC(o)(「酸素ラジカル吸光能」、酸素特異的電極)値を計算する式は:
【0081】
【数2】
【0082】
である。
【0083】
あるいはまた、ORAC(o)は液体の式を評価する時には、ミリリッターで計算することができる。この計算は、サンプル1グラム当たりのTrolox(R)当量のマイクロモルとして知られる量を与える。マイナスの値のORAC(o)は、ブランクで得られる値より低いラジカル失活活性を反映し、それは、組成物が抗酸化物として作用するよりむしろ、酸化促進剤、すなわち酸化を促進する物質であることを示す。ORAC(o)アッセイの推定は酸素がサンプルにより吸収又は放出されていないことであるが、しかし、サンプルの酸素レベルにおけるどんな効果も評価し、そして計算された抗酸化値に補正するために使用されることができる。
【0084】
ORAC(o)及びORAC(fl)アッセイパラメーターの比較
ORAC(fl)に比較されるORAC(o)の利点は、抗酸化能の間接的測定に対する直接的測定において測定されたことであった。ORAC(fl)は、それがフルオレセイン(標的分子)が測定されている唯一の蛍光成分であるという仮定に基づくために、間接的酸素ラジカル検出法である。しかし、多数の抗酸化化合物が自然に蛍光を発し(例えば、ブルーベリー)、ラジカル−ラジカル反応からのこれらの化合物の組み合わせ物もまた発光する。従って、サンプルからの蛍光は蛍光に基づくアッセイの結果を歪曲させる可能性がある。他方、ORAC(o)法は酸素の取り込みの直接的測定、すなわちフリーラジカルへの酸素の消失の直接的測定である。抗酸化能のこの測定法は、酸素が水溶性又は脂溶性成分に結合されるかどうかに拠らない。ORAC(fl)及びORAC(o)法のアッセイパラメーターの比較は表1に提供される。
【0085】
【表1】
【0086】
本発明の1つの著明な利点は、利用者がかれらの実験室環境に本発明の装置及び方法を取り入れるために、新技術を学び、又は装置を購入する必要がないことである。例えば、本発明はサンプルの飽和を測定する時に、例えば、Ou等により開発された十分に確立された間接的測定システムにおけるものと同様な、多数のバッファー、条件、抽出及び/又は分離段階を使用する。Ou等は20mL中500mgの濃度でアセトン/水(50:50,v/v)中にサンプルを調製し、400rpmの回転シェーカー上でそれらを1時間回転し、14,000rpmで15分間遠心分離し、pH7.4の75mMのリン酸カリウムバッファーでそれらを希釈した(Ou,et al.,Development and Validation of Oxygen Radical Absorbance Capacity Assay for Lipophilic Antioxidants Using Randomly Methylated−β−Cyclodextrin as the Solubility Enhancer,J.Agric.Food Chem.2002,50.1815−1821)。本発明者は、大部分の試験サンプルはOuの条件(ORAC(fl)の条件)下では溶液中に侵入しないであろう、より溶解性の成分が溶解性の弱い成分を置換することを見いだした。その結果、ORAC(fl)条件下で可溶化されたサンプルの部分のみがORAC(fl)サンプル及び測定中に包含された。従って、分析のためのORAC(fl)法に従って実施された上澄み溶液は実際のサンプルの総合的抗酸化活性を表わさないようである。ORAC(fl)バッファー中のサンプルの溶液はサンプルの内容物を必ずしも反映しないために、ORAC(fl)を使用すると、結果は歪曲される可能性がある。
【0087】
サンプルの溶解を伴う問題が認識され、ORAC(fl)を使用する時に、クエルセチン及び混合トコフェロールの混合物について実施された、抗酸化物測定に対する混合トコフェロールの寄与の欠乏が認められた。図7に示されるように、ORAC(o)システムを使用して、5μg/mLのクエルセチン及び5μg/mLの混合トコフェロールの組み合わせ物の抗酸化効果が別々の10μg/mLの各成分に匹敵することが認められた。それに対し、間接的ORAC(fl)システムは、クエルセチン単独に対する値を超える、同様な組み合わせ物からの更なる効果を示さない(図11参照)。サンプルの濃度がより希薄であり、そしてサンプルの溶媒がサンプルのすべての成分を可溶化するためのアセトン、水及び洗剤を含有するために、混合トコフェロールを含むこのような組み合わせ物からの活性の欠如及び飽和の問題は、ORAC(o)法からは発生しない。サンプルの溶媒中のTWEEN(R)20の存在が、混合トコフェロールからの活性の検出を説明した。Trolox(R)の活性に対する対照として、図7は別々の10μg/mLの各成分に比較した、5μg/mLのクエルセチン及び5μg/mLの混合トコフェロールを示すが、Trolox(R)対照をも包含し、サンプル中に残留する酸素ラジカルのレベルを経時的に検出するORAC(o)の能力を示す。
【0088】
ORAC(o)は、より高価なORAC(fl)(自動化約$250,000;非自動化約$50,000)に比較して著しい節約をもたらす。それに対し、本明細書に開示されるORAC(o)装置は、大型の蛍光検出システムの経費の何分の一かで、医師のオフィス及び家庭の使用すらに対する販売用に開発することができる、容易に小型化されそして/又は自動化されることができる、即納できる酸素センサーシステムを利用する。1回の実験室検定試験のために「公式分析化学者協会(AOAC)」の指針により実施される検定試験が表2、3及び4の結果を与えた。
【0089】
【表2】
【0090】
毎日の値は10μg/mLの濃度のクエルセチンサンプルの3回の実験の平均である。HORRAT値は実測されたRSDR値と当業者に知られたHorwitz等式により予測されるRSDR値間の比率であり、その精度に関する、方法の許容性の指標とみなされる。1回の実験室の実施研究において、0.5〜2.0間の一連のHORRAT比率は、方法の許容できる精度を示す。5日間の試験のHORRAT値は1.98である。直線範囲としての分析範囲の決定は表3に与える。
【0091】
【表3】
【0092】
リニア・インテグリティは、サンプル濃度が1000μg/mlに近づくと低下するように見える。直線範囲としての分析範囲の決定により、500μg/mlまでの変動濃度の曲線下面積の値が決定される。表4は単一日の結果の精度の結果を与える。
【0093】
【表4】
【0094】
単一日の精度試験は10μg/mlの濃度のクエルセチンサンプルの5回の別の実験を伴う。ORAC(o)法の表4のHORRAT値は0.65448である。ORAC(o)アッセイを実施例2に示された抗酸化組成物中の成分の比率を最適化するために使用した。クエルセチン、49.18%;混合トコフェロール、32.79%;ブドウの皮の抽出物、9.84%;緑茶抽出物、6.56%及びブッシュプラム、1.64%の重量比を有する組成物の1つの態様は、ORAC(o)を使用して、1グラム当たり17,254ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化値を与えた。同様な組成物がORAC(fl)を使用して、1グラム当たり5,281ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化値を与えた。これらのデータは、抗酸化活性を測定するORAC(o)及びORAC(fl)法は間接的なORAC(fl)法の限界のために、得られる結果において異なることを示す。
【実施例2】
【0095】
相乗的抗酸化組成物
本発明の食餌補助剤に従うと、それぞれ、世界中の地方からの長寿の人々の食餌中に顕著である5種の成分を抗酸化組成物中に合わせた。本発明者は長寿で知られた地方の食餌の総合的調査に基づいて成分を選択した。本発明者は、これらの地域の食餌がフラボノール及びトコフェロールが豊富であることを認めた。更に、特定の天然の化合物がそれらの抗酸化活性を再活性化する分子、例えば、ビタミンCと有効に相互反応することが本発明者により認められた。事実、集中的研究により、例えばα−トコフェロールの再生におけるビタミンCの役割を支持する(Pizzorno and Murray,Textbook of Natural Medicine,1999,2nd Ed.New York,Churchill Livingston)。
【0096】
本研究に基づき、本発明者は長寿の人々の種々の地方からの、高率の生体利用可能な化合物を包含する天然及びその他の原料からの単離、精製抽出物を1つの調合物に合わせた。本発明の1つの例において、以下の基礎成分:フラボノール、混合トコフェロール、ブドウの皮の抽出物、緑茶抽出物又はブッシュプラムが選択され、それらは、例えば、Leaf A.,Launois J.“A Scientis Visits Some of the World’s Oldest People,”National Geographic.1973 January中に引用されたように、エクアドルのVilcabambaのAndean村、カシミールのKarakoram RangeのHuzaの陸地又は以前のUSSRのGeorgian StateのAbkhaziaの、サルヂニアのItalian島の(Koenig R.“Sardinia’s Mysterious Male Methuselahs,”Science.2001,March 16)そしてオーストラリアの人々の食餌中に顕著である。
【0097】
本発明の組成物は相乗的抗酸化活性を示した。説に制約されることを望まないが、抗酸化組成物の種々の成分は、身体が全体に防護されるように細胞内サイトソル、細胞膜及び細胞外液を防護する作用を有する。ブッシュプラム成分は例えば、細胞中に侵入することができ、親水性であり、そしてサイトソルを防護するために利用できる天然のビタミンC含量が高く、ブドウの皮抽出物及び緑茶抽出物は親水性で、細胞中に侵入できず、そして細胞外液を防護するために利用でき、そして混合トコフェロールは親油性で、そして親水性で親油性双方であるフラボノール(例えば、クエルセチン)と一緒に膜を防護する。更に、食餌中又は食餌補助剤自体中にすらに包含されるあらゆる繊維は排泄のための適当なベヒクルを提供することができる。
【0098】
相乗的抗酸化組成物の成分
本発明のORAC(o)装置及び方法の入手可能性により、本発明者は親油性及び疎油性双方の抗酸化物並びにこれらの物質の抗酸化活性を増強する補助をする他の物質、例えば、ビタミンC等の組み合わせ物の総合的抗酸化活性を測定することができた。ORAC(o)システムを使用して、フラボノイド、例えばクエルセチン、少なくとも2種の形態のビタミンEの混合物及び場合により、ブドウの皮抽出物、緑茶抽出物及びオーストラリアブッシュプラムを包含する、相乗作用を有する抗酸化組成物が開発された。相乗作用は特に、40/60〜90/10%の、ビタミンE形態の混合物に対するクエルセチンの重量比において認められた。組成物の1つの態様は以下の重量比:クエルセチン49.18%、混合トコフェロール32.79%、ブドウの皮抽出物9.84%、緑茶抽出物6.56%及びブッシュプラム1.64%を包含する。
【0099】
図6はクエルセチン、混合トコフェロール及びトコフェロールとクエルセチンの混合物及び合成抗酸化物の標準剤のTrolox(R)(Hoffman−La Roche)を比較するORAC(o)アッセイの結果を示すグラフである。
【0100】
クエルセチンのようなフラボノイド
組成物のフラボノイドはフラボン、フラボノール、イソフラボン、イソフラボノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩又はそれらの混合物であることができる。フラボノールの例はクエルセチン、ケンフェロール及びミリセチンを包含する。組成物中に包含される特定のフラボノイド又はフラボノイド類似体又は塩は、ORAC(o)抗酸化作用決定を実施することにより決定される。クエルセチンの作用の80%以内の活性は類似体を与えると推定される。フラボノイド、とりわけクエルセチンの言及はまた、そこで糖が例えば、アラビノース、ラムノース、ガラクトース又はグルコースであるアグリコン又はグリコシドを言及することが意図される。クエルセチンのラムノースグリコシドはルチン又はクエルセトリンとして知られ、ミリセチンのラムノースグリコシドはミリシトリンとして知られる。クエルセチンの類似体は3,5,7,3’及び4’位の1カ所又は複数の位置に−OH基以外の置換基を含んでなる化合物を包含する。その他の置換基は:5個未満の炭素原子のアルキル、アセチル、スルフィル又はマロニルを包含する。クエルセチンの類似体に対しては1カ所のみ又は2カ所の位置が−OH基以外の何かで置換されている。
【0101】
クエルセチンのようなフラボノイドはインビトロで容易に合成される。しかし、フラボノイド(クエルセチンを包含する)は現存し、例えば、天然に存在する食品、とりわけ果実及び野菜(リンゴ、ナシ、ブドウ、タマネギ、赤ワイン、ベルペッパー、赤カラント、黒カラント、レモン、チェリー、クランベリー、グースベリー、トマト、オリーブ、ラディッシュ、コールラビ、ホースラディシュ、ジャガイモ及びアスパラガスのような)から単離、精製することができる。クエルセチンはPharmline(Florida,NY)から入手することができる。
【0102】
ブッシュプラム:
オーストラリアブッシュプラム(Terminalia ferdinandiana(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ))は約5%のビタミンC及びHPLCクロマトグラム(データは示されていない)により示されるような種々の成分を含有する。これらの成分はフラボン及びフラボノイドを包含すると考えられる。HPLCクロマトグラムは、メタノール及び水で抽出されたブッシュプラムの粉末のサンプルを使用して、1mL/分の流速で0.1%のトリフルオロ酢酸及び100%のメタノールの段階的勾配を使用する逆相C18カラムからのものである。条件はフラボノイドを分離し、ビタミンCを分離するために開発された。吸光度は245nmで測定された。
【0103】
ブッシュプラムのパルプ及び皮を果実の種子から除き、水中スラーリに調製した。スラーリを凍結乾燥し、粉砕した。本明細書の抗酸化組成物のために、凍結乾燥物質の所望量を秤量した。ブッシュプラムは0%〜87.9%の量で本発明の組成物中に存在し、もう1つの態様においては約2重量%であった。
【0104】
ブドウの皮抽出物
ブドウの皮抽出物はブドウの皮から調製され、30〜82%のポリフェノールを含有し、Polyphenoics,Madera,CA;Hunan Kinglong,Bio−Resource Co.Ltd,Changsha Economic Development Zone,China又はPharmline,Florida,NYから入手することができる。
【0105】
緑茶抽出物
緑茶抽出物はカメリア・シネンシス(Camellia sinensis)の葉からの抽出物であり、35〜95%のポリフェノールを含有し、Amax NutraSource Inc.,Eugen,OR、Blue California,Rancho Santa Margarita,CA又はPL thomas & Co.,Morristown,N.J.から入手することができる。
【0106】
他の成分
本発明の抗酸化組成物は1種又は複数の無毒の、製薬学的に許容できる担体(例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マニトール、ソルビトール、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、等)を包含することができる。これらの1種又は複数の担体を使用して、カプセル又は錠剤を容易に調合することができ、嚥下又は咀嚼を容易にさせることができる。錠剤は適当な担体、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香り付け剤、流動誘発剤又は融解剤を含有することができる。錠剤は場合により1種又は複数の更なる成分と一緒に、圧縮又は成形により製剤することができる。圧縮錠は場合により結合剤(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋カルボキシメチルセルロース)、界面活性剤又は分散剤と混合された、自由流動形態(例えば、粉末、顆粒)の有効成分を打錠することにより製剤することができる。適した結合剤はデンプン、ゼラチン、天然の糖(例えば、グルコース又はベータ−ラクトース)、コーン甘味料、天然及び合成ガム(例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス、等を包含する。これらの投与剤形に使用される滑沢剤はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、等を包含する。崩壊剤は例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、等を包含する。成形錠は不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状有効成分の混合物を適当な機械中で成形することにより製剤することができる。
【0107】
カプセル及び錠剤は場合により、コートする又は刻み目を付けることができ、そして抗酸化組成物の遅い又は制御された放出を与えるように調合することができる。薬剤の制御放出のための時限放出組成物は概括的に、選択される期間内に腸内分解又は崩壊に抵抗する物質と混合され又はそれらでコートされた薬剤粒子を含有する。薬剤の放出は滲出(leeching)、腐蝕、破裂、拡散又は同様な作用により起ることができる。
【0108】
担体は時限放出を与えるのみならずまた、抗酸化物の安定性を促進することができる。AMBROTOSE(R) Phyto Formulaと呼ばれる植物炭水化物の混合物は抗酸化組成物と組み合わせることができる。このような組み合わせ物は抗酸化組成物の棚寿命を延長し、時限放出形態を提供する。AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは約30/30/20/19/1の重量/重量比のアラビアガム(アカシア)、キサンタンガム、トラガカントガム、ガムガッチ(TicGumから入手することができる)及びアロエベラゲル抽出物(例えば、内側の葉のゲル(inner leaf gel)、Carrington Labs,Irving,TX,MANAPOL(R)粉末又は類似製品)を含有する。AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは2:1〜1:2の重量比で本発明の抗酸化組成物とブレンドされる。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaは2:1の重量比で抗酸化組成物とブレンドされる。
【0109】
カプセル又は錠剤は、特定の調合に応じて、約0.1%未満〜90%の重量百分率で更なる植物成分を含有することができる。担体の場合には、担体自体は一般に組成物に対する栄養的意味に効果をもたないであろうが、しかし、これらの担体は本発明の栄養学的に有効量の放出のタイミング、位置及び放出プロファイルに意味をもつ可能性がある。例えば、本発明の1種又は複数の抗酸化物は、一連の放出事象において、例えば血液又は尿中に検出される抗酸化物レベルを急激に高めるように1回又は複数のボーラスとして放出されることができる。もう1つの態様において、抗酸化物は幾らか平らに放出されることができるか、あるいは血中又は尿中レベルのスパイクを伴う勾配として提供されることすらできる。事実、本発明は摂取期間中、異なる時間及び/又は部位で、疎油性及び親油性抗酸化物の放出すらを包含することができる。例えば、1つの抗酸化物は即時放出のために発泡性担体中に提供されることができ、他方異なる抗酸化物は例えば、胃酸により又は腸管内での放出のために提供される。
【0110】
調合法
ローラー圧縮抗酸化組成物を調合する方法は、本明細書に示された抗酸化組成物とAMBROTOSE(R) Phyto Formulaをブレンドする工程を含んでなる。生成されたブレンドをローラー圧縮装置に移し、ローラー間で圧縮して、圧縮物を形成する。ブレンドにかけられた圧力は成分間の物理的接着を高める。次に圧縮物を粉砕して顆粒を形成する。次に顆粒をカプセル又は錠剤のような所望の剤形に形成する。1つの例において、Fitzpatrick Chilsonator Model 4LX10Dローラー圧縮装置を10トンの固定力及び約0.093のFitzmillスクリーンをもつ、面を横切り、回転に対して垂直に刻み目をいれるローラーとともに使用することができる。ローラー圧縮装置、例えば、Gerteis Polygran乾燥ローラー圧縮装置システム(Gerteis,Germany)は、可変性の回転速度、力の適用及びギャップ幅能力をもつことができる。ローラー圧縮装置は、2個の相対して回転するローラー間にブレンドを通過させることにより、ブレンド上に圧力を均一にかけることにより、機能する。ローラーによりブレンド上にかけられる圧力がシート又はリボンのような圧縮物にブレンドを圧縮し、典型的にはそれが粉砕され、顆粒を生成する。あるいはまた、顆粒化は必要に応じてスラッグ化し、粉砕し又はふるうことにより達成することができる。#20〜80メッシュをもつ顆粒が選択される。
【0111】
AMBROTOSE(R) Phyto Formulaとの抗酸化組成物のローラー圧縮組み合わせ物のより長い棚寿命は、酸素に暴露される抗酸化組成物の表面積の量の減少によると考えられる。ローラー圧縮組み合わせ物はまた、カプセル又は打錠過程における賦形剤の充填剤の必要を回避する。本明細書で示される抗酸化組成物とのAMBROTOSE(R)Phyto Formulaの組み合わせ物の更なる利点は:腸内の非対電子のためのシンクとして働くことができる不溶性繊維の提供及び、フリーラジカルにより損傷される細胞の修復における細胞媒介の連絡に寄与する細胞の糖質形態の正確な構造のための単糖類の提供、を包含する。
【0112】
投与量
本発明の組成物の投与に有用な投与調合物は100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000mgの抗酸化組成物のカプセル又は錠剤を包含する。1つの態様において、充填剤、担体又は安定剤を組成物に全く添加しない。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaを2:1、1:1又は1:2の重量比で本発明の抗酸化組成物とブレンドする。もう1つの態様において、AMBROTOSE(R)Phyto Formulaを2:1の重量比で抗酸化組成物とブレンドする。もう1つの態様において、カプセル又は錠剤はAMBROTOSE(R)Phyto Formulaとブレンドされた500mgの抗酸化組成物を提供する。この態様に対しては、1日に2錠又は2カプセルを摂取することができる。口当たりを増加し又は吸収を遅らせるために適当なコーティングを適用することができる。
【0113】
図8及び図9は抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用して、クエルセチン及び混合トコフェロールの種々の比率に対するネット曲線下面積(AUC)の結果を示す。サンプル(Q+MT)の総濃度はアッセイされた各百分率に対し10μg/mLである。例えば、0%のクエルセチンにおいては、混合トコフェロールの濃度は10μg/mLであり、サンプル中にクエルセチンは存在しない。10%のクエルセチンにおいては、サンプルは1μg/mLのクエルセチン及び9μg/mLの混合トコフェロールを有する。20%のクエルセチンにおいては、サンプルは2μg/mLのクエルセチン及び8μg/mLの混合トコフェロールを有する。40〜100%の間のクエルセチンでは相乗性が容易に認められ、40〜90%のクエルセチンにおいてもっとも容易に認められる。直線は相加効果を表わし、すなわち10%のクエルセチンにおいて、線は90%の混合トコフェロール単独の活性及び10%のクエルセチン単独の活性の合計を表わす。相乗効果はこの線より上に認められる。
【0114】
本発明の組成物の主要な抗酸化成分(クエルセチンにより代表されるフラボノイド、及び少なくとも2形態のビタミンEの混合物)は5成分の12.1%〜100%、30%〜85%を含んでなり、又はもう1つの態様においては、約82重量%を含んでなる。1つの態様において、クエルセチンの量は5成分の総重量の49.18%であり、ビタミンE形態の量は32.79%である。
【0115】
本発明の組成物の第2の成分(又は増強剤)(ブドウの皮の抽出物、緑茶の抽出物及びブッシュプラム)は5成分の0%〜87.9重量%、15%〜70重量%又は約18重量%を含んでなる。図10に示すように、ブドウの皮抽出物と緑茶抽出物の最適比率は、49.18%のクエルセチン、32.79%の混合トコフェロール及び1.64%のブッシュプラムの存在下で決定された。緑茶抽出物に対するブドウの皮抽出物の最適比は60/40〜80/20である。1つの態様において、ブドウの皮抽出物は抗酸化組成物の総重量の9.84%であり、緑茶抽出物は6.56%である。ブッシュプラム(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ)は約0%〜87.9%の間の量で、もう1つの態様においては約2%の量で組成物の1成分として提供される。図10の態様において、ブッシュプラムは組成物の1.64%である。
【0116】
ORAC(o)アッセイは、以下の重量比:クエルセチン49.18%、混合トコフェロール32.79%、ブドウの皮抽出物9.84%、緑茶抽出物6.56%及びブッシュプラム1.64%、を有する抗酸化物ブレンドが1グラム当たり17,254ミクロモルのTrolox(R)当量の抗酸化活性を有することを示す。
【0117】
AMBROTOSE AO(R)の安定性
2:1重量比のAMBROTOSE(R)(Mannatech,USA)及び本発明の抗酸化調合物のブレンドのAMBROTOSE AO(R)は、約6カ月の棚寿命に等しい、加速安定度条件(40℃、75%相対湿度)下でその活性を維持することが示された。
【0118】
ORAC(fl)アッセイに比較したORAC(o)アッセイの有効性
図11は、クエルセチンと異なる比率で混合された時に、α−トコフェロールによるAO活性に何の寄与をも示さなかったORAC(fl)の結果のグラフである。グラフは標準のアセトン:水溶液中におけるORAC(fl)アッセイにおいて、クエルセチン濃度の増加に正比例するAUCの線状増加を示す。AO活性に対する寄与の欠如は、α−トコフェロールのアセトン:水中への溶解不能によるかも知れない。
【0119】
図12A及び12Bは混合トコフェロールを使用するORAC(fl−lipo)の結果並びにサンプルを溶解し、親油性及び疎油性抗酸化能双方を検出するために、溶媒/水/洗剤溶液を使用する相対的AUCの結果のグラフである。図11(上記)において、親油性AOのAO寄与を検出するための標準のORAC(fl)法を使用して、α−トコフェロールについては統計的に有意な活性を検出することができないことが示された。図12Aに示されるように、α−トコフェロールに対するORAC(fl−lipo)AUCを公開されたORAC(fl−lipo)法(アセトン:水)とアセトン:水:Tween−20間で比較し、そしてORAC(fl−lipo)アッセイのAUCにおいて大きい増加を検出した。図12Bは、結果がこのアッセイを使用すると相乗性の欠如を示す、横座標を通る直線に従うので、クエルセチンと混合トコフェロールを合わせる時、知られたORAC(fl−lipo)法を使用すると相乗性が検出されないことを示す。
【0120】
文献の検索及びその中に推奨される方法に基づくと、知られたアッセイによりこれらの結果を得ることは驚くにはあたらない。いわゆる「高−ORAC食品」(例えば、www.ars.usda.govを参照されたい)の評価のための現代の標準は、その標準は疎油性抗酸化物と離れて別に、親油性抗酸化物の抗酸化能を測定することである、と述べている。本発明は、血清ORAC値に対する効果に試験管のORAC値を関連付ける時に、研究者が観察した分裂をもたらすかも知れないこの相異(dichotomy)の必要を排除する。ORAC(fl)評価に比較した血清中の抗酸化効果を測定する際に、USDAの「農業研究サービス」は例えば、試験管ORACアッセイでホウレンソウがイチゴより低い評価を受けたが、血清ORAC値に対してはホウレンソウがイチゴより大きい効果を有したことを見いだした。本発明及び本明細書に記載の組成物を使用することにより、本発明者は、ヒトの体内の抗酸化物の活性をよりよく反映する変動する溶解度をもつ抗酸化物間の相互反応を許すシステムを開発することにより、該分裂を是正した。間接的ORAC(fl)及び/又はORAC(fl−lipo)法は総合的抗酸化活性を測定できず、特定の食品の相乗効果を検出しない。
【0121】
図13は、AUC測定値に対するその効果を示すために、使用される洗剤の量の変動を伴うα−トコフェロールを使用するORAC(fl)AUCの結果のグラフである。このアッセイにおいて、1/3の溶媒をその完全な1/3及び、より少量のTween−20を含む混合物中に使用した。図14は、洗剤混合物に対して溶媒:水の2種の異なる比率で溶解された、固定比率のクエルセチン:α−トコフェロール比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。図13及び図14中の結果は、洗剤(Tween−20)がAUCの増加に寄与しなかったことを示し、従って、ORAC(fl)活性の検出は標準のアセトン:水混合物に比較して増加することを示す。
【実施例3】
【0122】
抗酸化相乗性及び増強のORAC(o)による検出
ORAC(o)アッセイが親油性及び疎油性抗酸化活性の双方を検出することができることを示すために、親油性及び疎油性抗酸化物の知られた濃度の特定の組み合わせ物の効果並びにブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物単独に比較した、例えばブドウの種子抽出物及び緑茶の抽出物の添加によるその増強、を示すために一連の研究を実施した。図15は、異なる比率のクエルセチン及び混合トコフェロールで得られたORAC(o)値を示すグラフである。図16は、異なる比率のブドウの種子抽出物(GSE)及び緑茶抽出物(GTE)に対するORAC(o)値を示すグラフである。GSE及びGTEに対する抗酸化活性の最大比の決定後、2者を最適比のクエルセチン及び混合トコフェロールと組み合わせた。図17は、最大のクエルセチン:混合トコフェロールとブドウの種子抽出物及び緑茶抽出物比率の組み合わせ物の、ORAC(o)値を示すグラフである。合わせたクエルセチン及び混合トコフェロール、GSE、GTEが補助剤の抗酸化能を最大にしたことが見いだされた。
【実施例4】
【0123】
プラセボ制御されない少数の健常個体の一般標識試験におけるAMBROTOSE AO(R)の抗酸化効果
抗酸化物は生体の基質の酸化を遅延させる又は抑制することができるあらゆる物質と定義される。抗酸化物質を含有する果実及び野菜の豊富な食餌は、酸化的ストレスからもたらされると考えられる病理学的状態の減少した発生と関連付けられてきた。しかし、単離された抗酸化化合物による補助はしばしば、幾つかの症例では健康を改善するために無効であり、他の場合には危険であることが証明された1、3、4。果実及び野菜の高い摂取による抗酸化物質の利益は、単一の抗酸化物質から専らもたらされるのではなく、むしろこれらの食品中に存在する異なる抗酸化物質の組み合わせ物の協同作用からもたらされるかも知れないことが示唆された5、6。単一の抗酸化物質に対するこの注目が、科学者がいまだ、栄養補助剤を使用して抗酸化物の豊富な食餌の防護効果を倍加(duplicate)しなければならない7可能な説明である。
【0124】
最近の研究により、細胞の連絡及び免疫機能を支持する糖を供給する、糖栄養(GN)補助剤、栄養補助剤がインビトロ及びインビボの双方で抗酸化性を有することが示唆された。GN補助剤を含有する培養培地中で増殖されたラット肝細胞は、対照に比較してより高いレベルの還元グルタチオンを示し、それにより増加した抗酸化的防御を示した8。
【0125】
予備的臨床研究により、GN補助剤を消費している人々において酸化的ストレスの生体マーカーの減少及び酸化的防御の生体マーカーの増加が示された。通常の食餌に毎日2grのGN補助剤添加後、76日以内に、総合的鉄結合能及び葉酸に有意な増加が認められ、そして銅/セルロプラスミイン比率の有意な減少が認められた。更に、血清アルケナール、ホモシステイン、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)及び総コレステロールの減少及び酸素ラジカルの吸光能(ORACβ−PE)の増加を示唆する傾向が認められた9。
【0126】
最近の研究により、広範な栄養物質(幾つかは知られた、しかし他はまで同定されていない)が果実及び野菜の抗酸化活性に起因することが示された10、11、12、13、14。幾つかの知られた有益な抗酸化物はポリフェノール及びビタミンC及びEを包含する6。ブドウ(及び赤ワイン)、緑茶及びオーストラリアブッシュプラム(テルミナリア・フェルヂナンヂアナ)を包含する特定の食品及び飲料は、比較的高レベルのこのような抗酸化物を含有する6、15、16。この研究はGN補助剤を緑茶、ブドウ、混合トコフェロール、クエルセチン及びオーストラリアブッシュプラムから誘導されたブレンドと合わせた新規の栄養補助剤により提供された抗酸化的防御作用を測定した。
【0127】
方法:
血液サンプルはCover−Tek,Inc.,Dallas,TXにより収集された。すべての血液及び尿サンプルがGenox Corporation,Baltimore,MDにより分析され、すべての統計分析をDecision Analyst,Arlington,TXが実施した。
【0128】
サンプルの抗酸化能を試験するための幾つかの方法が公表されている17。本研究に使用された試験は全血清ORACβ−PEの測定であった。この方法は、知られた標準剤のTrolox(R)に比較される時の、特にペルオキシルラジカルに対する、血清サンプルの抗酸化失活能を決定するためにβ−フィコエリスリン、蛍光プローブを使用する。結果は1グラム当たりのミクロモルのTrolox当量(TE)で表わされる18。該研究で使用される他の標準化された分析法は、脂質に対するフリーラジカル損傷量に間接的に相関する尿の脂質ヒドロペルオキシド及びアルケナール並びにDNA損傷に間接的に相関する尿の8−OHdGの測定であった19、20、21。
【0129】
本研究に使用される抗酸化栄養補助剤、Ambrotose AO(R)は、成分:クエルセチン、混合トコフェロール、ブドウ抽出物、緑茶抽出物、オーストラリアのプラム、のインビトロの評価を使用して開発された。各成分のインビトロの抗酸化値は、標準のORACfl法(異なる蛍光プローブ、フルオレセインを使用する)を使用して決定した。成分の混合物の抗酸化値は、溶解された酸素を直接測定する新規に開発された方法、ORACoを使用して決定した。脂溶性及び水溶性抗酸化物はインビボでは協同して働くので、脂溶性及び水溶性化合物の寄与及び相互反応を同時に測定するORACoは、蛍光に基づく方法(ORACfl、ORACfl−lipo及びORACβ−PE)より改善されたものである。これらの方法はせいぜい、脂溶性又は水溶性化合物の活性を単独で測定する。従ってORACoは、水溶性及び脂溶性成分双方のブレンドの総合的インビトロ抗酸化活性の、より正確な決定を提供する。水溶性及び脂溶性成分を合わせて、ORACoにより評価して、ブレンドの最大の相乗性及び最適なインビトロのORACo値を確立した。
【0130】
その結果のブレンドを1:2の比率でAmbrotose(R)複合物とともにローラー圧縮して、Ambrotose AO(R)を形成した。Ambrotose(R)中の多数の天然ガムは化合物の放出を制御して、持続性の送達をもたらすために使用された。本研究は、血清ORACβ−PEにより直接的に、そして尿中脂質ヒドロペルオキシド、アルケナール及び8−OHdG分析により間接的に決定される、Ambrotose AO(R)の異なる量のインビボの抗酸化活性を、標準試験を使用して決定するようにされた。Prior及びCaoは最近、腎不全のような、ある病理状態が酸化ストレスに極めて無関係な、何か1つの試験に影響を与える可能性があるので、いずれか1つの試験よりむしろ一連の試験が必要であることを示唆した22。
【0131】
すべての参加者からインフォームド・コンセントを得た。研究を妨げると考えられるどんな栄養補助剤も又はどんな薬剤をも摂取していない12人の男女の健常な成人ボランティアが参加した。22〜61歳の4人の男性及び8人の女性の研究被験者は、増加する量の抗酸化補助剤を摂取した。経時的にORACβ−PEの可変性を評価し、実験室の結果の再現性を試験するために、補助剤を摂取していない更なる被験者から血液及び尿サンプルを採取した。研究中、参加者は彼らの通常の研究前の日常生活及び食餌を継続した。表5は研究被験者についての情報を提供する。
【0132】
【表5】
【0133】
12人の研究被験者は、補助剤を摂取しない最初の2週間の洗浄期間後、そしてそれぞれ増加する量の抗酸化補助剤摂取の2週間の最後に、早朝空腹時血清ORACβ−PE及び尿分析を実施された。使用量は補助剤使用の最初の14日間(第1期)に対しては毎日500mg(1カプセル)、第2の14日間(第2期)に対しては毎日1.0g(2カプセル)、そして第3の14日間(第3期)に対しては毎日1.5g(3カプセル)であった。更に、補助剤を摂取していない個体からの血液及び尿サンプルは、分析の精度を試験するために3重に分析した。血液及び尿サンプルは独立した瀉血専門医により採取され、即座にドライアイス中でパックされ、準備(preparation)のために地方の病院の実験室に運ばれた。次に準備された血清及び尿サンプルをGenoxプロトコールによる独立した分析のためにGenoxにドライアイス中で1晩で運送された23。次にすべてのサンプルをGenoxでドライアイス中に保存され、どんな分析試薬の変動をも最少にするためにORACβ−PE及び尿測定を研究の終了時にすべて同時に実施した。
【0134】
結果:ORAC値及び基底データからの変化パーセント
Ambrotose AO(R)を摂取する12人の参加者に対するORACβ−PE値及び基底線からの変化百分率は表6に与えられる。基底線は、2週間の洗浄後であり、第1期は500mgで2週間後、第2期は1.0gで2週間後、そして第3期は1.5gで2週間後である。第2期の幾つかのサンプルの血清バイアルのラベルがGenoxへの運送期間中に剥離した。ORACβ−PE値はこの期間の研究参加者の3人に特定することができただけで、残りの研究参加者又は更なる非研究個体には指定することができなかった。
【0135】
【表6】
【0136】
未処理ORACデータの統計分析
基底線、第1期、第2期及び第3期の未処理ORACデータ間の相異があるかどうかを決定するために反復測定のANOVAを実施した。期間全体の間には有意差が存在した(F(3,24)=4.02,p=.020)。この後の分析により、第2期が基底線から有意差があることが示された(t(24)=−3.47,p=.002)。第1期は第2期と有意差があった(t(24)=−2.77,p=.011)。第2期は第3期と有意に差異差があった(t(24)=2.87,p=.009)。各期間に対する平均は表7に示される。
【0137】
【表7】
【0138】
基底線ORACデータからの変化パーセントの統計分析
前記に報告された分析に使用された未処理データ(表6)と異なり、本分析は基底線からの変化パーセントとして表わされた期間の間の差異を検討した。反復測定ANOVAを実施して、第1期、第2期及び第3期のORACデータの、基底線からの変化パーセント間の差異を算定した。オムニバス試験は全体に有意差を示さなかった(F(2,13)=0.71,p=0.510)。更に、次の分析は、期間の間に有意差を示さなかった。各期間に対する平均は表8に示される。
【0139】
【表8】
【0140】
平均脂質ヒドロペルオキシド、総アルケナール及び8−OHdG値は表9に要約される。それらは同一サンプルに対して同時に測定された、尿クレアチニンにより割ることにより尿中濃度のばらつきに対して補正されている。
【0141】
【表9】
【0142】
大気の質
大気の質が酸化的ストレスのレベルに影響を与えることが知られている。オゾン及び二酸化窒素のような一般的汚染物質の増加濃度が大気の質を低下させる。これはROSの生成のより大きい可能性をもたらす24、25。被験者が居住するDallas/Fort Worth(DFW)地域の各2週間の期間に対する平均米国環境保護機関(EPA)の大気の質指数の要約が表6に与えられている。EPAは区域の大気の質マップに色彩コードを使用している:緑:「良好」(0〜79百億分の一[ppb]のオゾン)、黄色:「軽度」(80〜99ppb)、橙色:「感受性群に対しては不健康」(100〜124ppb)、赤「不健康」(125〜149ppb)及び紫:「非常に不健康」(150ppbを超える)。色彩に対して数値:緑:1、黄色:2、橙色:3、赤:4及び紫:5、を指定し、公表されたEPAマップ上の各色彩の面積(area)に基づいて毎日の数値の平均を算定することにより、研究地域の毎日のEPAマップの数値を計算した。次に毎日の数値は研究の各2週間につき平均された(表10)。
【0143】
【表10】
【0144】
前記に概説された第2期の研究参加者に値を指定する際の不確定を許容して、12人の研究参加者に対する可能な最低の平均ORACβ−PEを計算した。そのラベルを識別することができなかった血清サンプルからの最低の9個の値は参加者に属するものであると推定し、それらを3種の既知の値と合わせると、可能な最低の平均を与え、従って、基底線からの変化のもっとも内輪の算定を与える。9種の最低のORACβ−PE値は、4727.9、5233.9、5104.3、4599.9、5699.9、5364.8、3987.3、4179.7及び4584.9であった。表5からの3種の既知の第2期の値と合わせると、これは第2期の12人の研究参加者に対して5467.70の平均ORACβ−PE値を与えた。これは4279.49の基底線平均より27.8%上である。
【0145】
考察
研究により、果実及び野菜の豊富な食餌の摂取は、酸化的ストレスに対して防御することが示された7、26、27。食餌指針は、1日に2〜4サービングの果実及び3〜5サービングの野菜の消費を推奨している28。この知識及びこれらの推奨にも拘わらず、米国の非常に僅かな個人しか1日推奨量を摂取していない。「米国農務省(USDA)」スポンサー臨床研究において、研究者は特に、1日通常の5サービングから実験的10サービングまでの果実及び野菜の増加した消費が、2週間後に、約13%まで血清ORACβ−PE値を有意に増加したことを見いだした7。最近の研究において、各量の補助剤を使用する平均血清ORACβ−PE値の増加は:500mgで19.1%、1.0gで37.4%そして1.5gで14.3%であった。これらのデータは、健康人における血清ORACβ−PE値の基底線よりの最大の上昇をもたらす最適な量は1.0gであることを示唆する。1.0gのAmbrotose AO(R)による27.8%の増加の控えめの算定は、1日更に5サービングの果実及び野菜を消費している個体により報告され、公表された13%の2倍以上である。
【0146】
尿中脂質ヒドロペルオキシド/クレアチニン値は、補助剤の使用増加とともに減少した。各量に対する減少は、500mgで12.1%、1.0gで15.0%そして1.5gで17.0%であり、それは、脂質の損傷からの防御が、研究された範囲にわたり、補助剤の量増加とともに増加したことを示唆している。なぜ、脂質のヒドロペルオキシドのデータがORACβ−PE値と正確に相関しないかは明白でない。血清ORACβ−PEは、測定時にフリーラジカルを失活させるその能力に関する、血液の抗酸化防護の指標である。尿中脂質ヒドロペルオキシドは過去のいつかの脂質の酸化的損傷のマーカーである。実際の脂質損傷と尿中の脂質ヒドロペルオキシドの出現の間の時間的相関は十分には規定されない。これらの時間的相異が一部はこの不一致の原因であることはあり得る。尿中脂質ヒドロペルオキシドに加えて、尿中8−OHdG及びアルケナールも各期間に測定された。有意差も又は傾向も認められなかった。これも再度、実際の脂質とDNA損傷及び尿中の生体マーカーの出現の間の時間的相関に関係するかも知れない。
【0147】
研究の参加者はDFW地域に居住した。DFWに対する、公表されたEPAの毎日の大気の質の測定値は各2週間の期間につき平均された。大気の質は研究の経過中次第に悪化していた。これは通常、ROSを増加することにより、そして従って脂質ヒドロペルオキシドのような酸化的損傷の生体マーカーを増加することにより、酸化的ストレスを増加することが期待されるであろう29。その反対に、増加した血清ORAC値により測定される、増加した防護作用が明白であった。更に、尿中脂質ヒドロペルオキシド値の減少傾向並びに尿中8−OHdG及びアルケナールの安定性は、減少した酸化的損傷の証拠を提供する。総合すると、これらのデータは、補助剤により与えられた抗酸化効果が実際測定された効果よりも大きかった可能性があることを示唆している。
【0148】
結論
公表された指針に従うと、個体は果実及び野菜を摂取することが推奨されているが、現実は、大部分の人々は摂取しないであろうことである。これらの準備的データは、完成品中の抗酸化活性を保存する最適な抗酸化成分を含有する栄養補助剤は、血清ORACβ−PEにより測定される健康な個体における抗酸化防御を増加し、そして尿中脂質ヒドロペルオキシドにより測定される脂質の酸化的損傷を減少することを示唆する。500mg、1.0g及び1.5gのAmbrotose AO(R)を使用して、2週間後に血清ORACβ−PEの基底線より上の増加により示される、健康人における防御は、2週間、食餌に5サービングの果実及び野菜の追加により公表されたデータ中に記載されたものより大きかった(19.1%、37.4%及び14.3%対13%)。
【0149】
本明細書に示されるように、抗酸化補助剤は健康人における酸化的ストレスの4種の測定値を使用して検査され、そして血清ORACβ−PE中の増加が認められた。ORACβ−PE値により示唆される健康な被験者間の最適な範囲は、1日1gであったが、研究は、低い血清ORAC値を有する個体は、高い用量の抗酸化補助剤投与から利益を得るかも知れないことを示した30。従って、増加した酸化的ストレスを受けている人々あるいはストレスを受けた個体は、より大量の用量により利益を得るかも知れない。
【0150】
ORACoは抗酸化物ブレンド調合物において使用されたが、独立の実験室がヒトの臨床試験用血漿サンプルを分析するために確立された方法、ORACβ−PEを使用した。Ambrotose AO(R)製品の抗酸化効力のインビボの算定はORACo法の使用によらなかった。これらのデータは、本発明の抗酸化補助剤が血清ORACβ−PEにより測定される、消費者における抗酸化防御を増加し、そして尿中脂質ヒドロペルオキシドにより測定される、脂質の酸化的損傷を減少させることを示す。
【実施例5】
【0151】
10,000psi以上のローラー圧縮が実施される時の生体活性分子のための時限放出剤としての多糖類物質
本発明者は、例えば、Ambrotose AO(R)を使用するその調合物の崩壊、すなわち成分、例えば、抗酸化剤のクエルセチンの即時放出、を研究するために開発された特定の調合物及び方法が、期待されたように放出しないことを認めた。研究は、本明細書に示されたすべての実施例を処理するために使用された、周知の、公式の分析法の使用とともに開始された。方法は当初、完全に定量的であり、そして検体として抗酸化剤のクエルセチンを測定するようになっていたために、詳細な2段階を含有した。最初にクエルセチン以外の成分の視覚による解釈が、予期に反した放出プロファイルを示した、すなわち比較が実施された溶解条件は同一であったが、実際の結果は同一ではなかった。
【0152】
図18は最初の研究のために選択された3個のモジュールを示す。4種の別々のサンプルをクエルセチン、ブドウの皮及び2種の他の製品(抗酸化剤処方A及び抗酸化剤処方B)につき、3段階で試験した。「制御された溶解」段階はすべての実施例で同一であることに注意されたい。端的には、Ambrotose AO(R)改変放出具体化のための溶解に基づく方法は、マーカーとしてクエルセチンを使用するHPLC及びUV−Visを包含した。更に、調合物の視覚による観察はHPLC及びUV−Visの観察と一致した。
【0153】
多数の国における食餌補助剤の放出認可物に対する近年の規格は、腸の物理的状態をおおまかに模倣する装置中で、錠剤又はカプセル製品形態の完全な崩壊の提供を包含する。これらの条件は米国薬局方(USP)及び英国薬局方(BP)双方に基づく規格に適用される。崩壊試験は消化系と相互反応する補助剤材料の物理的利用能を模倣するものとしてもっとも良く説明される。成分が体内に導入される条件はその利用の速度及び効率に影響を与える。栄養物の利用の速度及び効率は「利用曲線」として説明することができる。狭い集中した曲線は、例えば静脈注射を表わすことができ、他方、それらが利用可能になる前に消化されなければならない食品中に認められるもののような繊維に結合された栄養物は、より緩徐な放出のために、より幅広い曲線をもつであろう。所望の動態に応じて、分配モデルは即時作用性並びに時限放出性担体媒質の双方を使用して開発されることができる。
【0154】
本発明の徐放性液体調合物中の有効物質の溶解プロファイルを例えば、標準的低pH又は水溶解プロファイルアッセイを使用して試験した。端的には、ローラー圧縮されたAmbrotose(R)を、毎分150回転(RPM)でサンプルを混合するパドルを使用して、5.0グラムの塩化カリウムがその中に溶解された1リッターの脱イオン水中の、摂氏37度の水浴中での溶解による放出パーセントにつき試験された。未処理の又は滴定された液体調合物の5ミリリッターの試験サンプルをシリンジ(水/KClミックス中で洗浄することができる)を使用して浴に添加する。2mlのアリコートを例えば、0.5、1、3及び8時間目に採取することができる。あるいはまた、USP装置II(パドル)として構成されたDistek Model 2100B溶解浴を使用して投与剤形を溶解することにより溶解プロファイルを試験することができる。パドルの回転は50rpmに設定された。溶解媒質は例えば、37℃のpH6.8のリン酸バッファー900mlであることができる。
【0155】
不幸なことには、30分間以内の、全体の視覚的崩壊の、USP及びBP指導規格に従う崩壊試験に対する近年受け入れられる方法は、腸に近づくためにより長時間を要する、より緩徐な曲線をもつ補助剤の利用能を正確に測定する方法が欠如している。Ambrotose AO(R)カプセルは特に、持続性放出及び緩徐な利用能に対してデザインされたので、30分間の枠内で完全には崩壊しない。これは、計画された実施時間内にAmbrotose AO(R)が利用可能になることの失敗と見るべきでなく、むしろ即時作用性成分を求める現代の方法における偏向と見るべきである。USP及びBPの崩壊条件は間接的に、比較的狭い利用性を強制する。幾つかの適用において、関与する成分により、これは望ましくないか又は毒性の可能性がある。Ambrotose AO(R)の所望される徐放作用を示すために溶解試験、UV−Vis及びHPLC法を使用する簡単な方法が提供される。主要な目標は、より複雑なHPLC法はUV−Visの結果と相関させるためにのみ使用して、この作用を測定する際には、UV−Vis単独で十分であるとみなすことである。
【0156】
方法
377nmにおけるその高いUV−Vis作用、Ambrotose AO(R)中の比較的高い組成物百分率及び正常に作動するクロマトグラフィーのために、この方法における検体としてクエルセチンが選択された。溶解試験から予期された濃度範囲内の対照曲線を提供するために、Ambrotose AO(R)の調合物中に使用される同一のクエルセチンストックの標準材料を使用した。最初の義務(charge)がBPによるTGA投与された崩壊試験のその調合物の失敗を正当化することであったので、MannatechのAmbrotose AO(R)のオーストラリアのロットを本研究に使用したことに注意しなければならない。
【0157】
溶解条件は、同様なアッセイについてUSP及びBP双方に従うモデルを使用した。1つの例外は、健常な結果を維持しながら、分析時間を合理的に保持するために、溶解装置のより高い平均回転速度を選択したことである。実際は単一の方法を選択することができ、そしてより簡単なUV−Vis法のみが理想的であろうが、その結果を相関させるために二重測定法を使用した。失敗した30分間崩壊試験の観察を、同一試験サンプル上で実施した。次にクエルセチンマーカーに基づくAmbrotose AO(R)の利用能曲線を、規程された溶解条件内で0.5、1、2、3、4及び8時間にわたりプロットした。この簡単な、一定した方法は、いずれの適当に装置を備えた実験室によっても反復することができ、必要な場合には、放出試験のための品質管理環境に形を変える(translate)ことができるであろう。
【0158】
装置、溶解システム:
この方法のために、Hanson溶解システムSR8−Plusを使用した。それは与えられた規格に合わせたパドル深度をもつ、USP装置タイプII(パドル)形態を使用して実施された。同様なアッセイに基づく溶解媒質は、1バスケット当たり800mlの脱イオン水(d.i.)(18+Mohm)、37℃の浴温及び200rpmのパドル速度であった。サンプル採取のために、12×75mmのガラスの試験管(又は同等物)及び装置中の分析の準備における希釈物のためのメタノールと一緒に、1mlのピペットを要する。方法中に規程されているサンプルの希釈は、UV−Vis及びHPLC双方上の分析のために最適な範囲内の試験浴中に、最大クエルセチン濃度を入れる。
【0159】
UV−Vis分光光度計
石英ガラスキュベットと一緒に、UV−Vis分光光度計(Cary 50 Bio,Varian)を測定に使用した。単一の波長読み取り値を377nmで収集した。すべての読み取りに同一石英キュベットを使用し、各溶解試験浴からのそれぞれ初回T0サンプルを使用して、装置をゼロに合わせた。UV−Vis読み取りの準備において、所望の377nmにおける読み取りのみならずまた、一定のゼロ点を維持する能力につき、システムを点検した。
【0160】
HPLCシステム
測定にShimadzu LC−VPバイナリーポンプHPLCシステムを使用した。使用された検出器は6.25Hz走査速度で377nmでモニターされるShimadzu PDA SPD−M10Aであった。使用されたカラムは5μm粒度をもつPhenomenex Hydro RP,4.6mm×150mmであった。カラム及びPDA流動セルは30℃の温度に維持された。すべてのサンプル及び標準剤のために20ulの注入を実施した。すべてのサンプル及び標準剤をHPLC上に注入する前に0.20uM CAフィルター(Whatman)を通した。一定のピーク形成のために統合(integration)を自動化した。HPLC並びに統合を制御するためにShimadzu VP7.2バージョンのソフトウエアパッケージを使用した。以下は分析に使用された勾配プログラムである。溶媒Aは脱イオン水(d.i.)中0.1%のギ酸であり、溶媒Bはメタノール中0.1%のギ酸であった。すべての溶媒をシステム平衡化の前に脱気し、分析のための総合実施時間は30分であった。これらの条件を与えられると、クエルセチンのピークは約14.8分で溶離すると期待することができる。
【0161】
【表11】
【0162】
標準剤及びサンプル
PharmlineのクエルセチンHD(ロット#152560)の連続希釈物を使用してUV−Vis及びHPLC双方のための一連の標準剤を作製した。標準剤は800mlの容量の脱イオン水中1個の溶解されたAmbrotose AO(R)カプセルに相関する濃度範囲(〜0〜100ppm)を与えられた。すべてのサンプルは許容できる試験ロットを提供する放出のために許容される、AUS Ambrotose AO(R)(ロット#N04081226)の同一ボトルから得た。標準剤及び試験サンプル双方は同一の方法で処理され、最初にd.i.水に溶解し、次に方法中に記載のようにサンプルを採取し、そしてメタノールで1:3に希釈され、次にそれぞれの装置上で分析された。
【0163】
溶解システムの状態を安定化後に、1浴当たりに1個のAmbrotose AO(R)カプセルを添加する。溶解作用の正確な表示を得るために、最低3浴を実施することが示唆される。カプセルを浴中に導入する瞬間がT0になり、そしてこの初期T0読み取りに対してクエルセチン利用能曲線のすべての読み取りが測定される。次に30分間の間隔で1mlの容量でサンプルを採取する。更に、制御容量を維持するためにサンプル採取後、1mlの容量のd.i.水を浴中に入れ替える。初期サンプルはカプセルが浴中に導入されるとすぐに、T0として採取される。次にカプセルの溶解が完了していることが明白になるまで、T0から4〜6時間まで、サンプルを採取し続ける。次にすべてのサンプルが採取された後、それらをメタノールで1:3に希釈し、それらの管中で震盪して、分析の用意ができる。クエルセチン標準剤のためには、100ppmの溶液をd.i.水中で調製し、そのストックから連続的希釈物を生成する。次に標準希釈物を1ml容量で採取し、メタノールで1:3に希釈し、サンプルと同様な方法で震盪して、分析の準備ができる。クエルセチン濃度の予期範囲を超える標準剤を使用して、最低5個の連続希釈点を採取する。
【0164】
測定されるサンプル浴からのT0、又は標準曲線測定値の場合にはd.i.水中75%メタノールを充填される石英キュベット(すべての読み取りに使用される同一のもの)を使用して、光度計をゼロに合わせる。石英キュベットはある容量のd.i.水ですすいで、読み取りの中間のどんな残留クエルセチンをも除去する。溶解の終結点は、2回の連続した読み取り後に(1回1時間)サンプルのUV−Vis活性の増加をもはや検出しない時点と定義される。この「平坦域」がカプセルからの完全なクエルセチン溶解点を示す。UV−Vis読み取り中に光源の経路等をブロックする粒子により異常な値が存在する場合には、Q試験を使用して読み取りを無視し、再度採取させる。読み取り値は通常むしろ一定のままであるので、これがいつ起るかは明白である。許容できる平均を得るために、サンプル毎に最低3回の読み取り値が採取される。UV−Vis測定値を採取後、サンプルを濾過し、比較のために与えられるHPLC条件上で個別に実施する。次に双方の装置からのデータを標準曲線からの応答と一緒に相関させて、Ambrotose AO(R)サンプルからの緩徐に増加する応答を示す。
【0165】
結果
計測器は異なるかも知れないが、本研究から作成されたデータの要約が参照のために包含される。それは、与えられた実験条件下のAmbrotose AO(R)溶解の予測動態を理解する補助になる。以下はクエルセチン標準希釈物に対する、時間に対するUV−Vis吸光度応答と、HPLC縮尺曲線下面積の相関を要約する表及びグラフである。示される範囲はAmbrotose AO(R)からの0〜200%の予測クエルセチン活性である。3回の別の実験実施に対する平均を与え、示した実験は同一日に実施された。
【0166】
【表12】
【0167】
標準剤からの値の相関は、2種の装置間に見られる低い偏差に基づき有望であることが判明した。更に、クエルセチンの応答はAmbrotose AO(R)溶解試験から期待される可能な濃度の全領域にわたり、直線的であることが認められた。表13は各サンプルに対する、時間に対するUV−Vis吸光度と、縮尺HPLC曲線下面積との間の曲線の相関に与えられる同様な比較を示す。認められるように、2種の装置間には同様に低い偏差が認められる。これは、より簡単なUV−Vis法をAmbrotose AO(R)カプセルからの総クエルセチン時限放出を測定するための定量的手段として、単独で実施することができるという確信を示唆している。
【0168】
【表13】
【0169】
サンプルの曲線は、クエルセチン溶解と相関する応答において緩徐で一貫性の増加を示す。この応答は何の大きな片寄りもなく双方の装置で同等に認めることができる。反復試験はこの増加が、与えられる溶解条件下で平均4時間まで及ぶことを示した。更に強い相関を形成するために、異なるロットのサンプルを使用して、更なる反復試験を実施することができる。表12及び表13に示す結果はそれぞれ図19及び20に示したグラフにプロットされている。ペレットはモルタル及び乳棒で再粉砕する前に最低120秒間10,000psiで維持し、そして溶解試験のために再度カプセル封入した。
【0170】
考察
経時的吸光度曲線により測定される溶解研究中に、Ambrotose AO(R)は240分まで初期読み取り値を超えて活性を増加した。溶液中へのAmbrotose AO(R)カプセルの緩徐な、一定の崩壊が示され、それにより、腸内における緩徐な利用性として解釈することができる。圧縮錠又はカプセル形態からの視覚的崩壊のみが総合的溶解の完了点ではないことにも注目しなければならない。いくらかの微細カプセル封入材料がまだクエルセチンと結合して溶液中に分散されており、それが順次まだ利用可能でないものにさせるかも知れない。
【0171】
研究の視覚的分析により、ほぼT60において、大部分のカプセル材料はバルクカプセルから分離されたことが確証されたが、利用能の応答曲線は増加し続ける。この方法は、カプセルによる失敗したUSP及びBP崩壊法の証明として、そして食事補助剤の改変された放出を測定する手段として使用することができる。特に、これらの結果はAmbrotose AO(R)の改変された放出の出願(オーストラリア)を支持してもたらされ、そして他の食事補助錠又はカプセルの改変された放出に拡大される可能性を有する。該方法はまた、より複雑なHPLCの結果と同様な結果を担持する、簡単なUV−Vis測定における確証を与える。品質管理規格は、特定の時間の間隔において測定される、与えられる最大値に対する最少のクエルセチンの応答に基づく、この事実の周囲で構築することができる。十分な実施例がこれらの結果を支持し続けた後には、これらのタイプの結果に対するサンプル採取率は、減少させることができる。
【0172】
【表14】
【0173】
【表15】
【0174】
【表16】
【0175】
【表17】
【0176】
従って、同一条件:カプセル、重量、等を使用して、空にしそして、ローラー圧縮されないことを除いて同様な組成物のカプセルを使用して再充填された(カプセルの圧縮がすべてのサンプルに対して同一であることを保証するため)Ambrotose AO(R)カプセルに対して、クエルセチン溶解性を経時的に試験した。ローラー圧縮Ambrotose AO(R)はQmax(最大クエルセチン溶解)に達するための時間を4×〜8×増加した。緩い形態のAmbrotose(R)は即時放出された。視覚による比較は、ローラー圧縮カプセルは非ローラー圧縮バージョンの崩壊点を十分に超えて、その形態を維持したことを示す。説により制約されることを望まないが、Ambrotose(R)の長鎖ポリマーが鎖様に作用して、クエルセチン(又はそのための何か他の活性生体分子)が制御された速度で「滲出する(leeches out)」可能性がある。従って、長鎖多糖類、例えば、2〜約50,000の糖類モノマーの鎖を、1種又は複数の栄養学的に有効量の抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、それらの混合物及び組み合わせ物と、約100、500、1000、2000又は10,000psiまでもの間に圧縮することができる。
【0177】
本明細書に記載の特定の態様は具体化により示され、本発明を限定するものとして示されたのではないことは理解されよう。本発明の主要な特徴物は本発明の範囲から逸脱せずに種々の態様に使用することができる。当業者は、定常の実験を超えないものを使用して、本明細書に記載の特定の方法に対する多数の同等物を認識し、又は確証することができるであろう。このような同等物は本発明の範囲内にあると考えられ、請求項により網羅される。
【0178】
本明細書に言及されたすべての刊行物及び特許出願物は、本発明が関与する当業者の技術レベルを示す。すべての刊行物及び特許出願物は、あたかも個々の刊行物又は特許出願物がそれぞれ特別に、そして個別に、引用により取り込まれていることを示したと同程度に、引用により本明細書に取り込まれている。
【0179】
本明細書に開示され、請求されたすべての組成物及び/又は方法は、本開示を踏まえて、必要以上の実験を伴わずに調製、実施することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい態様について説明されてきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記載された組成物及び/又は方法に、そして方法の段階又は段階の系列に、変更を適用することができることは当業者に明白であろう。より具体的には、同一又は同様な結果を達成するであろうが、化学的及び生理学的双方に関連した特定の物質を本明細書に記載された物質と置き換えることができることは明白であろう。当業者に明白な、すべてのこのような置換体及び改変物は、付記の請求項により定義される本発明の精神、範囲及び概念内にあると判断される。
【0180】
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【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】ORAC(o)の直接的抗酸化装置を表わす。
【図2】本発明のORAC(o)法のフロー図である。
【図3】開始剤としてAAPH、標準剤としてTrolox(R)、そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)におけるブランク溶液を比較する2種のグラフである。
【図4】開始剤としてAAPH、標準剤としてTrolox(R)そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)における抗酸化剤の標準剤Trolox(R)を比較する2種のグラフである。
【図5】標準剤としてAAPH、開始剤としてTrolox(R)そして酸素ラジカル標的としてそれぞれリノール酸又はフルオレセインを使用する、ORAC(fl)(蛍光)測定値と、ORAC(o)(酸素パーセント)におけるブランク溶液、標準剤及びサンプル)を比較する2種のグラフである。
【図6】本発明のORAC(o)法により測定される、10μg/mLの濃度における各成分に別々に比較される、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物の抗酸化効果を示すグラフである。
【図7】本発明のORAC(o)法により測定される、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物、並びに対照としてのTrolox(R)の抗酸化効果を示すグラフである。
【図8】抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用する、クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定比率からの曲線下面積(AUC)の結果のグラフである。
【図9】クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定からの期待された結果に比較された、期待された結果(線)及び線より上に検出される相乗性の程度を示す抗酸化能を測定するためにORAC(o)法を使用する、クエルセチン及び混合トコフェロールの滴定比からのAUC結果のもう1つのグラフである。
【図10】49.18%のクエルセチン、32.79%の混合トコフェロール及び1.64%のブッシュプラムの存在下の、ブドウの皮抽出物及び緑茶抽出物の変動比率に対するORAC(o)アッセイからの結果を示すグラフである。緑茶抽出物に対するブドウの皮抽出物の最適な比率は60/40〜80/20である。
【図11】10μg/mLの濃度の各成分に別々に比較された、5μg/mLのクエルセチン(Q)及び5μg/mLの混合トコフェロール(MT)の組み合わせ物のORAC(fl)の結果を示すグラフである。
【図12】アセトン:水中に溶解されたα−トコフェロールに対するクエルセチンの滴定を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図13】溶媒:水:洗剤混合物中に溶解されたクエルセチン:α−トコフェロール比の固定比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図14】洗剤混合物に対する2種の異なる割合の溶媒:水中に溶解された、固定比率のクエルセチン:α−トコフェロール比率に対して測定された抗酸化活性を測定するORAC(fl)アッセイのグラフである。
【図15】クエルセチン及び混合トコフェロールの異なる比率により得られるORAC(o)値を示すグラフである。
【図16】異なる比率のブドウの種抽出物及び緑茶抽出物に対するORAC(o)値を示すグラフである。
【図17】最大のクエルセチン:混合トコフェロール及びブドウの種抽出物及び緑茶抽出物比率の組み合わせ物のORAC(o)値を示すグラフである。
【図18】最初の研究に対して選択される3種のモジュールを示す。
【図19−20】それぞれ、HPLC及びUV/Visによる、クエルセチンの相対的放出プロファイルを示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種又は複数の栄養学的に有効量の長鎖多糖類、並びに抗酸化物、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養学的に有効量の栄養補助剤、を含んでなる、放出を改変された食餌補助剤であって、
前記食餌補助剤が100psi(689.4kPa)より大きい圧力で圧縮されたものであり、
前記食餌補助剤が時限放出剤を含んでなり、
前記食餌補助剤が85%を超える栄養補助剤を1〜8時間の間に放出する、
補助剤。
【請求項2】
カプセル、植物の(vegetable)カプセル又はハードゼラチンカプセル内にあることを特徴とする、請求項1に記載の補助剤。
【請求項3】
85%を超える栄養補助剤が、2時間〜6時間の間に放出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の補助剤。
【請求項4】
1種又は複数の賦形剤を含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載の補助剤。
【請求項5】
糖類が、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース、又はそれらの混合物又は組み合わせ物を含んでなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の補助剤。
【請求項6】
2,000〜10,000psi(13,789〜68,940kPa)の間の圧力で、ローラー圧縮により圧縮されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の補助剤。
【請求項7】
10,000psi(68,940kPa)より大きい圧力で圧縮されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の補助剤。
【請求項8】
糖類が、それぞれ0.1〜75重量パーセントの、単離、精製された、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の補助剤。
【請求項9】
1種又は複数の長鎖多糖類が、単離された、トラガカントガム、グアルガム、穀粉、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム(gum ghatti)、デンプン、アラビアガム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、アセチル化ポリマンノース、又はそれらの混合物又は組み合わせ物であることを特徴とする、
請求項1〜8のいずれかに記載の補助剤。
【請求項10】
抗酸化物が、単離、精製された疎油性酸素−ラジカル失活剤(quencher)、及び単離、精製された親油性酸素−ラジカル失活剤を含んでなり、ここで組み合わせられる疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が6,000μモルのTrolox当量(TE)/グラムより大きい酸素−ラジカル失活値を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の補助剤。
【請求項11】
疎油性酸素−ラジカル失活剤が、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される1種又は複数のビタミンEよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の補助剤。
【請求項12】
親油性酸素−ラジカル失活剤がフラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の補助剤。
【請求項13】
栄養補助剤が、更に栄養学的に有効量の、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース、及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択される6種以上の糖類を含んでなることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の補助剤。
【請求項14】
1種又は複数の栄養補助剤が、ガラクトース、マンノース、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の補助剤。
【請求項15】
1種又は複数の栄養補助剤がそれぞれ1〜10重量パーセントの単離、精製ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の補助剤。
【請求項16】
長鎖多糖類が、2〜50,000の間のモノマーを含んでなることを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の補助剤。
【請求項17】
疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が患者に提供される時に、ORAC(β−PE)により測定されて、患者の基底抗酸化物レベルから13%を超える増加をもたらすことを特徴とする、請求項10〜16のいずれかに記載の補助剤。
【請求項18】
疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が1〜30重量パーセント含まれていることを特徴とする、請求項10〜17のいずれかに記載の補助剤。
【請求項19】
1種又は複数の疎油性抗酸化物及び1種又は複数の親油性抗酸化物を含んでなり、5,000psi(34,473kPa)より大きい圧力でローラー圧縮され、そして 85%を超える栄養補助剤が2時間〜6時間の間に放出され、そして前記疎油性及び親油性抗酸化物の組合せが6,000μモルTrolox当量(TE)/グラムより大きい溶解酸素値を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の補助剤。
【請求項20】
1種又は複数の長鎖多糖類、並びに栄養学的に有効量の、抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、ハーブ抽出物、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を混合し、そして
2,000psiより大きい圧力で混合物を圧縮することを含んでなる、
放出を改変された食餌補助剤を製造する方法であって、
85%を超える栄養補助剤が1時間〜8時間の間に放出される、
方法。
【請求項21】
補助剤が外部カプセル(external capsule)、植物性カプセル又はハードゼラチンカプセル内に入れられる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
85%を超える栄養補助剤が、1時間〜8時間の間に放出される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
1種又は複数の賦形剤と混合することをさらに含む、請求項20〜22のいずれかに記載の補助剤。
【請求項24】
糖類が、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、またはそれらの組み合わせ物を含んでなることを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
補助剤が、2,000〜10,000psi(13,789〜68,940kPa)の間の圧力で、圧縮されることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
補助剤が10,000psi(68,940kPa)より大きい圧力で圧縮されることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
圧縮が、ローラー圧縮による、請求項20〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
糖類が、それぞれ0.1〜75重量パーセントの単離、精製された、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項20〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
1種又は複数の長鎖多糖類が、トラガカントガム、グアルガム、穀粉、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム(gum ghatti)、デンプン、アラビアガム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、アセチル化ポリマンノース、又はそれらの混合物及び組み合わせ物から単離されたものであることを特徴とする、請求項20〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
抗酸化物が、単離、精製された疎油性酸素−ラジカル失活剤(quencher)、及び単離、精製された親油性酸素−ラジカル失活剤を含んでなり、前記疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤の組合せが6,000μモルのTrolox当量(TE)/グラムより大きい酸素−ラジカル失活値を有することを特徴とする、請求項20〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
疎油性酸素−ラジカル失活剤が、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される1種又は複数のビタミンEよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
親油性酸素−ラジカル失活剤が、フラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩、及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項30または31に記載の方法。
【請求項1】
1種又は複数の栄養学的に有効量の長鎖多糖類、並びに抗酸化物、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、核酸、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養学的に有効量の栄養補助剤、を含んでなる、放出を改変された食餌補助剤であって、
前記食餌補助剤が100psi(689.4kPa)より大きい圧力で圧縮されたものであり、
前記食餌補助剤が時限放出剤を含んでなり、
前記食餌補助剤が85%を超える栄養補助剤を1〜8時間の間に放出する、
補助剤。
【請求項2】
カプセル、植物の(vegetable)カプセル又はハードゼラチンカプセル内にあることを特徴とする、請求項1に記載の補助剤。
【請求項3】
85%を超える栄養補助剤が、2時間〜6時間の間に放出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の補助剤。
【請求項4】
1種又は複数の賦形剤を含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載の補助剤。
【請求項5】
糖類が、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース、又はそれらの混合物又は組み合わせ物を含んでなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の補助剤。
【請求項6】
2,000〜10,000psi(13,789〜68,940kPa)の間の圧力で、ローラー圧縮により圧縮されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の補助剤。
【請求項7】
10,000psi(68,940kPa)より大きい圧力で圧縮されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の補助剤。
【請求項8】
糖類が、それぞれ0.1〜75重量パーセントの、単離、精製された、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の補助剤。
【請求項9】
1種又は複数の長鎖多糖類が、単離された、トラガカントガム、グアルガム、穀粉、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム(gum ghatti)、デンプン、アラビアガム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、アセチル化ポリマンノース、又はそれらの混合物又は組み合わせ物であることを特徴とする、
請求項1〜8のいずれかに記載の補助剤。
【請求項10】
抗酸化物が、単離、精製された疎油性酸素−ラジカル失活剤(quencher)、及び単離、精製された親油性酸素−ラジカル失活剤を含んでなり、ここで組み合わせられる疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が6,000μモルのTrolox当量(TE)/グラムより大きい酸素−ラジカル失活値を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の補助剤。
【請求項11】
疎油性酸素−ラジカル失活剤が、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される1種又は複数のビタミンEよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の補助剤。
【請求項12】
親油性酸素−ラジカル失活剤がフラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の補助剤。
【請求項13】
栄養補助剤が、更に栄養学的に有効量の、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、アラビノース、アラビノガラクタン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸、キシロース、及びそれらの混合物又は組み合わせ物から選択される6種以上の糖類を含んでなることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の補助剤。
【請求項14】
1種又は複数の栄養補助剤が、ガラクトース、マンノース、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン及びキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の補助剤。
【請求項15】
1種又は複数の栄養補助剤がそれぞれ1〜10重量パーセントの単離、精製ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の補助剤。
【請求項16】
長鎖多糖類が、2〜50,000の間のモノマーを含んでなることを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の補助剤。
【請求項17】
疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が患者に提供される時に、ORAC(β−PE)により測定されて、患者の基底抗酸化物レベルから13%を超える増加をもたらすことを特徴とする、請求項10〜16のいずれかに記載の補助剤。
【請求項18】
疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤が1〜30重量パーセント含まれていることを特徴とする、請求項10〜17のいずれかに記載の補助剤。
【請求項19】
1種又は複数の疎油性抗酸化物及び1種又は複数の親油性抗酸化物を含んでなり、5,000psi(34,473kPa)より大きい圧力でローラー圧縮され、そして 85%を超える栄養補助剤が2時間〜6時間の間に放出され、そして前記疎油性及び親油性抗酸化物の組合せが6,000μモルTrolox当量(TE)/グラムより大きい溶解酸素値を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の補助剤。
【請求項20】
1種又は複数の長鎖多糖類、並びに栄養学的に有効量の、抗酸化物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、糖類、ハーブ抽出物、それらの混合物及び組み合わせ物から選択される1種又は複数の栄養補助剤を混合し、そして
2,000psiより大きい圧力で混合物を圧縮することを含んでなる、
放出を改変された食餌補助剤を製造する方法であって、
85%を超える栄養補助剤が1時間〜8時間の間に放出される、
方法。
【請求項21】
補助剤が外部カプセル(external capsule)、植物性カプセル又はハードゼラチンカプセル内に入れられる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
85%を超える栄養補助剤が、1時間〜8時間の間に放出される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
1種又は複数の賦形剤と混合することをさらに含む、請求項20〜22のいずれかに記載の補助剤。
【請求項24】
糖類が、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコース、マンノース、アセチル化マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、キシロース、またはそれらの組み合わせ物を含んでなることを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
補助剤が、2,000〜10,000psi(13,789〜68,940kPa)の間の圧力で、圧縮されることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
補助剤が10,000psi(68,940kPa)より大きい圧力で圧縮されることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
圧縮が、ローラー圧縮による、請求項20〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
糖類が、それぞれ0.1〜75重量パーセントの単離、精製された、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルノイラミン酸、フコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン又はキシロースを含んでなることを特徴とする、請求項20〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
1種又は複数の長鎖多糖類が、トラガカントガム、グアルガム、穀粉、カラマツの木抽出物、アロエベラ抽出物、ガッチガム(gum ghatti)、デンプン、アラビアガム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、アセチル化ポリマンノース、又はそれらの混合物及び組み合わせ物から単離されたものであることを特徴とする、請求項20〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
抗酸化物が、単離、精製された疎油性酸素−ラジカル失活剤(quencher)、及び単離、精製された親油性酸素−ラジカル失活剤を含んでなり、前記疎油性及び親油性酸素−ラジカル失活剤の組合せが6,000μモルのTrolox当量(TE)/グラムより大きい酸素−ラジカル失活値を有することを特徴とする、請求項20〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
疎油性酸素−ラジカル失活剤が、アルファ、ベータ、デルタ、エプシロン、ガンマ、ゼータ、エタ、クサイ1、クサイ2及びシグマ・トコフェロール並びにアルファ、ベータ、デルタ及びガンマ・トコトリエノール、それらの類似体、製薬学的に許容できるそれらの塩及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される1種又は複数のビタミンEよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
親油性酸素−ラジカル失活剤が、フラボノール、クエルセチン、ケムフェロール、ミリセチン、アピゲニン及びそれらの誘導体、類似体、製薬学的に許容できる塩、及びそれらの組み合わせ物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項30または31に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−6950(P2012−6950A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171695(P2011−171695)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【分割の表示】特願2007−557983(P2007−557983)の分割
【原出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(507296115)マナテク・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【分割の表示】特願2007−557983(P2007−557983)の分割
【原出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(507296115)マナテク・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】
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