説明

栄養製剤

本発明は、必須脂肪酸と鉄を含む新規栄養補助食品、並びにそれら栄養補助食品に関連する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2003年11月14日に提出した現在係属中の米国特許願第10/714,156号の一部継続出願であり、前記米国特許願第10/714,156号は、2001年10月9日に提出し現在放棄されている米国特許公開第2002/0044961号、SN第09/972,664号の継続出願であり、また上記米国特許公開第2002/0044961号は、1999年5月27日に提出し現在放棄されているSN第09/320,559号の一部継続出願であり、これらすべてを参照によって本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、新規ソフトゼラチンカプセル栄養補助食品に関し、特に、ビタミンやミネラルだけでなく必須脂肪酸及び鉄も含む、妊婦用ソフトゼラチンカプセル栄養補助食品に関する。本発明また、妊婦又は授乳婦並びにその胎児及び/又は母乳を飲んでいる子供を栄養面で支援するための、前記補助食品の使用法にも関する。これら補助食品は、従来の出産前栄養補助食品の投与に伴う不快な味、吐出、胃食道逆流、消化不良及び吐き気を低減し、それらを製造するプロセスを低減するよう特に設計されている。
【0003】
必須脂肪酸(アラキドン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸)は、胎児の適正な発育や母親の適正な生物学的機能に欠くことのできないものである。蓄えられている各種脂肪酸供給物は、身体の生化学経路の大部分を支持している生化学基礎的要素である。しかし、母体の必須脂肪酸状態の低下が知られている現象であることは証明されている。Otto,S.J.他、リン脂質における母体及び新生児の必須脂肪酸状態:国際比較研究(Maternal and Neonatal Essential Fatty Acid Status in Phospholipids:An International Comparative Study)、ヨーロピアンジャーナルオブクリニカルニュートリション(European Journal of Clinical Nutrition)、1997年4月、第51巻、第4号、232〜242頁。このように、必須脂肪酸は胎児の発育に必要であるがゆえに、妊婦及び/又は授乳婦は、妊娠及び授乳期を通じて各種脂肪酸を十分なレベルに維持しておく必要がある。
【0004】
リノール酸及びリノレン酸は、必須脂肪酸の前駆体であり食事摂取によって得られる。アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は、母体及び胎児の健康維持に必要な必須脂肪酸である。
【0005】
リノール酸は、オメガ6脂肪酸ファミリーの重要な前駆体である。身体はリノール酸を使って、細胞膜の構造健全性の維持に役立つ炭素数20の重要な脂肪酸、アラキドン酸を合成する。
【0006】
リノレン酸は、オメガ3脂肪酸ファミリーの重要な前駆体である。身体は、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を作るためにこの脂肪酸を必要とする。多くの身体組織がEPA及びDHAを必要とする。DHAは、網膜及び脳の大脳皮質において特に重要である。出生前には胎児の身体中のDHAの2分の1は脳に蓄積し、半分は出生後の脳に蓄積するが、このことは、脂肪酸が妊娠期間の胎児及びその後の授乳期間の乳児にとって重要であることを示すものである。
【0007】
妊娠期間に鉄を補給することは、鉄欠乏性貧血が一般に妊婦及び授乳婦に見られるという事実があるため、決まって行われることである。このような貧血は、可能な場合には、食事療法によって治療してもよい。しかし、女性の貧血又はつわりなどの胃の状態が重症なために、この療法が不可能になることもある。したがって、ビタミンB12及び葉酸などの補足のビタミン類を含む鉄の栄養補助食品を投与し、鉄の吸収を高めることがある。
【0008】
胃腸の運動性の問題は、妊娠期に関わらず妊婦によくある問題である。女性のおよそ45%〜85%が、妊娠期間に消化障害を経験したと報告している。Olans他、妊娠中の胃食道逆流(Gastroesophageal Reflux in Pregnancy)、ガストロインテンスティナルエンドスコピークリニクスオブノースアメリカ(Gastrointest Endose Clin N Am)、4(4)、699〜712頁、1994年。妊婦が経験する典型的な症状としては、おくび、胸やけ、胃食道逆流、消化不良、吐出、不快な臭い及び/又は味に対する感受性の増大、吐き気及び嘔吐が挙げられる。メルクマニュアル(Merck Manual)、1850〜1866頁、第16版、1992年。これらの症状は、一部は妊娠期間にある女性の身体に起きる生理学的変化によって生じると考えられている。
【0009】
妊娠が進むにつれ、プロゲステロンレベルが消化管関連の平滑筋を弛緩させるまでに上昇するため、胃腸の運動性が低下する。メルクマニュアル(Merck Manual)、1850〜1866頁、第16版、1992年。胃が空になる時間が遅れ、食道と胃の境界に位置する括約筋が弛緩すると、胃液の食道内への逆流、例えば、胃食道逆流が起こることがある。同書。横隔膜裂孔の弛緩によってこの状態が悪化することがある。同書。
【0010】
この逆流物の焼灼的性質及び食道からの逆流物を取り除くことができないことによって、胸やけ又は胸やけ様の症状の原因となることがある。同書。一部の例では、胸やけ症状は、胃の内容物の口内への吐出を伴う。メルクマニュアル(Merck Manual)、1850〜1866頁、第16版、1992年。
【0011】
胃食道逆流の状態は、もし管理及び/又は治療しなければ、永続する可能性がある。胃内容物の焼灼的性質のせいで、食道をこれらの物質に繰り返し曝すと、食道括約筋が永久に機能不全となる可能性がある。同書。さらに、より深刻な例では、食道炎、消化性食道狭窄、食道潰瘍及びBattert’s化生が胃食道逆流に合併した症例を起こす。同書。したがって、状態の管理及び治療は最も重要である。
【0012】
妊娠に関連した胃腸障害は、普通その程度は軽く、妊娠すれば当然経験することとして見られている。しかし、これらの事実によって、妊婦が経験する不快症状が減ることもなく又は起こりうる合併症の重症度が軽減されるわけではない。さらに、妊婦の医薬療法がどのようなものであれ、第一の関心事は、提案された薬物治療の潜在的催奇形性である。多くの胃腸薬は知られている催奇形性物質であるか、又は妊娠しているヒトへの影響に関していまだ十分に研究されていない。
【0013】
胃食道逆流の治療に使われる薬剤は、倫理上及び法医学上の懸念が理由となって、妊婦において無作為化比較試験が日常的に又は活発に行われていないことは認められている。Broussard他、妊娠期間及び授乳期間の胃食道逆流の治療:最も安全な治療の選択肢とは何か(Treating Gastroesophageal Reflux Disease during Pregnancy and Lactation:What are the Safest Therapy Options)、ドラッグセイフティ(Drug Saf)、19(4)、325〜337頁、1998年。例えば、食道括約筋圧に対して顕著な効果を有するために胃食道逆流に処方される薬物類の1つである、PolyMedica Pharmaceuticals(U.S.A),Incから入手可能な抗コリン作動薬Cystospaz(登録商標)は、動物生殖試験が行われていないため妊婦への使用は推奨さていない。また、CYSTOSPAZ(登録商標)錠剤又はCYSTOSPAZ−M(登録商標)カプセル剤が、妊婦に投与した場合に胎児への害を引き起こすかどうかも知られていない。フィジシャンズデスクレフアレンス(Physicians’Desk Reference)、第53版、2526〜2527頁、1999年。
【0014】
その他の抗コリン作動薬も同様の注意事項が付されている。A.H.Robins Companyから入手可能なDonnatal(登録商標)は、十分な動物生殖試験が行われていないため、また、その薬剤の胎児への影響が未知であるために、妊婦への投与は推奨されていない。同書、2636頁。Schwarz Pharma,Inc.から入手可能なKutrase(登録商標)、やはりSchwarz Pharma,Inc.から入手可能なLevsin(登録商標)、及びA.H.Robins Companyから入手可能なRobaxisal(登録商標)も全て、妊婦及び/又は授乳婦への処方に関して同様の注意事項が付されている。同書、2907頁、2910頁及び2646頁参照。
【0015】
その結果、大部分の医師達が最初に行うことは、薬物治療ではなく、積極的なライフスタイルの変更及び食事の変化によって妊婦の胃腸障害を管理することである。Katz他、妊娠中の胃食道逆流(Gastroesophageal Reflux Disease during Pregnancy)、ガストロエンテロロジークリニクスオブノースアメリカ(Gastroenterol. Clin. North Am.)、27(1)、153〜167頁、1998年。この治療方針は、主として、薬物治療によって胎児が催奇形性物質に暴露されることを懸念することによるものであり、ライフスタイル及び食事の管理が障害の緩和促進にしばしば非常に有効であることが分かっている。Katz他、妊娠中の胃食道逆流(Gastroesophageal Reflux Disease during Pregnancy)、ガストロエンテロロジークリニクスオブノースアメリカ(Gastroenterol.Clin.North Am.)、27(1)、153〜167頁、1998年。
【0016】
食事管理は、胃食道逆流の症状を起こす食品又は食品の類を分離することから成る。メルクマニュアル(Merck Manual)、749頁、第16版、1992年。典型的には、状態を悪化させる一般的な食品は、油で揚げた食品又は脂っこい食品、カフェインの入った飲料又は食品、例えばコーヒー及びチョコレート、並びに香辛料の入った食品である。このような食品は、酸の産生を刺激しかつ/又は下部食道括約機能を低下させると考えられている。同書及びNebel他、症候性胃食道逆流:発生及び促進要因(Symptomatic Gastroesophageal Reflux:Incidence and Precipitating Factors)、アメリカンジャーナルオブダイジェスティブディジージズ(Am.J.Dig.Dis)、21(11)、953〜956頁、1976年参照。
【0017】
さらに、胃腸障害の緩和は、妊婦を、少量ずつ頻繁に食べるように、また、脂肪の摂取を減らしながら炭水化物の量を増やすように仕向けることによってもたらすことができることが分かっている。Morton、妊娠中の吐き気及び嘔吐の治療(Treating Nausea and Vomiting in Pregnancy)、アメリカンファミリーフィジシャン(Am.Fam.Physician)、48(7):1279〜1284頁、1993年。その他の一般的な推奨としては、刺激の少ない食事を始めること、強い食品臭を避けること及び食事規制から出産前ビタミンを削ることなどが挙げられる。同書。
【0018】
出産前ビタミンを削ることは、妊婦にとっては問題のある推奨である。ビタミン補給剤が不愉快な胃腸作用、即ち、むかつき、吐出、胃食道逆流、消化不良及び/又は吐き気などをもたらすことがあること、また、その味、臭い、大きさ及び/又は錠剤の質感などのために摂取するのが不愉快となることがあることなどは広く認められていることであるが、一方で妊婦には多くの栄養が必要であることもまた確固とした事実である。母体は、胚及び胎児が発育する環境を提供する。同書を参照されたい。
【0019】
特に、妊娠期最初の20〜25日間は、胎盤が未だ形成されておらず、胎児血行も確立されていない。したがって、この期間中、胎児は消化された母体の子宮細胞及び血液滲出液の拡散によって栄養分を得ている。Schorah、胚及び初期胎児の発育における十分なホレート栄養の重要性(Importance of Adequate Folate Nutrition in Embryonic and Early Fetal Development)、妊娠期及び授乳期のビタミン及びミネラル(Vitamins and Minerals in Pregnancy and Lactation)、Berger編、第16巻、167〜176頁、1988年を参照されたい。妊娠期最初の20〜25日間に十分な栄養を供給することが、子宮内膜に最適濃度の必須微量栄養素を供給するために必要であると考えられている。同書を参照されたい。
【0020】
さらに、先天性欠損の発生率の増加は不十分な母体の栄養と関連づけられている。神経管欠損症、すなわち、脊椎披裂又は無脳症をもって生まれる乳児の事例が、様々な栄養欠乏症、主として低血中葉酸濃度及び低血中ビタミンC濃度といった欠乏症を有する女性において報告されている。Smithells、ビタミン欠乏症と神経管欠損症(Vitamin Deficiencies and Neural Tube Defects)、アーカイブズオブディジーズインチャイルドフッド(Arch.Dis.Child)、51:944〜950頁、1976年。
【0021】
妊婦の栄養状態が重要であることは、現在入手できる出産前ビタミン剤の数を見れば明らかである。フィジシャンズデスクレフアレンス(Physicians’Desk Reference)には、妊婦用の種々のビタミン及びミネラル補助食品が記載されている。例えば、The Fielding Companyから入手可能な出産前製剤Nestabs(登録商標)CBFは、単位用量当たりビタミンA4,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンE30IU、ビタミンC120mg、葉酸1mg、チアミン3mg、リボフラビン3mg、ナイアシンアミド20mg、ピリドキシン3mg、ビタミンB128mcg、カルシウム20mg、ヨウ素100mcg、亜鉛15mg及び鉄50mgを含有する。NESTABS(登録商標)CBFは、妊娠及び授乳期間中に使用すべく特に配合されたものであるが、錠剤の形態でしか入手できない。フィジシャンズデスクレフアレンス(Physicians’Desk Reference)、53版、1999年、1011頁を参照されたい。
【0022】
Lederle Laboratoriesから入手可能な出産前ビタミン及びミネラル製剤Materna(登録商標)は、単位用量当たりビタミンA5,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンE30IU、ビタミンC120mg、葉酸1mg、ビタミンB3mg、ビタミンB3.4mg、ビタミンB10mg、ナイアシンアミド20mg、ビタミンB1212mcg、ビオチン30mcg、パントテン酸10mg、カルシウム200mg、ヨウ素150mcg、鉄27mg、マグネシウム25mg、銅2mg、亜鉛25mg、クロム25mg、モリブデン25mg、マンガン5mg及びセレン20mcgを含有する。Materna(登録商標)は、受胎前、妊娠期の初めから終わりまで及び生後期にわたり、母乳を与えている母親及び与えていない母親の両者に対してビタミン及びミネラルを補給すべく設計されたものであるが、錠剤の形態でしか入手できない。同書1522〜1523頁を参照されたい。
【0023】
Mead Johnson Nutritionals、Mead Johnson & Companyから入手可能なマルチビタミン及びマルチミネラル補給食品Enfamil(登録商標)Natalins(登録商標)RXは、単位用量当たりビタミンA4,000IU、ビタミンC80mg、ビタミンD400IU、ビタミンE15IU、チアミン1.5mg、リボフラビン1.6mg、ナイアシン17mg、ビタミンB4mg、葉酸1mg、ビタミンB122.5mcg、ビオチン30mcg、パントテン酸7mg、カルシウム200mg、鉄54mg、亜鉛25mg及び銅3mgを付与する。Enfamil(登録商標)Natalins(登録商標)RXは、妊娠又は授乳期間中の食事を補うために配合されたものであるが、錠剤の形態でしか入手できない。同書1692頁を参照されたい。
【0024】
Sanofi Pharmaceuticals,Inc.から入手可能な出産前ビタミン剤Prenate(登録商標)Ultraは、単位用量当たり元素鉄90mg、ヨウ素150mcg、カルシウム200mg、銅2mg、亜鉛25mg、葉酸1mg、ビタミンA2700IU、ビタミンD400IU、ビタミンE30IU、ビタミンC120mg、ビタミンB3mg、ビタミンB304mg、ビタミンB20mg、ビタミンB1212mcg、ナイアシンアミド20mg及びドクサートナトリウム50mgを含有する。Prenate(登録商標)Ultraは、母乳を与えている母親及び与えていない母親の両者に対して妊娠期を通してまた生後期においてその栄養状態を改善するために使われるとしているが、錠剤の形態でしか入手できない。同書2802頁を参照されたい。
【0025】
Schwarz Pharmaca,Inc.から入手可能な製剤Niferex(登録商標)−PNは、単位用量当たり鉄60mg、葉酸1mg、ビタミンC50mg、ビタミンB123mcg、ビタミンA4,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンB2.43mg、ビタミンB3mg、ビタミンB1.64mg、ナイアシンアミド10mg、カルシウム125mg及び亜鉛18mgを含有する。Niferex(登録商標)−PNは、妊娠及び授乳に関連して食事においてビタミン及びミネラルが欠乏するのを予防及び/又は治療するものとしているが、錠剤の形態でしか入手できない。フィジシャンズデスクレフアレンス(Physicians’Desk Reference)、53版、1999年、2916〜2917頁を参照されたい。
【0026】
やはりSchwarz Pharmaca,Inc.から入手可能な製剤Niferex(登録商標)−PN Forteは、単位用量当たり鉄60mg、葉酸1mg、ビタミンC50mg、ビタミンB123mcg、ビタミンA5,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンE30IU、ビタミンC80mg、葉酸1mg、ビタミンB3mg、ビタミンB3.4mg、ビタミンB4mg、ナイアシンアミド20mg、ビタミンB1212mcg、カルシウム250mg、ヨウ素200mcg、マグネシウム10mg、銅2mg及び亜鉛25mgを含有する。Niferex(登録商標)−PNは、妊娠及び授乳に関連して食事においてビタミン及びミネラルが欠乏するのを予防及び/又は治療するものとしているが、錠剤の形態でしか入手できない。同書2917〜2918頁を参照されたい。
【0027】
Solvay Pharmaceuticals,Inc.から入手可能な出産前マルチビタミン/ミネラル補助食品Advanced Formula Zenate(登録商標)は、単位用量当たりビタミンA3,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンE10IU、ビタミンC70mg、葉酸1mg、ビタミンB1.5mg、ビタミンB1.6mg、ナイアシン17mg、ビタミンB2.2mg、ビタミンB122.2mg、カルシウム200mg、ヨウ素175mcg、鉄65mg、マグネシウム100mg及び亜鉛15mgを含有する。Advanced Formula Zenate(登録商標)は、受胎周辺期、妊娠及び授乳に関連する栄養面でのストレスにおける食事付加物であり、錠剤の形態でしか入手できない。同書3128頁を参照されたい。
【0028】
Ther−Rx Corporationから入手可能な出産前マルチビタミン/ミネラル製剤Precare(登録商標)は、単位用量当たり、ビタミンC50mg、カルシウム250mg、鉄40mg、ビタミンD6mcg、ビタミンE3.5mg、ビタミンB2mg、葉酸1mg、マグネシウム50mg、亜鉛15mg及び銅2mgを含有する。Precare(登録商標)は、母乳を与えている母親及び与えていない母親の両者に対して妊娠期を通してまた生後期においてビタミン及びミネラルを補給するとしているが、カプレットの形態でしか入手できない。同書3163頁を参照されたい。
【0029】
Warner Chilcott Laboratoriesから入手可能な出産前マルチビタミンNatafort(登録商標)は、単位用量当たりビタミンA1,000IU、ビタミンD400IU、ビタミンE11IU、ビタミンC120mg、葉酸1mg、チアミン一硝酸2mg、リボフラビン3mg、ナイアシンアミド20mg、ビタミンB10mg、ビタミンB1212mcg及び鉄60mgを含有する。Natafort(登録商標)は、母乳を与えている母親及び与えていない母親の両者に対して妊娠期を通してまた生後期においてビタミン及びミネラルを補給するように設計されているが、錠剤の形態でしか入手できない。フィジシャンズデスクレフアレンス(Physicians’Desk Reference)、53版、1999年、3212頁を参照されたい。
【0030】
本発明の譲受人であるKV Pharmaceuticalsから入手可能な栄養補助食品PrimaCareは、必須脂肪酸、ビタミン及びミネラルを含み、2つの剤形、ソフトゼラチンカプセルと錠剤、が必要である。
【0031】
ソフトゼラチンカプセル製剤は、ゼラチン、可塑剤及び少量の水を含む柔軟なワンピース型の密封ソフトシェル剤であって、1種又は複数の有効成分である充填物を含有して液体、懸濁液又は半固体の芯を形成している。ソフトゼラチン技術については以前から様々な文献に記載がある。例えば、Yu他の米国特許第5,071,643号は、酸性、塩基性又は両性の医薬品の溶解度を高め、その結果として、ソフトゼラチン充填物又はツーピース型カプセル化に好適な高濃度の溶液を生成する溶媒系を開示している。この溶媒系は、0.2〜1.0モル当量の薬剤と1〜20%の水を含有するポリエチレングリコールを含む。グリセリン又はポリビニルピロリドンを添加して、ある種の薬物の溶解度をさらに高めることもできる。この溶媒系は、薬剤の溶解度を40〜400%高めることができる。
【0032】
Stoneの米国特許第5,827,535号は、字句、名前、ロゴなどの文字表示や、絵表示などが型押しされたソフトゼラチン剤及びその製造方法を開示している。
【0033】
Ratko他の米国特許第5,422,160号及び同第5,246,635号は、表面の少なくとも一部にある質感を備えたソフトゼラチン剤、その製造方法及び製造装置を開示している。
【0034】
Steele他の米国特許第5,200,191号は、カプセル化したソフトゼラチン剤をストレス緩和処理する工程を含むソフトゼラチン剤の製造方法を開示している。ストレス緩和工程において、ソフトゼラチン剤は乾燥トンエル内に置かれ、高温高湿条件に暴露される。
【0035】
Coapman他の米国特許第5,141,961号は、難溶解性の医薬品有効成分を、外部から熱又は水を加えずに、ポリエチレングリコールとポリビニルピロリドンの混合物に溶解させる方法を開示している。
【0036】
Cimilucaの米国特許第5,641,512号は、カフェインなどのキサンチン誘導体を含有するソフトシェル中に鎮痛薬を含むソフトゼラチンカプセル組成物を開示している。
【0037】
Yu他の米国特許第5,360,615号は、酸性、塩基性又は両性の医薬品の溶解度を高め、その結果としてソフトゼラチン充填物又はツーピース型カプセル化に好適な高濃度の溶液を生成する溶媒系を開示している。この溶媒系は、薬剤1当量当たり0.2〜1.0モル当量のイオン化剤と1〜20%の水を含有するポリエチレングリコールを含む。
【0038】
前記各組成物及び方法は、様々な側面において欠陥を有している。第一に、それらの組成物は、脂肪酸及び鉄をソフトゼラチン製剤の形で投与するという具体的目的のもとに配合されたものではない。出産前ビタミン剤がより飲み下し易い形態となる必要があることを認識している前記参考文献でさえも、コーティングした錠剤又はカプレット製剤に限定されており、不快な味及び/若しくは臭い、吐出、胃食道逆流、消化不良、並びに/又は吐き気を最小限に抑え、且つ飲み下し易さ又は摂取し易さを最大にするには最適でない。さらに、議論されているソフトゼラチン製剤の製剤化にしても、脂肪酸及び鉄並びにその他のビタミン及びミネラルを含有する特定の栄養組成物を、出産前患者用に配合するという点ではなんら参考にならない。このように、これらの参考文献は、妊婦のためのビタミン及びミネラル補助食品の経口投与を改善するという点に関しては不十分である。さらに、ソフトゼラチンカプセル内に鉄が存在すると、ゼラチンが架橋して水に不溶となる傾向がある。これによって、ソフトゼラチン剤を摂取しても、その内容物が溶解せず、放出されないということになる。最後に、先に開示されている組成物は、出産前ビタミンの生理活性ソフトゼラチン製剤を実現する最適な手段に関する限りなんら参考になるものではない。
【0039】
したがって、ビタミン及び他のミネラルと共に脂肪酸及び鉄を送達し、患者の胃腸管に与えるマイナスの影響を最小限に抑えらながら患者の全般的健康をサポートするようなソフトゼラチン出産前ビタミン及びミネラル補助食品が、依然として当技術分野では必要とされている。また、出産を控えた母親の健康を促進し、快く摂取でき、そのために患者のコンプライアンスが高められるようなソフトゼラチン製剤であって、同時に患者の出費が最小限に抑えられるようなソフトゼラチン製剤が特に必要とされている。
【0040】
胃腸系への刺激を最小限に抑えるように設計された、栄養面での妊婦のニーズへの取り組みに役立つ製剤を有することも特に望まれている。具体的には、脂肪酸及び鉄を長時間にわたって送達する製剤を提供することによって栄養面での妊婦のニーズへの取り組みに役立つ製剤を有することが望まれている。妊娠期間中は胃腸系が敏感になるがゆえに、また、妊娠期間中は薬物適用を減らしたい又は避けたいという要望があるがゆえに、このソフトゼラチン製剤は胃腸障害を引き起こさないという点で有利である。このように、出産前ビタミン及びミネラル食事療法への参加を必要としている又は望んでいるが、胃腸系が敏感になっているために参加できないという妊婦の生理学的ニーズに取り組むべく、まったく新しい、安全且つ効果的な手法が全般に必要とされている。
【0041】
(発明の概要)
本発明の1つの態様においては、妊婦又は授乳婦に投与するためのソフトゲル栄養補助食品が提供される。この栄養補助食品は、必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体、及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つとを含む栄養補助食品であって、ソフトゼラチンシェルの剤形で提供される。
【0042】
本発明の別の態様においては、前記妊婦又は授乳婦に投与するためのソフトゲル栄養補助食品の製造方法が提供される。この製造方法は、必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体、及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つとを含む方法であって、その栄養補助食品はソフトゼラチンシェルの剤形で提供される。
【0043】
本発明のまた別の態様においては、妊婦又は授乳婦に投与するための栄養補助食品の投与方法が提供される。この投与方法は、少なくとも1つの必須脂肪酸、少なくとも1つの必須脂肪酸前駆体、少なくとも1つの必須脂肪酸の誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つとを含むソフトゲルカプセルを経口投与することを含む方法であって、その栄養補助食品はソフトゼラチンシェルの剤形で提供される。
【0044】
これらの態様は、単に本発明を説明するために例示したものである。
【0045】
(詳細な説明)
本明細書において、ソフトゼラチンとは、充填物、特に液体、懸濁液又は半固体を含有するワンピース型密封ソフト又は半ソフトゼラチンシェルのことを言う。
【0046】
不快な味とは、通常栄養化合物を含有する経口製剤に伴う嫌な味、又は一般に大部分の人にとって、特に妊婦若しくは授乳婦にとって口にするには望ましくないと考えられるようなすべての味のことを言う。
【0047】
嚥下又は経口摂取の困難とは、栄養化合物を口から取りきることができないことを言う。これは主として、補助食品の不快な味及び/若しくは臭い、胃腸の感受性、又は患者の生理学と栄養化合物の物理的特性との間に生じるその他の不適合によるものと考えられるが、これに限定されるものではない。
【0048】
生理活性コア組成物とは、ソフトゼラチンコーティング中に含有され、食用油又はポリマー中に懸濁させた栄養化合物から構成され、且つ各種疾患若しくは疾病の治療、予防、診断、治癒若しくは緩和のために使用して解剖学的構造若しくは生理学的機能をもたらすことができる、又は身体への外界からの影響を変えることができるような液体、懸濁液又は半固体の組成物のことを言う。
【0049】
栄養化合物とは、身体の細胞に栄養を付与し、且つ胚又は胎児及び母乳を飲んでいる子供を発育させるような全化合物のことを言い、それら化合物は、特に限定されないが、あらゆるビタミン、ミネラル、酵素、微量元素、微量栄養素、脂肪酸、トリグリセリド、アミノ酸、薬草化合物、電解質、タンパク質、炭水化物、それらの誘導体又はそれらの組合せを含む。
【0050】
本発明の主題は、一つには、妊婦には特定の栄養が必要であり、これらの必要を満たすことによって得られる実質的な生理学的利点があるという発見に基づくものである。本発明は、特に、妊婦及び/又は授乳婦に対し必須脂肪酸及び各種鉄を投与することに関する。
【0051】
栄養上の必要を満たすための妊婦の能力が、胃腸管の感受性が高くなっていることによって妨げられていることがあるという発見も、本発明の主題にとって重要である。しかし、この感受性を最小限に抑えることは、ライフスタイルの変更及び食事の変更などによって可能である。本発明の主題である製品は、最適な栄養成分を提供する製品であり、且つ、妊婦の胃腸の感受性が高くなっていることを考慮した剤形で提供される製品である。
【0052】
理論に制限されることなく、本発明の主題である組成物及び方法は、母体の健康の維持と子供の発育に決定的に重要な必須脂肪酸と鉄の源を提供するという点で有効である。また、それらの栄養素は、胃腸管への影響が小さくなるように設計された剤形で提供される。すなわち、製剤はソフト且つ柔軟に設計されており、不快な味及び/又は臭いは最小限に抑えられている。また、本発明の主題である組成物及び方法は、胃腸管にマイナスの影響を及ぼすような反応を開始することがなく、又はそのような反応を刺激することがなく、又はそのような反応の触媒として作用することがないという点でも有効である。
【0053】
本発明の主題である栄養補助食品は、妊娠期に起きやすい栄養不足を緩和するために妊婦への投与を目的とした特定の栄養組成物を含有している。さらに、本発明の主題によれば、欠乏すると先天性欠損を引き起こすことが判明している特定のビタミン及びミネラルの必要栄養素が満たされ、且つ妊娠期間において全身的健康が可能となる。本発明の主題である製剤によって、妊娠期の生理学的ストレスによって必要となるような栄養補給の利点が最適化される。
【0054】
本発明の主題である栄養組成物は、妊娠期における不快な味、吐出、胃食道逆流、消化不良、吐き気、又は栄養剤の嚥下若しくは経口摂取困難を最小限に抑えるような妊婦への投与を目的とした剤形、すなわちソフトゼラチンの形で付与される。胃腸管への影響が少ないことに関するソフトゼラチン剤形の効果は、製剤が小型であること及び柔軟でソフトな物理的特性を有することに関連づけられるように思われる。本発明の主題であるソフトゼラチン剤は滑らかな外表面を有し、その外表面は嚥下時の抵抗が最小限に抑えられるような弾性を有している。このようなソフトゼラチン剤が食道括約筋にマイナスの影響を及ぼす可能性は小さく、したがって胃食道逆流状態を引き起こす又は悪化させる可能性も小さくなる。これらの特性に加え、栄養組成物をコアマトリクス中に予め分散させておくと、酸性の胃腸環境に対する活性成分の反応性が低下し、したがって逆流及び吐出現象の低減に役立つことになる。さらに、ソフトゼラチン剤のゼラチンコーティングによって、従来のビタミン及びミネラル補助食品に一般に伴う不快な味及び/又は臭いは最小限に抑えられ、それによってこのようなマイナスの特質に伴う吐出、消化不良、吐き気及びむかつきが低減される。
【0055】
本発明の主題である栄養組成物は、妊娠期間中に最適な健康状態をもたらし、且つ起こり得る胃腸管へのマイナスの影響をすべて最小限に抑えるために配合される。ソフトゼラチン処方の使用によってもたらされるマイナスの影響の低減の度合いは、以下の本発明を限定しない諸例、例えば、ストレス、アルコール摂取、カフェイン摂取、喫煙、不十分な食事管理、患者の不十分なコンプライアンスなどの多くの外的要因によって軽減される。また、組成物の有効性も、特に限定されないが、遺伝的素質、健康要因などの多くの理由によって個体間で異なる可能性がある。
【0056】
不快な味、吐出、胃食道逆流、消化不良、吐き気、又はソフトゼラチン栄養剤の嚥下若しくは経口摂取困難に及ぼす影響がいかに少なく抑えられたかを数量化することは困難である。しかし、妊娠に伴う通常の胃腸障害、すなわち胸やけ、胃食道逆流、消化不良、吐き気、吐出、むかつきなどの複雑でない障害発生を患う平均的な健康な妊婦ならば、本発明の製剤の使用によってこれらの症状を最小限に抑えることができよう。さらに、正常の範疇に分類されるには胃腸障害が顕著である妊婦の場合でも、特にその胃腸障害が従来のビタミン及びミネラル錠剤を摂取したことにより引き起こされている又は悪化している場合、又は胃腸障害の状態によって従来の錠剤形の出産前補助食品の摂取が不可能になっている場合に、本発明の主題である製剤がこれらの症状に対してプラスの効果を示すことがわかるであろう。
【0057】
本発明の主題は、食用油又はポリマー中に均一に懸濁させた栄養化合物から構成される、粘着性の生理活性コア組成物を含むことも意図している。好ましくは、栄養化合物は、重量で、生物学的に活性なコア組成物の約2%〜98%である。より好ましくは、栄養化合物は、重量で、生物学的に活性なコア組成物の約3%〜97%である。最も好ましくは、栄養化合物は、重量で、生物学的に活性なコア組成物の約4%〜96%である。
【0058】
本発明の代替の実施形態においては、製剤は当技術分野で良く知られているその他の剤形を取っていてよい。
【0059】
本発明の主題である組成物は、必須脂肪酸を含む。必須脂肪酸は任意の生物学的に有用な脂肪酸であって、ポリ不飽和短鎖、中鎖又は長鎖脂肪酸、オメガ3、オメガ6及びオメガ9脂肪酸、並びにオメガ3、オメガ6及びオメガ9脂肪酸などの任意の脂肪酸の前駆体及び誘導体である。このような脂肪酸及び前駆体には、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、オレイン酸、リノレン酸及びリノール酸が含まれる。本発明の脂肪酸は、特に限定されないが、天然若しくは合成の油、脂肪、蝋、又はそれらの組合せを含む任意の源に由来するものであってよい。さらに、本明細書における脂肪酸は、特に限定されないが、非水素化油、部分水素化油、完全水素化油又はそれらの組合せに由来するものであってよい。本発明を限定しない脂肪酸源の例としては、種子油、魚若しくはマリーン油、カノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、ナスターチウム種子油、カラシ種子油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米糠油、ババス実油、パーム油、低エルカ酸菜種油、パーム核油、ルピナス油、ココナッツ油、アマニ油、マツヨイグサ油、ホホバ油、獣脂、牛脂、バタ、鶏脂、ラード、乳脂肪、シアバタ又はそれらの組合せが挙げられる。本発明を限定しない特定の魚若しくはマリーン油の例としては、甲殻類油、マグロ油、サバ油、サーモン油、メンヘーデン油、アンチョビ油、ニシン油、マス油、イワシ油、海草若しくはケルプ由来の油、又はそれらの組合せが挙げられる。
【0060】
本発明の1つの実施形態においては、油は藻類の産物である。米国特許第5,539,133号においては、元来海洋に生息する、褐藻類、紅藻類及び緑藻類の科由来の大型藻類が、EFAの源として使用されているが、これを参照によって本明細書に組み込むものとする。これらの藻類のうち、褐藻綱(Phaeoophyceae)及び紅藻綱(Rhodohyceae)の科由来の藻類は特別重要である。一方、世界の他の地域、とりわけ北ヨーロッパ及び東アジア(日本)の沿岸地域では一定の種がヒトの栄養分として使われている。これらの大型藻類は、大洋の多くの大陸棚域で見つけることができ、無制限といっていいほどの量が入手できる。大型藻類のいくつかは、海の仕切られた領域で意図的な栽培がおこなわれている(養殖)。
【0061】
驚くべきことに、ある有機溶媒又凝縮気体を使うと、このような大型藻類から、LCPの割合が高い脂質が経済的に抽出できることが判明した。さらに、この大型藻類は、そこから得られる本発明に使う原料の粒子径が50mmとなるように、実際に抽出する前に粉末にする。特に粉砕する。さらに、これら大型藻類は、粉末にする前又は後に乾燥し、その水分が重量で50%となるようにする。
【0062】
オメガ3及びオメガ6脂肪酸の前駆体は、より安定な最終産物、すなわちオメガ3及びオメガ6脂肪酸より先に生じ、それらに先行する生化学的物質である。これらの生化学的物質としては、特に限定されないが、リノレン酸とリノール酸が挙げられる。
【0063】
妊婦及び/又は授乳婦の脂肪酸の状態は、胎児の脳、免疫系及び心血管系の発育にとって重要であり、且つ、胎児又は母乳を飲んでいる乳児の身体のあらゆる器官において何らかの役割を果たしている。リノール酸は、オメガ6脂肪酸ファミリーの中で最も重要なメンバーである。身体は、リノール酸を使って、炭素数20の重要な脂肪酸、アラキドン酸を合成する。アラキドン酸は、細胞膜の構造健全性を維持するのに役立つ重要な脂肪酸である。さらに、脂肪酸は、細胞膜は別として、細胞内でシグナルとしての役目も果たしている。必須脂肪酸の絶対的及び相対的レベルがその生物学的効果を決定する。したがって、妊婦が適正な脂肪酸レベルを維持していることは非常に重要なことである。
【0064】
本発明の主題はまた、鉄を提供する成分又は鉄成分を含む。これら成分は、カルボニル鉄、可溶性鉄塩、難溶性鉄塩、不溶性鉄塩、キレート鉄及び鉄錯体から選択される。好ましいキレート鉄錯体は、米国特許第4,599,152号及び同第4,830,716号が主題としている。代替の実施形態においては、本発明の必須脂肪酸又はソフトシェルを含むゼラチンと反応しない鉄が使用される。本発明を説明するための非反応性の鉄の例としては、カルボニル鉄、及び当技術分野で良く知られている方法によってカプセル化されて、必須脂肪酸との反応が妨げられている鉄化合物が挙げられる。本発明を限定しない本発明の主題の好ましい1つの態様においては、カプセル化することができる可溶性鉄塩は、次亜リン酸鉄、アルブミン酸鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、サッカラート化酸化第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、塩化第一鉄、グルコン酸第一鉄、ヨウ化第一鉄、硫酸第一鉄、乳酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ヘム、トリスグリシン酸第二鉄、ビスグリシン酸第一鉄、硝酸第二鉄、サッカラート化水酸化第一鉄(ferrous hydroxide saccharate)、硫酸第二鉄、グルコン酸第二鉄、アスパラギン酸第二鉄、硫酸第一鉄七水和物、リン酸第一鉄、アスコルビン酸第二鉄、ギ酸第一鉄、酢酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、グルタミン酸第一鉄、コリンイソクエン酸第一鉄、硫酸フェログリシン、酸化第二鉄水和物、可溶性ピロリン酸第二鉄、サッカラート化水酸化第二鉄(ferric hydroxide saccharate)、サッカラート化鉄マンガン(ferric manganese saccharate)、次硫酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、三二塩化第二鉄、クエン酸第二鉄塩素、クエン酸第二鉄マンガン、クエン酸第二鉄キネーネ、クエン酸第二鉄ナトリウム、エデト酸第二鉄ナトリウム、ギ酸第二鉄、シュウ酸第二鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄カリウム、シュウ酸第二鉄ナトリウム、ペプトン酸第二鉄、ペプトン酸第二鉄マンガン、その他の医薬品として許容し得る鉄塩及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0065】
本発明を限定しない本発明の主題の別の好ましい態様においては、難溶性鉄塩は、酢酸第二鉄、フッ化第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、サッカラート化炭酸第一鉄、炭酸第一鉄塊、コハク酸第一鉄、クエン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、フマル酸第一鉄、コハク酸第二鉄、水酸化第一鉄、硝酸第一鉄、炭酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、酒石酸第二鉄、酒石酸第二鉄カリウム、塩基性炭酸第二鉄、グリセロリン酸第二鉄、サッカラート化第二鉄、サッカラート化水酸化第二鉄、サッカラート化第二鉄マンガン、硫酸第一鉄アンモニウム、その他の医薬品として許容し得る鉄塩及びそれらの組合せから成る群から選択される。先に記載したように、非反応性の鉄が所望であれば、これらの鉄塩をカプセル化することができる。
【0066】
本発明を限定しない本発明の主題の別の好ましい態様においては、不溶性鉄塩は、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、炭酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第一鉄、オキシ水酸化第二鉄、シュウ酸第一鉄、その他の医薬品として許容し得る鉄塩及びそれらの組合せから成る群から選択される。先に記載したように、非反応性の鉄が所望であれば、これらの鉄塩をカプセル化することができる。
【0067】
本発明を限定しない本発明の主題のまた別の好ましい態様においては、鉄錯体は、ポリサッカライド・鉄錯体、メチリジン・鉄錯体、EDTA・鉄錯体、フェナントロレン・鉄錯体、p−トルイジン・鉄錯体、サッカラート化第一鉄錯体、フェルレシット(ferrlecit)、グルコン酸第一鉄錯体、フェラムビティス(ferrum vitis)、サッカラート化水酸化第一鉄錯体、鉄・アレーンサンドイッチ錯体、アセチルアセトン・鉄錯体塩、鉄・デキストラン錯体、鉄・デキストリン錯体、鉄・ソルビトール・クエン酸錯体、サッカラート化酸化鉄、フマル酸第一鉄錯体、鉄ポルフィリン錯体、鉄フタロシアニン錯体(iron phtalocyamine complex)、鉄シクラム錯体、ジチオカルボキシ・鉄錯体、デスフェリオキサミン・鉄錯体、ブレオマイシン・鉄錯体、フェロジン・鉄錯体、鉄ペルハロポルフィリン錯体、アルキレンジアミン−N,N−ジコハク酸鉄(III)錯体、ヒドロキシピリドン・鉄(III)錯体、アミノグリコシド・鉄錯体、トランスフェリン・鉄錯体、チオシアン酸鉄錯体、シアン化鉄錯体、ポリフィリナト鉄(III)錯体、ポリアミノポリカーボネート鉄錯体、ジチオカルバメート鉄錯体、アドリアマイシン鉄錯体、アントラサイクリン・鉄錯体、MGD・鉄錯体、フェリオキサミンB、クエン酸第一鉄錯体、硫酸第一鉄錯体、グルコン酸第二鉄錯体、コハク酸第一鉄錯体、ポリグルコピラノシル鉄錯体、ポリアミノジコハク酸鉄錯体、ビリベルジン・鉄錯体、デフェリプロン鉄錯体、オキシ水素化第二鉄・デキストラン錯体、ジニトロシルジチオラート鉄錯体、鉄ラクトフェリン錯体、1,3−PDTA第二鉄錯体塩、ジエチルトリアミン五酢酸鉄錯体塩、シクロヘキサンジアミン四酢酸鉄錯体塩、メチルイミノ二酢酸鉄錯体塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸鉄錯体塩、ヒドロキシピロン第二鉄錯体、コハク酸第二鉄錯体、塩化第二鉄錯体、硫酸第二鉄グリシン錯体、アスパラギン酸第二鉄錯体、グルコン酸第一鉄ナトリウム錯体、水酸化第一鉄ポリマルトース錯体、その他の医薬品として許容し得る鉄錯体及びそれらの組合せから成る群から選択される。好ましい鉄は、米国特許第4,599,152号及び同第4,830,716号に開示されているが、それらを参照によって本明細書に組み込むものとする。
【0068】
本発明の主題の製剤は、ビタミンB又はその誘導体を含有する。ビタミンBの誘導体には、ビタミンBとは構造的に全く異なるがビタミンBの活性作用を保持している、ビタミンBから形成される化合物が含まれる。このような誘導体の例としては、特に限定されないが、ピリドキシン、ビタミンBの塩、ビタミンBのアルカリ塩、ビタミンBのキレート、それらの組合せ等が挙げられる。ビタミンBは、単独で又は他との組合せの様々な形で本発明の組成物中に存在する。組成物中のビタミンBの具体的な量は、使用する製剤の種類、すなわち速放性製剤か放出制御製剤かに基づいて調節される。本発明を説明するための1つの実施形態においては、ビタミンBは約10mg〜約150mgである。
【0069】
速放性組成物の場合、組成物中のビタミンBの量は、好ましくは約1mg〜約115mgの範囲である。さらに好ましくは、速放性組成物中のビタミンBの量は約2mg〜約110mgの範囲である。さらに好ましくは、速放性組成物中のビタミンBの量は約3mg〜約107mgの範囲である。最も好ましくは、速放性組成物中のビタミンBの量は約4mg〜約105mgの範囲である。
【0070】
本発明の主題の放出制御組成物中に存在するビタミンBの量は、好ましくは約75mg〜約125mgの範囲である。さらに好ましくは、放出制御組成物中のビタミンBの量は約85mg〜約115mgの範囲である。さらに好ましくは、放出制御組成物中のビタミンBの量は約90mg〜約110mgの範囲である。最も好ましくは、放出制御組成物中のビタミンBの量は約95mg〜約105mgの範囲である。
【0071】
本発明の主題の組成物は、葉酸化合物又はその誘導体を含んでいてよい。葉酸の誘導体には、ホラシン、プテロイルグルタミン酸、及び葉酸とは構造的に全く異なるが葉酸の活性作用を保持している、葉酸から形成される化合物が含まれる。本発明を限定しないその誘導体の例としては、葉酸の塩、葉酸のキレート、それらの組合せ等が挙げられる。葉酸は、単独で又は他との組合せの様々な形で本発明の組成物中に存在する。本発明の組成物中の葉酸は様々な種類の製剤中に、例えば、これに限定されるものではないが速放性製剤又は放出制御製剤中に存在することができる。徐放性葉酸も本発明の組成物に含むことができ、なぜならばこのような葉酸は胃腸への副作用を最小にするからである。葉酸の量は、好ましくは約0.4mg〜約5.0mgの範囲である。さらに好ましくは、これら組成物中の葉酸の量は約0.5mg〜約4mgの範囲である。最も好ましくは、これら組成物中の葉酸の量は約1mg〜約3mgの範囲である。以下、葉酸及びホレートという語を使用する場合、それらはその前駆体、誘導体及び代謝物を含むものとする。
【0072】
本発明の葉酸又はホレートは、還元ホレートの天然異性体を1つ又は2つ以上含む組成物を含んでいてよい。還元ホレートの天然異性体は、(6S)−テトラヒドロ葉酸、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸、5−ホルミル−(6S)−テトラヒドロ葉酸、10−ホルミル−(6R)−テトラヒドロ葉酸、5,10−メチレン−(6R)−テトラヒドロ葉酸、5,10−メテニル−(6R)−テトラヒドロ葉酸、5−ホルムイミノ−(6S)−テトラヒドロ葉酸及びそれらのポリグルタミル誘導体から成る群から選択することができるが、これは米国特許第5,997,915号及び同第6,254,904号の主題である。本明細書において引用される特許及び特許願はすべて参照によって本明細書に組み込む。
【0073】
本発明の主題の組成物は、カルシウム化合物又はその誘導体を含んでいてよい。カルシウムの添加は栄養面で有益であって、カルシウム化合物は胃の異常を最小限に抑え、また、組成物中に葉酸が存在する場合にはその生体利用性を高める。カルシウムの誘導体としては、これに限定されないが、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアパタイト、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、レブリン酸カルシウム、骨粉、牡蠣殻、及びカルシウムとは構造的に全く異なるがカルシウムの活性作用を保持している、カルシウムから形成される化合物が含まれる。本発明を限定しないその誘導体の例としては、カルシウムの塩、カルシウムのキレート、それらの組合せ等が挙げられる。カルシウムは、単独で又は他との組合せの様々な形で本発明の組成物中に存在する。好ましくは、補助食品はカルシウムを約50.0mg〜約1000mg含有する。さらに好ましくは、補助食品はカルシウムを約75mg〜約500mg含有する。
【0074】
本発明の組成物は、1つ又は2つ以上の天然の生物学的経路を介して妊婦及び/又は授乳婦の必須脂肪酸を維持する。例えば、アラキドン酸カスケードは、母乳の強化において重要な役割を果たす。すなわちアラキドン酸カスケードにおいては、先ずリノール酸がガンマリノレン酸に変換され、次いで、それぞれ1及び2系列のプロスタグランジンの前駆体であるジホモガンマリノレン酸及びアラキドン酸などの別の代謝物に変換される。
【0075】
第1の脂肪酸化合物は、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される。1つの実施形態においては、第1の脂肪酸化合物は、好ましくは約10mg〜約1000mg含まれ、より好ましくは約50mg〜約500mg含まれ、最も好ましくは約100mg〜約300mg含まれる。
【0076】
第2の脂肪酸化合物は、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸化合物、オメガ2脂肪酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される。第1の脂肪酸化合物がリノール酸又はその誘導体である場合には、第2の脂肪酸化合物はオメガ6脂肪酸であることが好ましい。1つの実施形態においては、第2の脂肪酸化合物は、好ましくは約10mg〜約1000mg含まれ、より好ましくは約50mg〜約500mg含まれ、最も好ましくは約100mg〜約300mg含まれる。
【0077】
好ましくは、第1の脂肪酸の第2の脂肪酸に対する重量比は、約1:0.001〜1:50である。より好ましくは、第1の脂肪酸化合物の第2の脂肪酸化合物に対する重量比は、約1:0.1〜1:10である。さらに好ましくは、第1の脂肪酸化合物の第2の脂肪酸化合物に対する重量比は、約1:0.9〜1:2.5である。最も好ましくは、第1の脂肪酸化合物の第2の脂肪酸化合物に対する重量比は、約1:1〜1:2である。
【0078】
本発明の主題の脂肪酸は、前記の脂肪酸として、又は例えば本明細書で後に詳述するような生物学的に許容し得る若しくは生理学的に等価な誘導体として使用することができる。請求項における言及も含め、ある脂肪酸についての言及は、その脂肪酸が何であれ、その脂肪酸の誘導体についての言及とも見なす。均等物は、脂肪酸それ自体の又はそれらの天然グリセリドエステルの効果に相当する効果によって明らかにされるように、身体の生合成経路に立ち入ることによって証明される。したがって、有用な誘導体の間接的な同定は、その脂肪酸自体が身体において有益な効果を示すかによる、しかし、例えばガンマリノレン酸のジホモガンマリノレン酸及びアラキドン酸への変換は、本発明の主題が関係する技術分野の通常の技能を有する者には良く知られている標準的な手法によって、血中、体脂肪中又はその他の組織中の濃度をガスクロマトグラフィー分析することによって直接示すことができる。
【0079】
本発明の主題において使われるようなリノール酸の誘導体としては、特に限定されないが、リノール酸の塩、リノール酸のアルカリ塩、リノール酸のエステル及びそれらの組合せが挙げられる。本発明の主題において使われるようなリノレン酸の誘導体としては、特に限定されないが、リノレン酸の塩、リノレン酸のアルカリ塩、リノレン酸のエステル及びそれらの組合せが挙げられる。本明細書において塩及びアルカリ塩とは、よく使われている有機又は無機の塩であって、医薬品用として許容し得る塩を言う。本発明を限定しないリノレン酸の例としては、ガンマリノール酸及びジホモガンマリノレン酸が挙げられる。
【0080】
本発明の主題の脂肪酸は、特に限定されないが、天然若しくは合成の油、脂肪、蝋、又はそれらの組合せを含む任意の源に由来するものであってよい。さらに、本明細書における脂肪酸は、特に限定されないが、非水素化油、部分水素化油、完全水素化油又はそれらの組合せに由来するものであってよい。本発明を限定しない脂肪酸源の代表例としては、種子油、魚若しくはマリーン油、カノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、ナスターチウム種子油、カラシ種子油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米糠油、ババス実油、パーム油、低エルカ酸菜種油、パーム核油、ルピナス油、ココナッツ油、アマニ油、マツヨイグサ油、ホホバ、獣脂、牛脂、バタ、鶏脂、ラード、乳脂肪、シアバタ又はそれらの組合せが挙げられる。本発明を限定しない特定の魚若しくはマリーン油の代表例としては、甲殻類油、マグロ油、サバ油、サーモン油、メンヘーデン油、アンチョビ油、ニシン油、マス油、イワシ油、海草若しくはケルプ由来の油、又はそれらの組合せが挙げられる。好ましくは、脂肪酸の源は魚若しくはマリーン油、大豆油、又はアマニ油である。
【0081】
リノレン酸は、オメガ3脂肪酸ファミリーの重要な前駆体である。身体は、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を作るためにこの脂肪酸を必要とする。多くの身体組織がEPAとDHAを必要とする。DHAは、網膜及び脳の大脳皮質において特に重要である。出生前には胎児の身体中のDHAの2分の1が脳に蓄積し、出生後にも2分の1が脳に蓄積するが、このことは、脂肪酸が妊娠期間の胎児及びその後の授乳期間の乳児にとって重要であることを示すものである。
【0082】
本発明の組成物に含まれる脂肪酸は、植物及び動物両方の源から得られる。植物源はオメガ3及びオメガ6脂肪酸前駆体であるリノレン酸及びレノール酸しか含まないが、一方マリーン源はEPAおよびDHAを含んでいるため、植物源とマリーン源を組み合わせて脂肪酸源とすると有益である。このようにすることで、身体は、植物源からの前駆体を使えるように変換している間に、ただちに利用可能なマリーン源のEPAおよびDHAを使う。
【0083】
本発明の主題の組成物は、ビタミンE化合物又はその誘導体を含んでいてよい。ビタミンEの誘導体の例としては、特に限定されないが、アルファトコフェロール、トコフェロール、トコトリエール、及びビタミンEとは構造的に全く異なるがビタミンEの活性作用を保持している、ビタミンEから形成される化合物が含まれる。本発明を限定しないその誘導体の例としては、ビタミンEの塩、ビタミンEのアルカリ塩、ビタミンEのキレート、それらの組合せ等が挙げられる。ビタミンEは、単独で又は他との組合せの様々な形で本発明の組成物中に存在する。
【0084】
本発明の主題の組成物は、場合によっては、下記のビタミン又はその誘導体の1つ又は2つ以上を含んでいてよい。すなわち、ビタミンB、チアミン、チアミンピロリン酸、ビタミンB、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、ビタミンB、ナイアシン、ニコチン酸、ニコチンアミド、ナイアシンアミド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、トリプトファン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンB12、コバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、ビタミンC、アスコルビン酸、ビタミンA、レチノール、レチナール、レチノイン酸、ベータカロテン、ビタミンD、カルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシビタミンD、1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、7−デヒドロコレステロール、ビタミンK、メナジオン、メナキノン、フィロキノン及びナフトキノンであるが、これに限定されるものではない。
【0085】
本発明の主題の組成物は、場合によっては、下記のミネラル及び/若しくは微量金属、又はその誘導体の1つ又は2つ以上を含んでいてよい。すなわち、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、ドクサートナトリウム、塩化物、マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マンガン、銅、ヨウ化物、亜鉛、クロム、モリブデン、フッ化物、セレン、モリブデン、コバルト、並びにそれらの組合せ及び誘導体であるが、これに限定されるものではない。本発明を限定しないミネラル化合物の誘導体の代表例としては、特に限定されないが、ミネラル化合物の塩、アルカリ塩、エステル及びキレート等が挙げられる。
【0086】
本発明の主題の組成物は、場合によっては、下記の種類の薬物の1つ又は2つ以上を非催奇形性の製剤の形で含んでいてよい。すなわち、アセトアミノフェンなどの鎮痛剤、制酸剤、カルシウム制酸剤、マグネシウム制酸剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、サリチル酸塩、ホルモン剤等であるが、これに限定されるものではない。
【0087】
本発明の主題の組成物は、本発明を限定しない下記の例の中の1つなどの、食用油を含んでいてよい。すなわち、種子油、堅果油、魚油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、トウモロコシ油、ベニバナ油、オリーブ油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、パーム油、カカオ油、ココナッツ油、アマニ油、パーム核油、カノーラ油、グレープシード油、クルミ油、ゴマ油、タラ肝油、マグロ油、サーモン油、サバ油、海草及びケルプ由来の油、並びにそれらの組合せ及び誘導体などの中の1つである。
【0088】
本発明の主題は、本発明を限定しない下記の例の中の1つなどのポリマーを含んでいてよい。すなわち、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、レシチン、PEO、重合性セルロースエステル、共重合性セルロースエステル、セルロース誘導体、アクリレート、水素化植物油、天然及び合成蝋、並びにそれらの組合せの中の1つである。
【0089】
本発明の主題はさらに、特に限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、合成イオン性界面活性剤、合成非イオン性界面活性剤、非合成イオン性界面活性剤、非合成イオン性非界面活性剤、ポリソルベート80、ポリサルフェイトグルコサミノグリカン(polysulfated glucosoglycans)、グルコサミノグリカン、ムコ多糖類、並びにそれらの誘導体及び混合物などの界面活性剤を含んでいてよい。
【0090】
本発明の主題の栄養組成物において、製剤は、速放性、持続放出性、パルス放出性、変異放出性、制御放出性、定時間放出性、徐放性、時限放出性、長時間作用性、及びそれらの組合せなどの様々な放出形態を兼ね備えることが可能であるが、これに限定されるものではない。速放性、持続放出性、パルス放出性、変異放出性、制御放出性、定時間放出性、徐放性、時限放出性、長時間作用性、及びそれらの組合せなどの放出能は、通常の熟練者が利用可能な良く知られた手順及び技術を使って成し遂げられる。この特定の技術又は手順の一つ一つは、本発明の主題の発明の態様を構成するものではない。
【0091】
本発明の主題の方法は、栄養組成物を、24時間に単一用量を、24時間に2用量を、又は24時間に3用量以上を投与するような剤形を考えている。服薬は、処方された用量によって同時に又は時間を変えてすることができる。
【0092】
本発明の主題は、様々な材料で調製することができしかも医薬品として許容できる担体を使用することを考えている。この材料としては、希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、並びに特定の薬用組成物を調製するための緩衝剤及び吸着剤などの雑多な材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0093】
結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、又は他の好適なセルロース誘導体、ポビドン、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、薬用光沢剤、ガム、乳清などの乳派生物、デンプン及びその誘導体、並びに当業者に良く知られている従来の結合剤から選択することができる。本発明を限定しない溶媒の代表例としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、それらの混合物、及びそれらの組合せが挙げられる。本発明を限定しないバルキング物質の代表例としては、砂糖、ラクトース、ゼラチン、デンプン及び二酸化ケイ素が挙げられる。
【0094】
溶解調節系に使用される可塑剤は、好ましくは事前に有機溶媒に溶解させておき、溶液の形で添加される。好ましい可塑剤は、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クロノティック(cronotic)酸、プロピレングリコール、フタル酸ブチル、セバシン酸ジブチル、ヒマシ油及びそれらの混合物から成る群から選択されるが、これに限定されるものではない。明らかなように、可塑剤は性質が疎水性であっても親水性であってもよい。フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル及びヒマシ油などの水不溶性疎水性物質は、ビタミンB及びビタミンCなどの水溶性ビタミンの放出を遅らせるために使われる。対照的に、カプセル化したフィルムの溶解を助ける親水性可塑剤は、水不溶性のビタミンを使用する場合に用いられ、フィルム表面に溝をつけて栄養組成物の放出を助ける。
【0095】
本発明の主題の栄養補助食品に使用される矯味矯臭剤は、特に限定されないが、風味づけした抽出物、揮発性油及びその他の市販の香料などの形態とすることができる。本発明を限定しない矯味矯臭剤の例としては、純粋アニス抽出物、純粋バニラ抽出物、純粋レモン抽出物、純粋オレンジ抽出物、純粋ペパーミント抽出物、純粋スペアミント抽出物、純粋ショウガ抽出物、バナナ抽出物模造物、チェリー抽出物模造物、イチゴ抽出物模造物、ラズベリー抽出物模造物、パイナップル抽出物模造物、モモ抽出物模造物、リンゴ抽出物模造物、ココナッツ抽出物模造物、バニリン、グアバ抽出物模造物、マンゴー抽出物模造物、バーム油、月桂樹油、ベルガモット油、シナモン油、チェリー油、クローブ油、ペパーミント油、スペアミント油、セダー油、ココア油、それらの誘導体、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0096】
本発明の主題の組成物は、様々な粘性の製剤を考えている。液体における粘性応力は分子間反応によって生じる。ソフトゼラチン薬剤に関する粘性の概念は、粘性を、ある特定の製剤がある特定の目的のために適しているかどうかを見る指標として、すなわち生理活性コアがソフトゼラチンシェルに挿入するのに適しているかどうかを見る指標として使う場合に重要となる。
【0097】
センチポワズ単位は、流動性液体の動的粘度を測定するためによく使われており、本発明の主題が考えている単位基準である。粘度の正式な定義は、平行流の条件下においてせん断応力は速度勾配に比例するという、ニュートンの理論から導かれる。面積Aを有する互いに平行な2つの面が、相対速度Vで互いに平行に移動しており、垂直距離Xで分離されているとき、その2つの面それぞれに作用する力をFとすると、せん断応力はF/Aであり、速度勾配(理想液体の場合直線である)はV/Xとなる。したがって、F/A=ηV/Xが成り立つ。上式において、定数ηは液体の粘度係数又は動的粘度である。Van Nostrand’s Scientific Encyclopedia、2891頁(第6版、1983年)。
【0098】
本発明の主題の範囲内の製剤は、特に限定されない、当業者に良く知られている方法によって調製することができる。例えば、本発明の主題の範囲内の製剤は、これに限定されないが、活性物質を、植物油などの適当な賦形剤中に分散させて高度に粘着性混合物を形成することによって調製することができる。本発明の1つの実施形態においては、本発明の主題は、活性物質を、飽和油、例えば鉱油などを含む賦形剤中に分散させることによって調製することができる。好ましくは、混合物の粘度は約1,000センチポワズ〜約15,000,000センチポワズの範囲である。さらに好ましくは、混合物の粘度は約20,000センチポワズ〜約130,000センチポワズの範囲である。好ましくは、混合物の粘度は約20,000センチポワズ〜約60,000センチポワズの範囲である。次いで、この混合物は、当業者に知られている技術及び機械を使ってゼラチンベースの膜でカプセル化される。このようにして形成された工業製品としての製剤は重量が一定するまで乾燥され、後の使用に備えて保管される。
【0099】
本発明の好ましい実施形態においては、ソフトゼラチンシェルは、少なくとも175ブルームのゼラチンで配合される。175ブルームのゼラチンによって、カプセル化の工程の間の粘度が向上し、より一貫した注入ウエッジ温度が可能になる。これによって、最終的に密封が向上し、漏れが少なくなる。
【0100】
他にとるべき実施形態においては、本発明の組成物は、当技術分野で知られているように、薬草をベースにした補助食品少なくとも1つと組合せて使うことができる。
【0101】
以上述べてきたことは、もっぱら本発明の主題の原理を説明するためのものである。さらに当業者ならば加えることのできる多くの修正及び変更を容易に思いつくであろうから、本発明の主題をこれまで示し説明してきた厳密な構成及び操作に限定することは望ましくない。したがって、好ましい変更及び均等物はすべて本発明の主題の範囲内で遂行することができる。
【0102】
以下の実施例は本発明の主題の好ましい実施形態を説明するためのものであって、本発明の主題をそれに限定しようとするものではない。特にことわりのない限り、以下に使用する百分率はすべて、調製した最終送達系又は製剤の重量を基準とするものであり、したがって総量は全て重量で100%となる。
【0103】
(実施例)
ソフトゲル栄養補助食品の調製
(実施例1)
以下の組成物を使ってソフトゼラチン出産前補助食品を調製した。
炭酸カルシウム 150mg
魚油由来のオメガ3必須脂肪酸 150mg
カルボニル鉄 27mg
リノレン酸 30mg
リノール酸 30mg
ヒマワリ油 30mg
ビタミンC 25mg
ビタミンB6 25mg
葉酸 1mg
ビタミンD3 170IU
ビタミンE 30IU
ソフトゼラチン補助食品を以下のように調製した。先ず、第1の容器において、鉱物油と大豆油を合わせた後混合して均一な油混合物を形成し、その油混合物を45℃まで加熱し、次いでプロピレングリコールを添加した。70℃に予熱した第2の容器において、黄色蜜蝋と大豆油を添加し、均一な蝋混合物を形成するまで混合した。この蝋混合物を35℃まで冷却し、次いで前記油混合物に添加した。この油混合物と蝋混合物を合わせたものに上記有効成分を加え、一緒に混合して均一な生理活性混合物を形成した。次いで、混合物を30℃まで冷却して粘着性の生理活性コア組成物を形成し、その後組成物をソフトゼラチンシェル形態のカプセルに充填するよう準備した。
【0104】
ソフトゼラチンシェルは、適当な容器で純水を加熱し、次いで175ブルームのゼラチンを添加して配合した。この水・ゼラチン混合物を、ゼラチンが十分溶解するまで混合し、グリセリン、保存剤、1種又は複数の矯味矯臭剤、及び1種又は複数の着色剤を添加した。得られたゼラチン混合物を十分に混合し、冷却した。このシェルにコア組成物を充填し、当技術分野で一般に使われている、当業者に良く知られているソフトゼラチン法に従って作製した。得られたソフトゼラチン剤を回収し、後の使用に備えて保管した。
【0105】
実施例2及び3のソフトゲル剤も実施例1に記載の方法と同様な方法で作成した。
【0106】
(実施例2)
カルシウム(34%Ca第三リン酸カルシウム由来) 150mg
オメガ3必須脂肪酸(20%EPA/48%DHA魚油由来) 300mg
鉄(98%Feカルボニル鉄として) 27mg
リノレン酸(NLT45%リノレン酸アマニ油由来) 30mg
リノール酸(NLT17%リノール酸アマニ油及びNLT65%リノール酸ヒマワリ油由来) 30mg
ビタミンC(80%Vit.CエステルC由来) 25mg
ビタミンB6(塩酸ピリドキシンとして) 25mg
葉酸 1mg
ビタミンD3(コレカルシフェロール1mmIU/g由来) 170IU
ビタミンE(酢酸トコフェリル980IU/g由来) 30IU
(実施例3)
カルシウム(第三リン酸カルシウム由来)150mg
魚油由来オメガ3必須脂肪酸 150mg
カルボニル鉄 27mg
リノレン酸 30mg
リノール酸 30mg
ヒマワリ油 30mg
ビタミンC 25mg
ビタミンB6 25mg
葉酸 1mg
ビタミンD3 170IU
ビタミンE 30IU
以上本発明を説明してきたが、本発明に多様な変更が加えられることは明らかであろう。このような変更態様は、本発明の精神及び範囲からの逸脱と見なされること意図するものではなく、すべての変更は添付の請求の範囲内に包含されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、
医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つと
を含む栄養補助食品であって、カプセル剤として提供される栄養補助食品。
【請求項2】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項3】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びその混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を含む請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項4】
前記医薬品として許容し得る鉄化合物が前記栄養補助食品に組み入れられている請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項5】
希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項6】
必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、
前記少なくとも1つの必須脂肪酸と非反応性である、医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つと
を含む栄養補助食品であって、カプセル剤として提供される栄養補助食品。
【請求項7】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項8】
前記鉄化合物がカルボニル鉄である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項9】
前記鉄化合物がカプセルにつめられた鉄化合物である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項10】
希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項11】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びその混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項12】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸を含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項13】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸である請求項12に記載の栄養補助食品。
【請求項14】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.01〜1:10である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項15】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約50mg〜500mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約100mg〜500mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.09〜1:2.5である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項16】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:1〜1:2である請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項17】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、リノレン酸、リノール酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項18】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項19】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物をさらに含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項20】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約5mg未満である請求項19に記載の栄養補助食品。
【請求項21】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約0.4mg〜約5mgである請求項19に記載の栄養補助食品。
【請求項22】
カルシウムをさらに含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項23】
前記カルシウムが、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項22に記載の栄養補助食品。
【請求項24】
ビタミンCをさらに含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項25】
前記ビタミンCが、アスコルビン酸カルシウムとスレオニン酸カルシウムを含む請求項24に記載の栄養補助食品。
【請求項26】
ビタミンB6をさらに含む請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項27】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸及び前記少なくとも1つの医薬品として許容し得る鉄化合物が、飽和油を含む賦形剤中に溶解している請求項6に記載の栄養補助食品。
【請求項28】
第三リン酸カルシウム約150mgと、
魚油由来のオメガ3必須脂肪酸約300mgと、
カルボニル鉄約27mgと、
リノレン酸約30mgと、
リノール酸約30mgと、
ヒマワリ油約30mgと、
ビタミンC約25mgと、
ビタミンB6約25mgと、
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物を約1mgと、
ビタミンD3約170IUと、
ビタミンE約30IUと
を含む栄養補助食品。
【請求項29】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項28に記載の栄養補助食品。
【請求項30】
前記妊婦又は授乳婦に投与するための栄養補助食品の製造方法であって、
必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つを、医薬品として許容し得る鉄化合物の少なくとも1つと共に賦形剤中に分散させて粘着性混合物を形成すること、並びに
前記粘着性混合物をカプセルにつめてカプセル剤とすること
を含む方法。
【請求項31】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項30に記載の栄養補助食品。
【請求項32】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸と前記少なくとも1つの医薬品として許容し得る鉄化合物を、飽和油を含む賦形剤中に溶解させる請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記栄養補助食品が、希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記妊婦又は授乳婦に投与するための栄養補助食品の製造方法であって、
必須脂肪酸、その前駆体、その誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つを、前記少なくとも1つの必須脂肪酸に対して非反応性である医薬品として許容し得る鉄化合物の少なくとも1つと共に賦形剤中に分散させて粘着性混合物を形成すること、並びに
前記粘着性混合物をカプセルにつめてソフトゼラチンシェル剤とすること
を含む方法。
【請求項36】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記鉄化合物がカルボニル鉄である請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記鉄化合物がカプセルにつめられた鉄化合物である請求項35に記載の方法。
【請求項39】
希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む、請求項35に記載の栄養補助食品。
【請求項40】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を含む請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸を含む請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸である請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.01〜1:10である請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約50mg〜500mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約50mg〜500mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.09〜1:2.5である請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:1〜1:2である請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、リノレン酸、リノール酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項35に記載の方法。
【請求項48】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物をさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項49】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約5mg未満である請求項48に記載の方法。
【請求項50】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約0.4mg〜約5mgである請求項48に記載の方法。
【請求項51】
カルシウムをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項52】
前記カルシウムが、リン酸二カルシウム及びリン酸三カルシウムから成る群から選択される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記栄養補助食品がビタミンCをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項54】
前記ビタミンCが、アスコルビン酸カルシウム、スレオニン酸カルシウム及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記栄養補助食品がビタミンB6をさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸及び前記少なくとも1つの医薬品として許容し得る鉄化合物が、飽和油を含む賦形剤中に溶解している請求項35に記載の方法。
【請求項57】
妊婦又は授乳婦に投与するための栄養補助食品を投与することを含む、前記妊婦又は授乳婦及びその子供を栄養面で支援する方法であって、前記栄養補助食品が、
第三リン酸カルシウム約150mgと、
魚油由来のオメガ3必須脂肪酸約300mgと、
カルボニル鉄約27mgと、
リノレン酸約30mgと、
リノール酸約30mgと、
ヒマワリ油約30mgと、
ビタミンC約25mgと、
ビタミンB6約25mgと、
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物を約1mgと、
ビタミンD3約170IUと、
ビタミンE約30IUと
を含む方法。
【請求項58】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項57に記載の方法。
【請求項59】
必須脂肪酸少なくとも1つと、必須脂肪酸の前駆体少なくとも1つと、必須脂肪酸の誘導体少なくとも1つと、それらの混合物とから成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、
医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つ
とを含むカプセル剤を、妊婦又は授乳婦に経口投与することを含む栄養補助食品の投与方法であって、前記栄養補助食品がソフトゼラチンシェルの剤形で提供される方法。
【請求項60】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸と前記少なくとも1つの医薬品として許容し得る鉄化合物が、飽和油を含む賦形剤中に溶解している請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記栄養補助食品が、希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
必須脂肪酸少なくとも1つと、必須脂肪酸の前駆体少なくとも1つと、必須脂肪酸の誘導体少なくとも1つと、それらの混合物とから成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つと、
前記少なくとも1つの必須脂肪酸に対して非反応性である、医薬品として許容し得る鉄化合物を少なくとも1つと
を含むカプセル剤を、妊婦又は授乳婦に経口投与することを含む栄養補助食品の投与方法であって、前記栄養補助食品がソフトゼラチンシェルの剤形で提供される方法。
【請求項65】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記鉄化合物がカルボニル鉄である請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記鉄化合物がカプセルにつめられた鉄化合物である請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記栄養補助食品が、希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記必須脂肪酸が、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸を含む請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記必須脂肪酸がオメガ3脂肪酸である請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約10mg〜1000mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.01〜1:10である請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約50mg〜500mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約50mg〜500mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:0.09〜1:2.5である請求項64に記載の方法。
【請求項74】
前記必須脂肪酸が、リノール酸化合物、リノレン酸化合物、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される各化合物に対し第1の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgと、ドコサヘキサエン酸化合物、オメガ3脂肪酸、オメガ2脂肪酸、それらの誘導体、並びにそれらの組合せから成る群から選択される第2の脂肪酸化合物を約100mg〜300mgとを含み、前記第1の脂肪酸化合物の前記第2の脂肪酸化合物に対する重量比が約1:1〜1:2である請求項64に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、リノレン酸、リノール酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項64に記載の方法。
【請求項76】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸が、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、それらの前駆体、それらの誘導体、並びにそれらの混合物から成る群から選択される必須脂肪酸を少なくとも1つ含む請求項64に記載の方法。
【請求項77】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物をさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項78】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約5mg未満である請求項77に記載の方法。
【請求項79】
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物が約0.4mg〜約5mgである請求項77に記載の方法。
【請求項80】
カルシウムをさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項81】
前記カルシウムが、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項80に記載の方法。
【請求項82】
ビタミンCをさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項83】
前記ビタミンCが、アスコルビン酸カルシウムとスレオニン酸カルシウムを含む請求項82に記載の方法。
【請求項84】
ビタミンB6をさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つの必須脂肪酸及び前記少なくとも1つの医薬品として許容し得る鉄化合物が、飽和油を含む賦形剤中に溶解している請求項64に記載の方法。
【請求項86】
第三リン酸カルシウム約150mgと、
魚油由来のオメガ3必須脂肪酸約300mgと、
カルボニル鉄約27mgと、
リノレン酸約30mgと、
リノール酸約30mgと、
ヒマワリ油約30mgと、
ビタミンC約25mgと、
ビタミンB6約25mgと、
葉酸、ホレート、それらの誘導体又はそれらの代謝物を約1mgと、
ビタミンD3約170IUと、
ビタミンE約30IUと
を含むカプセル剤を妊婦又は授乳婦に経口投与することを含む、栄養補助食品の投与方法。
【請求項87】
前記カプセル剤がソフトゼラチンシェル製剤である請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記栄養補助食品が希釈剤、結合剤、接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、バルキング物質、矯味矯臭剤、甘味剤、芳香剤、アロマティック、食用油、ポリマー、緩衝剤、吸着剤及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤を少なくとも1つさらに含む、請求項86に記載の方法。

【公表番号】特表2008−501686(P2008−501686A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515143(P2007−515143)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/016500
【国際公開番号】WO2005/120524
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504267079)ドラッグテック コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】