栓部材
【課題】 混合物が貫通孔を塞ぐことを防止しつつも、さらに、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできる栓部材を提供する。
【解決手段】 粒状物Xを取り出すための貫通孔121を有する取出部12と、取出部12から突出し、先端部131で容器2内の混合物Yを係止するための係止13部とを備える栓部材1において、係止部13は、貫通孔121と重なるのを防止すべく、貫通孔121の外方に配置されることを特徴とする。
【解決手段】 粒状物Xを取り出すための貫通孔121を有する取出部12と、取出部12から突出し、先端部131で容器2内の混合物Yを係止するための係止13部とを備える栓部材1において、係止部13は、貫通孔121と重なるのを防止すべく、貫通孔121の外方に配置されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に取り付けられる栓部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の粒状物(錠剤といった薬品やサプリメントといった食品等)と、該粒状物よりも大きい混合物(乾燥剤や脱水剤等)とを混合して収容する容器には、口部に、中栓やキャップといった栓部材が取り付けられる。
【0003】
そして、従来、栓部材として、口部を覆うように配置され且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で混合物を係止する係止部とを備える中栓(例えば特許文献1)や、キャップ(例えば特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−103700号公報
【特許文献2】特開2004−359251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1及び2に係る栓部材は、貫通孔の貫通方向において、係止部が貫通孔と重なるように形成されている。これにより、当該栓部材は、係止部が先端部で混合物を係止するため、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止できるという効果を有する一方、係止部が貫通孔と重なって配置されているため、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉し、その結果、粒状物を貫通孔から取り出し難いという問題を有していた。
【0006】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止しつつも、さらに、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできる栓部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係る栓部材は、複数の粒状物と該粒状物よりも大きく形成される少なくとも一つの混合物とを混合して収容する容器の口部を覆うように配置され、且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で容器内の混合物を係止するための係止部とを備える栓部材において、係止部は、貫通孔と重なるのを防止すべく、貫通孔の外方に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る栓部材によれば、取出部から突出する係止部が先端部で容器内の混合物を係止するため、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止できる。さらに、係止部が貫通孔の外方に配置されるため、係止部が貫通孔と重なるのを防止している。これにより、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉することを抑制できる。
【0009】
また、本発明に係る栓部材においては、係止部は、側部で粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、側部が貫通孔に向けて延設されてもよい。
【0010】
斯かる構成の栓部材によれば、係止部の側部が貫通孔に向けて延設されるため、係止部が側部で粒状物を貫通孔に向けて案内できる。これにより、粒状物が貫通孔に向けて整流され、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできる。
【0011】
また、本発明に係る栓部材においては、貫通孔は、取出部の中央部に配置され、係止部は、板状に形成されると共に、貫通孔から放射状に複数配設されてもよい。
【0012】
斯かる構成の栓部材によれば、板状に形成される複数の係止部が、取出部の中央部に配置される貫通孔から放射状に配設されている。これにより、容器の口部を下方側に向けて、貫通孔を介して容器から粒状物を取り出す際に、容器の傾き角度や傾き方向に関係なく、何れかの係止部が側部で粒状物を貫通孔に向けて案内できる。
【0013】
また、本発明に係る栓部材においては、取出部は、容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、貫通孔に向けて傾斜するように形成されてもよい。
【0014】
斯かる構成の栓部材によれば、取出部が貫通孔に向けて傾斜するように形成されるため、取出部が容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内できる。これにより、容器の口部を下方側に向けて、貫通孔を介して容器から粒状物を取り出す際に、係止部だけでなく、取出部も粒状物を貫通孔に向けて案内できるため、粒状物を貫通孔から取り出すことをさらに容易にできる。
【発明の効果】
【0015】
以上の如く、本発明に係る栓部材によれば、係止部が貫通孔と重なっていないため、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉することを抑制でき、その結果、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止しつつも、さらに、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図3】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は正面図、(b)は容器に装着された状態における図2のA−A線の断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る栓部材の作用を説明する全体図であって、(a)は底面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図5】本発明の他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図6】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図7】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は正面図、(b)は容器に装着された状態における図6のE−E線の断面図を示す。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図9】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はF−F線における断面図を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はG−G線における断面図を示す。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はH−H線における断面図を示す。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る栓部材における第1の実施形態について、図1〜図4を参酌して説明する。
【0018】
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る栓部材1は、容器2の口部21に装着される中栓である。ここで、栓部材1の各構成を説明するのに先立って、容器2等について説明する。
【0019】
容器2は、円筒状に形成される口部21にて、内部と外部とを連通させている。また、容器2は、口部21の外周部に、キャップ3と螺合する螺子部22を備える。なお、容器2は、複数の粒状物(例えば錠剤)X,…と、該粒状物Xよりも大きく形成される少なくとも一つの混合物(例えば乾燥剤)Yとを混合して収容している。
【0020】
キャップ3は、一端側が天面部31により閉塞された円筒状に形成され、内周部に、容器2の螺子部22と螺合する螺子部32を備える。そして、キャップ3は、容器2と螺合することで、容器2を密封するためのシール部材4が内部に取り付けられている。また、シール部材4は、弾性を有し、容器2を密封するための環状のシール部41を備える。
【0021】
本実施形態に係る栓部材1は、容器2の口部21に取り付けられる本体部11と、容器2の口部21を覆うように配置され、粒状物Xを取り出すための取出部12とを備える。また、栓部材1は、容器2から粒状物Xを取り出すための貫通孔121が取出部12に配設されると共に、混合物Yが貫通孔121を塞ぐことを防止すべく、取出部12から突出し、先端部131で容器2内の混合物Yを係止するための複数の係止部13,…を備える。なお、栓部材1は、例えば、プラスチック等の合成樹脂で形成されている。
【0022】
本体部11は、円筒状に形成され、容器2の口部21の内部に嵌められる。そして、本体部11は、容器2の口部21に挿入することを容易にすべく、一方(下方)側に向けて小径となる小径部(テーパ部)111を備える。また、本体部11は、容器2の口部21に係止されるべく、他方(上方)側にフランジ部112を備える。なお、容器2を密封すべく、キャップ3が容器2に装着されると、フランジ部112は、シール部材4のシール部41と全周に亘って密着する。
【0023】
取出部12は、本体部11に対して、径方向においては内方であって、軸心方向においては中間部に配置される。また、取出部12は、一方側(裏側)に、貫通孔121に向けて傾斜する第1傾斜部122を備える一方、軸心方向の他方側(表側)にも、貫通孔121に向けて傾斜する第2傾斜部123を備える。
【0024】
貫通孔121は、軸心方向に沿って貫通するように取出部12に設けられている。また、貫通孔121は、径方向において、取出部12の中央部に配置される。そして、貫通孔121は、円形の開口に形成される。具体的には、貫通孔121は、混合物Yよりも小さく且つ粒状物Xよりも若干大きく形成され、粒状物Xが一つずつ通過するように構成されている。
【0025】
第1傾斜部122は、軸心方向に立設する板状に形成され且つ貫通孔121から放射状に複数(本実施形態においては九つ)配置される突条部122a,…を備える。そして、第1傾斜部122は、各突条部122a,122a間に粒状物Xが嵌まることを防止できるような間隔で、各突条部122aを並設している。
【0026】
各突条部122aは、容器2の口部21が下方側に向けられた際(容器2が傾けられた際)に、先端部で、容器2内の粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成される。具体的には、各突条部122aは、先端部が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って配置されている。
【0027】
第2傾斜部123は、本体部11の周方向に亘って面状に形成され、外から容器2内に粒状物Xを戻す際に、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成される。具体的には、第2傾斜部123は、表面が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って形成されている。
【0028】
各係止部13は、取出部12から一方側(下方側)に向けて突出し、貫通孔121と重なるのを防止すべく、貫通孔121の外方に配置される。即ち、各係止部13は、貫通孔121から外れた位置に配置されているため、本体部11の軸心方向(貫通孔121の貫通方向)において、貫通孔121と重なっていない。
【0029】
そして、各係止部13は、側部(側壁部)132が貫通孔121に向けて延設され、容器2の口部21が下方側に向けられた際に、側部132で粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成されている。具体的には、係止部13,…は、板状に形成されると共に、貫通孔121から放射状に複数配設されている。より具体的には、係止部13,…は、三つ設けられ、各係止部13,13間に、それぞれ突条部122a,122a,122aを三つ配置している。
【0030】
また、各係止部13は、先端部131で混合物Yを係止した状態で、混合物Yと第1傾斜部122(突条部122aの先端)との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を形成するように、高さ寸法を設定している。さらに、係止部13,…のうち、少なくとも一つは、軸心方向において、混合物Yと重なるように配置されている。
【0031】
以上より、本実施形態に係る栓部材1は、先端部131で混合物Yを係止する各係止部13が貫通孔121の外方に配置されているため、各係止部13が貫通孔121の貫通方向(本体部11の軸心方向)において貫通孔121と重なっていない。したがって、粒状物Xを貫通孔121から取り出す際に、各係止部13が粒状物Xと干渉することを抑制できるため、混合物Yが貫通孔121を塞ぐことを防止しつつも、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことを容易にできる。
【0032】
また、本実施形態に係る栓部材1は、各係止部13の側部132が貫通孔121に向けて延設されるため、各係止部13の側部132で、粒状物Xを本体部11の径方向(図4(a)のC方向)に沿って案内し、その結果、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できる。これにより、粒状物Xを貫通孔121に向けて整流するため、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことをさらに容易にできる。
【0033】
また、本実施形態に係る栓部材1は、板状に形成される複数の係止部13,…が、取出部12の中央部に配置される貫通孔121から放射状に配設されているため、容器2の口部21を下方側に向けて、貫通孔121を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、容器2の傾き角度や傾き方向に関係なく、何れかの係止部13の側部132で、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内でき、その結果、粒状物Xを取り出すのをさらに容易にできる。
【0034】
また、本実施形態に係る栓部材1は、各係止部13が混合物Yを係止した状態で、混合物Yと第1傾斜部122との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を形成するため、各係止部13で混合物Yを係止しつつも、図4(a)及び(b)のD矢印のように、貫通孔121から粒状物Xを取り出すことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る栓部材1は、取出部12が貫通孔121に向けて傾斜する第1傾斜部122を備えるため、取出部12が容器2内の粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できる。これにより、容器2の口部21を下方側に向けて、貫通孔121を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、各係止部13だけでなく、取出部12も第1傾斜部122で粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できるため、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことをさらに容易にできる。
【0036】
次に、本発明に係る栓部材における第2の実施形態について、図5〜図7を参酌して説明する。なお、図7において、図3及び図4の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0037】
図5〜図7に示すように、本実施形態に係る栓部材5は、第1実施形態に係る栓部材1と同様に、小径部(テーパ部)511及びフランジ部512を有する本体部51を備える。また、栓部材5は、容器2の口部21を覆うように配置され、且つ容器2から粒状物Xを取り出すための貫通孔521を有する取出部52と、混合物Yが貫通孔521を塞ぐことを防止すべく、取出部52から突出し、先端部531で容器2内の混合物Yを係止するための係止部53とを備える。
【0038】
取出部52は、貫通孔521を端部に配置している。そして、取出部12は、軸心方向の一方側に、貫通孔521に向けて傾斜する第1傾斜部522を備える一方、軸心方向の他方側にも、貫通孔521に向けて傾斜する第2傾斜部523を備える。
【0039】
第1傾斜部522は、軸心方向に立設する板状に形成され且つ貫通孔521の外縁に沿って湾曲状(円弧状)に複数配置される突条部522a,…を備える。そして、各突条部522aは、容器2が傾けられた際に、先端部で、容器2内の粒状物Xを貫通孔521に向けて案内するように構成される。具体的には、各突条部522aは、貫通孔521に向けて低くなるような段差状に形成され、先端部が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って配置されている。
【0040】
係止部53は、取出部52から突出し、貫通孔521と重なるのを防止すべく、貫通孔521の外方に配置される。そして、係止部53は、側部532が貫通孔521に向けて延設され、容器2の口部21が下方側に向けられた際に、側部532で粒状物Xを貫通孔521に向けて案内するように構成されている。
【0041】
具体的には、係止部53は、板状に形成されると共に、貫通孔521から径方向に延設されている。これにより、係止部53は、軸心方向において、混合物Yと必ず重なるため、混合物Yの位置に関わらず、先端部531で混合物Yを係止できる。
【0042】
以上より、本実施形態係る栓部材5は、先端部531で混合物Yを係止する係止部53が貫通孔521の外方に配置されているため、係止部53が貫通孔521と重なっていない。これにより、粒状物Xを貫通孔521から取り出す際に、係止部53が粒状物Xと干渉することを抑制できるため、混合物Yが貫通孔521を塞ぐことを防止しつつも、粒状物Xを貫通孔521から取り出すことを容易にできる。
【0043】
また、本実施形態に係る栓部材5は、貫通孔521が取出部52の端部に配置されているため、貫通孔521を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、貫通孔521が下方側となるように容器2の口部21を傾けると、粒状物Xを取り出すのをさらに容易にできる。
【0044】
なお、本発明に係る栓部材は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用してもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0045】
例えば、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(53)の先端部131(531)が本体部11(51)の端部と面一に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図8及び図9に示すように、栓部材6は、貫通孔621を有する取出部62と、取出部62から突出し、先端部631が本体部61から臨出する係止部63とを備える場合でもよい。
【0046】
斯かる構成によれば、例えば、係止部63が混合物Yを係止した状態でも、混合物Yと第1傾斜部622(突条部622aの先端)との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を十分に確保できるため、係止部63で混合物Yを係止しつつも、貫通孔621から粒状物Xを確実に取り出すことができる。
【0047】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(53)が板状に形成され、側部132(532)が貫通孔121(521)に向けて連続的に延設される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、図10に示すように、栓部材7は、側部が貫通孔721に向けて断続的に延設される係止部73,…を備える場合でもよい。具体的には、各係止部73は、複数の板状の凸部73a,…を備え、各凸部73aは、径方向に沿って配置される場合でもよい。
【0048】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、取出部12(52)の第1傾斜部122(522)が複数の突条部122a(522a),…を備える場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図10に示すように、栓部材7は、取出部72の第1傾斜部722が周方向に亘って面状に形成され、該表面が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って形成される場合でもよい。
【0049】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(52)で区切られる第1傾斜部122(522)の各領域が、係止部13(52)を基準にして対称となるように形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、係止部を基準にして非対称となるように形成される場合でもよい。
【0050】
例えば、第1傾斜部は、各領域毎で、軸心方向に対して傾斜する角度(交差角度)を相違するように構成される場合でもよい。また、図11に示すように、栓部材8は、複数の突条部822a,822b,822c,…からなる第1傾斜部82を備え、貫通孔821の外縁における各突条部822a,822b,822cの先端部の位置が、係止部83によって区切られる各領域毎で、軸心方向において相違している場合でもよい。
【0051】
即ち、第1傾斜部82は、係止部83で区切られる各領域毎で、高低差や傾斜差を有して構成される場合でもよい。斯かる構成によれば、係止部で区切られる各領域から粒状物Xがそれぞれ案内された場合に、各粒状物X同士が不安定に干渉し合うことにより、各粒状物X同士が均衡して干渉する場合と比較して、貫通孔821付近で各粒状物Xが詰まることを防止できる。
【0052】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、取出部12(52)が本体部11(51)に対して、軸心方向において中間部に配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、取出部は、本体部の他端部(上端部)に配置される場合でもよい。
【0053】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、本体部11(51)が円筒状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、容器の口部が角状の場合には、角状に形成される場合でもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、本体部11(51)が容器2の口部21の内部に嵌められて装着される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、本体部は、容器の口部の外側に嵌められて装着される場合でもよく、また、容器2の口部21と螺合して装着される場合でもよい。
【0055】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、容器2の中栓である場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、容器2のキャップである場合でもよい。具体的には、図12に示すように、栓部材9は、容器2と螺合する本体部91と、粒状物Xを取り出す貫通孔921を有する取出部92と、混合物Yを係止する係止部93と、本体部91と係合することにより容器2を密封すべく、本体部91にヒンジ機構を介して連結される蓋部94とを備える場合でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…栓部材、2…容器、12…取出部、121…貫通孔、13…係止部、131…先端部、132…側部、21…口部、X…粒状物、Y…混合物
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に取り付けられる栓部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の粒状物(錠剤といった薬品やサプリメントといった食品等)と、該粒状物よりも大きい混合物(乾燥剤や脱水剤等)とを混合して収容する容器には、口部に、中栓やキャップといった栓部材が取り付けられる。
【0003】
そして、従来、栓部材として、口部を覆うように配置され且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で混合物を係止する係止部とを備える中栓(例えば特許文献1)や、キャップ(例えば特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−103700号公報
【特許文献2】特開2004−359251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1及び2に係る栓部材は、貫通孔の貫通方向において、係止部が貫通孔と重なるように形成されている。これにより、当該栓部材は、係止部が先端部で混合物を係止するため、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止できるという効果を有する一方、係止部が貫通孔と重なって配置されているため、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉し、その結果、粒状物を貫通孔から取り出し難いという問題を有していた。
【0006】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止しつつも、さらに、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできる栓部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に係る栓部材は、複数の粒状物と該粒状物よりも大きく形成される少なくとも一つの混合物とを混合して収容する容器の口部を覆うように配置され、且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で容器内の混合物を係止するための係止部とを備える栓部材において、係止部は、貫通孔と重なるのを防止すべく、貫通孔の外方に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る栓部材によれば、取出部から突出する係止部が先端部で容器内の混合物を係止するため、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止できる。さらに、係止部が貫通孔の外方に配置されるため、係止部が貫通孔と重なるのを防止している。これにより、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉することを抑制できる。
【0009】
また、本発明に係る栓部材においては、係止部は、側部で粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、側部が貫通孔に向けて延設されてもよい。
【0010】
斯かる構成の栓部材によれば、係止部の側部が貫通孔に向けて延設されるため、係止部が側部で粒状物を貫通孔に向けて案内できる。これにより、粒状物が貫通孔に向けて整流され、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできる。
【0011】
また、本発明に係る栓部材においては、貫通孔は、取出部の中央部に配置され、係止部は、板状に形成されると共に、貫通孔から放射状に複数配設されてもよい。
【0012】
斯かる構成の栓部材によれば、板状に形成される複数の係止部が、取出部の中央部に配置される貫通孔から放射状に配設されている。これにより、容器の口部を下方側に向けて、貫通孔を介して容器から粒状物を取り出す際に、容器の傾き角度や傾き方向に関係なく、何れかの係止部が側部で粒状物を貫通孔に向けて案内できる。
【0013】
また、本発明に係る栓部材においては、取出部は、容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、貫通孔に向けて傾斜するように形成されてもよい。
【0014】
斯かる構成の栓部材によれば、取出部が貫通孔に向けて傾斜するように形成されるため、取出部が容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内できる。これにより、容器の口部を下方側に向けて、貫通孔を介して容器から粒状物を取り出す際に、係止部だけでなく、取出部も粒状物を貫通孔に向けて案内できるため、粒状物を貫通孔から取り出すことをさらに容易にできる。
【発明の効果】
【0015】
以上の如く、本発明に係る栓部材によれば、係止部が貫通孔と重なっていないため、粒状物を貫通孔から取り出す際に、係止部が粒状物と干渉することを抑制でき、その結果、混合物が貫通孔を塞ぐことを防止しつつも、さらに、粒状物を貫通孔から取り出すことを容易にできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図3】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は正面図、(b)は容器に装着された状態における図2のA−A線の断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る栓部材の作用を説明する全体図であって、(a)は底面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図5】本発明の他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図6】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は平面図、(b)は底面図を示す。
【図7】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は正面図、(b)は容器に装着された状態における図6のE−E線の断面図を示す。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【図9】同実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はF−F線における断面図を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はG−G線における断面図を示す。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は底面図、(b)はH−H線における断面図を示す。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る栓部材の全体図であって、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る栓部材における第1の実施形態について、図1〜図4を参酌して説明する。
【0018】
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る栓部材1は、容器2の口部21に装着される中栓である。ここで、栓部材1の各構成を説明するのに先立って、容器2等について説明する。
【0019】
容器2は、円筒状に形成される口部21にて、内部と外部とを連通させている。また、容器2は、口部21の外周部に、キャップ3と螺合する螺子部22を備える。なお、容器2は、複数の粒状物(例えば錠剤)X,…と、該粒状物Xよりも大きく形成される少なくとも一つの混合物(例えば乾燥剤)Yとを混合して収容している。
【0020】
キャップ3は、一端側が天面部31により閉塞された円筒状に形成され、内周部に、容器2の螺子部22と螺合する螺子部32を備える。そして、キャップ3は、容器2と螺合することで、容器2を密封するためのシール部材4が内部に取り付けられている。また、シール部材4は、弾性を有し、容器2を密封するための環状のシール部41を備える。
【0021】
本実施形態に係る栓部材1は、容器2の口部21に取り付けられる本体部11と、容器2の口部21を覆うように配置され、粒状物Xを取り出すための取出部12とを備える。また、栓部材1は、容器2から粒状物Xを取り出すための貫通孔121が取出部12に配設されると共に、混合物Yが貫通孔121を塞ぐことを防止すべく、取出部12から突出し、先端部131で容器2内の混合物Yを係止するための複数の係止部13,…を備える。なお、栓部材1は、例えば、プラスチック等の合成樹脂で形成されている。
【0022】
本体部11は、円筒状に形成され、容器2の口部21の内部に嵌められる。そして、本体部11は、容器2の口部21に挿入することを容易にすべく、一方(下方)側に向けて小径となる小径部(テーパ部)111を備える。また、本体部11は、容器2の口部21に係止されるべく、他方(上方)側にフランジ部112を備える。なお、容器2を密封すべく、キャップ3が容器2に装着されると、フランジ部112は、シール部材4のシール部41と全周に亘って密着する。
【0023】
取出部12は、本体部11に対して、径方向においては内方であって、軸心方向においては中間部に配置される。また、取出部12は、一方側(裏側)に、貫通孔121に向けて傾斜する第1傾斜部122を備える一方、軸心方向の他方側(表側)にも、貫通孔121に向けて傾斜する第2傾斜部123を備える。
【0024】
貫通孔121は、軸心方向に沿って貫通するように取出部12に設けられている。また、貫通孔121は、径方向において、取出部12の中央部に配置される。そして、貫通孔121は、円形の開口に形成される。具体的には、貫通孔121は、混合物Yよりも小さく且つ粒状物Xよりも若干大きく形成され、粒状物Xが一つずつ通過するように構成されている。
【0025】
第1傾斜部122は、軸心方向に立設する板状に形成され且つ貫通孔121から放射状に複数(本実施形態においては九つ)配置される突条部122a,…を備える。そして、第1傾斜部122は、各突条部122a,122a間に粒状物Xが嵌まることを防止できるような間隔で、各突条部122aを並設している。
【0026】
各突条部122aは、容器2の口部21が下方側に向けられた際(容器2が傾けられた際)に、先端部で、容器2内の粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成される。具体的には、各突条部122aは、先端部が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って配置されている。
【0027】
第2傾斜部123は、本体部11の周方向に亘って面状に形成され、外から容器2内に粒状物Xを戻す際に、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成される。具体的には、第2傾斜部123は、表面が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って形成されている。
【0028】
各係止部13は、取出部12から一方側(下方側)に向けて突出し、貫通孔121と重なるのを防止すべく、貫通孔121の外方に配置される。即ち、各係止部13は、貫通孔121から外れた位置に配置されているため、本体部11の軸心方向(貫通孔121の貫通方向)において、貫通孔121と重なっていない。
【0029】
そして、各係止部13は、側部(側壁部)132が貫通孔121に向けて延設され、容器2の口部21が下方側に向けられた際に、側部132で粒状物Xを貫通孔121に向けて案内するように構成されている。具体的には、係止部13,…は、板状に形成されると共に、貫通孔121から放射状に複数配設されている。より具体的には、係止部13,…は、三つ設けられ、各係止部13,13間に、それぞれ突条部122a,122a,122aを三つ配置している。
【0030】
また、各係止部13は、先端部131で混合物Yを係止した状態で、混合物Yと第1傾斜部122(突条部122aの先端)との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を形成するように、高さ寸法を設定している。さらに、係止部13,…のうち、少なくとも一つは、軸心方向において、混合物Yと重なるように配置されている。
【0031】
以上より、本実施形態に係る栓部材1は、先端部131で混合物Yを係止する各係止部13が貫通孔121の外方に配置されているため、各係止部13が貫通孔121の貫通方向(本体部11の軸心方向)において貫通孔121と重なっていない。したがって、粒状物Xを貫通孔121から取り出す際に、各係止部13が粒状物Xと干渉することを抑制できるため、混合物Yが貫通孔121を塞ぐことを防止しつつも、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことを容易にできる。
【0032】
また、本実施形態に係る栓部材1は、各係止部13の側部132が貫通孔121に向けて延設されるため、各係止部13の側部132で、粒状物Xを本体部11の径方向(図4(a)のC方向)に沿って案内し、その結果、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できる。これにより、粒状物Xを貫通孔121に向けて整流するため、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことをさらに容易にできる。
【0033】
また、本実施形態に係る栓部材1は、板状に形成される複数の係止部13,…が、取出部12の中央部に配置される貫通孔121から放射状に配設されているため、容器2の口部21を下方側に向けて、貫通孔121を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、容器2の傾き角度や傾き方向に関係なく、何れかの係止部13の側部132で、粒状物Xを貫通孔121に向けて案内でき、その結果、粒状物Xを取り出すのをさらに容易にできる。
【0034】
また、本実施形態に係る栓部材1は、各係止部13が混合物Yを係止した状態で、混合物Yと第1傾斜部122との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を形成するため、各係止部13で混合物Yを係止しつつも、図4(a)及び(b)のD矢印のように、貫通孔121から粒状物Xを取り出すことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る栓部材1は、取出部12が貫通孔121に向けて傾斜する第1傾斜部122を備えるため、取出部12が容器2内の粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できる。これにより、容器2の口部21を下方側に向けて、貫通孔121を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、各係止部13だけでなく、取出部12も第1傾斜部122で粒状物Xを貫通孔121に向けて案内できるため、粒状物Xを貫通孔121から取り出すことをさらに容易にできる。
【0036】
次に、本発明に係る栓部材における第2の実施形態について、図5〜図7を参酌して説明する。なお、図7において、図3及び図4の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と同一の構成又は要素を表す。
【0037】
図5〜図7に示すように、本実施形態に係る栓部材5は、第1実施形態に係る栓部材1と同様に、小径部(テーパ部)511及びフランジ部512を有する本体部51を備える。また、栓部材5は、容器2の口部21を覆うように配置され、且つ容器2から粒状物Xを取り出すための貫通孔521を有する取出部52と、混合物Yが貫通孔521を塞ぐことを防止すべく、取出部52から突出し、先端部531で容器2内の混合物Yを係止するための係止部53とを備える。
【0038】
取出部52は、貫通孔521を端部に配置している。そして、取出部12は、軸心方向の一方側に、貫通孔521に向けて傾斜する第1傾斜部522を備える一方、軸心方向の他方側にも、貫通孔521に向けて傾斜する第2傾斜部523を備える。
【0039】
第1傾斜部522は、軸心方向に立設する板状に形成され且つ貫通孔521の外縁に沿って湾曲状(円弧状)に複数配置される突条部522a,…を備える。そして、各突条部522aは、容器2が傾けられた際に、先端部で、容器2内の粒状物Xを貫通孔521に向けて案内するように構成される。具体的には、各突条部522aは、貫通孔521に向けて低くなるような段差状に形成され、先端部が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って配置されている。
【0040】
係止部53は、取出部52から突出し、貫通孔521と重なるのを防止すべく、貫通孔521の外方に配置される。そして、係止部53は、側部532が貫通孔521に向けて延設され、容器2の口部21が下方側に向けられた際に、側部532で粒状物Xを貫通孔521に向けて案内するように構成されている。
【0041】
具体的には、係止部53は、板状に形成されると共に、貫通孔521から径方向に延設されている。これにより、係止部53は、軸心方向において、混合物Yと必ず重なるため、混合物Yの位置に関わらず、先端部531で混合物Yを係止できる。
【0042】
以上より、本実施形態係る栓部材5は、先端部531で混合物Yを係止する係止部53が貫通孔521の外方に配置されているため、係止部53が貫通孔521と重なっていない。これにより、粒状物Xを貫通孔521から取り出す際に、係止部53が粒状物Xと干渉することを抑制できるため、混合物Yが貫通孔521を塞ぐことを防止しつつも、粒状物Xを貫通孔521から取り出すことを容易にできる。
【0043】
また、本実施形態に係る栓部材5は、貫通孔521が取出部52の端部に配置されているため、貫通孔521を介して容器2から粒状物Xを取り出す際に、貫通孔521が下方側となるように容器2の口部21を傾けると、粒状物Xを取り出すのをさらに容易にできる。
【0044】
なお、本発明に係る栓部材は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用してもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0045】
例えば、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(53)の先端部131(531)が本体部11(51)の端部と面一に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図8及び図9に示すように、栓部材6は、貫通孔621を有する取出部62と、取出部62から突出し、先端部631が本体部61から臨出する係止部63とを備える場合でもよい。
【0046】
斯かる構成によれば、例えば、係止部63が混合物Yを係止した状態でも、混合物Yと第1傾斜部622(突条部622aの先端)との間に、粒状物Xが通過可能な隙間を十分に確保できるため、係止部63で混合物Yを係止しつつも、貫通孔621から粒状物Xを確実に取り出すことができる。
【0047】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(53)が板状に形成され、側部132(532)が貫通孔121(521)に向けて連続的に延設される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、図10に示すように、栓部材7は、側部が貫通孔721に向けて断続的に延設される係止部73,…を備える場合でもよい。具体的には、各係止部73は、複数の板状の凸部73a,…を備え、各凸部73aは、径方向に沿って配置される場合でもよい。
【0048】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、取出部12(52)の第1傾斜部122(522)が複数の突条部122a(522a),…を備える場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図10に示すように、栓部材7は、取出部72の第1傾斜部722が周方向に亘って面状に形成され、該表面が軸心方向に対して傾斜する方向に沿って形成される場合でもよい。
【0049】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、係止部13(52)で区切られる第1傾斜部122(522)の各領域が、係止部13(52)を基準にして対称となるように形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、係止部を基準にして非対称となるように形成される場合でもよい。
【0050】
例えば、第1傾斜部は、各領域毎で、軸心方向に対して傾斜する角度(交差角度)を相違するように構成される場合でもよい。また、図11に示すように、栓部材8は、複数の突条部822a,822b,822c,…からなる第1傾斜部82を備え、貫通孔821の外縁における各突条部822a,822b,822cの先端部の位置が、係止部83によって区切られる各領域毎で、軸心方向において相違している場合でもよい。
【0051】
即ち、第1傾斜部82は、係止部83で区切られる各領域毎で、高低差や傾斜差を有して構成される場合でもよい。斯かる構成によれば、係止部で区切られる各領域から粒状物Xがそれぞれ案内された場合に、各粒状物X同士が不安定に干渉し合うことにより、各粒状物X同士が均衡して干渉する場合と比較して、貫通孔821付近で各粒状物Xが詰まることを防止できる。
【0052】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、取出部12(52)が本体部11(51)に対して、軸心方向において中間部に配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、取出部は、本体部の他端部(上端部)に配置される場合でもよい。
【0053】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、本体部11(51)が円筒状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、容器の口部が角状の場合には、角状に形成される場合でもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、本体部11(51)が容器2の口部21の内部に嵌められて装着される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、本体部は、容器の口部の外側に嵌められて装着される場合でもよく、また、容器2の口部21と螺合して装着される場合でもよい。
【0055】
また、上記実施形態に係る栓部材1(5)においては、容器2の中栓である場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、容器2のキャップである場合でもよい。具体的には、図12に示すように、栓部材9は、容器2と螺合する本体部91と、粒状物Xを取り出す貫通孔921を有する取出部92と、混合物Yを係止する係止部93と、本体部91と係合することにより容器2を密封すべく、本体部91にヒンジ機構を介して連結される蓋部94とを備える場合でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…栓部材、2…容器、12…取出部、121…貫通孔、13…係止部、131…先端部、132…側部、21…口部、X…粒状物、Y…混合物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒状物と該粒状物よりも大きく形成される少なくとも一つの混合物とを混合して収容する容器の口部を覆うように配置され、且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、
混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で容器内の混合物を係止するための係止部とを備える栓部材において、
係止部は、貫通孔と重なるのを防止すべく、貫通孔の外方に配置されることを特徴とする栓部材。
【請求項2】
係止部は、側部で粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、側部が貫通孔に向けて延設される請求項1に記載の栓部材。
【請求項3】
貫通孔は、取出部の中央部に配置され、
係止部は、板状に形成されると共に、貫通孔から放射状に複数配設される請求項2に記載の栓部材。
【請求項4】
取出部は、容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、貫通孔に向けて傾斜するように形成される請求項2又は3に記載の栓部材。
【請求項1】
複数の粒状物と該粒状物よりも大きく形成される少なくとも一つの混合物とを混合して収容する容器の口部を覆うように配置され、且つ容器から粒状物を取り出すための貫通孔を有する取出部と、
混合物が貫通孔を塞ぐことを防止すべく、取出部から突出し、先端部で容器内の混合物を係止するための係止部とを備える栓部材において、
係止部は、貫通孔と重なるのを防止すべく、貫通孔の外方に配置されることを特徴とする栓部材。
【請求項2】
係止部は、側部で粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、側部が貫通孔に向けて延設される請求項1に記載の栓部材。
【請求項3】
貫通孔は、取出部の中央部に配置され、
係止部は、板状に形成されると共に、貫通孔から放射状に複数配設される請求項2に記載の栓部材。
【請求項4】
取出部は、容器内の粒状物を貫通孔に向けて案内すべく、貫通孔に向けて傾斜するように形成される請求項2又は3に記載の栓部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−260613(P2010−260613A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113334(P2009−113334)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
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