栗皮抽出物を含む健康食品又は薬学組成物
本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含む、痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。本発明に係る健康食品又は薬学組成物に含まれる栗皮抽出物は、本発明に係る一の実施例において、痒みの刺激源であるタンパク分解酵素活性受容体−2(PAR−2)の活性を抑制することにより、優れた痒み症の緩和又は抑制効果を発揮できることが確認されたところ、痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物の有効成分として適合して使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栗皮抽出物を含む健康食品又は薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
痒みとは、掻きたいという欲求を誘発する不愉快な皮膚感覚と定義されており、痛み、触覚、冷たさ又は熱さといった生理的自己防御機序として、皮膚が外部からの有害な刺激にさらされたときに、これを認知させて皮膚を保護する役割をする。
【0003】
痒み症は、多様な皮膚疾患又は全身疾患においてよく表われる共通した症状の一種であり、じんましんや様々な薬物の副作用による急性の痒み症は容易に治癒され得るが、胆道閉鎖や腎臓疾患又はアトピー疾患といった重症の慢性の痒み症は、その治療が非常に難しいというのが実情である。
【0004】
痒みは、炎症や癌、代謝性疾患、感染、精神科的疾病、薬物投与又はストレス等、多様な原因によって誘発され、最近のいくつかの研究結果では、皮膚と末梢神経系及び中枢神経系の有機的連結が痒みを誘発させる刺激に対する反応や調節に深く関与していることを明らかにしている。
【0005】
最近、特定の感覚神経細胞とそれらの受容体が痒みに特異的に反応するということが明らかになり、痒みがもはや痛みの下位様相ではなく、感覚神経系の個別的感覚として受け入れられるようになっており、互いに異なる痒み媒介物質とそれらの受容体が多様な痒み誘発疾患に関与するものと考えられている(Steinhoff et al., Journal of Investigative Dermatology, 126, pp1705−1718, 2006)。
【0006】
これまでの痒み症研究のための実験においては主にヒスタミンが使用されてきたが、アトピーのような慢性の痒み症は、ヒスタミン依存的経路(pathway)によってというよりは、神経性原因によるものであるという主張が提起されており、このことは、なぜ抗ヒスタミンがアトピー疾患の痒み症に効果的でないのかということを説明している(Stander et al., Experimental Dermatology, 11, pp12−24, 2002)。
【0007】
また、第1世代抗ヒスタミン剤は、主に全身投与して使用するが、抗副交感作用があって鎮静作用を示し、第1世代抗ヒスタミン剤であるクロルフェニラミンは、局所投与時、アトピー性皮膚炎患者の痒みを抑制させることができないものと知られており(Munday et al., Dermatology, 205, pp40−45, 2002)、皮膚過敏反応の危険があるため、アトピー性皮膚炎への局所抗ヒスタミン剤の使用は勧奨されない。鎮静作用がない第2世代抗ヒスタミン剤であるエバスチンやターフェナジンは、シトクロム(cytochrome)P450活性を阻害する薬物(ketoconazole, erythromycin)と共に服用すると不整脈を引き起こすことがあり(Hey et al., Arzneimittelforschung, 46, pp159−163, 1996)、これと関連する副作用が起こる。
【0008】
したがって、効率的でありながら、副作用が少なく安全な痒み症治療剤、特に、アトピーのような慢性の痒み症に有効な治療薬の開発に対する必要性が急がれている状況である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Steinhoff et al., Journal of Investigative Dermatology, 126, pp1705−1718, 2006
【非特許文献2】Stander et al., Experimental Dermatology, 11, pp12−24, 2002
【非特許文献3】Munday et al., Dermatology, 205, pp40−45, 2002
【非特許文献4】Hey et al., Arzneimittelforschung, 46, pp159−163, 1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、従来から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。具体的に、本発明の一実施例に係る目的は、栗皮抽出物を含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物、皮膚障壁改善用の健康食品又は薬学組成物、及び免疫抑制用健康食品又は薬学組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的により、本発明に係る一実施例は、従来の痒み症治療薬が有する副作用を減らしつつも、優れた痒み症の抑制又は緩和の効果がある栗皮抽出物を有効成分として含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。
【0012】
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含む皮膚障壁機能改善用健康食品又は薬学組成物に関する。
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。
【0013】
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含むアトピー性皮膚炎の改善又は治療用健康食品又は薬学組成物に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る組成物は、栗皮抽出物を有効成分として含むことにより、痒みの刺激源であるタンパク分解酵素活性受容体−2(Proteinase−Activated Receptor−2:PAR−2)の活性の抑制を通じて優れた痒み症の緩和又は抑制を発揮することができ、痒み症によって誘発される皮膚障壁破壊を有意に改善することができるだけでなく、栗皮抽出物の免疫抑制活性を通じて痒み症を誘発する原因になり得る免疫過敏性反応を根本的に治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のPAR−2活性抑制効果(トリプシン処理)の測定結果を示したグラフである。
【図2】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のPAR−2活性抑制効果(SLIGKV処理)の測定結果を示したグラフである。
【図3】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のPAR−2活性抑制効果(トリプシン、SLIGKV処理)の測定結果を示したグラフである。
【図4】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の痒み症(トリプシン処理)抑制効果を示したグラフである。
【図5】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図6】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図7】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物経口投与の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図8】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のTNF−α分泌減少効果を示したグラフである。
【図9】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−6分泌減少効果を示したグラフである。
【図10】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−1α分泌減少効果を示したグラフである。
【図11】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−8分泌減少効果を示したグラフである。
【図12】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のGM−CSF分泌減少効果を示したグラフである。
【図13】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6分泌減少効果を示したグラフである。
【図14】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8分泌減少効果を示したグラフである。
【図15】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSF分泌減少効果を示したグラフである。
【図16】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の皮膚保湿効果を測定した結果を示したグラフである。
【図17】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の過角質化改善効果を測定した結果を示したグラフである。
【図18】本発明の一実施例に係る、NC/Ngaモデルにおいて栗皮エタノール抽出物の痒み症改善効果を測定した結果を示したグラフである。
【図19】本発明の一実施例に係る、NC/Ngaモデルにおいて栗皮エタノール抽出物のIgE減少効果を測定した結果を示したグラフである。
【図20】本発明の一実施例に係る、栗の内皮(渋皮)及び外皮(鬼皮)抽出物によるPAR−2活性抑制効果の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。本出願の発明者らは、タンパク分解酵素活性受容体−2(PAR−2)を痒み症治療のターゲットとして、栗皮抽出物によるPAR−2の活性抑制の程度を測定した結果、後述する実施例において立証されたところのように、試験管内で優れたPAR−2拮抗作用を見せたことを確認し、また、PAR−2を特異的に活性化させるペプチドであるSLIGRL、SLIGKV又はタンパク分解酵素であるトリプシンによって誘発された痒み抑制実験において、PAR−2の活性を有意に抑制して、非常に優れた痒み抑制効果を示すことを確認した。
【0017】
前記痒み症は、掻痒症とも呼ばれ、このような痒み症の誘発原因又は形態は特に制限されないが、例えば、炎症性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、肌荒れによる皮膚炎、あせも、爛れ、凍傷、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬及び類乾癬からなる皮膚炎のうち一以上から誘発されるものであってよい。
【0018】
痒み症の場合、継続的な痒みによって持続的に皮膚をこすったり、掻いたり、又はつねったりするようになる。これにより、皮膚の爛れ、擦過傷、苔癬、痒疹、過色素沈着又は色素沈着の減少等、二次的な皮膚損傷が誘発され、皮膚における炎症反応を誘導する様々な物質が分泌され、こうした分泌は再び痒みを増加させて痒み−掻きの循環を形成することになる。
【0019】
しかし、本発明に係る健康食品又は薬学組成物に含まれる栗皮抽出物は、効果的な皮膚障壁機能改善効果を示すところ、痒みによって誘発された二次的な皮膚損傷を効果的に予防又は治療することができる。
【0020】
前記組成物は、例えば、アトピー性皮膚炎から由来する痒みによって発生した2次的な皮膚損傷に対し、皮膚障壁損傷の緩和又は皮膚障壁の回復力改善に有意な効果を示し、これを通じ、有意に皮膚障壁を改善させることができる。
【0021】
前記組成物は、特に、皮膚の保湿増進や皮膚の過角質化防止を通じて皮膚障壁を改善させることができ、後述する実施例を通じて立証されたところのように、本出願の発明者らは、無毛マウスにオキサゾロン(oxazolon)を処理したアレルギーモデルで実験を進行し、経皮水分損失量(transepidermal water loss、TEWL)と皮膚の厚さを測定した結果、栗皮抽出物が効果的な皮膚の保湿増進又は過角質化防止効果を示すことを確認した。
【0022】
さらに、本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。前記組成物は、例えば、アトピー、リウマチ性関節炎(rheumatoid arthritis)又はクローン病の治療のための健康食品又は薬学組成物であってよく、その中でも、免疫過敏性反応であるアトピー疾患の予防又は治療のための組成物であってよい。
【0023】
アトピー疾患が皮膚の損傷等による急性段階から慢性疾患段階に発展するとき、免疫媒介物質の多様な分泌様相変化が観察されるが、アトピー疾患を患っている患者の損傷した皮膚において、多数のインターロイキンの濃度が増加することになる。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)は、アトピー性皮膚疾患患者の損傷した皮膚においてその分泌量が増加して、慢性炎症反応を引き起こすことが知られており、アトピー患者の免疫体系の不均衡を引き起こすようになる(Matsubara et al., FEBS Letters, 566, pp195−200, 2004)。
【0024】
これと関連し、本出願の発明者らは、栗皮抽出物が免疫過敏性反応と関連する腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−1α(IL−1α)、インターロイキン−8(IL−8)又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)の発現を有意に減少させることができることを確認したところ、栗皮抽出物は、免疫抑制用健康食品又は薬学組成物の有効成分に適する。
【0025】
特に、本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含み、アトピー性皮膚炎の改善又は治療用化粧料組成物の有効成分に適する。
また、前記インターロイキン−6(IL−6)及びインターロイキン−8(IL−8)は、アトピー疾患において痒みを誘発する因子としても知られており、栗皮抽出物は、アトピー疾患由来の痒み症の予防及び治療のために効果的に使用され得る。
【0026】
前記栗皮は、栗の木の実を覆っている濃褐色の皮を意味し、本明細書において使用される栗皮抽出物は、栗の内皮(渋皮)、外皮及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上の抽出物を意味するものであってよい。
【0027】
前記栗皮は、どのような種類の栗から由来する皮でも差し支えなく特に制限されないが、例えば、栗(Castanea crenata S. et Z., Castanea mollissima Bl., Castanea bulgaris)、藥栗(Castanea Bungeana Bl.)及び韓国グリ(Castanea crenata for. multicarpa(Uyeki)Chung)からなる群から選択された一以上の栗の皮であってよい。栗皮としては、栗の内皮(渋皮)を使用することができ、栗の外皮(鬼皮)が使用されてもよいが、特に、栗の外皮(鬼皮)抽出物を処理した群において優れたPAR−2拮抗作用を見せることを確認した。
【0028】
前記栗皮抽出物の抽出方法は特に制限されないが、例えば、水、炭素数1〜4の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合溶媒からなる群から選択された一以上の溶媒を通じて抽出されてよく、前記溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ブタノール及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上であってよく、例えば、前記栗皮抽出物は、10〜100%アルコール水溶液又は10〜100%1,3−ブチレングリコールから抽出されてよく、具体的に、栗皮20〜90%エタノール水溶液抽出物又は10〜70%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよく、より具体的に、栗皮40〜90%エタノール水溶液抽出物又は10〜50%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよく、さらに具体的に、栗皮60〜90%エタノール水溶液抽出物又は20〜40%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよい。
【0029】
前記組成物に含まれる栗皮抽出物の含量は特に制限されないが、組成物の総重量を基準として0.005〜80重量%の含量で含まれてよく、好ましくは、0.01〜30重量%で含まれてよい。前記栗皮抽出物の含量が少なすぎると効果が微々たるものとなり、多すぎると剤形の安定度が低くなり得る。
【0030】
場合によって、痒み症の緩和又は抑制、皮膚障壁改善、及び免疫抑制のために栗皮抽出物と抗ヒスタミン、ステロイド、局所麻酔、免疫抑制剤のうち一又はそれ以上の物質との併用もまた可能である。
【0031】
従来、アトピー性皮膚炎及び痒み症緩和のための技術は、抗ヒスタミン剤の服用やステロイド製剤を外用剤として塗布するものであったが、これらの製剤の場合、一時的な治療効果を見せても直ちに再発するという短所を有しており、さらに、これら薬物を服用した場合、中枢神経障害、消化器障害などの副作用が報告されている。副腎皮質ホルモンであるステロイド製剤は、強力な消炎作用と免疫抑制作用で効果が優れているが副作用もまた深刻であり、免疫抑制剤であるタクロリムス水和物軟膏がアトピー性皮膚炎の治療に有効なものと報告されているが、皮膚癌を誘発したり、皮膚損傷部位に多量に体内吸収されたときには、腎臓障害を誘発するおそれがあり、安全性の側面において長期的使用が難しいというのが実情である。
【0032】
そこで、栗皮抽出物を有効成分として含む組成物と、抗ヒスタミン、ステロイド、局所麻酔、免疫抑制剤のうち一又はそれ以上を適切に併用する場合、痒み症の緩和又は抑制、皮膚障壁改善及び免疫抑制等に副作用を伴うことなく、安全に大きな効果を示すことができる。
【0033】
前記薬学組成物は、防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤等の薬剤学的補助剤及びその他治療的に有用な物質をさらに含めることができ、常用される無機又は有機の担体を加えて、固体、半固体又は液状の形態で経口投与したり、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下等に投与したりすることができ、特に、経口投与が望ましい。
【0034】
前記経口投与剤は、例えば、錠剤、丸剤、硬質及び軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、顆粒剤等があり、これら剤形は、有効成分以外に、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及びグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩、並びにポリエチレングリコール)を含むことができる。錠剤はまた、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンといった結合剤を含むことができ、場合によって、澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩といった崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤及び甘味剤等の薬剤学的添加剤を含むことができる。前記錠剤は、通常的な混合、顆粒化又はコーティング方法によって製造することができる。
【0035】
また、前記非経口投与剤は、例えば、皮膚外用剤であってよく、ローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ又は噴霧剤の剤形であってよいが、これらに限定されるものではない。
【0036】
前記健康食品組成物は、剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、ドリンク剤、カラメル、ダイエットバー等に剤形化することができる。各剤形の健康食品組成物は、有効成分以外に、当該分野において通常的に使用される成分を、剤形又は使用目的に応じて当業者が困難なく適宜選定して配合することができ、他の原料と同時に適用する場合、相乗効果が起こり得る。
【0037】
前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準にあり、薬物の1日投与用量は、投与しようとする対象の進行程度、発病時期、年齢、健康状態、合併症等の多様な要因によって異なるが、成人を基準にすると、一般的には、前記組成物1〜500mg/kg、好ましくは30〜200mg/kgを1日1〜2回に分割して投与することができ、前記投与量は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものではない。
【0038】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳述するが、下記実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明のカテゴリがこれらにのみ限定されるものではない。
[実施例1]栗皮抽出物の製造
1−1)栗皮1,3−ブチレングリコール抽出物の製造
栗皮を、30%1,3−ブチレングリコール(1,3−buthylene glycol)を利用して、室温で3日間浸出させた。続いて、250メッシュ、3μm、1μm、0.5μmの大きさの濾過機で順次濾過した。その後、0〜4℃で3日間放置した後、0.5μm、0.3μm、0.2μmの大きさの濾過機で順次濾過し、栗皮1,3−ブチレングリコール抽出物を得た。
【0039】
1−2)栗皮エタノール抽出物の製造
栗皮を、70%エタノールを利用して、室温で3日間浸出させた。続いて、250メッシュ、3μm、1μm、0.5μm、0.3μm、0.2μmの大きさの濾過機で順次濾過した。その後、60℃で溶液を濃縮させた後、30℃で18時間真空乾燥を実施し、栗皮エタノール抽出物を粉末形態で得た。
【0040】
[試験例1]栗皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,トリプシン処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮エタノール抽出物を細胞にそれぞれ1ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm及び50ppmの濃度で処理した。10分間反応させた後、2U/mlトリプシンで処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮エタノール抽出物とトリプシン処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値をトリプシン処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0041】
図1を参照すると、トリプシンによってPAR−2のN−末端でセリンシーケンスを切ってPAR−2が活性化されている場合、細胞内にカルシウムイオンが流入されるが、栗皮抽出物を処理した群の場合、PAR−2活性化が抑制されて、カルシウムイオンの流入が顕著に減少することを確認することができる。
【0042】
[試験例2]栗皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮エタノール抽出物を細胞にそれぞれ1ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm及び50ppmの濃度で処理した。10分間反応させた後、5μM PAR−AP(SLIGKV)を処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮エタノール抽出物と5μM PAR−AP(SLIGKV)処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値を5μM PAR−AP(SLIGKV)処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0043】
図2を参照すると、活性化ペプチドであるSLIGKV(Human)が直接的なリガンドとして作用してPAR−2が活性化されると、細胞内にカルシウムイオンが流入されるが、栗皮抽出物を処理した群の場合、PAR−2活性化が抑制されてカルシウムイオンの流入が顕著に減少することを確認することができる。
【0044】
[試験例3]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物を細胞にそれぞれ0.1w/v%、0.5w/v%及び1w/v%の濃度で処理した。10分間反応させた後、2U/mlトリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)を処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物と2U/mlトリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値を2U/ml トリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0045】
図3を参照すると、トリプシン又はPAR−2活性ペプチド(SLIGKV)による細胞内カルシウムイオンの流入が、栗皮抽出物の濃度が高くなるにつれて顕著に減少することを確認することができる。
【0046】
[試験例4]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の、トリプシンによって誘発された痒み症抑制効果
無毛マウスにおいてトリプシン(PBSバッファー中)200μg/site皮内(ID)注射によるスクラッチング行動特性(scratching behavior)が栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物(PBSバッファー中)をそれぞれ1w/v%、10w/v%及び20w/v%の濃度で同時注入して、濃度別に抑制されることを観察した。各測定値は、2回のベースライン測定平均値に対する%変化で表示し、その結果を図4に示す。
【0047】
図4を参照すると、1,3−ブチレングリコール(BG;ビヒクル)処置群と1%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群は、トリプシンによって誘発された痒みを抑制する効果はないことが観察されたが、10%、20%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群では抑制効果が非常に大きいことを観察することができた。
【0048】
[試験例5]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のSLIGRLによって誘発された痒み止め効果
無毛マウスにおいてSLIGRL(PBSバッファー中のMurine PAR−2活性ペプチド)50μg/site皮内(ID)注射によるスクラッチング行動特性が栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物(PBSバッファー中)をそれぞれ1%、10%及び20%の濃度で同時注入して、濃度別に抑制されることを観察した。各測定値は、2回のベースライン測定平均値に対する%変化で表示し、その結果を図5に示す。
【0049】
図5を参照すると、1%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群から10%、20%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群へ栗皮抽出物の濃度が増加するにつれて、SLIGRLによって誘発された痒みが抑制される程度が増えていることを観察することができた。
【0050】
[試験例6]栗皮エタノール抽出物の皮膚塗布によるSLIGRLによって誘発された痒み症抑制効果
各試験群に皮膚塗布処理した栗皮抽出物は、いずれも、水、エタノール、1,3ブチレングリコールを5:3:2の割合で混合した溶液に溶かして使用し、試験濃度は、粉末形態の栗皮エタノール抽出物を1、3及び10w/v%の濃度で使用した。ビヒクル群は、実施例1の抽出物を添加せずに作った製剤を使用し、痒み誘発物質としては、PAR−2活性ペプチド(Activating Peptide(SLIGRL、齧歯類由来ペプチド))をPBSバッファーに溶かし、50μg/siteの濃度で皮内注射した。
【0051】
栗皮エタノール抽出物の各試料を200μl取って、無毛マウスの背中の部位に広く伸ばして塗る方式で処理した。午前と午後に分けて1日2回、4日間処理し、5日目の午前、痒み誘発物質注射30分前に、最後の処理をした。
【0052】
痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)による痒みの増加と栗皮エタノール抽出物による痒み減少の有無を比較するために、栗皮エタノール抽出物の皮膚塗布前2日間、毎測定あたり40分間の掻いた回数を測定し、2日間の平均値を計算した値を刺激源注入後40分間の掻いた回数と比較して、%変化値で示した。
【0053】
痒みの実験は、痒み誘発物質を注射する20分前に観察用透明檻に無毛マウスを入れ、20分間適応する時間を与えることから始めた。適応時間が終わると、痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド;SLIGRL)を適応が終わった試験無毛マウスの背中の部位の皮膚に皮内注射した。注射が終わると、直ちに再び観察用檻に無毛マウスを入れた後、40分間、後肢で痒み誘発物質を注射した部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で注射部位を掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。
【0054】
図6を参照すると、栗皮エタノール抽出物(Chestnut Inner Bark Extract)を皮膚に塗布した後、10%の濃度では、痒みの刺激を与えていない通常の状態においても掻く回数が減少し、痒み刺激を与えた場合は、1%濃度から掻く回数が減少することを確認することができる。
【0055】
[試験例7]栗皮エタノール抽出物の経口投与による、SLIGRLによって誘発された痒み症抑制効果
実施例1で収得した抽出物を8週齢の雌無毛マウスに経口投与して、痒み抑制効果を観察した。
【0056】
各試験群に経口投与処理した栗皮抽出物は、いずれも蒸留水と混ぜて懸濁液として使用し、試験濃度は、粉末形態の栗皮エタノール抽出物をそれぞれ200及び500mg/Kgの濃度で経口投与した。ビヒクル群は、実施例1の抽出物を添加せずに純粋蒸留水を使用し、痒み誘発物質としては、PAR−2活性ペプチド(Activating Peptide(SLIGRL、齧歯類由来ペプチド))をPBSバッファーに溶かして、50μg/siteの濃度で皮内注射した。
【0057】
経口投与は、前記試料を適正量取って、1日1回、5日間投与し、5日目の午前、痒み誘発物質注射30分前に、最後の投与をした。
痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)による痒みの増加と栗皮エタノール抽出物の経口投与による痒み減少の有無を比較するために、栗皮エタノール抽出物の経口投与前2日間、毎測定あたり40分の掻いた回数を測定し、2日間の平均値を計算した値を刺激源注入後40分間の掻いた回数と比較して、%変化値で示した。
【0058】
痒みの実験は、痒み誘発物質を注射する20分前に観察用透明檻に無毛マウスを入れ、20分間適応する時間を与えることから始めた。適応時間が終わると、痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)を適応が終わった試験無毛マウスの背中の部位の皮膚に皮内注射した。注射が終わると、直ちに再び観察用檻に無毛マウスを入れた後、40分間、後肢で痒み誘発物質を注射した部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で注射部位を掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。
【0059】
図7を参照すると、栗皮エタノール抽出物を経口投与した後、痒み刺激に対する栗皮の抑制効果が濃度に応じて減少することを確認することができる。
[試験例8]栗皮抽出物によるTNF−αの分泌減少
実験一日前、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、入手先:Lonza)を96ウェルプレートに5×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、PBSで細胞を2回洗い、セラムフリーKBM(keratinocyte basement media)に取り替えた。それぞれのウェルに栗皮を濃度別に処理し(10,25,50ppm)、30分間反応させた後、PGSA(10,50ppm)、LPS(1ppm)をそれぞれ処理した。24時間、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した後、培養液を取ってTNF−αに対するELISAを行った。ELISAは、製造会社(BD science)の実験方法を利用した。
【0060】
図8を参照すると、栗皮がPGSAとLPSにより増加したTNF−αの分泌を著しく減少させることを観察することができる。
[試験例9]栗皮抽出物によるIL−6の分泌減少
IL−6に対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0061】
図9を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−6の分泌を懸隔に抑制させることを観察することができる。
[試験例10]栗皮抽出物によるIL−1αの分泌減少
IL−1αに対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0062】
図10を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−1αの分泌量を濃度に応じて減少させることを観察することができる。
[試験例11]栗皮抽出物によるIL−8の分泌減少
IL−8に対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0063】
図11を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−8の分泌を著しく減少させることを観察することができる。
[試験例12]栗皮抽出物によるGM−CSFの分泌減少
GM−CSFに対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0064】
図12を参照すると、栗皮の濃度が増加するにつれて、PGSAとLPSによって分泌されるGM−CSFの量が減少することを観察することができる。
[試験例13]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6の分泌抑制効果
実験一日前、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、入手先:Lonza)を96ウェルプレートに5×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、PBSで細胞を2回洗い、セラムフリーKBMに取り替えた。それぞれのウェルに栗皮抽出物を濃度別に処理し(10,50ppm)、30分間反応させた後、トリプシン(10nM)又はPAR−2活性化ペプチド(SLIGKV,50μM)をそれぞれ処理した。24時間、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した後、培養液を取ってIL−6に対するELISAを行った。ELISAは、製造会社(BD science)の実験方法を利用した。
【0065】
図13を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6の分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例14]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8の分泌抑制効果
IL−8に対するELISAを行ったことを除けば、試験例13と実質的に同じ方法を利用した。
【0066】
図14を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8の分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例15]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSFの分泌抑制効果
GM−CSFに対するELISAを行ったことを除けば、試験例13と実質的に同じ方法を利用した。
【0067】
図15を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSFの分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例16]栗皮エタノール抽出物の皮膚保湿効果測定
実施例1の栗皮エタノール抽出物の、長期間皮膚損傷による皮膚障壁機能回復能力を評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若い無毛マウス(オリエント、韓国)の背中に、オキサゾロン(oxazolone)を1日1回ずつ6日間、周期的に塗布して、実験動物の皮膚障壁を損傷させた。その後、蒸発計(デルフィン、フィンランド)で経皮水分損失量(TEWL)を測定して、時間当たり50g/m2以上の経皮水分損失を示す皮膚を有する実験動物を群分離し、1及び5w/v%の栗皮抽出物それぞれを、皮膚面積5cm2当たり100μlの容量で、1日2回ずつ、10日間連続塗布を行った後、実験動物の経皮水分損失量(TEWL)を測定し、その結果を図16に示した。
【0068】
図16に示されたところのように、無毛マウスにオキサゾロンを処理したアレルギーモデルにおいて、オキサゾロンによって誘導された皮膚炎(アトピー性皮膚炎)によって増加した経皮水分損失量は、栗皮抽出物を塗布することにより、損傷した障壁機能を回復させて正常皮膚に戻す機能があることを知ることができた。
【0069】
[試験例17]栗皮エタノール抽出物の過角質化改善効果測定
実施例1において、栗皮エタノール抽出物の皮膚過角質化改善効果を評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若い無毛マウス(オリエント、韓国)の背中に、オキサゾロン(oxazolone)を1日1回ずつ6日間、周期的に塗布して、実験動物の皮膚障壁を損傷させた。その後、蒸発計(デルフィン、フィンランド)で経皮水分損失量(TEWL)を測定して、時間当たり50g/m2以上の経皮水分損失を示す皮膚を有する実験動物を群分離し、試験物質を、皮膚面積5cm2当たり100μlの容量で、1日2回ずつ、10日間連続塗布を行った後、背中の測定部位左右を挟み上げ(two−folding measurement)、測微計(三菱、日本)を利用して皮膚の厚さを測定した結果を図17に示した。
【0070】
図17を参照すると、オキサゾロン(oxazolon)によって誘導された皮膚炎によって増加した皮膚の厚さが、栗皮抽出物の粉末使用により、皮膚過角質化抑制効果を示すことを確認することができる。
【0071】
[試験例18]栗皮エタノール抽出物の、NC/NgaモデルにおけるIgE減少と痒み症改善効果測定
実施例1において、栗皮エタノール抽出物の血清内IgE減少と痒み改善効果を、NC/Ngaマウスモデルで評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若いNC/Ngaマウスの背中部位を、バリカン(clipper)を利用して脱毛し、残っている毛は除毛クリームを利用して完璧に除去した。露出された背中部位と耳介部位に、Df(dermatophagoides farinae)100mgを、週2回、3週間、4回均一に塗布して、アトピー疾患を誘発した。週5回、3週間、栗皮抽出物を100mg/kgと250mg/kgの2群に分けて投与した後、痒み症測定のために観察用檻にNC/Ngaマウスを入れた後、2時間の間、後肢で背中部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。血清IgEの測定は、眼窩静脈叢を通じて採血した血液サンプルから血清を分離して、BDサイエンス(BD science)のオプトIgEキット(Opt IgE kit)を利用して、ELISAを実施して測定した。図18に、250mg/kg投与群において痒みが非処理群に比べて減少したことを表示し、図19を参照すると、IgEの減少が250mg/kgの投与群において有意に表われることを確認することができる。
【0072】
[試験例19]栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果の比較(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
栗の外皮と内皮を分離して乾燥した後、実施例1−2)と同じ方法で栗の外皮抽出物を製造し、栗の内皮抽出物もまた、実施例1−2)と同じ方法で製造した。試験例2と同じ方法を使用して、栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果を測定し、下記のテーブル2及び図20に示した。
【0073】
【表1】
[試験例20]栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果の比較(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
栗の外皮(鬼皮)と内皮(渋皮)抽出物の濃度を、下記テーブル3に示すように処理したことを除けば、試験例19と同じ方法で、PAR−2活性抑制効果を測定した。
【0074】
【表2】
以下では、本発明に係る組成物の剤形例を説明するが、薬学組成物又は健康食品組成物は様々な剤形に応用可能であり、このことは、本発明を限定しようとするものではなく、単に具体的に説明しようとするものである。
【0075】
[剤形例1]皮膚外用剤中、軟膏
下記テーブル1に記載された組成により、通常的な方法で軟膏を製造した。
【0076】
【表3】
[剤形例2]散剤の製造
実施例1.........................100mg
乳糖...........................100mg
タルク...........................10mg
油脂.............................5mg
前記の成分を混合し、気密包に充填して、散剤を製造する。
【0077】
[剤形例3]錠剤の製造
実施例1..........................50mg
トウモロコシ澱粉.....................100mg
乳糖...........................100mg
ステアリン酸マグネシウム...................2mg
ビタミンC.........................50mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法によって打錠して、錠剤を製造する。
【0078】
[剤形例4]カプセル剤の製造
実施例1..........................50mg
トウモロコシ.......................100mg
乳糖...........................100mg
ステアリン酸マグネシウム...................2mg
ビタミンC.........................50mg
セリン...........................50mg
通常のカプセル剤の製造方法により、前記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造する。
【0079】
[剤形例5]液剤の製造
実施例1.........................100mg
異性化糖...........................10g
マンニトール..........................5g
ビタミンC.........................50mg
セリン...........................50mg
油脂..............................適量
精製水.............................適量
通常の液剤の製造方法によって、精製水にそれぞれの成分を加えて溶解させ、レモン香を適量加えた後、前記の成分を混合した後、精製水を加えて、全体で100mlに調節した後、褐色瓶に充填して滅菌させて、液剤を製造する。
【0080】
[剤形例6]健康食品の製造
実施例1........................1000mg
ビタミン混合物
ビタミンAアセテート....................70μg
ビタミンE........................1.0mg
ビタミンB1......................0.13mg
ビタミンB2......................0.15mg
ビタミンB6.......................0.5mg
ビタミンB12......................0.2μg
ビタミンC.........................10mg
ビオチン..........................10μg
ニコチン酸アミド.....................1.7mg
葉酸............................50μg
パントテン酸カルシウム..................0.5mg
無機質混合物
硫酸第一鉄.......................1.75mg
酸化亜鉛........................0.82mg
炭酸マグネシウム....................25.3mg
第一リン酸カリウム.....................15mg
第二リン酸カルシウム....................55mg
クエン酸カリウム......................90mg
炭酸カルシウム......................100mg
塩化マグネシウム....................24.8mg
前記のビタミン及びミネラルの混合物の組成比は、比較的、健康食品に適した成分を好ましい実施例で混合組成したが、その配合比を任意に変更しても差し支えなく、通常の健康食品の製造方法により、前記の成分を混合した後、顆粒を製造し、通常の方法によって健康食品組成物の製造に使用することができる。
【0081】
[剤形例7]健康飲料の製造
実施例1........................1000mg
クエン酸........................1000mg
オリゴ糖..........................100g
梅実濃縮液...........................2g
タウリン............................1g
精製水を加えて全体....................900ml
通常の健康飲料の製造方法により、前記の成分を混合した後、約1時間、85℃で攪拌加熱した後、作られた溶液を濾過して、滅菌された2℃の容器に取得して密封滅菌した後、冷蔵保管した後、本発明の健康飲料組成物の製造に使用する。
【0082】
組成比は、比較的、嗜好飲料に適した成分を好ましい実施例で混合組成したが、需要階層や、需要国家、使用用途等、地域的、民族的嗜好度に応じてその配合比を任意に変更しても差し支えない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、栗皮抽出物を含む健康食品又は薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
痒みとは、掻きたいという欲求を誘発する不愉快な皮膚感覚と定義されており、痛み、触覚、冷たさ又は熱さといった生理的自己防御機序として、皮膚が外部からの有害な刺激にさらされたときに、これを認知させて皮膚を保護する役割をする。
【0003】
痒み症は、多様な皮膚疾患又は全身疾患においてよく表われる共通した症状の一種であり、じんましんや様々な薬物の副作用による急性の痒み症は容易に治癒され得るが、胆道閉鎖や腎臓疾患又はアトピー疾患といった重症の慢性の痒み症は、その治療が非常に難しいというのが実情である。
【0004】
痒みは、炎症や癌、代謝性疾患、感染、精神科的疾病、薬物投与又はストレス等、多様な原因によって誘発され、最近のいくつかの研究結果では、皮膚と末梢神経系及び中枢神経系の有機的連結が痒みを誘発させる刺激に対する反応や調節に深く関与していることを明らかにしている。
【0005】
最近、特定の感覚神経細胞とそれらの受容体が痒みに特異的に反応するということが明らかになり、痒みがもはや痛みの下位様相ではなく、感覚神経系の個別的感覚として受け入れられるようになっており、互いに異なる痒み媒介物質とそれらの受容体が多様な痒み誘発疾患に関与するものと考えられている(Steinhoff et al., Journal of Investigative Dermatology, 126, pp1705−1718, 2006)。
【0006】
これまでの痒み症研究のための実験においては主にヒスタミンが使用されてきたが、アトピーのような慢性の痒み症は、ヒスタミン依存的経路(pathway)によってというよりは、神経性原因によるものであるという主張が提起されており、このことは、なぜ抗ヒスタミンがアトピー疾患の痒み症に効果的でないのかということを説明している(Stander et al., Experimental Dermatology, 11, pp12−24, 2002)。
【0007】
また、第1世代抗ヒスタミン剤は、主に全身投与して使用するが、抗副交感作用があって鎮静作用を示し、第1世代抗ヒスタミン剤であるクロルフェニラミンは、局所投与時、アトピー性皮膚炎患者の痒みを抑制させることができないものと知られており(Munday et al., Dermatology, 205, pp40−45, 2002)、皮膚過敏反応の危険があるため、アトピー性皮膚炎への局所抗ヒスタミン剤の使用は勧奨されない。鎮静作用がない第2世代抗ヒスタミン剤であるエバスチンやターフェナジンは、シトクロム(cytochrome)P450活性を阻害する薬物(ketoconazole, erythromycin)と共に服用すると不整脈を引き起こすことがあり(Hey et al., Arzneimittelforschung, 46, pp159−163, 1996)、これと関連する副作用が起こる。
【0008】
したがって、効率的でありながら、副作用が少なく安全な痒み症治療剤、特に、アトピーのような慢性の痒み症に有効な治療薬の開発に対する必要性が急がれている状況である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Steinhoff et al., Journal of Investigative Dermatology, 126, pp1705−1718, 2006
【非特許文献2】Stander et al., Experimental Dermatology, 11, pp12−24, 2002
【非特許文献3】Munday et al., Dermatology, 205, pp40−45, 2002
【非特許文献4】Hey et al., Arzneimittelforschung, 46, pp159−163, 1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、従来から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。具体的に、本発明の一実施例に係る目的は、栗皮抽出物を含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物、皮膚障壁改善用の健康食品又は薬学組成物、及び免疫抑制用健康食品又は薬学組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的により、本発明に係る一実施例は、従来の痒み症治療薬が有する副作用を減らしつつも、優れた痒み症の抑制又は緩和の効果がある栗皮抽出物を有効成分として含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。
【0012】
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含む皮膚障壁機能改善用健康食品又は薬学組成物に関する。
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。
【0013】
本発明に係る一実施例は、栗皮抽出物を有効成分として含むアトピー性皮膚炎の改善又は治療用健康食品又は薬学組成物に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る組成物は、栗皮抽出物を有効成分として含むことにより、痒みの刺激源であるタンパク分解酵素活性受容体−2(Proteinase−Activated Receptor−2:PAR−2)の活性の抑制を通じて優れた痒み症の緩和又は抑制を発揮することができ、痒み症によって誘発される皮膚障壁破壊を有意に改善することができるだけでなく、栗皮抽出物の免疫抑制活性を通じて痒み症を誘発する原因になり得る免疫過敏性反応を根本的に治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のPAR−2活性抑制効果(トリプシン処理)の測定結果を示したグラフである。
【図2】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のPAR−2活性抑制効果(SLIGKV処理)の測定結果を示したグラフである。
【図3】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のPAR−2活性抑制効果(トリプシン、SLIGKV処理)の測定結果を示したグラフである。
【図4】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の痒み症(トリプシン処理)抑制効果を示したグラフである。
【図5】本発明の一実施例に係る、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図6】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図7】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物経口投与の痒み症(SLIGRL処理)抑制効果を示したグラフである。
【図8】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のTNF−α分泌減少効果を示したグラフである。
【図9】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−6分泌減少効果を示したグラフである。
【図10】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−1α分泌減少効果を示したグラフである。
【図11】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のIL−8分泌減少効果を示したグラフである。
【図12】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のGM−CSF分泌減少効果を示したグラフである。
【図13】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6分泌減少効果を示したグラフである。
【図14】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8分泌減少効果を示したグラフである。
【図15】本発明の一実施例に係る、栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSF分泌減少効果を示したグラフである。
【図16】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の皮膚保湿効果を測定した結果を示したグラフである。
【図17】本発明の一実施例に係る、栗皮エタノール抽出物の過角質化改善効果を測定した結果を示したグラフである。
【図18】本発明の一実施例に係る、NC/Ngaモデルにおいて栗皮エタノール抽出物の痒み症改善効果を測定した結果を示したグラフである。
【図19】本発明の一実施例に係る、NC/Ngaモデルにおいて栗皮エタノール抽出物のIgE減少効果を測定した結果を示したグラフである。
【図20】本発明の一実施例に係る、栗の内皮(渋皮)及び外皮(鬼皮)抽出物によるPAR−2活性抑制効果の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含む痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。本出願の発明者らは、タンパク分解酵素活性受容体−2(PAR−2)を痒み症治療のターゲットとして、栗皮抽出物によるPAR−2の活性抑制の程度を測定した結果、後述する実施例において立証されたところのように、試験管内で優れたPAR−2拮抗作用を見せたことを確認し、また、PAR−2を特異的に活性化させるペプチドであるSLIGRL、SLIGKV又はタンパク分解酵素であるトリプシンによって誘発された痒み抑制実験において、PAR−2の活性を有意に抑制して、非常に優れた痒み抑制効果を示すことを確認した。
【0017】
前記痒み症は、掻痒症とも呼ばれ、このような痒み症の誘発原因又は形態は特に制限されないが、例えば、炎症性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、肌荒れによる皮膚炎、あせも、爛れ、凍傷、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬及び類乾癬からなる皮膚炎のうち一以上から誘発されるものであってよい。
【0018】
痒み症の場合、継続的な痒みによって持続的に皮膚をこすったり、掻いたり、又はつねったりするようになる。これにより、皮膚の爛れ、擦過傷、苔癬、痒疹、過色素沈着又は色素沈着の減少等、二次的な皮膚損傷が誘発され、皮膚における炎症反応を誘導する様々な物質が分泌され、こうした分泌は再び痒みを増加させて痒み−掻きの循環を形成することになる。
【0019】
しかし、本発明に係る健康食品又は薬学組成物に含まれる栗皮抽出物は、効果的な皮膚障壁機能改善効果を示すところ、痒みによって誘発された二次的な皮膚損傷を効果的に予防又は治療することができる。
【0020】
前記組成物は、例えば、アトピー性皮膚炎から由来する痒みによって発生した2次的な皮膚損傷に対し、皮膚障壁損傷の緩和又は皮膚障壁の回復力改善に有意な効果を示し、これを通じ、有意に皮膚障壁を改善させることができる。
【0021】
前記組成物は、特に、皮膚の保湿増進や皮膚の過角質化防止を通じて皮膚障壁を改善させることができ、後述する実施例を通じて立証されたところのように、本出願の発明者らは、無毛マウスにオキサゾロン(oxazolon)を処理したアレルギーモデルで実験を進行し、経皮水分損失量(transepidermal water loss、TEWL)と皮膚の厚さを測定した結果、栗皮抽出物が効果的な皮膚の保湿増進又は過角質化防止効果を示すことを確認した。
【0022】
さらに、本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物に関する。前記組成物は、例えば、アトピー、リウマチ性関節炎(rheumatoid arthritis)又はクローン病の治療のための健康食品又は薬学組成物であってよく、その中でも、免疫過敏性反応であるアトピー疾患の予防又は治療のための組成物であってよい。
【0023】
アトピー疾患が皮膚の損傷等による急性段階から慢性疾患段階に発展するとき、免疫媒介物質の多様な分泌様相変化が観察されるが、アトピー疾患を患っている患者の損傷した皮膚において、多数のインターロイキンの濃度が増加することになる。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)は、アトピー性皮膚疾患患者の損傷した皮膚においてその分泌量が増加して、慢性炎症反応を引き起こすことが知られており、アトピー患者の免疫体系の不均衡を引き起こすようになる(Matsubara et al., FEBS Letters, 566, pp195−200, 2004)。
【0024】
これと関連し、本出願の発明者らは、栗皮抽出物が免疫過敏性反応と関連する腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−1α(IL−1α)、インターロイキン−8(IL−8)又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)の発現を有意に減少させることができることを確認したところ、栗皮抽出物は、免疫抑制用健康食品又は薬学組成物の有効成分に適する。
【0025】
特に、本発明は、栗皮抽出物を有効成分として含み、アトピー性皮膚炎の改善又は治療用化粧料組成物の有効成分に適する。
また、前記インターロイキン−6(IL−6)及びインターロイキン−8(IL−8)は、アトピー疾患において痒みを誘発する因子としても知られており、栗皮抽出物は、アトピー疾患由来の痒み症の予防及び治療のために効果的に使用され得る。
【0026】
前記栗皮は、栗の木の実を覆っている濃褐色の皮を意味し、本明細書において使用される栗皮抽出物は、栗の内皮(渋皮)、外皮及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上の抽出物を意味するものであってよい。
【0027】
前記栗皮は、どのような種類の栗から由来する皮でも差し支えなく特に制限されないが、例えば、栗(Castanea crenata S. et Z., Castanea mollissima Bl., Castanea bulgaris)、藥栗(Castanea Bungeana Bl.)及び韓国グリ(Castanea crenata for. multicarpa(Uyeki)Chung)からなる群から選択された一以上の栗の皮であってよい。栗皮としては、栗の内皮(渋皮)を使用することができ、栗の外皮(鬼皮)が使用されてもよいが、特に、栗の外皮(鬼皮)抽出物を処理した群において優れたPAR−2拮抗作用を見せることを確認した。
【0028】
前記栗皮抽出物の抽出方法は特に制限されないが、例えば、水、炭素数1〜4の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合溶媒からなる群から選択された一以上の溶媒を通じて抽出されてよく、前記溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ブタノール及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上であってよく、例えば、前記栗皮抽出物は、10〜100%アルコール水溶液又は10〜100%1,3−ブチレングリコールから抽出されてよく、具体的に、栗皮20〜90%エタノール水溶液抽出物又は10〜70%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよく、より具体的に、栗皮40〜90%エタノール水溶液抽出物又は10〜50%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよく、さらに具体的に、栗皮60〜90%エタノール水溶液抽出物又は20〜40%1,3−ブチレングリコール抽出物であってよい。
【0029】
前記組成物に含まれる栗皮抽出物の含量は特に制限されないが、組成物の総重量を基準として0.005〜80重量%の含量で含まれてよく、好ましくは、0.01〜30重量%で含まれてよい。前記栗皮抽出物の含量が少なすぎると効果が微々たるものとなり、多すぎると剤形の安定度が低くなり得る。
【0030】
場合によって、痒み症の緩和又は抑制、皮膚障壁改善、及び免疫抑制のために栗皮抽出物と抗ヒスタミン、ステロイド、局所麻酔、免疫抑制剤のうち一又はそれ以上の物質との併用もまた可能である。
【0031】
従来、アトピー性皮膚炎及び痒み症緩和のための技術は、抗ヒスタミン剤の服用やステロイド製剤を外用剤として塗布するものであったが、これらの製剤の場合、一時的な治療効果を見せても直ちに再発するという短所を有しており、さらに、これら薬物を服用した場合、中枢神経障害、消化器障害などの副作用が報告されている。副腎皮質ホルモンであるステロイド製剤は、強力な消炎作用と免疫抑制作用で効果が優れているが副作用もまた深刻であり、免疫抑制剤であるタクロリムス水和物軟膏がアトピー性皮膚炎の治療に有効なものと報告されているが、皮膚癌を誘発したり、皮膚損傷部位に多量に体内吸収されたときには、腎臓障害を誘発するおそれがあり、安全性の側面において長期的使用が難しいというのが実情である。
【0032】
そこで、栗皮抽出物を有効成分として含む組成物と、抗ヒスタミン、ステロイド、局所麻酔、免疫抑制剤のうち一又はそれ以上を適切に併用する場合、痒み症の緩和又は抑制、皮膚障壁改善及び免疫抑制等に副作用を伴うことなく、安全に大きな効果を示すことができる。
【0033】
前記薬学組成物は、防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤等の薬剤学的補助剤及びその他治療的に有用な物質をさらに含めることができ、常用される無機又は有機の担体を加えて、固体、半固体又は液状の形態で経口投与したり、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下等に投与したりすることができ、特に、経口投与が望ましい。
【0034】
前記経口投与剤は、例えば、錠剤、丸剤、硬質及び軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、顆粒剤等があり、これら剤形は、有効成分以外に、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及びグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩、並びにポリエチレングリコール)を含むことができる。錠剤はまた、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンといった結合剤を含むことができ、場合によって、澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩といった崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤及び甘味剤等の薬剤学的添加剤を含むことができる。前記錠剤は、通常的な混合、顆粒化又はコーティング方法によって製造することができる。
【0035】
また、前記非経口投与剤は、例えば、皮膚外用剤であってよく、ローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ又は噴霧剤の剤形であってよいが、これらに限定されるものではない。
【0036】
前記健康食品組成物は、剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、ドリンク剤、カラメル、ダイエットバー等に剤形化することができる。各剤形の健康食品組成物は、有効成分以外に、当該分野において通常的に使用される成分を、剤形又は使用目的に応じて当業者が困難なく適宜選定して配合することができ、他の原料と同時に適用する場合、相乗効果が起こり得る。
【0037】
前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準にあり、薬物の1日投与用量は、投与しようとする対象の進行程度、発病時期、年齢、健康状態、合併症等の多様な要因によって異なるが、成人を基準にすると、一般的には、前記組成物1〜500mg/kg、好ましくは30〜200mg/kgを1日1〜2回に分割して投与することができ、前記投与量は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものではない。
【0038】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳述するが、下記実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明のカテゴリがこれらにのみ限定されるものではない。
[実施例1]栗皮抽出物の製造
1−1)栗皮1,3−ブチレングリコール抽出物の製造
栗皮を、30%1,3−ブチレングリコール(1,3−buthylene glycol)を利用して、室温で3日間浸出させた。続いて、250メッシュ、3μm、1μm、0.5μmの大きさの濾過機で順次濾過した。その後、0〜4℃で3日間放置した後、0.5μm、0.3μm、0.2μmの大きさの濾過機で順次濾過し、栗皮1,3−ブチレングリコール抽出物を得た。
【0039】
1−2)栗皮エタノール抽出物の製造
栗皮を、70%エタノールを利用して、室温で3日間浸出させた。続いて、250メッシュ、3μm、1μm、0.5μm、0.3μm、0.2μmの大きさの濾過機で順次濾過した。その後、60℃で溶液を濃縮させた後、30℃で18時間真空乾燥を実施し、栗皮エタノール抽出物を粉末形態で得た。
【0040】
[試験例1]栗皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,トリプシン処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮エタノール抽出物を細胞にそれぞれ1ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm及び50ppmの濃度で処理した。10分間反応させた後、2U/mlトリプシンで処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮エタノール抽出物とトリプシン処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値をトリプシン処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0041】
図1を参照すると、トリプシンによってPAR−2のN−末端でセリンシーケンスを切ってPAR−2が活性化されている場合、細胞内にカルシウムイオンが流入されるが、栗皮抽出物を処理した群の場合、PAR−2活性化が抑制されて、カルシウムイオンの流入が顕著に減少することを確認することができる。
【0042】
[試験例2]栗皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮エタノール抽出物を細胞にそれぞれ1ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm及び50ppmの濃度で処理した。10分間反応させた後、5μM PAR−AP(SLIGKV)を処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮エタノール抽出物と5μM PAR−AP(SLIGKV)処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値を5μM PAR−AP(SLIGKV)処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0043】
図2を参照すると、活性化ペプチドであるSLIGKV(Human)が直接的なリガンドとして作用してPAR−2が活性化されると、細胞内にカルシウムイオンが流入されるが、栗皮抽出物を処理した群の場合、PAR−2活性化が抑制されてカルシウムイオンの流入が顕著に減少することを確認することができる。
【0044】
[試験例3]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のPAR−2活性抑制効果(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
実験一日前、角質形成細胞(細胞株名:HaCaT、入手先:ATCC)を96ウェルプレートに4×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、HBSS(Hanks’Balanced Salt solution)バッファーで96ウェルプレートを2回洗浄後、反応バッファー(2μM Fluo−4−AM, 20% pluronic acid, 2.5mM probenecid)を細胞に入れた。37℃、5%CO2インキュベーターで30分、室温で30分間反応させた後、HBSSバッファーで2回洗浄し、栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物を細胞にそれぞれ0.1w/v%、0.5w/v%及び1w/v%の濃度で処理した。10分間反応させた後、2U/mlトリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)を処理し、80秒間、細胞内Ca2+濃度変化を測定した。細胞内Ca2+濃度変化の測定は、FlexStation3(Molecular Device,USA)を利用した。栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物と2U/mlトリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)処理後、80秒間フレックス(flex)を測定して得られた値の最小値と最大値の差を求めた後、その値を2U/ml トリプシン又は5μM PAR−AP(SLIGKV)処理時の最小値と最大値の差と比較して抑制率を求めた。
【0045】
図3を参照すると、トリプシン又はPAR−2活性ペプチド(SLIGKV)による細胞内カルシウムイオンの流入が、栗皮抽出物の濃度が高くなるにつれて顕著に減少することを確認することができる。
【0046】
[試験例4]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物の、トリプシンによって誘発された痒み症抑制効果
無毛マウスにおいてトリプシン(PBSバッファー中)200μg/site皮内(ID)注射によるスクラッチング行動特性(scratching behavior)が栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物(PBSバッファー中)をそれぞれ1w/v%、10w/v%及び20w/v%の濃度で同時注入して、濃度別に抑制されることを観察した。各測定値は、2回のベースライン測定平均値に対する%変化で表示し、その結果を図4に示す。
【0047】
図4を参照すると、1,3−ブチレングリコール(BG;ビヒクル)処置群と1%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群は、トリプシンによって誘発された痒みを抑制する効果はないことが観察されたが、10%、20%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群では抑制効果が非常に大きいことを観察することができた。
【0048】
[試験例5]栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物のSLIGRLによって誘発された痒み止め効果
無毛マウスにおいてSLIGRL(PBSバッファー中のMurine PAR−2活性ペプチド)50μg/site皮内(ID)注射によるスクラッチング行動特性が栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物(PBSバッファー中)をそれぞれ1%、10%及び20%の濃度で同時注入して、濃度別に抑制されることを観察した。各測定値は、2回のベースライン測定平均値に対する%変化で表示し、その結果を図5に示す。
【0049】
図5を参照すると、1%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群から10%、20%栗皮1,3−ブチレングリコール(BG)抽出物処置群へ栗皮抽出物の濃度が増加するにつれて、SLIGRLによって誘発された痒みが抑制される程度が増えていることを観察することができた。
【0050】
[試験例6]栗皮エタノール抽出物の皮膚塗布によるSLIGRLによって誘発された痒み症抑制効果
各試験群に皮膚塗布処理した栗皮抽出物は、いずれも、水、エタノール、1,3ブチレングリコールを5:3:2の割合で混合した溶液に溶かして使用し、試験濃度は、粉末形態の栗皮エタノール抽出物を1、3及び10w/v%の濃度で使用した。ビヒクル群は、実施例1の抽出物を添加せずに作った製剤を使用し、痒み誘発物質としては、PAR−2活性ペプチド(Activating Peptide(SLIGRL、齧歯類由来ペプチド))をPBSバッファーに溶かし、50μg/siteの濃度で皮内注射した。
【0051】
栗皮エタノール抽出物の各試料を200μl取って、無毛マウスの背中の部位に広く伸ばして塗る方式で処理した。午前と午後に分けて1日2回、4日間処理し、5日目の午前、痒み誘発物質注射30分前に、最後の処理をした。
【0052】
痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)による痒みの増加と栗皮エタノール抽出物による痒み減少の有無を比較するために、栗皮エタノール抽出物の皮膚塗布前2日間、毎測定あたり40分間の掻いた回数を測定し、2日間の平均値を計算した値を刺激源注入後40分間の掻いた回数と比較して、%変化値で示した。
【0053】
痒みの実験は、痒み誘発物質を注射する20分前に観察用透明檻に無毛マウスを入れ、20分間適応する時間を与えることから始めた。適応時間が終わると、痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド;SLIGRL)を適応が終わった試験無毛マウスの背中の部位の皮膚に皮内注射した。注射が終わると、直ちに再び観察用檻に無毛マウスを入れた後、40分間、後肢で痒み誘発物質を注射した部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で注射部位を掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。
【0054】
図6を参照すると、栗皮エタノール抽出物(Chestnut Inner Bark Extract)を皮膚に塗布した後、10%の濃度では、痒みの刺激を与えていない通常の状態においても掻く回数が減少し、痒み刺激を与えた場合は、1%濃度から掻く回数が減少することを確認することができる。
【0055】
[試験例7]栗皮エタノール抽出物の経口投与による、SLIGRLによって誘発された痒み症抑制効果
実施例1で収得した抽出物を8週齢の雌無毛マウスに経口投与して、痒み抑制効果を観察した。
【0056】
各試験群に経口投与処理した栗皮抽出物は、いずれも蒸留水と混ぜて懸濁液として使用し、試験濃度は、粉末形態の栗皮エタノール抽出物をそれぞれ200及び500mg/Kgの濃度で経口投与した。ビヒクル群は、実施例1の抽出物を添加せずに純粋蒸留水を使用し、痒み誘発物質としては、PAR−2活性ペプチド(Activating Peptide(SLIGRL、齧歯類由来ペプチド))をPBSバッファーに溶かして、50μg/siteの濃度で皮内注射した。
【0057】
経口投与は、前記試料を適正量取って、1日1回、5日間投与し、5日目の午前、痒み誘発物質注射30分前に、最後の投与をした。
痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)による痒みの増加と栗皮エタノール抽出物の経口投与による痒み減少の有無を比較するために、栗皮エタノール抽出物の経口投与前2日間、毎測定あたり40分の掻いた回数を測定し、2日間の平均値を計算した値を刺激源注入後40分間の掻いた回数と比較して、%変化値で示した。
【0058】
痒みの実験は、痒み誘発物質を注射する20分前に観察用透明檻に無毛マウスを入れ、20分間適応する時間を与えることから始めた。適応時間が終わると、痒み誘発物質(PAR−2活性ペプチド、SLIGRL)を適応が終わった試験無毛マウスの背中の部位の皮膚に皮内注射した。注射が終わると、直ちに再び観察用檻に無毛マウスを入れた後、40分間、後肢で痒み誘発物質を注射した部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で注射部位を掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。
【0059】
図7を参照すると、栗皮エタノール抽出物を経口投与した後、痒み刺激に対する栗皮の抑制効果が濃度に応じて減少することを確認することができる。
[試験例8]栗皮抽出物によるTNF−αの分泌減少
実験一日前、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、入手先:Lonza)を96ウェルプレートに5×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、PBSで細胞を2回洗い、セラムフリーKBM(keratinocyte basement media)に取り替えた。それぞれのウェルに栗皮を濃度別に処理し(10,25,50ppm)、30分間反応させた後、PGSA(10,50ppm)、LPS(1ppm)をそれぞれ処理した。24時間、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した後、培養液を取ってTNF−αに対するELISAを行った。ELISAは、製造会社(BD science)の実験方法を利用した。
【0060】
図8を参照すると、栗皮がPGSAとLPSにより増加したTNF−αの分泌を著しく減少させることを観察することができる。
[試験例9]栗皮抽出物によるIL−6の分泌減少
IL−6に対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0061】
図9を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−6の分泌を懸隔に抑制させることを観察することができる。
[試験例10]栗皮抽出物によるIL−1αの分泌減少
IL−1αに対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0062】
図10を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−1αの分泌量を濃度に応じて減少させることを観察することができる。
[試験例11]栗皮抽出物によるIL−8の分泌減少
IL−8に対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0063】
図11を参照すると、栗皮がPGSAとLPSによって増加したIL−8の分泌を著しく減少させることを観察することができる。
[試験例12]栗皮抽出物によるGM−CSFの分泌減少
GM−CSFに対するELISAを行ったことを除けば、試験例8と実質的に同じ方法を利用した。
【0064】
図12を参照すると、栗皮の濃度が増加するにつれて、PGSAとLPSによって分泌されるGM−CSFの量が減少することを観察することができる。
[試験例13]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6の分泌抑制効果
実験一日前、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、入手先:Lonza)を96ウェルプレートに5×104cell/wellとなるように分株した後、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。24時間後、PBSで細胞を2回洗い、セラムフリーKBMに取り替えた。それぞれのウェルに栗皮抽出物を濃度別に処理し(10,50ppm)、30分間反応させた後、トリプシン(10nM)又はPAR−2活性化ペプチド(SLIGKV,50μM)をそれぞれ処理した。24時間、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した後、培養液を取ってIL−6に対するELISAを行った。ELISAは、製造会社(BD science)の実験方法を利用した。
【0065】
図13を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−6の分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例14]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8の分泌抑制効果
IL−8に対するELISAを行ったことを除けば、試験例13と実質的に同じ方法を利用した。
【0066】
図14を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるIL−8の分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例15]栗皮抽出物のトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSFの分泌抑制効果
GM−CSFに対するELISAを行ったことを除けば、試験例13と実質的に同じ方法を利用した。
【0067】
図15を参照すると、栗皮抽出物がトリプシンと活性ペプチド(SLIGKV)によるGM−CSFの分泌を濃度依存的に抑制することを観察することができる。
[試験例16]栗皮エタノール抽出物の皮膚保湿効果測定
実施例1の栗皮エタノール抽出物の、長期間皮膚損傷による皮膚障壁機能回復能力を評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若い無毛マウス(オリエント、韓国)の背中に、オキサゾロン(oxazolone)を1日1回ずつ6日間、周期的に塗布して、実験動物の皮膚障壁を損傷させた。その後、蒸発計(デルフィン、フィンランド)で経皮水分損失量(TEWL)を測定して、時間当たり50g/m2以上の経皮水分損失を示す皮膚を有する実験動物を群分離し、1及び5w/v%の栗皮抽出物それぞれを、皮膚面積5cm2当たり100μlの容量で、1日2回ずつ、10日間連続塗布を行った後、実験動物の経皮水分損失量(TEWL)を測定し、その結果を図16に示した。
【0068】
図16に示されたところのように、無毛マウスにオキサゾロンを処理したアレルギーモデルにおいて、オキサゾロンによって誘導された皮膚炎(アトピー性皮膚炎)によって増加した経皮水分損失量は、栗皮抽出物を塗布することにより、損傷した障壁機能を回復させて正常皮膚に戻す機能があることを知ることができた。
【0069】
[試験例17]栗皮エタノール抽出物の過角質化改善効果測定
実施例1において、栗皮エタノール抽出物の皮膚過角質化改善効果を評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若い無毛マウス(オリエント、韓国)の背中に、オキサゾロン(oxazolone)を1日1回ずつ6日間、周期的に塗布して、実験動物の皮膚障壁を損傷させた。その後、蒸発計(デルフィン、フィンランド)で経皮水分損失量(TEWL)を測定して、時間当たり50g/m2以上の経皮水分損失を示す皮膚を有する実験動物を群分離し、試験物質を、皮膚面積5cm2当たり100μlの容量で、1日2回ずつ、10日間連続塗布を行った後、背中の測定部位左右を挟み上げ(two−folding measurement)、測微計(三菱、日本)を利用して皮膚の厚さを測定した結果を図17に示した。
【0070】
図17を参照すると、オキサゾロン(oxazolon)によって誘導された皮膚炎によって増加した皮膚の厚さが、栗皮抽出物の粉末使用により、皮膚過角質化抑制効果を示すことを確認することができる。
【0071】
[試験例18]栗皮エタノール抽出物の、NC/NgaモデルにおけるIgE減少と痒み症改善効果測定
実施例1において、栗皮エタノール抽出物の血清内IgE減少と痒み改善効果を、NC/Ngaマウスモデルで評価した。まず、出生後7〜8週が経過した若いNC/Ngaマウスの背中部位を、バリカン(clipper)を利用して脱毛し、残っている毛は除毛クリームを利用して完璧に除去した。露出された背中部位と耳介部位に、Df(dermatophagoides farinae)100mgを、週2回、3週間、4回均一に塗布して、アトピー疾患を誘発した。週5回、3週間、栗皮抽出物を100mg/kgと250mg/kgの2群に分けて投与した後、痒み症測定のために観察用檻にNC/Ngaマウスを入れた後、2時間の間、後肢で背中部位を掻く回数を測定した。前足で掻いたり口で噛みちぎったりする行動は除外し、唯一後ろ足で掻く行動のみを痒み行動の指標とみなして測定した。血清IgEの測定は、眼窩静脈叢を通じて採血した血液サンプルから血清を分離して、BDサイエンス(BD science)のオプトIgEキット(Opt IgE kit)を利用して、ELISAを実施して測定した。図18に、250mg/kg投与群において痒みが非処理群に比べて減少したことを表示し、図19を参照すると、IgEの減少が250mg/kgの投与群において有意に表われることを確認することができる。
【0072】
[試験例19]栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果の比較(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
栗の外皮と内皮を分離して乾燥した後、実施例1−2)と同じ方法で栗の外皮抽出物を製造し、栗の内皮抽出物もまた、実施例1−2)と同じ方法で製造した。試験例2と同じ方法を使用して、栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果を測定し、下記のテーブル2及び図20に示した。
【0073】
【表1】
[試験例20]栗の外皮エタノール抽出物と栗の内皮エタノール抽出物のPAR−2活性抑制効果の比較(in vitro,SLIGKV処理、HEK:ヒト表皮角化細胞)
栗の外皮(鬼皮)と内皮(渋皮)抽出物の濃度を、下記テーブル3に示すように処理したことを除けば、試験例19と同じ方法で、PAR−2活性抑制効果を測定した。
【0074】
【表2】
以下では、本発明に係る組成物の剤形例を説明するが、薬学組成物又は健康食品組成物は様々な剤形に応用可能であり、このことは、本発明を限定しようとするものではなく、単に具体的に説明しようとするものである。
【0075】
[剤形例1]皮膚外用剤中、軟膏
下記テーブル1に記載された組成により、通常的な方法で軟膏を製造した。
【0076】
【表3】
[剤形例2]散剤の製造
実施例1.........................100mg
乳糖...........................100mg
タルク...........................10mg
油脂.............................5mg
前記の成分を混合し、気密包に充填して、散剤を製造する。
【0077】
[剤形例3]錠剤の製造
実施例1..........................50mg
トウモロコシ澱粉.....................100mg
乳糖...........................100mg
ステアリン酸マグネシウム...................2mg
ビタミンC.........................50mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法によって打錠して、錠剤を製造する。
【0078】
[剤形例4]カプセル剤の製造
実施例1..........................50mg
トウモロコシ.......................100mg
乳糖...........................100mg
ステアリン酸マグネシウム...................2mg
ビタミンC.........................50mg
セリン...........................50mg
通常のカプセル剤の製造方法により、前記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造する。
【0079】
[剤形例5]液剤の製造
実施例1.........................100mg
異性化糖...........................10g
マンニトール..........................5g
ビタミンC.........................50mg
セリン...........................50mg
油脂..............................適量
精製水.............................適量
通常の液剤の製造方法によって、精製水にそれぞれの成分を加えて溶解させ、レモン香を適量加えた後、前記の成分を混合した後、精製水を加えて、全体で100mlに調節した後、褐色瓶に充填して滅菌させて、液剤を製造する。
【0080】
[剤形例6]健康食品の製造
実施例1........................1000mg
ビタミン混合物
ビタミンAアセテート....................70μg
ビタミンE........................1.0mg
ビタミンB1......................0.13mg
ビタミンB2......................0.15mg
ビタミンB6.......................0.5mg
ビタミンB12......................0.2μg
ビタミンC.........................10mg
ビオチン..........................10μg
ニコチン酸アミド.....................1.7mg
葉酸............................50μg
パントテン酸カルシウム..................0.5mg
無機質混合物
硫酸第一鉄.......................1.75mg
酸化亜鉛........................0.82mg
炭酸マグネシウム....................25.3mg
第一リン酸カリウム.....................15mg
第二リン酸カルシウム....................55mg
クエン酸カリウム......................90mg
炭酸カルシウム......................100mg
塩化マグネシウム....................24.8mg
前記のビタミン及びミネラルの混合物の組成比は、比較的、健康食品に適した成分を好ましい実施例で混合組成したが、その配合比を任意に変更しても差し支えなく、通常の健康食品の製造方法により、前記の成分を混合した後、顆粒を製造し、通常の方法によって健康食品組成物の製造に使用することができる。
【0081】
[剤形例7]健康飲料の製造
実施例1........................1000mg
クエン酸........................1000mg
オリゴ糖..........................100g
梅実濃縮液...........................2g
タウリン............................1g
精製水を加えて全体....................900ml
通常の健康飲料の製造方法により、前記の成分を混合した後、約1時間、85℃で攪拌加熱した後、作られた溶液を濾過して、滅菌された2℃の容器に取得して密封滅菌した後、冷蔵保管した後、本発明の健康飲料組成物の製造に使用する。
【0082】
組成比は、比較的、嗜好飲料に適した成分を好ましい実施例で混合組成したが、需要階層や、需要国家、使用用途等、地域的、民族的嗜好度に応じてその配合比を任意に変更しても差し支えない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
栗皮抽出物を有効成分として含む、痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項2】
前記組成物は、炎症性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、肌荒れによる皮膚炎、あせも、爛れ、凍傷、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬及び類乾癬からなる皮膚炎のいずれか一以上から誘発される痒み症を緩和若しくは抑制する、請求項1記載の痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項3】
前記組成物は、アトピー性皮膚炎から誘発される痒み症を緩和若しくは抑制する、請求項1記載の痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項4】
栗皮抽出物を有効成分として含む、皮膚障壁機能改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項5】
前記組成物は、アトピー性皮膚炎から由来する皮膚障壁損傷の緩和若しくは皮膚障壁の回復力改善のためのものである、請求項4記載の皮膚障壁改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項6】
前記組成物は、皮膚保湿増進又は皮膚過角質化防止のためのものである、請求項4記載の皮膚障壁改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項7】
栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項8】
前記組成物は、アトピー疾患の予防又は治療のためのものである、請求項7記載の免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項9】
前記組成物は、アトピーの治療のためのものである、請求項7記載の免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項10】
栗皮抽出物を有効成分として含む、アトピー性皮膚炎の改善若しくは治療用健康食品又は薬学組成物。
【請求項11】
前記栗皮抽出物は、組成物の総重量を基準として0.005〜80重量%の含量で含まれる、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項12】
前記栗皮は、栗の内皮、外皮及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上である、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項13】
前記栗皮は、栗の外皮(鬼皮)である、請求項12記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項14】
前記栗皮抽出物は、水、炭素数1〜4の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合溶媒から選択された一以上の溶媒を通じて抽出されたものである、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項15】
前記栗皮抽出物は、水、メタノール、エタノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒を通じて抽出されたものである、請求項14記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項1】
栗皮抽出物を有効成分として含む、痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項2】
前記組成物は、炎症性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、肌荒れによる皮膚炎、あせも、爛れ、凍傷、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬及び類乾癬からなる皮膚炎のいずれか一以上から誘発される痒み症を緩和若しくは抑制する、請求項1記載の痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項3】
前記組成物は、アトピー性皮膚炎から誘発される痒み症を緩和若しくは抑制する、請求項1記載の痒み症の緩和若しくは抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項4】
栗皮抽出物を有効成分として含む、皮膚障壁機能改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項5】
前記組成物は、アトピー性皮膚炎から由来する皮膚障壁損傷の緩和若しくは皮膚障壁の回復力改善のためのものである、請求項4記載の皮膚障壁改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項6】
前記組成物は、皮膚保湿増進又は皮膚過角質化防止のためのものである、請求項4記載の皮膚障壁改善用健康食品又は薬学組成物。
【請求項7】
栗皮抽出物を有効成分として含む免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項8】
前記組成物は、アトピー疾患の予防又は治療のためのものである、請求項7記載の免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項9】
前記組成物は、アトピーの治療のためのものである、請求項7記載の免疫抑制用健康食品又は薬学組成物。
【請求項10】
栗皮抽出物を有効成分として含む、アトピー性皮膚炎の改善若しくは治療用健康食品又は薬学組成物。
【請求項11】
前記栗皮抽出物は、組成物の総重量を基準として0.005〜80重量%の含量で含まれる、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項12】
前記栗皮は、栗の内皮、外皮及びこれらの混合物からなる群から選択された一以上である、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項13】
前記栗皮は、栗の外皮(鬼皮)である、請求項12記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項14】
前記栗皮抽出物は、水、炭素数1〜4の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合溶媒から選択された一以上の溶媒を通じて抽出されたものである、請求項1〜10のいずれか一項記載の健康食品又は薬学組成物。
【請求項15】
前記栗皮抽出物は、水、メタノール、エタノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒を通じて抽出されたものである、請求項14記載の健康食品又は薬学組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2012−530699(P2012−530699A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515997(P2012−515997)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003983
【国際公開番号】WO2010/147440
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(506213681)株式会社アモーレパシフィック (24)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】181,2−ga,Hangang−ro,Yongsan−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003983
【国際公開番号】WO2010/147440
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(506213681)株式会社アモーレパシフィック (24)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】181,2−ga,Hangang−ro,Yongsan−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]