説明

校正治具

【課題】ハンガーに掛けた状態の作業服のモニタリングを行う縦型ランドリモニタの検出部に対して確実な校正を行う校正治具を提供する。
【解決手段】作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して放射線の検出部によりモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムに用いられる校正治具100であって、搬送部の移動フックから吊下されるようになされ、移動フックの搬送とともに移動しつつ検出部の校正動作を行う校正治具100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所など放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される作業服の放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無について検査する縦型ランドリモニタを含むランドリモニタシステム用の校正治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ランドリモニタの校正治具に係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特開平6−148337号公報,発明の名称:放射能汚染モニタ校正方法及びこれに用いる線源固定治具)に記載されたものが知られている。特許文献1の線源固定治具は、コンベア上を搬送されるランドリに対してモニタリングを行うランドリモニタを校正するための線源固定治具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−148337号公報(段落番号[0023]〜[0030],図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載した従来技術では線源固定治具がコンベア上を搬送されるというものであり、線源から検出部までの距離が一定長さであるため、正確な校正が可能であった。しかしながら、ハンガーにより作業服を吊り下げた状態で放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無について検査する縦型ランドリモニタでは、吊り下げた状態の校正治具を用いると前後方向(搬送方向に対して垂直方向)や左右方向(搬送方向)に作業服が揺れ、線源から検出部までの距離が変化することとなり、正確な校正ができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンガーに掛けた状態の作業服のモニタリングを行う縦型ランドリモニタの検出部に対して確実な校正を行う校正治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明の校正治具は、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して放射線の検出部によりモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムに用いられる校正治具であって、
前記搬送部の移動フックから吊下され、線源を保持して移動フックの搬送とともに移動し、搬送経路上に配置された前記縦型ランドリモニタの検出部を通過するように構成された校正治具であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る発明の校正治具は、
請求項1に記載の校正治具において、
上下方向に長尺に形成された本体部と、
本体部に取り付けられ、線源が固定される線源保持部と、
本体部上側に取り付けられており、搬送部の移動フックに係止されて固定を行うフック固定部と、
本体部上側に取り付けられており、縦型ランドリモニタの前側検出部が形成される前側内壁面および後側検出部が形成される後側内壁面に当接する上側ガイド部と、
本体部下側に取り付けられており、縦型ランドリモニタの前側検出部が形成される前側内壁面および後側検出部が形成される後側内壁面に当接する下側ガイド部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る発明の校正治具は、
請求項2に記載の校正治具において、
前記上側ガイド部は、前側内壁面に当接する前側ローラと、後側内壁面に当接する後側ローラと、を備え
前記下側ガイド部は、前側内壁面に当接する前側ローラと、後側内壁面に当接する後側ローラと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る発明の校正治具は、
請求項2または請求項3に記載の校正治具において、
前記上側ガイド部は、縦型ランドリモニタの搬入口内へ誘導する誘導部を備え、また、
前記下側ガイド部は、縦型ランドリモニタの搬入口内へ誘導する誘導部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る発明の校正治具は、
請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の校正治具において、
前記フック固定部は、搬送部の移動フックの形状とほぼ同一に形成された孔部と、この孔部まで到達する固定ネジと、を備え、固定ネジの締結により移動フックと一体に固定されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に係る発明の校正治具は、
請求項2〜請求項5の何れか一項に記載の校正治具において、
前記前側検出部および後側検出部は、上下方向に複数のセンサ部を配列してなるものであり、前記校正治具は、
前記本体部の両側面に設けられ、縦方向に多段に設けられた突設部と、
前記線源保持部の両側面に設けられ、この突設部に係止される係止部と、
をさらに備え、前記線源保持部を前記本体部に対して多段に配置可能とし、線源を一のセンサの高さに合わせてセンサ別に校正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のような本発明によれば、ハンガーに掛けた状態の作業服のモニタリングを行う縦型ランドリモニタの検出部に対して確実な校正を行う校正治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施するため形態の校正治具が適用されるランドリモニタシステムのシステム構成図である。
【図2】縦型ランドリモニタの検出部を説明する説明図である。
【図3】縦型ランドリモニタの検出部を説明する説明図である。
【図4】縦型ランドリモニタの回路ブロックを説明する説明図である。
【図5】本発明を実施するため形態の校正治具の説明図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は正面図、図5(c)はフック固定部の拡大図である。
【図6】本発明を実施するため形態の校正治具の斜視外観図である。
【図7】本発明を実施するため形態の校正治具の搬送方向の移動を説明する説明図である。
【図8】本発明を実施するため形態の校正治具の線源の上下方向の位置を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、本発明を実施するための形態について図を参照しつつ説明する。まず、校正治具が用いられるランドリモニタシステムについて説明する。
ランドリモニタシステム1は、図1で示すように、縦型ランドリモニタ10、投入部20、搬送部30、収納部40を備える。
【0015】
縦型ランドリモニタ10は、図2で示すように、上から見ると、上側が開口している搬送路11が形成されている。縦型ランドリモニタ10は、側面から見るとこの搬送路11があるため略凹字状に形成されている。このように略凹字状の搬送路11を採用したため、搬送部30により上側から吊されている作業服2がそのまま通過できるようになされている。搬送路11の上流側には搬入口11aが、また、搬送路11の下流側には搬出口11bがそれぞれ設けられている。
【0016】
搬入口11aは、図2で示すように、縦型ランドリモニタ10内への入口である。
搬送路11は、搬入口11aに連通する空間であり、搬送路11の前後両側では作業服2の裏側と表側とに面するように上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15が配置されている。
搬出口11bは、搬送路11に連通しており、縦型ランドリモニタ10からの出口である。
これら搬入口11a、搬送路11、搬出口11bの順に作業服2が通過するようになされている。
【0017】
縦型ランドリモニタ10の内部には、図2で示すように、上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15を備える。ここに前側とは図1でも見えるような縦型ランドリモニタ10の正面側を指す。また、後側とは縦型ランドリモニタ10の背面側を指す。また、上流側とは搬送方向に対して上流であり、下流側とは搬送方向に対して下流である。上流前側検出部12および下流前側検出部13は、縦型ランドリモニタ10の内の前側内壁面16に形成される。上流後側検出部14および下流後側検出部15は、縦型ランドリモニタ10の内の後側内壁面17に形成される。
【0018】
そして、図3で示すように、上下方向には複数のセンサ部を備える。この配置は、上流前側検出部12および下流前側検出部13についても同数が配置される。本形態では、例示的に上流後側検出部14の上下方向の7個のセンサ部を、また、下流後側検出部15の上下方向の6個のセンサ部を備える。そして図示していないが、上流前側検出部12も上下方向の7個のセンサ部を、また、下流前側検出部13も上下方向の6個のセンサ部を備える。これら上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15により搬送路11内へ搬送された作業服2の前後面に対して放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無を検出する。
【0019】
また、縦型ランドリモニタ10の内部回路としては、図4で示すように、上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15、信号処理部18、操作・表示部19を備えており、信号処理部18に、上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15、操作・表示部19がそれぞれ接続されている。操作・表示部19は、縦型ランドリモニタ10の外側に設けられており、各種操作が入力され、また、各種データを表示する。
【0020】
操作・表示部19を通じて作業服の汚染の有無の検出について入力されると、信号処理部18は、上流前側検出部12、下流前側検出部13、上流後側検出部14、下流後側検出部15から送信された検出信号に基づいて、搬送路11内を通過する作業服2の放射線汚染の有無を検出し、放射線汚染の有無を知らせる表示コマンドを操作・表示部19へ送信し、操作・表示部19の表示により汚染の有無が確認される。縦型ランドリモニタ10はこのようなものである。
【0021】
投入部20は、作業服2が掛けられたハンガーをセットすると、搬送部30まで移動させて搬送部30の移動フック33へハンガーを投入する。
【0022】
搬送部30は、図1で示すように、支持柱31、搬送本体32、移動フック33を備えている。
支持柱31は、搬送本体32を下側から支持する。
搬送本体32には、図示しないが輪状のチェーンが回転しており、少なくとも縦型ランドリモニタ10の搬送路11上に経路を採るようになされている。
移動フック33は、チェーンとともに移動するように構成されている。移動フック33も縦型ランドリモニタ10の搬送路11上を移動するように構成されている。搬送部30は、このようなものである。
【0023】
収納部40は、搬送部30を移動する作業服2を仕分けした後に収納する。例えば、作業服2を大中小の三種類に分けて収納する。収納部40はこのようなものである。
【0024】
このようなランドリモニタシステム1は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設内にて用いられた作業服2が放射性物質によって汚染されているか否かを検査するために用いられる。ランドリモニタシステム1を用いる作業服2の管理について概略を説明すると、作業員が投入部20にハンガーに掛けられた状態の作業服2をセットする。投入部20はハンガーに掛けられた作業服2を搬送部30の移動フック33へ掛けた状態として搬送部30へ投入する。搬送部30の移動フック33がチェーンにより移動して、ハンガーから吊り下げられた作業服2をハンガーごと移動させる。搬送部30から吊り下げられた状態の作業服2が縦型ランドリモニタ10内に搬送されて放射性物質による汚染の有無が検出される。汚染がない場合、作業服2は、三台ある収納部40へ搬送されてサイズ別に集められて収納される。サイズについては、例えばハンガーに取り付けられたICタグにより判別される。そして、汚染がある場合には、作業服2は、図示しない収納カゴ内へ落下させて収納される。
【0025】
続いて校正治具について説明する。校正治具100は、図5,図6に示すように、本体部101、線源保持部102、フック固定部103、上側ガイド部104、下側ガイド部105を備えている。
【0026】
本体部101は、上下方向(図3参照)に長尺に形成されたフレーム構造体である。本体部101は、長方形形状として形成されている。突設部101aは多段円柱状の部材であり、この本体部101の両側面において縦方向に複数設けられている。
【0027】
線源保持部102は、保持部本体102aと、この保持部本体102aの左右両側に設けられており、突設部101aに係止される係止部102bを有している。係止部102bは、上下2箇所計4箇所の突設部102にそれぞれ嵌め込まれる上下2箇所計4箇所の溝部を含む構成である。保持部本体102aには図示しない線源が固定される。線源と検出部の位置は所定の検出位置となるように機械的な設計がなされている。また、線源保持部102は、前側に代えて後側に向けて取り付けることができる。前側に向いている場合は線源も前側に向いており前側の検出部の校正がなされる。そして、後側に向いている場合は線源も後側に向いており後側の検出部の校正がなされる。
【0028】
フック固定部103は、本体部101の上側に取り付けられており孔部103aを有している。図5(c)で示すように、フック固定部103の孔部103aには搬送部30の移動フック33が嵌め込まれて係止され、さらに側面両側にある固定ネジ103bにより押圧されて強固な固定を行う。また、図5(a)でも明らかなように、孔部103aは前後方向にも長く形成されている。これにより、搬送時でも前後方向や左右方向に校正治具100が揺れないようになっている。
【0029】
上側ガイド部104は、本体部101の上側に取り付けられており、上流前側検出部12および下流前側検出部13が形成される縦型ランドリモニタ10の前側内壁面16に当接するように設けられ、上下流で一対の前側ローラ104aと、上流後側検出部14および下流後側検出部15が形成される縦型ランドリモニタ10の後側内壁面107に当接するように設けられ、上下流で一対の後側ローラ104bと、を備える。また、上下流で一対をなす台形状の平板からなる誘導部104cを備える。
【0030】
下側ガイド部105は、本体部101の下側に取り付けられており、上流前側検出部12および下流前側検出部13が形成される縦型ランドリモニタ10の前側内壁面16に当接するように設けられ、上下流で一対の前側ローラ105aと、上流後側検出部14および下流後側検出部15が形成される縦型ランドリモニタ10の後側内壁面107に当接するように設けられ、上下流で一対の後側ローラ105bと、を備える。また、上下流で一対をなす台形上の平板からなる誘導部105cを備える。
【0031】
続いてこのような校正治具100を用いる校正について説明する。
このような校正治具100は、作業服2をハンガーに吊るした状態で搬送するランドリモニタシステム1において、校正治具100を吊るした状態で構成動作を行うことが可能となる。
【0032】
校正は、線源を前後の検出部の表面に対して一定の距離を保たせて動作させる必要がある。仮に上側ガイド部や下側ガイド部がないような校正治具を搬送部30に吊り下げて校正を行うと、校正治具は前後左右に揺れ、前後の検出部と一定の距離が保たれずに正常な校正ができないという問題があった。本発明の校正治具100は、上側ガイド部104や下側ガイド部105が前側内壁面16や後側内壁面17に当接するため校正時の校正治具100の動作を前後方向について安定化させ、線源から検出部表面までの距離が一定になるように維持して、正常な校正を可能にさせる。
【0033】
校正時には、投入部20を使用しないで搬送部30を停止させた状態とし、線源106(図8参照)が取り付けられた校正治具100を搬送部30の移動フック33に直接取り付ける。続いて手動により校正治具100を縦型ランドリモニタ10内へ送る。
【0034】
すると、図7(a)で示すように、校正治具100は、縦型ランドリモニタ10の搬入口11a付近へ導入される。この場合、校正治具100は、フック固定部103により位置が決定されているため、搬送路11内へ確実に誘導される。また、前後方向にずれがあったとしても、校正治具100の下流側の誘導部104cが縦型ランドリモニタ10の搬入口11aに当接して前後方向の位置が修正され、確実に搬送路11内へ誘導される。続いて図7(b)で示すように、校正治具100の上側ガイド部104や下側ガイド部105の下流側の前側ローラ104a,105aおよび下流側の後側ローラ104b,105bが、縦型ランドリモニタ10の前側内壁面16および後側内壁面17に当接する。この際にも前後方向で位置が修正される。
【0035】
さらに図7(c)で示すように、上側ガイド部104や下側ガイド部105の上下流側の前側ローラ104a,105aおよび上下流側の後側ローラ104b,105bが前側内壁面16および後側内壁面17に当接する。これにより前後方向の位置が決定され、線源106から検出部までの距離は等距離に決定される。たとえば、図7(d)で示すように線源106から縦型ランドリモニタ10の前側内壁面16までが、予め校正用に決定された距離aに維持される。
【0036】
また、線源保持部102を本体部101に対して上下方向で付け替えることで高さ位置の異なる多数のセンサ部についても校正ができる。例えば、図8(a)で示すように、上流後側検出部14の上から2番目のセンサ部を校正したり、また、図8(b)で示すように、下流後側検出部15の上から4番目のセンサ部を校正するというように、上下の位置により校正対象を変更することができる。このような校正時には付け替え作業など手間を要するが、この校正は例えば1年に一回というように長期間にわたり間が空くため、この程度の手間は問題とはならない。また、コスト的に低く抑えた校正治具100とすることができる。
【0037】
以上本発明の校正治具について説明した。このような校正治具では、特に縦型ランドリモニタであっても揺れを防止し、かつ、正確な位置決めがなされるため、より正確な校正を実現している。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の校正治具は、放射性物質取扱施設、例えば原子力発電所などに設置されるランドリモニタシステムの縦型ランドリモニタの校正に適用される。
【符号の説明】
【0039】
1:ランドリモニタシステム
10:縦型ランドリモニタ
11:搬送路
11a:搬入口
11b:搬出口
12:上流前側検出部
13:下流前側検出部
14:上流後側検出部
15:下流後側検出部
16:前側内壁面
17:後側内壁面
18:信号処理部
19:操作・表示部
20:投入部
30:搬送部
31:支持柱
32:搬送本体
33:移動フック
40:収納部
100:校正治具
101:本体部
101a:突設部
102:線源保持部
102a:保持部本体
102b:係止部
103:フック固定部
103a:孔部
103b:固定ネジ
104:上側ガイド部
104a:前側ローラ
104b:後側ローラ
104c:誘導部
105:下側ガイド部
105a:前側ローラ
105b:後側ローラ
105c:誘導部
2:作業服

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して放射線の検出部によりモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムに用いられる校正治具であって、
前記搬送部の移動フックから吊下され、線源を保持して移動フックの搬送とともに移動し、搬送経路上に配置された前記縦型ランドリモニタの検出部を通過するように構成された校正治具であることを特徴とする校正治具。
【請求項2】
請求項1に記載の校正治具において、
上下方向に長尺に形成された本体部と、
本体部に取り付けられ、線源が固定される線源保持部と、
本体部上側に取り付けられており、搬送部の移動フックに係止されて固定を行うフック固定部と、
本体部上側に取り付けられており、縦型ランドリモニタの前側検出部が形成される前側内壁面および後側検出部が形成される後側内壁面に当接する上側ガイド部と、
本体部下側に取り付けられており、縦型ランドリモニタの前側検出部が形成される前側内壁面および後側検出部が形成される後側内壁面に当接する下側ガイド部と、
を備えることを特徴とする校正治具。
【請求項3】
請求項2に記載の校正治具において、
前記上側ガイド部は、前側内壁面に当接する前側ローラと、後側内壁面に当接する後側ローラと、を備え
前記下側ガイド部は、前側内壁面に当接する前側ローラと、後側内壁面に当接する後側ローラと、を備えることを特徴とする校正治具。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の校正治具において、
前記上側ガイド部は、縦型ランドリモニタの搬入口内へ誘導する誘導部を備え、また、
前記下側ガイド部は、縦型ランドリモニタの搬入口内へ誘導する誘導部を備えることを特徴とする校正治具。
【請求項5】
請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の校正治具において、
前記フック固定部は、搬送部の移動フックの形状とほぼ同一に形成された孔部と、この孔部まで到達する固定ネジと、を備え、固定ネジの締結により移動フックと一体に固定されることを特徴とする校正治具。
【請求項6】
請求項2〜請求項5の何れか一項に記載の校正治具において、
前記前側検出部および後側検出部は、上下方向に複数のセンサ部を配列してなるものであり、前記校正治具は、
前記本体部の両側面に設けられ、縦方向に多段に設けられた突設部と、
前記線源保持部の両側面に設けられ、この突設部に係止される係止部と、
をさらに備え、前記線源保持部を前記本体部に対して多段に配置可能とし、線源を一のセンサの高さに合わせてセンサ別に校正することを特徴とする校正治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−226997(P2011−226997A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99003(P2010−99003)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】