説明

核の材質検査方法及び装置

真珠核の交差2軸での異方性を検出することにより材質に異方性のある真珠核と異方性の無い真珠核とを判別する。異方性の検出は、真珠核の液中での浮力による回転、又は真珠核の磁化率、又は真珠核の光透過率、又は真珠核の光反射率を用いた。従って、球形状の核の交差2軸での異方性を確実且つ迅速に検出し、核の材質を検査することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、真珠核等の材質を検査可能な核の材質検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
従来、特開平9−3767号公報に、養殖用アコヤ貝にX線を照射しアコヤ貝内の真珠核の有無を確認できるようにしたものがある。この装置により、養殖中に核を排出してまったアコヤ貝を迅速に判別することができる。
しかし、このような装置では、例えば真珠層が形成された真珠内部の真珠核の材質を判別することはできなかった。
一方、従来より、真珠核には、どぶ貝が用いられているもの、シャコ貝が用いられているもの、人工核が用いられているもの等、種々のものが混在している。
この内、シャコ貝はワシントン条約で政府の許可証がある以外は当該国からの輸出が禁止されており、シャコ貝の真珠核やシャコ貝を真珠核としている真珠を的確に判別し許可無く輸出されるのを防止する必要がある。人工核が用いられている真珠はその価値が低く、これらを的確に判別して除去し、真珠の品質を確保する必要がある。
この場合、真珠層が形成されていない真珠核そのものであれば、その外観によっておよその判別は可能である。
しかし、外観の目視による判別では判別精度に難点がある。また、判別すべき真珠は大量に存在し、外観の目視による判別では多数の検査員を必要とし、その員数、判別精度を考慮すると現実には判別不可能である。
さらに、真珠層が形成された後に真珠核の材質を判別することは殆ど不可能である。
【発明の開示】
本発明は、球形状の核の材質を的確、迅速に判別することを目的とする。
本発明の目的は、球形状の核の交差2軸での異方性を検出することにより達成される。従って、材質に異方性のある核と、異方性のない核とを検査し判別することができる。
前記異方性の検出は、前記核の液中での浮力による回転、又は前記核の磁化率、又は前記核の光透過率、又は前記核の光反射率を用いた。従って、球形状の核の交差2軸での異方性を確実且つ迅速に検出し、核の材質を検査することができる。
本発明の核の材質検査装置は、球形状の核を浮かせる検査液槽と、前記検査液槽に対し縦横の少なくとも一方へ光を発する発光部及び前記検査液槽を挟んで前記発光部に対向配置され、前記発光部からの光を前記核を通して受光可能な受光部と、前記受光部からの信号により前記核の材質を判別する判別手段とよりなる。
従って、検査液槽に浮かんだ核に対して、縦横の少なくとも一方から光を発すると、材質に異方性のある核と異方性のない核とでは縦横の光透過率が異なり、この光透過率に基づいて核の材質を的確に判別することができる。
本発明の核の材質検査装置は、球形状の核を転がす検査通路と、前記検査通路に沿って一定の間隔をおいて配置され、前記核を透過する波長の異なる光の光透過率又は前記核で反射する波長の異なる光の光反射率を検出する第1検査部及び第2検査部と、前記第1,第2検査部による光透過率又は光反射率に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなる。
従って、材質に異方性のある核と異方性のない核との光透過率又は光反射率の違いに基づいて、核の材質を的確に判別することができる。
本発明の核の材質検査装置は、球形状の核を支持部に着脱自在に支持し前記支持部に支持した核に振動を付与可能な非磁性体の支持手段と、検出コイル、比較コイル、比較試料及び磁極を備え前記支持部に支持された核の磁化率を検出可能な磁化率検査手段と、前記支持部に対する核の支持を変更して検出した該核の交差2軸での磁化率に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなる。
従って、材質に異方性のある核と異方性のない核との磁化率の相違により、核の材質を的確に判別することができる。
本発明の核の材質検査装置は、交流電源に接続された外側コイルと、前記外側コイル内に配置され平衡回路に接続された第1,第2検査コイルと、球形状の核を支持し、該球形状の核を前記第1,第2検査コイル内に配置移動させ得る非磁性体の可動位置決め体と、前記第1,第2検査コイルの一方に前記核を位置決めて検出される磁化の検出値が零になるとき前記位置に対し前記第1,第2検査コイルの他方の対称位置に前記核を移動させて検出した該核の交差2軸での磁化に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなる。
従って、材質に異方性のある核と異方性のない核との磁化率の相違により、核の材質を的確に判別することができる。
前記可動位置決め体は、前記核の交差2軸での磁化率を検出するために前記核を回転可能な回転駆動部を備えた。
従って、回転駆動部によって核を回転させることで、核の交差2軸での磁化率を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態に係る核の材質検査方法を実現する核の材質検査装置の概略平面図である。
第2図は、本発明の一実施形態に係る核の材質検査装置の要部概略側面図である。
第3図は、どぶ貝を用いた核の交差2軸での光透過状態を示し、(a)は1軸方向の光透過状態図、(b)は他軸方向での光透過状態図である。
第4図は、シャコ貝を用いた核の光透過状態を示し、(a)は1軸方向の光透過状態図、(b)は他軸方向の光透過状態図である。
第5図(a)はどぶ貝を用いた真珠核の概略断面図、(b)は同要部拡大断面図、(c)は交差板構造を示す模式図である。
第6図は、核の光透過率と波長との関係を示すグラフである。
第7図は、核の光反射率と波長との関係を示すグラフである。
第8図は、本発明の第2実施形態に係る核の材質検査装置の概略平面図である。
第9図は、第2実施形態の変形例に係る要部概略図である。
第10図は、本発明の第3実施形態に係る核の材質検査装置の概略全体図である。
第11図は、(a),(b)はどぶ貝を核として用いた場合の検出結果、(c),(d)はシャコ貝を核として用いた場合の検出結果、(e),(f)はシミ入りどぶ貝を核として用いた場合の検出結果であり、(a),(c),(e)は1軸方向での磁力の変化を示すグラフ、(b),(d),(f)は他軸方向での磁力変化を示すグラフである。
第12図(a),(b)は黒蝶貝を核に用いた真珠の検出結果であり、(c),(d)はシャコ貝を核に用いた真珠の検出結果であり、(a),(c)は1軸方向の磁力変化を示すグラフであり、(b),(d)は他軸方向の磁力変化の検出結果を示すグラフである。
第13図は、各材質の核による磁化率縦横比を示す図表である。
第14図は、本発明の第4実施形態に係る核の材質検査装置の概略全体平面図である。
第15図は、第4実施形態に係り、回転駆動部を示す断面図である。
第16図は、第4実施形態に係り、第15図のSA−SA矢視方向から見た回転駆動部を示す断面図である。
第17図は、第4実施形態に係り、磁化の測定比率から求めた形状指数を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
(第1実施形態)
第1図、第2図は、本発明の第1実施形態に係り、第1図は核の材質検査装置の概略平面図、第2図は同要部概略側面図である。
第1図、第2図のように、核の材質検査装置1は、検査液槽3と、発光部を構成するランプ5,6と、受光部を構成するCCDカメラ7,8と、判別手段を構成するコントローラ9とからなっている。
前記検査液槽3は、例えば光を透過する透明の材質で形成され、供給部11と、流路部13と、第1選別路部15と、第2選別路部17とからなっている。
前記供給部11は、球形状の核として真珠核19を多数受け入れ、流路部13へ1つずつ流出供給する。
前記流路部13は、前記真珠核19を1つずつ連続して流す。
前記第1,第2選別路部15,17は、前記流路部13の下流端に分岐して形成されている。第1,第2選別路部15,17間に、選別ドア21が設けられている。選別ドア21は、モータ23の駆動によって、第1選別路部15閉塞状態と第2選別路部17閉塞状態とへ切り替えるように回転制御される。モータ23の駆動は、前記コントローラ9によって制御される。
前記ランプ5は、検査液槽3の流路部13下面側に配置されている。ランプ5によって、流路部13の下方から上方へ光を発する。前記ランプ6は、検査液槽3の流路部13側面側に配置されている。ランプ6によって、流路部13の横方向一方から同他方へ光を発する。従って、ランプ5,6は、検査液槽3に対し縦横方向へ光を発する構成となっている。
前記CCDカメラ7は、前記流路部13の上側で、前記ランプ5に対向配置されている。CCDカメラ7は、前記ランプ5からの光を前記真珠核19を通して受光可能となっている。CCDカメラ7の信号は、コントローラ9へ入力される。前記CCDカメラ8は、前記流路部13の横方向他方側で、前記ランプ6に対向配置されている。CCDカメラ8は、前記ランプ6からの光を前記真珠核19を通して受光可能となっている。CCDカメラ8の信号は、コントローラ9へ入力される。
前記検査液槽3内には、前記真珠核19よりも比重の大きな毒性の少ない液体25として、例えばテトラブロモエタンが収容されている。液体25は、供給部11から、第1,第2選別路部15,17側へ流れて循環する。従って、真珠核19は、第2図のように検査液槽3内で浮き、供給部11側から流路部13を通り、第1選別路部15又は第2選別路部17側へ流れる。
前記流路部13には、前記CCDカメラ7,8に対応して、通過センサを構成する第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29が設けられている。第1通過センサ発光部27、第1通過センサ受光部29は、前記コントローラ9に接続されている。
従って、コントローラ9の制御による第1通過センサ発光部27の発光は、第1通過センサ受光部29で受けられ、コントローラ9へ受光信号が入力される。第1通過センサ発光部27と第1通過センサ受光部29との間を真珠核19が通過すると、第1通過センサ受光部29での受光量がなくなるか減少するので、コントローラ9において真珠核19が第1通過センサ発光部27と第1通過センサ受光部29との間を通過したと検知する。
前記流路部13の下流端側には、通過センサを構成する第2通過センサ発光部31、第2通過センサ受光部33が設けられている。第2通過センサ発光部31、第2通過センサ受光部33は、前記コントローラ9に接続されている。
従って、コントローラ9の制御による第2通過センサ発光部31の発光は、第2通過センサ受光部33で受光され、その受光信号がコントローラ9へ入力される。第2通過センサ発光部31と第2通過センサ受光部33との間を真珠核19が通過すると、コントローラ9において前記第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29の場合と同様にして、真珠核19の通過を検出する。
次に本実施形態の核の材質検査装置の作用を核の材質検査方法と共に述べる。
前記真珠核19は、供給部11側から多数供給され、検査液槽3を流れる液体25と共に供給部11から流路部13へ一定速度で流れる。流路部13では、まず真珠核19が第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29間を通過することによって、通過センサ受光部29での受光が遮られ、コントローラ9へその信号が送られて真珠核19の通過が検出される。第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29によって通過検出が行われるとコントローラ9においてカウントアップも同時に行われる。
前記第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29とCCDカメラ7との位置関係及び液体25の流速とにより、真珠核19が通過センサ発光部27及び通過センサ受光部29間に位置したとき、コントローラ9がランプ5,6及びCCDカメラ7,8に動作信号を送る。この動作信号により、ランプ5,6が発光し、CCDカメラ7,8は真下及び真横から真珠核19を撮像する。
前記CCDカメラ7,8の撮像信号は、前記コントローラ9に入力され、後述のように真珠核19の核の材質がどぶ貝かシャコ貝か等を判別する。
前記流路部13の下流側では、次に第2通過センサ発光部31及び第2通過センサ受光部33により真珠核19の通過検出が行われる。第2通過センサ発光部31及び第2通過センサ受光部33によって通過検出が行われるとコントローラ9においてカウントアップも同時に行われる。
コントローラ9では前記第2通過センサ発光部31及び第2通過センサ受光部33での通過検出時のカウントアップと前記第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29での通過検出時のカウントアップとを対応させ、前記判別情報に応じてモータ23を駆動制御する。
前記真珠核19がどぶ貝であると判別されたときには選別ドア21が第2選別路部17側を閉塞するように回動し、真珠核19は第1選別路部15側へ流れる。真珠核19がどぶ貝以外のシャコ貝や人工核等である場合には、選別ドア21が第1選別路部15側を閉塞するように回動し、第2選別路部17側へ流れる。
前記第1,第2選別通路15,17では、すくい取り機などによりそれぞれ核19が取り出される。液体25はそのまま循環する。
このようにして、真珠核19の核の材質を的確に且つ連続して大量に選別し、取り出すことができる。
前記核の材質検査装置1による核の材質検査方法は、球形状の核の交差2軸での異方性を検出することにより、材質に異方性のある核と異方性のない核とを判別するものである。本実施形態において、異方性の検出は、核の光透過率を用いている。
第3図は、どぶ貝を用いた核の交差2軸での光透過状態を示し、(a)は1軸方向の光透過状態図、(b)は他軸方向での光透過状態図である。すなわち、(a)は1軸方向としてX軸方向、(b)は他軸方向として直交するY軸方向に光を当てた場合を示している。
第3図のようにX軸方向に光を透過すると核は明るく見え、Y軸方向に透過すると(b)のように暗く見える。
これに対し、第4図はシャコ貝を用いた核の光透過状態を示し、(a)は1軸方向の光透過状態図、(b)は他軸方向の光透過状態図である。すなわち、(a)はX軸方向に光を当てた場合、(b)はY軸方向に光を当てた場合を示している。
第4図のように、X軸方向、Y軸方向の何れの方向に光を当てた場合についても、シャコ貝の真珠核19は光透過率の差が殆ど無かった。
従って、第3図(a),(b)の光透過率の変化と第4図(a),(b)のそれとを比較することによって、どぶ貝を用いた真珠核であるのか、シャコ貝を用いた真珠核であるのか判別することができる。その他人工核等も異方性がなく、同様に判別することができる。
第5図(a)はどぶ貝を用いた真珠核の概略断面図、(b)は同要部拡大断面図、(c)は交差板構造を示す模式図である。
この第5図のように、どぶ貝は交差板構造をしており、交差2軸XYにおいて異方性を有している。従って、筋模様に平行な方向であるX軸方向での光透過率は高く、筋模様に直交するY軸方向では光透過率が低下する。
そして、前記のように、真珠核19を液体25に浮かべると、どぶ貝の真珠核を用いた真珠核19は、筋目が水平方向(X軸方向)となるように浮き上がり、ランプ5,6で光を当てたときにCCDカメラ7,8で撮像すると、第3図(a),(b)のように光透過率の異なった2種の映像を得ることができる。第3図(a)の映像は、CCDカメラ8で撮像され、第3図(b)の映像は、CCDカメラ7で撮像されたものである。
前記コントローラ9は、前記CCDカメラ7,8からの撮像信号により、第3図(a),(b)のような映像信号の比較によりどぶ貝の真珠核、第4図(a),(b)のような映像信号の比較によりそれ以外のシャコ貝等の真珠核であると判別し、前記のように真珠核19を連続的に仕分けることができる。
前記どぶ貝は、表面にシミのない均一な白色の真珠核について説明したが、表面等にシミのあるいわゆるシミ入りどぶ貝の真珠核の場合は、筋模様が垂直方向(Y軸方向)となるように浮き上がる。従って、CCDカメラ7で撮像される映像は第3図(a)、CCDカメラ8で撮像される映像は第3図(b)となる。従って、シミ入りどぶ貝の場合も同様に判別することができる。
本実施形態では、検査液槽3で真珠核19の方向を決定し2方向のみを測定するので、早い検出を行うことができる。
尚、検査液槽内に液体を静止状態で収容し、検査液層内の底部側から真珠核等を浮上させると、異方性のある真珠核の場合は浮力により回転モーメントが発生し、浮上しながら回転する。この回転をCCDカメラで撮像することにより異方性のあるものと無いものとを判別することもできる。
前記ランプ5,6及びCCDカメラ7,8は、発した光を受光できる形態のものであれば良く、CCDカメラ7,8を光検出器に代えることもできる。前記ランプ5,6及びCCDカメラ7,8を、発光素子及び受光素子の組み合わせに代えることもできる。
前記実施形態では、どぶ貝、シミ入りどぶ貝の真珠核とシャコ貝等の真珠核とを判別したが、真珠核以外に異方性のある核の材質検査に適用することもできる。この場合、異方性のある球形状の核がX軸方向又はY軸方向の一方にのみ規則的に筋等を向けて浮き上がる性質のものであれば、発行部及び受光部であるランプ5,6及びCCDカメラ7,8は、検査液槽3に対し縦横少なくとも一方に設ければ良い。
前記判別は映像信号の比較により行ったが、光の透過率、又は反射率を直接測定して判別することもできる。
第6図は、どぶ貝又はシミ入りどぶ貝を用いた真珠核とシャコ貝を用いた真珠核との透過光の波長に応じた光透過率の測定結果を示したグラフである。透過率の測定法は、紫外光から可視光・赤外光を試料に照射しその透過光と参照光との比から透過率の波長依存性を測定した。
第6図において、線分30はどぶ貝を用いた真珠核に第5図のY軸方向(筋模様から見て横)から光を当てた場合の変化を示している。線分32はどぶ貝を用いた真珠核に第5図のX軸方向(筋模様から見て縦)から光を当てた場合の変化を示している。線分34はシャコ貝を用いた核に同Y軸方向(便宜上横)から光を当てた場合の変化を示している。線分36はシャコ貝を用いた真珠核に同X軸方向(便宜上縦)から光を当てた場合の変化を示している。線分38はシミ入りどぶ貝を用いたシミ入り真珠核に同Y軸方向(筋模様から見て横)から光を当てた場合の変化を示している。線分40はシミ入り真珠核に同X軸方向(筋模様から見て縦)から光を当てた場合の変化を示している。
この第6図において、透過率の波長特性より透過率異方性の比較、例えば600nmと700nmにおけるどぶ貝の線分32,30での縦横の透過率の比較と同シャコ貝の線分36,40での縦横の透過率の比較とから、その差が大きい方をどぶ貝を用いた真珠核であると判別することができる。
シミ入り真珠核についても同様な手法で判別することができる。
この場合も、前記のように検査液槽3で真珠核19の方向を決定し2方向のみを測定することで、早い検出を行うことができる。
なお、透過率で判別する態様では、真珠核に白チョウ貝等の比較的透明な真珠層が薄く形成された真珠については真珠核と同様に判別することはできるが、真珠層が厚く形成された場合や、黒チョウ貝等の不透明な真珠層の真珠については判別することはできない。
第7図は、どぶ貝又はシミ入りどぶ貝を用いた真珠核とシャコ貝を用いた真珠核との波長に応じた光反射率の測定結果を示したグラフである。反射率の測定法は、紫外光から可視光・赤外光を試料に照射しその反射光と参照光との比から反射率の波長依存性を測定した。
第7図において、線分50はどぶ貝を用いた真珠核に第5図のY軸方向(筋模様から見て横)から光を当てた場合の変化を示している。線分51はどぶ貝を用いた真珠核に第5図のX軸方向(筋模様から見て縦)から光を当てた場合の変化を示している。線分52はシャコ貝を用いた真珠核に同Y軸方向(便宜上横)から光を当てた場合の変化を示している。線分53はシャコ貝を用いた真珠核に同X軸方向(便宜上縦)から光を当てた場合の変化を示している。線分54はシミ入りどぶ貝を用いたシミ入り真珠核に同Y軸方向(筋模様から見て横)から光を当てた場合の変化を示している。線分55はシミ入り真珠核に同X軸方向(筋模様から見て縦)から光を当てた場合の変化を示している。
この第7図において、反射率の波長特性より短波長域の反射率の比較、例えば300nmと400nmにおけるどぶ貝の線分51,50での縦横の反射率の比較と同シャコ貝の線分53,52での縦横の反射率の比較とから、その差が大きい方をどぶ貝を用いた真珠核であると判別することができる。
シミ入り真珠核についても同様な手法で判別することができる。
この場合も、前記のように検査液槽3で真珠核19の方向を決定し2方向のみを測定することで、早い検出を行うことができる。
なお、反射率で判別する態様では、真珠の判別はできないが、真珠に紐を通すための穴があけられた穴あき真珠の判別には有効である。この場合、真珠の穴に光を当てて反射光を受光することになる。
(第2実施形態)
第8図は、本発明の第2実施形態に係る核の材質検査装置1Aの概略平面図を示している。なお、第1実施形態と対応する構成部分には同符号を付して説明する。
本実施形態の核の材質検査装置1Aは、検査通路35と、第1,第2検査部37,39と、判別手段としてのコントローラ9Aとを備えている。
前記検査通路35は、供給部11A、流路部13A、第1,第2選別路部15A,17Aを備えている。
前記検査通路35では、液体によって真珠核19を流すのではなく、真珠核19を流路部13Aに沿って転がす。
前記流路部13Aの下流端には、モータ23によって駆動される選別ドア21が第1実施形態同様に設けられている。
前記第1,第2検査部37,39は、前記流路部13Aに沿って一定の間隔をおいて配置され、前記真珠核19を透過する波長の異なる光の光透過率を検出する。
具体的には、第1,第2検査部37,39は、ランプ41,43と、受光部45,46と、干渉フィルタ47,49とからなっている。コントローラ9Aの制御によってランプ41,43が駆動されると、その光が真珠核19を通って干渉フィルタ47,49に至る。干渉フィルタ47,49では、特定の波長の光のみを通し、受光部45,46で受光される。受光部45,46の信号は、コントローラ9Aに入力される。
前記干渉フィルタ47は、例えば、λ=600nmの波長の光のみを透過し、干渉フィルタ49は、λ=700nmの波長の光のみを通すように設定されている。
前記コントローラ9Aにおいて、前記受光部45,46で受光される特定波長の光透過率を比較することによって、真珠核19の材質を判別する。
前記第1,第2検査部37,39の動作タイミングは、第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29による通過検出タイミングに応じて行われ、選別ドア21の駆動は、第1実施形態同様に第2通過センサ発光部31及び第2通過センサ受光部33による通過検出のタイミングに応じて行われる。なお、第1通過センサ発光部27及び第1通過センサ受光部29は、第1,第2検査部37,39のそれぞれに対応して設ける構成にすることもできる。
そして、前記第6図のように透過率変化の傾きがどぶ貝、シミ入りどぶ貝の真珠核とシャコ貝の真珠核とでは異なっている。
従って、前記のように第1,第2検査部37,39において、真珠核19が第1,第2検査部37,39をそれぞれ通過する際にランプ41,43でそれぞれ光を当て、受光部45,46で特定の波長の光を受光することにより、コントローラ9Aにおいてどぶ貝を用いた真珠核19であるのか、シャコ貝を用いた真珠核19であるのかを連続的に判別することができる。
しかも、この判別の場合には、第1実施形態のように、液体を用いて流すことなく、真珠核19を流路部13A上に単に転がして移動させるだけでよいため、核の材質の判別をより迅速に行うことができる。
判別結果によって、第1,第2選別流路部15A,17Aに選択的に流されるのは、第1実施形態と同様である。
尚、前記干渉フィルタ47,49を用いることなく、半導体レーザを用い、特定の波長のレーザ光を真珠核19に当てる構成や、第1検査部37に回析格子分光器を組み込んで第1検査部37のみの構成とすることも可能である。
第9図は、本実施形態の変形例を示している。この実施形態では、レーザ出力部59から出力されたレーザ光を真珠核19で反射させ、受光部61で受光するようにしたものである。
そして、前記第7図のように反射率変化の傾きがどぶ貝、シミ入りどぶ貝の真珠核とシャコ貝の真珠核とでは異なっている。
このため、第1,第2検査部37,39において検出される特定波長(例えば300nmと400nm)の光反射率を比較することによって、どぶ貝を用いた真珠核19であるのか、シャコ貝を用いた真珠核19であるのかを判別することができる。
また、シャコ貝以外の人工核など等方性のある材質の核の場合も、シャコ貝と同様に取り扱うことができ、どぶ貝を用いた核であるのか、その他の材質の核であるのかを判別することができる。
本実施形態でも、真珠核に真珠層が形成されると判別できないが、真珠に紐を通すための穴があけられた穴あき真珠の判別には有効である。
(第3実施形態)
第10図は、本発明の第3実施形態に係る核の材質検査装置1Bの概略全体図を示している。
核の材質検査装置1Bは、支持手段63と、磁化率検査手段65と、判別手段としてのコントローラ9Bとよりなっている。
前記支持手段63は、球形状の真珠核19を支持部69に着脱自在に支持し、支持部69に支持した真珠核19に振動を付与可能となっている。支持部69は非磁性体であり、例えば樹脂製中空の可撓パイプで形成されている。前記真珠核19は、支持部69先端にエアの吸引力等によって着脱自在に支持される。
前記真珠核19に対する振動は、支持手段63の振動発生器71で行う。支持部69の端部は、前記振動発生器71に結合されている。振動発生器71は、前記コントローラ9Bに接続され、該コントローラ9Bによって駆動制御される。
前記磁化率検査手段65は、比較試料として、小磁石コイル75、検出コイル77、比較コイル79、磁極81を備えている。
前記小磁石コイル75は、前記ハウジング73内において、前記支持部69の端部側に取り付けられている。前記検出コイル77は、前記支持部69先端の真珠核19周囲に配置され、前記比較コイル79は、前記小磁石コイル75の周囲に配置されている。検出コイル77及び比較コイル79の出力信号は、コントローラ9Bに入力されるようになっている。前記磁極81は、コントローラ9Bによって制御される。
この装置では、振動発生器71により支持部69先端の真珠核19を振動させながら、検出コイル77、比較コイル79からの信号によって、真珠核19の磁化率を測定することができる。この磁化率の測定は、コントローラ9Bによる磁極81の制御によって、磁界の強さを変化させることによって行う。
この結果、第11図のような測定値を得ることができた。
第11図(a),(b)はどぶ貝を核として用いた場合の検出結果、(c),(d)はシャコ貝を核として用いた場合の検出結果、(e),(f)はシミ入りどぶ貝を核として用いた場合の検出結果であり、(a),(c),(e)は1軸方向であるX軸方向の磁化変化を示すグラフ、(b),(d),(f)は他軸方向であるY軸方向の磁化変化を示すグラフである。XY軸は直交2軸であるが、どぶ貝の核及びシミ入りどぶ貝の核の場合、X軸方向を第5図で説明した筋模様に平行する方向とし、Y軸方向は同筋模様に直交する方向としている。
この測定結果のように、どぶ貝を真珠核19に用いた場合、シャコ貝を真珠核19に用いた場合には、反磁性の特性を示し、シミ入りどぶ貝を真珠核19に用いた場合には、常磁性の特性を示した。材質に異方性を有するどぶ貝を真珠核19に用いた場合には、支持部69に対する支持状態を変えて測定した結果に違いが見られた。
具体的には、(a),(b)の比較では、(a)の0点から3段目まで上がったときの値が(b)の同4段目の値と等しくなっており、(e)では0点から3段目に至った値が(f)の0点から2.5段目に至った値に一致している。この結果から明らかなように、どぶ貝の真珠核19では、前記X軸方向、Y軸方向での磁化率の測定値に変化が現れた。これに対し、シャコ貝を真珠核19に用いた(c),(d)の測定結果では、何れも同じ値を示し、測定値に違いを見ることができなかった。
この結果、第10図の支持部69に対する真珠核19の支持方向を異ならせて磁化を測定し、前記のように磁化率の変化が現れた場合にはどぶ貝を用いた真珠核19であると判別し、違いが見られない場合にはシャコ貝を用いた真珠核19であると判別することができる。
この場合、第1実施形態の検査液槽3の場合と同様に、真珠核19を液体に浮かせ、その方向を決定してから2方向のみを測定すると、早い検出を行うことができる。
第12図は真珠核の周りに真珠層を形成した真珠について測定した結果を示し、(a),(b)は黒蝶貝を真珠核に用いた真珠の検出結果であり、(c),(d)はシャコ貝を真珠核に用いた真珠の検出結果であり、(a),(c)は1軸方向であるX軸方向の磁化変化を示すグラフであり、(b),(d)は他軸方向であるY軸方向の磁化変化の検出結果を示すグラフである。
この場合も、第1実施形態の検査液槽3の場合と同様に、真珠を液体に浮かせ、その方向を決定してから2方向のみを測定すると、早い検出を行うことができる
この第12図の測定結果においても、黒蝶貝を真珠核に用いた黒蝶真珠の場合には、材質の異方性によって(a),(b)の測定結果に違いが見られ、シャコ貝を真珠核に用いた真珠の場合には、(c),(d)のように違いが見られなかった。
第13図は、前記第11図、第12図の測定結果をもとに、支持部69に対する支持状態の変更による磁化率の比を数値として示した図表である。尚、第13図では、白蝶貝を真珠核として用いた白蝶真珠についても数値を加えている。
第13図で、磁化率縦横比は、前記のように第10図の支持部69にX軸、Y軸方向の取付状態を変更して測定した結果の比である。この結果、どぶ貝核(どぶ貝の真珠核)は、磁化率縦横比15.6〜83.0%、シミ入りどぶ貝核(シミ入りどぶ貝の真珠核)は13.1〜65.6%、白蝶真珠は34.40%、黒蝶真珠は9.20%であるのに対し、シャコ貝核(シャコ貝の真珠核)は1.4〜8.4%、シャコ貝核真珠は1.25〜2.62%であった。この検出値の違いに基づきシャコ貝核あるいはシャコ貝核真珠を明確に区別し、判別することができる。
この結果、前記コントローラ9Bにより第11図、第12図のような検出結果を読み込み、前記のように比較することでシャコ貝の真珠核、人工核など等方性のある核を異方性のある核に対して判別することができる。
(第4実施形態)
第14図は、第4実施形態に係る核の材質検査装置1Cの概略全体平面図を示している。
本実施形態の核の材質検査装置1Cは、外側コイル83と、第1,第2検査コイル85,87と、可動位置決め体89と、判別手段としてのコントローラ9Cとからなっている。
前記外側コイル83は、低周波発電機91に接続されている。前記第1,第2検査コイル85,87は、互いに逆向きに巻回されて前記外側コイル83内に配置され、コントローラ9C側の平衡回路に接続されている。コントローラ9Cは、電圧を測定し、測定電圧が検出磁化となっている。
前記可動位置決め体89は、球形状の真珠核19を支持し、該真珠核19を第1,第2検査コイル85,87内に配置、移動させ得る構成となっている。可動位置決め体89は、支持フレーム93を備えている。支持フレーム93に連結シャフト95が連結されている。連結シャフト95は、図外のリニア駆動部などによって駆動されるようになっている。連結シャフト95を介して支持フレーム93を移動させ、真珠核19を第1検査コイル85内又は第2検査コイル87内に配置、移動させることができる。
前記コントローラ9Cは、連結シャフト95を操作して前記第1,第2検査コイル85,87の一方に前記真珠核19を位置決めたとき、同他方の磁化の検出値が零になるように調整する。この零調整後に第1,第2検査コイル85,87の他方の磁化の検出値が零になる位置(中心対称位置で、第13図の鎖線図示の位置)に真珠核19を移動させる。該位置で検出した真珠核19の交差2軸での磁化に基づいて、該真珠核19の材質を判別する。
前記交差2軸での磁化の検出は、真珠核19を支持フレーム93上で回転させ、第5図で示すX軸、Y軸の向きをフレーム93上で変更することにより実行される。
第15図、第16図は、前記可動位置決め体89の回転駆動部97を示し、第15図は支持フレーム93先端側の断面図、第16図は第15図のSA−SA矢視における断面図である。
第15図、第16図のように、支持フレーム93上には、受け皿99が設けられている。支持フレーム93の下面側に支持された軸101にゴムローラ103が取り付けられている。ゴムローラ103の外周部は、支持フレーム93及び受け皿99を貫通して、真珠核19に接している。軸101は、図外の駆動部に連結されている。
従って、駆動部の駆動によって、軸101が回転すると、ゴムローラ103が連動する。ゴムローラ103が回転すると、これに接する真珠核19も回転し、回転前に真珠核19のX軸が上下方向に向いていたとき回転により同横方向に向けることができる。
判別に際しては、第14図において、まず零点調整を行う。例えば、コントローラ9Cの駆動信号により連結シャフト95を軸方向駆動させる。この駆動によって支持フレーム93を介し真珠核19を第2検査コイル87内に位置させ、第1検査コイル85側の検出磁化が零となるように調整する。この調整はコントローラ9Cの制御で行われ、第1検査コイル85側の検出磁化が零となる位置は、コントローラ9Cにより記憶される。
次に、コントローラ9Cの制御で連結シャフト95の軸方向駆動を戻す。この駆動の戻しで支持フレーム93を介し真珠核19を第1検査コイル85内の磁化零の位置に配置する。このとき第1検査コイル85側は、反対の磁界となっているため、差分の磁化が検出される。
この検出を、前記回転駆動部97の駆動によって真珠核19を回転させ、そのXY軸方向を変えて測定する。コントローラ9Cは、この測定値の比率を比較することによって異方性のあるどぶ貝を用いた真珠核19か、等方性のシャコ貝等を用いた真珠核19かを判別する。
第17図は、磁化の異方性を示す形状指数を表すグラフである。
第17図において、点107は、どぶ貝を真珠核とした場合の測定比率から求めた形状指数であり、点109は、どぶ貝の真珠核を用いた真珠の測定比率から求めた形状指数であり、点111は、シャコ貝を真珠核とした場合の測定比率から求めた形状指数である。
この第17図の結果のように、シャコ貝を真珠核とした場合には、形状指数がある一定範囲内に集約する。このため、シャコ貝以外のどぶ貝を用いた真珠核と、シャコ貝を用いた真珠核とを明確に区別し、判別することができる。
尚、本発明の核の材質検査方法及び装置において、上記各実施形態で真珠核の材質を判別するのに用いたものは、真珠層を形成した後の真珠の真珠核、或いは真珠以外に用いる核、同被覆材で被覆された核の材質を検査することに用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
以上説明した通り、本発明に係る核の材質検査方法及び装置は、真珠核の材質を検査するのに適している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形状の核の交差2軸での異方性を検出することにより材質に異方性のある核と異方性の無い核とを判別することを特徴とする核の材質検査方法。
【請求項2】
請求項1記載の核の材質検査方法であって、
前記異方性の検出は、前記核の液中での浮力による回転、又は前記核の磁化率、又は前記核の光透過率、又は前記核の光反射率を用いたことを特徴とする核の材質検査方法。
【請求項3】
球形状の核を浮かせる検査液層と、
前記検査液槽に対し縦横少なくとも一方へ光を発する発行部及び前記検査液槽を挟んで前記発行部に対向配置され前記発行部からの光を前記核を通して受光可能な受光部と、
前記受光部からの信号により前記核の材質を判別する判別手段とよりなることを特徴とする核の材質検査装置。
【請求項4】
球形状の核を転がす検査通路と、
前記検査通路に沿って一定の間隔を置いて配置され前記核を透過する波長の異なる光の光透過率又は前記核で反射する波長の異なる光の光反射率を検出する第1検査部及び第2検査部と、
前記第1,第2検査部による光透過率又は光反射率に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなることを特徴とする核の材質検査装置。
【請求項5】
球形状の核を支持部に着脱自在に支持し前記支持部に支持した核に振動を付与可能な非磁性体の支持手段と、
検出コイル、比較コイル、比較試料、及び磁極を備え前記支持部に支持された核の磁化率を検出可能な磁化率検査手段と、
前記支持部に対する核の支持を変更して検出した該核の交差2軸での磁化率に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなることを特徴とする核の材質検査装置。
【請求項6】
交流電源に接続された外側コイルと、
前記外側コイル内に配置され平衡回路に接続された第1,第2検査コイルと、
球形状の核を支持し該球形状の核を前記第1,第2検査コイル内に配置移動させ得る非磁性体の可動位置決め体と、
前記第1,第2検査コイルの一方に前記核を位置決めたとき同他方の磁化の検出値が零になる位置に前記核を移動させて検出した該核の交差2軸での磁化に基づいて前記核の材質を判別する判別手段とよりなることを特徴とする核の材質検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の核の材質検査装置であって、
前記可動位置決め体は、前記核の交差2軸での磁化を検出するために前記核を回転可能な回転駆動部を備えたことを特徴とする核の材質検査装置。

【国際公開番号】WO2005/031340
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【発行日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509176(P2005−509176)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012151
【国際出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】