核医学診断装置及びSPECT撮影方法
【課題】身体横断面の中心から偏心した位置に存在する臓器の撮影に適した核医学診断装置及びSPECT撮影方法を提供する。
【解決手段】被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、第1,第2のガンマカメラを、コリメータが被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、第1,第2のガンマカメラを被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する。
【解決手段】被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、第1,第2のガンマカメラを、コリメータが被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、第1,第2のガンマカメラを被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガンマカメラを被検体の周囲に回転させるSPECT撮影(Single Photon Emission Computed Tomography)に適した核医学診断装置及びSPECT撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像診断装置として核医学診断装置がある。核医学診断装置は、放射線同位元素(RI)により標識した薬剤を被検体内に投与して、RIから放射されるガンマ(γ)線を検出することによって、被検体内のRI分布を画像化するものである。検出器としては、ガンマカメラ(ガンマ線を検出してRIの二次元分布を撮影するカメラ)を用いて撮影を行うようにしている。尚、核医学検査の主な手法としては、ガンマカメラを被検体の周囲に回転させ、所定の断層像を得るSPECT撮影方法が広く知られている。
【0003】
ガンマカメラは全体的に平板状を成し、二次元的に配置されたコリメータとガンマ線を電気信号に変換する検出器とを含み、回転リングに支持されて被検体の周囲を回転することができ、検出器からの電気信号はデータ収集装置(DAS)によって収集されるようになっている。
【0004】
図10は、パラレルビームコリメータ101Aを示す説明図であり、図11は、ファンビームコリメータ101Bを示す説明図である。図10、図11において、コリメータ101A,101Bは、検出器102に指向性を持たせるもので、一定方向からのガンマ線を検出器102に入射させる。検出器102はコリメータ101A,101Bを介して到達したガンマ線を受け電気信号に変換する。
【0005】
図10のパラレルビームコリメータ101Aは、有効視野は広いが感度が低い。一方、図11のファンビームコリメータ101Bは、ファンビーム形状が対称になっており、撮影対象の拡大効果により感度を向上することができるが有効視野が狭くなる。従来のSPECT検査では、感度の向上を図るために対称型のファンビームコリメータ101B(図11)が用いられてきたが、ファンビームコリメータ101Bはパラレルビームコリメータ101Aよりも測定視野が小さくなる欠点がある。
【0006】
横断層画像を撮影する場合、全ての投影方向(検出器位置)において撮影対象の臓器全体が視野内に入る必要がある。視野内に収まらない場合はアーチファクトを生じ、画質の劣化、定量性の劣化を生じる。特に測定対象の臓器が撮影視野の中心にない場合(例えば心臓の左心室の測定)には、ファンビームコリメータ101Bでは視野に収まらないことが多い。
【0007】
図11はファンビームコリメータ101Bを用いて心臓部103を撮像する例を示したものであるが、ファンビームの有効視野から左心室104の一部がはみ出してしまう。したがって、測定対象の臓器が撮影視野の中心にない場合の撮影において、さらなる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−59872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明が解決しようとする課題は、心臓(左心室)など身体横断面の中心から偏心した位置に存在する臓器の撮影に適した核医学診断装置及びSPECT撮影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の核医学診断装置は、被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、前記第1,第2のガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、前記被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、前記第1,第2のガンマカメラを前記被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る核医学診断装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】一実施形態に係る核医学診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】一実施形態におけるコリメータと検出器を示す構成図。
【図4】一実施形態におけるガンマカメラの構成図。
【図5】一実施形態における2個のガンマカメラの回転状態を示す説明図。
【図6】一実施形態における2個のガンマカメラの他の回転状態を示す説明図。
【図7】一実施形態において一方のガンマカメラの位置を可変にした構成図。
【図8】第2の実施形態においてガンマカメラを鈍角で組み合わせた構成図。
【図9】第2の実施形態においてガンマカメラを鋭角で組み合わせた構成図。
【図10】ガンマカメラのパラレルビームコリメータを示す説明図。
【図11】ガンマカメラのファンビームコリメータを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る核医学診断装置について図面を参照して詳細に説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の核医学診断装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。図1において、核医学診断装置1は、寝台10と架台20を含む。寝台10は被検体Pを載置する天板11と、天板11を支持する支持部12,13を有している。支持部12,13は、駆動機構(図示せず)によって天板11を上下方向に移動可能であって、天板11を垂直方向に昇降させる。
【0014】
一方、架台20は、固定台21と、この固定台21に回転自在に取り付けられた回転リング22と、回転リング22に支持された2個のガンマカメラ23を備えている。ガンマカメラ23は、被検体Pに投与されたRIから放射される放射線(ガンマ線)の入射方向を限定するコリメータ24と、入射した放射線(ガンマ線)を電気信号に変換する検出器25を有し、さらに図示は省略するが電気信号を収集するデータ収集部(DAS)を有している。
【0015】
検出器25は、放射線の入射面側に設けたシンチレータと、シンチレータの背面に多数配置した光電子増倍管を含む。シンチレータは放射線を光に変換し、光電子増倍管はシンチレータの発光を検出して電気信号に変換する。回転リング22は、2個のガンマカメラ23を支持するための支持部材を有し、駆動部によって回転リング22が回転することで、2個のガンマカメラ23を共に被検体Pの体軸周り(α方向)に回転することができる。
【0016】
尚、寝台10の天板11は架台20に対して移動可能になっており、被検体Pを回転リング22内に挿入することができる。或いは架台20を、床面に設けたレールに沿って移動可能にし、架台20を寝台10の方向に移動することもできる。これにより架台20と寝台10は、図1の矢印Y1−Y2方向に相対的に移動可能である。
【0017】
図2は、第1の実施形態の核医学診断装置1の構成を示すブロック図である。図2において、架台20の回転リング22には2個のガンマカメラ23が取り付けられ、架台20の開口部には寝台10の天板11に載置された被検体Pが挿入される。寝台10には、天板11の高さ位置や架台方向への移動を制御する駆動部14を設けている。
【0018】
ガンマカメラ23は、ガンマ線の入射方向を限定するコリメータ24と、入射したガンマ線を電気信号に変換する検出器25を有し、被検体Pに注入された核種(放射性同位元素:RI)から放出されるガンマ線の分布を2次元的に検出し、その検出結果を後述するデータ収集部32に送る。
【0019】
寝台10と架台20は、コンピュータシステム30によって制御される。コンピュータシステム30はバスライン301を有し、バスライン301には、システム制御部31、データ収集部32、データ処理部33、データ記憶部34、入力部35、表示部36が接続されている。
【0020】
システム制御部31は、コンピュータシステム30の全体の動作を制御する。データ収集部32は、ガンマカメラ23から送られてきた検出信号をもとにデジタル投影データを生成し、この投影データをデータ処理部33に送る。データ処理部33は、データ収集部32で収集したデータを処理して所定の撮影方向からみたときの投影像(画像データ)を生成する。データ記憶部34は、画像データを格納するものである。
【0021】
入力部35は、オペレータが操作するもので、入力部35の操作により回転リング22の回転や、撮影開始、撮影停止等の各種の操作情報を与える。表示部36は、データ処理部33で生成された投影像等を表示するとともに、オペレータが入力部35を介して与えた操作情報等を表示する。入力部35、表示部36は、システム制御部31とともにユーザインターフェースを構成する。
【0022】
また、バスライン301には、ガンマカメラ23を制御するカメラ制御部37と、寝台10に設けた駆動部14を制御する寝台駆動部38を接続している。また回転リング22を回転させ、ガンマカメラ23を被検体Pの周り(α方向)に回転させる回転制御部39を設けている。寝台駆動部38は、システム制御部31の制御のもとに駆動部14を制御し、天板11の位置を制御する。また、架台20が移動可能な構成である場合は、システム制御部31によって架台20を矢印Y1−Y2方向に位置を制御する。またバスライン301には、ネットワークインターフェース40を接続しており、ネットワークを介して外部機器(例えばコンピュータ端末等)と通信可能である。
【0023】
コンピュータシステム30は、システム制御部31の制御のもとに動作し、2個のガンマカメラ23の検出信号から核医学診断のための画像データを生成する。実際のデータ収集に当たっては、回転リング22を回転させ、ガンマカメラ23を被検体Pの周り(α方向)に回転させて、複数の撮影方向から撮影を行う。
【0024】
図3は、第1の実施形態におけるコリメータ24と検出器25を示す構成図である。コリメータ24はガンマ線の入射方向を限定し、検出器25は入射したガンマ線を電気信号に変換する。コリメータ24は、ファンビーム形状が非対称のものを使用する。
【0025】
即ち、図3のコリメータ24は、検出器25の一端部から垂下した位置にファンの仮想焦点41があり、検出器25の一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nが焦点41の方向に向いた非対称ファンビームコリメータである。つまり、仮想焦点41が検出器25の一端部側に偏っており、ファンビーム形状が非対称となっている。またSPECT回転中心を42としたとき、非対称ファンビームの有効視野角43内の仮想焦点41から最外隔壁24nに向かうパスの内側にSPECT回転中心42が位置するようにしている。
【0026】
第1の実施形態では、図3のような非対称ファンビームコリメータ24と検出器25を含むガンマカメラ23を2個、90度を基準とする設定角度でL字型に組み合わせている(図4では2個のガンマカメラ23を90度の角度で組み合わせている)。以下、A,Bの符号を付し、2個のガンマカメラを区分する。
【0027】
図4は、検出器25A,25Bを90度の角度で組み合わせたガンマカメラ23A,23Bの構成図である。2個の検出器25A,25Bは、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように、隔壁241側の一端部がほぼ90度の角度で接近し、隔壁24n側の他端部に仮想焦点41A,41Bがある。
【0028】
測定対象の臓器は、例えば心臓の左心室のように被検体の体軸中心から偏心した位置にある小さな臓器とする。2つのガンマカメラ23A,23Bは被検体の周りを、90度を基準範囲として回転し、例えば90度もしくは90度に近い角度だけ回転して撮影を行う。偏心している臓器は、横断面の有効視野(円44)の1/4の領域45内に収まっている。心臓を撮影する場合について例示すると、図4では左心室が1/4の領域45内にある。
【0029】
2つのガンマカメラ23A,23Bを被検体の周りに90度回転させた状態を図5(a)〜(c)に示す。図5(a)〜(c)では、ガンマカメラ23A,23Bの動きを分かりやすくするため、便宜上、上段にガンマカメラ23Aを、下段にガンマカメラ23Bを示している(実際には図4のように90度の角度で組み合わされる)。
【0030】
図5(a)のように、検出器24Aが左上に位置し検出器24Bが右上に位置している状態を回転の始点とすると、図5(b)は始点から時計回りに45度回転し、図5(c)ではさらに45度回転し、トータル的に90度回転する。被検体の左心室は、ガンマカメラ23A,23Bの有効視野の1/4の領域45内に常にある。したがって、2つのガンマカメラ23A,23Bを90回転させて180度の領域を撮影すれば、全投影方向において有効視野(円44)の1/4の領域45内では視野が欠けることはない。よってデータの欠落によるアーチファクトが生じない高画質、定量性の高いSPECT画像を得ることができる。
【0031】
また回転始点は、撮影対象の臓器によって設定することができる。例えば、図6(a)〜(c)で示すように、有効視野44の左下の1/4の領域45’内に撮影対象がある場合は、図6(a)のように検出器24Aが右下に位置し、検出器24Bが左下に位置している状態を回転の始点とする。図6(b)は始点から時計回りに45度回転し、図6(c)ではさらに45度回転し、トータル的に90度回転する。図6にあっても被検体の観察対象は、ガンマカメラ23A,23Bの有効視野の1/4の領域45’内に常にある。したがって、2つのガンマカメラ23A,23Bを90回転させて180度の領域を撮影すれば、全投影方向において有効視野(円44)の1/4の領域45’内では視野が欠けることはない。
【0032】
また第1の実施形態では種々の変形が可能である。例えば、図7に示すように、ガンマカメラ23A,23Bを90度の角度で組み合わせ、かつガンマカメラ23A,23Bの一方の位置を可変にすることもできる。例えば図7(a)では、ガンマカメラ23Aに対して、ガンマカメラ23Bを90度の角度を保った状態で観察対象の方向に移動可能としている。移動したガンマカメラ23Bの位置を点線で示す。
【0033】
また図7(b)のように、ガンマカメラ23Bに対してガンマカメラ23Aを90度の角度を保った状態で観察対象の方向に移動可能としている。移動したガンマカメラ23Aの位置を点線で示す。このようにガンマカメラ23A,23Bの相対位置を可変にすることで観察対象の位置に合わせてより正確な撮影が可能になる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の核医学診断装置について説明する。上述した第1の実施形態では、ガンマカメラ23A,23Bを90度の角度で配置したが、第2の実施形態では、90度を基準とする設定角度(例えば90度±15度)で組み合わせたものでる。
【0035】
図8は、ガンマカメラ23A,23Bを、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように約105度の鈍角で組み合わせたものである。ガンマカメラ23Aについて言えば、図8のコリメータ24Aは、検出器25Aの一端部から90度よりも広い角度の位置に仮想焦点41Aがある。検出器25Aの一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nは、仮想焦点41の方向に向いており非対称ファンビームコリメータを形成している。ガンマカメラ23Bはガンマカメラ23Aに対して左右対称の構成を有しており、仮想焦点41A,41Bは互いに逆の位置にある。
【0036】
図9は、ガンマカメラ23A,23Bを、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように約75度の鋭角で組み合わせたものである。ガンマカメラ23Aについて言えば、図9のコリメータ24Aは、検出器25Aの一端部から90度よりも狭い角度の位置に仮想焦点41Aがある。検出器25Aの一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nは、仮想焦点41の方向に向いており非対称ファンビームコリメータを形成している。ガンマカメラ23Bはガンマカメラ23Aに対して左右対称の構成を有しており、仮想焦点41A,41Bは互いに逆の位置にある。
【0037】
第2の実施形態では、偏心した観察対象の位置に応じてガンマカメラ23A,23Bの組み合わせ角度や、回転角度を90度を基準として変えるとよい。
【0038】
以上述べた実施形態によれば、SPECT検査を行う場合に、非対称のファンビームコリメータを有するガンマカメラを2個組み合わせて観察対象を撮影することによって、測定感度を向上し、位置分解能の向上を図ることができる。またガンマカメラを90度程度回転するだけで撮影対象を視野が欠けることなく撮影することができる。
【0039】
以上、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1…核医学診断装置
10…寝台
11…天板
20…架台
22…回転リング
23A,23B…ガンマカメラ
24A,24B…コリメータ
25A,25B…検出部
30…コンピュータシステム
31…システム制御部
39…回転制御部
41A,41B…仮想焦点
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガンマカメラを被検体の周囲に回転させるSPECT撮影(Single Photon Emission Computed Tomography)に適した核医学診断装置及びSPECT撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像診断装置として核医学診断装置がある。核医学診断装置は、放射線同位元素(RI)により標識した薬剤を被検体内に投与して、RIから放射されるガンマ(γ)線を検出することによって、被検体内のRI分布を画像化するものである。検出器としては、ガンマカメラ(ガンマ線を検出してRIの二次元分布を撮影するカメラ)を用いて撮影を行うようにしている。尚、核医学検査の主な手法としては、ガンマカメラを被検体の周囲に回転させ、所定の断層像を得るSPECT撮影方法が広く知られている。
【0003】
ガンマカメラは全体的に平板状を成し、二次元的に配置されたコリメータとガンマ線を電気信号に変換する検出器とを含み、回転リングに支持されて被検体の周囲を回転することができ、検出器からの電気信号はデータ収集装置(DAS)によって収集されるようになっている。
【0004】
図10は、パラレルビームコリメータ101Aを示す説明図であり、図11は、ファンビームコリメータ101Bを示す説明図である。図10、図11において、コリメータ101A,101Bは、検出器102に指向性を持たせるもので、一定方向からのガンマ線を検出器102に入射させる。検出器102はコリメータ101A,101Bを介して到達したガンマ線を受け電気信号に変換する。
【0005】
図10のパラレルビームコリメータ101Aは、有効視野は広いが感度が低い。一方、図11のファンビームコリメータ101Bは、ファンビーム形状が対称になっており、撮影対象の拡大効果により感度を向上することができるが有効視野が狭くなる。従来のSPECT検査では、感度の向上を図るために対称型のファンビームコリメータ101B(図11)が用いられてきたが、ファンビームコリメータ101Bはパラレルビームコリメータ101Aよりも測定視野が小さくなる欠点がある。
【0006】
横断層画像を撮影する場合、全ての投影方向(検出器位置)において撮影対象の臓器全体が視野内に入る必要がある。視野内に収まらない場合はアーチファクトを生じ、画質の劣化、定量性の劣化を生じる。特に測定対象の臓器が撮影視野の中心にない場合(例えば心臓の左心室の測定)には、ファンビームコリメータ101Bでは視野に収まらないことが多い。
【0007】
図11はファンビームコリメータ101Bを用いて心臓部103を撮像する例を示したものであるが、ファンビームの有効視野から左心室104の一部がはみ出してしまう。したがって、測定対象の臓器が撮影視野の中心にない場合の撮影において、さらなる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−59872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明が解決しようとする課題は、心臓(左心室)など身体横断面の中心から偏心した位置に存在する臓器の撮影に適した核医学診断装置及びSPECT撮影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の核医学診断装置は、被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、前記第1,第2のガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、前記被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、前記第1,第2のガンマカメラを前記被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る核医学診断装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】一実施形態に係る核医学診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】一実施形態におけるコリメータと検出器を示す構成図。
【図4】一実施形態におけるガンマカメラの構成図。
【図5】一実施形態における2個のガンマカメラの回転状態を示す説明図。
【図6】一実施形態における2個のガンマカメラの他の回転状態を示す説明図。
【図7】一実施形態において一方のガンマカメラの位置を可変にした構成図。
【図8】第2の実施形態においてガンマカメラを鈍角で組み合わせた構成図。
【図9】第2の実施形態においてガンマカメラを鋭角で組み合わせた構成図。
【図10】ガンマカメラのパラレルビームコリメータを示す説明図。
【図11】ガンマカメラのファンビームコリメータを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る核医学診断装置について図面を参照して詳細に説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の核医学診断装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。図1において、核医学診断装置1は、寝台10と架台20を含む。寝台10は被検体Pを載置する天板11と、天板11を支持する支持部12,13を有している。支持部12,13は、駆動機構(図示せず)によって天板11を上下方向に移動可能であって、天板11を垂直方向に昇降させる。
【0014】
一方、架台20は、固定台21と、この固定台21に回転自在に取り付けられた回転リング22と、回転リング22に支持された2個のガンマカメラ23を備えている。ガンマカメラ23は、被検体Pに投与されたRIから放射される放射線(ガンマ線)の入射方向を限定するコリメータ24と、入射した放射線(ガンマ線)を電気信号に変換する検出器25を有し、さらに図示は省略するが電気信号を収集するデータ収集部(DAS)を有している。
【0015】
検出器25は、放射線の入射面側に設けたシンチレータと、シンチレータの背面に多数配置した光電子増倍管を含む。シンチレータは放射線を光に変換し、光電子増倍管はシンチレータの発光を検出して電気信号に変換する。回転リング22は、2個のガンマカメラ23を支持するための支持部材を有し、駆動部によって回転リング22が回転することで、2個のガンマカメラ23を共に被検体Pの体軸周り(α方向)に回転することができる。
【0016】
尚、寝台10の天板11は架台20に対して移動可能になっており、被検体Pを回転リング22内に挿入することができる。或いは架台20を、床面に設けたレールに沿って移動可能にし、架台20を寝台10の方向に移動することもできる。これにより架台20と寝台10は、図1の矢印Y1−Y2方向に相対的に移動可能である。
【0017】
図2は、第1の実施形態の核医学診断装置1の構成を示すブロック図である。図2において、架台20の回転リング22には2個のガンマカメラ23が取り付けられ、架台20の開口部には寝台10の天板11に載置された被検体Pが挿入される。寝台10には、天板11の高さ位置や架台方向への移動を制御する駆動部14を設けている。
【0018】
ガンマカメラ23は、ガンマ線の入射方向を限定するコリメータ24と、入射したガンマ線を電気信号に変換する検出器25を有し、被検体Pに注入された核種(放射性同位元素:RI)から放出されるガンマ線の分布を2次元的に検出し、その検出結果を後述するデータ収集部32に送る。
【0019】
寝台10と架台20は、コンピュータシステム30によって制御される。コンピュータシステム30はバスライン301を有し、バスライン301には、システム制御部31、データ収集部32、データ処理部33、データ記憶部34、入力部35、表示部36が接続されている。
【0020】
システム制御部31は、コンピュータシステム30の全体の動作を制御する。データ収集部32は、ガンマカメラ23から送られてきた検出信号をもとにデジタル投影データを生成し、この投影データをデータ処理部33に送る。データ処理部33は、データ収集部32で収集したデータを処理して所定の撮影方向からみたときの投影像(画像データ)を生成する。データ記憶部34は、画像データを格納するものである。
【0021】
入力部35は、オペレータが操作するもので、入力部35の操作により回転リング22の回転や、撮影開始、撮影停止等の各種の操作情報を与える。表示部36は、データ処理部33で生成された投影像等を表示するとともに、オペレータが入力部35を介して与えた操作情報等を表示する。入力部35、表示部36は、システム制御部31とともにユーザインターフェースを構成する。
【0022】
また、バスライン301には、ガンマカメラ23を制御するカメラ制御部37と、寝台10に設けた駆動部14を制御する寝台駆動部38を接続している。また回転リング22を回転させ、ガンマカメラ23を被検体Pの周り(α方向)に回転させる回転制御部39を設けている。寝台駆動部38は、システム制御部31の制御のもとに駆動部14を制御し、天板11の位置を制御する。また、架台20が移動可能な構成である場合は、システム制御部31によって架台20を矢印Y1−Y2方向に位置を制御する。またバスライン301には、ネットワークインターフェース40を接続しており、ネットワークを介して外部機器(例えばコンピュータ端末等)と通信可能である。
【0023】
コンピュータシステム30は、システム制御部31の制御のもとに動作し、2個のガンマカメラ23の検出信号から核医学診断のための画像データを生成する。実際のデータ収集に当たっては、回転リング22を回転させ、ガンマカメラ23を被検体Pの周り(α方向)に回転させて、複数の撮影方向から撮影を行う。
【0024】
図3は、第1の実施形態におけるコリメータ24と検出器25を示す構成図である。コリメータ24はガンマ線の入射方向を限定し、検出器25は入射したガンマ線を電気信号に変換する。コリメータ24は、ファンビーム形状が非対称のものを使用する。
【0025】
即ち、図3のコリメータ24は、検出器25の一端部から垂下した位置にファンの仮想焦点41があり、検出器25の一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nが焦点41の方向に向いた非対称ファンビームコリメータである。つまり、仮想焦点41が検出器25の一端部側に偏っており、ファンビーム形状が非対称となっている。またSPECT回転中心を42としたとき、非対称ファンビームの有効視野角43内の仮想焦点41から最外隔壁24nに向かうパスの内側にSPECT回転中心42が位置するようにしている。
【0026】
第1の実施形態では、図3のような非対称ファンビームコリメータ24と検出器25を含むガンマカメラ23を2個、90度を基準とする設定角度でL字型に組み合わせている(図4では2個のガンマカメラ23を90度の角度で組み合わせている)。以下、A,Bの符号を付し、2個のガンマカメラを区分する。
【0027】
図4は、検出器25A,25Bを90度の角度で組み合わせたガンマカメラ23A,23Bの構成図である。2個の検出器25A,25Bは、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように、隔壁241側の一端部がほぼ90度の角度で接近し、隔壁24n側の他端部に仮想焦点41A,41Bがある。
【0028】
測定対象の臓器は、例えば心臓の左心室のように被検体の体軸中心から偏心した位置にある小さな臓器とする。2つのガンマカメラ23A,23Bは被検体の周りを、90度を基準範囲として回転し、例えば90度もしくは90度に近い角度だけ回転して撮影を行う。偏心している臓器は、横断面の有効視野(円44)の1/4の領域45内に収まっている。心臓を撮影する場合について例示すると、図4では左心室が1/4の領域45内にある。
【0029】
2つのガンマカメラ23A,23Bを被検体の周りに90度回転させた状態を図5(a)〜(c)に示す。図5(a)〜(c)では、ガンマカメラ23A,23Bの動きを分かりやすくするため、便宜上、上段にガンマカメラ23Aを、下段にガンマカメラ23Bを示している(実際には図4のように90度の角度で組み合わされる)。
【0030】
図5(a)のように、検出器24Aが左上に位置し検出器24Bが右上に位置している状態を回転の始点とすると、図5(b)は始点から時計回りに45度回転し、図5(c)ではさらに45度回転し、トータル的に90度回転する。被検体の左心室は、ガンマカメラ23A,23Bの有効視野の1/4の領域45内に常にある。したがって、2つのガンマカメラ23A,23Bを90回転させて180度の領域を撮影すれば、全投影方向において有効視野(円44)の1/4の領域45内では視野が欠けることはない。よってデータの欠落によるアーチファクトが生じない高画質、定量性の高いSPECT画像を得ることができる。
【0031】
また回転始点は、撮影対象の臓器によって設定することができる。例えば、図6(a)〜(c)で示すように、有効視野44の左下の1/4の領域45’内に撮影対象がある場合は、図6(a)のように検出器24Aが右下に位置し、検出器24Bが左下に位置している状態を回転の始点とする。図6(b)は始点から時計回りに45度回転し、図6(c)ではさらに45度回転し、トータル的に90度回転する。図6にあっても被検体の観察対象は、ガンマカメラ23A,23Bの有効視野の1/4の領域45’内に常にある。したがって、2つのガンマカメラ23A,23Bを90回転させて180度の領域を撮影すれば、全投影方向において有効視野(円44)の1/4の領域45’内では視野が欠けることはない。
【0032】
また第1の実施形態では種々の変形が可能である。例えば、図7に示すように、ガンマカメラ23A,23Bを90度の角度で組み合わせ、かつガンマカメラ23A,23Bの一方の位置を可変にすることもできる。例えば図7(a)では、ガンマカメラ23Aに対して、ガンマカメラ23Bを90度の角度を保った状態で観察対象の方向に移動可能としている。移動したガンマカメラ23Bの位置を点線で示す。
【0033】
また図7(b)のように、ガンマカメラ23Bに対してガンマカメラ23Aを90度の角度を保った状態で観察対象の方向に移動可能としている。移動したガンマカメラ23Aの位置を点線で示す。このようにガンマカメラ23A,23Bの相対位置を可変にすることで観察対象の位置に合わせてより正確な撮影が可能になる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の核医学診断装置について説明する。上述した第1の実施形態では、ガンマカメラ23A,23Bを90度の角度で配置したが、第2の実施形態では、90度を基準とする設定角度(例えば90度±15度)で組み合わせたものでる。
【0035】
図8は、ガンマカメラ23A,23Bを、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように約105度の鈍角で組み合わせたものである。ガンマカメラ23Aについて言えば、図8のコリメータ24Aは、検出器25Aの一端部から90度よりも広い角度の位置に仮想焦点41Aがある。検出器25Aの一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nは、仮想焦点41の方向に向いており非対称ファンビームコリメータを形成している。ガンマカメラ23Bはガンマカメラ23Aに対して左右対称の構成を有しており、仮想焦点41A,41Bは互いに逆の位置にある。
【0036】
図9は、ガンマカメラ23A,23Bを、コリメータ24A,24Bが被検体Pの観察対象に向くように約75度の鋭角で組み合わせたものである。ガンマカメラ23Aについて言えば、図9のコリメータ24Aは、検出器25Aの一端部から90度よりも狭い角度の位置に仮想焦点41Aがある。検出器25Aの一端部から他端部に沿って設けたコリメータ24の隔壁241,242…24nは、仮想焦点41の方向に向いており非対称ファンビームコリメータを形成している。ガンマカメラ23Bはガンマカメラ23Aに対して左右対称の構成を有しており、仮想焦点41A,41Bは互いに逆の位置にある。
【0037】
第2の実施形態では、偏心した観察対象の位置に応じてガンマカメラ23A,23Bの組み合わせ角度や、回転角度を90度を基準として変えるとよい。
【0038】
以上述べた実施形態によれば、SPECT検査を行う場合に、非対称のファンビームコリメータを有するガンマカメラを2個組み合わせて観察対象を撮影することによって、測定感度を向上し、位置分解能の向上を図ることができる。またガンマカメラを90度程度回転するだけで撮影対象を視野が欠けることなく撮影することができる。
【0039】
以上、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1…核医学診断装置
10…寝台
11…天板
20…架台
22…回転リング
23A,23B…ガンマカメラ
24A,24B…コリメータ
25A,25B…検出部
30…コンピュータシステム
31…システム制御部
39…回転制御部
41A,41B…仮想焦点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、
前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、
前記第1,第2のガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、前記被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、
前記第1,第2のガンマカメラを前記被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する核医学診断装置。
【請求項2】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記検出器の一端部側に近い位置に仮想焦点を設定し、前記コリメータは、前記検出器の一端部から他端部に沿って前記仮想焦点に向けて形成した複数の隔壁を有する請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項3】
前記第1、第2のガンマカメラによって形成する撮影有効視野内に、前記被検体の偏心した観察対象が入るようにした請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項4】
前記第1、第2のガンマカメラは、それぞれ前記被検体の観察対象の周囲を、90度を基準範囲として回転する請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項5】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記被検体の観察対象に応じて回転始点を決め、前記回転始点から前記90度を基準範囲として回転する請求項4記載の核医学診断装置。
【請求項6】
被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得するSPECT撮影方法であって、
前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせ、
前記第1、第2ガンマカメラを被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転するSPECT撮影方法。
【請求項7】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記検出器の一端部側に近い位置に仮想焦点を設定し、前記コリメータは、前記検出器の一端部から他端部に沿って前記仮想焦点に向けて形成した複数の隔壁を有する請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項8】
前記第1、第2のガンマカメラによって形成する撮影有効視野内に、前記被検体の偏心した観察対象が入るようにした請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項9】
前記第1、第2のガンマカメラは、それぞれ前記被検体の観察対象の周囲を、90度を基準範囲として回転する請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項10】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記被検体の観察対象に応じて回転始点を決め、前記回転始点から前記90度を基準範囲として回転する請求項9記載のSPECT撮影方法。
【請求項1】
被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得する核医学診断装置であって、
前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラと、
前記第1,第2のガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせて、前記被検体の体軸周りに回転可能に取り付けた回転リングと、
前記第1,第2のガンマカメラを前記被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転する回転制御部と、を具備する核医学診断装置。
【請求項2】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記検出器の一端部側に近い位置に仮想焦点を設定し、前記コリメータは、前記検出器の一端部から他端部に沿って前記仮想焦点に向けて形成した複数の隔壁を有する請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項3】
前記第1、第2のガンマカメラによって形成する撮影有効視野内に、前記被検体の偏心した観察対象が入るようにした請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項4】
前記第1、第2のガンマカメラは、それぞれ前記被検体の観察対象の周囲を、90度を基準範囲として回転する請求項1記載の核医学診断装置。
【請求項5】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記被検体の観察対象に応じて回転始点を決め、前記回転始点から前記90度を基準範囲として回転する請求項4記載の核医学診断装置。
【請求項6】
被検体内に投与された放射性同位元素から放出される放射線を検出し、前記被検体内の画像データを取得するSPECT撮影方法であって、
前記放射線の入射方向を限定する非対称のファンビーム型のコリメータと、前記コリメータを通過した放射線を検出する検出器とを含む第1、第2ガンマカメラを、前記コリメータが前記被検体の観察対象に向くように、90度を基準とする設定角度で組み合わせ、
前記第1、第2ガンマカメラを被検体の体軸周りに予め設定した範囲内で回転するSPECT撮影方法。
【請求項7】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記検出器の一端部側に近い位置に仮想焦点を設定し、前記コリメータは、前記検出器の一端部から他端部に沿って前記仮想焦点に向けて形成した複数の隔壁を有する請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項8】
前記第1、第2のガンマカメラによって形成する撮影有効視野内に、前記被検体の偏心した観察対象が入るようにした請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項9】
前記第1、第2のガンマカメラは、それぞれ前記被検体の観察対象の周囲を、90度を基準範囲として回転する請求項6記載のSPECT撮影方法。
【請求項10】
前記第1、第2のガンマカメラは、前記被検体の観察対象に応じて回転始点を決め、前記回転始点から前記90度を基準範囲として回転する請求項9記載のSPECT撮影方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−11509(P2013−11509A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144222(P2011−144222)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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