説明

核燃料集合体

【課題】製造過程で放射線被爆の少ない核燃料集合体が欲しい。
【解決手段】核燃料ペレット(14)を充填していない空核燃料バンドル(190)に、核燃料ペレット(14)を充填し気密密封し、留具付チャンネルボックス(105)を装着して改良1核燃料集合体(230)となす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BWR(沸騰水型原子炉)の核燃料集合体の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の核燃料集合体(30)の概略斜視図及び核燃料バンドル(40)の縦断面図である(非特許文献1。非特許文献2)。核燃料バンドル(40)は、核燃料物質を内封している円柱形状の核燃料棒(1)を多数本正方格子状に配列し、核燃料棒(1)の束を上端及び下端とで結合支持しつつ冷却材の出入口ともなる上部タイプレート(2)及び下部タイプレート(3)と、核燃料棒(1)の高さ途中に数個位置して核燃料棒(1)間の間隔を規制するスペーサ(4)で構成されている。上部タイプレート(2)にはトッテ(21)等が付いている。核燃料棒(1)の伸びを考慮して核燃料棒(1)の上には膨張スプリング(6)をはめている。核燃料バンドル(40)の4面をチャンネルボックス(5)で覆い、チャンネルボックス(5)の上部を上部タイプレート(2)に締付部品(9)で結合して核燃料集合体(30)とする。スペーサ(4)は水棒(61)に付帯せる留具で支えられている。
冷却材である水は、核燃料集合体(30)の底部からチャンネルボックス(5)の内側に入り核燃料棒(1)から受熱して蒸気を発生させる。
通常、BWRでは上記核燃料集合体(30)からチャンネルボックス(5)を除いた、チャンネルボックス(5)を付ける前の核燃料棒(1)の束を組み上げたものを核燃料バンドル(40)と呼んでいる。核燃料バンドル(40)は発電所に輸送され、梱包を外して直立の位置で保管される。原子炉に装荷する前に核燃料バンドル(40)にチャンネルボックス(5)を締付部品(9)で固着させ核燃料集合体(30)とする。
図2は、従来の核燃料集合体(30)を構成する主要部品の概観図である。
右端上に示した核燃料棒(1)は、ジルカロイの被覆管(11)と、この被覆管(11)の上下開口端を気密閉塞する上部端栓(12)及び下部端栓(13)と、上部スプリング(15)と、上部プレナム(16)と、被覆管(11)内に核燃料である濃縮ウランの酸化物を円柱状に焼結してなる多数個の核燃料ペレット(14)から構成されている。核燃料棒(1)の平面配列を右端中程に示した。正方格子状に配列されたる核燃料棒(1)の束は、チャンネルボックス(5)で包まれている。正方格子状に配列されたる核燃料棒(1)の間隙の冷却材通路を冷却材が流れる。核燃料棒(1)数本は、核燃料ペレット(14)が充填されてなく被覆管(11)の中を冷却材が流れる水棒(61)にすることがある。上部端栓(12)及び下部端栓(13)は被覆管(11)の外側からTIG溶接する。右端下に示したように、TIG溶接は被覆管(11)の外側から溶接するため核燃料棒(1)を配列させてからの溶接は困難である。チャンネルボックス(5)は、ジルコニム合金製の板を角筒に成形し溶接して作られる。
左端上に示した上部タイプレート(2)は、ステンレス鋼鋳物で作られており、核燃料集合体(30)を原子炉に出し入れする際の吊り下げ用のトッテ(21)等が付いている。
上部タイプレート(2)の底面を下に示した。核燃料棒(1)の上部端栓(12)を差し込むための上部端栓差込口(22)が格子状に配列されている。上部端栓差込口(22)の間は冷却材通路になる空隙である。
左端から2番目の上に示した下部タイプレート(3)は、ステンレス鋼鋳物で作られている。下部タイプレート(3)の上面を下に示した。核燃料棒(1)の下部端栓(13)を差し込むための下部端栓差込口(32)が格子状に配列されている。下部端栓差込口(32)の間は冷却材通路になる空隙である。
左端から3番目の上に示したスペーサ(4)は、ニッケル合金またはジルコニウム合金で作られている。スペーサ(4)の平面図を下に示した。格子状に組んだ格子板(41)と、格子板(41)の交点にランタンスプルング(42)を配置した構造である。格子板(41)の空隙部を核燃料棒(1)が貫通する。
タイロッドと呼ばれる数本の核燃料棒(1)は、下部端栓(13)がネジ構造になっており下部タイプレート(3)の下部端栓差込口(32)にネジ留めされ、上部端栓(12)もネジ構造になっており上部タイプレート(2)を突き抜けてネジ留めされる。その結果、核燃料棒(1)の束は上部タイプレート(2)と下部タイプレート(3)とにより結合される。
核燃料集合体(30)を構成する各部品の組み立て主要手順を以下に示す。
1被覆管(11)の下端に下部端栓(13)をTIG溶接する。
2下部端栓(13)を敷設した被覆管(11)に多数個の核燃料ペレット(14)を充填する。
3核燃料ペレット(14)を充填し終えた被覆管(11)に上部スプリング(15)を装荷し上部プレナム(16)にヘリウムガスを充填した後上部端栓(12)をTIG溶接して密封し、核燃料棒(1)とする。
4スペーサ(4)を取り付けた水棒(61)を下部タイプレート(3)に差込み、冶具で固定してから核燃料棒(1)をスペーサ(4)の間隙部に貫通させ、核燃料棒(1)の下部端栓(13)を下部タイプレート(3)の下部端栓差込口(32)に取り付けていく。
5核燃料棒(1)の束の上部端栓(12)それぞれに膨張スプリング(6)をつけた後、上部タイプレート(2)の上部端栓差込口(22)に上部端栓(12)をはめ込み核燃料バンドル(40)を完成する。
6ジルコニム合金製の板を角筒に成形し溶接して予め作られたチャンネルボックス(5)を締付部品(9)で核燃料バンドル(40)に固着させ、核燃料集合体(30)を完成する。
【非特許文献1】:同文書院、1982年、三島良積「核燃料工学」
【非特許文献2】:オーム社、1989年、浅田他「原子力ハンドブック」。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、有り余ったプルトニウム(Pu)の蓄積を削減するために、Puを核燃料とする動きがある。核燃料ペレット(14)を濃縮ウランの酸化物の代わりにPuとウラン(U)の混合酸化物であるMOXを充填した核燃料棒(1)を多数本束ねたMOX核燃料集合体で発電する動きがある。
Puは、Uと比べて中性子やガンマ線(γ線)の放出量が多い。したがって、図2に示されたような手順を踏んで核燃料集合体(30)を組み立てる作業員は、中性子やγ線による放射線被爆が多くなる恐れが高い。
作業員の放射線被爆が少ない核燃料集合体を製造したい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の被覆管(11)の上端内面にネジミゾを施した螺旋被覆管(111)に核燃料物質を内封することなく大気圧程度のヘリウムを内包し下開口端を下部端栓(13)で気密閉塞し上端を仮栓(170)で覆い気密閉塞した空核燃料棒(180)を製造しておく。空核燃料棒(180)の多数本を正方格子状配列した束の下端を下部タイプレート(3)で支持し、空核燃料棒(180)の束の高さ途中に数個位置して空核燃料棒(180)間の間隔をスペーサ(4)で規制した空核燃料バンドル(190)とする。
空核燃料バンドル(190)の仮栓(170)を除去した空核燃料棒(180)毎に、核燃料ペレット(14)を充填し、上部スプリング(15)を装荷し、上部プレナム(16)にヘリウムを加圧充填し、螺旋被覆管(111)の内側半径よりも若干小さい半径の側面にネジ山を施した下段の円柱の上に下段の円柱よりも細い円柱の上面にねじ込みのためのプラスのミゾを施している2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)のネジミゾにネジ込み更に2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)に気密閉塞した改良核燃料棒(101)の正方格子状配列の束となす。各改良核燃料棒(101)の上に膨張スプリング(6)を装着したその上に上部タイプレート(2)をはめ込んで改良核燃料バンドル(140)とする。
水棒(61)のない改良核燃料バンドル(140)を留具付チャンネルボックス(105)で内蔵して改良1核燃料集合体(230)とする。
2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)に気密閉塞するには、TIG溶接や超音波溶接やフリーズシールや回転摩擦接着でよい。2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)に気密閉塞し易くするためには、螺旋被覆管(111)の上端近傍を樹脂性の仮のスペーサで補強すればよい。施栓後仮のスペーサを除去する。
核燃料ペレット(14)を螺旋被覆管(111)に充填し易くするためには、核燃料ペレット(14)の密度を高め、チャンファは下側のみにし、上側チャンファとディシュを無くし、その分半径を小さくする。更には、粒径の異なる数種類のMOXの粉末を振動充填すればよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明では、放射線源である核燃料を取り扱う前にできるだけ核燃料集合体(30)を構成する部品を組み立てた空核燃料バンドル(190)を製造することにより、作業員の放射線被爆を低減させた。
特に、核燃料ペレット(14)を充填した従来の核燃料棒(1)を1本1本扱うことは、核燃料棒(1)本数分からの放射線を受けることになる。一方、本発明では、核燃料ペレット(14)を充填した改良核燃料棒(101)の束の段階で放射線被爆を受ける。核燃料は放射線源であるが、放射線の吸収体でもある。改良核燃料バンドル(140)の内側の核燃料からの放射線は、外側の核燃料によって吸収される。したがって、改良核燃料バンドル(140)全体からの外部への放射線影響は自己遮蔽により軽減されている。
空核燃料バンドル(190)を製造してから核燃料ペレット(14)を充填できるのは、
螺旋被覆管(111)の上から2段円柱上部端栓(121)を接着できるようにしたからである。被覆管(11)の外周から上部端栓(12)を溶接する従来のやりかたでは、核燃料棒(1)の束になってからの被覆管(11)に外周から上部端栓(12)を溶接することは困難である。
大気圧程度のヘリウムを気密閉塞した空核燃料棒(180)を採用したことにより、改良核燃料棒(101)の下側の核燃料ペレット(14)と螺旋被覆管(111)の隙間にもヘリウムが十分存在できる。従来のように、核燃料ペレット(14)の上端からヘリウムを加圧充填しただけでは下側の核燃料ペレット(14)と被覆管(11)の隙間にヘリウムが十分存在できない。その結果、核燃料ペレット(14)から被覆管(11)への熱の伝わりが不十分になる恐れがあった。
仮栓(170)の螺旋被覆管(111)内側部分に水素ゲッタや湿気吸収材を施しておけば、螺旋被覆管(111)内側に若干量存在している水素や湿気による螺旋被覆管(111)の腐食を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
MOXを核燃料とした核燃料集合体(30)を製造加工する際に作業員の被爆を少なくする改良核燃料集合体(130)とその製造加工法が提供できた。
【実施例1】
【0007】
図3は、本発明の空核燃料バンドル(190)の縦断面図と空核燃料バンドル(190)を構成する各部品の概観図である。図3の右端に示すように、空核燃料バンドル(190)は、核燃料物質を内封していない空の空核燃料棒(180)の多数本正方格子状配列と、それ等の下端を支持する下部タイプレート(3)と、空核燃料棒(180)の高さ途中に数個位置して空核燃料棒(180)間の間隔を規制するスペーサ(4)から構成される。上部タイプレート(2)とチャンネルボックス(5)は装着していない。水棒(61)にはスペーサ(4)を支えるための留具が付いている。
図3の右端から2番目の上に示した空核燃料棒(180)は、従来の被覆管(11)の上端内面にネジミゾを施した螺旋被覆管(111)に大気圧程度のヘリウムを内包し、上端を仮栓(170)で覆い、下開口端を下部端栓(13)で気密閉塞した。空核燃料棒(180)の平面配列を下に示した。下部端栓(13)は螺旋被覆管(111)の下端に従来通りに外側からTIG溶接している。
図3の左端上に示した下部タイプレート(3)は、従来品と同じであってステンレス鋼鋳物で作られている。下部タイプレート(3)の上面を下に示した。図3の左から2番目の上に示したスペーサ(4)も従来通りである。
空核燃料バンドル(190)を構成する各部品の製造法を以下に示す。
1螺旋被覆管(111)の中の空気を大気圧程度のヘリウムガスに入れ替え、上部を仮栓(170)で仮に覆い、下端に従来通りに外側から下部端栓(13)をTIG溶接密封して空核燃料棒(180)となす。
2スペーサ(4)を取り付けた留具の付いた水棒(61)を下部タイプレート(3)に差込み、冶具で固定してから空核燃料棒(180)をスペーサ(4)の間隙部に貫通させ空核燃料棒(180)の下部端栓(13)を下部タイプレート(3)の下部端栓差込(32)にさし込み空核燃料バンドル(190)を完成する。
図4は、空核燃料バンドル(190)に核燃料を充填密封し本発明の改良核燃料バンドル(130)を完成するまでの製造法である。
3図4の左端は空核燃料バンドル(190)の代表的1本の空核燃料棒(180)から仮栓(170)を抜いた図である。
4図4の左から2番目の図は、仮栓(170)を除去した空核燃料棒(180)に核燃料ペレット(14)を充填し、上部スプリング(15)を装荷し、上部プレナム(16)にヘリウムを加圧充填し、2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)のネジミゾにネジ込み、2段円柱上部端栓(121)を上から螺旋被覆管(111)にTIG溶接密封し改良核燃料棒(101)となす。2段円柱上部端栓(121)の下段は螺旋被覆管(111)の内側半径よりも若干小さい半径の円柱にネジ山を施し、上段は下段の円柱よりも細い円柱となっていて上面にねじ込みのためのプラスのミゾを施している。
5図4の左から3番目の図は、2段円柱上部端栓(121)の上から膨張スプリング(6)を装着した後、改良核燃料棒(101)の束に上部タイプレート(2)をはめ込み改良核燃料バンドル(140)を完成する。
改良核燃料バンドル(140)は、下部タイプレート(3)とスペーサ(4)とで規制されている空核燃料バンドル(190)の仮栓(170)を除去された空核燃料棒(180)毎に、核燃料ペレット(14)が充填され、上部スプリング(15)が装荷され、上部プレナム(16)にヘリウムが加圧充填され、螺旋被覆管(111)の内側半径よりも若干小さい半径の側面にネジ山を施した下段の円柱の上に下段の円柱よりも細い円柱の上面にねじ込みのためのプラスのミゾを施している2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)のネジミゾにネジ込み更に2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)に気密閉塞した改良核燃料棒(101)の正方格子状配列の束の各々の上に膨張スプリング(6)を装着したその上に上部タイプレート(2)がはめ込まれている。スペーサ(4)は水棒(61)に付帯せる留具で支持されている。
図5は、右側が改良核燃料集合体(130)の概観図で、左側が改良核燃料集合体(130)の縦断面図ある。
6改良核燃料バンドル(140)の上部タイプレート(2)に、チャンネルボックス(5)を締付部品(9)で固着させ改良核燃料集合体(130)を完成する。
水棒(61)がない場合は、スペーサ(4)の落下を防止するための高さ位置決め留具を空核燃料棒(180)の1本の螺旋被覆管(111)に溶接しておく。
【実施例2】
【0008】
水棒(61)がなく、スペーサ(4)の落下を防止するための高さ位置決め留具を螺旋被覆管(111)に施さない場合は以下のようにする。
空核燃料バンドル(190)の縦断面図と、空核燃料バンドル(190)を構成する各部品の概観図は図3と同じである。
空核燃料バンドル(190)を構成する各部品の製造法を以下に示す。
1は実施例1と同じである。
2スペーサ(4)を取り付けた1本の留具の付いた空核燃料棒(180)を下部タイプレート(3)に差込んだ後冶具で固定してから、残りの空核燃料棒(180)をスペーサ(4)の間隙部に貫通させ各々の空核燃料棒(180)の下部端栓(13)を下部タイプレート(3)に取り付けていき、空核燃料バンドル(190)を完成する。
空核燃料バンドル(190)に核燃料を充填密封し本発明の改良核燃料バンドル(140)を完成するまでの製造法は図4と同じである。
3は実施例1と同じである。
4は実施例1と同じである。
5は実施例1と同じである。改良核燃料バンドル(140)を完成する。
図6は、留具付チャンネルボックス(105)の概観図である。留具付チャンネルボッ
クス(105)は、ジルコニム合金製の板を角筒状に折り曲げ、スペーサ留具(125)を角筒状板の内側に固着せしめさせている。溶接用開端(115)は、角筒に成形するための溶接箇所を示す。
図7は、右側が改良1核燃料集合体(230)の概観図で左側が改良1核燃料集合体
(230)の縦断面図ある。図5の改良核燃料集合体(130)との違いは、留具の付いた水棒(61)が無いことと、チャンネルボックス(5)をスペーサ留具(125)の付いた留具付チャンネルボックス(105)としたことである。
6留具付チャンネルボックス(105)で水棒(61)が無い改良核燃料バンドル(140)を包み、各スペーサ(4)がスペーサ留具(125)の若干上にあることを確認した後、溶接用開端(115)を溶接し溶接線(116)で閉じ角筒に成形し、留具付チャンネルボックス(105)を上部タイプレート(2)に締付部品(9)で固着させ改良1核燃料集合体(230)を完成する。
【実施例3】
【0009】
実施例1での空核燃料バンドル(190)を製造することにおいて、空核燃料バンドル(190)を逆立ちさせると、製造が簡単になる。即ち、
1螺旋被覆管(111)の中の空気を大気圧程度のヘリウムガスに入れ替え、下部端栓(13)を施すべき端を仮栓(170)で仮に覆い、上部スプリング(15)を装荷した後、上部端栓(12)を従来通りに外側からTIG溶接密封して空核燃料棒(180)となす。
2スペーサ(4)を取り付けた水棒(61)を上部タイプレート(2)に差込み、冶具で固定してから、空核燃料棒(180)をスペーサ(4)の間隙部に貫通させ空核燃料棒(180)の上部端栓(12)に膨張スプリング(6)を装着した後、上部タイプレート(2)に取り付け、上部タイプレート(2)にチャンネルボックス(5)を締付部品で固着させ空核燃料集合体(1302)を完成する。
3空核燃料集合体(1302)を逆立ちさせ代表的1本の空核燃料棒(180)から仮栓(170)を抜く。
4仮栓(170)を抜いた空核燃料棒(180)に核燃料ペレット(14)を充填し、ヘリウムガスを加圧充填した後、2段円柱下部端栓(1211)を螺旋被覆管(111)のネジミゾにネジ込み、2段円柱下部端栓(1211)を上から螺旋被覆管(111)にTIG溶接密封し改良核燃料棒(101)の束となす。
52段円柱下部端栓(1211)の上から改良核燃料棒(101)の束に下部タイプレート(3)をはめ込み、チャンネルボックス(5)端を下部タイプレート(3)に溶接し逆立改良核燃料集合体(1301)を完成する。逆立ちを正常に戻す。
【産業上の利用可能性】
【0010】
Puの放射線が強いためにPuを核燃料とする核燃料集合体を製造するのが困難で製造コストが高かった。本発明の核燃料集合体であれば作業員の放射線被爆が軽減されるから、核燃料集合体の製造施設等が簡素になり従来のUを核燃料とした核燃料集合体程度の製造コストになり、発電コストの大幅な増大を招くことがない。したがって、Puの燃焼消滅が進み、核拡散上問題になるPuの蓄積がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の核燃料集合体(30)の概略斜視図及び核燃料バンドル(40)の縦断面図。
【図2】従来の核燃料集合体(30)を構成する主要部品の概観図。
【図3】本発明の空核燃料バンドル(190)の縦断面図と空核燃料バンドル(190)を構成する各部品の概観図。
【図4】空核燃料バンドル(190)に核燃料を充填密封し本発明の改良核燃料バンドル(140)を完成するまでの製造法。
【図5】改良核燃料集合体(130)の概観図と改良核燃料集合体(130)の縦断面図。
【図6】留具付チャンネルボックス(105)の概観図。
【図7】改良1核燃料集合体(230)の概観図と改良1核燃料集合体(230)の縦断面図。
【符号の説明】
【0012】
1は核燃料棒。
2は上部タイプレート。
3は下部タイプレート。
4はスペーサ。
5はチャンネルボックス。
6は膨張スプリング。
9は締付部品。
11は被覆管。
12は上部端栓。
13は下部端栓。
14は核燃料ペレット。
15は上部スプリング。
16は上部プレナム。
21はトッテ。
22は上部端栓差込口。
30は従来の核燃料集合体。
32は下部端栓差込口。
40は従来の核燃料バンドル。
41は格子板。
42はランタンスプリング。
61は水棒。
101は本発明の改良核燃料棒。
105は留具付チャンネルボックス。
111は螺旋被覆管。
115は溶接用開端。
116は溶接線。
121は2段円柱上部端栓。
125はスペーサ留具。
130は本発明の改良核燃料集合体。
140は本発明の改良核燃料バンドル。
170は仮栓。
180は本発明の空核燃料棒。
190は本発明の空核燃料バンドル。
230は本発明の改良1核燃料集合体。
1211は2段円柱下部端栓。
1301は逆立改良核燃料集合体。
1302は空核燃料料集合体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆管(11)の上端内面にネジミゾを施した螺旋被覆管(111)に核燃料物質を内封することなく大気圧程度のヘリウムを内包し下開口端を下部端栓(13)で気密閉塞し上端を仮栓(170)で覆い気密閉塞した空核燃料棒(180)の多数本を正方格子状配列した束の下端を下部タイプレート(3)で支持し、空核燃料棒(180)の束の高さ途中に数個位置して空核燃料棒(180)間の間隔をスペーサ(4)で規制したことを特徴とする空核燃料バンドル(190)。
【請求項2】
請求項1の空核燃料バンドル(190)の仮栓(170)を除去した空核燃料棒(180)毎に、核燃料ペレット(14)を充填し、上部スプリング(15)を装荷し、上部プレナム(16)にヘリウムを加圧充填し、螺旋被覆管(111)の内側半径よりも若干小さい半径の側面にネジ山を施した下段の円柱の上に下段の円柱よりも細い円柱の上面にねじ込みのためのプラスのミゾを施している2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)のネジミゾにネジ込み更に2段円柱上部端栓(121)を螺旋被覆管(111)に気密閉塞した改良核燃料棒(101)の束の各々の上に膨張スプリング(6)を装着したその上に上部タイプレート(2)をはめ込んだことを特徴とする改良核燃料バンドル(140)。
【請求項3】
水棒(61)のない改良核燃料バンドル(140)を留具付チャンネルボックス(105)で内蔵したことを特徴とする改良1核燃料集合体(230)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270871(P2009−270871A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120120(P2008−120120)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(303002055)