説明

核酸を精製することを目的とした装置、システムおよび方法

核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための方法および装置が提供される。1つの実施形態においては、本発明の方法は、核酸を異物から分離するために有効な条件の下で、混合物をガラスフリットに通過させることを含む。より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学物質の精製、さらに、より具体的には、化学的な精製および分析を実施するための装置、方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明によって提供される装置、方法およびシステムは核酸の精製および分析において、またより具体的にはこのような精製および分析を実施するためのマイクロ流動装置に対して、特に有用な用途を有する。本発明は、分析化学、裁判化学、マイクロ流動およびマイクロスケール装置、医学、および公衆衛生の分野において用途を有する。
【背景技術】
【0002】
高度に小型化した化学装置の創成を目的とした半導体製造技術の拡張(Beach,Strittmatter他、2007年)によって、特に複雑な混合物中に微量濃度で存在する化学物質を高い精度と正確度で同定する手段を提供することにより、分析化学における変革を創出している。この変革においては、このような装置が迅速で、携帯可能で、且つ経済的な生物学的検出器を提供し、化学的処理、医薬品、法科学、および国防において注目すべき影響を示した。このような装置の例は、微粒子の捕集および同定を目的とした装置(Wick、2007年)、分子的夾雑物の検出を目的とした装置(Knollenberg,Rodier他、2007年)、およびタンパク質を検出する装置(Terry,Scudder他、2004年;Deshmukh 2006年)を含む。その他の装置は、自動化システム内でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて核酸を分離および/または増幅するために、流体技術を用いる。このような装置の例は、キアゲン(ドイツ、ヒルデン)、ロシュ(スイス、バーゼル)アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)、アイダホ・テクノロジーズ(ユタ州ソルトレイクシティ)、およびセファイド(カリフォルニア州サニーベール)より市販されているものである。
【0003】
しかし、あらゆる分析処理と同様に、処理前にサンプルを調製することは良好な性能を得るために極めて重要である。複雑な因子があまりにも多く存在することおよび目的の分析物をマスクする可能性のある物質の濃度によって、堅牢な検出がほとんど不可能になることもある。この問題は、非常に複雑で不均一な混合物である細胞ライセートの核酸含有量の分析を試みる場合に特に懸念される(Colpan、2001年)。携帯型分析装置は遠心分離機および分離カラムなどといった一般的な実験補助装置が利用できない場所で使用されると予測されるので、それらの装置が関係する場合、調製作業はさらに困難となる。それらの場合、意義のある結果を提供するためには、血液または尿サンプルなどの粗サンプルをろ過するための何らかの手段が重要である。流体技術に基づく現行の装置、特に上述のキアゲンの装置は、柔らかく変形しやすいガラスフィルターを使用し、支持基材を必要とする。フィルターは、サンプルから核酸を効率よく補足するために、典型的には約1から3ミクロンの間の小さな孔径を有する。孔径が小さいことから、フィルターはまた比較的薄く、サンプルを小さな孔径に通過させる際の流体流動抵抗を低減するために、典型的には厚さ2mm未満である。キアゲンの方法では、サンプルは典型的にはグアニジンなどのカオトロピック剤と混合され、さらに遠心力を用いて混合物をガラスフィルターに通過させ、その中で流体は一方向のみに流れる。核酸はガラスフィルターに結合し、エタノールまたはイソプロパノールで洗浄され、続いて約pH8.0の10mMトリスバッファーまたは水を用いて遊離される。しかし、流体流動により作り出される抵抗およびより大きな流量による目詰まりの可能性のため、小さな孔径により処理できるサンプルの量が制限される。したがって、キアゲン装置などの装置は容易に損傷されるか、さもなければ容易に効力がなくなる。さらに、これらの特性によってサンプル投入量、検査できるサンプルの種類、大容量サンプル、濃度係数、および単純な流動の一体化が制限される。
【0004】
処理前のサンプルろ過にはより大きなガラスフィルターが使用されてきた。たとえば、米国特許第4,912,034号(Kalra,Pawlak他、1990年)は、グラスファイバーより製造されたオプションプレフィルターアセンブリを含む、液状サンプル中の標的分析物を検出するためのイムノアッセイを記載する。しかし、この装置はマイクロ流動装置ではなく、マイクロスケールPCR反応前のフィルターとしてガラスフリットを用いることを示しても示唆してもいない。米国特許第4,923,978号(McCormack、1990年)は、水性DNAサンプルより望ましくないタンパク質およびタンパク質−DNA複合体を除去するためのグラスファイバーフィルターの事前使用を記載するものの、このようなファイバーは結合能力が低いことを指摘し、批判的な態度である(カラム2を参照)。実際、‘978号特許では、このようなろ過を実施するために非常に異なる材料を主張していた。米国特許第6,274,371号(Colpan、2001年)は、核酸分析の前に細胞ライセートから望ましくない不純物を除去するための好ましいろ過剤として、シリカゲル、酸化アルミニウム、および珪藻土を記載する。米国特許第6,800,752号(Tittgen、2004年)は、クロマトグラフィ材料が担体およびイオン交換機能を有し、担体がプラスチックフリットなどの支持材上に繊維性材料を含む、核酸を含む混合物を分離するために当該材料を用いることを記載する。
【0005】
しかしながら、その結果としてこうした装置の現世代の制限を克服し、核酸を分離および同定するために有効な流動装置を提供するニーズが残る。本発明は、これらおよび他のニーズを満たす。
【0006】
以下の先行技術文献は、その全文を参照文献として且つあらゆる目的で本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,189,358号(Beach,R.A.,Strittmatter,R.P.他(2007年).Integrated Micropump Analysis Chip and Method of Making the Same)
【特許文献2】米国特許第6,274,371号(Colpan,M.(2001年).Process and device for the Isolation of Cell Components,Such as Nucleic Acids,from 20 Natural Sources)
【特許文献3】米国特許第6,989,130号(Deshmukh,A.J.(2006年).Method and Automated Fluidic System for Detecting Protein in Biological Sample)
【特許文献4】米国特許第4,912,034号(Kalra,K.L.,Pawlak,K.他(1990年).Imnninoassay Test Device and Method)
【特許文献5】米国特許第7,208,123号(Knollenberg,B.A.,Rodier,D.他(2007年).Molecular Contamination Monitoring System and Method)
【特許文献6】米国特許第4,923,978号(McCormack,R.M.(1990年).Process for Purling Nucleic Acids)
【特許文献7】米国特許第6,790,652号(Terry,B.R.,Scudder,K.M.他(2004年).Method and Apparatus for High Density Format Screening for Bioactive Molecules)
【特許文献8】米国特許第6,800,752号(Tittgen,I(2004年).Chromatography Material and a Method Using the Same)
【特許文献9】米国特許第7,250,138号(Wick,C.H.(2007年).Method and System for Detecting and Recording Submicron Sized Particles)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様においては、本発明は核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための方法を提供する。本発明における使用に適した核酸は、微生物DNAおよびヒトゲノムDNAを含む。1つの実施形態においては、本発明の方法は核酸を異物から分離するために有効な条件の下で、混合物をガラスフリットに通過させることを含む。より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。一部の実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有し;より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有し;他のより具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有し;さらに具体的には、ガラスフリットは約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有し;他のさらに具体的な実施形態はガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有するものを含む。他の実施形態においては、本発明の方法は、混合物をガラスフリットに通過させることにより第1のろ過混合物を生成した後、第1のろ過混合物から核酸を分離するために有効な条件の下で、第1のろ過混合物を第2のガラスフリットに通過させることを含む。
【0009】
第2の態様においては、本発明は核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸をろ過分離するための装置を提供する。一部の実施形態においては、装置は入口および出口を有し;その中に約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有する少なくとも1つのガラスフリットが排置され、且つ入口と出口の中間の位置に少なくとも1つ配置された中空チャンバーを含む。より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。他の実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。一部の実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有し;より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有し;他のより具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有し;さらにより具体的には、ガラスフリットは約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有し;他のさらに具体的な実施形態はガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有するものを含む。
【0010】
第3の態様においては、本発明は核酸および異物を含有する混合物より1つあるいはそれ以上のこのような核酸を同定する流動装置を提供する。一部の実施形態においては、本発明の流動装置は入口、出口、および入口と出口の間にあって入口および出口のそれぞれと連絡する少なくとも1つの流体反応チャンバーを含む。装置は、入口および反応チャンバーに近接する位置に配置され、且つ入口および反応チャンバーのそれぞれと流動的に連絡する少なくとも1つのガラスフリットをさらに含む。ガラスフリットは約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有する。混合物は入口を経て装置に流入し、ガラスフリットを通過し、そこからろ過生成物として流出した後流体反応チャンバーに流入する。少なくとも1つの流動試薬ディスペンサーがガラスフリットと反応チャンバーの中間かつそれらと流動的に連絡して配置される。より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。一部の実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有し;より具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有し;他のより具体的な実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有し;さらに具体的には、ガラスフリットは約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有し;他のさらに具体的な実施形態はガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有するものを含む。他の実施形態においては、流動装置はガラスフリットに近接するヒーターを含む。
【0011】
これらおよび他の態様および利点は、以下の「発明を実施するための形態」が付属の図面と共に読まれることによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に従って核酸を精製するためのガラスフリット装置(「フィルターモジュール」)の模式図である。
【図2A−2B】本発明によるフィルターの図示である。図2Aは本発明に従って核酸を精製するためのガラスフリット装置(「フィルターモジュール」)の例示分解組み立て図である。図2Bは同じ装置の破断図である。
【図3】本発明に従って核酸を精製するためのガラスフリット装置(「中空チャンバー」)の模式図である。
【図4】本発明によるマイクロアレイ装置の模式図である。
【図5】本発明に従って核酸を精製および同定するためのプロセスのフローチャートである。
【図6】サンプル材料(全血中濃度1×10個/mLのBacillus anthracis細胞100μL)の蛍光をPCRサイクルの関数として測定することにより証明されるところの、図2Aおよび図2Bに示すところの本発明に従った装置の改善された性能特性を図示するグラフである。実線(A)は本発明に従って処理したサンプルの結果を示し;破線(B)はキアゲンより市販されている装置を用いて処理したサンプルを示し;破線(C)および(D)は未処理サンプルおよび陰性対象である。
【図7】サンプル材料(喀痰中濃度1×10個/mLのBacillus anthracis細胞500μL)の蛍光をPCRサイクルの関数として測定することにより証明されるところの、図3に示すところの本発明に従った装置の改善された性能特性を図示するグラフである。実線(A)は本発明に従って処理したサンプルの結果を示し;破線(B)は未処理サンプルを示し;破線(C)は陰性対象である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、タンパク質、小分子、細胞膜断片などの他の物質と複合された核酸混合物から、これを少なくとも部分的に精製するための方法および装置を提供する。
【0014】
本明細書で用いるところの「核酸」は個々の核酸、および天然に生成するものであれ人工的に合成されたもの(その類似体を含む)であれ、またはその修飾体、特に自然に発生することが知られている修飾体であれ、あらゆる長さを有するDNAおよびRNAを含む核酸の重合鎖を指す。本発明に適した核酸鎖長の例は、PCR生成物に適した長さ(例:約50塩基対(bp))、およびヒトゲノムDNA(例:ほぼキロ塩基対(Kb)からギガ塩基対(Gb)単位である)を含むが、これに限定されない。従って、用語「核酸」が単独の核酸、さらには、たとえば発現配列タグまたは遺伝子フラグメントといった、小さなヌクレオチドフラグメントフラグメントである天然または人工の連鎖ヌクレオチド、ヌクレオシド、およびその組み合わせ、さらには個々の遺伝子および染色体全体までも含むゲノム材料を例とするより大きな鎖を包含することが認識されるであろう。より具体的な実施形態においては、核酸は細菌またはウイルスなどの病原体に由来する。このような病原体はヒトおよび動物に対して有害なものを含む。一部の実施形態においては、前者のうち病原体は兵器化された天然発生病原体を含む生物兵器として使用されるものである。一部の実施形態においては、核酸は微生物DNAを含む。本発明の1つの実施形態においては、微生物DNAはBacillus anthracisに由来する。他の実施形態においては、核酸はヒトまたは動物に由来する。一部の実施形態においては、核酸はヒトゲノムDNAを含む。
【0015】
第1の態様においては、本発明は核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための方法を提供する。一部の実施形態においては、本発明の方法は、異物から核酸をほぼ分離するために有効な条件下で、入口および出口が同一で且つその中に少なくとも1つの多孔質フィルターが排置され;混合物を前記入口および出口を有する中空チャンバーに通過させることを含む。本明細書で用いるところの「異物」は、サンプル中の核酸とは異なるすべての物質を指す。このような異物の例は、タンパク質、デンプン、脂質、金属イオン、および膜フラグメントなどのようなより大きな細胞構造を含むが、これに限定されない。本明細書で用いるところの語句「ほぼ分離する」は、一部の実施形態においては、異物に対する純度が少なくとも30%の核酸を提供する、より具体的な実施形態においては、異物に対する純度が少なくとも50%の核酸を提供する、さらにより具体的な実施形態においては、異物に対する純度が少なくとも70%の核酸を提供する、さらにより具体的な実施形態においては、異物に対する純度が少なくとも95%の核酸を提供する、またさらにより具体的な実施形態においては、異物に対する純度が少なくとも99%の核酸を提供する分離を指す。
【0016】
本明細書に記載の本発明の多様な実施形態において、ガラスフリットは当業者に既知であるか、または以下に記載するような市販されている標準的な方法を用いて標準的な材料より製造される。一部の実施形態においては、ガラスフリットはほぼ約1mmと約20mmの間の、より具体的には約2mmと約5mmの間の、さらにより具体的には約2mmと約3mmの間の厚さを有する。本明細書に記載の多様な実施形態を含む、本発明と共に使用するのに適した典型的なガラスフリットの孔径は、約2ミクロンと約200ミクロンの間である。より具体的な実施形態においては、孔径は約150ミクロンと約200ミクロンの間である。他のより具体的な実施形態においては、孔径は約2ミクロンと約100ミクロンの間、さらにより具体的には約40ミクロンと約75ミクロンの間である。他の実施形態は、孔径が約2ミクロン〜約20ミクロンの間であるものを含む。微生物DNAを包含する用途に対しては、約10ミクロンと約15ミクロンの間のガラスフリットサイズが適している。ヒトゲノム用途に対してはより大きなフリット孔径を用いることができる。適切なガラスフリットは焼結ガラスより構成され、典型的には化学用ガラス器具に用いられ、かつロブ(ドイツ)より市販されている。このようなガラスフリットの選択および製造は当業者に理解されるであろう。
【0017】
その他の実施形態においては、ガラスフリットは多孔質フィルターによって置き換えられるか、またはこれと組み合わせて使用される。本明細書で用いるところの「多孔質フィルター」は、液状物に含有される少なくとも1つの物質を選択的に通過させるあらゆる材料を指す。より具体的には、「多孔質フィルター」は核酸を含有する液状物よりこのような核酸をほぼ除去することができる材料を指す。適切な多孔質フィルターの例は、核酸を捕捉するよう設計されたろ紙(例:FTAペーパー、ワットマンより入手可能)、グラスファイバー、ガラスビーズ、インビトロジェンより入手可能なチャージスイッチテクノロジーコーティングビーズ、酸化アルミニウムフィルターおよび多孔質モノリスポリマーを含むが、これに限定されない。こうした材料および製品は当業者に周知である。一部の実施形態においては、多孔質フィルターはガラスフリットである。さらに具体的な実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。ガラスフリットまたは焼結ガラスフリットにろ過機能を提供するのに適したその他の適切な材料はシリコンおよびXTRABIND(Xtrana社、コロラド州ブルームフィールド)である。このような材料が本発明のろ過機能を実施するための設計は、当業者にとって明らかであろう。
【0018】
一つの実施形態においては、上述のガラスフリットはフリットホルダーまたは流動モジュールに一括化されている。こうしたホルダーまたはモジュールの1つの典型的な実施例は、図1の1000の破断図に示されている。この図では、まさに上述の通りのガラスフリット(1004)がハウジング(1008)の内部に留置されている。ハウジングは入口(1012)を含み、そこから目的の核酸を含む流体混合物が流入し、且つ本明細書に記載するところのガラスフリットと相互作用し、ハウジングの出口(1016)を通過する第1のろ過混合物を生成する。フィルターホルダーまたはモジュールから流出した後、第1のろ過混合物は以下に記載するような出口と流動的に接触する他のチャンバー、または捕集器に進むことができる。一部の実施形態においては、1020に示すヒーターが任意に含まれる。このような装置の設計および製造は当業者に理解されるであろう。
【0019】
本発明のこの態様の第2の実施形態は、図2Aおよび図2Bに示される。このような装置の設計および製造は当業者に既知である。図2Aは、上部ハウジングボディ(2002)および下部ハウジングボディー(2004)を含む、フリットホルダーの1つの実施形態の分解組み立て図(2000)である。下部ハウジングボディは、図2Bにより詳細に記載されており、その中に上述のガラスフリット(2008)が1つあるいはそれ以上排置されている陥凹(2006)を含む。ガラスフリットは、ガスケット(2010,2012)を用いてハウジングボディに収容される。下部ハウジングボディ(2004)は、分離する核酸を含有する材料がそこを経てガラスフリットに導入される入口(示さず)、および廃棄物および精製された核酸がそこよりフィルターモジュールから流出する出口(2014)も含む。図2Bはフリットハウジングの破断面である。この図では、上述の通りの要素に加えて、ガラスフリットおよび出口を通過する材料の流動を方向付ける導管と共に、入口(2018)を示す。
【0020】
他の態様においては、本発明は核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための装置を提供する。本発明によるこのようなフィルターの1つの実施形態は、図3の3000に示す。この図では、核酸を含む混合物がその中を通過する第1の開口部(3008)および第2の開口部(3012)を有する中空チャンバー(3004)、および少なくとも部分的に分離された混合物がそこから流出する出口がある。入口と出口の間には、中空チャンバーの内部容積の少なくとも一部を経て軸方向に延伸する上述のガラスフリット(3018)があり、その範囲は3016に示すとおりである。一部の実施形態においては、このようなフリットが1つまたはそれ以上使用される。さらに他の実施形態においては、少なくとも1つのガラスフリットが焼結ガラスによって製造される。このような装置の設計および製造は当業者に既知である。
【0021】
一部のより具体的な実施形態においては、中空チャンバーの一方の末端が円錐台形状を有し材料が始めに第2の開口部より取り込まれ、ガラスフリットを通過し、さらにろ過された後フリット上のチャンバーの一部に保持されるよう、チャンバーがピペッティング器具の末端、たとえばピペットチップなどと嵌合するように寸法取りされる。一部の実施形態においては、フリットの上部のチャンバーの一部に保持されたサンプルはフリットを通過して第2の開口部(3012)を通過して戻る。
【0022】
他の実施形態においては、上述のピペットチップはフリットを加熱して混合物からの核酸の分離を促進するよう設計された加熱装置と組み合わされる。より具体的な実施形態においては、ヒーターはピペットチップの内部に嵌合するよう寸法取りされる。このような装置の設計および製造は当業者に既知である。
【0023】
さらに他の実施形態においては、ピペットチップは電子ピペッターまたはロボット式ピペッティングワークステーションと対になってフリットを通過する流量を制御する。一部の実施形態においては、電子ピペッターは手持ち式装置である。このような装置の設計、製造および操作は当業者に既知である。
【0024】
本発明の一部の実施形態においては、2つあるいはそれ以上の多孔質フィルターを組み合わせて用いる。より具体的な実施形態においては、各層は異なる孔径を有する。具体的な作用理論と関連付けることを所望することなく、フィルターの孔径がより大きければより大きな粒子を補足するので、プレフィルターの役割を果たすことができる。たとえば、40ミクロン〜60ミクロン孔径のフィルターを10ミクロン〜15ミクロン孔径のフィルターと直列に用いて、サンプル(例:血液)よりヒトゲノムDNAを枯渇させて微生物DNAを分離することも可能である。40ミクロン〜60ミクロン孔径のフィルターによって大量のヒトDNAを除去することにより、ヒトゲノムDNAは大きく干渉できるほど高濃度に存在しなくなるので、低コピーの微生物DNAを10ミクロン〜15ミクロン孔径のフィルターとより良好に結合させて分析をより堅牢にすることができる(例:全ゲノム増幅によって)。多孔質フィルターは上述のピペットチップ内にあってそれぞれ約5mmの厚さおよび直径を有してもよい。一部の実施形態においては、2つあるいはそれ以上の多孔質フィルターを融着させてほぼモノリス的な構造を形成する。このような装置の設計、製造および操作は当業者に既知である。
【0025】
フィルターがピペット内に排置されるより具体的な実施形態においては、より大きな孔径を有するガラスフリットはピペットチップの入口により近く排置される。ここでも特定の作用理論と関連付けることは所望しないものの、当業者はより大きな孔径のフィルターをピペットチップ入口により近く配置することによって、フリット内でより均一な核酸結合の分布を提供することができることを認識するであろう。比較することによって、当業者は、核酸がフリットに流入したそのときに最初に接触する可能性がより高いので、そうしなければ核酸がピペットチップ開口部に最も近い領域でフリットと結合する傾向を示すことを予測するであろう。
【0026】
さらに他の態様においては、本発明は本発明に従って核酸を分析するためのマイクロ流動装置を提供する。このようなマイクロ流動装置の一つの実施形態を図4の4000に示す。本明細書に記載のフリットホルダー(4002)が提供される。上流には、溶離バッファー(4004)の供給源と流動的に連絡するフリットホルダー、塩酸グアニジン(Gu)レザバー(4006)およびGu混合塔(4008)、GuおよびGu混合塔からの流動がバルブ(4010)によって制御される。Gu混合塔はさらにエタノール−空気供給源(4012)と流動的に連絡する。当業者は、Gu以外のカオトロープを本発明と共に使用できることを認識するであろう。さらに、サンプル捕集塔(4016)と流動的に連絡するビーズビーター(4014)もあり、さらに入口チェックバルブ(4018)および電気端子(4020)の方とも流動的に連絡する。これらの要素からの流出はバルブ4022によって制御される。
【0027】
図4を続けて参照すると、フリットホルダー(4002)の下流には廃液タンク(4024)があり、ここへの流動はバルブ(4026)によって制御される。フリットホルダーより下流の流動も、流路の第1の分枝に沿った溶離塔(4030)およびチェックバルブ(4032);および第2の分枝に沿ったもう1つのバルブ(4034)への流動を制御する、第2のバルブによって制御される。バルブ4034から下流に続いて、1つあるいはそれ以上のPCR試薬レザバー(4036)およびPCRチャンバー(4040)に至るバルブ(4038)がある。PCRチャンバーの下流には、PCRチャンバーからハイブリダイゼーションおよび洗浄バッファーレザバー(4048)および廃液容器(4052)とも流動的に連絡するマイクロアレイチャンバー(4048)に至る流動を、バルブ4046と共に制御するバルブ(4042)がある。このような装置の設計および製造は当業者に既知である。
【0028】
図4に関して記載された装置の操作は、図5の5000に示されたフローチャートにより例示される。粗サンプル、たとえば目標の細胞を含有する喀痰サンプルなどを入手した後(5002)、ビーズビーター4014を用いて細胞を溶解し(5004)、混合物がフリット4002を通過して核酸を精製し(5006)PCRチャンバー4040によって増幅し(5008)、さらにマイクロアレイチャンバー4050で検出する(5010)。
【0029】
本発明は、特定の理論あるいは操作と関連付けることなく、結合能力を高めるために比較的厚く、流体抵抗を低くし、流量を速め、臨床および環境サンプル中の粒子に対する抵抗を高めるために比較的大きな多孔質を含み、かつ堅牢な操作および一体化された単純な製造のために疎な材料(例:シリカゲル、珪藻土、グラスビーズ)およびもろく壊れやすい材料(例:ファイバーフィルター、メンブランフィルター、シリコンマイクロ構造体)によって構成されない堅牢で自己支持性のフリット構造を実践することによって上記のニーズを満たす。
【実施例】
【0030】
以下の実施例は、本発明のいくつかの態様を例示し、本発明の実施において当該技術の当業者を助けることを目的として提供される。これらの実施例は、いかなる方法でも決して本発明の範囲を制限すると見なされない。
【0031】
(1.本発明の装置を用いるためのプロトコル)
図2Aおよび2Bを参照し、本発明に従った精製および検出を実践するためのプロトコルを以下に提供する。
1.ガラスフリットをホルダーに挿入する(本発明の4つの異なる多孔性:小孔径、中孔径、大孔径および特大孔径のうちの1つ)。ハウジングを緊止する。
2.サンプル500μL(10コピー/mL)と6Mグアニジン500μL(pH6.5)を混合する。
3.1mLシリンジを用いて流量100μL/分で混合液(1mL)をフリットに通過させる。5mLシリンジを用い、手作業で空気をフリットに通過させてサンプルをパージする。
4.1mLシリンジを用いて、1mL/分の流量で70%エタノール1mL(EtOH)を通過させて結合した核酸を洗う。5mLシリンジを用い、手作業で空気をフリットに通過させてEtOHをパージする。
5.1mLシリンジを用いて、バッファーが出口の配管から見え始めるまで、100μL/分で溶離バッファー(10mMトリス、pH8.0)をフリットホルダーに慎重に通過させる。
6.ヒートブロックをフリットホルダーの下に置き、70℃で3分間加熱する。
7.3分後、溶離バッファーをフリットホルダーに通過させ続ける。PCR分析用の分画を捕集する(50μL〜100μL)。
8.フリットホルダーに10%漂白剤(希釈後1週間以上経過していない)1mL、10mM Tris−HCl(pH8.0)5mLおよび水5mLでフリットホルダーを洗い流す。フリットを交換する。
【0032】
(2.発明を実践するための第2のプロトコル)
図3を参照し、本発明に従って精製および検出を実践するためのプロトコルを以下に提供する。
1.バイアルAに入った6Mグアニジン500μLにサンプル500μLを加える。ボルテックスを用いて混合する。
2.包埋されたフリットを有する1.2mLのピペットチップを電子ピペッター(ギルソン コンセプト)に着接する。
3.電子ピペッターのスピードを1(最低スピード)に設定する。バイアルAのサンプル混合物を1mL吸引する。サンプル混合物ボーラスをフリットに完全に通過させる。サンプル混合物ボーラスは速やかにフリットの上部に定着するであろう。
4.サンプルをバイアルAに再度注入する。サンプルボーラス混合物は完全にバイアルに再排出されるであろう。
5.手順3および4を4回繰り返す。
6.電子ピペッターのスピードを5(最高スピード)に設定する。バイアルBに入った70%エタノール1mLを吸引および分注してフリットに結合した核酸を洗う。4回繰り返す。
7.チップをエタノール溶液上に配置して痕跡量のエタノールを除去する。空気を5回吸引および排出してフリットを乾燥させる。
8.10mM Tris−HCl(pH8.0)100μLを収容するバイアルCを70℃に設定したヒートブロック内に留置する。5分間加熱する。
9.電子ピペッターのスピードを1に設定する。溶離バッファーの吸引とバイアルCへの再注入を5回実施して、フリットから核酸を除去する。
【0033】
(3.本発明の優れた成果の証明)
本発明の材料および方法を用いて全血および喀痰中のBacillus anthracis(Ba)を処理した、こうしたプロトコルを用いた2つの実験の結果を図6および7に示す。
【0034】
図6においては、本発明の方法および装置(図2Aおよび2B)を用いて処理したサンプル(折れ線A)は、キアゲンより市販されている装置を用いて処理したサンプル(折れ線B)より優れていた。折れ線CおよびDはそれぞれ未処理投入サンプルおよび陰性対象である。当該実験においては、全血中10個/mLのBacillus anthracis細胞100μLを、本明細書記載の中孔径(15μ孔径)に通過させるかまたはキアゲン装置に投入して、さらに約50μLの溶離液を捕集しPCRを用いて分析した。図に示すように、本発明の材料および方法を用いて処理したサンプルは、PCR増幅を約25サイクル実施した後、先行技術装置を用いて処理したサンプルによる結果を明らかに且つ大きく上回った。
【0035】
図7は、喀痰内のBacillus anthracis細胞サンプルを本発明の材料および方法を用いて処理した、このような方法と装置(図3)を用いた他の実験の結果を図示する。本発明の方法および装置を用いたサンプル(折れ線A)は、未処理サンプル(折れ線B)より優れていた。折れ線Cは対照である。当該実験においては、喀痰中10個/mLのBacillus anthracis細胞500μLを、本明細書に記載の中孔径フリットに通過させて投入し、約100μLの溶離液を捕集し定量的リアルタイムPCRを用いて分析した。図に示すように、本発明の材料および方法を用いて処理したサンプルは、PCR増幅を約27サイクル実施した後、未処理サンプルによる結果を明らかに且つ大きく上回った。
【0036】
上述の方法および装置を用いて、表2に列挙する多様な基質(すなわちサンプルの種類)に添加した表1に列挙する多様な生体に由来するDNAおよび/またはRNAを良好に同定した。
表1
ウイルス性ウマ脳炎(VEE)
ワクシニアウイルス
Y.pestis
B.anthracis
アデノウイルス
S.pyogenes
C.pneumoniae
インフルエンザA
インフルエンザB
アデノウイルス+S.pyogenesの混合物
インフルエンザAおよびアデノウイルスの混合物
【0037】
以下の材料は本発明の方法および装置を用いて良好に分析された。
表2
水/TE(10mM Tris−HC1、1.0mM EDTAバッファー)
スワブ抽出物
喀痰
鼻腔洗浄液
全血
【0038】
(結論)
本発明は、先行技術を上回るいくつかの利点を提供する:1)流体を移動させるための遠心分離または高圧を必要としない単純化された方法および装置、2)流動を完全な分析システム内に一体化するためのモジュラー装置、3)低い流体抵抗を維持しながら複雑なサンプルを処理するための大孔径、4)流体が双方向に移動できることによる高い抽出および溶離効率、5)他の支持構造の必要性を取り除く剛性、および6)連続サンプルに対して装置を再利用することを可能とする耐久性。本明細書には多様な具体的実施形態および実施例が記載されているが、当業者は本開示の趣旨または範囲から離れることなく本発明の多くの異なる実践を達成できることを理解するであろう。たとえば、ガラスフリットの代わりに核酸に親和性のある他の材料を使用することも可能であり、またガラスフリットを修飾してグアニジンなどのカオトロープ塩を用いることなく核酸の誘因を改善することもできる。ガラスフリットは微生物および毒素を抽出する固定化抗体を含有することもできる。さらに他の変法が当業者に明らかとなるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための方法であって:中空チャンバーの内部容積を通過して前記混合物を流動させることを含み;前記中空チャンバーがその中に前記核酸と結合する少なくとも1つのガラスフリットを排置され、前記異物から前記核酸をほぼ分離するために有効な条件の下で前記混合物が前記ガラスフリットを通過して流れるよう前記ガラスフリットが前記中空チャンバー内に配置される方法。
【請求項2】
前記ガラスフリットが焼結ガラスフリットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記核酸が微生物DNAおよびRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸がヒトゲノムDNAおよびRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物がガラスフリットを通過して前記流動をすることにより第1のろ過混合物が生成し且つ前記の方法が前記第1のろ過混合物から前記核酸を分離するために有効な条件の下で第2のガラスフリットを通過して前記の第1のろ過混合物を流動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ガラスフリットが約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガラスフリットが約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ガラスフリットが約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ガラスフリットが約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための方法であって:中空チャンバーの内部容積を通過して前記混合物を流動させることを含み;前記中空チャンバーがその中に少なくとも1つのガラスフリットを排置され、前記混合物が前記ガラスフリットを通過して流動するよう前記ガラスフリットが前記中空チャンバー内に配置され、前記異物から前記核酸をほぼ分離するために有効な条件の下で、前記混合物がガラスフリットを少なくとも2回通過するよう、前記の流動することが前記ガラスフリットを横切って前記混合物が第1の方向に流動することおよびその後前記混合物が前記ガラスフリットを横切って前記の第1の方向と逆向きに流動することを含む方法。
【請求項12】
核酸および異物を含有する混合物よりこのような核酸を分離するための装置であって:その中に少なくとも1つの前記核酸と結合するガラスフリットを配置された中空チャンバーを含み、前記混合物が前記中空チャンバーを通過して流れる時に前記混合物が前記ガラスフリットを通過して流れるよう前記ガラスフリットが前記中空チャンバー内に配置され、且つ前記ガラスフリットが約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有する装置。
【請求項13】
前記ガラスフリットが焼結ガラスフリットである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ガラスフリットを加熱するよう設計された加熱装置をさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ガラスフリットが約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記ガラスフリットが約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ガラスフリットが約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
核酸および異物の混合物から1つあるいはそれ以上のこのような核酸を同定するための流動装置であって:入口、出口、および前記入口と前記出口の中間にあって且つ前記入口と前記出口のそれぞれと連絡する少なくとも1つの流体反応チャンバーを含み;前記装置が前記入口および前記の少なくとも1つの反応チャンバーに近接した位置に且つ前記入口および少なくとも1つの流体反応チャンバーのそれぞれと流動的に連絡して配置された少なくとも1つのガラスフリットをさらに含み、前記混合物が前記入口を経て前記装置に流入し且つ前記ガラスフリットを通過して前記の少なくとも1つの流体反応チャンバーに入る前にろ過生成物としてそこから流出するよう、前記ガラスフリットが約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有し;少なくとも1つの流動試薬ディスペンサーが前記ガラスフリットと前記の少なくとも1つの反応チャンバーの中間に配置され、前記少なくとも1つの流動試薬ディスペンサーが前記の少なくとも1つの流体反応チャンバーと流動的に連絡する装置。
【請求項20】
前記の少なくとも1つのガラスフリットが少なくとも1つの焼結ガラスフリットを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記の少なくとも1つのガラスフリットが約150ミクロンと約200ミクロンの間の孔径を有する少なくとも1つのガラスフリットを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記の少なくとも1つのガラスフリットが約2ミクロンと約100ミクロンの間の孔径を有する少なくとも1つのガラスフリットを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記の少なくとも1つのガラスフリットが約40ミクロンと約75ミクロンの間の孔径を有する少なくとも1つのガラスフリットを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記の少なくとも1つのガラスフリットが約2ミクロンと約20ミクロンの間の孔径を有する少なくとも1つのガラスフリットを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記の少なくとも1つのガラスフリットに近接するヒーターをさらに含む、請求項24に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−505118(P2011−505118A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531081(P2010−531081)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/056482
【国際公開番号】WO2009/058414
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510048369)アコーニ バイオシステムズ (8)
【氏名又は名称原語表記】AKONNI BIOSYSTEMS
【Fターム(参考)】