説明

根菜収穫機

【課題】肩揃え装置を構成する一対の肩揃えベルトの摩耗を抑えることが可能な根菜収穫機を提供する。
【解決手段】根菜収穫機1に、ニンジン5の茎葉部を挟持することによりニンジン5を圃場から引き抜いて搬送する引き抜き搬送装置40、ニンジン5の主根部の肩の位置を揃えつつ後方に搬送する肩揃え装置50、およびニンジン5の茎葉部を主根部から切り離す茎葉切断装置60を具備し、肩揃え装置50に、ニンジン5の茎葉部を挟持しつつ搬送する一対の肩揃えベルト51L・51R、引き抜き搬送装置40により搬送されるニンジン5の主根部の肩に当接してニンジン5の茎葉部の根元部分を一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部の上流側端部に導く主ガイドバー54L・54R、および一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部の下方に配置されてニンジン5の主根部の肩に当接する副ガイドバー55L・55Rを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜を収穫する根菜収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場を走行しつつ圃場に植えられた根菜を収穫する自走式の根菜収穫機が知られている。このような自走式の根菜収穫機は通常、フレーム、走行装置、エンジン、操作装置、引き起こし装置、引き抜き搬送装置、肩揃え装置、茎葉切断装置、茎葉処理装置、主根部搬送装置等を具備し、根菜を圃場から引き抜き、根菜の茎葉部を主根部から切り離し、根菜の主根部を収納袋に収容する、という一連の作業を行う。例えば、特許文献1に記載の如くである。
従来の根菜収穫機は、肩揃え装置に対する茎葉切断装置の上下方向の位置を調整することにより切断位置(茎葉部と主根部とを切り離す位置)を調整することが可能である。
【0003】
また、肩揃え装置が、一対の引き抜き搬送ベルトの対向部の中途部の下方と一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部との間に配置され、前記引き抜き搬送装置により搬送される根菜の主根部の肩に当接することにより当該根菜の茎葉部の根元部分を前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部に導くガイド部材を備える根菜収穫機も知られている。
例えば、特許文献2および特許文献3に記載の如くである。
【0004】
しかし、従来の根菜収穫機の場合、肩揃え装置が根菜を後方に搬送するとき、主根部の肩は一対の肩揃えベルトの対向部の下端面に当接する。
また、一対の肩揃えベルトは通常はゴム等の摩耗し易い材料で構成される。特に、一対の肩揃えベルトの対向部は根菜の茎葉部を主根部から引きちぎることなく確実に挟持するために、発泡ゴム等の軟らかく非常に摩耗し易い材料で構成される。
そのため、一対の肩揃えベルトを頻繁に交換しなければならず、ひいてはメンテナンスの労力およびコストが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−236334号公報
【特許文献2】特開2001−327210号公報
【特許文献3】特開2011−41477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものである。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、肩揃え装置を構成する一対の肩揃えベルトの摩耗を抑えることが可能な根菜収穫機を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、
外周面が互いに対向する部分が対向部を成す一対の引き抜き搬送ベルトを備え、根菜の茎葉部を前記一対の引き抜き搬送ベルトの対向部が挟持することにより根菜を圃場から引き抜くとともに前下方から後上方に搬送する引き抜き搬送装置と、
前記引き抜き搬送装置により搬送される根菜の主根部の肩の位置を揃えつつ当該根菜を後方に搬送する肩揃え装置と、
前記肩揃え装置により肩の位置が揃えられた根菜の茎葉部を根菜の主根部から切り離す茎葉切断装置と、
を具備し、
前記肩揃え装置は、
外周面が互いに対向する部分が対向部を成し、当該対向部が根菜の茎葉部を挟持しつつ当該根菜を後方に搬送する一対の肩揃えベルトと、
一端部が前記一対の引き抜き搬送ベルトの対向部の中途部の下方に配置され、他端部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部の下方に配置され、前記引き抜き搬送装置により搬送される根菜の主根部の肩に当接することにより当該根菜の茎葉部の根元部分を前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部に導く主ガイド部材と、
一端部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部の下方かつ前記主ガイド部材の他端部の後方となる位置に配置され、中途部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の下方に配置され、前記一対の肩揃えベルトにより搬送される根菜の主根部の肩に当接する副ガイド部材と、
を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、
前記副ガイド部材の他端部は、
前記一対の肩揃えベルトの対向部の下方かつ後方に突出した位置に配置され、
前記茎葉切断装置は、
前記一対の肩揃えベルトの後方かつ平面視で前記一対の肩揃えベルトに重ならない位置に配置されるとともに前記一対の肩揃えベルトに接触することなく前記一対の肩揃えベルトおよび前記副ガイド部材に対して上下方向の位置を調整することが可能な左右一対のディスク式カッターを備えるものである。
【0010】
請求項3においては、
前記左右一対のディスク式カッターは、
平面視で前記副ガイド部材に重ならない位置に配置され、前記副ガイド部材に接触することなく前記一対の肩揃えベルトおよび前記副ガイド部材に対して上下方向の位置を調整することが可能である。
【0011】
請求項4においては、
前記副ガイド部材は、
左右に間隔を空けて配置される一対の棒である。
【0012】
請求項5においては、
前記副ガイド部材の一対の棒の左右の間隔は調整可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、肩揃え装置を構成する一対の肩揃えベルトの摩耗を抑えることが可能である、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態を示す左側面図。
【図2】本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態を示す平面図。
【図3】本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態を示す正面図。
【図4】本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態の駆動力伝達経路を示す図。
【図5】(a)本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態における肩揃え装置および茎葉切断装置の配置を示す左側面図、(b)本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態における肩揃え装置および茎葉切断装置の配置を示す平面図。
【図6】(a)本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態における引き起こし装置および引き抜き搬送装置の収穫作業時の配置を示す前上方からの斜視図、(b)本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態における引き起こし装置および引き抜き搬送装置の手動時の配置を示す前上方からの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図1から図6を用いて本発明に係る根菜収穫機の実施の一形態である根菜収穫機1の全体構成について説明する。
なお、以下では便宜上、重力が作用する方向を下方として「上下方向」を定義し、当該上下方向に対して垂直な方向として「前後方向」を定義し、当該上下方向および当該前後方向に対して垂直な方向として「左右方向」を定義するとともに、根菜収穫機1は重力が作用する方向(下方)に対して垂直な表面を有する圃場に載置され、かつ当該圃場に載置された根菜収穫機1が通常の作業(収穫作業)を行いつつ走行するときの進行方向を「前方」に一致させる。
【0016】
根菜収穫機1は圃場に植えられているニンジン5・5・・・(図5の(a)参照)を収穫する装置である。
ニンジン5は本発明に係る根菜の実施の一形態である。
「根菜」は本発明に係る根菜収穫機が収穫する対象物であり、野菜のうち圃場(土壌)に埋まっている部分を食用その他の用途に利用するものを指す。
根菜は主として主根部および茎葉部を有する。「主根部」は根菜において圃場に埋まっている部分を指す。「茎葉部」は根菜において圃場の上に露出している部分を指す。
なお、本発明に係る主根部は、植物学上「根」に分類される部分のみに限定されない。
すなわち、本発明に係る主根部には根、地下茎、担根体、および、これらと他の器官との複合体等も含まれる。
本発明に係る根菜の具体例としては、ニンジンの他、大根、かぶ、玉葱等が挙げられる。
【0017】
図1に示す如く、根菜収穫機1は機体フレーム10、一対のクローラ15L・15R、エンジン16、引き起こし装置20、プラウ30、引き抜き搬送装置40、肩揃え装置50、茎葉切断装置60、排葉装置70、主根部搬送装置74等を具備する。
【0018】
機体フレーム10は根菜収穫機1の構造体を成す部材である。機体フレーム10はメインフレーム11、回動フレーム12、回動軸13および油圧シリンダ14を備える。
【0019】
メインフレーム11は機体フレーム10の下半部を成す枠状の部材である。
回動フレーム12は回動軸13によりメインフレーム11に対して左側面視で時計回りおよび反時計回りに回動可能に連結される。
回動フレーム12には引き起こし装置20、プラウ30、引き抜き搬送装置40、肩揃え装置50、茎葉切断装置60、排葉装置70等が固定される。
油圧シリンダ14の一端部はメインフレーム11に回動可能に支持され、油圧シリンダ14の他端部は回動フレーム12に回動可能に支持される。
油圧シリンダ14に作動油を供給することにより、回動フレーム12はメインフレーム11に対して回動する。
一対のクローラ15L・15Rは根菜収穫機1の走行装置であり、それぞれメインフレーム11の左右側方に設けられる。
エンジン16は根菜収穫機1の各部を駆動するための駆動力を発生する。
【0020】
引き起こし装置20はエンジン16からの駆動力(エンジン16から伝達された駆動力)により圃場に植えられているニンジン5の茎葉部を引き起こし、ニンジン5(図5の(a)参照)の茎葉部を「ニンジン5の主根部の上方に伸びた姿勢」に保持する。
図2および図3に示す如く、引き起こし装置20は茎葉掻き込み装置21、固定ボルト22、分葉装置23およびガイド体24を備える。
茎葉掻き込み装置21は掻き込みケース21a、掻き込み駆動プーリ21b、掻き込み従動プーリ21c・21dおよび掻き込みタイン21eを有し、エンジン16により駆動される。
固定ボルト22は掻き込みケース21aを回動フレーム12に固定するためのボルトである。固定ボルト22は樹脂製のハンドル部およびハンドル部から延びた金属製の胴体部を有し、当該胴体部の外周面には雄ネジが形成される。
分葉装置23は分葉ケース23a、分葉駆動プーリ23b、分葉従動プーリ23cおよび分葉タイン23dを有し、エンジン16により駆動される。
ガイド体24は茎葉掻き込み装置21の掻き込みケース21aの下端部に固定され、掻き込みケース21aの前方に突出する。
【0021】
根菜収穫機1が圃場を前方に走行し、根菜収穫機1の左前端部、すなわち引き起こし装置20が圃場に植えられたニンジン5・5・・・の上方に到達したとき、ガイド体24は圃場の表面に沿って低い姿勢で周囲に拡がったニンジン5・5・・・の茎葉部を圃場から持ち上げ、分葉装置23は「互いに折り重なった状態でガイド体24により持ち上げられたニンジン5・5・・・の茎葉部」を分葉タイン23dの複数の突起で引っかけて上方に持ち上げることによりニンジン5毎に茎葉部を分け捌き(隣り合うニンジン5・5の茎葉部を仕分け)、茎葉掻き込み装置21は分け捌かれたニンジン5の茎葉部を掻き込みタイン21eの複数の突起で引っかけて上方に引き寄せる。このようにして、引き起こし装置20は圃場に植えられているニンジン5の茎葉部を引き起こし、ニンジン5の茎葉部を「(圃場に埋まっている)ニンジン5の主根部」の上方に伸びた姿勢に保持する。
【0022】
図1に示すプラウ30は圃場に植えられているニンジン5・5・・・の主根部周囲の土を掘り起こすものである。
プラウ30は左右一対の刃体31・31および揺動アーム32を備え、エンジン16からの駆動力により駆動される。プラウ30は引き起こし装置20の下部(より詳細には、茎葉掻き込み装置21の前下部および分葉装置23の下部)の後方かつ下方となる位置に配置される。圃場に植えられたニンジン5(図5の(a)参照)の主根部の周囲となる部分(本実施形態では圃場に植えられたニンジン5の主根部の左右側方となる部分)に一対の刃体31・31の先端部が差し込まれ、一対の刃体31・31が上下方向に揺動することにより、ニンジン5の主根部周囲の土は掘り起こされ、軟らかくなる。
【0023】
図1から図3に示す引き抜き搬送装置40は本発明に係る引き抜き搬送装置の実施の一形態であり、引き起こし装置20により茎葉部が引き起こされるとともにプラウ30により主根部周囲の土が掘り起こされたニンジン5(図5の(a)参照)の茎葉部を圃場から引き抜いて搬送する。
図1および図2に示す如く、引き抜き搬送装置40は左右一対の引き抜き搬送ベルト41L・41R、左右一対の駆動プーリ42L・42Rおよび左右一対の従動プーリ43L・43Rを備える。
【0024】
一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rは無端状(リング状)のベルトである。
駆動プーリ42Lは駆動軸92aの一端部に固定される(図4参照)。駆動軸92aの中途部は「回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプのうち、左側の角パイプにおける後上側端部」に回転可能に軸支される。駆動プーリ42Rは駆動軸92bの一端部に固定される(図4参照)。駆動軸92bの中途部は「回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプのうち、右側の角パイプにおける後上側端部」に回転可能に軸支される。
従動プーリ43Lは「回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプのうち、左側の角パイプにおける前下側端部」に回転可能に軸支される。従動プーリ43Rは「回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプのうち、右側の角パイプにおける前下側端部」に回転可能に軸支される。
【0025】
引き抜き搬送ベルト41Lは駆動プーリ42Lおよび従動プーリ43Lに巻回され、引き抜き搬送ベルト41Rは駆動プーリ42Rおよび従動プーリ43Rに巻回される。
その結果、一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rは前下方から後上方に伸びた姿勢で(回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプの長手方向に平行な姿勢で)回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプの下方に配置される。
「引き抜き搬送ベルト41Lのうち外周面が右側方に向いている部分」および「引き抜き搬送ベルト41Rのうち外周面が左側方に向いている部分」は互いに対向し、これらの部分が「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」を成す。「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」は本発明に係る対向部の実施の一形態である。
図1に示す如く、「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」の前下側の端部(上流側端部)は引き起こし装置20(厳密には、茎葉掻き込み装置21の前下部および分葉装置23の下部)の後方かつプラウ30の上方に配置される。
一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rはエンジン16からの駆動力により回転駆動される。一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rが回転駆動されるとき、「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」は前下方から後上方に移動する。すなわち、引き抜き搬送ベルト41Lは平面視で時計回りに回転駆動され、引き抜き搬送ベルト41Rは平面視で反時計回りに回転駆動される。
【0026】
図1および図5に示す肩揃え装置50は本発明に係る肩揃え装置の実施の一形態であり、引き抜き搬送装置40(一対の引き抜き搬送ベルト41L・41R)により搬送されるニンジン5・5・・・の主根部の肩の位置を揃える。ここで、「根菜の主根部の肩」とは根菜の主根部のうち、茎葉部と連結されている部分の周囲となる部分を指す。
本実施形態の肩揃え装置50は左右一対の肩揃えベルト51L・51R、左右一対の駆動プーリ52L・52R、左右一対の従動プーリ53L・53R、左右一対の主ガイドバー54L・54Rおよび左右一対の副ガイドバー55L・55Rを備える。
【0027】
一対の肩揃えベルト51L・51Rは無端状(リング状)のベルトである。
駆動プーリ52Lは駆動軸91aの一端部に固定される(図4および図5の(b)参照)。駆動軸91aの中途部は回動フレーム12の前半部に回転可能に軸支される。
駆動プーリ52Rは駆動軸91bの一端部に固定される(図4および図5の(b)参照)。駆動軸91bの中途部は回動フレーム12の前半部に回転可能に軸支される。駆動プーリ52Rは駆動プーリ52Lの右側方となる位置に配置される。
従動プーリ53L・53Rはそれぞれ駆動プーリ52L・52Rの前方となる位置に配置され、回動フレーム12に回転可能に軸支される。また、従動プーリ53Rは従動プーリ53Lの右側方となる位置に配置される。
【0028】
肩揃えベルト51Lは駆動プーリ52Lおよび従動プーリ53Lに巻回され、肩揃えベルト51Rは駆動プーリ52Rおよび従動プーリ53Rに巻回される。
その結果、一対の肩揃えベルト51L・51Rは前方から後方に伸びた姿勢で回動フレーム12の前半部を成す左右一対の角パイプの下方に配置される。
「肩揃えベルト51Lのうち外周面が右側方に向いている部分」および「肩揃えベルト51Rのうち外周面が左側方に向いている部分」は互いに対向し、これらの部分が「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」を成す。
「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の前端部(上流側端部)は「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」の中途部の下方となる位置に配置される。
【0029】
一対の主ガイドバー54L・54Rは本発明に係る主ガイド部材の実施の一形態である。
本実施形態の一対の主ガイドバー54L・54Rはいずれも金属製の棒(丸棒)であり、左右に間隔を空けて配置され、回動フレーム12に固定される。
一対の主ガイドバー54L・54Rが回動フレーム12に固定されたとき、一対の主ガイドバー54L・54Rの一端部(前端部)は「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」の中途部の下方、かつ「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の前端部(上流側端部)よりも前下方(「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」におけるニンジン5の搬送方向の上流側)となる位置に配置され、一対の主ガイドバー54L・54Rの他端部(後端部)は「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の前端部(上流側端部)の下方となる位置に配置される。
また、一対の主ガイドバー54L・54Rは側面視でそれぞれの一端部がそれぞれの他端部よりも下方に向かって傾倒した姿勢で保持される。
【0030】
一対の副ガイドバー55L・55Rは本発明に係る副ガイド部材の実施の一形態である。
本実施形態の一対の副ガイドバー55L・55Rはいずれも金属製の棒(丸棒)であり、左右に間隔を空けて配置され、回動フレーム12に固定される。
一対の副ガイドバー55L・55Rが回動フレーム12に固定されたとき、一対の副ガイドバー55L・55Rはそれぞれ「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の下方に配置される。より詳細には、一対の副ガイドバー55L・55Rの一端部(前端部)はそれぞれ一対の主ガイドバー54L・54Rの他端部の後方に配置され、一対の副ガイドバー55L・55Rの中途部は一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部の下方に配置され、一対の副ガイドバー55L・55Rの他端部(後端部)は「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の後端部(下流側端部)よりも更に後方に突出した位置に配置される。
【0031】
肩揃え装置50はエンジン16からの駆動力により駆動される。一対の肩揃えベルト51L・51Rが回転駆動されるとき、「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」は前方から後方に移動する。すなわち、肩揃えベルト51Lは平面視で時計回りに回転駆動され、肩揃えベルト51Rは平面視で反時計回りに回転駆動される。
【0032】
図1および図5に示す茎葉切断装置60は本発明に係る茎葉切断装置の実施の一形態であり、肩揃え装置50により肩の位置が揃えられたニンジン5(図5の(a)参照)の茎葉部をニンジン5の主根部から切り離す装置である。
本実施形態の茎葉切断装置60は左右一対のディスク式カッター61L・61Rを備える。一対のディスク式カッター61L・61Rはいずれも上下一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材であり、これらの周縁部には鋭利な刃が形成される。
【0033】
一対のディスク式カッター61L・61Rは肩揃え装置50の後方、かつ平面視で肩揃え装置50の一対の肩揃えベルト51L・51Rおよび一対の副ガイドバー55L・55Rに重ならない位置に配置され、それぞれ駆動軸90aの一端部(上端部)および駆動軸90bの一端部(上端部)に固定される(図4および図5参照)。駆動軸90a・90bは回動フレーム12に回転可能に軸支される。
図5の(a)に示す如く、一対のディスク式カッター61L・61Rは左右に並び、ディスク式カッター61Lはディスク式カッター61Rよりもやや上方に配置される。
また、図5の(b)に示す如く、ディスク式カッター61Lの右端部とディスク式カッター61Rの左端部とは平面視で重なる。
図5の(a)および図5の(b)に示す如く、平面視でディスク式カッター61Lの右端部とディスク式カッター61Rの左端部とが重なる部分(以下「茎葉切断装置60の切断部」という。)は一対の副ガイドバー55L・55Rの他端部の後方に配置される。
【0034】
茎葉切断装置60はエンジン16からの駆動力により駆動される。
その結果、ディスク式カッター61Lは平面視で時計回りに回転し、ディスク式カッター61Rは平面視で反時計回りに回転する(図4および図5参照)。
【0035】
排葉装置70は茎葉切断装置60によりニンジン5の主根部から切り離されたニンジン5の茎葉部を圃場に排出する装置である。排葉装置70はエンジン16からの駆動力により回転駆動される。
図4に示す如く、排葉装置70は左右一対の排葉ベルト71L・71R、左右一対の駆動プーリ72L・72Rおよび左右一対の従動プーリ73L・73Rを備える。
排葉ベルト71Lは駆動プーリ72Lおよび従動プーリ73Lに巻回され、排葉ベルト71Rは駆動プーリ72Rおよび従動プーリ73Rに巻回される。
【0036】
図5の(a)に示す如く、引き抜き搬送装置40により前下方から後上方に向かって搬送されるニンジン5が一対の主ガイドバー54L・54Rの一端部(前端部)に到達したとき、ニンジン5の主根部の肩は一対の主ガイドバー54L・54Rに下方から当接する。
ニンジン5は、主根部の肩が一対の主ガイドバー54L・54Rに下方から当接した状態を保持しつつ後上方に向かって搬送され、ニンジン5の茎葉部の根元部分(茎葉部のうち主根部に連結されている部分)は一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部の上流側端部に導かれ、ニンジン5の主根部の肩は一対の主ガイドバー54L・54Rの他端部(一対の副ガイドバー55L・55Rの一端部)に到達する。
【0037】
ニンジン5の茎葉部は一対の副ガイドバー55L・55Rの間を通って上方に伸び、「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の前端部(上流側端部)により挟持される。
その結果、ニンジン5は、その主根部の肩が一対の副ガイドバー55L・55Rに下方から当接し、かつ、その茎葉部が「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」および「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」により挟持された状態を保持しつつ、後方に搬送される。
これ以降、ニンジン5が「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」により挟持された状態を保持しつつ後方に搬送されるとき、ニンジン5の主根部の肩は「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の下端部に当接しないので、一対の肩揃えベルト51L・51Rの摩耗が抑えられる。
なお、ニンジン5・5・・・の主根部の肩が一対の副ガイドバー55L・55Rに当接しつつ搬送されることにより一対の副ガイドバー55L・55Rも摩耗するが、一対の副ガイドバー55L・55Rを構成する材料を適宜選択する(例えば、鉄鋼材料等とする)ことにより、『ニンジン5・5・・・の主根部の肩が「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の下端部に当接する場合』に比べて部品の交換頻度を抑えることが可能である。
また、一対の副ガイドバー55L・55Rを鉄鋼材料等の棒で構成した場合、これらを安価に製造することが可能であり、交換時の部品コストを抑えることが可能である。
【0038】
図5の(a)に示す如く、引き続きニンジン5が後方に搬送され、ニンジン5の茎葉部が「一対の排葉ベルト71L・71Rの対向部」の前端部(上流側端部)に到達したとき、「一対の排葉ベルト71L・71Rの対向部」がニンジン5の茎葉部を挟持するとともに、「一対の引き抜き搬送ベルト41L・41Rの対向部」はニンジン5の茎葉部を挟持した状態を解除する。
従って、これ以降、ニンジン5は、その主根部の肩が一対の副ガイドバー55L・55Rに下方から当接し、かつその茎葉部が「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」および「一対の排葉ベルト71L・71Rの対向部」により挟持された状態を保持しつつ、後方に搬送される。
【0039】
図5の(a)に示す如く、引き続きニンジン5が後方に搬送され、茎葉部の根元部分が「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」の後端部(下流側端部)よりも後方となる位置に到達したとき、「一対の肩揃えベルト51L・51Rの対向部」はニンジン5の茎葉部を挟持した状態を解除する。
その結果、ニンジン5は、その主根部の肩が一対の副ガイドバー55L・55Rに下方から当接し、かつその茎葉部が「一対の排葉ベルト71L・71Rの対向部」により挟持された状態を保持しつつ、後方に搬送される。
【0040】
図5の(a)に示す如く、引き続きニンジン5が後方に搬送され、ニンジン5の茎葉部の根元部分が「茎葉切断装置60の切断部」に到達したとき、ニンジン5の茎葉部はニンジン5の主根部から切り離され、ニンジン5の主根部は下方に落下する。
また、ニンジン5の主根部から切り離された後のニンジン5の茎葉部は「一対の排葉ベルト71L・71Rの対向部」に挟持されつつ後方に搬送され、根菜収穫機1の後方に排出され、圃場に落下する。
【0041】
本実施形態では茎葉切断装置60(一対のディスク式カッター61L・61R)は一対の肩揃えベルト51L・51Rおよび一対の副ガイドバー55L・55Rに対して上下方向の位置を調整可能に回動フレーム12に固定される。
このように構成することにより、ニンジン5の切断位置(茎葉部と主根部とを切り離す位置)を調整することが可能である。
【0042】
本実施形態では茎葉切断装置60(一対のディスク式カッター61L・61R)は一対の肩揃えベルト51L・51Rよりも後方かつ平面視で一対の肩揃えベルト51L・51Rに重ならない位置に配置される。
このように構成することにより、一対の肩揃えベルト51L・51Rに対する茎葉切断装置60の上下方向の位置を調整するときに茎葉切断装置60が一対の肩揃えベルト51L・51Rに接触する(干渉する)ことがないので、「ニンジン5の切断位置」の選択の幅(自由度)を大きくすることが可能である。
【0043】
本実施形態では茎葉切断装置60(一対のディスク式カッター61L・61R)は平面視で一対の肩揃えベルト51L・51Rだけでなく一対の副ガイドバー55L・55Rにも重ならない位置に配置される。
このように構成することにより、一対の肩揃えベルト51L・51Rおよび茎葉切断装置60の上下方向の位置を調整するときに茎葉切断装置60が一対の肩揃えベルト51L・51Rおよび一対の副ガイドバー55L・55Rに接触する(干渉する)ことがないので、「ニンジン5の切断位置」の選択の幅(自由度)を更に大きくすることが可能である。
より詳細には、一対のディスク式カッター61L・61Rを一対の副ガイドバー55L・55Rよりも上方となる位置(図5の(a)参照)に配置することによりニンジン5の茎葉部の中途部で切断し、一対のディスク式カッター61L・61Rを一対の副ガイドバー55L・55Rよりも下方となる位置(図5の(a)参照)に配置することによりニンジン5の主根部の肩で切断することが可能である。
【0044】
なお、根菜の切断位置(茎葉部と主根部とを切り離す位置)を調整する方法としては、「茎葉切断装置に対して副ガイド部材を上下方向に移動させる方法」も考えられる。
しかし、「茎葉切断装置に対して副ガイド部材を上下方向に移動させる方法」の場合、「副ガイド部材と肩揃え装置を構成する他の部材(一対の肩揃えベルトおよび主ガイド部材)との位置関係」、あるいは「肩揃え装置と引き抜き搬送装置との位置関係」が変更されるので、根菜の肩揃えを確実に行い、根菜の切断位置を精度良く維持する観点からは好ましくない。
すなわち、根菜の肩揃えを確実に行い、根菜の切断位置を精度良く維持する観点からは、本実施形態の如く引き抜き搬送装置40と肩揃え装置50との位置関係を変更することなく茎葉切断装置60の上下方向の位置を調整することが望ましい。
【0045】
主根部搬送装置74は茎葉切断装置60により茎葉部が切り離されたニンジン5の主根部を搬送し、最終的に収納袋79に収納する装置である。
図1から図4に示す如く、主根部搬送装置74は残葉処理ベルト75、斜めローラ76、選別コンベア77および収納袋係止部材78を備える。
残葉処理ベルト75によって前方に搬送されてきたニンジン5の主根部に茎葉部が残っている場合、当該残っている茎葉部は斜めローラ76の外周面および「残葉処理ベルト75の搬送部」の上面との隙間に巻き込まれ、ニンジン5の主根部から引きちぎられる。
斜めローラ76によりニンジン5の主根部から引きちぎられた茎葉部は、「残葉処理ベルト75の搬送部」の前端部(下流側の端部)から圃場に落下する。
また、ニンジン5の主根部は斜めローラ76に押されて徐々に右側方に寄せられ、「残葉処理ベルト75の搬送部」の右前部から下方の選別コンベア77に落下する。
【0046】
選別コンベア77が回転駆動されたとき、「選別コンベア77の搬送部」は左下方から右上方に向かって移動する。従って、「選別コンベア77の搬送部」により受け止められたニンジン5の主根部は、選別コンベア77によって右上方に搬送される。
収納袋係止部材78は収納袋79を係止し、収納袋79の開口部が「選別コンベア77の搬送部」の右上端部(下流側端部)の下方に配置された状態を保持する部材である。
収納袋係止部材78はメインフレーム11に固定される。
選別コンベア77によって右上方に搬送されてきたニンジン5の主根部は「選別コンベア77の搬送部」の右上端部(下流側端部)から収納袋係止部材78によって係止された収納袋79の内部に落下し、収納袋79に収納される。
【0047】
以下では、図4を用いて根菜収穫機1の駆動力の伝達経路について説明する。
図4に示す如く、エンジン16において発生した駆動力は、エンジン16の出力軸16aから駆動力伝達部材(プーリ、ベルト等)を経てHST(Hydro Static Transmission;静油圧式無段変速機)17の入力軸17aに伝達され、HST17により変速され、HST17の出力軸17bに伝達され、変速機18に伝達され、変速機18において変速され、駆動力伝達部材(スプロケット、チェーン、遊星歯車機構等)を経て一対のクローラ15L・15Rに伝達される。その結果、一対のクローラ15L・15Rが回転駆動される。
また、入力軸17aに伝達された駆動力は油圧ポンプ19に伝達され、油圧ポンプ19は油圧シリンダ14(図1参照)を伸長および収縮させるための作動油を圧送する。
【0048】
HST17の出力軸17bに伝達された駆動力は、駆動力伝達部材(スプロケット、チェーン等)、PTO軸87、駆動力伝達部材(プーリ、ベルト、伝動軸、歯車等)を経て第一伝達シャフト88a、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車等)、伝達軸89a、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車等)を経て駆動軸90a・90b・91a・91bに伝達され、駆動軸90a・90b・91a・91bが回転駆動される。その結果、茎葉切断装置60の一対のディスク式カッター61L・61Rおよび肩揃え装置50の一対の肩揃えベルト51L・51R(一対の駆動プーリ52L・52R)が回転駆動される。
【0049】
伝達軸89aに伝達された駆動力は駆動力伝達部材(スプロケット、チェーン等)、伝達軸89b・89c・89d・89e、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車、プーリ、ベルト等)を経て駆動軸92a・92b・93a・93bに伝達され、駆動軸92a・92b・93a・93bが回転駆動される。その結果、引き抜き搬送装置40の一対の引き抜き搬送ベルト41L・41R(一対の駆動プーリ42L・42R)および排葉装置70の一対の排葉ベルト71L・71R(一対の駆動プーリ72L・72R)が回転駆動される。
【0050】
エンジン16において発生した駆動力は、エンジン16の出力軸16aから駆動力伝達部材(プーリ、ベルト等)、伝達軸94、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車等)、第二伝達シャフト88b、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車、プーリ、ベルト等)、伝達軸95、駆動力伝達部材(伝動軸、歯車、スプロケット、チェーン等)を経て駆動軸96a・96bに伝達され、駆動軸96a・96bが回転駆動される。
その結果、茎葉掻き込み装置21の掻き込みタイン21e(掻き込み駆動プーリ21b)および分葉装置23の分葉タイン23d(分葉駆動プーリ23b)が回転駆動される。
【0051】
伝達軸94に伝達された駆動力は駆動力伝達部材(プーリ、ベルト、スプロケット、チェーン、伝動軸、歯車等)を経て駆動軸98a、斜めローラ76および駆動軸99aに伝達される。その結果、主根部搬送装置74の残葉処理ベルト75、斜めローラ76および選別コンベア77が回転駆動される。
【0052】
以下では、図2を用いて根菜収穫機1の操作系について説明する。
図2に示す如く、根菜収穫機1は二つの座席80a・80bを具備し、二人の作業者がそれぞれ座席80a・80bに座って根菜収穫機1の各部を操作することにより、根菜収穫機1を走行させつつニンジン5・5・・・を収穫する作業を行うことが可能である。
座席80aは根菜収穫機1の右前部に配置され、メインフレーム11に固定される。
根菜収穫機1はアクセルレバー81、走行レバー82、旋回・上下レバー83、掘り取りクラッチレバー84、選別クラッチレバー85、手作業クラッチレバー86等の操作レバー群を具備し、これらの操作レバー群は座席80aの周囲に配置される。
座席80aに着座した作業者は、座席80aの周囲に配置された操作レバー群を操作することにより根菜収穫機1の各部の操作を行う。
【0053】
本実施形態では一対の主ガイドバー54L・54Rの間を通過するニンジン5の茎葉部の太さに応じて、回動フレーム12に固定される一対の主ガイドバー54L・54Rの左右の間隔を調整することが可能である。
同様に、一対の副ガイドバー55L・55Rの間を通過するニンジン5の茎葉部の太さに応じて、回動フレーム12に固定される一対の副ガイドバー55L・55Rの左右の間隔を調整することが可能である。
【0054】
本実施形態では一対の主ガイドバー54L・54Rおよび一対の副ガイドバー55L・55Rはいずれも別体(別の部材)であるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、主ガイドバー54Lの他端部(後端部)を副ガイドバー55Lの一端部(前端部)に連結し、主ガイドバー54Rの他端部(後端部)を副ガイドバー55Rの一端部(前端部)に連結しても良い。また、主ガイドバー54Lおよび副ガイドバー55Lを一体成形し(一本の棒を適宜曲げて成形し)、主ガイドバー54Rおよび副ガイドバー55Rを一体成形しても(一本の棒を適宜曲げて成形しても)良い。
【符号の説明】
【0055】
1 根菜収穫機、2 手動根菜供給経路、5 ニンジン(根菜)、20 引き起こし装置、21 茎葉掻き込み装置、21b 掻き込み駆動プーリ、21e 掻き込みタイン、22 固定ボルト、23 分葉装置、30 プラウ、40 引き抜き搬送装置、41L・41R 一対の引き抜き搬送ベルト、50 肩揃え装置、51L・51R 一対の肩揃えベルト、54L・54R 一対の主ガイドバー(主ガイド部材)、55L・55R 一対の副ガイドバー(副ガイド部材)、60 茎葉切断装置、61L・61R 一対のディスク式カッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面が互いに対向する部分が対向部を成す一対の引き抜き搬送ベルトを備え、根菜の茎葉部を前記一対の引き抜き搬送ベルトの対向部が挟持することにより根菜を圃場から引き抜くとともに前下方から後上方に搬送する引き抜き搬送装置と、
前記引き抜き搬送装置により搬送される根菜の主根部の肩の位置を揃えつつ当該根菜を後方に搬送する肩揃え装置と、
前記肩揃え装置により肩の位置が揃えられた根菜の茎葉部を根菜の主根部から切り離す茎葉切断装置と、
を具備し、
前記肩揃え装置は、
外周面が互いに対向する部分が対向部を成し、当該対向部が根菜の茎葉部を挟持しつつ当該根菜を後方に搬送する一対の肩揃えベルトと、
一端部が前記一対の引き抜き搬送ベルトの対向部の中途部の下方に配置され、他端部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部の下方に配置され、前記引き抜き搬送装置により搬送される根菜の主根部の肩に当接することにより当該根菜の茎葉部の根元部分を前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部に導く主ガイド部材と、
一端部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の上流側端部の下方かつ前記主ガイド部材の他端部の後方となる位置に配置され、中途部が前記一対の肩揃えベルトの対向部の下方に配置され、前記一対の肩揃えベルトにより搬送される根菜の主根部の肩に当接する副ガイド部材と、
を備える、
根菜収穫機。
【請求項2】
前記副ガイド部材の他端部は、
前記一対の肩揃えベルトの対向部の下方かつ後方に突出した位置に配置され、
前記茎葉切断装置は、
前記一対の肩揃えベルトの後方かつ平面視で前記一対の肩揃えベルトに重ならない位置に配置されるとともに前記一対の肩揃えベルトに接触することなく前記一対の肩揃えベルトおよび前記副ガイド部材に対して上下方向の位置を調整することが可能な左右一対のディスク式カッターを備える、
請求項1に記載の根菜収穫機。
【請求項3】
前記左右一対のディスク式カッターは、
平面視で前記副ガイド部材に重ならない位置に配置され、前記副ガイド部材に接触することなく前記一対の肩揃えベルトおよび前記副ガイド部材に対して上下方向の位置を調整することが可能である、
請求項2に記載の根菜収穫機。
【請求項4】
前記副ガイド部材は、
左右に間隔を空けて配置される一対の棒である、
請求項2または請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項5】
前記副ガイド部材の一対の棒の左右の間隔は調整可能である、
請求項4に記載の根菜収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−27320(P2013−27320A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163727(P2011−163727)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】