説明

格子状コア材の製造装置、製造方法及びフラッシュパネル

【課題】フラッシュパネル等に採用されるコア材を人手を介さずに自動的に格子状とする。
【解決手段】縦桟を板厚方向に所定間隔で平行に配置し、長手方向に所定ピッチずつ移送する縦桟移送部材8と、各縦桟10に対し、側縁部に短手方向の切欠をそれぞれ形成する縦桟切欠形成部材9と、縦桟切欠形成部材9によって切欠を形成されて縦桟組付位置に搬送された縦桟10に対し、移送方向とは直交する方向から、側縁部に各縦桟の間隔に合わせて短手方向の切欠を形成された横桟51を接近させて、切欠同士を互いに係合させることにより、縦桟10に対して横桟51を組み付ける組付部材45と、を備えた構成とし、縦桟10と横桟51とからなるコア材を格子状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子状コア材の製造装置及び製造方法、さらには、この製造方法により製造される格子状コア材を使用したフラッシュパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の内装材や家具材等に用いられる建築用パネル材として、矩形枠体内に、コア材を配置し、その表裏に面材を貼り付けて形成した、いわゆるフラッシュパネルが汎用されている。
【0003】
従来、このようなフラッシュパネルのコア材には、ハニカム形状等の段ボール材質のものや発泡剤からなるものが使用されている。
【0004】
しかしながら、段ボール材質や発泡剤は剛性に乏しく、フラッシュパネルの強度を十分に高めることができないという問題がある。
【0005】
このため、例えば、特許文献1に開示されるような、縦桟と横桟を格子状に組み合わせてコア材としたものが考えられている。
【0006】
ところが、縦桟と横桟を格子状に組み合わせるために、それぞれに切欠を形成し、人手が必要となり、作業が繁雑で煩わしいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−328578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、フラッシュパネル等に採用されるコア材を人手を介さずに自動的に格子状とすることのできる格子状コア材の製造装置、製造方法、及び、この格子状コア材を使用したフラッシュパネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
格子状コア材の製造装置を、
縦桟と横桟とからなるコア材を格子状に形成するための格子状コア材の製造装置であって、
前記縦桟を板厚方向に所定間隔で平行に配置し、長手方向に所定ピッチずつ移送する縦桟移送部材と、
前記各縦桟に対し、側縁部に短手方向の切欠をそれぞれ形成する縦桟切欠形成部材と、
前記縦桟切欠形成部材によって切欠を形成されて縦桟組付位置に搬送された各縦桟に対し、移送方向とは直交する方向から、側縁部に前記各縦桟の間隔に合わせて短手方向の切欠を形成された横桟を接近させて、切欠同士を互いに係合させることにより、縦桟に対して横桟を組み付ける組付部材と、
を備えた構成としたものである。
【0010】
この構成により、縦桟と横桟とを自動的に組み立てて格子状のコア材を完成することができる。
【0011】
前記縦桟移送部材による移送寸法は変更可能であるのが好ましい。
【0012】
この構成により、縦桟に形成する切欠の位置を自由に設定することができる。
【0013】
前記縦桟を切断して長手方向の寸法を変更する切断部材を備えるのが好ましい。
【0014】
この構成により、縦桟を自動的に所望の寸法とすることが可能となる。
【0015】
前記縦桟移送部材は、開閉可能な一対の挟持部と、前記一対の挟持部を前記縦桟の搬送方向に往復移動させる駆動部とを備え、
前記挟持部は、開閉して前記縦桟を挟持可能で、かつ、前記縦桟の搬送方向側の端部が当接するストッパ面を備えるのが好ましい。
【0016】
この構成により、一対の挟持部という簡単な構成であるにも拘わらず、縦桟の長手方向での位置決めを行うと共に、長手方向の移送寸法を自由に設定することができる。
【0017】
前記組付部材は、
前記横桟を保持し、横桟用切欠位置と、横桟組付位置とに移送可能な横桟移送部と、
前記横桟移送部によって横桟用切欠位置に移送された横桟に対し、側縁部に短手方向の切欠を形成する横桟切欠形成部と、
前記縦桟組付位置に移送された縦桟に対し、前記横桟移送部によって横桟組付位置に移送された横桟を相対的に押し込んで、切欠同士を互いに係合させることにより、縦桟に対して横桟を組み付ける押込部と、
を備えるのが好ましい。
【0018】
この構成により、横桟に、横桟切欠形成部で切欠を形成し、横桟移送部で横桟組付位置に移送することができ、押込部によって縦桟に組み付けることができ、横桟の供給及び組付をも自動化することができる。
【0019】
前記横桟移送部は、前記横桟を横桟切断位置に移送可能であり、
前記組付部材は、前記横桟移送部により横桟切断位置に移送された横桟を切断して長手方向の寸法を変更する横桟切断部を備えるのが好ましい。
【0020】
この構成により、横桟をも自動的に所望の長さとすることが可能となる。
【0021】
前記横桟移送部は、支軸を中心として回転可能で、周方向に等ピッチで外径方向に突出し、かつ、横桟を保持可能な複数の支持アームを備え、各支持アームで、保持した横桟を順次、前記各位置に移送可能であるのが好ましい。
【0022】
この構成により、複数の支持アームを回転させるだけの簡単な構成で横桟を移送し、切欠を形成したり、所望寸法に切断したり、縦桟に組み付けたりすることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、縦桟を、縦桟移送部材により搬送し、縦桟切欠形成部材により切欠を形成することで、自動的に組付可能な状態で供給することができる。そして、組付部材により、縦桟に対して横桟を組み付けることができ、全工程を自動化することが可能となる。また、各桟には切欠を形成して組み立てるだけでよいので、廃材の発生を必要最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る格子状コア材の製造装置を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図3の縦桟供給部分を示す拡大図である。
【図5】図3のガイド部材及びカッター部材を含む部分拡大図である。
【図6】図2のローラ部材を含む部分拡大図である。
【図7】図1のローラ部材及びカッター部材を含む部分拡大図である。
【図8】図1の縦桟移送部材及び縦桟切欠形成部材を含む部分拡大図である。
【図9】図1の左側面断面図であり、縦桟移送部材及び縦桟切欠形成部材が見える状態を示す。
【図10】図9の縦桟移送部材及び縦桟切欠形成部材を含む部分拡大図である。
【図11】図1の横桟供給ユニットが見える状態での部分拡大図である。
【図12】図11の横桟供給ユニットを示す側面拡大図である。
【図13】本実施形態に係る格子状コア材の製造装置によるコア材の製造方法を示すフローチャートである。
【図14】図13の縦桟供給処理を示すフローチャートである。
【図15】図13の縦桟供給処理を示すフローチャートである。
【図16】図14の横桟供給処理を示すフローチャートである。
【図17】図13の縦桟供給処理を示すタイムチャート図である。
【図18】図14の横桟供給処理を示すタイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0026】
(1.全体構成)
図1は、本実施形態に係る格子状コア材の製造装置を示す。この製造装置は、装置本体1の上方側支持台2に縦桟供給ユニット3を備え、上方側支持台2の一端側に位置する下方側支持台4に横桟供給ユニット5を備える。これらユニットは、制御装置6により駆動制御されるようになっている。
【0027】
(1−1.縦桟供給ユニット3)
縦桟供給ユニット3は、縦桟供給部7、縦桟移送部材8、及び、縦桟切欠形成部材9を有している。
【0028】
(1−1−1.縦桟供給部7)
縦桟供給部7は、図3、詳しくは図4に示すように、縦桟10が縦積みされた縦桟用マガジン11を備える。縦桟用マガジン11は、下端側面に払出口11aを形成され、縦桟プッシャー12により1つずつ幅方向に押し出されて払い出されるようになっている。縦桟用マガジン11から払い出された縦桟10は、第1ガイド部材13及び第2ガイド部材14を介して各搬送レール部15へと至り、各搬送レール部15から水平方向(各搬送レール部15に供給された縦桟10の長手方向)へと移送されるようになっている。
【0029】
第1ガイド部材13は、縦桟用マガジン11から払い出された縦桟10を幅方向に並設した状態で板厚方向にガイドする一対の対向する第1ガイド板16a、16bを備える。第1ガイド部材13の入口側(縦桟用マガジン側)では、一方(下方側)の第1ガイド板16aが徐々に縦桟用マガジン11の払出口側に向かって屈曲しており、縦桟10がスムーズに案内されるようになっている。また、第1ガイド部材13の出口側には、エアシリンダ17の駆動により開閉する第1シャッター18が設けられ、通路内に所定数の縦桟10を貯留できるようになっている。
【0030】
第2ガイド部材14は、装置本体1の上面に設けた第1支持ブロック19にスライド可能に支持されている。
【0031】
第1支持ブロック19は、装置本体1の上面から上方に向かって延びる垂直部19aと、この垂直部19aの上端から水平方向に延びる水平部19bとからなる。第2ガイド部材14は、水平部の下面にスライド可能に支持され、モータ20の駆動によりボールネジ(共に図示せず)を介して装置本体1の幅方向に往復移動可能となっている。また、第2ガイド部材14は、前記第1ガイド部材13と同様に、一対の対向する第2ガイド板21a、21bを備える。
【0032】
第2ガイド部材14の入口側では、一方(上方側)の第2ガイド板21aが、第1ガイド部材13側に向かうに従って徐々に他方のガイド板21bから離れるように斜めに形成され、第1ガイド部材13から供給される縦桟10を、スムーズに第2ガイド部材14の通路内に導くことができるようになっている。
【0033】
第2ガイド部材14の出口側には、第2シャッター22が設けられている。第2シャッター22は、所定間隔で配置されて通路を閉鎖する一対のシャッター部(第1シャッター部23及び第2シャッター部24)で構成されている。ここでは、各シャッター部23、24には、ピン形状のものを所定間隔で配置したものを使用している。出口側に位置する第1シャッター部23で通路を閉鎖し、その上流側の第2シャッター部24を開閉し、両シャッター部の間に縦桟10を1つだけ保持した状態で、後述するいずれかの搬送レール部15上に移動し、第1シャッター部23を開放することにより、前記搬送レール部15に保持した縦桟10を供給することが可能である。
【0034】
搬送レール部15は、図5に示すように、装置本体1の上方側支持台2に図示しないフレームを介して支持される2つ1組のガイド板25を、装置本体1の幅方向に所定間隔で複数(ここでは、8組)配置することにより、複数の搬送路を形成したものである。
【0035】
1組のガイド板25によって形成される搬送路の上方側には、エアシリンダ26aにより搬送路内に進退する第3シャッター26が配置されている。これにより、搬送路の下端部(搬送位置)に縦桟10を位置させた状態で、第3シャッター26により次の縦桟10を待機させておくことができ、迅速な処理を行うことが可能となっている。
【0036】
各1組のガイド板25の一端側(縦桟10の搬送方向下流側)には、図2に示すように、ローラ部材27がそれぞれ配置されている。各ローラ部材27は、図6及び図7に示すように、ガイド板25に形成した切欠部25aを介して搬送路内に露出する固定ローラ28と可動ローラ29とを備えている。固定ローラ28は、モータ28aにより回転駆動し、可動ローラ29との間に挟持した縦桟10を図中左方向へと搬送する。また、可動ローラ29は、エアシリンダ29bにより支軸29aを介して固定ローラ28に対して接離し、縦桟10を挟持可能である。ローラ部材27は、縦桟10を縦桟供給ユニット3から縦桟移送部材8側へと搬送するためのもので、その後の処理では可動ローラ29が固定ローラ28から離間して縦桟10には干渉しないようになっている。
【0037】
各ローラ部材27の近傍(縦桟10の搬送方向上流側)には、図5及び図7に示すように、カッター部材30がそれぞれ配置されている。各カッター部材30は、クランク状に形成され、接離可能に対向するように配置された一対のカッター63aで構成されている。カッター63aは、ガイド板25に形成した切欠部25bを介して搬送路内に侵入し、縦桟10を定寸(作成する格子状コア材の縦桟10に適した一定寸法)に切断するために使用する。
【0038】
装置本体1の上方側支持台2には、図3に示すように、第2支持ブロック31によって支軸32aを中心として回動可能に支持された支持プレート32が設けられている。支軸32aからはアーム部33が延び、その先端には、エアシリンダ34の先端部分が回転可能に連結されている。そして、エアシリンダ34を駆動すると、支持プレート32は、支軸32aを中心として回動し、水平位置から、上方側支持台2の開口(図示せず)を介して傾斜した排出位置へと回動する。装置本体1の下方側には傾斜プレート35が配置され、さらにその先には搬送ベルト36が配置されている。これにより、支持プレート32が傾斜すれば、その上に残留する縦桟10の切れ端が滑り落ち、さらに傾斜プレート35を滑り落ちて搬送ベルト36に至る。そして、搬送ベルト36を駆動することにより図示しない排出位置へと排出される。
【0039】
(1−1−2.縦桟移送部材8)
縦桟移送部材8は、図1に示すように、下方側支持台4の上方に配置されたレール部材37に設けられている。そして、縦桟移送部材8は、モータ8aの駆動により、レール部37に沿って往復移動し、基準位置、搬送開始位置、及び、搬送終点位置にそれぞれ位置決め可能となっている。搬送開始位置から搬送終点位置までの移動寸法は、任意に設定可能である。また、縦桟移送部材8は、図8に示すように、前記各搬送レール部15にそれぞれ対応して複数の挟持部材38を備える。
【0040】
各挟持部材38は、図10に示すように、エアシリンダ39によって水平方向に開閉する一対の挟持片40をそれぞれ有する。挟持片40は、挟持面同士を互いに当接させた当接位置で、その片面に搬送レール部15からローラ部材27によって搬送されてきた縦桟10の端面が当接するストッパ面41を構成する。縦桟10の端面がストッパ面41に当接した位置が縦桟10の基準位置である。ストッパ面41の近傍(縦桟10の搬送方向上流側)には、図示しないセンサが設けられ、縦桟10が基準位置に位置しているか否かが検出される。また、挟持片40は、挟持面の間に縦桟10の上方部分を挟持し、その下方側に、後述する縦桟切欠形成部材9により縦桟10に切欠を形成するための空間を提供する。
【0041】
(1−1−3.縦桟切欠形成部材9)
縦桟切欠形成部材9は、前記縦桟移送部材8の近傍(縦桟10の搬送方向下流側の縦桟切欠位置)に配置され、支軸42aを中心として接離可能に回動する一対の回動片42を備える。一方の回動片42には、平面視矩形状の突起43が形成され、これと対向する他方の回動片42には、突起43が侵入する矩形孔44が形成されている。そして、矩形孔44に突起43が侵入することにより縦桟10に切欠を形成することが可能となっている。
【0042】
(1−2.横桟供給ユニット5)
横桟供給ユニット5は、図11及び図12に示すように、装置本体1の下方側支持台4に載置される組付部材45を備える。組付部材45は、横桟供給部46、横桟移送部47、横桟切断部48、横桟切欠形成部49、及び、押込部50を有している。
【0043】
(1−2−1.横桟供給部46)
横桟供給部46は、図11に示すように、横桟51が縦積みされた横桟用マガジン52を備える。横桟用マガジン52は、その下方側に配置されたベルトコンベア53の両側に配置されている。横桟用マガジン52内に配置された横桟51は、図示しないプッシャーによって最下部に位置するものから順に幅方向に排出され、ベルトコンベア53上に載置されるようになっている。
【0044】
ベルトコンベア53上に載置された横桟51は、このベルトコンベア53の駆動により横桟待機部54へと搬入される。横桟待機部54は、図12に示すように、上下方向に所定間隔(横桟51の厚み寸法よりも若干広い間隔)で配置された一対の平板55と、この平板55の間を水平方向に往復移動可能な押出板56とを備える。押出板56は、エアシリンダ57の駆動により平板55間に供給された横桟51を、後述する横桟移送部47側へと押し出す。
【0045】
(1−2−2.横桟移送部47)
横桟移送部47は、支軸58aを中心として回転可能に設けた支持円板58に、回転方向に4箇所等分で支持アーム59を突出させたものである。支持アーム59の先端部分には横桟51を保持するための保持凹部60が形成されている。保持凹部60の幅寸法は横桟51の厚みよりも若干広く、その一方の対向面には、横桟51の長手方向に沿って複数箇所にボールプランジャ61のボールが押込可能に突出している。したがって、保持凹部60内に横桟51を挿入すると、この横桟51はボールによって他方の対向面との間に挟持される。横桟移送部47は、モータ62の駆動により、支軸58aを中心として90度ピッチで回転し、各支持アーム59の保持凹部60を、横桟保持位置、横桟切断位置、横桟切欠位置、及び、横桟組付位置へと移動させる。横桟組付位置は、縦桟切欠位置から縦桟10の送り寸法(1ピッチ長さ)だけ移動した位置となっている。
【0046】
(1−2−3.横桟切断部48)
横桟切断部48は、前記カッター部材30と同様に、接離可能な一対のカッター63で構成され、横桟移送部47の支持アーム59に保持された横桟51の一端側に配置されている。この横桟51の他端側には横桟プッシャー64が配置されている。横桟プッシャー64は、横桟51の一端面を押圧し、所定位置に位置決めする。カッター63は、横桟プッシャー64によって位置決めされた横桟51を切断し、予め決められた所定寸法に切断する。したがって、横桟51が横桟プッシャー64によって押圧されているときには、カッター63は互いに離間している。
【0047】
(1−2−4.横桟切欠形成部49)
横桟切欠形成部49は、前記縦桟切欠形成部材9と同様に、支軸65aを中心として回動することにより接離する一対の回動片65を備えている。横桟切欠形成部49は移動台66上に、装置本体1の幅方向(図12中、紙面に垂直な方向)に向かって所定ピッチ(縦桟10の並設された間隔と同じ)で配置されている。移動台66は、エアシリンダ66aの駆動により、縦桟10の搬送方向に沿って往復移動可能となっている。また、横桟切欠形成位置の横桟51は、位置決めプッシャー66cにより長手方向の所定位置に位置決めされる。
【0048】
(1−2−5.押込部50)
押込部50は、図11に示すように、エアシリンダ67aの駆動により昇降する押込板67を備える。押込板67は、横桟移送部47のアーム部59の側方に位置し、保持凹部60に保持された横桟51を上方へと押圧し、縦桟10へと押し込む。
【0049】
横桟供給ユニット5の近傍(縦桟10の搬送方向下流側)には、図12に示すように、排出部材68が配置されている。排出部材68は対向する一対のローラ(下方側ローラ69及び上方側ローラ70)を備える。下方側ローラ69は図示しないモータ20により回転駆動可能となっており、エアシリンダ69aの駆動により昇降して上方側ローラ70に接離する。
【0050】
(1−3.制御装置6)
制御装置6は、図1に示すように、入力部71及び表示部72を備え、入力部71での入力信号、前記センサでの検出信号等に基づいて、前記各種モータ等を駆動制御することにより、後述するようにして格子状のコア材を形成する。
【0051】
(2.動作)
次に、前記構成からなる格子状コア材の製造装置の動作について、図13から図16のフローチャートに従って説明する。
【0052】
この製造装置では、予め、縦桟10と横桟51の長さ、各桟に形成する切欠の位置が、入力部71での入力値等によって決められている。そして、図13に示すように、スタートボタン等の開始操作に基づいて(ステップS1)、以下のようにして、縦桟供給処理(ステップS2)と横桟供給処理(ステップS3)とを並行に実行する。そして、縦桟10に対して横桟51を組み付ける(ステップS4)。その後、縦桟を所定ピッチだけ長手方向に搬送した後(ステップS5)、コア材が完成していなければ(ステップS6:NO)、前記ステップS3に戻って横桟供給処理と横桟51の組付を繰り返す。そして、コア材が完成すれば(ステップS6:YES)、一連の処理を終了し、完成したコア材を搬出する(ステップS7)。これら一連の処理は連続して行うことにより、複数のコア材を連続的に形成する。
【0053】
(2−1.縦桟供給処理)
縦桟供給処理では、図14及び図15のフローチャート、並びに、図17のタイムチャートに示すように、まず、縦桟プッシャー12を駆動し、縦桟用マガジン11の最下部に位置する縦桟10から順に第1ガイド部材13に供給する(ステップS11)。第1ガイド部材13では、第1シャッター18を閉鎖し、所定数の縦桟10が供給されるまで待機する(ステップS12)。また、第1支持ブロック19に沿って第2ガイド部材14を移動させ、第1ガイド部材13に連続するように位置決めする(ステップS13)。第1ガイド部材13に所定数の縦桟10の供給が完了すれば(ステップS14:YES)、第1ガイド部材13の第1シャッター18を開放し、第1ガイド部材13に保持した縦桟10を第2ガイド部材14に移送する(ステップS15)。そして、第2ガイド部材14を各搬送レール部15の上方へと移動させ、保持する縦桟10を1つずつ供給する(ステップS16)。ここでは、第2シャッター部24を閉鎖あるいは第2シャッター部24で次の縦桟10を押え、第1シャッター部23を開放することにより、先頭に位置する縦桟10のみを搬送レール部15へと供給する。そして、第1シャッター18を閉鎖し、第2シャッター22を開放することにより、次の縦桟10を供給可能な状態とする。以下、同様にして、第2ガイド部材14を次の搬送レール部15の上方へと移動させ、縦桟10を1つずつ供給する。
【0054】
各搬送レール部15への縦桟10の供給が完了すれば(ステップS17)、可動ローラ29を固定ローラ28側に接近させて両ローラ28、29の間に縦桟10を挟持する(ステップS18)。そして、固定ローラ28を回転駆動し、縦桟10を組付部材45側に向かって長手方向に搬送する(ステップS19)。このとき、予め挟持部材38を当接位置(図8中、2点鎖線で示す。)に位置させ、挟持片40を閉鎖しておく。これにより、搬送レール部15から搬送された縦桟10の先端面が両挟持片40によって形成されるストッパ面41に当接する。
【0055】
縦桟10の先端面がストッパ面41に当接し、基準位置に位置決めされたことがセンサによって検出されれば(ステップS20)、固定ローラ28の駆動を停止し(ステップS21)、縦桟10から可動ローラ29を離間させる(ステップS22)。これにより、縦桟10の搬送が中断される。そこで、縦桟切欠形成部材9を駆動し、回動片42を閉鎖することにより縦桟10に短手方向の切欠を形成する(ステップS23)。
【0056】
縦桟10に短手方向の切欠が形成されれば、挟持片40を開放し、縦桟移送部材8を搬送開始位置(図8中、実線で示す。)に移動させ、再び、挟持片40を閉鎖することにより縦桟10を把持する(ステップS24)。そして、縦桟移送部材8により縦桟10を所定ピッチだけ搬送して切欠形成位置に位置決めした後(ステップS25)、再び縦桟切欠形成部材9を駆動し、回動片42を閉鎖することにより縦桟10に短手方向の切欠を形成する(ステップS26)。このとき、先に形成された切欠は、組付位置に位置決めされる。
【0057】
以下同様にして、縦桟移送部材8により縦桟10を所定ピッチずつ移動させ、順次、短手方向の切欠を形成する。
【0058】
(2−2.横桟供給処理)
一方、横桟供給処理では、図16のフローチャート及び図18のタイムチャートに示すように、ベルトコンベア53を駆動し、横桟用マガジン52の最下部に位置する横桟51を横桟待機部54へと搬送する(ステップS31)。横桟待機部54では、搬送された横桟51が上下の平板55の間に侵入し、図示しないセンサによって検出されると(ステップS32)、エアシリンダ57を駆動して横桟51を横桟移送部47へと押し出す(ステップS33)。
【0059】
横桟移送部47では、横桟保持位置に位置する支持アーム59の先端に形成した保持凹部60に、押し出された横桟51が保持される。保持凹部60では、前述のように、ボールプランジャ61のボールが突出しているので、横桟51の保持状態は安定している。
【0060】
保持凹部60に保持された横桟51は、図12中、支持円板58を、支軸58aを中心として時計回り方向に90度回転させることにより横桟切断位置に移動させる(ステップS34)。横桟切断位置では、横桟プッシャー64により横桟51の一端面を押圧し、所定位置に位置決めする(ステップS35)。このとき、カッター63を離間位置に位置させておき、横桟51が所定位置に位置決めされれば、これを切断して一定寸法とする(ステップS36)。
【0061】
横桟51がカッター63により切断されて一定寸法となれば、横桟移送部47をさらに時計回り方向に90度回転させることにより切欠形成位置に移動させる(ステップS37)。切欠形成位置では、モータ66bを駆動して位置決めプッシャー66cにより横桟切欠形成部49に対する横桟の位置を調整する(ステップS38)。すなわち、縦桟組付位置に移送される縦桟10の数に応じて、横桟51を組み付けた際、その両側に位置する縦桟10からの横桟の突出寸法が等しくなるように、切欠を形成する位置を調整する。そして、回動片65を開放させた状態で横桟51に向かって前進させ、回動片65を閉鎖させることにより、横桟51に短手方向の切欠を形成する(ステップS39)。
【0062】
横桟51に複数の切欠が形成されれば、横桟移送部47をさらに時計回り方向に90度回転させることにより横桟組付位置に移動させる(ステップS40)。この横桟組付位置は、前記縦桟切欠位置から縦桟10を1ピッチ分だけ搬送した位置と合致している。したがって、押込部50の押込板67を上昇させることにより、縦桟10の切欠に横桟51の切欠を係合させることができ、縦桟10に対して横桟51を組み付けることが可能となる。
【0063】
このように、縦桟10に切欠を形成して縦桟移送部材8により長手方向に所定ピッチ搬送する一方、前記縦桟10の各列に合わせた位置で横桟51に切欠を形成して横桟移送部47により回転させ、縦桟10の切欠に横桟51の切欠を合致させるようにしている。そして、縦桟移送部材8と横桟移送部47とは共に装置本体1の下方側支持台4に対して位置決めされている。したがって、縦桟10の切欠に対して横桟51の切欠を正確に位置合わせして係合させることができる。
【0064】
そこで、前述の通り、エアシリンダ67aの駆動により押込板67を上昇させ、横桟51を縦桟10に組み付ける(ステップS4)。
【0065】
以下同様にして、縦桟10を所定ピッチずつ搬送し(ステップS5)、横桟51を組み付けることによりコア材が完成する。このようにしてコア材を完成する各工程では、各桟を所定寸法に切断した際に発生する切れ端と、切欠を形成した際に発生する切断片とでしかない。つまり、発生する廃材を必要最小限に抑えることが可能である。なお、コア材が完成したか否かは、縦桟10に組み付けた横桟51の数が予め登録された切欠の数に到達したか否かにより判断すればよい。
【0066】
完成したコア材は、排出部材68に至ることにより、上方側のローラ70と上動させた下方側のローラ69との間に挟持され、下方側のローラ69を回転駆動することにより装置本体1から排出する(ステップS7)。
【0067】
排出されたコア材は、次の工程に移行し、図示しない組立装置により、表裏面に化粧板等が貼着されれば、フラッシュパネルとなる。そして、完成したフラッシュパネルは、棚、扉、壁等として利用することが可能である。
【0068】
(3.他の実施形態)
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で、種々の変更が可能である。
【0069】
例えば、前記実施形態では、縦桟10の下縁に切欠を形成し、下方側から横桟51を組み付けるようにしたが、上下位置関係を逆転させることも可能である。
【0070】
また、前記実施形態では、各縦桟10の並設間隔は特定の値としたが、この間隔は自由に変更可能である。この場合、横桟51に形成する切欠の位置を変更すればよい。
【符号の説明】
【0071】
1…装置本体
2…上方側支持台
3…縦桟供給ユニット
4…下方側支持台
5…横桟供給ユニット
6…制御装置
7…縦桟供給部
8…縦桟移送部材
9…縦桟切欠形成部材
10…縦桟
11…縦桟用マガジン
12…縦桟プッシャー
13…第1ガイド部材
14…第2ガイド部材
15…搬送レール部
16…第1ガイド板
17…エアシリンダ
18…第1シャッター
19…第1支持ブロック
20…モータ
21…第2ガイド板
22…第2シャッター
23…第1シャッター部
24…第2シャッター部
25…ガイド板
26…第3シャッター
27…ローラ部材
28…固定ローラ
29…可動ローラ
30…カッター部材
31…第2支持ブロック
32…支持プレート
33…アーム部
34…エアシリンダ
35…傾斜プレート
36…搬送ベルト
37…レール部材
38…挟持部材
39…エアシリンダ
40…挟持片
41…ストッパ面
42…回動片
43…突起
44…矩形孔
45…組付部材
46…横桟供給部
47…横桟移送部
48…横桟切断部
49…横桟切欠形成部
50…押込部
51…横桟
52…横桟用マガジン
53…ベルトコンベア
54…横桟待機部
55…平板
56…押出板
57…エアシリンダ
58…支持円板
59…支持アーム
60…保持凹部
61…ボールプランジャ
62…モータ
63…カッター
64…横桟プッシャー
65…回動片
66…支持部材
67…押込板
68…排出部材
69…下方側ローラ
70…上方側ローラ
71…入力部
72…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦桟と横桟とからなるコア材を格子状に形成するための格子状コア材の製造装置であって、
前記縦桟を板厚方向に所定間隔で平行に配置し、長手方向に所定ピッチずつ移送する縦桟移送部材と、
前記各縦桟に対し、側縁部に短手方向の切欠をそれぞれ形成する縦桟切欠形成部材と、
前記縦桟切欠形成部材によって切欠を形成されて縦桟組付位置に搬送された各縦桟に対し、移送方向とは直交する方向から、側縁部に前記各縦桟の間隔に合わせて短手方向の切欠を形成された横桟を接近させて、切欠同士を互いに係合させることにより、縦桟に対して横桟を組み付ける組付部材と、
を備えたことを特徴とする格子状コア材の製造装置。
【請求項2】
前記縦桟移送部材による移送寸法は変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項3】
前記縦桟を切断して長手方向の寸法を変更する切断部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項4】
前記縦桟移送部材は、開閉可能な一対の挟持部と、前記一対の挟持部を前記縦桟の搬送方向に往復移動させる駆動部とを備え、
前記挟持部は、開閉して前記縦桟を挟持可能で、かつ、前記縦桟の搬送方向側の端部が当接するストッパ面を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項5】
前記組付部材は、
前記横桟を保持し、横桟切欠形成位置と、横桟組付位置とに移送可能な横桟移送部と、
前記横桟移送部によって横桟切欠形成位置に移送された横桟に対し、側縁部に短手方向の切欠を形成する横桟切欠形成部と、
前記縦桟組付位置に移送された縦桟に対し、前記横桟移送部によって横桟組付位置に移送された横桟を相対的に押し込んで、切欠同士を互いに係合させることにより、縦桟に対して横桟を組み付ける押込部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項6】
前記横桟移送部は、前記横桟を横桟切断位置に移送可能であり、
前記組付部材は、前記横桟移送部により横桟切断位置に移送された横桟を切断して長手方向の寸法を変更する横桟切断部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項7】
前記横桟移送部は、支軸を中心として回転可能で、周方向に等ピッチで外径方向に突出し、かつ、横桟を保持可能な複数の支持アームを備え、各支持アームで、保持した横桟を順次、前記各位置に移送可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の格子状コア材の製造装置。
【請求項8】
縦桟を、板厚方向に所定間隔で平行に配置するステップと、
前記各縦桟を長手方向に所定ピッチで搬送するステップと、
前記各縦桟に、前記所定ピッチで短手方向の切欠をそれぞれ形成するステップと、
を備えた縦桟供給処理と、
横桟に、前記各縦桟の板厚方向の配置間隔に合わせて、短手方向の切欠を形成するステップと、
前記縦桟に対して横桟を、切欠同士が互いに対向するように移送するステップと、
を備えた横桟供給処理と、
を並行して実行した後、
前記縦桟に対して横桟を相対的に押し込んで、切欠同士を互いに係合させることにより、格子状のコア材を形成する組立処理を実行することを特徴とする格子状コア材の製造方法。
【請求項9】
前記横桟供給処理では、横桟を、切欠を形成する横桟切欠形成位置と、縦桟に対向させる横桟組付位置とで、円運動により搬送することを特徴とする請求項8に記載の格子状コア材の製造方法。
【請求項10】
前記請求項8又は9に記載の製造方法により製造した格子状コア材を有するフラッシュパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−116010(P2012−116010A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265439(P2010−265439)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(592198747)有限会社井藤電機鉄工所 (1)
【出願人】(710010906)アクシス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】