格納式分配要素を有する液体状、固体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器
【課題】簡単で信頼性のある容器であり、意図しない開口のかなりの危険性がなく、高度に洗練された美観を提供し、許容できない全体寸法にはつながらない容器を提供する。
【解決手段】横表面を有する分配要素と底部壁面およびリング形端部を有する長手方向に細長い管状格納要素とを備えた化粧品用容器であり、分配要素は管状格納要素内に取り付けられ、容器は分配要素が管状格納要素内に摩擦挿入、摺動可能に取り付けられ、2つの軸方向延長位置および単一の軸方向押し込み位置を有する弾力圧縮可能装置16を介して連結された移動部と係合し、2つの軸方向延長位置はそれぞれ、横表面が管状要素のリング形端部と同一平面にある分配要素の第1の位置と、横表面が第1の軸方向延長位置と軸方向押し込み位置の間で挿入方向の弾力圧縮可能装置の軸方向移動の長さより実質的に長い所定の距離だけ管状要素のリング形端部に対して直立している第2の位置とを画定する。
【解決手段】横表面を有する分配要素と底部壁面およびリング形端部を有する長手方向に細長い管状格納要素とを備えた化粧品用容器であり、分配要素は管状格納要素内に取り付けられ、容器は分配要素が管状格納要素内に摩擦挿入、摺動可能に取り付けられ、2つの軸方向延長位置および単一の軸方向押し込み位置を有する弾力圧縮可能装置16を介して連結された移動部と係合し、2つの軸方向延長位置はそれぞれ、横表面が管状要素のリング形端部と同一平面にある分配要素の第1の位置と、横表面が第1の軸方向延長位置と軸方向押し込み位置の間で挿入方向の弾力圧縮可能装置の軸方向移動の長さより実質的に長い所定の距離だけ管状要素のリング形端部に対して直立している第2の位置とを画定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品を利用していないときに管状格納要素に挿入されるアプリケータ部材を含む、液体状、固体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器に関し、より詳細には、排他的ではないが、口紅、マスカラ、リップグロス、ファンデーション、アイシャドウまたは頬紅、およびさらにはマニキュア液用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
リップスティック容器は従来、口紅のスティックを担持する支持体を含むアプリケータ要素と、スティックを展開させるまたはこれを管状体内に格納するように、任意で支持体を軸方向に移動させることができる(円形または他の断面の)管状体と、使用者が使用する必要がない場合にスティックを囲んで保護するように管状体と協働するキャップを形成する管状格納要素とを備えている。
【0003】
支持体の移動が直接的にまたは間接的に駆動されるかどうかによって異なる、様々な構造が、上記の種類の口紅容器に対して提案されてきた。
【0004】
直接駆動された支持体を備えた口紅容器の種類としては、ばねの効果を制御することを強制的にする、支持体が管状体の外部に向かって連続して押されるように管状体の底部と支持体の底部の間で圧縮されるばねを備えたものが挙げられる。これに関して、楕円形体内の摩擦によって保持される支持体を記載している米国特許第2486960号を引用することができ、その締付力がキャップの各クロージャ上で小さくなり、これによってばねは管状体の出口に向かって前方向に支持体を移動させることが可能になる。また、支持体の平行移動の際の移動が管状体の壁面内に形成されたスロットを通過するこの支持体の横方向突起上の直接動作によって駆動され、その上でキャップがねじ込まれた場合に、管状体の内部への格納の方向に作用するフランス特許第1011995号を引用することができる。
【0005】
横方向突起への動作による直接駆動は代わりに、特に米国特許第3954114号(スティックの平行移動と同時に蓋を開けなければならない)、または米国特許第4182945号に開示されているように、ばねの介入なしで得ることができる。
【0006】
支持体に取り付けられた横方向突起の代わりに、米国特許第3989392号は、本体の壁面内の開口を通して外側からアクセス可能であり、支持体に取り付けられたラックと協働する固定軸サムホイールを提案している。
【0007】
長手方向に移動されるサムホイールまたは横方向突起を使用したこれらの解決法は、例えば、突起またはサムホイールが袋またはポケット内で隣接した物体を捕まえる場合に、意図しない動作に対して全く保護を与えないという特定の欠点がある。
【0008】
スティックの移動の直接駆動の別の原理が米国特許第4621935号に記載されており、スティックの展開は管状体の底部に形成された孔を通してスティックの支持体の底部に直接押すことによって促進され、これはスティックのほとんどが使い果たされた場合に使用者が工具を利用しなければならないことを避けるように、管状体が大きな部分であることを必要とする。管状体内にスティックを格納するために設けられているものはなく、その結果、スティックは常にそこから突出しており、さらに管状体の底部の開口はいくらか見栄えが悪く、塵および他の残骸用のトラップを構成するという二重の欠点がある。
【0009】
現在より頻繁である、スティックの間接に駆動された移動の状況では、時々カートリッジと呼ばれる管状体は壁面を備えており、壁面に対するその可動基部回転は適当なガイドリブのおかげで、壁面内側での支持体およびスティックの平行移動の際の軸方向移動を促進させる。使用者による操作を容易にするために、基部は実際、壁部より大きく作られており、キャップが閉位置にあり、管状体を覆う場合に、キャップの自由縁部が当接する壁面に基部を連結させる環状縁部に対している。
【0010】
これに関しては、英国特許第834486号、米国特許第3515493号、およびさらに最近のヨーロッパ特許第1293146号を参照のこと。
【0011】
一般に、間接駆動容器内では、管状体の大きな基部はキャップの外側に留まって、使用者にアクセス可能にし、それによってキャップおよび基部の意図しない分離の危険性がある。この危険性を避けるため、また管状体上のキャップの効果的な閉塞を保証するために、ねじ込むことによって、またはクリップ留めすることによってのいずれかでキャップを係止することは標準的な実践であるが、容器を開くにはその後、使用者が移動の組み合わせを実行する必要がある。上記英国特許第834486号の場合、カバーによって完全に閉塞されたキャップが使用されており、カバーを嵌合させることにより管状体が圧縮ばねによって展開されるのが防止され、管状体はキャップおよびそのカバーによって完全に隠され、全ての外部動作から保護するが、カバーが誤って開く可能性があるので意図しない動作の危険性がある。
【0012】
マスカラ容器が口紅容器とどのように異なるのかを規定する1つの方法は、口紅容器の場合、利用される固体製品がアプリケータ要素内に含まれ、マスカラ容器の場合、利用される製品は液体であり、使用しない場合にアプリケータ要素が中を貫通する管状要素内に含まれるということである。より正確には、管状要素は従来、液体製品に浸漬した場合にアプリケータによって取り上げられる余分な製品を保持するワイパを備えている。
【0013】
マスカラ容器内では、アプリケータ要素は実際、使用者がマスカラアプリケータ端部を操作するように動作するキャップを備えている。さらに、マスカラが液体であるという事実は、マスカラが利用されていなく、キャップが容器のネック上に係合される場合に効果的なシールを提供しなければならないということを意味しており、実際このシールはキャップを容器のネックの上にねじ込むまたはクリップ留めすることによって得られる。これは、閉構成にある場合にキャップはマスカラ容器の外側表面の実質的部分を形成し、マスカラを利用する前に容器を開くのに組み合わされた移動またはかなりの力が必要であるということになる。
【0014】
アプリケータを管状要素内に格納することができるように取り付けられており、製品内に完全に浸漬され、管状要素からアプリケータ端部を展開させるようにばねの動作にさらされる、他のマスカラ容器構成が例えば、英国特許第2132883号および米国特許第6371129号から知られている。より詳細には、この配置はばねによって操作される口紅容器に関して上記の欠点を有する。
【0015】
リップグロス、ファンデーション、アイシャドウまたは頬紅、さらにはマニキュア液用の容器などの、当業界で知られている他の化粧品容器を分析する際に同様の欠点が確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第2486960号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第1011995号明細書
【特許文献3】米国特許第3954114号明細書
【特許文献4】米国特許第4182945号明細書
【特許文献5】米国特許第3989392号明細書
【特許文献6】米国特許第4621935号明細書
【特許文献7】英国特許第834486号明細書
【特許文献8】米国特許第3515493号明細書
【特許文献9】欧州特許第1293146号明細書
【特許文献10】英国特許第2132883号明細書
【特許文献11】米国特許第6371129号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主題は、アプリケータ要素、およびそのアプリケータ要素を受けるようになっている管状格納要素を含む、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用の簡単で信頼性のある容器であり、この容器は意図しない開口のかなりの危険性がなく、高度に洗練された美観を提供し、許容できない全体寸法にはつながらない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のため、本発明は、横面を有する製品アプリケータ要素と、長手方向に細長く、底端部および環状端部とを有する管状格納要素を備えた、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器を提案し、アプリケータ要素は管状格納要素内に取り付けられ、この容器は、アプリケータ要素が管状格納要素内と摩擦嵌合し、管状要素内に摺動可能に取り付けられ、軸方向押し込み構成に対する2つの軸方向格納構成で弾性圧縮可能装置によってこれに連結された可動部に対して支承し、この2つの軸方向格納構成はそれぞれ、その横面が管状要素の環状端部と同一平面にあるアプリケータ要素の第1の構成と、その横面が第1の軸方向格納構成と軸方向押し込み構成の間の弾性圧縮可能装置の軸方向押し込み移動よりかなり大きい所与の距離だけ管状要素のその環状端部に対して突出する第2の構成とを画定する。
【0019】
明らかに、アプリケータ要素を管状格納要素内に完全に格納することができるという事実は、ハンドバッグまたはポケット内のあらゆる隣接した物体を捕まえることによってその要素が意図しないで抜けるのを防ぐ。管状要素内のアプリケータ要素の偶発的な押し込みの危険性は実際極めて低く、さらに、このような意図しない押し込みが生じた場合、(弾性圧縮可能装置がその最大格納構成を呈するので)アプリケータ要素が突出しているという事実は、隣接する物体によって意図しないで抜けるかなりの危険性が生じる程では決してない。したがって、管状格納要素からアプリケータが抜ける危険性に対する効果的な保護が得られる。しかし、使用者が必要な場合にはこの抜き出しは簡単に達成される。というのは、縁部を僅かに押すことが、アプリケータ要素の基部を把持することによってそこから抜くことが容易であるその突出構成内にアプリケータ要素を移動させるのに十分であるからであり、クリップクロージャと同様に、かなりの力を必要とする移動、および回転がない。
【0020】
さらに、アプリケータ要素が管状格納要素内に完全に格納される範囲で、容器の外観は管状要素のみによって決まり(特に、容器がテーブルまたは他の支持体上に配置されていない場合、管状要素の自由横面のみが見える)、その横壁面に沿って破断線を備えていない極めて洗練された外観を有することが特に可能であり、容器の美観を決める大きな自由につながり、化粧品分野における非常に重要な販売用要因であることを証明することができる。
【0021】
それにも関わらず、上記種類の格納は、単純な移動によって、必要に応じてアプリケータ要素を簡単に抜き取ることが可能である必要性と推測的に一致していないように思われる可能性がある。さらに、押し込み移動によってこの種類のアプリケータ要素の抜き取りを開始することは矛盾しているように思われる可能性がある。実際、化粧品分野からかなり離れ、同一平面取付のあらゆる概念からかなり離れた分野で、より詳細には収縮可能なボールペンの分野では、2つの軸方向に格納された構成を備えた弾性圧縮可能装置が既に知られているが、この場合、機械リテーナは普通このようなボールペンの上部のボタンが逃げるのを防ぎ、当業者がこのような機構を考えるのをやめさせることができ、さらに当業者がこのような機構に対する興味を示したと仮定すると、このような機械的保持がない状態では、この種類の装置は化粧品の分野において直面する信頼性、堅実性および安定性の要件を有していないと考える可能性が多いだろう。さらに、利用可能な容量を最大に利用する普通の関心事は、当業者がこの種類の弾性圧縮可能装置に対応するように容器の容量の通常の割合を少なくすることを暗示する上記種類の装置を考慮するのをやめさせ、それにも関わらず、この種類の装置を化粧品容器の全体の寸法と比べて合理的である容量内で可動部分で、またはそのあたりで使用することができ、この種類の装置に対応する利用可能な容量の損失が、安全性、自由裁量および信頼性(特に、上記を参照)の観点からそれに対する補償で得られる利点を考えて全体的に許容可能であることが明らかになった。
【0022】
本発明の好ましい特性によると、必要に応じて、
アプリケータ要素の摩擦嵌合が可動部の雌部形成部で得られることと、
アプリケータ要素がこの可動部の位置の機能として、サービス構造外で管状収納要素内のアプリケータ要素の位置を十分決める可動部の相補支承表面と協働するようになっている環状支承表面を備えていることと、
アプリケータ要素が可動部の底部を支承するようになっている環状端部を有することと、
アプリケータ要素の摩擦嵌合は別の方法では管状格納要素に締め付けられた雌部内で得られることと、
弾性圧縮可能装置は管状要素の軸と平行な平面に全体的に配置されたハート型の閉ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面と、支承表面の間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面の間に軸方向に配置されたばねを備えていることと、
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面は管状格納要素に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面は可動部に取り付けられていることと、
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が可動部に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面は管状格納要素に取り付けられていることと、
ガイドトラックおよびフィンガが可動部と管状格納要素の底部の間で軸方向に配置されていることと、
第1の支承表面は軸平面に対して互いに対称である2つのガイドトラックに取り付けられており、第2の支承表面は前記軸平面に対して互いに対称である2つのフォロワフィンガに取り付けられていることと、
弾性圧縮可能装置は管状格納要素に取り付けられた固定支承表面と回転および平行移動の際に移動可能であるリングの間で軸方向に配置されたばねを備えており、可動部の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部を備えた鋸歯形状の環状トラックに対して押し付けられた径方向突起を有することと、
製品が口紅のスティックであることと、
製品が液体またはペーストであり、可動部内に含まれ、アプリケータ要素は製品が充填されるようになっているアプリケータ内で終端するステムを含み、可動部はステムを通過させるようになっているネックを含み、ステムおよびネックは相補的密封手段を含んでいることと、
相補的密封手段は可動部が最大格納位置にある場合に軸から分離され、突出部が爪部を、したがって可動部を管状要素の底部に向かって押す場合に軸に向かって移動されるようになっているステム上の突出部およびネック上の爪部を備えていることと、
爪部は突出部をネック内に形成されたシートに対して押すように軸に向かって移動される場合に突出部に軸力を与えるように従わされることと、
液体製品はマニキュア液であることと、
ネックが可動部を離れるときにアプリケータを拭くようになっているワイパを備えていることと、
アプリケータおよびワイパは非円形断面を有することと、
前記液体またはペースト製品はマスカラであることと、
前記製品はリップグロスであることと、
前記製品はファンデーションであることと、
前記製品は頬紅またはアイシャドウであることと
を組み合わせることができる。
【0023】
本発明の目的、特性および利点は、添付の図面を参照した非限定的な例示により与えられた以下の説明から現れる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の口紅容器の部分的に切り取った展開斜視図である。
【図2】部分的に切り取った管状格納要素の外壁、およびシースから極めて小さな距離だけ移動させたアプリケータ要素を示す、同じ容器の斜視図である。
【図3】シースの自由縁部に対して当接された部分的に突出したアプリケータ要素を示す、容器の別の斜視図である。
【図4】ばねを備えていない、最大格納位置の弾性圧縮可能装置を示す部分斜視図である。
【図5】またばねを備えていない、最小格納位置の装置を示す部分斜視図である。
【図6】閉構成の図1から5による容器の斜視図である。
【図7】弾性圧縮可能装置を図5の構成から図4の構成まで移動させるための押し込み移動を示す容器の図である。
【図8】管状格納要素から突出するアプリケータ要素を示す図である。
【図9】管状要素から完全に取り除いたアプリケータ要素を示す斜視図である。
【図10】前の図と異なる容器の実施形態の部分的に切り取った展開斜視図である。
【図11】本発明の容器の別の実施形態の展開斜視図である。
【図12】最小格納構成の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図13】最大格納構成の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図14】全体的な円筒部を有する別の口紅容器の斜視図である。
【図15】管状格納要素から部分的に係脱されたアプリケータ要素を示す、容器の別の図である。
【図16】より複雑な部分を有する別の口紅容器の斜視図である。
【図17】管状格納要素から部分的に係脱されたアプリケータ要素を示す、容器の別の図である。
【図18】アプリケータ要素の一部のみが管状要素内にある構成で、マスカラを利用するのに適切な別の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図19】管状要素の底部に向かって移動する点のシースを示す、容器の別の図である。
【図20】閉構成の容器の別の図である。
【図21】別のアプリケータの部分斜視図である。
【図22】軸対称を示さない別のアプリケータの部分斜視図である。
【図23】開構成にある、アプリケータのステムとリザーバを形成する可動部の間の密封要素の異なる実施形態の部分斜視図である。
【図24】閉構成で示した別の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1から9は、アプリケータ要素11と、長手方向に細長く、アプリケータ要素を受けるようになっている管状格納要素12とを備えた、本発明の口紅容器10を示している。
【0026】
アプリケータ要素は、その部分が要素11の最大部である後部横面11Aを有し、管状要素12は底端部12Aおよび環状端部12Bを有する。
【0027】
より正確には、当技術分野で知られている方法で、アプリケータ要素はここでは、回転可能基部13と、基部の角度位置の機能として、口紅を展開または格納させるために摺動するようになっている支持体(図示せず)に取り付けられた口紅のスティックを含む管14とを備えており、これは上記の横面を構成する基部の後面である。その支持体を備えた管、およびその中に係合されたスティックは普通、口紅カートリッジと呼ばれる。
【0028】
シース15は、管状格納要素内で摺動することができるように取り付けられており、アプリケータ要素11はシース内側と摩擦嵌合するようになっており、有利にはシースの内側にあるものから管状要素の底部を保護する底部15Aを備えている。
【0029】
アプリケータ要素、ここでは基部は、シースの自由縁部15Bに面するようになっている環状支承表面11Bを有することが好ましい。
【0030】
アプリケータ要素は有利には、その前端部でシースの底部を支承する。
【0031】
管状要素12は、シース用の保護キャップを構成し、容器の覆いを画定する。
【0032】
シースと管状要素の底部の間の弾性圧縮可能装置16は、2つの軸方向格納構成を有する。
【0033】
ここでは管状要素の軸と平行な平面内に配置されたハート型の閉ガイドトラック19であるものに取り付けられた第1の支承表面18と、支承表面間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガ21に連結された第2の支承表面20の間で軸方向に配置されたばね17を備えている。
【0034】
この例では、第1の支承表面は管状要素の底部に取り付けられており、第2の支承表面はシースの底部に取り付けられている。
【0035】
ここで、ガイドトラック19は閉ループを形成する溝であり、プレート22は溝から逃げるのを防ぐようにフィンガに沿って延びている。
【0036】
フィンガは、トラックを含む平面と平行に屈曲する際の自由度を有するロッド23の端部に取り付けられており、それによってフィンガが曲がりくねったトラックに沿うことが可能になる。
【0037】
ガイドトラックのハート形状は、管状要素の外部に向かって尖っている角部分19Aおよび19Bを有するように逆になっている(図4参照)。これらの角部分の間の軸方向距離Hにより、装置の格納位置間の軸方向距離が決まる。
【0038】
一方の角部分からもう一方まで行くためには、フィンガは凸状部分19Cおよび19Dの一方を通って到達しなければならず、このため、凸状部分の軸方向レベルが一方の格納位置からもう一方まで行くようにフィンガが押し込んでいなければならない深さを画定することが明らかである。
【0039】
最小格納位置(ハート形状の谷部に対応するもの)からもう一方の位置まで到達する必要がある押し込み経路hは、格納位置間の軸方向距離よりはるかに小さいことに留意すること。
【0040】
アプリケータ要素とシースの間の協働は、フィンガがその最小格納構成(シースの最も押し込んだ安定位置に対応する、図5参照)にある場合に、アプリケータ要素の横面は管状要素の環状端部の縁部と同一平面にあるようになっている。これに対して、ハート型トラックの角部分間の距離により、シースが管状要素の底部から最も遠いその安定位置に到達する場合にアプリケータ要素が突出する距離が決まる(図4参照)。
【0041】
トラックおよびフィンガの幾何形状の詳細は、特に、シースが押し込んでおり、凸状部分の一方を通過した場合に、フィンガが離れたばかりの格納位置に戻る代わりに、他の格納位置までトラックに沿うことを保証するように、ハート形状の軸の傾斜を選択することができる当業者の通常の能力内のものである。トラックを正確に沿うことを保証する別の方法は、後退移動を防ぐように、凸状部分の位置でトラックを形成する溝内の段差を提供することである。
【0042】
図6に示す閉構成で(軸方向圧縮可能装置が最小格納位置にある状態で)、容器は、アプリケータ要素の後部横面を除いて、管状格納要素によって画定された外側表面を有することに留意すること。
【0043】
上記距離hに対応する小さな押し込み移動(図7)は、軸方向圧縮可能装置をその最小格納位置から、アプリケータ要素が押し込み距離よりはるかに大きい上記距離Hと同じ距離だけ突出するその最大格納位置(図8)まで移動させるのに十分である。その後、アプリケータ要素を管状格納要素から引き出すように、使用者が2つのフィンガで突出部を把持すれば十分である(図9)。
【0044】
図10は、軸方向圧縮可能装置36が管状格納要素の底部によって担持されたフィンガ51を備えている(これらのフィンガは2つもあり、一方がもう一方の前にある)ことを除いて、図1から9と極めて同様の容器30を示しており、トラック39はシースの底部に取り付けられている(ここでは、固定ブロックの2つの対向面上に2つのトラックがある)。図10では、図1から9までのものと類似している構成部品は、20を加えることによって図1から9のものから推測される参照番号が割り当てられている。
【0045】
図示していない実施形態では、各フィンガおよび各トラックは、シースと管状格納要素の壁面の間で横方向に置き換えられている。
【0046】
図11から13は、別のタイプの圧縮可能装置を備えた別の容器を示している。図1から9のものと同様の図11から13の構成部品は、「第2の」記号(”)を加えることによって図1から9のものから推測される参照番号によって指定されている。
【0047】
弾性圧縮可能装置16”は、管状格納部材の固定支承表面、すなわち底部12A”と、回転および平行移動の際に移動可能であるリング19”の間で軸方向に配置されたばね17”を備えていることに留意すること。このリングは、可動部15A”の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部、ここでは浅い谷部21”Aおよび深い谷部21”Bを備えた鋸歯形状の環状トラック21”に対して押された径方向突起19”Aを有する。
【0048】
図12の構成では、アプリケータ要素は、図1から9のシース15とは異なり、管状格納要素に対して固定された雌部15”に摩擦嵌合している。径方向突起19”Aは浅い谷部内に係合され、可動部15A”を支承するアプリケータ要素11”は格納されたままである。
【0049】
要素11”を押し込ませることにより、突起19”Aを深い谷部内に移動させ、この中に可動部上の突起も係合される。突起が押し出され、その結果アプリケータ要素が突出する。
【0050】
上記例では、容器の全体部分は丸みを帯びた隅部を有する全体的に四角形であるが、本発明が平行移動のみを利用しているという事実により、図14および15の容器50に代表されるような円形断面から、図16および17の容器70に代表されるようなより複雑な形状まで、楕円形、多角形などの形状などの中間形状を通りクローバの葉に似ている形状を含む、容器断面に対する様々な形状が認められることを理解すべきである。
【0051】
図18から20は、マスカラなどの液体製品に適した本発明の別のタイプの容器を示している。
【0052】
この容器90は、80を加えることによって図1から5で使用されているものから推測される参照番号によって指定された、図1から5のものと同様の様々な構成部品を有する。
【0053】
上記容器と同様に、軸方向圧縮可能装置96は、管状格納要素92の底部92Aとシース95の底部95Aの間に配置されている。
【0054】
マスカラアプリケータの技術分野でよく知られているように、製品は管状格納要素、ここではシース内に入れられており、アプリケータ要素は、マスカラを装填するためにシースに入ることが可能なあらゆる適当な形状のアプリケータ94A、例えばブラシ内で終端するステム94を備えている。シースは、その底部と反対側の端部に、ステムがこれを通過し、製品内に浸漬された場合にアプリケータによって取り上げられるあらゆる余分なマスカラを保持するようになっているワイパ95Cと嵌合されたネック95Bを有する。
【0055】
液体製品漏洩を防ぐのに十分な閉塞シールを保証するためには、ステムは有利には球体または錐体などの隆起94Bを備えており、ネックはその外側に、隆起と協働するようになっており、普通は例えばその弾性により軸から間隔を置いて配置される傾向がある爪部95Dを有する。その結果、シースが最大格納位置にある場合、爪部は管状要素から延びており、したがって花の花弁のようにばらばらに広がることでき、隆起が逃げることが可能になる。これに対して、使用者がアプリケータ要素をシース内に押す場合、隆起は爪部の基部またはネックに対して上昇し、爪部でシースの押し込みを生じさせ、管状格納要素に入った場合、爪部は軸に向かって押され、それによって隆起を把持し、軸方向圧縮可能装置の押し込みがシースをその最大格納位置まで戻すのを可能にするまで逃げるのを防ぐ。
【0056】
爪部は有利には、隆起をネック内、ここでは爪部の基部に形成されたシートに対して隆起を押すように、軸方向に向かって移動する場合に隆起に下向きの軸力を加えるような形状をしている。
【0057】
明らかに、アプリケータ要素はあらゆる回転が全くなく引き抜くことができるので、幅広い範囲の形状をステムの端部でアプリケータに採用することができる。したがって、図21では、アプリケータ100はこれに沿ってステム103に取り付けられた点102が部分的に延びている1式の長い毛101を備えている。これに対して図22では、アプリケータ110は湾曲しており、肘部112によってステム111に連結されており、点線の輪郭で示すワイパ113に関しては、あらゆる形状、スロット形状、または三角形状であってもよい。明らかに、アプリケータ要素は直線である、または軸対称を示す必要はなく、対応するワイパはまた様々な形状をしていてもよい。
【0058】
アプリケータ要素とシースのネックの間のシールは、多くの異なる方法で、より詳細にはネックの円錐台形開口に形成された溝121と協働するステムの円錐台形部によって担持される単純なOリング120によって提供することができる(図23および24参照)。
【0059】
明らかに、本発明は管状格納要素の覆い内へのアプリケータ要素の格納、破断線または結合部のない外部形状を得ることができることにより別個であるシステムを提案している。このシステムはまた、従来技術の容器のアプリケータ要素を抜き取り、操作するのに必要な動作に加えて、短い経路上に穏やかな押力だけを加える必要しかないので、使用が容易である。最後に、このシステムは最適な安全性を提供する。というのは、最小格納位置では、製品は保護され、意図しない抜け落ちが防止される(隣接する物体を捕まえることができるアクセス可能な突起、縁部またはショルダがない)からである。それにも関わらず、シールはマスカラまたはリップグロスなどの液体状またはペースト状製品の場合に維持される。
【0060】
追加の機能は、管状格納要素の簡単な適応、例えば温度変化、衝撃、湿度などに対する保護によって得ることができる。
【0061】
明らかに、上記教示は、
マスカラと同様の問題が生じるリップグロス、
マニキュア液(ワイパの必要がない)、
ファンデーション、頬紅またはアイシャドウなどの粉末製品
などの幅広い範囲の製品に適用される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品を利用していないときに管状格納要素に挿入されるアプリケータ部材を含む、液体状、固体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器に関し、より詳細には、排他的ではないが、口紅、マスカラ、リップグロス、ファンデーション、アイシャドウまたは頬紅、およびさらにはマニキュア液用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
リップスティック容器は従来、口紅のスティックを担持する支持体を含むアプリケータ要素と、スティックを展開させるまたはこれを管状体内に格納するように、任意で支持体を軸方向に移動させることができる(円形または他の断面の)管状体と、使用者が使用する必要がない場合にスティックを囲んで保護するように管状体と協働するキャップを形成する管状格納要素とを備えている。
【0003】
支持体の移動が直接的にまたは間接的に駆動されるかどうかによって異なる、様々な構造が、上記の種類の口紅容器に対して提案されてきた。
【0004】
直接駆動された支持体を備えた口紅容器の種類としては、ばねの効果を制御することを強制的にする、支持体が管状体の外部に向かって連続して押されるように管状体の底部と支持体の底部の間で圧縮されるばねを備えたものが挙げられる。これに関して、楕円形体内の摩擦によって保持される支持体を記載している米国特許第2486960号を引用することができ、その締付力がキャップの各クロージャ上で小さくなり、これによってばねは管状体の出口に向かって前方向に支持体を移動させることが可能になる。また、支持体の平行移動の際の移動が管状体の壁面内に形成されたスロットを通過するこの支持体の横方向突起上の直接動作によって駆動され、その上でキャップがねじ込まれた場合に、管状体の内部への格納の方向に作用するフランス特許第1011995号を引用することができる。
【0005】
横方向突起への動作による直接駆動は代わりに、特に米国特許第3954114号(スティックの平行移動と同時に蓋を開けなければならない)、または米国特許第4182945号に開示されているように、ばねの介入なしで得ることができる。
【0006】
支持体に取り付けられた横方向突起の代わりに、米国特許第3989392号は、本体の壁面内の開口を通して外側からアクセス可能であり、支持体に取り付けられたラックと協働する固定軸サムホイールを提案している。
【0007】
長手方向に移動されるサムホイールまたは横方向突起を使用したこれらの解決法は、例えば、突起またはサムホイールが袋またはポケット内で隣接した物体を捕まえる場合に、意図しない動作に対して全く保護を与えないという特定の欠点がある。
【0008】
スティックの移動の直接駆動の別の原理が米国特許第4621935号に記載されており、スティックの展開は管状体の底部に形成された孔を通してスティックの支持体の底部に直接押すことによって促進され、これはスティックのほとんどが使い果たされた場合に使用者が工具を利用しなければならないことを避けるように、管状体が大きな部分であることを必要とする。管状体内にスティックを格納するために設けられているものはなく、その結果、スティックは常にそこから突出しており、さらに管状体の底部の開口はいくらか見栄えが悪く、塵および他の残骸用のトラップを構成するという二重の欠点がある。
【0009】
現在より頻繁である、スティックの間接に駆動された移動の状況では、時々カートリッジと呼ばれる管状体は壁面を備えており、壁面に対するその可動基部回転は適当なガイドリブのおかげで、壁面内側での支持体およびスティックの平行移動の際の軸方向移動を促進させる。使用者による操作を容易にするために、基部は実際、壁部より大きく作られており、キャップが閉位置にあり、管状体を覆う場合に、キャップの自由縁部が当接する壁面に基部を連結させる環状縁部に対している。
【0010】
これに関しては、英国特許第834486号、米国特許第3515493号、およびさらに最近のヨーロッパ特許第1293146号を参照のこと。
【0011】
一般に、間接駆動容器内では、管状体の大きな基部はキャップの外側に留まって、使用者にアクセス可能にし、それによってキャップおよび基部の意図しない分離の危険性がある。この危険性を避けるため、また管状体上のキャップの効果的な閉塞を保証するために、ねじ込むことによって、またはクリップ留めすることによってのいずれかでキャップを係止することは標準的な実践であるが、容器を開くにはその後、使用者が移動の組み合わせを実行する必要がある。上記英国特許第834486号の場合、カバーによって完全に閉塞されたキャップが使用されており、カバーを嵌合させることにより管状体が圧縮ばねによって展開されるのが防止され、管状体はキャップおよびそのカバーによって完全に隠され、全ての外部動作から保護するが、カバーが誤って開く可能性があるので意図しない動作の危険性がある。
【0012】
マスカラ容器が口紅容器とどのように異なるのかを規定する1つの方法は、口紅容器の場合、利用される固体製品がアプリケータ要素内に含まれ、マスカラ容器の場合、利用される製品は液体であり、使用しない場合にアプリケータ要素が中を貫通する管状要素内に含まれるということである。より正確には、管状要素は従来、液体製品に浸漬した場合にアプリケータによって取り上げられる余分な製品を保持するワイパを備えている。
【0013】
マスカラ容器内では、アプリケータ要素は実際、使用者がマスカラアプリケータ端部を操作するように動作するキャップを備えている。さらに、マスカラが液体であるという事実は、マスカラが利用されていなく、キャップが容器のネック上に係合される場合に効果的なシールを提供しなければならないということを意味しており、実際このシールはキャップを容器のネックの上にねじ込むまたはクリップ留めすることによって得られる。これは、閉構成にある場合にキャップはマスカラ容器の外側表面の実質的部分を形成し、マスカラを利用する前に容器を開くのに組み合わされた移動またはかなりの力が必要であるということになる。
【0014】
アプリケータを管状要素内に格納することができるように取り付けられており、製品内に完全に浸漬され、管状要素からアプリケータ端部を展開させるようにばねの動作にさらされる、他のマスカラ容器構成が例えば、英国特許第2132883号および米国特許第6371129号から知られている。より詳細には、この配置はばねによって操作される口紅容器に関して上記の欠点を有する。
【0015】
リップグロス、ファンデーション、アイシャドウまたは頬紅、さらにはマニキュア液用の容器などの、当業界で知られている他の化粧品容器を分析する際に同様の欠点が確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第2486960号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第1011995号明細書
【特許文献3】米国特許第3954114号明細書
【特許文献4】米国特許第4182945号明細書
【特許文献5】米国特許第3989392号明細書
【特許文献6】米国特許第4621935号明細書
【特許文献7】英国特許第834486号明細書
【特許文献8】米国特許第3515493号明細書
【特許文献9】欧州特許第1293146号明細書
【特許文献10】英国特許第2132883号明細書
【特許文献11】米国特許第6371129号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主題は、アプリケータ要素、およびそのアプリケータ要素を受けるようになっている管状格納要素を含む、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用の簡単で信頼性のある容器であり、この容器は意図しない開口のかなりの危険性がなく、高度に洗練された美観を提供し、許容できない全体寸法にはつながらない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のため、本発明は、横面を有する製品アプリケータ要素と、長手方向に細長く、底端部および環状端部とを有する管状格納要素を備えた、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器を提案し、アプリケータ要素は管状格納要素内に取り付けられ、この容器は、アプリケータ要素が管状格納要素内と摩擦嵌合し、管状要素内に摺動可能に取り付けられ、軸方向押し込み構成に対する2つの軸方向格納構成で弾性圧縮可能装置によってこれに連結された可動部に対して支承し、この2つの軸方向格納構成はそれぞれ、その横面が管状要素の環状端部と同一平面にあるアプリケータ要素の第1の構成と、その横面が第1の軸方向格納構成と軸方向押し込み構成の間の弾性圧縮可能装置の軸方向押し込み移動よりかなり大きい所与の距離だけ管状要素のその環状端部に対して突出する第2の構成とを画定する。
【0019】
明らかに、アプリケータ要素を管状格納要素内に完全に格納することができるという事実は、ハンドバッグまたはポケット内のあらゆる隣接した物体を捕まえることによってその要素が意図しないで抜けるのを防ぐ。管状要素内のアプリケータ要素の偶発的な押し込みの危険性は実際極めて低く、さらに、このような意図しない押し込みが生じた場合、(弾性圧縮可能装置がその最大格納構成を呈するので)アプリケータ要素が突出しているという事実は、隣接する物体によって意図しないで抜けるかなりの危険性が生じる程では決してない。したがって、管状格納要素からアプリケータが抜ける危険性に対する効果的な保護が得られる。しかし、使用者が必要な場合にはこの抜き出しは簡単に達成される。というのは、縁部を僅かに押すことが、アプリケータ要素の基部を把持することによってそこから抜くことが容易であるその突出構成内にアプリケータ要素を移動させるのに十分であるからであり、クリップクロージャと同様に、かなりの力を必要とする移動、および回転がない。
【0020】
さらに、アプリケータ要素が管状格納要素内に完全に格納される範囲で、容器の外観は管状要素のみによって決まり(特に、容器がテーブルまたは他の支持体上に配置されていない場合、管状要素の自由横面のみが見える)、その横壁面に沿って破断線を備えていない極めて洗練された外観を有することが特に可能であり、容器の美観を決める大きな自由につながり、化粧品分野における非常に重要な販売用要因であることを証明することができる。
【0021】
それにも関わらず、上記種類の格納は、単純な移動によって、必要に応じてアプリケータ要素を簡単に抜き取ることが可能である必要性と推測的に一致していないように思われる可能性がある。さらに、押し込み移動によってこの種類のアプリケータ要素の抜き取りを開始することは矛盾しているように思われる可能性がある。実際、化粧品分野からかなり離れ、同一平面取付のあらゆる概念からかなり離れた分野で、より詳細には収縮可能なボールペンの分野では、2つの軸方向に格納された構成を備えた弾性圧縮可能装置が既に知られているが、この場合、機械リテーナは普通このようなボールペンの上部のボタンが逃げるのを防ぎ、当業者がこのような機構を考えるのをやめさせることができ、さらに当業者がこのような機構に対する興味を示したと仮定すると、このような機械的保持がない状態では、この種類の装置は化粧品の分野において直面する信頼性、堅実性および安定性の要件を有していないと考える可能性が多いだろう。さらに、利用可能な容量を最大に利用する普通の関心事は、当業者がこの種類の弾性圧縮可能装置に対応するように容器の容量の通常の割合を少なくすることを暗示する上記種類の装置を考慮するのをやめさせ、それにも関わらず、この種類の装置を化粧品容器の全体の寸法と比べて合理的である容量内で可動部分で、またはそのあたりで使用することができ、この種類の装置に対応する利用可能な容量の損失が、安全性、自由裁量および信頼性(特に、上記を参照)の観点からそれに対する補償で得られる利点を考えて全体的に許容可能であることが明らかになった。
【0022】
本発明の好ましい特性によると、必要に応じて、
アプリケータ要素の摩擦嵌合が可動部の雌部形成部で得られることと、
アプリケータ要素がこの可動部の位置の機能として、サービス構造外で管状収納要素内のアプリケータ要素の位置を十分決める可動部の相補支承表面と協働するようになっている環状支承表面を備えていることと、
アプリケータ要素が可動部の底部を支承するようになっている環状端部を有することと、
アプリケータ要素の摩擦嵌合は別の方法では管状格納要素に締め付けられた雌部内で得られることと、
弾性圧縮可能装置は管状要素の軸と平行な平面に全体的に配置されたハート型の閉ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面と、支承表面の間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面の間に軸方向に配置されたばねを備えていることと、
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面は管状格納要素に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面は可動部に取り付けられていることと、
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が可動部に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面は管状格納要素に取り付けられていることと、
ガイドトラックおよびフィンガが可動部と管状格納要素の底部の間で軸方向に配置されていることと、
第1の支承表面は軸平面に対して互いに対称である2つのガイドトラックに取り付けられており、第2の支承表面は前記軸平面に対して互いに対称である2つのフォロワフィンガに取り付けられていることと、
弾性圧縮可能装置は管状格納要素に取り付けられた固定支承表面と回転および平行移動の際に移動可能であるリングの間で軸方向に配置されたばねを備えており、可動部の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部を備えた鋸歯形状の環状トラックに対して押し付けられた径方向突起を有することと、
製品が口紅のスティックであることと、
製品が液体またはペーストであり、可動部内に含まれ、アプリケータ要素は製品が充填されるようになっているアプリケータ内で終端するステムを含み、可動部はステムを通過させるようになっているネックを含み、ステムおよびネックは相補的密封手段を含んでいることと、
相補的密封手段は可動部が最大格納位置にある場合に軸から分離され、突出部が爪部を、したがって可動部を管状要素の底部に向かって押す場合に軸に向かって移動されるようになっているステム上の突出部およびネック上の爪部を備えていることと、
爪部は突出部をネック内に形成されたシートに対して押すように軸に向かって移動される場合に突出部に軸力を与えるように従わされることと、
液体製品はマニキュア液であることと、
ネックが可動部を離れるときにアプリケータを拭くようになっているワイパを備えていることと、
アプリケータおよびワイパは非円形断面を有することと、
前記液体またはペースト製品はマスカラであることと、
前記製品はリップグロスであることと、
前記製品はファンデーションであることと、
前記製品は頬紅またはアイシャドウであることと
を組み合わせることができる。
【0023】
本発明の目的、特性および利点は、添付の図面を参照した非限定的な例示により与えられた以下の説明から現れる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の口紅容器の部分的に切り取った展開斜視図である。
【図2】部分的に切り取った管状格納要素の外壁、およびシースから極めて小さな距離だけ移動させたアプリケータ要素を示す、同じ容器の斜視図である。
【図3】シースの自由縁部に対して当接された部分的に突出したアプリケータ要素を示す、容器の別の斜視図である。
【図4】ばねを備えていない、最大格納位置の弾性圧縮可能装置を示す部分斜視図である。
【図5】またばねを備えていない、最小格納位置の装置を示す部分斜視図である。
【図6】閉構成の図1から5による容器の斜視図である。
【図7】弾性圧縮可能装置を図5の構成から図4の構成まで移動させるための押し込み移動を示す容器の図である。
【図8】管状格納要素から突出するアプリケータ要素を示す図である。
【図9】管状要素から完全に取り除いたアプリケータ要素を示す斜視図である。
【図10】前の図と異なる容器の実施形態の部分的に切り取った展開斜視図である。
【図11】本発明の容器の別の実施形態の展開斜視図である。
【図12】最小格納構成の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図13】最大格納構成の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図14】全体的な円筒部を有する別の口紅容器の斜視図である。
【図15】管状格納要素から部分的に係脱されたアプリケータ要素を示す、容器の別の図である。
【図16】より複雑な部分を有する別の口紅容器の斜視図である。
【図17】管状格納要素から部分的に係脱されたアプリケータ要素を示す、容器の別の図である。
【図18】アプリケータ要素の一部のみが管状要素内にある構成で、マスカラを利用するのに適切な別の容器の部分的に切り取った斜視図である。
【図19】管状要素の底部に向かって移動する点のシースを示す、容器の別の図である。
【図20】閉構成の容器の別の図である。
【図21】別のアプリケータの部分斜視図である。
【図22】軸対称を示さない別のアプリケータの部分斜視図である。
【図23】開構成にある、アプリケータのステムとリザーバを形成する可動部の間の密封要素の異なる実施形態の部分斜視図である。
【図24】閉構成で示した別の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1から9は、アプリケータ要素11と、長手方向に細長く、アプリケータ要素を受けるようになっている管状格納要素12とを備えた、本発明の口紅容器10を示している。
【0026】
アプリケータ要素は、その部分が要素11の最大部である後部横面11Aを有し、管状要素12は底端部12Aおよび環状端部12Bを有する。
【0027】
より正確には、当技術分野で知られている方法で、アプリケータ要素はここでは、回転可能基部13と、基部の角度位置の機能として、口紅を展開または格納させるために摺動するようになっている支持体(図示せず)に取り付けられた口紅のスティックを含む管14とを備えており、これは上記の横面を構成する基部の後面である。その支持体を備えた管、およびその中に係合されたスティックは普通、口紅カートリッジと呼ばれる。
【0028】
シース15は、管状格納要素内で摺動することができるように取り付けられており、アプリケータ要素11はシース内側と摩擦嵌合するようになっており、有利にはシースの内側にあるものから管状要素の底部を保護する底部15Aを備えている。
【0029】
アプリケータ要素、ここでは基部は、シースの自由縁部15Bに面するようになっている環状支承表面11Bを有することが好ましい。
【0030】
アプリケータ要素は有利には、その前端部でシースの底部を支承する。
【0031】
管状要素12は、シース用の保護キャップを構成し、容器の覆いを画定する。
【0032】
シースと管状要素の底部の間の弾性圧縮可能装置16は、2つの軸方向格納構成を有する。
【0033】
ここでは管状要素の軸と平行な平面内に配置されたハート型の閉ガイドトラック19であるものに取り付けられた第1の支承表面18と、支承表面間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガ21に連結された第2の支承表面20の間で軸方向に配置されたばね17を備えている。
【0034】
この例では、第1の支承表面は管状要素の底部に取り付けられており、第2の支承表面はシースの底部に取り付けられている。
【0035】
ここで、ガイドトラック19は閉ループを形成する溝であり、プレート22は溝から逃げるのを防ぐようにフィンガに沿って延びている。
【0036】
フィンガは、トラックを含む平面と平行に屈曲する際の自由度を有するロッド23の端部に取り付けられており、それによってフィンガが曲がりくねったトラックに沿うことが可能になる。
【0037】
ガイドトラックのハート形状は、管状要素の外部に向かって尖っている角部分19Aおよび19Bを有するように逆になっている(図4参照)。これらの角部分の間の軸方向距離Hにより、装置の格納位置間の軸方向距離が決まる。
【0038】
一方の角部分からもう一方まで行くためには、フィンガは凸状部分19Cおよび19Dの一方を通って到達しなければならず、このため、凸状部分の軸方向レベルが一方の格納位置からもう一方まで行くようにフィンガが押し込んでいなければならない深さを画定することが明らかである。
【0039】
最小格納位置(ハート形状の谷部に対応するもの)からもう一方の位置まで到達する必要がある押し込み経路hは、格納位置間の軸方向距離よりはるかに小さいことに留意すること。
【0040】
アプリケータ要素とシースの間の協働は、フィンガがその最小格納構成(シースの最も押し込んだ安定位置に対応する、図5参照)にある場合に、アプリケータ要素の横面は管状要素の環状端部の縁部と同一平面にあるようになっている。これに対して、ハート型トラックの角部分間の距離により、シースが管状要素の底部から最も遠いその安定位置に到達する場合にアプリケータ要素が突出する距離が決まる(図4参照)。
【0041】
トラックおよびフィンガの幾何形状の詳細は、特に、シースが押し込んでおり、凸状部分の一方を通過した場合に、フィンガが離れたばかりの格納位置に戻る代わりに、他の格納位置までトラックに沿うことを保証するように、ハート形状の軸の傾斜を選択することができる当業者の通常の能力内のものである。トラックを正確に沿うことを保証する別の方法は、後退移動を防ぐように、凸状部分の位置でトラックを形成する溝内の段差を提供することである。
【0042】
図6に示す閉構成で(軸方向圧縮可能装置が最小格納位置にある状態で)、容器は、アプリケータ要素の後部横面を除いて、管状格納要素によって画定された外側表面を有することに留意すること。
【0043】
上記距離hに対応する小さな押し込み移動(図7)は、軸方向圧縮可能装置をその最小格納位置から、アプリケータ要素が押し込み距離よりはるかに大きい上記距離Hと同じ距離だけ突出するその最大格納位置(図8)まで移動させるのに十分である。その後、アプリケータ要素を管状格納要素から引き出すように、使用者が2つのフィンガで突出部を把持すれば十分である(図9)。
【0044】
図10は、軸方向圧縮可能装置36が管状格納要素の底部によって担持されたフィンガ51を備えている(これらのフィンガは2つもあり、一方がもう一方の前にある)ことを除いて、図1から9と極めて同様の容器30を示しており、トラック39はシースの底部に取り付けられている(ここでは、固定ブロックの2つの対向面上に2つのトラックがある)。図10では、図1から9までのものと類似している構成部品は、20を加えることによって図1から9のものから推測される参照番号が割り当てられている。
【0045】
図示していない実施形態では、各フィンガおよび各トラックは、シースと管状格納要素の壁面の間で横方向に置き換えられている。
【0046】
図11から13は、別のタイプの圧縮可能装置を備えた別の容器を示している。図1から9のものと同様の図11から13の構成部品は、「第2の」記号(”)を加えることによって図1から9のものから推測される参照番号によって指定されている。
【0047】
弾性圧縮可能装置16”は、管状格納部材の固定支承表面、すなわち底部12A”と、回転および平行移動の際に移動可能であるリング19”の間で軸方向に配置されたばね17”を備えていることに留意すること。このリングは、可動部15A”の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部、ここでは浅い谷部21”Aおよび深い谷部21”Bを備えた鋸歯形状の環状トラック21”に対して押された径方向突起19”Aを有する。
【0048】
図12の構成では、アプリケータ要素は、図1から9のシース15とは異なり、管状格納要素に対して固定された雌部15”に摩擦嵌合している。径方向突起19”Aは浅い谷部内に係合され、可動部15A”を支承するアプリケータ要素11”は格納されたままである。
【0049】
要素11”を押し込ませることにより、突起19”Aを深い谷部内に移動させ、この中に可動部上の突起も係合される。突起が押し出され、その結果アプリケータ要素が突出する。
【0050】
上記例では、容器の全体部分は丸みを帯びた隅部を有する全体的に四角形であるが、本発明が平行移動のみを利用しているという事実により、図14および15の容器50に代表されるような円形断面から、図16および17の容器70に代表されるようなより複雑な形状まで、楕円形、多角形などの形状などの中間形状を通りクローバの葉に似ている形状を含む、容器断面に対する様々な形状が認められることを理解すべきである。
【0051】
図18から20は、マスカラなどの液体製品に適した本発明の別のタイプの容器を示している。
【0052】
この容器90は、80を加えることによって図1から5で使用されているものから推測される参照番号によって指定された、図1から5のものと同様の様々な構成部品を有する。
【0053】
上記容器と同様に、軸方向圧縮可能装置96は、管状格納要素92の底部92Aとシース95の底部95Aの間に配置されている。
【0054】
マスカラアプリケータの技術分野でよく知られているように、製品は管状格納要素、ここではシース内に入れられており、アプリケータ要素は、マスカラを装填するためにシースに入ることが可能なあらゆる適当な形状のアプリケータ94A、例えばブラシ内で終端するステム94を備えている。シースは、その底部と反対側の端部に、ステムがこれを通過し、製品内に浸漬された場合にアプリケータによって取り上げられるあらゆる余分なマスカラを保持するようになっているワイパ95Cと嵌合されたネック95Bを有する。
【0055】
液体製品漏洩を防ぐのに十分な閉塞シールを保証するためには、ステムは有利には球体または錐体などの隆起94Bを備えており、ネックはその外側に、隆起と協働するようになっており、普通は例えばその弾性により軸から間隔を置いて配置される傾向がある爪部95Dを有する。その結果、シースが最大格納位置にある場合、爪部は管状要素から延びており、したがって花の花弁のようにばらばらに広がることでき、隆起が逃げることが可能になる。これに対して、使用者がアプリケータ要素をシース内に押す場合、隆起は爪部の基部またはネックに対して上昇し、爪部でシースの押し込みを生じさせ、管状格納要素に入った場合、爪部は軸に向かって押され、それによって隆起を把持し、軸方向圧縮可能装置の押し込みがシースをその最大格納位置まで戻すのを可能にするまで逃げるのを防ぐ。
【0056】
爪部は有利には、隆起をネック内、ここでは爪部の基部に形成されたシートに対して隆起を押すように、軸方向に向かって移動する場合に隆起に下向きの軸力を加えるような形状をしている。
【0057】
明らかに、アプリケータ要素はあらゆる回転が全くなく引き抜くことができるので、幅広い範囲の形状をステムの端部でアプリケータに採用することができる。したがって、図21では、アプリケータ100はこれに沿ってステム103に取り付けられた点102が部分的に延びている1式の長い毛101を備えている。これに対して図22では、アプリケータ110は湾曲しており、肘部112によってステム111に連結されており、点線の輪郭で示すワイパ113に関しては、あらゆる形状、スロット形状、または三角形状であってもよい。明らかに、アプリケータ要素は直線である、または軸対称を示す必要はなく、対応するワイパはまた様々な形状をしていてもよい。
【0058】
アプリケータ要素とシースのネックの間のシールは、多くの異なる方法で、より詳細にはネックの円錐台形開口に形成された溝121と協働するステムの円錐台形部によって担持される単純なOリング120によって提供することができる(図23および24参照)。
【0059】
明らかに、本発明は管状格納要素の覆い内へのアプリケータ要素の格納、破断線または結合部のない外部形状を得ることができることにより別個であるシステムを提案している。このシステムはまた、従来技術の容器のアプリケータ要素を抜き取り、操作するのに必要な動作に加えて、短い経路上に穏やかな押力だけを加える必要しかないので、使用が容易である。最後に、このシステムは最適な安全性を提供する。というのは、最小格納位置では、製品は保護され、意図しない抜け落ちが防止される(隣接する物体を捕まえることができるアクセス可能な突起、縁部またはショルダがない)からである。それにも関わらず、シールはマスカラまたはリップグロスなどの液体状またはペースト状製品の場合に維持される。
【0060】
追加の機能は、管状格納要素の簡単な適応、例えば温度変化、衝撃、湿度などに対する保護によって得ることができる。
【0061】
明らかに、上記教示は、
マスカラと同様の問題が生じるリップグロス、
マニキュア液(ワイパの必要がない)、
ファンデーション、頬紅またはアイシャドウなどの粉末製品
などの幅広い範囲の製品に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横面を有する製品アプリケータ要素と、長手方向に細長く、底端部および環状端部を有する管状格納要素と備えた、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器であって、アプリケータ要素は管状要素内に取り付けられた容器において、アプリケータ要素が管状格納要素内と摩擦嵌合し、管状要素内に摺動可能に取り付けられ、軸方向押し込み構成に対する2つの軸方向格納構成で弾性圧縮可能装置によってこれに連結された可動部に対して支承し、2つの軸方向格納構成がそれぞれ、その横面が管状要素の環状端部と同一平面にあるアプリケータ要素の第1の構成と、その横面が第1の軸方向格納構成と軸方向押し込み構成の間の弾性圧縮可能装置の軸方向押し込み移動よりかなり大きい所与の距離だけ管状要素の環状端部に対して突出する第2の構成とを画定することを特徴とする、容器。
【請求項2】
アプリケータ要素の摩擦嵌合が、可動部の雌部(15)形成部で得られることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
アプリケータ要素が、可動部(15A、15B)の相補的支承表面と協働するようになっている環状支承表面を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
アプリケータ要素が、可動部の底部(15A)を支承するようになっている環状端部を有することを特徴とする、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
アプリケータ要素の摩擦嵌合が、管状格納要素に締め付けられた雌部(15”)で得られることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
弾性圧縮可能装置が、管状要素の軸と平行な平面に全体的に配置されたハート型の閉ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面と、支承表面の間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面の間に軸方向に配置されたばねを備えていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が、管状格納要素に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面が、可動部に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が、可動部に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面が管状格納要素に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
ガイドトラックおよびフィンガが、可動部と管状格納要素の底部の間で軸方向に配置されていることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
第1の支承表面が、軸平面に対して互いに対称である2つのガイドトラックに取り付けられており、第2の支承表面が、軸平面に対して互いに対称である2つのフォロワフィンガに取り付けられていることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
弾性圧縮可能装置が、管状格納要素に取り付けられた固定支承表面と回転および平行移動の際に移動可能であるリングの間で軸方向に配置されたばねを備えており、可動部の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部を備えた鋸歯形状の環状トラックに対して押し付けられた径方向突起を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
製品が口紅のスティックであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
製品が液体またはペーストであり、可動部内に含まれ、アプリケータ要素は製品が充填されるようになっているアプリケータ内で終端するステムを含み、可動部はステムを通過させるようになっているネックを含み、ステムおよびネックは相補的密封手段を含んでいることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
相補的密封手段は可動部が最大格納位置にある場合に軸から分離され、突出部が爪部を、したがって可動部を管状要素の底部に向かって押す場合に軸に向かって移動されるようになっているステム上の突出部およびネック上の爪部を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
爪部は突出部をネック内に形成されたシートに対して押すように軸に向かって移動される場合に突出部に軸力を与えるように従わされることを特徴とする、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
液体製品がマニキュア液であることを特徴とする、請求項13から15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
ネックが、可動部を離れるときにアプリケータを拭くようになっているワイパを備えていることを特徴とする、請求項13から15のいずれかに記載の容器。
【請求項18】
アプリケータおよびワイパが非円形断面を有することを特徴とする、請求項17に記載の容器。
【請求項19】
液体またはペースト製品がマスカラであることを特徴とする、請求項17または18に記載の容器。
【請求項20】
製品がリップグロスであることを特徴とする、請求項17または18に記載の容器。
【請求項21】
製品がファンデーションであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項22】
製品が頬紅またはアイシャドウであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項1】
横面を有する製品アプリケータ要素と、長手方向に細長く、底端部および環状端部を有する管状格納要素と備えた、固体状、液体状、ペースト状または粉末状化粧品用容器であって、アプリケータ要素は管状要素内に取り付けられた容器において、アプリケータ要素が管状格納要素内と摩擦嵌合し、管状要素内に摺動可能に取り付けられ、軸方向押し込み構成に対する2つの軸方向格納構成で弾性圧縮可能装置によってこれに連結された可動部に対して支承し、2つの軸方向格納構成がそれぞれ、その横面が管状要素の環状端部と同一平面にあるアプリケータ要素の第1の構成と、その横面が第1の軸方向格納構成と軸方向押し込み構成の間の弾性圧縮可能装置の軸方向押し込み移動よりかなり大きい所与の距離だけ管状要素の環状端部に対して突出する第2の構成とを画定することを特徴とする、容器。
【請求項2】
アプリケータ要素の摩擦嵌合が、可動部の雌部(15)形成部で得られることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
アプリケータ要素が、可動部(15A、15B)の相補的支承表面と協働するようになっている環状支承表面を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
アプリケータ要素が、可動部の底部(15A)を支承するようになっている環状端部を有することを特徴とする、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
アプリケータ要素の摩擦嵌合が、管状格納要素に締め付けられた雌部(15”)で得られることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
弾性圧縮可能装置が、管状要素の軸と平行な平面に全体的に配置されたハート型の閉ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面と、支承表面の間の相対移動の際にガイドトラックに沿うようになっている横フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面の間に軸方向に配置されたばねを備えていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が、管状格納要素に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面が、可動部に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
ガイドトラックに取り付けられた第1の支承表面が、可動部に取り付けられており、フォロワフィンガに取り付けられた第2の支承表面が管状格納要素に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
ガイドトラックおよびフィンガが、可動部と管状格納要素の底部の間で軸方向に配置されていることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
第1の支承表面が、軸平面に対して互いに対称である2つのガイドトラックに取り付けられており、第2の支承表面が、軸平面に対して互いに対称である2つのフォロワフィンガに取り付けられていることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
弾性圧縮可能装置が、管状格納要素に取り付けられた固定支承表面と回転および平行移動の際に移動可能であるリングの間で軸方向に配置されたばねを備えており、可動部の底部を支承し、少なくとも2つの異なる高さの谷部を備えた鋸歯形状の環状トラックに対して押し付けられた径方向突起を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
製品が口紅のスティックであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
製品が液体またはペーストであり、可動部内に含まれ、アプリケータ要素は製品が充填されるようになっているアプリケータ内で終端するステムを含み、可動部はステムを通過させるようになっているネックを含み、ステムおよびネックは相補的密封手段を含んでいることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
相補的密封手段は可動部が最大格納位置にある場合に軸から分離され、突出部が爪部を、したがって可動部を管状要素の底部に向かって押す場合に軸に向かって移動されるようになっているステム上の突出部およびネック上の爪部を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
爪部は突出部をネック内に形成されたシートに対して押すように軸に向かって移動される場合に突出部に軸力を与えるように従わされることを特徴とする、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
液体製品がマニキュア液であることを特徴とする、請求項13から15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
ネックが、可動部を離れるときにアプリケータを拭くようになっているワイパを備えていることを特徴とする、請求項13から15のいずれかに記載の容器。
【請求項18】
アプリケータおよびワイパが非円形断面を有することを特徴とする、請求項17に記載の容器。
【請求項19】
液体またはペースト製品がマスカラであることを特徴とする、請求項17または18に記載の容器。
【請求項20】
製品がリップグロスであることを特徴とする、請求項17または18に記載の容器。
【請求項21】
製品がファンデーションであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【請求項22】
製品が頬紅またはアイシャドウであることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−31683(P2013−31683A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220968(P2012−220968)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2008−510610(P2008−510610)の分割
【原出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2008−510610(P2008−510610)の分割
【原出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
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