説明

栽培ハウス用空調システム

【課題】低コスト化や二酸化炭素の削減を図ることのできる栽培ハウス用空調システムを提供することを課題とする。
【解決手段】栽培ハウスH内の空調を行う空調システム1であって、栽培ハウスH内に設置された油焚き温風機2と、栽培ハウスH内に設置された室内機31及び栽培ハウスH外に設置された室外機32を有するヒートポンプ式空調装置3と、を備え、油焚き温風器2は、栽培ハウスH内の温度が、予め設定された第1の設定温度以上のときに停止し、ヒートポンプ式空調装置3は、第1の設定温度よりも高い予め設定された第2の設定温度以上のときに停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培ハウス内の空調を行う栽培ハウス用空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビニールハウスやガラス張りの温室などの栽培ハウスを利用した農作物の栽培が広く行われているが、この栽培ハウス内の温度は農作物の成長に大きな影響を与えるため、栽培ハウス内の温度を管理する必要がある。例えば、特許文献1には、冬期、重油などの燃料を燃焼させて生成した温風を栽培ハウス内に供給して栽培ハウス内を暖房することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−117603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような重油焚き温風機による栽培ハウス内の暖房では、近年の石油価格の高騰によってコストが高くなるといった問題や、二酸化炭素の排出による環境面の問題があり、低コスト化や二酸化炭素排出量の削減などが要望されていた。そこで、本発明は、低コスト化や二酸化炭素の削減を図ることのできる栽培ハウス用空調システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る栽培ハウス用空調システムは、栽培ハウス内の空調を行う空調システムであって、前記栽培ハウス内に設置された油焚き温風機と、前記栽培ハウス内に設置された室内機及び前記栽培ハウス外に設置された室外機を有するヒートポンプ式空調装置と、を備え、前記油焚き温風器は、栽培ハウス内の温度が、予め設定された第1の設定温度以上のときに停止し、前記ヒートポンプ式空調装置は、前記第1の設定温度よりも高い予め設定された第2の設定温度以上のときに停止する。
【0006】
この栽培ハウス用空調システムによれば、油焚き温風機だけでなくヒートポンプ式空調装置によっても栽培ハウス内の暖房を行っている。そして、この油焚き温風機は、第1の設定温度以上となったときにその暖房運転が停止となり、第1の設定温度以上の場合は、ヒートポンプ式空調装置のみが稼働している状態となる。このように、油焚き温風機はヒートポンプ式空調装置の補助的な役割しか果たさず、ヒートポンプ式空調装置が主に栽培ハウス内の空調を行うため、低コスト化や二酸化炭素排出量の削減を図ることができる。また、ヒートポンプ式空調装置は、連続して暖房運転を行うと室外機の熱交換器部分(特にフィン部分)に着霜してしまい室外機に対する外気の通りが悪くなるという問題があるため、ある程度霜が付着すると除霜運転を行うように設定されている。しかし、この除霜運転とは、室外機側から温風が供給され、室内機側からは冷風が供給される運転であるため、ヒートポンプ式空調装置しか設置されていない場合は、栽培ハウス内が暖房されない状態となり栽培ハウス内の温度が下がりすぎてしまう可能性がある。これに対して、本発明に係る空調システムでは、油焚き温風機も設置されているため、ヒートポンプ式空調装置が除霜運転している際であっても栽培ハウス内を暖房することができ、栽培ハウス内の温度が過度に下がるといった問題を防止することができる。なお、この油焚き温風機とは、例えば重油焚き温風機や、灯油焚き温風機、軽油焚き温風機といったような、燃料を燃焼させて得た熱をファンによって送風することで温風を発生させる装置を含む概念である。
【0007】
上記栽培ハウス用空調システムは種々の構成をとることができるが、例えば、ファン装置を栽培ハウス内に設置し、このファン装置によって栽培ハウス内の空気を循環させるような構成とすることができる。この構成によれば、より効率的に栽培ハウス内の温度を均一にすることができる。
【0008】
また、上述したヒートポンプ式空調装置を複数台設置し、各ヒートポンプ式空調装置の室内機から送風される温風を栽培ハウス内に拡散させるよう前記各ヒートポンプ式空調装置の室内機近傍に上述したファン装置をそれぞれ設置するような構成としてもよい。この場合、各ファン装置は、対応するヒートポンプ式空調装置の除霜運転時に停止するように制御される。このように構成することで、ヒートポンプ式空調装置の除霜運転時に冷風がファン装置によって栽培ハウス内に拡散されることを防止することができる。なお、ヒートポンプ式空調装置が除霜運転を同時に行わないように制御することが好ましい。
【0009】
また、上記第1の設定温度及び第2の設定温度のうち少なくとも一方は、夜間の設定温度の方が昼間の設定温度よりも低いように設定してもよい。昼間に比べて夜間の温度はそれほど農作物に対して影響を与えることがないため、夜間の設定温度を低くすることで、より省エネ化を図ることができる。なお、このときの夜間の設定温度は、昼間の設定温度よりも3℃低い設定とすることが好ましい。
【0010】
また、上記第1の設定温度は、第2の設定温度よりも2℃低い設定とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コスト化や二酸化炭素の排出量の削減を図ることのできる栽培ハウス用空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本実施形態に係る栽培ハウス用空調システムの各装置の配置を示す平面図である。
【図2】図2は本実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の暖房運転時の状態を示す概略構成図である。
【図3】図3は本実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の除霜運転(冷房運転)時の状態を示す概略構成図である。
【図4】図4は栽培ハウス内の温度と、重油焚き温風機及びヒートポンプ式空調装置の稼働状態との関係を示すグラフである。
【図5】図5は実施例に係る栽培ハウスの概略を示す斜視図である。
【図6】図6は、実施例における栽培ハウス内の各機器の配置を示す平面図である。
【図7】図7は実施例1における栽培ハウス内の温度変化を示すグラフである。
【図8】図7は実施例1における各重油焚き温風機及びヒートポンプ式空調装置の消費電力量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る栽培ハウス用空調システムの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、図1の左右方向を長手方向、上下方向を短手方向と称し、図1中の矢印は送風方向を示す。また、以下では、栽培ハウス用空調システムが暖房用として使用されることを前提として説明をする。
【0014】
図1に示すように、栽培ハウス用空調システム1は、栽培ハウスH内の空調を行うためのシステムであり、本実施形態においては、2台の重油焚き温風機2、4台のヒートポンプ式空調装置3、及び6台のファン装置4から主に構成されている。
【0015】
栽培ハウスHは、鋼材や木材などで形成された骨組に合成樹脂のフィルムが外壁となるよう被覆した、いわゆるビニールハウスを採用しており、平面視が略長方形状となっている。この栽培ハウスHは、公知のものを採用することができる。
【0016】
栽培ハウスH内において、ヒートポンプ式空調装置3の室内機31が4隅に配置されるとともに、短手方向における各室内機31の間に重油焚き温風機2が設置されている。これら、ヒートポンプ式空調装置3や重油焚き温風機2は、栽培ハウスHの中央側に向かって温風を送るように配置されている。また、栽培ハウスH内には、その栽培ハウスH内の温度を測定する制御用温度センサ5が設置されており、その設置場所は、例えば、図1に示すような場所、すなわち、重油焚き温風機2の送風方向正面にそれぞれ設置することができる。
【0017】
重油焚き温風機2は、重油を燃焼させて温風を発生させる装置であり、従来から栽培ハウス内の暖房用として公知のものを使用することができる。この重油焚き温風機2は、制御手段(図示省略)によってその温風供給の開始や停止が制御される。詳細には、制御用温度センサ5によって検知した栽培ハウスH内の温度が、予め設定しておいた第1の設定温度T1以上となると温風の供給が停止され、第1の設定温度T1未満となると温風の供給が開始されるように制御手段によって制御される。なお、この第1の設定温度T1は、昼間と夜間とでその温度が異なるように設定することができる。例えば、朝6時から夜8時までの間(昼間)は、栽培ハウスH内の温度が13℃以上となったことを制御用温度センサ5が検知すると、制御手段によって重油焚き温風機2による温風の供給を停止させ、13℃未満であれば温風の供給を開始させるように制御し、夜8時から朝6時までの間(夜間)は、栽培ハウスH内の温度が10℃以上となったときに重油焚き温風機2による温風の供給を停止させ、10℃未満になると温風の供給を開始するよう制御することができる。
【0018】
ヒートポンプ式空調装置3は、栽培ハウスH内に設置される室内機31と、栽培ハウスH外に設置される室外機32とから主に構成されており、この室内機31に形成された吹出口から温風(又は冷風)が吹き出される。また、ヒートポンプ式空調装置3は、図2に示すように、圧縮機301、四方切替弁302、室内側熱交換器303、膨張弁(減圧機構)304、及び室外側熱交換器305が冷媒配管によって環状に接続されており、内部に冷媒が循環するような構造となっている。そして、このうち、室内側熱交換器303が室内機31内に設置されており、圧縮機301や四方切替弁302、膨張弁304、室外側熱交換器305が室外機32内に設置されている。室内機31は、栽培ハウスH内の空気を吸い込む吸込口が形成されており、この吸込口から吸い込んだ空気が室内側熱交換器303内を流れる冷媒と熱交換される。暖房運転時は冷媒と熱交換した空気が加熱されて温風となり吹出口から吹き出され、除霜運転時(又は冷房運転時)はその空気が冷却されて冷風となり吹出口から吹き出されるように構成されている。
【0019】
このヒートポンプ式空調装置3は、その室内機31の内部に設置された制御用温度センサによって検知された栽培ハウスH内の温度が、予め設定した第2の設定温度T2以上になると温風の供給が停止し、第2の設定温度T2未満となると温風の供給が開始されるように制御手段(図示省略)によって制御される。この第2の設定温度T2は、第1の設定温度T1よりも2〜5℃程度高くすることが好ましく、約2℃高くすることがより好ましい。また、この第2の設定温度T2を昼間と夜間とで異なる温度にすることができる。具体的に説明すると、例えば、朝6時から夜8時までの時間帯(昼間)では第2の設定温度T2を15℃とし、夜8時から朝6時までの時間帯(夜間)では、第2の設定温度T2を12℃とすることができる。
【0020】
なお、暖房運転時のヒートポンプ式空調装置3は、図2に示すように、冷媒が、圧縮機301、四方切替弁302、室内側熱交換器303、膨張弁304、室外側熱交換器305、四方切替弁302、圧縮機301の順に流れるため、室内側熱交換器303には高温の冷媒が流れ、室外側熱交換器305には低温の冷媒が流れる。この暖房運転が続くと、室外熱交換器305本体や、フィンなどに霜が付着して室外熱交換器305に対する外気の流れが悪くなるため、この霜を溶かすために除霜運転を行う。この除霜運転時は、図3に示すように四方切替弁302での流路が切り替わり、冷媒は、圧縮機301、四方切替弁302、室外熱交換器305、膨張弁304、室内側熱交換器303、四方切替弁302、圧縮機301の順に流れるため、室外側熱交換器305に高温の冷媒が流れ、室内側熱交換器303に低温の冷媒が流れる。
【0021】
ファン装置4は、ヒートポンプ式空調装置3などから吹き出された温風などを栽培ハウスH内に循環させるために設置されており、各ヒートポンプ式空調装置3の室内機31の近傍にそれぞれ配置され、より詳細には、各室内機31からの送風方向下流側にそれぞれ配置されている。なお、特に限定されるわけではないが、ファン装置4と室内機31との距離は、5〜6m程度とすることが好ましい。また、ファン装置4は、室内機31の近傍だけでなく、長手方向中央部にも2台設置されている。各室内機31の近傍に配置されたファン装置4は、対応するヒートポンプ式空調装置3が除霜運転となったときには停止するように制御手段(図示省略)によって制御される。また、省エネのために、ファン装置4の稼働と停止を15分間隔で繰り返すような運転とすることもできる。
【0022】
次に、上述したように構成された栽培ハウス用空調システムの作動方法について説明する。なお、以下では昼間(朝6時から夜8時)の時間帯における栽培ハウス用空調システムの作動方法を説明する。
【0023】
まず、図4に示すように、栽培ハウスH内の温度が下がり続けて第1の設定温度T1未満となると、重油焚き温風機2からの温風の供給を開始させる。なお、このとき第2の設定温度T2よりも栽培ハウスH内の温度が低いため、ヒートポンプ式空調装置3からも温風が供給されている。
【0024】
そして、重油焚き温風機2及びヒートポンプ式空調装置3による温風の供給によって栽培ハウスH内の温度が第1の設定温度T1まで上昇すると、重油焚き温風機2による温風の供給が停止し、ヒートポンプ式空調装置3のみが温風を供給している状態となる。このヒートポンプ式空調装置3のみの温風供給で栽培ハウスH内の温度がさらに第2の設定温度T2まで上昇すると、ヒートポンプ式空調装置3による温風の供給が停止し、ヒートポンプ式空調装置3と重油焚き温風機2の双方が温風の供給を停止した状態となる。ここで栽培ハウスH内の温度が下がり第2の設定温度T2未満となると、再度、ヒートポンプ式空調装置3による温風の供給が開始される。
【0025】
以上、上記実施形態に係る栽培ハウス用空調システム1によれば、重油焚き温風機2は、第1の設定温度T1未満でなければ温風の供給は行われず、基本的にはヒートポンプ式空調装置3の補助的な役割となっているため、二酸化炭素の排出を削減や、低コスト化を図ることができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、栽培ハウス内を暖房する場合についてのみ説明したが、栽培ハウス内を冷房することもできる。この場合は、重油焚き温風機2を停止するとともに、ヒートポンプ式空調装置3を上述した除霜運転と同様に運転させることで、栽培ハウスH内に冷風を提供することができる。この場合は、第3の設定温度T3未満になるとヒートポンプ式空調装置3による冷風の供給が停止し、第3の設定温度T3以上となると冷風が供給されるように制御手段によって制御され、例えばこの第3の設定温度T3を約20℃とすることができる。
【0027】
また、上記実施形態の第1の設定温度T1や第2の設定温度T2は、特に限定されるものではなく、栽培する農作物によって変更させてもよい。
【0028】
また、重油焚き温風機2やヒートポンプ式空調装置3やファン装置4の停止や稼働を制御するための制御手段は、各装置に1つずつ内蔵させてもよいし、一台の制御手段によって全ての装置の制御を行うような構成としてもよい。また、その他にも、1台の制御手段によって全てではなく複数の装置の制御を行う(例えば、図1左側の各装置を第1の制御手段で制御し、図1右側の各装置を第2の制御手段で制御するなど)こともできる。
【0029】
また、上記実施形態では、重油を燃料とした重油焚き温風機2を採用しているが、軽油や灯油などを燃料とする温風機を採用することもできる。
【実施例】
【0030】
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
栽培ハウスは、図5に示すように、長手方向の長さdが78mであり、短手方向の長さwが16m、天井高h1が6.35m、軒高h2が2.2mであり、ポリエチレンフィルム2層で形成されている。図1の左側に配置される重油焚き温風機2としては、ネポン株式会社製のハウスカオンキHK-4025を使用し、右側に配置される重油焚き温風機2としては、ネポン株式会社製のハウスカオンキHK-2025を使用した。また、ヒートポンプ式空調装置3としては、三菱電機株式会社製の床置型の栽培ハウス向専用空調機PSZN-ERP160GBを採用した。また、ファン装置4は、株式会社ソーワテクニカ製のストレートパワーファンPF-H35CTCを採用した。この栽培ハウス内の温度を測定するために、温度センサTH1−1〜TH1−12を計12箇所に設置し、また、温度センサTH1−13によって外気温を測定した。なお、栽培ハウスH内における各機器の配置は図6の通りとした。温度センサTH1−1〜1−8は床より1.5mの高さにおいて温度測定し、また、栽培ハウスの中央に配置された温度センサTH1−9〜1−12は、床から500mmピッチで4箇所温度測定した。
【0032】
朝6時〜夜8時の時間帯(昼間)では、ヒートポンプ式空調装置3は15℃以上になると停止し15℃未満になると稼働するよう設定され、重油焚き温風機2は12℃以上になると停止し12℃未満になると稼働されるように設定した。また、夜8時〜朝6時までの時間帯(夜間)では、ヒートポンプ式空調装置3は12℃以上になると停止し12℃未満になると稼働するように設定され、重油焚き温風機2は10℃以上になると停止し10℃未満になると稼働するように設定した。
【0033】
以上の条件で、栽培ハウスH内の各測定点における時間毎の温度変化をグラフ化したものを図7に示し、また、この空調システムによる消費電力量をグラフ化したものを図8に示す。
【0034】
また、各ヒートポンプ式空調装置のランニングコストを表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
また、今回の実施例では栽培ハウス内の温度が10℃を下回ることは無かったため、各重油焚き温風機2は稼働しておらず、ランニングコストは0円である。よって、実施例の空調システムのランニングコストは、1185円/日である。
【0037】
(比較例1)
比較例1として、実施例1と隣接する同様の栽培ハウスにおいて実施例1と同様の空調システムを用いたが、ヒートポンプ式空調装置3は使用せず、重油焚き温風機2のみを使用した。また、この重油焚き温風機2は、実施例1と同様の条件、すなわち、昼間は13℃未満のみ稼働させ、夜間は10℃未満のみ稼働させるという条件で行った。この比較例1における空調システムのランニングコストを表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
このように、比較例1の空調システムのランニングコストは2765円/日であり、実施例1は比較例1よりも低コストであることが分かった。
【符号の説明】
【0040】
1 栽培ハウス用空調システム
2 重油焚き温風機
3 ヒートポンプ式空調装置
31 室内機
32 室外機
4 ファン装置
H 栽培ハウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培ハウス内の空調を行う空調システムであって、
前記栽培ハウス内に設置された油焚き温風機と、
前記栽培ハウス内に設置された室内機及び前記栽培ハウス外に設置された室外機を有するヒートポンプ式空調装置と、を備え、
前記油焚き温風器は、栽培ハウス内の温度が、予め設定された第1の設定温度以上のときに停止し、
前記ヒートポンプ式空調装置は、前記第1の設定温度よりも高い予め設定された第2の設定温度以上のときに停止する、空調システム。
【請求項2】
前記栽培ハウス内に設置され、前記栽培ハウス内の空気を循環させるファン装置をさらに備えた、請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記ヒートポンプ式空調装置は、複数台設置され、
前記ファン装置は、前記各ヒートポンプ式空調装置の室内機から送風される温風を前記栽培ハウス内に拡散させるよう前記各ヒートポンプ式空調装置の室内機近傍にそれぞれ設置されており、
前記各ファン装置は、対応する前記ヒートポンプ式空調装置の除霜運転時に停止する、請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記第1の設定温度及び前記第2の設定温度のうち少なくとも一方は、夜間の設定温度の方が昼間の設定温度よりも低い、請求項1〜3のいずれかに記載の空調システム。
【請求項5】
前記夜間の設定温度は、前記昼間の設定温度よりも3℃低い、請求項4に記載の空調システム。
【請求項6】
前記第1の設定温度は、前記第2の設定温度よりも2℃低い、請求項1〜5のいずれかに記載の空調システム。
【請求項7】
前記ヒートポンプ式空調装置は複数台設置され、各ヒートポンプ式空調装置が同時に除霜運転を行わないよう制御される、請求項1〜6のいずれかに記載の空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−16315(P2012−16315A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155961(P2010−155961)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】