説明

栽培ハウス

【課題】適切な栽培環境を容易に作ることが可能な栽培ハウスを提供する。
【解決手段】植物を栽培するための栽培ハウスであって、植物を内部に収容し、水平軸周りに回転可能な中空状の第1の回転体を備え、第1の回転体は、側面の一部が遮光又は断熱されており、遮光又は断熱された部分が、植物の上方に位置した際に植物を覆うよう構成されている、栽培ハウス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を栽培するための栽培ハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物等の植物を降雨等から保護し、あるいは温度環境を調整する等の目的で施設園芸が広く行われており、この施設園芸においては一般的に栽培ハウスが用いられている。この栽培ハウスは、例えば特許文献1に示されるように、アーチ状のフレームをビニールシートで覆い、栽培する植物をその内部に収容する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−61481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような栽培ハウスにおいて植物を栽培する場合、夏季には植物が強い日差しに晒されないよう日光を遮断し、冬季には栽培ハウス内の温度が下がらないよう外気を遮断して、常に適切な栽培環境下に植物を置く必要がある。しかしながら、このように植物にとって適切な栽培環境を作るためには、栽培ハウス内に遮光ネットを別途設置し、あるいは栽培ハウスの壁面に断熱シートを貼り付けるといった面倒な作業を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、適切な栽培環境を容易に作ることが可能な栽培ハウスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、植物を栽培するための栽培ハウスであって、前記植物を内部に収容し、水平軸周りに回転可能な中空状の第1の回転体を備え、前記第1の回転体は、側面の一部が遮光又は断熱されており、側面の一部が遮光されている場合は前記遮光された部分が、側面の一部が断熱されている場合は前記断熱された部分が、前記植物の上方に位置した際に前記植物を覆うよう構成されている。また、本発明に係るハウスは、なお、本発明における「遮光」とは、外光を完全に遮断することだけではなく、外光の一部を遮断することをも含む概念であり、「植物を覆う」とは、第1の回転体の側面の一部が遮光されている場合は、外光が直接植物に当たらない程度に植物を覆い、また、第1の回転体の側面の一部が断熱されている場合は、植物の周囲の温度を維持できる程度に植物を覆うことを意味している。
【0007】
上記栽培ハウスは、第1の回転体の側面の一部が遮光されている場合、第1の回転体を回転させて遮光された部分を植物の上方に配置するだけで、遮光された部分で植物を覆うことができ、外光が直接植物に当たるのを防ぐことができる。また、上記栽培ハウスは、第1の回転体の側面の一部が断熱されている場合、第1の回転体を回転させて断熱された部分を植物の上方に配置するだけで、断熱された部分で植物を覆うことができ、植物の周囲の温度を維持することができる。このように、上記栽培ハウスは、植物にとって適切な栽培環境を容易に作ることができる。
【0008】
また、上記栽培ハウスは、第1の回転体を内部に収容し、水平軸周りに回転可能且つ透明な中空状の第2の回転体をさらに備えることができる。この構成によれば、第2の回転体によって風雨から植物を保護することができ、また、この第2の回転体を頑丈な材料で作製した場合は、第1の回転体の頑丈性を考慮する必要がなく、第1の回転体の材料を自由に選択することができる。さらに、降雪の際には、第2の回転体を回転させることにより第2の回転体から雪を落下させることもでき、雪の重量で栽培ハウスが破損するのを防止することもできる。
【0009】
上記第1の回転体は、側面の一部が開放されていてもよい。これにより、栽培ハウス内に外気を取り込むことができ、栽培ハウス内の温度が上昇するのを抑制することができる。
【0010】
また、上記栽培ハウスは、植物を内部に収容し、水平軸周りに回転可能な中空状の第3の回転体が第1の回転体内に設けられていてもよい。この第3の回転体は、側面の一部が遮光又は断熱されており、遮光又は断熱された部分が、植物の上方に位置した際に植物を覆うよう構成されている。これにより、第1及び第3の回転体の双方において側面の一部が遮光されている場合、第1の回転体の遮光された部分と第3の回転体の遮光された部分とを重ねて植物を覆ったり、第1及び第3の回転体の遮光された部分のいずれか一方で植物を覆ったりすることで、遮光率を変更することができる。また、第1及び第3の回転体の双方において側面の一部が断熱されている場合、第1の回転体の断熱された部分と第3の回転体の断熱された部分とを重ねて植物を覆うことで断熱性を向上させることができる。
【0011】
第1及び第3の回転体の双方において側面の一部が遮光されている場合、第3の回転体の遮光された部分は、第1の回転体の遮光された部分と遮光率が異なることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、適切な栽培環境を容易に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る栽培ハウスの透視斜視図である。
【図2】上記第1実施形態に係る栽培ハウスの正面断面図である。
【図3】上記第1実施形態に係る栽培ハウスの側面断面図である。
【図4】上記第1実施形態に係る保持部材の正面断面図である。
【図5】上記第1実施形態に係る栽培ハウスの使用方法を示す正面断面図である。
【図6】上記第1実施形態の変形例に係る栽培ハウスの使用方法を示す正面断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る栽培ハウスの正面断面図である。
【図8】上記第2実施形態に係る栽培ハウスの使用方法を示す正面断面図である。
【図9】上記第2実施形態の変形例に係る栽培ハウスの使用方法を示す正面断面図である。
【図10】上記第1及び第2実施形態の変形例に係る回転体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る栽培ハウスの第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
第1実施形態に係る栽培ハウス1は、図1及び図2に示すように、植物Pを保持した保持部材5を内部に収容する第1の回転体2、及びこの第1の回転体2を内部に収容する第2の回転体3を備えており、第1及び第2の回転体2,3は、水平軸周りに回転可能なよう支持台4に支持されている。
【0016】
第1の回転体2は、図1及び図2に示すように、複数の円筒部21を備えており、支持台4の脚部42間に円筒部21が1つずつ配置されている。各円筒部21は、複数の環状フレーム211、及びこの複数の環状フレーム211を連結する複数の水平フレーム212を有しており、側面の半周が第1の遮光資材213で形成され、残りの半周は開放されている。この第1の遮光資材213としては、光の少なくとも一部を遮断することができれば特に限定されるものではないが、例えば、網目状の遮光ネットや寒冷紗の他、光を完全に遮断することができるフィルム等も使用することができる。なお、第1の回転体2の両端面は、開放されていてもよく、また、第1の遮光資材213又は後述する透明資材313で覆われていてもよい。
【0017】
図1及び図2に示すように、第2の回転体3は、第1の回転体2と同様、複数の円筒部31を備えており、各円筒部31は、複数の環状フレーム311、及びこの複数の環状フレーム311を連結する複数の水平フレーム312を有している。各円筒部31は、側面の半周が透明資材313で形成されており、残りの半周は開放されている。透明資材313としては、光を透過させるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ビニールシート、断熱率や光透過性が高いフィルム、光合成活性が低い緑色波長域(500nm〜600nm)の光を光合成活性が高い赤色波長域(600nm〜700nm)の光に変換するフィルム、又は赤色波長域の光を選択的に通すフィルム等を使用することができる。なお、第2の回転体3の両端面は、開放されていてもよく、また、透明資材313で覆われていてもよい。
【0018】
支持台4は、図1に示すように、植物Pを保持する保持部材5が複数載置される載置部41と、複数の脚部42とを備えている。各脚部42には、図2に示すように、第2及び第3の回転体2,3を回転可能に支持する複数の転動体6が設けられている。この複数の転動体6は、回転軸61に接続された駆動源(図示省略)によって水平軸周りに回転させられるよう構成されていてもよい。載置部41は、載置された保持部材5を水平方向に搬送することができるよう、複数の円筒コロ(図示省略)で構成することもできる。
【0019】
図3に示すように、支持台4の少なくとも一方の端部には、各保持部材5を昇降させるための昇降機構7が設けられていてもよい。この昇降機構7は、例えば、チェーン72の巻き取り及び送り出しにより、保持部材5を収容する昇降ケージ71が昇降するよう構成されている。この昇降機構7は、昇降ケージ71が保持部材5ごと反転するよう構成されていてもよく、この場合、昇降ゲージ71の下方には液体が貯留される貯留槽8が設けられていることが好ましい。これにより、保持部材5上の植物Pを貯留槽8内の液体に浸漬し、例えば、害虫駆除や、葉面施肥、有害物質の除去等を行うことができる。
【0020】
保持部材5は、図4に示すように、中空の箱状であって上下に分割されている。保持部材5の上面には複数の貫通孔51が設けられており、この貫通孔51によって、葉茎部が保持部材5の上面に露出するとともに根部が保持部材5の内部に収容されるよう植物Pが保持される。保持部材5は、注入管52及び排出管53を有しており、この注入管52を介して培養液タンク(図示省略)から内部に培養液が注入され、排出管53を介して内部から排出された培養液が培養液タンク(図示省略)に戻されるよう構成されている。保持部材5内に注入される培養液としては、特に限定されるものではないが、水の他、窒素、リン酸、若しくはカリ等の化学肥料、又は堆肥抽出液若しくは動植物の発酵液等の有機肥料を適当な溶媒に溶解させたものを使用することができ、天然の植物生長促進剤又は天然の害虫忌避剤を添加することもできる。なお、保持部材5の内部には必要に応じて保水材(図示省略)を収容しておくことができ、この保水材としては、特に限定されるものではないが、例えば、発泡スチロールチップや、発砲ポリウレタンチップ、スポンジチップ、糸玉、紙片、又は繊維マット等が挙げられる。
【0021】
保持部材5の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、縦300〜5000mm×横100〜1000mm×高さ10〜100mmの直方体状とすることができ、側壁の厚さを10〜150mmとすることができる。また、貫通孔51の大きさとしては、例えば、直径10〜200mmとすることができ、各貫通孔51間の間隔は、例えば、50〜600mmとすることができる。保持部材5の材質としては、断熱性を有するものが好ましいが特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、又はポリエチレン樹脂等の合成樹脂発泡体や、合成樹脂発泡体と、合成樹脂板、木板、又はステンレス等の金属板との複合材等を用いることができ、合成樹脂発泡体で保持部材5を形成した場合は、保持部材5の表面にポリウレタン樹脂塗料(登録商標リボールマイティ)等の防水塗料を塗布することが好ましい。
【0022】
次に、上述したように構成された栽培ハウス1の使用方法について説明する。
【0023】
栽培ハウス1は、特に日差しの強い夏季において以下のように使用される。すなわち、昼間には、第1の遮光資材213が植物Pの上方に位置するよう第1の回転体2を回転させ、この第1の遮光資材213で植物Pを覆うことにより、植物Pに照射される日光を遮断する(図5(a))。一方、第2の回転体3は、透明資材313で覆われていない部分(開放された部分)が植物Pの上方に配置されており、この部分から外気を取り込むことで植物Pの周囲が高温となるのを抑制する。夜間には、第1の遮光資材213が植物Pの下方に位置するよう、第1の回転体2を反転させてもよい(図5(b))。また、風雨の際には、第2の回転体3を反転させて透明資材313で植物Pを覆うことにより、植物Pを風雨から保護することができる(図5(c))。
【0024】
このように、第1実施形態に係る栽培ハウス1は、第1の回転体2を回転させるだけで第1の遮光資材213で植物Pを覆うことができ、植物Pに照射される日光を遮断することができるため、特に夏季において、適切な栽培環境を容易に作ることができる。また、第2の回転体3の側面の半周が開放されていることにより、栽培ハウス1内に外気を取り込むことができ、栽培ハウス内が高温となるのを防止することができる。なお、第1の遮光材213が光を完全に遮断することができるものである場合は、第1の遮光資材213で植物Pを覆えば、人工的に夜間の環境を作ることができ、植物Pに対する日照時間を調整することができる。
【0025】
上記第1実施形態の栽培ハウス1は、第1及び第2の回転体2,3を備えていたが、第1の回転体2のみを備えていてもよく、また、3つ以上の回転体を備えることもできる。例えば、図6に示すように、栽培ハウス1は、第1の回転体2内に第3の回転体9が設けられていてもよい。この第3の回転体9は、第1の回転体2と同様に、水平軸周りに回転可能なよう支持台4に支持されており、側面の半周が第2の遮光資材913で形成されている。この構成によれば、例えば、比較的日差しが弱い午前中には、第1の回転体2における第1の遮光資材213のみで植物Pを覆って植物Pに照射される日光を遮断し(図6(a))、日差しが強い午後には、第3の回転体9を反転させ、第1及び第2の遮光資材213,913を重ねて植物Pを覆い、第1及び第2の遮光資材213,913の双方で植物Pに照射される日光を遮断する(図6(b))というように、日差しの強さに応じて遮光率を変更することができる。なお、第1及び第2の遮光資材213,913自体の遮光率は、同じであっても相違していてもよい。また、第2の遮光資材913が網目の細かいネットであれば、第2の遮光資材913を害虫除けとしても使用することができ、例えば、夜間において第2の遮光資材913のみで植物Pを覆うこともできる(図6(c))。
【0026】
また、上記第1実施形態の栽培ハウス1において、第1の回転体2は、側面の半周が第1の遮光資材213で形成され、残りの半周が開放されていたが、第1の遮光資材213以外の部分が開放されていなくてもよい。
【0027】
また、上記第1実施形態の栽培ハウス1において、第2の回転体3は、側面の半周が透明資材313で形成され、残りの半周が開放されていたがこれに限定されず、内部に外気を取り込むことができるよう側面の少なくとも一部が開放されていればよい。また、第2の回転体3は、側面全体を透明資材313で形成することもでき、この場合は側面又は端面に換気窓を設けることが好ましい。
【0028】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る栽培ハウスの第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0029】
第2実施形態に係る栽培ハウス10において、第1の回転体20は、図7に示すように、側面の半周が透明資材2013で形成されており、残りの半周が第1の断熱資材2014で形成されている。第2の回転体30は、側面全体が透明資材3013で形成されている。透明資材2013,3013としては、第1実施形態の透明資材313と同様のものを使用することができ、第1の断熱資材2014としては、特に限定されるものではないが、断熱効果が高いフィルムや断熱資材シートを使用することができる。なお、第1及び第2の回転体20,30の両端面は、透明資材2013,3013又は第1の断熱資材2014で覆われていることが好ましい。
【0030】
このように構成された栽培ハウス10は、特に気温の低い冬季において使用される。すなわち、昼間は、第1の回転体20の第1の断熱資材2014を植物Pの下方に配置しておき(図8(a))、夜間は、第1の断熱資材2014で植物Pを覆うよう第1の回転体20を反転させる(図8(b))。
【0031】
このように、第2実施形態に係る栽培ハウス10は、第1の回転体20を反転させるだけで第1の断熱資材2014によって植物Pを覆うことができ、外気から植物Pを保護することができるため、特に冬季において、適切な栽培環境を容易に作ることができる。また、降雪の際、第2の回転体30を回転させることにより第2の回転体20から雪を落下させることができ、雪の重量で栽培ハウス10が破損するのを防止することができる。
【0032】
上記第2実施形態の栽培ハウス10は、第1の回転体20のみを備えていてもよく、また、3つ以上の回転体を備えていてもよい。例えば、図9に示すように、第1の回転体20内に第3の回転体90を設けることもできる。第3の回転体90は、第1の回転体20と同様に、側面の半周が透明資材9013で形成されており、残りの半周が第2の断熱資材9014で形成されている。これにより、第1及び第2の断熱資材2014,9014を重ねて植物Pを覆うことができ、より高い断熱効果を得ることができる(図9(a))。また、必要に応じて、第1及び第2の断熱資材2014,9014のいずれか一方で植物Pを覆うこともでき(図9(b))、第1及び第2の断熱資材2014,9014自体の断熱率は同じであっても相違していてもよい。
【0033】
また、上記第2実施形態の栽培ハウス10において、第1の回転体20は、側面の半周が透明資材2013で形成され、残りの半周が第1の断熱資材2014で形成されていたが、側面全体が透明資材2013で形成されるとともに側面の半周が第1の断熱資材2014で覆われるよう構成されていてもよい。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態において、第1の回転体は、側面の半周が遮光又は断熱されていたが、遮光又は断熱された部分が植物Pの上方に配置された際、植物Pに直接外光が当たらないよう、又は植物Pの周囲の温度を維持できるよう、植物Pを覆うことができる程度の面積が遮光又は断熱されていればよい。
【0035】
また、上記実施形態において、各回転体は複数の円筒部を備えていたが、1つの円筒部で回転体を構成することもできる。
【0036】
また、図10に示すように、各回転体は、支持フレームF、及びこの支持フレームFに摺動可能に支持される資材Mを備えるよう構成されていてもよく、これにより、資材Mを容易に交換することが可能となる。この資材Mとしては、上述した透明資材、遮光資材、又は断熱資材を選択的に用いることができる。
【0037】
また、例えばブラシやモップといった清掃器具を、各回転体の外周面に当接するよう設けることもできる。これにより、各回転体を回転させることで各回転体の外周面を容易に清掃することができる。
【0038】
また、上記実施形態においては、各回転体は円筒形状に形成されていたが、水平軸周りに回転可能であればよく、例えば、多角形状や球状等、種々の形状に形成することができる。
【0039】
また、上記実施形態においては、支持台4の載置部41は一段であったが、二段以上設けられていてもよい。この場合は、支持台4の両端に昇降機構7を設け、少なくとも一方の昇降機構7が保持部材5を反転させることができるよう構成することが好ましい。
【0040】
また、上記実施形態においては、保持部材5として中空の箱状のものを用いていたが、植物Pを保持することができればこれに限定されず、パネル状のものや、プランタ等、種々のものを保持部材として用いることができる。また、支持台4に植物を直接植えることができれば、別途保持部材を使用する必要はない。
【符号の説明】
【0041】
1,10 栽培ハウス
2,20 第1の回転体
213 第1の遮光資材
2014 第1の断熱資材
3,30 第2の回転体
9,90 第3の回転体
913 第2の遮光資材
9014 第2の断熱資材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培するための栽培ハウスであって、
前記植物を内部に収容し、水平軸周りに回転可能な中空状の第1の回転体を備え、
前記第1の回転体は、側面の一部が遮光又は断熱されており、前記遮光又は断熱された部分が、前記植物の上方に位置した際に前記植物を覆うよう構成されている、栽培ハウス。
【請求項2】
前記第1の回転体を内部に収容し、水平軸周りに回転可能且つ透明な中空状の第2の回転体をさらに備える、請求項1に記載の栽培ハウス。
【請求項3】
前記第2の回転体は、側面の一部が開放されている、請求項2に記載の栽培ハウス。
【請求項4】
前記第1の回転体内に設けられた第3の回転体であって、前記植物を内部に収容し、水平軸周りに回転可能な中空状の前記第3の回転体をさらに備え、
前記第3の回転体は、側面の一部が遮光又は断熱されており、前記遮光又は断熱された部分が、前記植物の上方に位置した際に前記植物を覆うよう構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の栽培ハウス。
【請求項5】
前記第1及び第3の回転体は、側面の一部が遮光されており、
前記第3の回転体の遮光された部分は、前記第1の回転体の遮光された部分と遮光率が異なる、請求項4に記載の栽培ハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−39052(P2013−39052A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176701(P2011−176701)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(395021239)株式会社生物機能工学研究所 (21)
【Fターム(参考)】