説明

案内システム

【課題】走行用モータで走行移動する電気自動車等の電気車両に搭載される電池に対する電力供給を案内する案内システムを提供する。
【解決手段】本発明の案内システムは、走行用モータで走行する電気車両に搭載される電池に対する電力供給を案内する案内システムであって、第1電池ユニットとレンタルされる第2電池ユニットとを含む複数の電池ユニットと、複数の電池ユニットが装着される複数の電池装着部と、指定された目的地までのルートを案内するナビゲーション装置と、を備え、ナビゲーション装置は、指定された目的地と電池装着部に装着された電池ユニットの電池残量に応じて、第1電池ユニット及び第2電池ユニットに対する電力供給サービスを提供する電力供給ステーションの位置を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は案内システムに関する。より具体的には、走行用モータで走行移動する電気自動車等の電気車両に搭載される電池に対する電力供給を案内する案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車業界をはじめ、地球温暖化物質である二酸化炭素の排出削減目標を達成するため、ガソリンエンジン車からハイブリッド車や電気自動車への移行が推奨されている。特に、電気自動車は、構成が簡単で維持管理が容易であることから、将来的な技術改良とともに普及率の向上が見込まれている。
【0003】
電気自動車が動力源として搭載する走行用の電池に関し、大きさ及び形状等の規格を統一化し、充電式の電池を電気自動車の底部又はその近傍に出し入れ自在に装着し、充電量が低下もしくは無くなったときには、該電池を充電ステーション等の電力供給ステーションで再充電すること、又は他の充電済みの電池と交換することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
上記手法によれば、例えば、電力供給ステーションにおける充電済み電池のレンタル等が可能である。したがって、利用者にとっては、再充電のために待たされることなく充電済み電池を使用できるとともに、高額な電池をレンタル利用とすることによる初期費用の抑制等の効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−297867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状の電気自動車は、重量の大きな二次電池を搭載して走行しており、このような電気自動車の走行において過剰な重量の電池が搭載されると、走行の効率低下を招く。すなわち、充電量の増大等を目的として多数の電池を電気自動車に搭載すると、搭載した電池重量を単に運搬するために充電エネルギーを消耗するという問題点がある。
また、高性能な電池を製造する為に不可欠なレアメタルは、各国の思惑が絡み供給不安が懸念されている。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、走行用モータで走行移動する電気自動車等の電気車両において、動力源である電池の過剰搭載を避け目的地までの最適なルートを設定することが可能な案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による案内システムは、走行用モータで走行する電気車両に搭載される電池ユニットに対する電力供給を案内する案内システムであって、第1電池ユニットとレンタルされる第2電池ユニットとを含む複数の電池ユニットと、複数の電池ユニットが装着される複数の電池装着部と、指定された目的地までのルートを案内するナビゲーション装置と、を備え、ナビゲーション装置は、指定された目的地と電池装着部に装着された電池ユニット数又は電池残量に応じて、第1電池ユニット及び第2電池ユニットに対する電力供給サービスを提供する電力供給ステーションの位置を案内する。
【0009】
上記のように構成することにより、必要に応じてレンタルにより追加される第2電池ユニットとナビゲーション装置とを用いて、目的地までのルートと電池ユニット数又は電池残量とに応じて、電気車両に電力を供給することができる。したがって、電気車両は、動力源である電池の過剰搭載を避けて目的地まで走行することが可能になる。
【0010】
また、本発明による案内システムにおいて、ナビゲーション装置は、第1電池ユニット及び第2電池ユニットに対して電力供給ステーションで受けるサービスを選択する画面を表示し、選択されたサービスに応じて電力供給ステーションの位置を案内する。この構成により、利用者は、画面表示を介して電力供給ステーションにおけるサービスを選択し、選択したサービスを提供する電力供給ステーションの位置を知ることができる。
【0011】
また、本発明による案内システムにおいて、ナビゲーション装置は、目的地での充電能力の情報を受け付け、受け付けた充電能力の情報と第1電池ユニット、第2電池ユニットの電池残量に応じて、電力供給ステーションの位置を案内する。この構成により、目的地での充電能力と電池残量とに応じて、充電可能な電力供給ステーションの位置を利用者に案内することができる。案内システムは、例えば、充電機の容量、充電回数、充電容量、充電時間、電池ユニットの使用年月、電池の状態、一度に充電可能な充電容量の変化等の電池の状態に基づいて電池ユニットの充電能力を判断する。
【0012】
また、本発明による案内システムにおいて、ナビゲーション装置は、第1電池ユニット、第2電池ユニットに対して電力供給ステーションで受けるサービスを選択する画面を表示し、選択されたサービスの予約情報と電力供給ステーションへの到着予想時刻を送信する送信部を有し、ナビゲーション装置は、到着予想時刻に応じてドライブモードを案内する。
【0013】
この構成により、電池残量と電力供給ステーションとの位置に応じて、より好適なモードを運転者に案内することができる。ドライブモードとしては、例えば、エコドライブモードや通常モード等を挙げることができるが、限定されない。利用者は、案内された運転モードを勘案して運転することにより、走行中の電池切れ等の問題が生じるのを防止することが可能となる。
【0014】
上記発明において、前記電池ユニット内の電池を充電するための電気を発電する発電ユニットを備え、前記ナビゲーション装置は、前記指定された目的地と前記電池装着部に装着された電池ユニット数又は電池ユニットの電池残量に応じて、前記発電ユニットをレンタルする電力供給ステーションの位置を案内する。
【0015】
また、本発明による案内システムにおいて、ナビゲーション装置は、指定された目的地と第1電池ユニットの電池残量に応じて第2電池ユニット又は発電ユニットを返却する電力供給ステーションの位置を案内する。この構成により、第2電池ユニットを使用する必要のない走行において、電気車両への電池の過剰搭載を避けることができる。
【0016】
また、本発明による案内システムは、電池ユニット内の電池を充電する発電ユニットを装備した場合にも対応することが出来る。ナビゲーション装置は、発電ユニットによる電池ユニットの充電能力に応じて電力供給ステーションの位置を案内する。この構成により、電気車両の走行に使用した電池ユニットへの再充電が可能となると共に、発電ユニットの発電能力に応じて、電力供給ステーションの位置を利用者に案内することができる。
【0017】
また、本発明による案内システムは、送信部より送信される予約情報を記憶する予約情報記憶部と、予約情報記憶部に記憶された予約情報に基づいて電力供給ステーションで享受可能なサービスの案内情報を送信する案内情報送信部と、を備え、ナビゲーション装置は、サービスの案内情報に基づいて電力供給ステーションの位置を案内する。この構成により、利用者に対して、予約情報に基づいた案内情報を案内することができると共に、該案内情報に基づいた電力供給ステーションの位置を案内することができる。案内システムは、電力供給ステーションの能力を、急速充電器の台数とその空き具合、充電済み電池の個数と作業員の空き具合等に基づいて評価する。
【0018】
また、本発明による案内システムは、近隣の電力供給ステーションの予約状況情報を取得する予約情報取得部を備え、案内情報送信部は、予約情報記憶部に記憶された予約情報と取得した近隣の電力供給ステーションの予約状況情報とに基づいて前記サービスの案内情報を送信する。この構成により、電力供給ステーションの混雑時等において、利用者は、所望のサービスを受けることが可能な電力供給ステーションについて案内情報を受信することができる。
【0019】
さらに、本発明による案内システムは、第2電池ユニットを電池装着部に装着するときに、複数の電池装着部のうち第2電池ユニットが装着可能な電池装着部を案内する案内部を有する。この構成により、作業者等は、第2電池を装着する電池装着部を容易に知ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、走行用モータで走行移動する電気自動車等の電気車両において、動力源である電池の過剰搭載を避けることが可能な案内システムを提供することが可能となる。これにより、次のような作用効果が得られる。
(1)利用者は、電気車両の移動経路と電池残量に応じて、電力供給ステーションの位置を知ることができる。したがって、都度の走行において、必要十分な電力供給を最短経路で確保(予約)し利用することができる。
(2)利用者は、車両購入時には短距離走行に必要充分な第1電池ユニットのみを購入し、中距離又は長距離走行が必要な場合に、第2電池ユニットや発電ユニットをレンタルサービス等で一時利用することができる。したがって、車両購入時の初期費用が低減され、電気自動車等の電機車両の低コスト化を図ることができる。
(3)電気車両の利用形態や目的地までの走行距離に応じた個数の電池ユニットや発電ユニットを装着することで、車両の軽量化及び走行距離の延長等が可能となる。
(4)高価な電池ユニットの有効活用、及び限られた資源の効率的な活用等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】電気自動車等の電気車両の概略構成を示す斜視図である。
【図2】電池装着部の概要を説明する簡略化した横断平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電池ユニットの斜視図である。
【図4】案内システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る案内部を説明する図である。
【図6】図5(b)で説明した開閉部を説明する図である。
【図7】電池ユニットの装着状態を説明する図である。
【図8】電池装着部の案内表示画面の一例を示す図である。
【図9】電池ユニットの装着位置が不適切である場合の計器盤を示す図である。
【図10】ナビゲーション装置100の表示例を示す図である。
【図11】電気車両、電力供給ステーション及び案内サービスセンターの処理を示すフロー図である。
【図12】制御部の動作を例示するフロー図である。
【図13】電池ユニットに誤挿入防止構造を設けた場合の例である。
【図14】電池装着部と電池ユニットの変更例を示す図である。
【図15】第1電池ユニットとして固定電池を設けた場合の例を示す図である。
【図16】第1電池ユニットとして固定電池を設けた場合の他の例を示す図である。
【図17】電池ユニットとして乾電池を利用した場合の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0023】
図1は、電気自動車等の電気車両1の概略構成を示す斜視図である。図2は、電池装着部の概要を説明する簡略化した横断平面図である。
図1に示すように、走行用モータで走行する電気車両には、蓄電池システムが搭載されている。電気車両1には、ドア11、12が設けられており、車室2には前部座席3と後部座席4が設けられている。前部座席3と後部座席4の下方位置には、車体フレームの一部を構成する厚手の床板5が設置されており、その床板5には車体の前後方向に所定の間隔で複数の電池装着部71〜73が個設けられている。
【0024】
各電池装着部71〜73には、床板5の片側端面が開口する挿入口7a(図2参照)が設けられ、その挿入口7aから電池ユニット6が挿入装着される。トランク内には発電ユニット40aが配置され、屋根にはソーラー発電ユニット40bが設けられている。電池装着部71〜73は水が浸入しないよう防水されている。
【0025】
電池ユニット6は、電気車両1を走行させるための電力を供給する二次電池である。ここで、複数の電池ユニット6には、電気車両1を走行させるために最低限必要な基本電池ユニットとして機能する1つ目の電池ユニット(第1電池ユニット)と、例えば中長距離の走行に必要な充電容量を持ち、レンタルされて、追加して装着される2つ目以降の電池ユニット(第2電池ユニット)とがある。
【0026】
図3は、本発明の実施形態に係る電池ユニットの斜視図である。図3に示すように、電池ユニット6は、扁平な直方体状に形成され、両端部には、引き手6aと電極端子6bが設けられ、電極端子6bを除く電池ユニット6の表面には合成樹脂等からなる絶縁被覆層が設けられている。引き手6aはユーザが握ることによってロックが外れるように構成されている。
【0027】
(案内システム1000の全体構成)
図4は、案内システム1000の全体構成を示すブロック図である。
図4に示す案内システム1000は、電気車両に搭載される電池ユニットに対する電力供給を案内するものであって、全体として電気車両1、電力供給ステーション200a〜200c及び案内サービスセンター300からなる。図中、構成要素間の実線は電気的又は機械的接続を表し、破線は情報の送受信を表す。
【0028】
(電気車両1)
まず、電気車両1について説明する。
電気車両1は、ナビゲーション装置100、蓄電池部10、発電ユニット40、充電部50、走行用モータとしての駆動部70を含む。
【0029】
ナビゲーション装置100は、指定された目的地までのルートを案内する機能と、指定された目的地と電池装着部71〜73に装着された電池ユニット6の電池ユニット数又は電池残量に応じて、電池装着部71〜73に装着される電池ユニット6に対する電力供給サービスを提供する電力供給ステーション200a〜200cの位置を案内する機能とを有する。
ナビゲーション装置100は、制御部20、表示部85、操作部86、送信部88及び受信部90を備える。制御部20は、電気車両1における充電及び放電の経路を制御する機能と、ナビゲーション装置100及び蓄電池部10の動作を制御する機能とを有する。この制御部20は、それぞれの機能を複数の制御部によって制御するように構成することもできる。
【0030】
制御部20は、利用者又は作業者による操作部86の操作を受け付ける機能、表示部85に所定の表示を出力する機能、送信部88を介して所定の情報を送信する機能、及び受信部90を介して情報を受信する機能を有する。操作部86は、例えば、プッシュボタン又はタッチパネル等により利用者が入力操作を行うことのできる入力装置であり、表示部85は、例えば、液晶表示パネル等を用いる表示装置であるが、限定されず、音声等を介する入出力装置を用いることもできる。送信部88は、例えば、無線通信装置の送信機であり、受信部90は、例えば、GPS(全地球測位システム)の受信アンテナを含む受信機である。したがって、制御部20は、GPSを利用して電気車両1の現在位置の情報を取得することができると共に、受信部90を介して受信する情報を処理することができる。
【0031】
蓄電池部10は、複数の電池ユニット6、電池装着部71〜73、案内部30、バランス検知部150、バランス調整部160を備える。
電池装着部71〜73には、電池ユニット6がそれぞれ装着される。
【0032】
案内部30は、追加の電池ユニットを電池装着部71〜73に装着するときに、電池装着部71〜73のうち追加の電池ユニットが装着可能な電池装着部71〜73を案内するためのものである。案内部30は、案内表示部31を備える。
【0033】
バランス検知部150は、車両の重量バランスを検知するものであって、例えば、電池ユニット6を搭載したときの電気車両1の左右又は前後の重量バランスを検知する。バランス調整部160は、バランス検知部150が検知する車両の重量バランスに応じて、電池ユニット6が搭載された電池装着部71〜73の重量バランスを調整することによって車両の左右又は前後の重量バランスを調整する。
【0034】
バランス調整部160は、例えばステッピングモータ等のように水平移動する移動機構を備えており、電池装着部71〜73の全体又一部を、電気車両1の左右方向および前後方向に水平移動させ、電気車両1の重量バランスを調整する。
バランス調整部160は、例えば、電気車両1の前後の重量バランスが所定範囲を外れており、電気車両1の前方が重い場合には、電池装着部71〜73の前方の重量を後方に移動する。
【0035】
また、制御部20は、蓄電池部10に対して、複数の電池装着部に装着された複数の電池ユニットのうち走行用モータに使用する電池ユニットを選択的に切り換えるコントローラとして動作する。また、制御部20は、電池ユニットへの充電が行われる状況においては、充電する電池ユニットを選択的に切り換えるコントローラとしても動作する。さらに、制御部20は、バランス調整部160等から生成される情報に基づいて、案内表示部31を用いて利用者等に対する情報を表示するコントローラとしても動作する。
【0036】
発電ユニット40は、電池ユニット6と同形状に構成することによって、電池装着部71〜73内に装着可能に構成することができる。発電ユニット40はオプションで設けることができるため、図中点線で示している。
発電ユニット40a(図1参照)は、電池ユニット6内の電池を充電するものであって、例えばガスやガソリン等を用いた内燃機関を動力として発電し、電力を充電部50に供給する。発電ユニット40aは、充電部50に対して着脱可能に構成されている。発電ユニット40aは、蓄電池部10の下部に配置されている。また、発電ユニット40aは、排ガスを考慮しリアに設けてもよく、またバランスを考慮してフロントに設けてもよい。フロントに設けることにより、バンやSUVタイプの車にも適用できる。制御部20は、電池ユニット6の放電残量に応じて発電ユニット40aによる充電操作を選択的に切り換える制御を行う。
また、ソーラー発電ユニット40bは、電池ユニット6内の電池を充電するものであって、太陽光で発電し、電力を充電部50に供給する。ソーラー発電ユニット40bは、充電部50に対して着脱可能に構成されている。ソーラー発電ユニット40bは、屋根にオプションとして設置される。制御部20は、電池ユニット6の放電残量に応じてソーラー発電ユニット40bによる充電操作を選択的に切り換える制御を行う。
【0037】
充電部50は、外部入出力部41や発電ユニット40が供給する電力に基づいて電池装着部71〜73に装着された電池ユニット6内の電池を充電する。例えば、発電ユニット40と充電部50との接続は、発電ユニット40を電池装着部71〜73の内部に装着可能に構成し、発電ユニット40を電池装着部71〜73に装着することにより、発電ユニット40と充電部50とが電気的に接続される。また、充電部50は、回生制動によって走行用モータに接続された電池ユニット6を再充電することもできる。制御部20は、電池ユニットの返却予定も考慮にいれ電池装着部71〜73のいずれかを選択して、充電部50から特定の電池ユニットへの給電経路を切り換えることができる。
充電部50を介して電池ユニットに充電された電力は、電気車両1の走行時に駆動部70に送られ、動力源として用いられる。外部電源から充電するときも、外部入力部41を介して充電部50に接続する。
【0038】
(電力供給ステーション200)
次いで、電力供給ステーション200について説明する。
図4には、複数の電力供給ステーション200a〜200cが、案内サービスセンター300との間で、情報の送受信を行う状況を示している。電力供給ステーション200の数は、図4に示す例に限定されず、いくつあってもよい。
【0039】
電力供給ステーション200は、例えばCPU(Central Processing
Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メモリを搭載した管理システムを備え、内燃機関による自動車に対するガソリンスタンドと同様に、電気車両1に対する電池の充電等の所定サービスを提供することができる。具体的には、電力供給ステーション200は、電池ユニット6をレンタルするサービス、電池ユニット6を充電するサービス、電池ユニット6を交換するサービス及び電池ユニットを充電する発電ユニットをレンタルするサービス等を提供する。
【0040】
電力供給ステーション200は、それぞれ独立して、これらの所定サービスの予約に関する情報である予約状況情報及び電池ユニットや発電ユニットの在庫情報を、案内サービスセンター300の予約情報取得部340に、定期的に、新規に予約が行われた時点で、又は案内サービスセンター300からの送信要求に応じて送信することができる。また、電力供給ステーション200は、案内サービスセンター300の案内情報送信部350から送信された供給指示を受信し、該供給指示にしたがって、電気車両1に対する所定サービスを実施することができる。
【0041】
(案内サービスセンター300)
さらに、案内サービスセンター300について説明する。図4に示す案内サービスセンター300は、案内制御部310、予約情報記憶部320、予約情報受信部330、予約情報取得部340及び案内情報送信部350を備える。
【0042】
案内制御部310は、情報処理装置によって構成され、案内サービスセンター300において、予約情報受信部330から受信した予約情報、及び予約情報取得部340から取得した予約状況情報を予約情報記憶部320に格納し、これらの情報に基づいて特定の電力供給ステーション200に対する供給指示を案内情報送信部350から送信する処理を実施する。
【0043】
予約情報記憶部320は、案内制御部310の記憶装置であり、案内制御部310が予約情報受信部330から受信した予約情報、及び案内制御部310が予約情報取得部340から取得した予約状況情報を記憶するために用いられる。
【0044】
予約情報受信部330は、案内制御部310が処理する情報を受信する装置であり、電気車両1の送信部85から送信された予約情報を受信するために用いられる。該予約情報は、電気車両1の識別情報、電気車両1の移動の目的地、該目的地への電気車両1の到着予想時刻、電気車両1が備えている電池ユニットの充電残量、電気車両1に装着されている発電ユニットの情報、電気車両1が電力供給ステーション200において受けるサービス等の情報を含むことができる。電力供給ステーション200において受けるサービスは、電気車両1の利用者が指定することができる。
【0045】
予約情報取得部340は、情報処理装置としての電力供給ステーション200に対して予約状況情報の送信を要求し、送信された予約状況情報を受信するために用いられる。該予約状況情報は、電力供給ステーション200の識別情報、電力供給ステーション200が提供できるサービス、及び確定した予約の情報を含むことができる。
【0046】
案内情報送信部350は、予約情報を送信した電気車両1に対して案内情報を送信し、案内制御部310が処理した供給指示を特定の電力供給ステーション200に送信するために用いられる。該案内情報は、特定の電力供給ステーション200を識別する情報、該電力供給ステーション200の位置、及び該電力供給ステーション200において提供できるサービスの情報を含むことができる。該供給指示は、特定の電気車両1を識別する情報、特定の電力供給ステーション200を識別する情報、該電気車両1が該電力供給ステーション200において提供を希望するサービス、該電気車両1の該電力供給ステーション200への到着予想時刻の情報を含むことができる。案内システムは、電力供給ステーションの充電能力を、急速充電器の台数とその空き具合、充電済み電池の個数と作業員の空き具合等に基づいて評価する。
【0047】
このように構成することにより、本実施形態の案内サービスセンター300は、電気車両1からの予約情報を予約情報受信部330により受信して予約情報記憶部320に記憶し、該電気車両1の移動経路の近隣の電力供給ステーション200の予約状況情報を予約情報取得部340により取得して予約情報記憶部320に記憶し、該予約情報と該予約状況情報とに基づいて、電気車両1に案内情報を送信し、電力供給ステーション200に供給指示を送信することができる。
【0048】
次に、案内部30の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る案内部を説明する図である。同図(a)は案内部を案内表示部によって構成した場合の例である。同図(a)に示すように、案内部30Aは、電池装着部71〜73のそれぞれに対応して設けられた案内表示部(表示手段)31〜33によって構成されている。
【0049】
案内表示部31〜33は、電池装着部71〜73のそれぞれの近傍に設けられており、取り出す電池の案内と装着する電池の装着位置を案内する。取り出し時には、電池装着部71〜73のうち取り出し可能な電池ユニット6の電池装着部71〜73を案内表示する。装着時には、電池装着部71〜73のうち電池ユニット6の装着が可能な電池装着部71〜73を案内表示する。制御部20は、2つ目の電池ユニットを電池装着部へ装着するときには、案内表示部31〜33のうち2つ目の電池ユニットの装着が可能な電池装着部に対応した案内表示部33を点灯させる。また、制御部20は、2つ目の電池ユニット6を電池装着部71〜73へ装着する時に、案内表示部31を点灯させることによって、1つ目の電池ユニット6を移動させる電池装着部の位置を案内表示する。この構成により、ユーザは、案内表示部31〜33の表示に従って、電池ユニット6を案内された電池装着部71〜73に装着することができる。
【0050】
図5(b)は案内部を案内表示部と開閉部によって構成した場合の例である。図5(b)に示すように、案内部30Bは、案内表示部31〜33、開閉部35〜37によって構成されている。開閉部35〜37は、電池装着部71〜73の挿入口7aのそれぞれに対応して設けられ、挿入口7aを開閉する扉として構成されている。制御部20は、2つ目の電池ユニット6を電池装着部71〜73へ装着する時に、開閉部35〜37のうち2つ目の電池ユニット6の装着が可能な電池装着部73の開閉部37を開くよう制御することによって、2つ目の電池ユニット6の装着位置を案内する。また、制御部20は、2つ目の電池ユニット6を電池装着部71〜73へ装着する時に、1つ目の電池ユニット6を移動させる電池装着部の開閉部35を開くよう制御することによって、1つ目の電池ユニット6の装着位置を案内する。
【0051】
図6は、図5(b)で説明した開閉部を説明する図である。図6に示すように、床板5の幅方向両端面が開口する挿入口7aが設けられており、その各挿入口7aには、各挿入口7aを覆う開閉部35〜37が、その上部の支軸8aを中心に回動可能にかつ各々独立に開閉可能に設けられている。その開閉部35〜37の内面側には、引き手6aに係合する接続部9aが設けられている。制御部20は、電池ユニット6を電池装着部71〜73に装着する時、電池ユニット6の装着が可能な電池装着部71〜73の開閉部35〜37を開くように制御する。
【0052】
図7は、電池ユニットの装着状態を説明する図である。
図7(a)に示すように、電気車両1に、1つ目の電池ユニット61を1個装着する場合には、車両1の重量バランスを考慮して、中央部の電池装着部72に1つ目の電池ユニット61を装着する。次に、2つ目の電池ユニット62を追加する場合には、同図(b)に示すように、車両1の重量バランスを考慮して、1つ目の電池ユニット61を車両前方側の電池装着部71に移動させて装着し、2つ目の電池ユニット62を車両後方側の電池装着部73に装着する。さらに3つ目の電池ユニット63を装着する場合には、同図(c)のように、中央部の電池装着部72に3つ目の電池ユニット63を追加装着する。
【0053】
1つ目の電池ユニット61としては、例えば通常使用する電気車両の走行距離が街乗り程度(60km程度)である場合には、少なくともその程度の走行に必要な充電容量を持つものを使用する。そして、中距離(180km未満)程度の日帰り旅行や、それ以上の長距離旅行の際には、そのような距離に対応した充電容量を持つ、2つ目以降の電池ユニット62、3つ目の電池ユニット63を電力供給ステーション等でレンタルする。これにより、利用者は、電気車両を購入する際の初期コストを低減することができる。
さらに長距離の移動や電力供給ステーションがない地域への移動の場合は、発電ユニットを電力供給ステーション等よりレンタルする。これにより、利用者は電力供給ステーションを意識しないでも長距離移動をすることができる。
【0054】
図8は、電池装着部の案内表示画面の一例を示す図、(a)は車両の全長方向に複数配置されている場合の例、(b)は車両の車幅方向に複数配置されている場合の例である。この案内表示画面は、例えば電気車両1の計器盤15のユーザが見やすい位置に表示する。図中、参照符号16は電池ユニット6を表す表示、17は電池装着部71〜73を表す表示である。
【0055】
図7、図8に示すように、制御部20は、1つ目の電池ユニット61を装着する場合、中央の電池装着部72に相当する指標18を点灯し、2個目の電池ユニット62を装着する場合には、両側の電池装着部71、73に相当する指標18を点灯し、3個目の電池ユニット63を装着する場合には、全ての電池装着部71〜73に相当する指標18を点灯する。ユーザは、この案内表示画面により、車両の重量バランスを均衡化させるための電池ユニットの装着位置を容易に知ることができる。
【0056】
図9は、電池ユニットの装着位置が不適切である場合の計器盤を示す図である。計器盤15には、電池ユニット6が所定の電池装着部71〜73に装着されていない場合、又は車両の重量バランスが良く無いことをバランス検知部150によって検知される場合に、運転者に報知する警報ランプ81が設けられている。
【0057】
バランス検知部150によって車両の重量バランスが良く無いことが検知された場合、問題となる電池ユニットの装着位置を警報ランプ81によって報知することによって、ユーザは瞬時に問題となる電池ユニットの装着位置を知ることができる。
【0058】
(ナビゲーション装置100の表示例)
図10は、ナビゲーション装置100の表示例を示す図である。図10は、表示部85及び操作部86を備えるナビゲーション装置100を表し、表示部85は、地図情報を含む画像等を表示する。操作部86は、スイッチ又はボタン等により構成される入力装置(図示せず)を備えることができるが、限定されず、利用者の音声に応じて所定動作を行うための音声入力装置(図示せず)等を備えることもできる。
【0059】
電気車両1の利用者は、目的地までの走行開始前又は走行中に、操作部86を介してナビゲーション装置100に目的地を設定する。ナビゲーション装置100は、目的地までの最適ルートを表示部86に表示すると共に、該目的地と電池ユニット数又は電池ユニットの電池残量とに応じて、該最適ルートの途中で電池ユニット6の充電や交換を行うのに好適な電力供給ステーション200の位置が、例えば、図10の記号「S」のように地図上に表示される。なお、該最適ルートの途中に電力供給ステーション200が複数ある場合には、最も好適な電力供給ステーション200をナビゲーション装置100が自動的に選択して表示するか、あるいは複数の電力供給ステーション100をそのまま表示して、利用者が自由に選択できるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置100は、電力供給ステーションの案内表示について順位付けを行うようにしてもよい。案内サービスセンター300は、電力供給ステーションの能力、混雑状況、立地条件、電力供給ステーションの周辺の混雑状況、信号機の状態、電力供給ステーションのサービス項目、立ち寄った場合の予想時間、予約状況、以前の立ち寄り回数、装着されている発電ユニットの情報等に基づいて、最適な電力供給ステーション200の順位付けを行う。ナビゲーション装置100は、案内サービスセンター300の情報に基づき、立ち寄る電力供給ステーションの優先順位を表示する。
【0060】
このように構成することにより、ナビゲーション装置100は、表示部85を用いて、地図情報を含む画像等、目的地までの最適ルート、及び電力供給ステーション200の位置を、利用者に案内することができる。
【0061】
(案内システム1000の動作)
図11は、電気車両1、電力供給ステーション200及び案内サービスセンター300の処理を示すフロー図である。図11(a)は、これらの構成要素の処理の関係を示し、図11(b)は、特にナビゲーション装置100の処理を示す。本実施形態の案内システム1000において、これらの構成要素は、互いに情報を送受信することにより連携して動作することができる。以下の処理は、例えば、利用者によって電気車両1のナビゲーション装置100に移動の目的地が入力されることにより、開始する。また、最初の状態では、車両1に、図7(a)に示したように、ユーザが所有する1つ目の電池ユニット61が中央の電池装着部72に装着されているものとする。また、2つ目の電池ユニット62と3つ目の電池ユニット63は、電力供給ステーション200でレンタルされるものとする。
【0062】
まず、図11(a)を参照し、電気車両1、電力供給ステーション200及び案内サービスセンター300の処理について説明する。ステップS1〜S5は電気車両1における処理、ステップS11〜15は案内サービスセンター300における処理、ステップS21〜S23は電力供給ステーション200における処理として、それぞれ行われる。
【0063】
ステップS1において、ナビゲーション装置100は、電気車両1の現在位置を取得する。具体的には、ステップS1の処理は、公知のGPS(全地球測位システム)等による現在位置の情報取得により行われる。
【0064】
ステップS2において、利用者は、ナビゲーション装置100に移動の目的地を設定する。
【0065】
ステップS3において、ナビゲーション装置100は、現在位置から目的地までの移動に十分な電池残量があるかを判定する。具体的には、ナビゲーション装置100は、制御部20を用いて電池装着部72に装着されている1つ目の電池ユニット61の電池残量を調べる。判定の結果が真であれば終了し、偽であればステップS4に進む。
【0066】
ステップS4において、ナビゲーション装置100は、案内サービスセンター300に予約情報を送信する。該予約情報は、電気車両1の識別情報、電気車両1の移動の目的地、該目的地への電気車両1の到着予想時刻、電気車両1が備えている電池ユニットの充電残量、電気車両1に装着されている発電ユニットの情報、電気車両1が電力供給ステーション200において受けるサービス等の情報を含むことができる。電力供給ステーション200において受けるサービスは、電気車両1の利用者が指定することができる。このステップS4の動作については、さらに、図11(b)を参照して詳述する。
【0067】
ステップS5において、ナビゲーション装置100は、案内サービスセンター300から受信した案内情報にしたがって、電力供給ステーション200の位置を案内する。該案内情報は、特定の電力供給ステーション200を識別する情報、該電力供給ステーション200の位置、及び該電力供給ステーション200において提供できるサービスの情報を含むことができる。このステップS5の動作については、さらに、図11(b)を参照して詳述する。
【0068】
ステップS11において、案内サービスセンター300は、供給ステーション200の予約状況情報を取得する。該予約状況情報は、電力供給ステーション200の識別情報、電力供給ステーション200が提供できるサービス、及び確定した予約の情報を含むことができる。取得した予約状況情報は、予約情報記憶部320に記憶される。
【0069】
ステップS12において、案内サービスセンター300は、電気車両1から予約情報を受信したか否かを判定する。判定の結果が真であればステップS12に進み、偽であればステップS11に戻る。受信した予約情報は、予約情報記憶部320に記憶される。
【0070】
ステップS13において、案内サービスセンター300は、電気車両1の移動経路又は近傍の、電池ユニットを充電可能な電力供給ステーション200、2つ目の電池ユニット62又は3つ目の電池ユニット63をレンタル供給可能な電力供給ステーション200を選択する。案内サービスセンター300は、電力供給ステーションの能力、混雑状況、立地条件、電力供給ステーションの周辺の混雑状況、信号機の状態、電力供給ステーションのサービス項目、立ち寄った場合の予想時間、予約状況、以前の立ち寄り回数、装着されている発電ユニットの情報等に基づいて、最適な電力供給ステーション200を選択する。
【0071】
ステップS14において、案内サービスセンター300は、特定の電力供給ステーション200に供給指示を送信する。該供給指示は、特定の電気車両1を識別する情報、特定の電力供給ステーション200を識別する情報、該電気車両1が該電力供給ステーション200において提供を希望するサービス、該電気車両1の該電力供給ステーション200への到着予想時刻の情報を含むことができる。
【0072】
ステップS15において、案内サービスセンター300は、電気車両1に案内情報を送信する。該案内情報は、特定の電力供給ステーション200を識別する情報、該電力供給ステーション200の位置、及び該電力供給ステーション200において提供できるサービスの情報を含むことができる。
【0073】
ステップS21において、電力供給ステーション200は、案内サービスセンター300に予約状況情報を送信する。該予約情報は、定期的に、新規に予約が行われた時点で、又は案内サービスセンター300からの送信要求に応じて、電力供給ステーション200から送信される。
【0074】
ステップS22において、電力供給ステーション200は、案内サービスセンター300から供給指示を受信したかを判定する。判定の結果が真であればステップS23に進み、偽であればステップS21に戻る。
【0075】
ステップS23において、電力供給ステーション200は、受信した供給指示にしたがい電気車両1に対する充電、レンタルする2つ目の電池ユニット62又は3つ目の電池ユニット63の供給サービスを準備し、提供する。電力供給ステーション200は、必要に応じ、電池ユニットを交換するサービス及び電池ユニットを充電する発電ユニットをレンタルするサービス等を提供できる。
【0076】
次いで、図11(b)を参照し、ナビゲーション装置100の処理について説明する。図11(a)のステップS4は、以下のステップS31〜S33からなり、図11(a)のステップS5は、以下のステップS34〜S38からなる。
【0077】
ステップS31において、ナビゲーション装置100は、電池装着部72に装着されている1つ目の電池ユニット61の電池残量を取得する。
【0078】
ステップS32において、ナビゲーション装置100は、表示部85に、電力供給ステーション200で受けるサービスを選択する画面を表示する。電気車両1の利用者は、この表示にしたがい、所望のサービスを選択してナビゲーション装置100に指示することができる。
【0079】
ステップS33において、ナビゲーション装置100は、電力供給ステーション200で受けるサービス及び到着予想時刻を、送信部85から送信する。これらは、前述の予約情報に含まれる情報であり、ナビゲーション装置100は、予約情報に含まれる他の情報を合わせて送信することができる。
【0080】
ステップS34において、ナビゲーション装置100は、目的地での充電能力の情報を受け付ける。この情報は、前述の案内情報に含まれる情報である。充電能力の情報は、例えば、近隣の電力供給ステーション200における電池ユニットをレンタルするサービス、電池ユニットを充電するサービス、電池ユニットを交換するサービス及び電池ユニットを充電する発電ユニットをレンタルするサービス等を含むことができる。
【0081】
ステップS35において、ナビゲーション装置100は、到着予想時刻に応じてドライブモードを案内する。ドライブモードとしては、例えば、エコドライブモードや通常モード等を挙げることができるが、限定されない。
【0082】
ステップS36において、ナビゲーション装置100は、サービスの案内情報に基づいて電力供給ステーション200の位置を案内する。具体的には、案内サービスセンター300により送信される案内情報に含まれる、特定の電力供給ステーション200において享受可能なサービスの案内情報に基づいて該電力供給ステーション200の位置を案内する。電力供給ステーション200の位置の案内は、ナビゲーション装置100の表示部85に表示することができる。
【0083】
ステップS37において、ナビゲーション装置100は、レンタルしていた2つ目の電池ユニット62又3つ目の電池ユニット63や発電ユニットを返却する電力供給ステーション200の位置を案内する。この案内は、指定された目的地と1つ目の電池ユニット61の電池残量に応じて行うことができる。例えば、指定された目的地までの走行に必要な電力が1つ目の電池ユニット61の電池残量で十分であり、電気車両1にレンタルした2つ目の電池ユニット62又は3つ目の電池ユニット63が搭載されている場合に、ナビゲーション装置100は、レンタルしていた2つ目の電池ユニット62及び3つ目の電池ユニット63や発電ユニットを返却する電力供給ステーション200の位置を案内することができる。
【0084】
ステップS38において、ナビゲーション装置100は、発電ユニット40による充電能力に応じて電力供給ステーション200の位置を案内する。例えば、発電ユニット40による充電能力が高ければ、遠方の電力供給ステーション200の位置が案内され、発電ユニット40による充電能力が低ければ、近隣の電力供給ステーション200の位置が案内される。
【0085】
以上のように動作することにより、本実施形態の案内システム1000において、ナビゲーション装置100は、指定された目的地と電池装着部7に装着された電池ユニットの電池残量に応じて、装着された電池ユニット61〜63に対する電力供給サービスを提供する電力供給ステーション200の位置を案内することができる。
【0086】
また、ナビゲーション装置100は、電池ユニット61〜63に対して電力供給ステーション200で受けるサービスを選択する画面を表示し、選択されたサービスに応じて電力供給ステーション200の位置を案内することができる。
【0087】
また、ナビゲーション装置100は、目的地での充電能力の情報を受け付け、受け付けた充電能力の情報と電池ユニット61〜63の電池残量とに応じて、電力供給ステーション200の位置を案内することができる。
【0088】
また、ナビゲーション装置100は、電池ユニット61〜63に対して電力供給ステーション200で受けるサービスを選択する画面を表示し、選択されたサービスの予約情報と電力供給ステーション200への到着予想時刻を送信し、到着予想時刻に応じてドライブモードを案内することができる。
【0089】
また、ナビゲーション装置100は、指定された目的地と1つ目の電池ユニット61の電池残量に応じて2つ目の電池ユニット62及び3つ目の電池ユニット63や発電ユニットを返却する電力供給ステーション200の位置を案内する。
【0090】
また、ナビゲーション装置100は、発電ユニット40による電池ユニットの充電能力に応じて電力供給ステーションの位置を案内することができる。
【0091】
さらに、ナビゲーション装置100は、サービスの案内情報に基づいて電力供給ステーション200の位置を案内することができる。尚、図11では、電池ユニットの電池残量によって電力供給ステーションの位置を案内する場合について説明したが、電池ユニットの電池残量と電池装着部に装着されている電池ユニットの数を考慮して電力供給ステーションの位置を案内するようにしてもよい。上記動作例は、発電ユニットのみをレンタル又は返却する場合にも適用することができる。
【0092】
次に、制御部の動作フローについて説明する。
図12は、制御部20の動作を例示するフロー図である。
具体的には、ユーザが、電気車両1に2つ目の電池ユニット62の追加を行おうとする際の、制御部20の動作例を示す。
【0093】
ステップS51において、制御部20は、電池ユニットの装着操作を受け付ける。例えば、制御部20は、ユーザが入出力部60を操作して、2つ目の電池ユニット62の追加を指示することに応じ、電池ユニットの装着操作を受け付ける。
【0094】
ステップS52において、制御部20は、電池装着部71〜73が2つ目の電池ユニット62が装着可能か否かを判定する。ステップS52において、制御部20は、判定の結果が真であればステップS53に進み、偽であれば終了する。
【0095】
ステップS53において、制御部20は、バランス検知部150から重量バランスの情報を取得する。すなわち、制御部20は、バランス検知部150が生成した、電気車両1の左右の重量バランス、又は電気車両1の前後の重量バランスが所定範囲であるか否かを示す情報をバランス調整部160を介して受信する。この段階において、バランス調整部160もまた、電気車両1の重量バランスが所定範囲であるか否かを示す情報を取得している。
【0096】
ステップS54において、制御部20は、1つ目の電池ユニット61の位置を移動する必要があるか否かを判定する。ステップS54において、制御部20は、判定の結果が真であればステップS55に進み、偽であればステップS56に進む。
【0097】
ステップS55において、制御部20は、1つ目の電池ユニット61を移動する情報を生成する。ステップS56において、制御部20は、バランス検知部150が検知した重量バランスを均衡化できる電池装着部の情報を生成し、バランス調整部160に送信する。
【0098】
ステップS57において、案内表示部31は、1つ目の電池ユニット61の移動を促す情報、及び選択した電池装着部に対応する電池ユニットの装着を促す情報を表示する。具体的には、前述のステップS55において生成された情報及び/又はステップS56において生成された情報は、制御部20から案内部30に送信され、案内部30は、案内表示部31を用いてこれらの情報を表示する。
【0099】
ステップS58において、作業者又は利用者等は、案内表示部31の表示に従って、電池装着部73に2つ目の電池ユニット62を装着する。ステップS59において、バランス調整部160は、ステップS56において制御部20から送信された情報に従い、電池ユニットが装着された電池装着部71〜73の重量バランスを調整する。
【0100】
ステップS60において、バランス調整部160は、バランス検知部15が検出する重量バランスに応じて、複数の電池装着部71〜73の重量バランスを調整する。すなわち、バランス調整部160は、ステップS59における電池ユニットの追加装着に応じた重量バランスの調整に加えて、ステップ60においては、車両の重量バランスに関する情報に基づいて、電池装着部71〜73の重量バランスを調整する。従って、バランス調整部160は、車両の重量バランスを良好に保つことが可能である。
【0101】
次に、本発明の実施形態の変形例について説明する。
図13は、電池ユニットに誤挿入防止構造を設けた場合の例である。図13に示すように、電池ユニット61〜63には、電池ユニットの誤挿入を防止する誤挿入防止構造が設けられている。この誤挿入防止構造は、上記案内部30の一例である。誤挿入防止構造は、電池ユニット61〜63に設けられた誤挿入防止用の凸部6dと、電池装着部71〜73に設けられ、凸部6dが係合する凹部7dとから構成されている。
【0102】
1つ目の電池ユニット61を装着する場合には、同図(a)に示すように、電池ユニット61の凸部6dを電池装着部72の凹部7dに合わせて、1つ目の電池ユニット61を中央部の電池装着部72に装着する。2つ目の電池ユニット62を装着する場合には、同図(b)のように、1つ目の電池ユニット61を左側の電池装着部71に差し換えると共に、2つ目の電池ユニット62を右側の電池装着部73に装着する。3つ目の電池ユニット63を装着する場合には、同図(c)のように3つ目の電池ユニット63を中央部の電池装着部72に装着する。その場合、3つ目の電池ユニット63には必ずしも上記凸部6dを設けなくてもよい。
【0103】
このように構成することにより、凸部6dと凹部7dの位置を異ならせることによって、上記のような誤挿入を防止でき、機械的な構成によって車両のバランスを調整することができる。
【0104】
図14は、電池装着部と電池ユニットの変更例を示す図である。図14に示すように、電池装着部71〜76を床板5の幅方向両側に設け、電池ユニット6を両側に設けた電池装着部71〜76に装着するように構成する。この場合、電池ユニット6は、車両の重量バランスを考慮して、車体の幅方向に対称に装着するのが望ましい。
【0105】
図15は、第1電池ユニットとして固定電池を設けた場合の例を示す図である。図15に示すように、床板5の幅方向の両側に設けた電池装着部71〜73,74〜76間の中央部に充電可能な固定電池60を設けて、その固定電池60を第1電池ユニットとし、その両側の電池装着部71〜73、74〜76に装着される電池ユニット6を第2電池ユニットとして追加するよう構成している。
【0106】
1つ目の電池ユニットとしての固定電池60は、街乗り程度の汎用的な走行に必要かつ充分な容量の充電が可能な構成とし、常時図示の位置に固定状態に配置する。幅方向両側に設けた電池装着部71〜76内に装着される電池ユニット6は、外形等を規格化して交換可能とする。
【0107】
図16は、第1電池ユニットとして固定電池を設けた場合の他の例を示す図である。図16では、電池装着部71〜76を電気車両の前後に車体幅方向に複数個並べて設けるように構成している。図16に示すように、床板5の車両前後方向に設けた電池装着部71〜73,74〜76間の中央部に充電可能な固定電池60を設けて、その固定電池60を第1電池ユニットとし、その前後の電池装着部71〜73、74〜76に装着される電池ユニット6を第2電池ユニットとして追加するよう構成している。
【0108】
図17(a)は電池ユニットとして乾電池を利用した場合の斜視図であり、(b)は乾電池型電池26を電池ボックス27に装着した状態の平面図である。図17に示すように、電池ユニットして複数個の乾電池26を箱型の電池ボックス27等に収容するよう構成する。
【0109】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またそのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0110】
1 電気車両
6,61〜63 電池ユニット
71〜73 電池装着部
10 蓄電池部
20 制御部
30 案内部
31 案内表示部
40 発電ユニット
50 充電部
70 駆動部
85 操作部
86 表示部
88 送信部
90 受信部
100 ナビゲーション装置
150 バランス検知部
160 バランス調整部
200 電力供給ステーション
300 案内サービスセンター
310 案内制御部
320 予約情報記憶部
330 予約情報受信部
340 予約情報取得部
350 案内情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用モータで走行する電気車両に搭載される電池ユニットに対する電力供給を案内する案内システムであって、
第1電池ユニットとレンタルされる第2電池ユニットとを含む複数の電池ユニットと、
前記複数の電池ユニットが装着される複数の電池装着部と、
指定された目的地までのルートを案内するナビゲーション装置と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、前記指定された目的地と前記電池装着部に装着された電池ユニット数又は電池ユニットの電池残量に応じて、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットに対する電力供給サービスを提供する電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットに対して前記電力供給ステーションで受けるサービスを選択する画面を表示し、
前記選択されたサービスに応じて前記電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記目的地での充電能力の情報を受け付け、前記受け付けた充電能力の情報と前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットの電池残量とに応じて、前記電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の案内システム。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットに対して前記電力供給ステーションで受けるサービスを選択する画面を表示し、
前記選択されたサービスの予約情報と前記電力供給ステーションへの到着予想時刻を送信する送信部を有し、
前記ナビゲーション装置は、前記到着予想時刻に応じてドライブモードを案内することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の案内システム。
【請求項5】
前記電池ユニット内の電池を充電するための電気を発電する発電ユニットを備え、
前記ナビゲーション装置は、前記指定された目的地と前記電池装着部に装着された電池ユニット数又は電池ユニットの電池残量に応じて、前記発電ユニットをレンタルする電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の案内システム。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、前記指定された目的地と前記第1電池ユニットの電池残量に応じて前記第2電池ユニット又は前記発電ユニットを返却する電力供給ステーションの位置を案内する請求項5に記載の案内システム。
【請求項7】
前記ナビゲーション装置は、前記発電ユニットによる前記電池ユニットの充電能力に応じて前記電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする請求項5に記載の案内システム。
【請求項8】
前記送信部より送信される予約情報を記憶する予約情報記憶部と、
前記予約情報記憶部に記憶された予約情報に基づいて前記電力供給ステーションで享受可能なサービスの案内情報を送信する案内情報送信部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、前記サービスの案内情報に基づいて前記電力供給ステーションの位置を案内することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の案内システム。
【請求項9】
近隣の電力供給ステーションの予約状況情報を取得する予約情報取得部を備え、
前記案内情報送信部は、前記予約情報記憶部に記憶された予約情報と前記取得した近隣の電力供給ステーションの予約状況情報とに基づいて前記サービスの案内情報を送信することを特徴とする請求項8に記載の案内システム。
【請求項10】
前記第2電池ユニットを前記電池装着部に装着するときに、前記複数の電池装着部のうち前記第2電池ユニットが装着可能な電池装着部を案内する案内部を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−145499(P2012−145499A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5170(P2011−5170)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(507228172)株式会社JSOL (23)
【Fターム(参考)】