説明

案内情報提供システム

【課題】インフラ整備が十分でないところでも、テレマティクスを利用して案内情報のサービスを受けることができ、加えて無駄な通信料金の発生を防止する。
【解決手段】ナビゲーション装置2の制御装置4は、自車が通信ポイントに到達すると、情報センタ3にダイアログ要求信号を送信する。情報センタ3の制御部16は、案内ポイントにおける案内情報の内容及び渋滞情報の有無の情報を含むダイアログ情報をナビゲーション装置2に送信する。ナビゲーション装置2は、ダイアログ情報をユーザに報知し、案内情報を受信するか否かを選択操作させる。該選択がなされると、情報センタ3に案内情報要求信号を送信し、情報センタ3は案内情報をナビゲーション装置2に送信する。制御装置4は、案内情報を受信すると、表示開始ポイントにおいて案内情報を表示装置7の画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載器により、情報センタから配信される交通情報等の案内情報を受信して表示装置に表示させるようにした案内情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
わが国においては、例えば、VICS(登録商標)と称される道路交通情報システムが普及している。このシステムでは、情報センタが収集した、渋滞や交通規制等の道路交通情報をリアルタイムで各車両(自動車)に配信し、各車両においては、カーナビの画面にその道路交通情報を表示するようになっている。
【0003】
この場合、例えば特許文献1に示されるように、情報センタから配信される道路交通情報は、FM多重放送や、電波ビーコン、光ビーコン等の路上器を利用して所定領域に送信され、自動車に搭載されている車載器(例えばカーナビに内蔵されている)が、領域内でその道路交通情報を自動で受信するように構成されている。このようなシステムにあっては、FM放送局や路上器等のインフラが整備されていることにより、ユーザが、通信料金等を気にせずに自由に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−158887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放送局や路上器等のインフラが十分に整備されていない国や地域において、上記したVICSと同様の情報提供システムを構築するに場合には、テレマティクスと称される、携帯電話網や自動車電話網等の移動体通信システムを用いることが考えられる。但し、テレマティクスを利用する場合には、基本的に通信料金が発生し、その料金はサービスを受けるユーザ側の負担となる。このため、ユーザにとって不必要な情報についても、有料で情報を受信してしまう不具合の発生が予測される。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、インフラ整備が十分でないところでも、テレマティクスを利用して案内情報のサービスを受けることができながら、ユーザにとって無駄となる通信料金の発生を防止することができる案内情報提供システムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の案内情報提供システムは、インフラ整備が十分でないところでも、テレマティクスを利用して案内情報のサービスを受けることができるシステムであって、車載器に、車両が予め記憶された所定の通信地点に到達した際に情報センタに対しダイアログ要求信号を送信する第1要求信号送信手段と、情報センタから受信したダイアログ情報をユーザに報知するダイアログ報知手段と、このダイアログ報知手段によるダイアログ情報の報知に伴いユーザが案内情報を受信するか否かを選択操作するための選択手段と、この選択手段により案内情報を受信する選択がなされた場合に前記情報センタに対し案内情報要求信号を送信する第2要求信号送信手段とを設け、情報センタに、車載器からダイアログ要求信号を受信した際にダイアログ情報生成手段により生成されたダイアログ情報を車載器に対し送信するダイアログ情報送信手段と、車載器から案内情報要求信号を受信した際に案内情報を該車載器に対し送信する案内情報送信手段とを設けると共に、前記ダイアログ情報生成手段を、案内情報の内容を示す情報を含ませるようにダイアログ情報を生成するように構成したところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、車両が所定の通信地点に到達すると、車載器は、第1要求信号送信手段により、情報センタに対しダイアログ要求信号を送信する。情報センタが車載器からダイアログ要求信号を受信すると、ダイアログ情報生成手段により生成されたダイアログ情報を、ダイアログ情報送信手段により車載器に送信する。車載器は、情報センタからダイアログ情報を受信すると、ダイアログ報知手段により、そのダイアログ情報をユーザに報知し、ユーザは、そのダイアログ情報の報知を受け、案内情報を受信するか否かを決め、選択手段により選択操作する。
【0009】
そして、案内情報を受信する選択がなされた場合には、第2要求信号送信手段により、情報センタに対し案内情報要求信号を送信する。情報センタは、車載器から案内情報要求信号を受信すると、案内情報送信手段により、案内情報を該車載器に送信する。車載器は、案内情報を受信すると、案内地点において表示装置に表示する。尚、案内情報として、例えば、主要交差点付近の道路における渋滞や交通規制の有無の情報や、複雑な分岐のある道路においてどの方向に進めば所望の方面に向うことができるか等の、ユーザの知りたい情報を得ることができる。
【0010】
このとき、車載器と情報センタとの間の通信は、テレマティクスを介して行われるので、専用の通信メディアといったインフラが十分に整備されていないところでも、システムを構築することができる。ユーザは、ダイアログ情報の報知を受けて案内情報を受信するかどうかを選択するのであるが、ダイアログ情報には、案内情報の内容を示す情報が含まれているので、案内情報が、自分にとって必要な情報か不要な情報かを判断して、必要な案内情報のみを選択し受信することができる。従って、不要な案内情報を受信することに伴う、無駄な通信料金の発生を防止することができる。この場合、ダイアログ情報の通信のみは常に行う必要があるが、常に案内情報を受信する場合に比較して通信のデータ量はごく僅かで済むので、通信料金面での不利は極めて少ないものとなる。
【0011】
本発明において、前記ダイアログ情報生成手段を、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在するかどうかを判定し、前記渋滞情報の有無を示す情報を含ませて前記ダイアログ情報を生成するように構成することができる(請求項2の発明)。ここで、車両を運転しているユーザが、案内情報提供システムを用いてリアルタイムに知りたい案内情報の内容(種類)として、最も重要であるものの一つは渋滞情報である。従って、ダイアログ情報に、渋滞情報の有無を示す情報を含ませることにより、ユーザが案内情報を受信するか否かを判断するにあたっての、有用な情報を提供することができる。
【0012】
さらには、上記ダイアログ報知手段を、表示装置における表示と音声出力との双方により前記ダイアログ情報の報知を行うように構成することができる(請求項3の発明)。これにより、ユーザが運転中で表示装置を見ることができない等の状況にあっても、ユーザに対し、ダイアログ情報を安全且つ確実に報知することができる。
【0013】
ところで、提供される案内情報は、例えば渋滞に巻込まれる前に別の道路に迂回して渋滞を回避するというような利用のされ方をするため、案内情報を適切なタイミングで提供(表示)することも重要である。車載器側において、ダイアログ報知手段によるダイアログ情報の報知を徒に長い時間行っていても、ユーザの選択操作のタイミングが遅くなると、適切なタイミングで案内情報を提供できなくなる虞がある。そこで、ダイアログ報知手段を、ダイアログ情報の報知を一定時間行った後自動で終了させるように構成することができる(請求項4の発明)。これにより、ユーザの選択操作のタイミングの遅れに起因して適切なタイミングで案内情報を提供できなくなる不具合を防止することができる。
【0014】
また、車載器を、ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、選択手段の操作が所定時間なかった場合には、第2要求信号送信手段により、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信するように構成することもできる(請求項5の発明)。これによれば、例えば、ユーザの運転操作中において、ダイアログ情報が報知されても所定時間の間に、安全性の確保のため選択手段を操作できないようなケースでも、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信することができ、ユーザが案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0015】
或いは、車載器を、ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、該ダイアログ情報に渋滞情報有りの情報が含まれていた場合には、選択手段の操作が所定時間なかった場合でも、第2要求信号送信手段により、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信するように構成しても良い(請求項6の発明)。これによれば、上記請求項5の発明に、ダイアログ情報に渋滞情報有りの情報が含まれているという条件が付加されて、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号が送信されることになり、ユーザは、選択手段を操作できないようなケースでも、重要な情報である渋滞情報を含んだ案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0016】
或いは、車載器に、各通信地点において過去に案内情報を受信したかどうかの有無の履歴データを記憶する記憶手段を設けると共に、該車載器を、ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、履歴データにおいて前回時に当該通信地点において案内情報を受信していた場合には、選択手段の操作が所定時間なかった場合でも、第2要求信号送信手段により、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信するように構成することができる(請求項7の発明)。これによれば、上記請求項5の発明に、履歴データにおいて前回時に当該通信地点において案内情報を受信しているという条件が付加されて、情報センタに対し自動的に案内情報要求信号が送信されることになり、ユーザは、選択手段を操作できないようなケースでも、過去にその地点で案内情報のサービスを受けたことがある場合には、同様に案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0017】
或いは、車載器を、ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、選択手段の操作が所定時間なかった場合には、案内情報要求信号の送信を禁止するように構成することができる(請求項8の発明)。これにより、無駄な通信を行うことを未然に防止することができる。
【0018】
本発明においては、上記情報センタを、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在しない場合には、前記ダイアログ情報の送信を取り止めるように構成しても良い(請求項9の発明)。ユーザが知りたい情報である渋滞情報が存在しない場合には、ダイアログ要求信号の送信以外の通信は、最初から行われないので、無駄な通信料金を発生させずに済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、案内情報提供システムの全体構成を概略的に示すブロック図
【図2】案内情報を受信する場合の表示装置の画面の変遷の例を示す図
【図3】車両が通信ポイントから案内ポイントに至るまでの時間経過に伴う動作の例を示す図、及び通信ポイントの定義を説明するための図
【図4】案内情報の配信に関連する、ナビゲーション装置(a)及び情報センタ(b)が実行する処理手順を示す図
【図5】車両が走行する道路上の、通信ポイント、表示開始ポイント、案内ポイントの位置関係を示す図
【図6】交差点の案内を行う場合の表示画面の例を示す図
【図7】高速道路の入口ランプの案内を行う場合の表示画面の例を示す図
【図8】地図上で高速道路と一般道とが並行している場合の従来と比べた利点を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施例では、自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置が、案内情報提供システムの車載器としての機能を兼用するようになっており、以下、ナビゲーション装置として説明する。図1は、本実施例に係る案内情報提供システム1の構成を概略的に示しており、まず、案内情報提供システム1の全体構成について述べる。
【0021】
この案内情報提供システム1は、車両が案内地点としての所定の案内ポイントG(図5〜図8参照)に達するときに(達する手前で)、道路交通情報等の案内情報をリアルタイムで配信し、各車両内において表示装置に表示させるサービスを行うものであり、車載器たるナビゲーション装置2と、情報センタ3とから構成される。この場合、前記案内ポイントGとして、例えば、主要交差点、高速道路の入口ランプ、高速道路の分岐地点などの複数のポイントが予め設定されている。前記案内情報の表示は、自車両が案内ポイントGの所定距離(例えば1km)だけ手前の位置(表示開始ポイントV)に至ったところで開始され、自車両が案内ポイントGを通過するまで継続して行われる。
【0022】
前記ナビゲーション装置2は、コンピュータ(CPU)を主体として構成され全体を制御する制御装置4を備えると共に、その制御装置4に接続された、外部との無線通信を行う通信装置5、自車位置を検出するための自車位置検出手段としての位置検出部6、例えばフルカラー液晶ディスプレイからなり表示手段として機能する表示装置7、表示装置7表面のタッチパネルや表示装置7近傍に配置されたメカスイッチを含み選択手段として機能する操作スイッチ群8、音声出力装置9、地図データベース10、走行情報記録部11等を備えて構成されている。
【0023】
前記位置検出部6は、GPS用の人工衛星からの送信電波に基づいて自車両の位置を検出(測位)するGPS(Global Positioning System )のためのGPS受信機13、自車両の回転角速度を検出するジャイロセンサ14、車速度センサ15を含んでいる。前記制御装置4は、そのソフトウエア構成(及びハードウエア構成)により、前記位置検出部6を構成する各センサ13〜15からの入力に基づいて、自車両の現在位置(絶対位置)、進行方向、速度や走行距離、現在時刻等を高精度で検出する。
【0024】
そして、その自車の現在位置、及び、前記地図データベース10から得られる地図データに基づいて、図2(a)に示すように、前記表示装置7の画面に、自車周辺の道路地図と共に自車の現在位置P(及び進行方向)を重ね合せて表示させるロケーション機能を実現する。この場合、一般に、ロケーション機能を実現するにあたっては、自車の位置を、表示される電子地図上の道路に乗せるために、自車の移動軌跡と道路地図データ中の道路形状とを比較照合して、現在走行中の道路を推測するマップマッチングが行われる。
【0025】
前記地図データベース10は、例えば国内全土の道路地図データや、それに付随する、各種施設や店舗等の施設データ等を記憶するものである。前記道路地図データは、地図上の道路を、交差点等をノードとして複数の部分に分割し、各ノード間の部分をリンクとして規定したリンクデータとして与えられる。このリンクデータは、リンク固有のリンクID(識別子)、リンク長、リンクの始点,終点(ノード)の位置データ(経度,緯度)、角度(方向)データ、道路幅、道路種別などのデータを含んで構成される。また、道路地図を表示装置7の画面上に再生(描画)するためのデータも含まれている。
【0026】
更に、本実施例では、前記地図データベース10には、所定の通信地点としての複数の通信ポイントCのデータが予め記憶されている。後述するように、この通信ポイントCは、前記案内ポイントGに対し例えば所定距離(上記した案内情報の表示開始よりも長い距離例えば3km)だけ手前の位置に設定される。この通信ポイントCの位置のデータは、例えば情報センタ3から各車両に配信されて記憶されるようになっている。
【0027】
そして、このナビゲーション装置2(制御装置4)は、前記通信装置5により、テレマティクス例えば携帯電話網を通信媒体として、前記情報センタ3(通信装置17)との間で通信を行うようになっている。前記通信装置5としては、例えば、携帯電話機や、DCM(Data Communication Module )と称される無線通信装置が採用される。詳しくは後述するように、ナビゲーション装置2(制御装置4)は、通信装置5により情報センタ3との間で通信を行うことにより、情報センタ3から、渋滞や交通規制等の道路交通情報を含む案内情報をリアルタイムで受信することができる。受信した案内情報は、案内ポイントGにおいて表示装置7に表示される。尚、通信装置5としては、テレマティクスを利用して通信を行う装置に加えて、電波ビーコン、光ビーコン、FM受信機等、複数種類の通信手段を備えていても良い。
【0028】
さらに、ナビゲーション装置2(制御装置4)は、情報センタ3から経路案内データを取得することが可能に構成され、その経路案内データに基づいて経路案内を実行する。この場合、ユーザの操作スイッチ群8の操作に基づいて、情報センタ3に対し、現在地(出発地)及び目的地のデータを通信装置5により送信し、また、情報センタ3において演算された推奨経路を構成する経路案内データを通信装置5により受信する。周知のように、この経路案内は、表示装置7の画面に、道路地図に重ね合わせて走行すべき経路を表示すると共に、音声出力装置9により右左折の指示等の案内音声を出力することにより行われる。
【0029】
一方、図1に示すように、前記情報センタ3は、コンピュータを主体として構成された制御部16を備えると共に、その制御部16に接続された、外部との間で無線通信を行う通信手段たる通信装置17、経路探索に関連する各種情報を記憶する情報記憶部18、地図データベース19などを備えて構成されている。前記通信装置17は、前記ナビゲーション装置2の通信装置5との間のテレマティクスを介した無線通信を行う。
【0030】
また、前記通信装置17は、例えば道路管理者や各都道府県、警察等が運営する道路交通情報センタ20や、他の車両21等との間で通信を行う。これにより、それら道路交通情報センタ20や他の車両21から送信される、道路交通情報(渋滞、事故、工事、車線規制、交通規制などの情報)、気象情報(天候、風向き、路面状況)等の最新のデータを受信し、収集する。収集された道路交通情報や各種データは情報記憶部18に蓄積される。前記制御部16は、情報記憶部18に蓄積されている道路交通情報や各種データから、車両に対し各案内ポイントGにおいて提供(配信)すべき案内情報(図形情報)を生成する。尚、収集された道路交通情報や各種データは経路探索にも用いられる。
【0031】
前記地図データベース19には、経路探索用の最新の道路地図データや、簡易地図情報としての簡易地図図形データが記憶されている。前記道路地図データは、上記と同様に、地図上の交差点などをノードとして道路を複数の部分に分割し、各ノード間の部位分をリンクとして規定したリンクデータとして与えられ、リンクデータは、リンクID、リンク長、リンクの始点、終点の位置データ、角度(方向)データ、道路幅、道路種別等のデータを含んで構成される。
【0032】
前記制御部16は、ナビゲーション装置2(通信装置5)との通信により、車両から現在地(出発地)及び目的地のデータを受信すると、推奨する経路を探索し、その経路の経路案内データをナビゲーション装置2に送信する。このとき、制御部16は、地図データベース19の道路地図データ(リンク、ノードのデータ)を用いて、受信した出発地(現在地)から目的地までの推奨する経路を演算により求める(探索する)。この経路の演算には、例えば周知のダイクストラ法が用いられ、出発地から目的地までのコストが最小となる走行経路が求められる。また、この経路探索の際には、上記情報記憶部18に蓄積されている最新の道路交通情報等のデータも加味される。
【0033】
さて、本実施例の案内情報提供システム1にあっては、ナビゲーション装置2は、情報センタ3との間で通信を行って交通情報等の案内情報を取得(受信)し、所定の案内ポイントGにおいて(案内ポイントGより手前の表示開始ポイントV(図3、図5参照)から案内ポイントGの交差点などを通過するまでの間)、案内情報を表示装置7に表示させることができる。このとき、後の作用説明(フローチャート説明)でも述べるように、ナビゲーション装置2と情報センタ3との間での通信は、次のような手順で行われる。
【0034】
即ち、本実施例では、まず、ナビゲーション装置2の制御装置4は、図2、図3、図5等に示すように、自車位置が、表示開始ポイントVよりも更に所定距離だけ手前に設定される所定の通信ポイントCに到達したかどうかを常に監視する。そして、所定の通信ポイントCに到達した際に、前記通信装置5により、情報センタ3に対して、ダイアログ情報の送信を要求するダイアログ要求信号を送信する。本実施例では、前記所定の通信ポイントCに到達したかどうかを判断する手法として、図3に示すように、自車位置が、通信ポイントCを中心とした半径r(例えば50m)の円内に、道路の進行方向Hに対して角度±30°の範囲内で進入した場合に、通信ポイントCに到達したと判断する。
【0035】
情報センタ3の制御部16は、ナビゲーション装置2からダイアログ要求信号を受信すると、ダイアログ情報を生成し、そのダイアログ情報をナビゲーション装置2に対して送信する。このとき、制御部16は、各案内ポイント毎に配信すべき案内情報を記憶し、また必要に応じて随時更新している。前記ダイアログ情報は、基本的には、案内ポイントGにおける案内情報の配信を受けるかどうかを選択させるためのダイアログ画面D(図2(b)参照)を表示させるためのものである。ダイアログ画面Dには、「是(YES)」、「否(NO)」の選択ボタン(タッチパネル上に設定されるアイコン)が含まれる。
【0036】
このとき、制御部16は、送信するダイアログ情報に、当該案内ポイントGにおいて配信する案内情報の内容を示す情報を含ませるようになっている。具体的には、図2(b)に示すように、「都市高速道の案内をします。」、「この先の入口ランプの案内をします。」、「この先の交差点の案内をします。」といったメッセージが含まれる。そして、これと共に、制御部16は、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在するかどうかを判定し、渋滞情報の有無を示す情報、例えば、「渋滞の情報があります。」又は「渋滞はありません。」のメッセージを含ませるようになっている。
【0037】
ナビゲーション装置2の制御装置4は、情報センタ3からダイアログ情報を受信すると、受信したダイアログ情報をユーザに即座に報知する。この際のダイアログ情報の報知は、表示装置7における表示と、音声出力装置9による音声出力(メッセージの読み上げ)との双方により行われる。この場合、ダイアログ情報の報知(表示)は、一定時間(例えば10秒間)だけ行われた後、自動で終了される。
【0038】
ユーザ(車両のドライバ)は、ダイアログ情報の報知を受けて、案内情報を受信するか(サービスを受けるか)どうかを判断し、操作スイッチ群8(タッチパネル)を操作して案内情報を受信するか否かを選択操作する。ユーザは、案内情報を得たい場合には、「是(YES)」を選択操作する。案内情報が不要と判断すれば、「否(NO)」を選択操作すれば良い。尚、本実施例では、ダイアログ情報が報知されたにもかかわらず、「是(YES)」、「否(NO)」のいずれの操作もない状態で、一定時間T(例えば10秒間)が過ぎた場合には、案内情報要求信号の送信が禁止される。従って、案内情報の配信を受けることはない。
【0039】
ナビゲーション装置2の制御装置4は、案内情報を受信する選択がなされた場合に、情報センタ3に対し案内情報要求信号を送信する。情報センタ3の制御部16は、ナビゲーション装置2から案内情報要求信号を受信した際に、案内情報を該ナビゲーション装置2に対し送信する。図2(d)、図3に示すように、ナビゲーション装置2の制御装置4は、案内情報を受信すると、表示開始ポイントVにおいて(或いは所定のタイミングにて)、その案内情報を表示装置7の画面に表示する。
【0040】
従って、ナビゲーション装置2の制御装置4は、通信装置5等と共に、第1要求信号送信手段、第2要求信号送信手段として機能する。また、ナビゲーション装置2の制御装置4は、表示装置7及び音声出力装置9と共にダイアログ報知手段として機能する。操作スイッチ群8が、選択手段として機能する。一方、情報センタ3の制御部16は、ダイアログ情報生成手段として機能し、また、通信装置17と共に、ダイアログ情報送信手段及び案内情報送信手段として機能する。
【0041】
次に、上記構成の作用について、図4〜図8も参照して述べる。図4のフローチャートは、本実施例の案内情報提供システム1における案内情報の配信に関連する、ナビゲーション装置2の制御装置4が実行する処理の手順(a)、及び、情報センタ3の制御部16が実行する処理の手順(b)を並べて示している。
【0042】
ここで、ナビゲーション装置2側においては、図4(a)に示すように、まずステップS10にて、自車位置の検出を行い、次のステップS11にて、検出した自車位置が、予め記憶されている通信ポイントCに到達したかどうかを判断する。図3に示すように、この通信ポイントCに到達したかどうかの判断は、検出された自車位置が、通信ポイントCを中心とした半径rの円内に、道路の進行方向Hに対して角度±30°の範囲内で進入したかどうかを判定することにより行われる。
【0043】
自車位置が通信ポイントCに到達していない場合には(ステップS11にてNo)、ステップS10に戻り、自車位置の検出を常に行う。そして、自車位置が通信ポイントCに到達したと判断した場合には(ステップS11にてYes)、ステップS12にて、情報センタ3に対しダイアログ要求信号を送信する。尚、この時点では、図2(a)に示すように、車両の表示装置7の画面には、ナビゲーション画面つまり、自車周辺の道路地図と共に自車の現在位置(及び進行方向)が表示される。
【0044】
他方、図4(b)に示すように、情報センタ3においては、ステップS20にて、外部から交通情報等が受信(収集)されると共に、ステップS21にて、得られた情報に基づいて、案内ポイント毎の、案内情報の作成及び渋滞情報の有無の判定が行われる。次のステップS30では、車両(ナビゲーション装置2)からのダイアログ要求信号を受信したかどうかが常に監視される。
【0045】
そして、情報センタ3の制御部16は、ナビゲーション装置2からのダイアログ要求信号を受信すると(ステップS30にてYes)、ステップS31にて、ダイアログ要求信号を送信したナビゲーション装置2(車両)に向けて、ダイアログ情報を送信する。このダイアログ情報は、上記したように、「是(YES)」、「否(NO)」の選択ボタンを表示させる情報に加えて、案内ポイントGにおいて配信する案内情報の内容を示す情報(メッセージ)、及び、渋滞情報の有無を示す情報(メッセージ)が含まれるようになっている。情報センタ3の制御部16は、ダイアログ情報の送信後、ステップS40にて、案内情報の要求信号を受信したかどうかを監視する。
【0046】
図4(a)に戻り、ナビゲーション装置2(制御装置4)においては、ステップS13にて、情報センタ3からダイアログ情報を受信したかどうかが判断される。ダイアログ情報を受信した場合には(ステップS13にてYes)、ステップS14にて、受信したダイアログ情報に基づき、図2(b)に示すように、ダイアログ画面Dを表示装置7に表示すると共に、音声出力装置9により、例えば、「都市高速道の案内をします。」、「渋滞の情報があります。」といったメッセージを発話する。
【0047】
次のステップS15では、ユーザにより、「是(YES)」が選択操作されたかどうかが判断される。ダイアログ画面Dを表示してから一定時間T(例えば10秒間)内に選択操作がない場合、或いは、「否(NO)」が選択操作された場合には(ステップS15にてNo)、案内情報の配信を受けないまま、ステップS10に戻る。尚、一定時間T経過後に、表示装置7のダイアログ画面の表示は終了され、元の表示(ナビゲーション画面)に戻される。
【0048】
これに対し、「是(YES)」が選択操作された場合には(ステップS15にてYes)、次のステップS16にて、情報センタ3に対して、案内情報要求信号が送信される。図4(b)に示すように、情報センタ3側では、車両からの案内情報要求信号を受信すると(ステップS40にてYes)、次のステップS41にて、案内情報要求信号を送信したナビゲーション装置2(車両)に向けて、ダイアログ情報を送信する。その後は、ステップS20に戻る。尚、上記案内情報要求信号及び案内情報の通信の間には、車両の表示装置7の画面には、例えば図2(c)に示すような、「情報を取得しています。」のメッセージが表示される。
【0049】
図4(a)に戻り、ナビゲーション装置2(制御装置4)におては、ステップS17にて、案内情報を受信したかどうかが判断される。案内情報を受信すると(ステップS17にてYes)、ステップS18にて、図2(d)にも示すように、表示開始ポイントVにて、案内情報が表示装置7に表示される。案内ポイントGを通過すると、表示装置7における案内情報の表示が終了し、ステップS10からの処理が繰返される。
【0050】
図3は、上記処理における時間経過に伴う動作の例を示しており、図5は、案内ポイントGに対する各ポイントの位置関係の例を示している。上記した処理により、図3に示すように、車両が通信ポイントCから案内ポイントGまで走行する際に、ナビゲーション装置2は、通信ポイントCに至ったときに(図5では三角内に番号1)、情報センタ3との間のテレマティクス通信を開始してダイアログ情報を取得し、時間T1後に、ダイアログ画面Dを表示する。ユーザは、ダイアログ画面Dの表示から時間T2後に、「是(YES)」を選択操作する。すると、再び情報センタ3との間のテレマティクス通信を行って案内情報を取得する(図5では三角内に番号2)。
【0051】
そして、時間T3経過後の表示開始ポイントV(図5では三角内に番号3)で表示装置7に案内情報を表示する。その後、例えば、ユーザは、時間T4で案内情報を認識し、さらに時間T5で、案内ポイントGでとるべき行動を判断(例えば、直進、右折、左折等の決定)する。時間T6経過後、案内ポイントGである交差点(或いは高速の入口ランプ等)で、判断した通り車両を運転する。
【0052】
図6及び図7は、案内情報を表示装置7の画面に表示する場合の具体例を示しており、図6は主要交差点案内を行う場合、図7は高速入口ランプ案内を行う場合を夫々示している。この場合、表示装置7の画面を左右に二分割し、右側の画面を車両の現在位置Pを示すナビゲーション画面とし、左側に案内情報の画面を簡易地図により表示している。図6の例では、車両の現在位置Pが案内ポイントGとしての所定の交差点(名古屋駅前)に接近すると、進行方向先方の主要交差点及びそれらをつなぐ主要道路が簡易的な地図で表示される。
【0053】
このとき、道路の各区間の渋滞の有無(渋滞度合)が、進行方向を示す矢印の色によって表されるようになっている。例えば、渋滞がない区間を緑色(図では便宜上実線で示す)、渋滞が少ない区間を黄色(図では便宜上一点鎖線で示す)、渋滞がある区間を赤色(図では便宜上破線で示す)、といったように矢印の色を変えて表示することができる。ユーザは、例えば渋滞の少ない道路を選んで車両を走行することができる。
【0054】
図7の例では、高速道路と一般道とが並行している場合に、車両の現在位置Pが案内ポイントGとしての高速道入口(出口)に接近すると、進行方向先方における高速道の入口(出口)の案内が簡易的な地図で表示される。この場合も、道路の各区間の渋滞の有無(渋滞度合)が、同様に、進行方向を示す矢印の色によって表される。ユーザは、渋滞のある一般道を避けて渋滞のない高速道路に進入する、あるいは、高速道路の渋滞が発生する区間を避けて一般道に降りるといった選択を行うことができる、尚、図2(d)に示すように、案内情報として、表示装置7の画面全体に高速道路の分岐路の案内図を表示しても良い。この場合も、渋滞のある区間を、道路の色を変えて(例えば赤色で)表示することができる。
【0055】
このような本実施例の案内情報提供システム1によれば、車載器たるナビゲーション装置2と、情報センタ3との間の通信を、テレマティクス(携帯電話網)を介して行われる構成としたので、専用の通信メディア例えば電波ビーコン、光ビーコン、FMラジオ放送局といったインフラが十分に整備されていないところでも、システムを構築することが可能となった。
【0056】
このとき、テレマティクスを利用するため、基本的に、ユーザの負担となる通信料金が発生する事情がある。本実施例では、車両が所定の通信ポイントCに到達した際に、情報センタ3からまずダイアログ情報のみを受信し、その報知を受けてユーザが案内情報を受信するかどうかを選択するのであるが、ダイアログ情報には、案内情報の内容を示す情報が含まれているので、ユーザは、案内情報が自分にとって必要な情報か不要な情報かを判断して、必要な案内情報のみを受信することができる。従って、不要な案内情報を受信することに伴う、無駄な通信料金の発生を防止することができる。この場合、ダイアログ情報の通信のみは常に行う必要があるが、常に案内情報を受信する場合に比較して通信のデータ量はごく僅かで済むので、通信料金面での不利は極めて少ないものとなる。
【0057】
ここで、車両を運転しているユーザが、案内情報提供システム1を用いてリアルタイムに知りたい案内情報の内容(種類)として、最も重要であるものの一つは渋滞情報である。本実施例では、ダイアログ情報に、渋滞情報の有無を示す情報を含ませるようにしたので、ユーザが案内情報を受信するか否かを判断するにあたっての、有用な情報を提供することができる。また、特に本実施例では、ダイアログ情報の報知を、表示装置7における表示と音声出力装置9による音声出力との双方により行うようにしたので、ユーザが運転中で表示装置7を見ることができない等の状況にあっても、ユーザに対し、ダイアログ情報を安全且つ確実に報知することができる。
【0058】
さらには、ダイアログ情報の報知を一定時間行った後自動で終了させるように構成したので、ユーザの選択操作のタイミングの遅れに起因して適切なタイミングで案内情報を提供できなくなる不具合を未然に防止することができる。ダイアログ情報が報知されたときに、ユーザによる選択操作が所定時間なかった場合には、案内情報要求信号の送信を禁止するように構成したので、無駄な通信を行うことを未然に防止することができる。
【0059】
ところで、図8に示すように、高速道路と一般道とが並行しているような場合、電波ビーコン等のインフラを介して案内情報を取得するシステムでは、案内情報を受信したタイミングと、案内情報を表示するタイミングとで状況が変わってしまうケースが考えられる。即ち、通信ポイントC付近で、高速道路の案内ポイントGに関する案内情報を受信したにもかかわらず、その後案内ポイントGに至る前に高速道路を降りて一般道に進入したような場合、表示開始ポイントV付近で高速道路の関する案内情報を表示しても無駄になってしまう不都合がある。
【0060】
ところが、本実施例の構成では、通信ポイントで通信を開始したとしても、ダイアログ情報の表示時に、高速道路を既に降りている場合、或いはユーザが降りようと考えている場合には、案内情報の内容が、例えば「高速道路の案内」であるならば、ユーザは即座に不要であると判断して情報を受信しない旨の選択を行うことができる。従って、本実施例では、通信ポイントCと案内ポイントGとの間で状況が変わることに伴う、不要な案内情報を受信してしまうといった不具合を未然に防止できる利点も得ることができる。
【0061】
尚、上記実施例では、ナビゲーション装置2において表示装置7の画面にダイアログ情報が報知(及び音声報知)されたときに、ユーザによる選択操作が所定時間T(例えば10秒間)なかった場合には、案内情報要求信号の送信を禁止するように構成したが、本発明では、それに代えて、図示はしないが以下に述べるいずれかの構成とすることも可能である。
【0062】
第1の構成として、ナビゲーション装置2(制御装置4)を、ダイアログ情報が報知されたときに、ユーザの選択操作が所定時間T(例えば10秒間)なかった場合に、通信装置5により、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号を送信する構成とすることができる。これによれば、運転操作中において、ユーザが、例えば、ダイアログ情報が報知されても所定時間T内に、安全性の確保のため選択操作できないようなケースでも、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号を送信することができ、ユーザが案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0063】
或いは、第2の構成として、ナビゲーション装置2(制御装置4)を、ダイアログ情報が報知されたときに、該ダイアログ情報に渋滞情報有りの情報が含まれていた場合に限り、ユーザの選択操作が所定時間T(例えば10秒間)なかった場合に、通信装置5により、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号を送信する構成とすることができる。これによれば、上記第1の構成明に、ダイアログ情報に渋滞情報有りの情報が含まれているという条件が付加されて、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号が送信されることになり、ユーザは、選択操作ができないようなケースでも、重要な情報である渋滞情報を含んだ案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0064】
或いは、第3の構成として、ナビゲーション装置2に、各通信ポイントCにおいて過去に案内情報を受信したかどうかの有無の履歴データを記憶する記憶手段を設ける(走行情報記録部11を記憶手段として兼用させても良い)と共に、ダイアログ情報が報知されたときに、前記履歴データにおいて前回時に当該通信ポイントCにおいて案内情報を受信していた場合には、ユーザの選択操作が所定時間Tなかった場合でも、通信装置5により、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号を送信する構成とすることができる。
【0065】
これによれば、上記第1の構成に、履歴データにおいて前回時に当該通信ポイントCにおいて案内情報を受信しているという条件が付加されて、情報センタ3に対し自動的に案内情報要求信号が送信されることになり、ユーザは、選択操作できないようなケースでも、過去にその地点で案内情報のサービスを受けたことがある場合には、同様に案内情報のサービスを受けることが可能となる。
【0066】
その他、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、例えば、以下のような拡張、変更が可能である。即ち、本発明においては、情報センタ3(制御部16)を、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在しない場合には、ダイアログ情報の送信を取り止めるように構成しても良い。これによれば、ユーザが知りたい情報である渋滞情報が存在しない場合には、ダイアログ要求信号の送信以外の通信は、最初から行われないので、無駄な通信料金を発生させずに済ませることができる。
【0067】
上記実施例では、案内情報として、高速道路案内、入口ランプ案内、交差点案内を、渋滞情報と共に提供するようにしたが、提供する案内情報としては、他の交通情報や気象情報、ニュース、付近の観光情報、イベント情報、店舗の宣伝情報などの各種情報を含ませるようにしても良い。上記実施例では、通信ポイントC(あるいは案内ポイントG)のデータを、情報センタ3から配信して記憶させるようにしたが、車載器(ナビゲーション装置2)側に予め記憶されていても良い。
【0068】
さらには、上記実施例では、情報センタ3側で経路探索の処理を行うシステムを例としたが、本発明は、車両に搭載されたナビゲーション装置2自体において、経路探索を行う構成であっても適用することができる。また、案内情報提供システムを構成する車載器を、ナビゲーション装置と別体に構成しても良く、この場合、自車位置検出信号を別体のナビゲーション装置から得るようにすることができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【符号の説明】
【0069】
図面中、1は案内情報提供システム、2はナビゲーション装置(車載器)、3は情報センタ、4は制御装置(第1要求信号送信手段、ダイアログ報知手段、第2要求信号送信手段)、5は通信装置、6は位置検出部、7は表示装置、8は操作スイッチ群(選択手段)、9は音声出力装置、10は地図データベース、16は制御部(ダイアログ情報生成手段、ダイアログ情報送信手段、案内情報送信手段)、17は通信装置、18は情報記憶部、Dはダイアログ画面、Cは通信ポイント(通信地点)、Gは案内ポイント(案内地点)、Vは表示開始ポイントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載器が、テレマティクスを介して情報センタとの間で通信を行って交通情報等の案内情報を受信し、所定の案内地点で前記案内情報を表示装置に表示させるようにした案内情報提供システムであって、
前記車載器は、
前記車両が予め記憶された所定の通信地点に到達した際に,前記情報センタに対しダイアログ要求信号を送信する第1要求信号送信手段と、
該情報センタから受信したダイアログ情報をユーザに報知するダイアログ報知手段と、
このダイアログ報知手段によるダイアログ情報の報知に伴い、ユーザが案内情報を受信するか否かを選択操作するための選択手段と、
この選択手段により前記案内情報を受信する選択がなされた場合に前記情報センタに対し案内情報要求信号を送信する第2要求信号送信手段とを備え、
前記情報センタは、
前記車載器から前記ダイアログ要求信号を受信した際に、ダイアログ情報生成手段により生成されたダイアログ情報を前記車載器に対し送信するダイアログ情報送信手段と、
前記車載器から前記案内情報要求信号を受信した際に、前記案内情報を該車載器に対し送信する案内情報送信手段とを備えると共に、
前記ダイアログ情報生成手段は、前記案内情報の内容を示す情報を含ませるように前記ダイアログ情報を生成することを特徴とする案内情報提供システム。
【請求項2】
前記ダイアログ情報生成手段は、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在するかどうかを判定し、前記渋滞情報の有無を示す情報を含ませて前記ダイアログ情報を生成することを特徴とする請求項1記載の案内情報提供システム。
【請求項3】
前記ダイアログ報知手段は、前記ダイアログ情報の報知を、表示装置における表示と、音声出力との双方により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の案内情報提供システム。
【請求項4】
前記ダイアログ報知手段は、前記ダイアログ情報の報知を一定時間行った後自動で終了させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の案内情報提供システム。
【請求項5】
前記車載器は、前記ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、前記選択手段の操作が所定時間なかった場合には、前記第2要求信号送信手段により、前記情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の案内情報提供システム。
【請求項6】
前記車載器は、前記ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、該ダイアログ情報に渋滞情報有りの情報が含まれていた場合には、前記選択手段の操作が所定時間なかった場合でも、前記第2要求信号送信手段により、前記情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の案内情報提供システム。
【請求項7】
前記車載器は、各通信地点において過去に案内情報を受信したかどうかの有無の履歴データを記憶する記憶手段を備えていると共に、
前記ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、前記履歴データにおいて前回時に当該通信地点において案内情報を受信していた場合には、前記選択手段の操作が所定時間なかった場合でも、前記第2要求信号送信手段により、前記情報センタに対し自動的に案内情報要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の案内情報提供システム。
【請求項8】
前記車載器は、前記ダイアログ報知手段によりダイアログ情報が報知されたときに、前記選択手段の操作が所定時間なかった場合には、案内情報要求信号の送信を禁止することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の案内情報提供システム。
【請求項9】
前記情報センタは、提供すべき案内情報の内容として渋滞情報が存在しない場合には、前記ダイアログ情報の送信を取り止めることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の案内情報提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−93167(P2012−93167A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239573(P2010−239573)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】