説明

案内点案内情報提供システム

【課題】建物や敷地内の入口から目的地物までのアクセス経路と、目的地物に関する情報とを、この建物や敷地の斜め写真上に重ね合わせた画像表示をすることにより、視覚的に分り易いアクセス経路を提供できる情報提供システムを提供する。
【解決手段】建物や敷地内に所在する施設について、前記アクセス経路に関するアクセス経路情報と、施設のレイアウトに関するレイアウト情報と、施設の出入口や外観に関する外観情報と、施設を撮影して得た写真画像情報とを、蓄積する蓄積手段と、
施設の地理上の位置を示す地理情報を検索する地理情報検索手段と、
蓄積手段から読み出した写真画像情報上に、施設情報とアクセス経路情報とレイアウト情報とを、重ね合わせた重ね合わせ画像を生成する画像生成手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理情報システム(Geographic Information System,GIS もしくは地理座標を出力可能なWebサイト(以下「GIS等」と記す)を用いた斜め写真利用の一手法として、ビル等の建物あるいは敷地内に存在する、店舗や事務所等の施設の地物情報と、駅や道路等の公共交通施設に接する建物入口あるいは敷地入口からその施設までのアクセス経路とを、斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を提供するための構成を有する案内点案内情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ(World Wide Web、以下「Web」と記す)に接続される通信ネットワークや専用通信端末を使用して店舗等の地理情報を表示する地理情報検索サービスは、ディスプレイ上に画像表示した地図あるいはオルソ写真上に、目的とする地物の住所に対応する地図座標にアイコンを表示し、アイコンに吹き出し型のウインドウ枠の重ね合わせによる表示や、地図ウィンドウとは別のウィンドウ枠の表示によって、目的地物の地図上における位置と目的地物に関する情報とを共に提供している。そして、この地理情報検索サービスで得た目的地物に関する住所等の情報をもとに、公共交通施設のネットワークを用いた目的地物へのアクセス経路案内を、車載型や携帯電話のナビゲーションシステムで利用している。
【0003】
具体的には、地図上の位置だけでなく、目的地物のフロア位置を把握するために、建物の三次元形状情報によって仮想的な鳥瞰図を作成して、このフロア位置を表示するシステムがある(特許文献1)。また、ビルの階数情報から、鳥瞰図内の地図上の建物の位置に、ビルの立方体を表示し、目的とするフロア位置を表示するシステムもある(特許文献2)。さらに、目的地物のフロアとビルの入口とを、視覚的に分かり易いようにナビゲーションシステムのディスプレイ上に表示するシステムもある(特許文献3,4)。
【特許文献1】特開平05−027677号公報
【特許文献2】特開平11−065428号公報
【特許文献3】特開2002−168637号公報
【特許文献4】特開2006−039987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した背景技術では、目的地物に関する情報の表示と、目的地物へのアクセス経路案内とを共に取得する場合に、従来のGISとナビゲーションシステムとの組合せでは、公共交通施設のネットワークを主体としたアクセス経路案内に留まり、目的地物自体を示すことなく、目的地物が入っている建物や敷地を簡易的に示すことしかできなかった。
【0005】
そこで本発明は、公共交通施設に接する建物入口あるいは敷地入口からこの建物内あるいは敷地内に存在する目的とする施設に至るアクセス経路と、この施設に関する情報とを、この建物全体あるいは敷地全体の外観を撮影した斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を作成することにより、視覚的に分り易く目的とする施設(目的地物)に関する情報を提供できる案内点案内情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明は、次の(1)〜(4)の構成を有する案内点案内情報提供システムを提供する。
【0007】
(1) ユーザ端末とサービス提供センタのサーバシステムとが通信回線で接続され、前記サーバシステムが、前記ユーザ端末からの指定地物に関する斜め写真に、前記指定地物内の案内点に至る案内経路を重ね合わせた重ね合わせ画像を、前記ユーザ端末へ提供する案内点案内情報提供システムであって、
前記サービス提供センタのサーバシステムは、
第1の記憶手段と、第2の記憶手段と、第1の手段と、第2の手段と、第3の手段と、送信手段とを備え、
前記第1の記憶手段は、前記案内経路と、前記指定地物の立体形状と、前記案内点を含む平面図と、前記指定地物に関する斜め写真と、前記斜め写真の撮影情報とを、記憶しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1の記憶手段とは異なる記憶手段であり、
前記第1の手段は、
前記ユーザ端末で指定した前記案内点を受信し、前記第1の記憶手段から前記斜め写真を読み出して前記第2の記憶手段へ書き込み、
前記第2の手段は、
前記第2の記憶手段から読み出した前記斜め写真に該当する三次元形状を生成し、生成した前記三次元形状を読み出した前記斜め写真に重ねた前記重ね合わせ画像を作成し、
前記第3の手段は、
前記第1の記憶手段から前記斜め写真の撮影方向と前記平面図とを読み出し、読み出した前記平面図を前記撮影方向で回転し、回転した平面図が前記重ね合わせ画像の要部に重ならないように前記斜め写真の読み出しを制御し、
前記送信手段は、
前記重ね合わせ画像及び回転した前記平面図を同一表示画面内で表示させる表示制御データを前記ユーザ端末に送信する
ことを特徴とする案内点案内情報提供システム。
【0008】
(2) 前記案内点に至る前記案内経路を、前記撮影方向で回転した前記重ね合わせ画像及び前記平面図にそれぞれ重ね合わせることを特徴する上記(1)記載の案内点案内情報提供システム。
【0009】
(3) 前記案内点に関する案内情報を、前記撮影方向で回転した前記重ね合わせ画像の要部及び前記平面図の要部にそれぞれ重ならないように、前記重ね合わせ画像又は前記平面図に重ね合わせることを特徴する上記(1)又は上記(2)記載の案内点案内情報提供システム。
【0010】
(4) 指定地物の斜め写真に、前記指定地物内の案内点に至る案内経路を重ね合わせた重ね合わせ画像を、画面に提供する案内点案内情報提供システムであって、
第1の記憶手段と、第2の記憶手段と、第1の手段と、第2の手段と、第3の手段と、表示手段とを備え、
前記第1の記憶手段は、前記案内経路と、前記指定地物の立体形状と、前記案内点を含む平面図と、前記指定地物に関する斜め写真と、前記斜め写真の撮影情報とを、記憶しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1の記憶手段とは異なる記憶手段であり、
前記第1の手段は、
前記案内点が入力されたとき、前記第1の記憶手段から前記斜め写真を読み出して前記第2の記憶手段へ書き込み、
前記第2の手段は、
前記第2の記憶手段から読み出した前記斜め写真に該当する三次元形状を生成し、生成した前記三次元形状を読み出した前記斜め写真に重ねた前記重ね合わせ画像を作成し、
前記第3の手段は、
前記第1の記憶手段から前記斜め写真の撮影方向と前記平面図とを読み出し、読み出した前記平面図を前記撮影方向で回転し、回転した平面図が前記重ね合わせ画像の要部に重ならないように前記斜め写真の読み出しを制御し、
前記表示手段は、
前記重ね合わせ画像及び回転した前記平面図を同一表示画面内で表示する
ことを特徴とする案内点案内情報提供システム。
【発明の効果】
【0011】
上記した構成を有する本発明は、公共交通施設に接する建物入口あるいは敷地入口からこの建物内あるいは敷地内に存在する目的とする施設に至るアクセス経路案内と、この施設に関する情報とを、この建物全体あるいは敷地全体の外観を撮影した斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を作成することにより、視覚的に分り易く目的地物に関する情報を提供できる案内点案内情報提供システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の情報提供システムは、次の各機能を備えている。即ち、
建物(「地上施設」)あるいは敷地(「案内エリア」)内に、店舗や事務所といった情報提供元となる複数の機能を備えた施設について、情報提供対象となる各機能の情報と、各機能間の「アクセス経路」と、建物のフロア平面図や建物・敷地の外観形状(例えば「全体外観立体形状」「地上施設立体形状」)等の形状情報と、これら建物や敷地を撮影した写真情報(例えば「案内エリア」全体を撮影した斜め写真)と、この写真を撮影するときの撮影位置姿勢等の標定要素に関する撮影情報とを、記録管理するデータベース機能と、
利用者が目的とする施設について、その目的地物情報と、写真情報とを、GIS 等を用いて検索する地理情報検索機能と、
この地理情報検索機能によって検索して抽出した目的地物情報と写真情報とを用いて、建物入口や敷地入口から目的地物までのアクセス経路を、写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を作成する重ね合わせ画像生成機能と、
前記した地理情報検索機能と重ね合わせ画像生成機能とに対する、各種の入力画面フォームを用いた条件入力とその結果出力について、Webに接続される通信ネットワークを通じて、利用者端末との間で送受信を行うWebサーバ機能とを
備えたことを特徴とする情報提供システムである。
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて、詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の情報提供システムの構成を示す図である。
【0015】
本発明の一実施の形態である情報提供システムAは、図1に示すように、通信ネットワークNWを介して、サービス提供センタ1と利用者端末2とが、有線あるいは無線で通信可能なように接続されている。そして、利用者端末2がサービス提供センタ1に対して、目的とする施設に関する情報を画像データで提供して欲しい旨の要求があると、サービス提供センタ1は利用者端末2に対してこの要求に応じた画像データの提供が可能な構成を備えたシステムである。ここでは図示しないが、通信ネットワークNWは、Webに接続されており、外部のGIS等である、GISもしくは地理座標を出力可能なWebサイトに接続可能である。また、GIS等は必要に応じて情報提供システムA内にあっても良い。
サービス提供センタ1は、通信ネットワークNWを介して、利用者端末2から目的地物に関する情報提供の要求を受付けると、この要求に応じた、各種の地理、地図、写真等の各情報を、通信ネットワークNWを介して、利用者端末2へフィードバックするサービス機能を有している。
【0016】
例えば、サービス提供センタ1は、利用者端末2から、利用したい店舗が入居しているフロア、区画をもつ建物入口あるいは敷地入口からそのフロア、区画までのアクセス経路に関する情報提供の要求を受け付けると、この要求に応じて、この建物全体あるいは敷地の全体を撮影した斜め写真上にこのアクセス経路を重ね合わせた重ね合せ画像を新たに作成して、これを通信ネットワークNWを介して、利用者端末2へフィードバックするサービスを行う。
【0017】
一方、利用者端末2は、キーボード等の文字入力手段と、ポインティングデバイスを用いた入力手段とを備えており(いずれも図示せず)、この入力手段を用いて後述する各種の入力画面フォームを用いた様々の条件入力を行い、これを、通信ネットワークNWを介して、サービス提供センタ1へ送信する。この条件入力に応じて、利用者端末2は、通信ネットワークNWを介して、サービス提供センタ1から提供された目的とする施設に関する情報や重ね合わせ画像をここでディスプレイ表示する。
【0018】
さて、前記したサービス提供センタ1は、図1に示すように、制御部10と、Webサーバ11と、画像生成サーバ12と、地理情報検索サーバ13と、データベースサーバ14とを備えている。
【0019】
ここで本発明の第1の記憶手段は、サービス提供センタ1内のいずれかにありさえすれば良いメモリである。具体的には、第1の記憶手段は、制御部10、各サーバ11〜14のいずれかに内蔵するメモリ、あるいは、これ以外のメモリであっても良い(いずれも図示せず)。また、本発明の第2の記憶手段は、後述する図7に示すように、データベースサーバ14の各メモリ14a〜14fに対応する。
【0020】
一方、本発明の第1の記憶手段は、サービス提供センタ1外にあっても良いメモリであるが、この場合でも、本発明の第2の記憶手段は、データベースサーバ14の各メモリ14a〜14fに対応する。
【0021】
制御部10は、Webサーバ11、画像生成サーバ12、地理情報検索サーバ13、データベースサーバ14の各サーバをそれぞれ動作させるために必要な制御管理を行なう。制御部10は、後述する「アカウント」メモリ10a、「画像フォーム」メモリ10b、「条件」メモリ10cを備えている(図7)。これらメモリ10a〜10cは制御部10に内蔵されるメモリであるが、制御部10外にある仮想メモリであっても良い。
【0022】
Webサーバ11は、前記したWebサーバ機能を備えており、同様に、画像生成サーバ12は前記した重ねあわせ画像生成機能を備え、地理情報検索サーバ13は前記した地理情報検索機能を備え、そして、データベースサーバ14は前記したデータベース機能を備えている。
【0023】
Webサーバ11は、通信ネットワークNWを介して、利用者端末2から受信した情報提供の要求を受け付けると、制御部10の制御のもとに、この要求に応じた処理を行なうために必要な各サーバ12〜14へ処理実行の指示を行う。これにより、各サーバ12〜14が処理実行した結果を、制御部10の制御のもとに、通信ネットワークNWを介して、利用者端末2へ送信して、要求に応じた情報提供を行うサーバである。
【0024】
画像生成サーバ12は、本情報提供システムAの要部であり、地理情報検索サーバ13によって、GIS 等を用いて検索して抽出した、店舗や事務所等の施設に関する目的地物情報と、この目的地物が属する建物や敷地の全体を撮影した斜め写真情報とを用いて、公共交通施設に接する建物入口や敷地入口から目的地物までのアクセス経路とを、視覚的に把握しやすい形態で、斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を生成するサーバである。
【0025】
地理情報検索サーバ13は、GIS 等を用いて、目的地物情報と、この目的地物が属する建物や敷地を撮影した斜め写真情報とを情報検索し、検索して抽出した目的地物情報と、斜め写真情報とを、画像生成サーバ12へ出力するサーバである。
【0026】
データベースサーバ14は、地理情報検索サーバ13によりGIS等を用いて検索して抽出した、目的地物情報や斜め写真情報等の検索抽出情報を、過去から現在に亘り現在処理中の情報も含めて蓄積しており、また、画像生成サーバ12により作成した重ね合わせ画像情報を過去から現在に亘り蓄積しているのを始めとして、前記した機能情報、アクセス経路情報、形状情報と、斜め写真情報、撮影情報等の、利用者端末2からの様々な要求に対して、それぞれ対応可能となるように多種多様のデータ量を蓄積しているサーバである。
【0027】
データベースサーバ14は、後述する「写真」メモリ14a、「撮影情報」メモリ14b、「三次元形状」メモリ14c、「フロア平面図(二次元形状)」メモリ14d、「案内情報」メモリ14e、「案内経路情報」メモリ14fをそれぞれ備えている(図7)。これらメモリ14a〜14fはデータベースサーバ14に内蔵されるメモリであるが、データベースサーバ14外にある仮想メモリであっても良い。
【0028】
このように、情報提供システムAは、利用者端末2がサービス提供センタ1に対して、目的地物へのアクセス経路案内を要求すると、この要求に応じて、サービス提供センタ1は利用者端末2に対して、この目的地物が入っている建物入口や敷地入口から目的地物までのアクセス経路を、斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を提供することができる。
【0029】
図2は案内エリアの階層構造を説明する図、図3は案内エリアの案内情報を説明する図、図4は画像生成サーバで行う重ね合わせ画像処理を説明する図、図5は案内エリアのデータクラスを説明する図、図6は地物情報と案内情報との関係を説明する図、図7は画像生成サーバで行う重ね合わせ画像処理フローを示す図である。
【0030】
以下、図2〜図7を用いて、画像生成サーバ12(図1)の重ね合わせ画像処理について、具体的に説明する。
【0031】
目的地物は、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」の順に、4階層構造で表示される。「案内エリア」は最上階層。例えば、利用したい店舗や事務所等が入居している場所を「区画」、この「区画」が存在する建物の階数を「フロア」、この「フロア」を複数階全て備えたビル等の建物を「建物」、この「建物」敷地やこの「建物」敷地に接する野外の駐車場等を含む領域を「敷地」とする。ここで、「建物」等の立体建造物と「敷地」を「地上施設」と定義すると、所定領域内の「地上施設」の集合が「案内エリア」と定義できる。例えば、図2中例)に示すように、「案内エリア」は「○○大学」、「地上施設」は「△△ビル」、「フロア」は「1階101号室」、そして「区画」は「××研究室」といった階層構造となる。
【0032】
こうして、画像生成サーバ12は、地理情報検索サーバ13から供給される「案内エリア」に関するデータ(後述する「地上平面図」データ及び「全体外観/立体形状」データや斜め写真情報)を、前記した制御部10の制御のもとに入力して、図4上段に示す「処理ステップ」106〜109を順次実行する。この一連の処理により、画像生成サーバ12は、目的地物と、「地上施設」あるいは「案内エリア」内における目的地物へのアクセス経路案内とを、直感的に把握しやすい形態で、斜め写真上に重ね合わせた重ね合わせ画像を作成することができる。
【0033】
図4上段に示す「処理ステップ」106〜109は、図7に示す「三次元形状読込/重ね合わせ表示」(ステップ106)、「フロア表示・決定」(ステップ107)、「案内対象表示・決定」(ステップ108)、「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109)に対応する。
【0034】
図4中段に示す「案内エリアのデータ構造」は、「案内エリア」の4階層構造を示す一例である。同図中段の左上部の最上階層「案内エリアA」から順に下方に向かって、第2階層「地上施設1〜3」、第3階層「フロア1〜4」、最下階層「区画A〜C」を示している。
【0035】
この「案内エリアのデータ構造」と、前記した「処理ステップ」との相互関係は、「案内エリアA」に関する処理はステップ106だけで処理され、また、「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」に関するそれぞれの処理は、ステップ107〜109により処理される関係である。
【0036】
同図中段の右端に示すように、「案内エリアA」は、「××センタ」、「地上施設1〜3」はそれぞれ、「駐車場」、「歩行者通路」、「○○ビル」である。また、「フロア1〜4」は、「□□階」(「フロア1〜4」はそれぞれ1階〜4階)であり、そして「区画A」は「△△商店」、「区画B」は「廊下」、「区画C」は「エレベータ」のように例示されている。
【0037】
図4下段に示す「データ種別」は、「案内情報」、「二次元形状」、「三次元形状」、「案内経路情報」の4種である。
【0038】
この「データ種別」と前記した「案内エリアのデータ構造」との相互関係は、次の通りである。即ち、「案内エリアA」は、「二次元形状」のデータとして「地上平面図」データを用い、また「三次元形状」のデータとして「全体外観/立体形状」データを用いる。また、「地上施設1〜3」は、「二次元形状」のデータとして「地上平面図」データを用い、「三次元形状」のデータとして「地上施設/立体形状」データを用い、「案内経路情報」のデータとして「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」と「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」とを用いる。
【0039】
さらに、「フロア1〜4」と「区画A〜C」とは、いずれも、「二次元形状」のデータとして「フロア平面図」データを用い、また「三次元形状」のデータとして「フロア立体形状/(二次元形状+フロア高さ)」データを用い、「案内経路情報」のデータとして「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データと「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データとを用いる。
【0040】
ここで、「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データと、「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データとについて、説明する。
【0041】
ノードとは、アクセス経路の端点、分岐点であり、分岐点には階段、エスカレータ、エレベータなどフロア(階)をつなぐ経路に分岐する分岐点も含まれる。各ノードにはノード番号(ノードID)が与えられ、各ノードには属性としてそのノードが存在するフロア「階数」、「座標」、移動属性、経由地情報がパラメータとして設定されている。
【0042】
一方、リンクとは、ノードとノードとを結ぶアクセス経路であり、各リンクの特徴を表すリンク種別、リンク長が関連付けられている。リンク種別はリンクの種類である「経路」、「エレベータ」、「エスカレータ」、「階段」などであり、また、リンク属性としてその通路の幅員、階段の段数、段差の有無、始終点の各ノード、歩行者経路や車輌経路等の「移動属性」、アクセス経路の「入口」「出口」名、「経由地情報」などを設定している。
【0043】
こうしたノードとリンクとを用いることによって、「入口」(出発位置、公共交通施設に接する建物の入口あるいは敷地の入口)と「出口」(目的地物位置)とが与えられれば、出発地のノードから、そのノードに接続されているリンクをたどり、コスト(長さや移動時間)が最も小さくなるリンクを接続していけば、目的位置までの最短のアクセス経路を探索し、アクセス経路を決定することができる。
【0044】
そして、ノード、リンクから構成されている地図データや、前記した「地上平面図」データ、「フロア平面図」データ、「全体外観/立体形状」データ、「地上施設/立体形状」データ、「フロア立体形状/(二次元形状+フロア高さ)」データにこのアクセス経路を重ねるなどして利用者端末2に送り、表示してナビゲーションすることができる。目的位置が出発位置と異なる階にあるときには、階数をパラメータとして持つノードを見つけ、探索することによって、複数の階層が存在する百貨店やスーパーマーケット、あるいは自走式の立体駐車場等において、出入り口等の出発位置から上層階あるいは下層階に存在する目的地物位置までのアクセス経路案内探索を可能とすることができる。
【0045】
次に、前記した「案内エリアのデータ構造」(図4中段)と、「データの種別」(図4下段)との相互関係を用いて、利用者端末2への情報提供の対象となる「案内対象施設」、即ち「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」の具体的な区分について説明する。
【0046】
(1)「案内対象施設」の区分
「案内対象施設」は、図2に示した<条件1>のように、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」の4つで区分する。これら「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」は、前記した「案内エリアA」、「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」に対応する。
【0047】
これらの表記例は、図2中例)に示したように、
「案内エリア:○○大学 ○○大学」
「地上施設:△△ビル ○○大学 △△ビル」
「フロア:1階101号室 ○○大学 △△ビル 1階101号室」
「区画:××研究室 ○○大学 △△ビル 1階101号室 ××研究室」
→案内情報:山田太郎 TEL123-456-7890
である。
【0048】
また、図3に示す<条件2>のように、これら「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」は、それぞれ、独自の案内情報をもつ。図3中例)に示すように、例えば、敷地内にある屋外の平面駐車場は、「地上施設」に分類され、この「地上施設」は、「第一駐車場」と表示される。またこの案内情報は、「料金 1時間250¥」である。
【0049】
(2)「三次元形状」のデータ
前記したように、「案内エリアA」の「三次元形状」のデータである「全体外観/立体形状」データ、「地上施設1〜3」の「三次元形状」のデータである「地上施設/立体形状」データはそれぞれ、前記斜め写真情報(斜め写真データ)上に重ね合わせる輪郭線のための「三次元形状」のデータとして、必須である(例えば図10(b))。「全体外観/立体形状」データは、「案内エリアA」の領域を決定するときに必須であり、また、「地上施設/立体形状」データは、「地上施設1〜3」をそれぞれ決定するときに必須であるから、これら「三次元形状」のデータを、データベースサーバ14の「三次元形状」メモリ14c(図7)に予め保持しておく必要がある。
【0050】
「フロア1〜4」及び「区画A〜C」の「三次元形状」のデータである「フロア立体形状/(二次元形状+フロア高さ)」データは、その「二次元形状」のデータである「フロア平面図」データ上に、各フロア床面と天井までの高さデータを順次加算して得られた結果に基づいている。勿論、「フロア1〜4」、「区画A〜C」個別に詳細な「フロア立体形状/(二次元形状+フロア高さ)」データを、データベースサーバ14の「三次元形状」メモリ14cに予め保持しておいてこれを用いても構わない。
【0051】
(3)「二次元形状」のデータ
「案内エリアA」及び「地上施設1〜3」の、各「二次元形状」のデータである「地上平面図」データは、二次元の地理座標として、データベースサーバ14の「フロア平面図(二次元形状)」メモリ14d(図7)に保持する。この「地上平面図」データ上で、「地上施設1〜3」を個別に決定可能とするために、これら地理座標を予めここに保持しておく必要がある。
【0052】
「フロア1〜4」及び「区画A〜C」の、各「二次元形状」のデータである「フロア平面図」データは、二次元の地理座標、あるいは計算処理によって地理座標に変換可能な建物内の平面座標として、これをデータベースサーバ14の「フロア平面図(二次元形状)」メモリ14d(図7)に保持する。この「フロア平面図」データ上で「区画A〜C」を個別に決定可能なように、このデータを予めここに保持しておく必要がある。
【0053】
(4)「案内情報」、「二次元形状」、「三次元形状」の各データ
「案内情報」のデータは、「案内エリアA」、「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」とそれぞれ関連付けされており、それぞれの「二次元形状」のデータ、「三次元形状」のデータを決定するために、「案内情報」のデータを読み出し可能な状態で、データベースサーバ14の「案内情報」メモリ14e(図7)にこれらを保持しておく必要がある。
【0054】
また、この「案内情報」のデータは、ポリゴン等の形状情報をもたずに、二次元の地理座標、三次元の地理座標と関連付けされる「案内点」データに用いることができる。この「案内点」データを用いる場合は、例えば、アクセス経路の最終目的地が店舗、事務所等であるときに、この店舗、事務所等の場所(又は敷地)に相当する位置に、このポリゴンを周囲より目立つ色で画面上に表示するが、データ整備の都合上、このようなポリゴン情報がない場合は、最終目的地の店舗、事務所等の座標(即ち、「点」=「案内点」)を最終目的地として画面上に表示するとき等である。
【0055】
(5)「案内経路情報」のデータ
「案内経路情報」のデータは、例えば、「○○大学構内」や「デパート内」等の「案内エリアA」の外にある公共交通施設から、「案内エリアA」内の店舗や事務所等に至るアクセス経路案内の出発点を「入口」とし、この「入口」から、「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」(+「案内点」)までの各アクセス経路に関する案データである。
【0056】
そして「案内エリアA」の「入口」から、目的地物の「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」(+「案内点」)のいずれかへ到達するためのアクセス経路は、前記したノード及びリンクに関係する「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データ、「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データ、地図データ等、関連するデータをリストアップし、これら各種のデータに基づいて予め設定されているアクセス経路を備えた<ネットワークによって管理される。
【0057】
このネットワークは、「案内エリアA」を構成している「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」(+「案内点」)内の各所にそれぞれ付されている各ノードに関するデータ(ノードID、ノードの属性情報(ノードが存在するフロア、「座標」、移動属性、経由地情報等)、及び、各リンクに関するデータ(「経路」、「エレベータ」、「エスカレータ」、「階段」等のリンクの種類、リンクの属性情報(通路の幅員、階段の段数、段差の有無、始終点の各ノード、歩行者経路や車輌経路等の「移動属性」、アクセス経路の「入口」「出口」名、「経由地情報」等)等に基づいて構築されている。
【0058】
「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データは、後述する移動手段による「入口」の種別や、「案内情報」のデータの付帯情報を保持することもできる。また、「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データは、移動手段の属性「移動属性」や、そのリンクがある「地上施設1〜3」、「フロア1〜4」、「区画A〜C」について、「案内経路情報」のデータを保持することができる。こうした)「案内経路情報」のデータは、データベースサーバ14の「案内経路情報」メモリ14f(図7)に保持される。
【0059】
(6)重ね合わせ処理
「二次元形状」のデータである「地上平面図」データ、「フロア平面図」データは、画像生成サーバ12の「処理ステップ」106〜109中、「フロア表示・決定」(ステップ107)、「案内対象表示・決定」(ステップ108)、「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109)における、「フロア平面図」、「地上平面図」表示フォームに用いるデータとして利用される。
【0060】
「地上平面図」データと「フロア平面図」データとから生成した、「フロア1〜4」及び「区画A〜C」に関する「フロア立体形状(二次元形状+フロア高さ)」データは、「三次元形状読込重ね合わせ表示」(ステップ106)と、「フロア表示・決定」(ステップ107)とにおいて、斜め写真データに重ね合わせる形状線となる。
【0061】
但し、「地上施設1〜3」については、例えば地形に起伏が少なく重ね合わせても違和感の少ない場合などに、「地上平面図」データを、「フロア立体形状」データの代替として斜め写真データ上に重ね合わせても構わない。
【0062】
「案内経路情報」のデータである「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データにおける「座標」は、「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109)で斜め写真上と平面図上とに、「案内経路」を重ね合わせるもとになる。
【0063】
全ての形状・点に関わる座標は、「案内エリアA」内での位置と、地理座標に変換可能な形態であれば、どのような形式でも構わない。
【0064】
さて、「案内エリア」のデータクラスは、図5最上部に示すように、必ず「三次元形状」のデータである「全体外観/立体形状」データを用いる。この他、「名称」データ、GIS等との相互リンクのための住所等の「地理座標」データ等を保持する。この「案内エリア」クラスは、0以上無限大(0‥*)の「地上施設」クラスと、0以上無限大の「案内点」クラスと、1以上無限大(1‥*)の「案内情報」クラスとから構成される。
【0065】
「地上施設」クラスは、必ず「三次元形状」のデータである「地上施設/立体形状」を保持する。この他、「名称」データ、「階層数」データ、建物や駐車場等の「機能」データ等を保持する。この「地上施設」クラスは、0以上無限大の「案内情報」クラスを合成する。また「地上施設」クラスは、1以上無限大の「フロア」クラスから構成される。
【0066】
「フロア」クラスは、必ず「二次元形状」のデータの「フロア平面図」データを保持する。この他、1階、地下2階等の「階層」データ、「高さ(床面)」データ、「高さ(天井)」データ等を保持する。この「フロア」クラスは、0以上無限大の「区画」クラスから構成される。
【0067】
「区画」クラスは、必ず「二次元形状」データの「フロア平面図」データを保持する。この他、「区画名」データ、「高さ(床面)」データ、「高さ(天井)」データ等を保持する。この「区画」クラスは、1以上無限大の「案内情報」クラスから構成される。
【0068】
「案内点」クラスは、必ず「三次元形状」データのいずれかのデータを保持する。「案内点」クラスは、1以上無限大の「案内情報」クラスから構成される。
【0069】
「案内情報」クラスは、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」、「案内点」の各クラスについての「案内情報」データ、即ち、「名称」、「用途」、「機能」、「電話番号」、「営業時間」の各データ等を保持する。
【0070】
「ノード」クラスは、歩行者経路、車輌経路等の「移動属性」データと、出入口名、案内窓口等を説明する「経由地情報」データと、アイコン情報、階層、「二次元点」データ等とを保持する。1つの「ノード」クラスは1つの「案内情報」クラスと関連をもつ。
【0071】
「リンク」クラスは、前記した「移動属性」データと、階段、エレベータ、エスカレータ、スロープ、歩道、駐車場等の移動手段の選択に関わる「経由地情報」データと、「アイコン情報」データ等を保持する。1つの「リンク」クラスは、2つ以上の「ノード」クラスと関連をもつ。但し、「リンク」クラス、「ノード」クラスは、「案内情報」データと関連のないデータも存在する。
【0072】
図6を用いて、地理情報検索サーバ13(図1)における「地物情報」データと、画像生成サーバ12における「案内情報」データとの関係について、説明する。
【0073】
地理情報検索サーバ13は、画像生成サーバ12が対象とする「案内情報」データを含む同一の目的地物を対象とした「地物情報」データを、GIS等から個別に検索するシステムである。また、画像生成サーバ12は、地理情報検索サーバ13で検索された「地物情報」データが所属する施設を、「案内エリア」を対象として、斜め写真上にこれを重ね合わせた画像を生成するサーバである。
【0074】
同一の目的地物に関する、地理情報検索サーバ13側からの「地物情報」データに対するアクセスと、画像生成サーバ12側からの「案内情報」データに対するアクセスとは、同図に示すように、それぞれアクセスの経路は異なるが、到達点には同一の目的地物である「地物情報」と「案内情報」とが存在するものとなる。
【0075】
次に、画像生成サーバ12の画像重ね合せ処理フローにつき、図7を用いて説明する。
【0076】
図1を用いて前述したように、利用者端末2がサービス提供センタ1に対して、目的地物へのアクセス経路案内を要求すると、サービス提供センタ1内のWebサーバ11は、通信ネットワークを介してこの要求を受付け、これに応じた制御部10の制御のもとに、地理情報検索サーバ13に対して、GIS等を用いてその要求に応じた目的地物情報とこの目的地物が属する建物や敷地を撮影した斜め写真データとに関する検索を行う旨の制御信号を出力すると共に、画像生成サーバ12に対して、この要求の有効性を確認する旨の制御信号を出力する。この結果、地理情報検索サーバ13によって検索して抽出された、目的地物情報と斜め写真データと斜め写真の撮影情報は、データベースサーバ14の「目的地物情報」メモリ(図示せず)、「写真」メモリ14a、「撮影情報」メモリ14bにそれぞれ記憶される。
【0077】
一方、画像生成サーバ12は、この要求の有効性を確認する。利用者端末2のユーザアカウントを、「アカウント」メモリ10aに保持してある多数のユーザアカウントと照合し、この照合ができると、利用者端末2に対して、施設の「住所」や、施設の外観写真の希望「撮影条件(「撮影範囲に対しての周辺とする距離」「道路に接する」「最も大きい」「周辺距離50m」)等、目的地物へのアクセス経路案内を斜め写真データ上に重ね合わせ表示するために必要な標定要素(図9)を決定するための条件入力を行う入力画面フォームに関する入力画面フォームデータを、「画像フォーム」メモリ10bから読み出して、Webサーバ11、通信ネットワークNWを経由して、送信する(「ユーザ判定/条件入力」(ステップ101))。
【0078】
次に、利用者端末2から、通信ネットワークNW、Webサーバ11を介して、この入力画面フォームを用いた、条件入力データが画像生成サーバ12に送信されてくると、これに応じて、画像生成サーバ12は、この条件入力データの内容を検知して、この目的地物に関する「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」それぞれについての選択状況を把握し、この選択状況を「条件」メモリ10cに記憶する(「条件」(ステップ102))。
【0079】
この後、目的地物の変更が生じた場合は、再度、前記した入力画面フォームを用いた条件入力が必要となる。
【0080】
次に、「案内エリア」全体を撮影した斜め写真(例えば図8に示す写真)に関する斜め写真データ及び撮影情報を「写真」メモリ14a、「撮影情報」メモリ14bからそれぞれ読み出して、読み出した斜め写真データに関する写真の枚数を判定する(「写真枚数判定」(ステップ103))。判定の結果、写真が1枚だけの場合は、この斜め写真データとこの撮影情報とを、「写真」メモリ14aと「撮影情報」メモリ14bとにそれぞれ記憶し直す(「写真読込/撮影情報読込」(ステップ105))。ここで「撮影情報」は、カメラの焦点距離、解像度、レンズディストーションといった内部標定要素と、撮影位置姿勢といった外部標定要素である(図9)。
【0081】
一方、読み出した斜め写真データに関する写真の枚数が複数の場合には、後述する重ね合わせ画像処理に最適な斜め写真データをその中から択一し、これを「案内エリア」の斜め写真データとして仮決定する(「処理用仮写真決定」(ステップ104))。そして、仮決定した斜め写真データと撮影情報とを、「写真」メモリ14aと「撮影情報」メモリ14bとにそれぞれ記憶し直す(「写真読込/撮影情報読込」(ステップ105))。
【0082】
次に、目的地物に関する「案内エリア」の「全体外観/立体形状」データ(図4)が予め記憶されている「三次元形状」メモリ14cから、この「全体外観/立体形状」データを読み出し、「撮影情報」メモリ14bから読み出す。読み出したこの「撮影情報」(図10(a))をもとに、この「全体外観/立体形状」データ(図10(b))の輪郭線に関する輪郭線データ(図10(c))を、「写真」メモリ14aから読み出した斜め写真データ(図10(d))上に重ね合わせることにより得た「重ね合わせ画像」データ(図10(e))を作成する。この後、この「重ね合わせ画像」データを「三次元形状」メモリ14cに記憶する(「三次元形状読込/重ね合わせ表示」(ステップ106))。
【0083】
この「重ね合わせ画像」データは、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」の全てに関係する敷地形状や建物輪郭のポリゴンデータである。「案内エリア」全体の輪郭線を斜め写真上に重ね合わせる際には、「フロア」同士の境界と「地上施設」同士の境界とが、明確に区別できるように、各フロア、各地上施設それぞれの色合いを調整する。但し、平屋(1階だけ)の「地上施設」の場合には、「フロア」表示をせずに、「地上施設」の三次元形状のデータ(「地上施設/立体形状」データ)を表示すればよい。
【0084】
次に、目的地物として「フロア」が決まっている場合は、「案内エリア」全体の輪郭線中、「地上施設」の輪郭線内の、この「フロア」を強調すると共に、このフロアを矢印で示した表示画面(図11(a))に関するデータを「三次元形状」メモリ14cに記憶する。
【0085】
また、強調したこの「フロア」の横に、該当施設の部位を隠さないように、「フロア平面図」のフォームを並べて表示した表示画面する場合(図12)には、この「フロア平面図」に関するデータを予め記憶してある「フロア平面図(二次元形状)メモリ14dからこれを読み出して、前記した「フロア」を強調してある表示画面と画像合成して表示することができる。こうして画像合成された表示画面は、「三次元形状」メモリ14cに記憶される。
【0086】
また、目的地物として野外の「地上施設」が決まっている場合には、「案内エリア」全体の輪郭線中、「地上施設」の輪郭線の内、野外の「地上施設」を強調すると共に、輪郭線を強調したこの「地上施設」を矢印で示した表示画面(図11(b))に関するデータを「三次元形状」メモリ14cに記憶する。また、輪郭を強調したこの「地上施設」の横に、該当施設の部位を隠さないように、「地上平面図」のフォームを並べて表示した表示画面する場合(図13)には、この「地上平面図」に関するデータを予め記憶してある「フロア平面図(二次元形状)メモリ14dからこれを読み出して、前記した「地上施設」を強調してある表示画面と画像合成して表示することができる。こうして画像合成された表示画面は、「三次元形状」メモリ14cに記憶される。を表示する(図13)。 (「フロア表示・決定」(ステップ107))。
【0087】
一方、「フロア」が未定の場合には、利用者端末2のポインティングデバイスの操作によって、画面表示されている「全体外観/立体形状」データ(図10(b))の輪郭線によって各フロア毎に区切られている各「フロア」上に、カーソルを重ねて指定した「フロア」について、「フロア平面図」が表示される(図12)。
【0088】
そして、利用者端末2による条件入力、あるいは、「フロア平面図」のフォームにポインティングデバイスのカーソルを移動してさらに重ねることにより、対象の「フロア」を決定する。決定された「フロア」に関するデータは、「案内情報」メモリ14eに記憶される。
【0089】
また、利用者端末2のポインティングデバイスの操作によって、画面表示されている野外の「地上施設」上に、カーソルを重ねて指定した野外の「地上施設」について、「地上平面図」が表示される(図13)。そして、利用者端末2による条件入力、あるいは、「地上平面図」にポインティングデバイスのカーソルを移動してさらに重ねることにより、対象の野外の「地上施設」を決定する。決定された野外の「地上施設」に関するデータは、「案内情報」メモリ14eに記憶される。
【0090】
さらに、「区画」が決定されている場合には、「フロア平面図」内に、この「区画」の位置が強調して表示される(図12)。この「区画」に関するデータは、「案内情報」メモリ14eに記憶される(「案内対象表示・決定」(ステップ108))。
【0091】
次に、「区画」が決定すると、公共交通施設に接している「案内エリア」の「入口」から、「地上施設」、「フロア」を順に経由してこの「区画」に至るアクセス経路を、「案内経路情報」メモリ14fから読み出す。「案内経路情報」メモリ14fには、「案内エリア」の「入口」と、最終目的地である出口となるこの「区画」とが決定されると、この「入口」−「出口」間のアクセス経路は、上記したネットワークにより自動的に設定される。このアクセス経路に関係するネットワークネットワークが、「案内経路情報」メモリ14fに前もって記憶されている(「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109))。
【0092】
そして、こ「案内経路情報」メモリ14fから読み出したこのアクセス経路は、この「区画」がある「地上施設」について、「地上施設」への入口がある「フロア平面図」(例えば1階)と、この「区画」があるフロア平面図フォーム(例えば4階)とが重ならないように表示される(図18)。
【0093】
次に、上記した重ね合わせ処理に用いられている斜め写真データに関する写真の種別を判定する(「写真種別判定」(ステップ110))。そして、斜め写真が処理用仮写真と判定された場合は、更に、判定された処理用仮写真が最適な写真であるかを判定し、最適なものでないと判定されたときは「写真読込/撮影情報読込」(ステップ105)に戻り、新たな斜め写真データを読み込む。一方、最適であると判定されたときにはその写真を従前どおり採用し続け、次のステップ(「提供部」(ステップ112)へ移行する(「最適写真決定」(ステップ111))一方、「写真種別判定」(ステップ110)にて、斜め写真が1枚だけの写真又は案内用写真と判定された場合は、直ちに次のステップ(「提供部」(ステップ112)へ移行する。
【0094】
前記したように、「最適写真決定」(ステップ111)にて、最適なものでないと判定されたときは「写真読込/撮影情報読込」(ステップ105)に戻り、新たな斜め写真データを読み込む。具体的には、目的地物に関する「案内エリア」の「入口」と目的地物位置に関する「区画」間に亘るネットワークについて、「経路表示判読性」が加味された複数の斜め写真間で比較し、ネットワークの表示に適した写真を判定する。最適な斜め写真が現在処理を実行してきた写真以外の場合は、利用者端末2に写真変更のメッセージを送信し、これをユーザが承諾した場合は、再び、「三次元形状読込/重ね合わせ表示」(ステップ106)を実行し、一方、許可しない場合は「提供部」(ステップ112)へ移行する。
【0095】
「案内エリア」内のネットワークについて、案内開始地点(「入口」)から案内終了地点(「区画」)への案内経路が決定し、かつ対象となる「案内エリア」を撮影した写真が複数存在する場合は、決定された案内経路を所定の判定基準に従って見易い斜め写真を自動的に判定する。
【0096】
次に、「提供部」(ステップ112)は、前記した処理ステップ106〜ステップ109により作成された、斜め写真上にアクセス経路等が重ね合わされた重ね合わせ画像を、利用者端末2側の携帯端末で表示できるように、Webサーバ11へ送信する。携帯端末では画面の解像度に合わせて表示サイズを変更して、この重ね合わせ画像を表示する。
【0097】
こうして、上記した一連の重ね合わせ画像処理が終了することによって、画像生成サーバ12は、目的地物が入っている建物全体あるいは敷地全体を撮影した斜め写真上に、公共交通施設に接した建物入口あるいは敷地入口から、目的地物位置までの「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」をそれぞれ経由したアクセス経路を表示した重ね合わせ画像を生成することができる。
【0098】
この結果画像生成サーバ12からWebサーバ11へ出力する重ね合わせ画像データは、制御部10の制御のもとに、Webサーバ11、通信ネットワークを介して、上記したアクセス経路案内の要求を出した利用者端末2ヘ送出され、ここでこの重ね合わせ画像データを用いたアクセス経路案内を画像表示することによって、目的地物までのアクセス経路案内サービスを提供することができる。
【0099】
図8は案内エリアの外観写真を示す図、図9は撮影情報に関する標定要素を説明する図、図10は写真上に輪郭線を重ね合わせ表示する過程を説明する図である。
【0100】
前記した「撮影情報」メモリ14bに記憶した「標定要素」(図10(a))を用いて、データベースサーバ14から読み出した「案内エリア」の「全体外観/立体形状」データ(図10(b))を、射影変換して、射影変換された輪郭線(図10(c))を得る。そして、この輪郭線を、「写真」メモリ14aから読み出した斜め写真(図10(d))上に重ね合せ表示することにより、重ね合わせ表示画像(図10(e))を得ることができる。
【0101】
図11はカーソルによる三次元形状データのポリゴン選択例を示す図であり、同図(a)はフロアを選択した例、同図(b)は野外の地上施設を選択した例である。
【0102】
図12は輪郭を強調したフロアとフロア平面図とを併記した図、図13は輪郭を強調した野外の地上施設と野外の地上施設平面図とを併記した図である。
【0103】
図14はフロア平面図の回転角の計算例を示す図である。同図(a)に示すように、案内対象施設を撮影した「写真」に関する「標定要素」の撮影位置と、対象施設の地理座標とを結ぶ直線から「撮影方位」を計算し、次に、同図(b)に示すように、「フロア平面図」の垂直方向(縦軸)の方位と、「撮影方位」との角度差から「フロア平面図回転角」を求め、そして、同図(c)に示すように、「フロア平面図」のフォームに表示される平面図の鉛直方向の方位と、写真上の対象施設付近の鉛直方向の方位が近くなるように「フロア平面図」を回転することにより、「フロア平面図」の回転角を得ることができる。
【0104】
この「フロア平面図」の回転については、事前に情報提供システムAで選択し得る既定回転角を幾つか設定し、前記「フロア平面図回転角」が近似する既定回転角によって、フロア平面図を回転する方法もある。例えば、同図(b)に示すように、北方向を0°として、東西南北の4方向に応じた既定回転角を、それぞれ(-90°,90°,180°,0°)と設定し、撮影方位角が80°であったならば、最も近い西方向の90°によってフロア平面図を回転することによって、回転した平面図を得ることができる。
【0105】
図15はフロア平面図を撮影俯角に応じて射影変換した例を示す図、図16は区画の案内表示例を示す図である。
【0106】
図15に示すように、「フロア平面図」を、「案内対象施設」を俯瞰する角度と同じ角度で射影変換し、斜め写真と同じ俯瞰角度から見たような平面図を表示する方法である。この俯瞰角度については、情報提供システムAに事前に取り決めた固定値を用いても良い。
【0107】
また、図16に示すように、4階の「フロア」内にある「区画」を強調しており、また、斜め写真上の4階「フロア」の横に、該当「区画」の部位を隠さないように、「フロア平面図」のフォームを表示してある。斜線で強調された「区画」の横に、該当区画の部位を隠さないように、案内情報表示フォーム(例えば「○○ビル 4F/△△店/営業時間9:00〜18:00/TEL123-456-7890/FAX123-456-7890」)を、「写真」メモリ14aから読み出した斜め写真の上に重ね合わせ、この重ね合わせ画像を「案内情報」メモリ14eへ記憶する。
【0108】
図17は地上施設の案内情報の表示例を示す図である。「区画」以外でも、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」について関連する各案内情報を写真上に表示することも可能である。例えば、「地上施設」に「案内情報」を写真上に表示する場合は、××駐車場/営業時間9:00〜18:00/TEL123-456-7890/FAX123-456-7890の、案内情報を画像表示する。
【0109】
図18は地上施設のみの案内経路の表示例を示す図である。同図に示すように、平面図フォームは、「地上施設」内の立体的な位置関係と同じ順番で並べられる。例えば、1(階)Fが「案内エリア」の「入口」フロアで、4Fが案内対象施設の目標フロアの場合は、4Fのフロア平面図を同図右上へ、また1Fのフロア平面図をその下方に配置するようにする。
【0110】
探索されたアクセス経路について、「地上施設」内のアクセス経路は、表示されている「地上平面図」のフォーム上にネットワークとして表示される。写真上で観察可能な「案内エリア」上のアクセス経路については、「撮影情報」メモリ14bに保持されている、標定要素によって写真上に重ね合わせた画像を、提供部112に送信し、通信ネットワークNWを介して、利用者端末2のディスプレイ上に表示する。
【0111】
図19は案内エリアの平面図と地上施設内のフロア平面図とを示す図である。同図に示すように、地上から1Fを経由して直接、4Fに移動する経路を示している。ここでは、「地上施設」の「地上平面図上」のネットワーク、1F「フロア平面図」上のネットワーク、4F「フロア平面図」上のネットワーク、そして1F−4Fフロア間のネットワークがある。1F−4Fのフロア間の移動手段については、1F,4Fの各「フロア平面図」上のネットワークの色と区別し視覚的に判断できる形態とする。各ネットワーク上には移動手段についてのアイコンと付帯情報とが表示される。この付帯情報は、例えば、エレベータを経由するネットワークである場合は、その乗降階をテキストによって併記することなどが考えられる。
【0112】
1F−4Fのフロア間の移動について、入口フロア1Fと目標フロア4F以外で、フロア内の平面方向の移動が必要な場合は、該当フロアの「フロア平面図」のフォームを、既に表示されている「フロア平面図」のフォームの間に表示し、アクセス経路を表示する。例えば、高層ビルで途中エレベータの乗換えが必要な場合などが考えられる。
【0113】
また、「フロア平面図」を表示しないで、斜め写真上にアクセス経路を重ね合わせて表示する手法もある。まず、三次元形状の目標フロアのポリゴンを着色することによって強調し、該当「フロア」の目標「区画」のポリゴンの「地上施設」に対する相対座標から、撮影情報の標定情報を用いて写真上に射影変換し、重ね合わせ表示を行う。このときに、「フロア平面図」を射影変換して重ね合わせる方法もある。同様に、ネットワークについても射影変換し重ね合わせ表示を行う。
【0114】
図20はフロア平面図を表示しないで写真に案内経路を重ね合わせ表示する例を示す図である。同図に示すように、地上から1Fを経由して直接4Fに移動する経路を示している。
【0115】
ここでは、「地上施設」の「地上平面図」上のネットワーク、1F「フロア平面図」上のネットワーク、4F「フロア平面図」上のネットワーク、1F−4Fを直結するネットワークがある。各ネットワーク上には移動手段についてのアイコンと付帯情報とが表示される。この付帯情報は、例えば、エレベータを経由するネットワークである場合は、その乗降階をテキストによって併記することなどが考えられる。
【0116】
図21は経路表示判読性の判定方法を示す図である。
【0117】
同図(a)〜(d)に示すTYPE1〜TYPE4のように、経路表示判読性の判定方法は、以下の4条件1〜条件4に従う。条件の優先順位は、条件1>条件2>条件3>条件4である。
【0118】
条件1:始終点(出入口)START,ENDが近接せずに表示されている、奥行きが長い写真を採用する。TYPE2とTYPE4とを比較した場合に、TYPE2の方が出入口が近接していないので、同一視野内で出入口が明瞭に分離把握でき、見やすい。
【0119】
条件2:写真上で経路の始点と終点の距離が最も離れている写真を採用する。TYPE 1とTYPE 2とTYPE3とを比較した場合に、TYPE1のように、左右の幅、高さ、奥行の全てが、バランス良く表現されている写真ほど、経路が明瞭に把握でき、見やすい。
【0120】
条件3:写真上で経路の総延長距離が最も長い写真を採用する。TYPE 1とTYPE 2とTYPE3を比較した場合に、TYPE1のように、幅、高さ、奥行の全てに、経路が各面内で表現されている写真ほど、見やすい。
【0121】
条件4:写真上で始点が手前に表示され、終点が後方に表示されている写真を採用する。TYPE4は、始終点が共に手前にあって、両者が近接しているために、見にくい。
【0122】
ここで、上記した、「写真」、「撮影情報」、「三次元形状」、「フロア平面図(二次元形状)」、「案内情報」、「案内毛色情報」の各メモリ14a〜14fについて、説明する。
【0123】
前記した「写真」メモリ14aには、「案内エリア」全体の外観が撮影された写真、同一施設を多方面から撮影した写真、対象施設について、1枚しか存在しない写真が記憶される。
【0124】
前記した「撮影情報」メモリ14bには、撮影された写真毎の撮影情報が記憶されており、カメラの焦点距離f、画像解像度、投影面サイズ、レンズディストーションといった内部標定要素と、カメラの撮影位置Pの三次元空間内での地理座標情報(X,Y,Z)と、そのX軸、Y軸、Z軸に対する回転角による姿勢情報(ω,φ,κ)からなる外部標定要素を最低限記憶してある。
【0125】
内部標定要素と外部標定要素は、「三次元形状読込/重ね合わせ表示」(ステップ106)の写真と、対象施設の三次元形状の輪郭線の重ね合わせ表示と、「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109)の建物内のネットワーク検索の結果の、建物外の「地上施設」上のアクセス経路と斜め写真の重ね合わせ表示と、「最適写真決定」(ステップ111)の複数写真がある場合の「経路表示判読性」に使用する。
【0126】
前記「三次元形状」メモリ14cは、ある「案内エリア」について、「案内エリア」全体の形状ポリゴンデータと、その敷地内に存在する「地上施設」毎のポリゴンデータと、「フロア」毎のポリゴンデータと「区画」毎のポリゴンデータとによって構成され、その座標は3次元の地理座標とする。ただし、「フロア」、「区画」の形状ポリゴンは、平面図に用いる二次元形状にフロアの高さをかけ合せて生成した簡易的なデータを用いる。
【0127】
図22は三次元形状データの例を示す図である。同図は、図4に示したように、「案内エリアA」、「地上施設1〜3」、「フロア1〜4(6)」、最下階層「区画A」を示している。
【0128】
前記「フロア平面図(二次元形状)」メモリ14dは、「案内エリア」内の「地上施設」の各「フロア」について、「区画」ごとに区分された二次元ポリゴンデータで構成される。ポリゴンデータの座標は地理座標か、もしくは実スケールの相対座標とし、相対座標である場合は、その平面図の垂直方向もしくは水平方向の指し示す実空間での方位について保持している必要がある。
【0129】
図23はフロア平面図の例を示す図である。前記した図12に示した「フロア平面図」に類似している。図24は案内エリア内の地上平面図である。同図に示すように、前記した「フロア平面図」は、「地上施設」内部に限らずに、「案内エリア」内の「地上施設」の機能ごとの領域をポリゴンデータとした平面図を加えることも出来る。
【0130】
前記「案内情報」メモリ14eは、最終的にサービス提供センタ1が利用者端末2に提供する情報について記憶し、その情報が説明する「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」との対応付けがなされている必要がある。また「地上施設」、「フロア」、「区画」についての案内情報は、ネットワークのノード点と必ず対応している必要がある。例えば、「地上施設」であれば出入口、「フロア」であれば階段室への出入口やエレベータの昇降口等との対応付けが必要である。
【0131】
「案内情報」メモリ14eに記憶する情報は、例えば、店舗名(または法人名、個人名)、使用用途(店舗、オフィス、住宅等)、営業時間、電話番号、紹介用写真とのリンク情報などの情報を任意に設定する。
【0132】
前記した「案内経路情報」メモリ14fは、次の「案内経路情報」データを記憶する。「案内経路情報」データは、「案内エリア」内のアクセス経路を「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データ及び「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データとによって構成する、経由地情報である「ネットワーク」と、この「ネットワーク」について前記「案内情報」メモリ14e以外の案内情報を説明する「経由地情報」と、途中経路の移動手段を説明する「移動属性情報」と、「移動属性情報」を視覚的に説明する「アイコン情報」とによって構成される。
【0133】
このネットワークは、案内対象施設の「三次元形状」に対する相対位置、「フロア平面図」もしくは「地上平面図」に対する相対位置を記憶し、さらに、「ノード情報(座標、移動属性、経由地情報)」データ、「リンク情報(始終点のノード、移動属性、経由地情報)」データそれぞれの「移動属性情報」「アイコン情報」との関連付けについて記憶する。
【0134】
「移動属性情報」は、少なくとも歩行者と自動車についての移動手段を記憶している必要があり、可能であれば、自動二輪や自転車、車椅子など、その利用する移動手段によって経路が変わる可能性のある分類を網羅していることが望ましい。「移動属性情報」は、ネットワークの移動手段別によるルートの検索に使用する。
【0135】
「経由地情報」は、例えば、ノードについては、歩行者用出入口や駐車場出入口、案内窓口、受付窓口等の通過点として必要な地点を説明する情報や、リンクでは、その区間が駐車場、車両経路、階段、エレベータ、エスカレータ、スロープ等の移動手段の選択に関わる経路を説明する情報を持つ。また、それぞれの利用時間や、利用料金などの付帯情報も併せ持つ。
【0136】
さて、上記した「案内経路読込/案内経路決定・表示」(ステップ109)(図7)における案内経路決定のためのネットワーク検索方法について、説明する。
【0137】
図25はネットワーク検索の処理フローを示す図である。この処理フローは、ステップ301〜ステップ313を有している。
【0138】
まず、「案内対象表示・決定」(ステップ108)の処理後、案内対象となる「案内エリア」のネットワークを、「案内経路情報」メモリ14fの「ネットワーク」メモリ14f1(いずれも図7)から読み出す(「ネットワーク抽出」(ステップ301))。
【0139】
次に、この「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」のいずれかの案内対象施設に関連付けされている入口ノードを、このネットワークから抽出し、抽出した入口ノードを、「案内終了点」のノードとする(「案内終了ノードの決定(案内対象地物)」(ステップ302))。
【0140】
次に、対象となる「案内エリア」へ外部から訪れる入口ノードを全てネットワークより抽出し、抽出した入口ノードを、「案内開始点」のノードとする(「案内エリア入口ノードの抽出」(ステップ303))。
【0141】
次に、「案内経路情報」メモリ14f内の「移動属性情報」メモリ14f2から読み出した入口ノードの「移動属性」情報を調べ、リストを作成する。利用者端末2にこのリストから入口ノードを選択するフォームを表示して、利用者に、「移動属性」情報を選択させる(「入口ノード移動属性選択」(ステップ304)。
【0142】
図26は、「案内エリア」へアクセスするアクセス手段の選択画面フォームの例を示す図である。同図に示すように、徒歩、自転車、全て、の中からひとつ、「案内エリア」へのアクセス手段を選択するフォームである。
【0143】
次に、「入口ノード移動属性選択」(ステップ304)で選択した「移動属性」情報をもつ入口ノードを抽出し、その入口ノードの、、「案内経路情報」メモリ14fの「経由地情報」メモリ14f3から読み出した「経由地情報」に記載されている入口名のリストを作成する。利用者端末2にこのリストから入口名を選択するフォームを表示して、利用者に、「経由地情報」を選択させる(「経由地情報の抽出」(ステップ305))。
【0144】
図27は「案内エリア」入口の選択例を示す図である。同図に示すように、西口、東口、全て、の中からひとつ、「案内エリア」入口を選択するフォームである。
【0145】
次に、利用者によって選択された入口ノードを、「案内開始点」のノードとする(「案内開始ノード決定」(ステップ306))。
【0146】
次に、前記した「案内終了点」と、利用者が指定した「案内開始点」とを結ぶ最短経路を、ネットワークから検索する。
【0147】
この最短経路の検索は、この「案内開始点」と「案内終了点」との各「移動属性」情報が同じ場合は、その「移動属性」情報に沿った最短経路を検索し、一方、両者の「移動属性」情報が異なる場合は、移動手段の変更が可能なノードを経由した最短経路とする。例えば、「案内終了点」のノードが車輛の移動属性であり、「案内開始点」のノードが徒歩である場合は、車から徒歩へ移動属性の変換が可能なノードを経由地として探す。その他、受付窓口など、施設ごとに必ず通過が必要なノードがある場合は、必ずそこを通過する経路を検索する。
【0148】
「移動手段指定の確認」(ステップ308)で移動手段を追加指定されている場合は、その追加された移動手段の条件に合致した案内経路を検索する。(「案内経路探索」(ステップ307))。
【0149】
次に、利用者端末2に利用者が特に注意すべき移動手段の有無の確認フォームを表示する。「ある」を選択した場合は、その「案内エリア」内でとることが可能な移動手段を「移動属性」情報から選択し、リストを作成して利用者端末2にリストを選択するフォームを表示し利用者に選択させる(「移動属性選択」(ステップ314))。「ない」場合は、そのまま次のステップ309へ移行する(「移動手段指定の確認」(ステップ308))。
【0150】
例えば、車椅子利用者が、案内経路上に車椅子で通行できない箇所が無いようにルートを検索したい場合などに、移動手段として「車椅子」を選択し、アクセス経路を指定することなどが考えられる。
【0151】
図28は案内エリア入口の選択例を示す図である。
【0152】
次に、「移動手段指定の確認」(ステップ308)を経て決定されたアクセス経路の「ネットワーク情報」を記憶する(「案内経路の決定」(ステップ309))。
【0153】
次に、「案内経路の決定」(ステップ309)で記憶された「ネットワーク情報」について、例えば、駐車場からビル内への入口等の、移動属性が変更するノードの経由地情報と、受付窓口や料金所などの、案内エリア内で通過が事前に決められているノード・リンクの経由地情報と、敷地や建物への入口や建物内で階が変わる場所など、「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」の施設内の区分属性が変更する地点の経由地情報を記憶する(「経由地情報抽出」(ステップ310))。
【0154】
次に、「経由地情報抽出」(ステップ310)で抽出された経由地情報に関連し、「案内経路情報」メモリ14f内の「アイコン情報」メモリ14f4から読み出した「アイコン情報」と、アクセス経路上の移動手段に関連付けられた「アイコン情報」とを記憶する(「アイコン読込」(ステップ311))。
【0155】
次に、「案内経路の決定」(ステップ309)でメモリに記憶されたアクセス経路「ネットワーク情報」の三次元座標から、「撮影情報」の標定情報を用いて写真座標に座標変換し、ネットワークの経路を写真表示フォーム上に重ね合わせる。
【0156】
「案内経路の決定」(ステップ309)でメモリに記憶されたアクセス経路「ネットワーク情報」の二次元座標から、表示されている「フロア平面図」もしくは「地上平面図」の画像座標に座標変換し、ネットワークから得たアクセス経路を平面図フォーム上に重ね合わせる。
【0157】
また、「アイコン読込」(ステップ311)で読み込まれた「アイコン情報」のアイコンを、上記と同様にして、アクセス経路上の該当位置に表示する(「経路重ね合わせ処理」(ステップ312))。
【0158】
次に、前記した図18〜図20中にそれぞれ示してある表示パターンにて、フロア上のネットワークを写真上又はフロア平面図上に表示するか、あるいは、地上平面上のネットワークを写真上又は地上平面図上に表示するかについて、利用者端末2で選択し、それに対応した「経路重ね合わせ処理」(ステップ312)の組合せにより実施する(「利用者端末へ表示」(ステップ313))。
【0159】
さて、前記した「アイコン読込」(ステップ311)のアクセス経路に表示するアイコンについて、説明する。
【0160】
ネットワークから抽出されたアクセス経路上に、「移動属性情報」「経由地情報」を視覚的に利用者にわかりやすく説明するためにアイコンを表示する。
【0161】
図29は移動属性情報によるリンクアイコンの例を示す図、図30は経由地情報によるリンクアイコンの例を示す図、図31は移動属性情報によるノードアイコンの例を示す図、図32は経由地情報によるノードアイコンの例を示す図、図33は補助アイコンの組合せ例を示す図である。
【0162】
ここで用いるアイコンは、リンクの「移動属性情報」、「経由地情報」を説明するリンクアイコン(図29,図30)と、ノードの「移動属性情報」、「経由地情報」を説明するノードアイコン(図31,図32)と、この二つのアイコンの属性情報を補助的に説明する補助アイコン(図33)の三種類がある。
【0163】
図29は、自動車専用道、自動二輪車専用道、自転車専用道、車椅子用通路、歩行者用通路である「移動属性情報」によるリンクアイコンの例を示す図、図30は、階段、エスカレータ、エレベータ、自動車駐車場、バイク駐輪場、自転車駐輪場である「経由地情報」によるリンクアイコンの例を示す図、図31は、自動車用出入口、自動二輪用出入口、自転車用出入口、車椅子用出入口、歩行者用出入口であるリンク属性の「移動属性情報」によるノードアイコンの例を示す図、図32は受付窓口、目的地であるリンク属性の「経由地情報」によるノードアイコンの例を示す図、図33は、アイコンが「自動車出入口」(この付帯情報が(経路探索結果)「入口」又は「出口」)、アイコンが「エレベータ」(この付帯情報が(経路探索結果)「4階まで行く」)、アイコンが「駐車場」(この付帯情報が(経由地情報)「営業時間 10:00〜18:00」)、アイコンが「駐車場」(この付帯情報が(経由地情報)「料金1時間250円」)である補助アイコンの組合せ例を示す図である。
【0164】
リンクアイコンは、主に経路の移動手段を説明するために用い、ノードアイコンは、主に出入口や目的地などの、重要な経由地であることを説明するために用いる。
【0165】
リンクアイコンとノードアイコンとは、形状による差異をつけ、一見して区別が付くようにする。例えば、リンクアイコンは四角形、ノードアイコンは丸型などといった区別の方法がある。リンクアイコンとノードアイコンには、移動手段・機能・目的地・経由地を示す記号もしくは文字列を表示する。例えば、移動手段であれば、自動車、自転車、車椅子、徒歩など、機能であれば、駐車場、駐輪場など、経由地であれば、受付、チケットカウンターなどを示す記号や文字列が考えられる。
【0166】
またここで、階段、エスカレータは徒歩のみの移動属性、エレベータは徒歩も車椅子も可能といったように、一見、移動属性として扱えそうではあるが、実際の移動手段の選択の際に異なった移動属性をもつので、経由地属性とした。
【0167】
補助アイコンは、リンクアイコンやノードアイコンでの「移動属性情報」「経由地情報」について説明しきれない情報や、アクセス経路探索結果での道順をわかりやすく説明するためのアイコンであり、リンク・ノードアイコンに接した位置に表示する。例えば、駐車場の利用時間と料金といった経由地情報や、アクセス経路でのエレベータの行き先階、経路順によって変わる出入口の入口と出口の違いなどのアクセス経路探索結果など、記号だけでは説明できない情報を説明するのに利用する。
【0168】
また、文字列ではない記号・シンボルマークのアイコンの意味を、補助アイコンで文字列により表示し、利用者側の理解力を高める方法もある。例えば、歩行者通路用のアイコンに対して「歩行者用通路」と直接、文字情報でアイコンの意味を伝える方法がある。
【0169】
リンクアイコンとノードアイコンはそれぞれ単独で表示することはあるが、補助アイコンは、前記二つのアイコンを補助するものであり単独で表示されることはない。
【0170】
「移動属性情報」、「経由地情報」のそれぞれの属性情報について、その情報で表示するアイコンと補助アイコンの関連付けは、事前にデータベースサーバ14に記憶しておく必要がある。アクセス経路探索結果によって変わる補助アイコンの内容のみ、自動で生成する必要がある。
【0171】
図34は移動属性によるアイコン、経由地属性によるアイコンの各例を示す図である。
【0172】
リンクアイコンの表示位置は、同一の「移動属性情報」「経由地情報」をもつ連結したリンクの積算距離の中間地点に該当する画素座標に表示し、同じ意味のアイコンの重複表示を防ぐ。
【0173】
中間地点を求めるには、「案内開始点」のリンクから、順次隣接するリンクの属性を比較し、同じ属性のリンクならば距離を積算し、属性つまりアイコンが変わった段階で、それまでの距離の中間地点にリンクアイコンを表示する。
【0174】
表示の際に、例えば、エレベータであれば開始ノードのフロア数と終了ノードのフロア数を用いて、乗り降りする階に関する補助アイコンを追加表示したり、駐車場であれば、その利用料金についての補助アイコンを表示したりできる。
【0175】
図35は補助アイコンの表示例を示す図である。但し、補助アイコンに表示する内容は、図35に示すように、特定の移動属性あるいは経由地情報ごとに、事前に表示ルールを作成しシステムに記憶しておく必要がある。
【0176】
また、既に表示されているアイコンと画面上の描画位置が重なってしまう場合は、重なっているアイコン同士の優先度を比較し、優先度の低い方を削除もしくは、優先度の高い方を上書きする。優先度が同じ場合はアイコンの位置を再配置する。
【0177】
優先度については、システムに事前に優先すべきアイコンの順位を登録し、それを参照する。例えば、フロアの移動を伴う階段やエスカレータのアイコンの優先順位を高くし、歩行者通路など、一般的な情報については優先度を低くする方法が考えられる。
【0178】
図36は補助アイコンの表示例を示す図である。表示するアイコンは、同図(a)に示すように、まず「案内開始地点」ノードに「移動属性情報」のアイコンと「入口」の意味をもつ補助アイコンを組み合わせたアイコンを表示する。次に、同図(b)に示すように、「案内終了地点」ノードに、目的地を示すアイコンを表示する。
【0179】
その他、経由地として事前にアイコン表示を実施するように登録されているノードについては、そのノードに関連付けられているアイコンと、事前に補助アイコンも関連付けられている場合はその補助アイコンも含めて表示する。
【0180】
ノードアイコンは、リンクアイコンよりも優先し、リンクアイコンと重なった場合は、重なったリンクアイコンを削除、もしくはそのリンクアイコンの上に上書きする。
【0181】
図37は利用者端末への重ね合わせ表示手順を示す図である。
【0182】
次に、アクセス経路探索結果のネットワーク表示手順について、図37を用いて、利用者端末2上に表示されている写真あるいは平面図に、経路探索結果を重ね合わせて表示する、前記した「経路重ね合わせ処理」(ステップ312)、「利用者端末へ表示」(ステップ313)の処理フローを、更に説明する。
【0183】
「経路重ね合わせ処理」(ステップ312)は、ステップ401〜ステップ405を含み、また、「利用者端末へ表示」(ステップ313)は、ステップ407に相当する。ステップ406はステップ405とステップ407とを接続するステップである。
【0184】
まず、前記した「アイコン読込」(ステップ311)の終了後、決定されたアクセス経路の「ネットワーク情報」、「移動属性情報」、「経由地情報」、「アイコン情報」を、「案内経路情報」メモリ14fから読み出す(「案内経路ネットワーク読込」(ステップ401))。
【0185】
次に、読み出したアクセス経路のノードの持つ座標数値を、現在表示している写真上の画素座標、前記「フロア表示・決定」(ステップ107)で表示した平面図の画素座標へ、それぞれ座標変換し、「案内経路情報」メモリ14fに記憶する(「重ね合わせ画像座標へのノード座標の座標変換」(ステップ402))。
【0186】
次に、読み込まれたアクセス経路のリンクをラインとして変換された画素座標に描画する。同じくノードについても点(丸型、多角形)として描画する。
【0187】
ライン描画の際に、リンクが関連付けられている「案内エリア」、「地上施設」、「フロア」、「区画」の区分に従って、線種と色を変更できる。例えば、野外のネットワークか屋内のネットワークかを、「案内エリア」、「地上施設」の区分と、「フロア」、「区画」の区分との二つの区分によって別けて視覚的にわかりやすくすることが出来る。また、フロア間の移動については、点線で描画するなどの方法がある(「案内経路のライン/点の描画」(ステップ403))。
【0188】
次に、読み込まれたアクセス経路のリンクの「移動属性情報」、「経由地情報」に基づいて関連付けされている「アイコン情報」に格納されたアイコンマークを、「案内経路のライン/点の描画」(ステップ403)のライン上に描画する(「案内経路のリンクアイコン描画」(ステップ404)、
次に、読み込まれたアクセス経路のノードの「移動属性情報」、「経由地情報」に基づいて関連付けされている「アイコン情報」に格納されたアイコンマークを、「案内経路のライン/点の描画」(ステップ403)のノードの点上に描画する(「案内経路のノードアイコン描画」(ステップ405)、
次に、アイコンの拡大・縮小・スクロールの操作が行われ(「拡大・縮小・スクロール操作」(ステップ406))、この後、利用者端末2でアイコンの位置調整が行なわれ(「アイコン位置調整」(ステップ407))、一連のフローを終了する。
【0189】
図38は案内経路のネットワークにおけるライン/点描画の処理フローを示す図である。
【0190】
フロー開始後、以下順に、「案内開始地点ノード抽出」(ステップ501)、「野外/室内判定 描画色決定」(ステップ502)、「室内開始地点ノード表示」(ステップ503)、「First (Before)リンク抽出」(ステップ504)、「野外/室内判定 描画色決定/施設の構造区分による線種決定」(ステップ505)、「現在リンク表示」(ステップ506)、「Nextリンク抽出」(ステップ07)(前回抽出リンクがBeforeリンクになる)、「野外/室内判定 描画色決定」(ステップ508)、「Check」(ステップ509)(Before/ Nextリンク情報比較)、この結果「同じ」であれば「現在リンクの始点側ノード通常表示」(ステップ510)、一方「違う」であれば「現在リンクの始点側ノード強調表示」(ステップ511)、「Check」(ステップ512)(現在リンクの終点側ノードが案内終了点)、この結果「No」(続きあり)であれば、先の「野外/室内判定 描画色決定/施設の構造区分による線種決定」(ステップ505)に戻り、一方「Yes」(終点)であれば、「現在リンクの終点側ノード表示」(ステップ513)を実行し、一連のフローを終了する。
【0191】
図39は案内経路のリンクアイコン表示処理フローを示す図である。
【0192】
フロー開始後、以下順に、「合計リンク長カウンタ0 SET」(ステップ601)、「First (Before)リンク抽出」(ステップ602)、「リンクアイコン読込」(ステップ603)、「Nextリンク抽出」(ステップ604)(前回抽出リンクがBeforeリンクになる)、「Check」(ステップ605)(Before/ Nextリンク情報比較)、この結果「同じ」であれば「合計リンク長カウンタ加算」(ステップ606)、一方「違う」であれば「Check」(ステップ607)(合計リンク長判定)、この結果「合計リンク長<閾値L」であれば「合計リンク長カウンタ0 RESET」(ステップ608)、一方「合計リンク長=閾値L」であれば「Check」(ステップ609)(表示済みアイコンとの表示位置重なり判定)、この結果「重なっていない同じ」であれば「補助アイコン生成」(ステップ610)、一方「重なっている」であれば「Check」(ステップ611)(表示優先度判定)、この結果「優先度高」であれば「既存アイコン削除」(ステップ612)、先の「補助アイコン生成」(ステップ610)、「合計リンク長の中間地点にアイコン表示」(ステップ615)、先の「合計リンク長カウンタ0 RESET」(ステップ608)の後、「Check」(ステップ616)(現在リンクの終点側ノードが案内終了点)、この結果「Yes(終点)」であればこの一連のフローは終了し、一方この結果「No(続きがある)」であれば「Check」(ステップ617)(合計リンク長=0判定)、この結果「Yes(0)」であればNextリンクの「First (Before)リンク抽出」(ステップ602)へ戻り、一方「No(0ではない)」であれば、「Nextリンク抽出」(ステップ604)へ戻る。先の「Check」(ステップ611)(表示優先度判定)に戻り、この結果が「優先度同」であれば前記した「優先度高」と同一のフローを辿り、一方この結果が「優先度低」であれば「読込アイコン削除」(ステップ614)、先の「合計リンク長カウンタ0 RESET」(ステップ608)を実行し、一連のフローを終了する。
【0193】
図40は案内経路のノードアイコン表示手順のフローを示す図である。
【0194】
利用者端末への重ね合わせ表示手順(図37)の内の「案内経路のノードアイコン描画」(ステップ405)は、下記するように、処理ステップ701〜ステップ710から構成される。
【0195】
即ち、図40に示すように、処理フローを開始すると、まず、ノード抽出を行ない、抽出したノードアイコンを読込む「Nextノード抽出」(ステップ701)。次に、「ノードアイコン読込」(ステップ702)。次に、読込んだノードアイコンは案内開始地点のものかを判定する「Check」(ステップ703)。この結果「Yes」であれば、入口用補助アイコンとして読込み、入口用補助アイコンとして表示する「入口用補助アイコン読込」(ステップ704)、「ノードアイコン表示」(ステップ705)。先の「Nextノード抽出」(ステップ701)に戻り、一方「No」であれば「Check」(ステップ706)(経由地点か?)、この結果「Yes」であれば「経由地用補助アイコン読込」(ステップ707)、先の「ノードアイコン表示」(ステップ705)、先の「Nextノード抽出」(ステップ701)に戻り、一方「No」であれば「Check」(ステップ708)(案内終了地点か?)、この結果「Yes」であれば「目的地アイコン読込」(ステップ709)、「ノードアイコン表示」(ステップ710)の後、一連のフローを終了する。一方「Check」(ステップ708)が「No」であれば先の「Nextノード抽出」(ステップ701)に戻る。
【0196】
次に、表示されているアイコンのサイズと、ネットワークの線種、ノード点の図形は、利用者端末上の表示画面の解像度と、表示されている「案内エリア」「平面図」の画面上の大きさによって、事前に情報表示システムに管理者が任意に設定した解像度にて表示する(「拡大・縮小・スクロール操作」(ステップ406))。
【0197】
また、利用者端末側からの入力によって、その大きさを変更することも出来る。
【0198】
利用者端末では、表示されている写真と平面図の拡大・縮小・スクロールを実行できる。その際に、それらの操作によるアイコンのサイズは変更しない。
【0199】
次に、前記した「拡大・縮小・スクロール操作」(ステップ406)のうち、特に縮小操作によって、現在、表示されているアイコンが大きく重複することによって見づらくなるときには、下記する(1),(2)の手法をシステム管理者が事前に選択することができる(「アイコン位置調整」(ステップ407))。
【0200】
また、その拡大操作によって、アイコンの重複の度合いが緩和された場合には、先の「読込アイコン削除」(ステップ614)(図39)で優先度低のために表示しなかったアイコンを再度表示する。
【0201】
(1)アイコンの再配置手法
その場合、アイコン同士の重なっている面積の率(アイコンの重複率)から、位置調整の必要性を判断する。
【0202】
図41はアイコンの重複率の例を示す図である。ここで重複率とは、
[重複率]=[重複領域の面積]/[重複アイコンの総面積]である。
【0203】
所定の閾値を越えた重複率のアイコン同士は、各アイコンの中心座標同士を結ぶ直線上をお互いが重ならない位置まで拡げる。
【0204】
図42はアイコンの再配置の例を示す図である。同図に示すように、各図形の中心点を結ぶ直線上であってかつ重なり合わない位置に両図形を移動する(両図形の移動距離は等しい)状態を示している。
【0205】
(2)アイコンの表示レベル設定手法
決められた倍率、もしくは、前記アイコン同士の画面内の重複率の平均値から、決められた閾値ごとに設定された表示ステップごとに、優先的に表示するアイコンを制御し、重なるアイコンの量を減らす。
【0206】
表示ステップは、代表的な移動手段、例えば車と徒歩、重要な経由地、例えば、エレベータやエスカレータ、駐車場などの表示優先順位を高める手法が考えられる。
【0207】
図43はアイコンの表示レベル設定例を示す図である。
【0208】
同図に示すように、「表示レベル1」では、自動車専用道、自動二輪専用道、自転車専用道、自動車駐車場、バイク駐輪場、自転車駐輪場、車椅子用通路、歩行者用通路、階段、エスカレータ、エレベータの各アイコンが設定される。また「表示レベル1」の1ランク上位の「表示レベル2」では、車道、自転車専用道、駐車場、駐輪場、歩行者用通路、階段、エスカレータ、エレベータの各アイコンが設定される。さらに「表示レベル2」の1ランク上位の「表示レベル3」では、車道、駐車場、歩行者用通路、階段、エスカレータ、エレベータの各アイコンが設定される。そして最上位の「表示レベル4」は、(表示しない)、駐車場、(表示しない)、階段、エスカレータ、エレベータの各アイコンが設定される。
【0209】
例えば、「表示レベル1」の「自動車専用道」アイコンは、「表示レベル2」、「表示レベル3」ではそれぞれ「車道」アイコンと表示され、「表示レベル4」では表示しないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明の案内点案内情報提供システムの構成を示す図
【図2】案内エリアの階層構造を説明する図
【図3】案内エリアの案内情報を説明する図
【図4】画像生成サーバで行う重ね合わせ画像処理を説明する図
【図5】案内エリアのデータクラスを説明する図
【図6】地物情報と案内情報との関係を説明する図
【図7】画像生成サーバで行う重ね合わせ画像処理フローを示す図
【図8】案内エリアの外観写真を示す図
【図9】撮影情報に関する標定要素を説明する図
【図10】写真上に輪郭線を重ね合わせ表示する過程を説明する図
【図11】カーソルによる三次元形状データのポリゴン選択例を示す図
【図12】輪郭を強調したフロアとフロア平面図とを併記した図
【図13】輪郭を強調した地上施設と地上施設平面図とを併記した図
【図14】フロア平面図の回転角の計算例を示す図
【図15】フロア平面図を撮影角度に応じて射影変換した例を示す図
【図16】区画の案内情報表示例を示す図
【図17】地上施設の案内情報表示例を示す図
【図18】地上施設のみの案内経路表示例を示す図
【図19】案内エリアの平面図と地上施設内のフロア平面図とを示す図
【図20】フロア平面図を表示しないで写真に案内経路を重ね合わせ表示する例を示す図
【図21】経路表示判読性の判定方法を示す図
【図22】三次元形状データの例を示す図
【図23】フロア平面図の例を示す図
【図24】案内エリア内の地上平面図
【図25】線路ネックワーク検索の処理フローを示す図
【図26】案内エリアへのアクセス手段の選択フォーム例を示す図
【図27】案内エリア入口の選択例を示す図
【図28】案内エリア入口の選択例を示す図
【図29】移動属性情報によるリンクアイコンの例を示す図
【図30】経由地情報によるリンクアイコンの例を示す図
【図31】移動属性情報によるノードアイコンの例を示す図
【図32】経由地情報によるノードアイコンの例を示す図
【図33】補助アイコンの組合せ例を示す図
【図34】移動属性によるアイコン、経由地情報によるアイコンの各例を示す図
【図35】補助アイコンの表示例を示す図
【図36】補助アイコンの表示例を示す図
【図37】利用者端末への重ね合わせ表示手順を示す図
【図38】案内経路のネットワークにおけるライン/点描画の処理フローを示す図
【図39】案内経路のリンクアイコン表示処理フローを示す図
【図40】案内経路のノードアイコン表示処理フローを示す図
【図41】アイコンの重複率を示す図
【図42】マイコンの再配置を示す図
【図43】アイコンの表示レベル設定例を示す図
【符号の説明】
【0211】
1 サービス提供センタ
2 利用者端末(ユーザ端末)
12 画像生成サーバ
13 地理情報検索サーバ
14 データベースサーバ
A 情報提供システム
NW 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末とサービス提供センタのサーバシステムとが通信回線で接続され、前記サーバシステムが、前記ユーザ端末からの指定地物に関する斜め写真に、前記指定地物内の案内点に至る案内経路を重ね合わせた重ね合わせ画像を、前記ユーザ端末へ提供する案内点案内情報提供システムであって、
前記サービス提供センタのサーバシステムは、
第1の記憶手段と、第2の記憶手段と、第1の手段と、第2の手段と、第3の手段と、送信手段とを備え、
前記第1の記憶手段は、前記案内経路と、前記指定地物の立体形状と、前記案内点を含む平面図と、前記指定地物に関する斜め写真と、前記斜め写真の撮影情報とを、記憶しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1の記憶手段とは異なる記憶手段であり、
前記第1の手段は、
前記ユーザ端末で指定した前記案内点を受信し、前記第1の記憶手段から前記斜め写真を読み出して前記第2の記憶手段へ書き込み、
前記第2の手段は、
前記第2の記憶手段から読み出した前記斜め写真に該当する三次元形状を生成し、生成した前記三次元形状を読み出した前記斜め写真に重ねた前記重ね合わせ画像を作成し、
前記第3の手段は、
前記第1の記憶手段から前記斜め写真の撮影方向と前記平面図とを読み出し、読み出した前記平面図を前記撮影方向で回転し、回転した平面図が前記重ね合わせ画像の要部に重ならないように前記斜め写真の読み出しを制御し、
前記送信手段は、
前記重ね合わせ画像及び回転した前記平面図を同一表示画面内で表示させる表示制御データを前記ユーザ端末に送信する
ことを特徴とする案内点案内情報提供システム。
【請求項2】
前記案内点に至る前記案内経路を、前記撮影方向で回転した前記重ね合わせ画像及び前記平面図にそれぞれ重ね合わせることを特徴する請求項1記載の案内点案内情報提供システム。
【請求項3】
前記案内点に関する案内情報を、前記撮影方向で回転した前記重ね合わせ画像の要部及び前記平面図の要部にそれぞれ重ならないように、前記重ね合わせ画像又は前記平面図に重ね合わせることを特徴する請求項1又は請求項2記載の案内点案内情報提供システム。
【請求項4】
指定地物の斜め写真に、前記指定地物内の案内点に至る案内経路を重ね合わせた重ね合わせ画像を、画面に提供する案内点案内情報提供システムであって、
第1の記憶手段と、第2の記憶手段と、第1の手段と、第2の手段と、第3の手段と、表示手段とを備え、
前記第1の記憶手段は、前記案内経路と、前記指定地物の立体形状と、前記案内点を含む平面図と、前記指定地物に関する斜め写真と、前記斜め写真の撮影情報とを、記憶しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1の記憶手段とは異なる記憶手段であり、
前記第1の手段は、
前記案内点が入力されたとき、前記第1の記憶手段から前記斜め写真を読み出して前記第2の記憶手段へ書き込み、
前記第2の手段は、
前記第2の記憶手段から読み出した前記斜め写真に該当する三次元形状を生成し、生成した前記三次元形状を読み出した前記斜め写真に重ねた前記重ね合わせ画像を作成し、
前記第3の手段は、
前記第1の記憶手段から前記斜め写真の撮影方向と前記平面図とを読み出し、読み出した前記平面図を前記撮影方向で回転し、回転した平面図が前記重ね合わせ画像の要部に重ならないように前記斜め写真の読み出しを制御し、
前記表示手段は、
前記重ね合わせ画像及び回転した前記平面図を同一表示画面内で表示する
ことを特徴とする案内点案内情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2010−60712(P2010−60712A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224797(P2008−224797)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(591074161)アジア航測株式会社 (48)
【Fターム(参考)】