説明

案内表示装置

【課題】 本発明は、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる案内表示装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明に係る案内表示装置は、光を発する光源を設けた複数の光源部と、前記光源部に隣接し、前記光源部の前記光源の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる複数の表示部と、少なくとも隣り合う前記光源部の間及び隣り合う前記表示部の間に設けられ、光を遮光する遮光部材を設けた遮光部と、前記光源部、前記表示部及び前記遮光部を保持する筐体を設けた筐体部とを有し、複数の前記表示部は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報を表示して案内する案内表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示内容を同方向に切替表示可能の案内表示装置に関し、表示内容が表面側に刻設された複数の透光性案内板を、案内内容刻設面を同方向に向けて一体に積層してなる案内板積層体と、この案内板積層体の側端面に近接配置され、各案内板に1対1対応でその案内板の側端面に各別に近接対向する複数の光源と、この複数の光源のうち所望の案内板の側端面に対向する光源のみを選択点灯させる光源選択点灯回路とを設けた構成がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、結婚式場等で用いられる案内表示装置に関し、発光ダイオードパネルと液晶パネルとを組み合わせた表示パネルにバックライトを照射してなる表示具を用い、この表示具と表示用無線信号の送信手段とを備えた構成がある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−106466号公報
【特許文献2】特開平7−140921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の様な構成では、複数の情報を独立して明確に表示して案内することが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる案内表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決すべく、本発明に係る案内表示装置は、光を発する光源を設けた複数の光源部と、前記光源部に隣接し、前記光源部の前記光源の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる複数の表示部と、少なくとも隣り合う前記光源部の間及び隣り合う前記表示部の間に設けられ、光を遮光する遮光部材を設けた遮光部と、前記光源部、前記表示部及び前記遮光部を保持する筐体を設けた筐体部とを有し、複数の前記表示部は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る案内表示装置によれば、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置を示す斜視図であり、(a)は案内表示装置を一方から示す斜視図、(b)は案内表示装置を他方から示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置を病院の廊下の天井から吊り下げて設置して用いている状態を示す模式図であり、図1に対応している。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の表示部越しに病院の廊下の壁面に掛けられた時計を視認している状態を示す模式図であり、図2に対応している。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の表示部と遮光部及び筐体部を拡大して示す斜視図であり、図1に対応している。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の光源部と表示部及び遮光部を拡大して示す斜視図であり、図1に対応している。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図1に対応している。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、表示部は透明性を有し、図1に対応している。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の一部を構成部材毎に分解して示す側面図であり、図1に対応している。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、(a)は光源部及び表示部の片側のみに遮光部が設けられている状態を示す模式図、(b)は光源部及び表示部の両側に遮光部が設けられている状態を示す模式図、(c)は光源部及び表示部の両側と下側に遮光部が設けられている状態を示す模式図、(d)は光源部及び表示部の両側と下側及び裏面側に遮光部が設けられている状態を示す模式図であり、それぞれ図1に対応している。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置に設けられた複数の表示部を個別に発光させて表示させる制御を示す模式図であり、図1に対応している。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置を示す斜視図であり、図1に示す筐体部に係る応用例に相当する。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図11に対応している。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、表示部は透明性を有し、図11に対応している。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有し且つ密閉蓋を除いた状態の案内表示装置を示す側面図であり、図11に対応している。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を示す正面図であり、図11に対応している。
【図16】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を示す斜視図であり、少なくとも複数の表示部及び複数の遮光部を一体に保持する保持部材が設けられ、図11に対応している。
【図17】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置に設けられた保持部材を示す斜視図であり、図16に対応している。
【図18】本発明の第1の実施形態に係る応用例の一つの例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を示す斜視図であり、(a)は図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合するネジ溝が吊下部材の上面に形成されている状態を示し、(b)は図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合する係留部材が吊下部材の下面に接合されている状態を示し、(c)は図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合する係留部材が吊下部材の上面に接合されている状態を示し、(d)は図示せぬ天井に固定される固定部材が吊下部材の上面に開口された取付部の下面から上面に向かって挿通されている状態を示し、図11に対応している。
【図19】本発明の第1の実施形態に係る応用例の他の例に相当する筐体部を有する案内表示装置を示す斜視図であり、図1に示す筐体部に係る応用例に相当する。
【図20】本発明の第1の実施形態に係る応用例の他の例に相当する筐体部を有する案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図19に対応している。
【図21】本発明の第1の実施形態に係る応用例の他の例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、表示部は透明性を有し、図19に対応している。
【図22】本発明の第1の実施形態に係る応用例の他の例に相当する筐体部を有し且つ密閉蓋を除いた状態の案内表示装置を示す側面図であり、図19に対応している。
【図23】本発明の第1の実施形態に係る応用例の他の例に相当する筐体部を有する案内表示装置の一部を示す正面図であり、図19に対応している。
【図24】本発明の第2の実施形態に係る主面に凹部が複数形成され該凹部により所定の情報を表示する導光板を設けた表示部を隣接して3個配設した案内表示装置を示す斜視図であり、(a)は案内表示装置を一方から示す斜視図、(b)は案内表示装置を他方から示す斜視図である。
【図25】本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図24に対応している。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る主面に表示面が複数形成され該表示面により所定の情報を表示する表示板を設けた表示部を隣接して3個配設した案内表示装置を示す斜視図であり、(a)は案内表示装置を一方から示す斜視図、(b)は案内表示装置を他方から示す斜視図である。
【図27】本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図26に対応している。
【図28】本発明の第4の実施形態に係る複数の表示部を個別に発光させて表示させる案内表示装置を示す斜視図であり、(a)は案内表示装置を一方から示す斜視図、(b)は案内表示装置を他方から示す斜視図である。
【図29】本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置を構成部材毎に分解して示す斜視図であり、図28に対応している。
【図30】本発明の第4の実施形態に係る複数の表示部を個別に発光させて表示させている案内表示装置を示す斜視図であり、(a)は左端の表示部を除いた2個の表示部を発光させて表示している状態の案内表示装置を示す斜視図、(b)は右端の表示部を除いた2個の表示部を発光させて表示している状態の案内表示装置を示す斜視図であり、図28に対応している。
【図31】本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置に設けられた複数の表示部を個別に発光させて表示させる制御を示す模式図であり、図28に対応している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の案内表示装置に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の案内表示装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。以下の記述において、本発明の案内表示装置を構成する各構成部材の材質及び形状等は一例であり、他の材質及び形状等に適宜変更可能である。さらに、後述する本発明の第1乃至第4の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置6の各構成を、任意に組み合わせて、案内表示装置を構成しても良い。具体的には、図9に示す遮光部材32及び遮光部材33を、第2乃至第4の実施形態に係る案内表示装置4乃至案内表示装置6に設けても良い。また、後述する図12に示す筐体部60又は図19に示す筐体部70を、第2乃至第4の実施形態に係る案内表示装置4乃至案内表示装置6に設けても良い。また、後述する図17に示す結合部材66を、第2乃至第4の実施形態に係る案内表示装置4乃至案内表示装置6に設けても良い。
【0011】
また、以下の説明においては、最初に本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3について図1乃至図23を参照しながら説明する。次に本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置4について図24及び図25を参照しながら説明する。次に本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置5について図26及び図27を参照しながら説明する。次に本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置6について図28及び図31を参照しながら説明する。また本発明の第1乃至第4の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置6にそれぞれ設けられた表示部の導光板の製造方法について説明する。最後に本発明の第1乃至第4の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置6の構成と主な作用効果について請求項毎に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3について、図1乃至図23を参照しながら、具体的に説明する。
【0013】
なお、本発明の第1の実施形態については、先ず、案内表示装置1の構成について、図1乃至図9を参照しながら説明する。次に、応用例の一つの例に相当する筐体部60を有する案内表示装置2の構成について、図11乃至図17を参照しながら説明する。さらに、応用例の他の例に相当する筐体部70を有する案内表示装置3の構成について、図19乃至図23を参照しながら説明する。
【0014】
先ず、案内表示装置1の構成について、図1乃至図9を参照しながら説明する。案内表示装置1は、光源部10、表示部20、遮光部30及び筐体部40から構成されている。具体的には、図1に案内表示装置1を斜視図で示している。さらに、図2に病院の廊下の天井から吊り下げて設置している案内表示装置1を模式図で示し、図3に案内表示装置1の表示部20越しに病院の廊下の壁面に掛けられた時計を視認している状態を模式図で示している。また、図4に案内表示装置1の表示部20と遮光部30及び筐体部40を拡大して示し、図5に案内表示装置1の光源部10と表示部20及び遮光部30を拡大して示し、図6に案内表示装置1を構成部材毎に分解して示している。さらに、図7に案内表示装置1の一部を構成部材毎に分解し且つ表示部20を透明で示し、図8に案内表示装置1の一部を構成部材毎に分解して側面から示している。ここで、図9に案内表示装置1に設けられた遮光部30の様々な配設例を示している。また、図10に案内表示装置1に設けられた複数の表示部20を個別に発光させて表示させる制御を模式図で示している。以下、案内表示装置1の各構成について、順に説明する。
【0015】
案内表示装置1を構成する複数の光源部10は、図5及び図6等に示すように、光を発する光源11を設けている。この様な光源部10は、光源11及び基板12から構成されている。以下、光源部10を構成する各部材について、順に説明する。光源部10の光源11には、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いる。また、光源11は、白色、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色又は紫色のいずれかの色若しくはそれらの色の組み合わせから成るLEDで構成する。
また、光源11は、紫外域又は赤外域の光を発するLEDで構成しても良い。また、後述する表示部20の導光板51又は導光板53の厚みが8mmの場合にはトップ発光型の表面実装タイプの発光ダイオードを用い、導光板51又は導光板53の厚みが3mmの場合にはサイド発光型の表面実装タイプの発光ダイオードを用いる。この様な光源11は、後述する基板12に、所定の間隔で複数個配列されている。なお、光源11は、LEDに限定されることはなく、有機発光ダイオード、蛍光管、冷陰極管、白熱電球又はネオン管等で構成しても良い。また、光源部10の基板12には、板状から成るガラスエポキシ基板を用いる。
【0016】
案内表示装置1を構成する複数の表示部20は、図4乃至図7に示すように、光源部10に隣接し、光源部10の光源11の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる。また、複数の表示部20は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表している。この様な表示部20は、導光板から成る。ここで、導光板は、アクリル酸又はメタクリル酸を重合して形成したアクリル樹脂又はポリカーボネイト等、透明な樹脂板から成る。したがって、導光板の後方に載置された物体等を、該導光板越しに視認することができる。具体的には、図2及び図3に示すように、案内表示装置1を病院の廊下の天井から吊り下げて設置して用いている場合において、案内表示装置1の表示部20越しに、廊下の壁面Kに掛けられた時計Tを視認することができる。また、導光板は、該導光板の後方を視認できる程度に着色された樹脂板を用いても良い。さらに、導光板には、光を照射されることにより拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加した樹脂板を用いても良い。同様に、導光板には、紫外域や可視域の光を照射されることにより蛍光を発する蛍光剤を塗布又は添加した樹脂板を用いても良い。
【0017】
また、表示部20の導光板21の構成に関し、図6に示す導光板21の一主面21bに、側面21aから入射された光源部10の光源11の光を拡散光として導出させる凹部21fが複数形成され、該凹部21fにより、文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報が表示されている。また、複数の表示部20の導光板21の一主面21bに複数形成された凹部21fにより、同一の情報又は異なる情報を表示する構成としている。具体的には、図6に示す案内表示装置1において、2個の表示部20に設けられた各導光板21は、それぞれ「矢印」から成る情報を同じ方向で表示している。また、導光板21は、該導光板21の一主面21bに対向して設けられた他主面においても、複数形成された凹部により、文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報が表示されている。ここで、導光板21の一主面21bに表示された「矢印」から成る情報に対し、一主面21bに対向して形成された他主面に表示された「矢印」から成る情報が左右の方向に反転している。したがって、案内表示装置1を異なる方向から視認した場合においても、「矢印」が同一の方向を示す構成となっている。
【0018】
ここで、表示部20の導光板21の構成に関し、図6に示すように、導光板21の一主面21bに凹部21fが複数形成され且つ導光板21の一主面21bに対向して設けられた他主面に図示せぬ凹部が複数形成されているが、導光板21の一主面21bに対して面積が十分に小さいため、該導光板21は十分な透光性を有する。したがって、図3に示すように、案内表示装置1を病院の廊下の天井から吊り下げて設置して用いている場合において、案内表示装置1の表示部20越しに、例えば廊下の壁面Kに掛けられた時計Tを視認して、時刻を知ることができる。なお、例えば、導光板21の両面(一主面21b及び該一主面21bに対向して設けられた他主面)に形成された凹部の面積と、導光板21の片面における凹部が形成されていない透明部分の面積との比率が1対1であっても、導光板21の片面側から目視する場合、透明部分の面積の比率が50%以下とならない程度に凹部を密集させて形成しない限り、該導光板21越しに後方の物体等を視認することができる。なお、後述する図24に示す表示部20を隣接して3個配設した案内表示装置4においても、同様の効果を得ることができる。
【0019】
また、表示部20の導光板51の構成に関し、図8に示すように、導光板51は、凹部又は凸部が所定の間隔でマトリクス状に配列されている。なお、図8は、図6に示す導光板51及び一対の表示板52から成る表示部20の位置において、案内表示装置1を構成部材毎に分解して示す側面図である。ここで、導光板51の側面51aを介して、光源部10の光源11の光が、該導光板51の内部に導光される。また、導光板51の主面である一主面51bに、光源部10の光源11から照射された光を拡散光として導出させる凹部51cが形成されている。同様に、導光板51の一主面51bに対向した主面である他主面51dに、光源部10の光源11から照射された光を拡散光として導出させる凹部51eが形成されている。この様な凹部51c及び凹部51eは、四角錐形状から成り、一主面51b及び他主面51dに対して2mmから4.5mmの間隔でマトリクス状に形成されている。なお、導光板51に形成された隣り合う凹部51cの間隔及び導光板51に形成された隣り合う凹部51eの間隔は、それぞれ凹部の中心から凹部の中心までの距離である。また、光源11には、5000mcd[カンデラ]〜8000mcd[カンデラ]の仕様のLEDを用い、隣り合うLEDの中心から中心までの距離を10mmで配設している。
【0020】
また、表示部20の導光板51の構成に関し、導光板51の一主面51bに形成された複数の凹部51cで発生した拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板51の他主面51dから導出される。同様に、導光板51の他主面51dに形成された複数の凹部51eで発生した拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板51の一主面51bから導出される。また、導光板51の一主面51bの凹部51c及び他主面51dの凹部51eの深さが、光源部10の光が入射される導光板51の側面51aから離間する毎に深くなるように形成しても良い。ここで、導光板51の側面51aから光源部10の光源11の光が入射されると、導光板51の側面51aから離間する毎に伝播する光の光量が減少するが、導光板51の側面51aから離間しても凹部で発生する拡散光の光量の減少を抑制することができる。したがって、導光板51の側面51aからの距離によらず、導光板51の一主面51b及び他主面51dから均一な面発光が導出される。この様な導光板51は、導光板51の側面51aから離間する毎に伝播する光の光量が大きく減少する場合に有効な構成である。
【0021】
ここで、表示部20の導光板51の構成に関し、導光板51に後述する表示板52を接触させて付勢した上で、光源11の光を導光板51の側面51aから25cm以上導光させ面発光させた場合、導光板51に形成された隣り合う凹部51c間の距離が2mmより小さな間隔では、従来の問題である筋状の光線は発生しないが、導光板51の光源11に近い主面ほど明るく且つ光源11から遠い主面ほど暗くなってしまうことから、導光板51が均一に面発光しない。一方、導光板51に形成された隣り合う凹部51c間の距離が4.5mmより大きい間隔では、拡散光を発生する凹部51cが形成された部位と何も形成されていない透明な部位との間において、光の明暗の差に起因する筋状の光線が発生する。
【0022】
また、表示部20の導光板51の構成に関し、側面51aにおける導光板51の厚みが3mmの場合には、導光板51の側面51aに最も近接した箇所の凹部51cの深さは0.07mmである。また、側面51aにおける導光板51の厚みが3mmの場合には、側面51aから離間する毎に1.2/100[mm]で深さが変化するグラデーション加工を施すことにより、一主面51bの凹部51c及び他主面51dの凹部51eの深さが、導光板51の側面51aから離間する毎に深くなるように形成されている。なお、導光板51の側面51aに最も近接した箇所の凹部51cの深さを0.02mm乃至0.1mmとし、側面51aから離間する毎に0.1/100[mm]乃至1.5/100[mm]で深さが変化するグラデーション加工を施す構成しても良い。また、側面51aにおける導光板51の厚みが8mmの場合において、凹部の深さ又は凸部の高さについてグラデーション加工を施す構成とすれば、該導光板51をより大きく形成しても、導光板51の一主面51b及び他主面51dから均一な面発光の光を導出させることができる。
【0023】
ここで、表示部20の表示板52の構成に関し、該表示板52は、図4及び図6等に示すように、導光板51の主面に積層して又は離間して配設され、一主面52bに形成された表示面52fにより所定の情報を表示する。ここで、一対の表示板52は、導光板51に対向して設けられた主面の両側に配設され、同一の情報又は異なる情報を表示している。具体的には、表示板52は、図1に示すように、「○□」から成る情報を表示している。ここで、「○□」から成る情報は、「税関」、「トイレ」及び「非常口」等に相当する。なお、表示板52を基材及び粘着材から形成し、軟性材を介して表示部20の導光板51に密着する構成としても良い。また、表示板52を、材質が異なる2個以上の部材から構成しても良い。具体的には、表示板52を、塩化ビニルシート及びメタクリル樹脂板から構成しても良い。同様に、表示板52を、ポリ塩化ビニルシート、ポリカーボネイト樹脂板、ポリ塩化ビニルシートから構成しても良い。ここで、ポリカーボネイト樹脂板は難燃性であるため、万一、天井等から吊り下げられて設置された案内表示装置1の構成部材が燃焼して溶けた場合でも、通行人や床面に垂れることを防止できる。なお、表示板52を構成するポリ塩化ビニルシートに換えて、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを用いても良い。
【0024】
案内表示装置1を構成する遮光部30は、図5又は図25等に示すように、少なくとも隣り合う光源部10の間及び隣り合う表示部20の間に設けられ、光を遮光する遮光部材31を設けている。ここで、遮光部材31は、両面に所定の反射率を有した1個の部材から成り、隣り合う表示部20の間にそれぞれ貼り付けされている。この様な遮光部材31は、アルミニウムの薄膜で被覆された遮光テープ又は遮光シートから成り、光源部10の基板12及び表示部20の導光板の側部に貼り付けされている。また、遮光部材31を、板状のアルミニウムから構成し、光源部10の基板12及び表示部20の導光板21及び導光板22の側部に当接させても良い。さらに、遮光部材31を、反射塗料を塗布又は蒸着した板状のプラスチックスから構成し、光源部10の基板12及び表示部20の導光板21及び導光板22の側部に当接させても良い。
【0025】
また、遮光部30の構成に関し、図9(a)に示すように、光源部10の光源11及び表示部20の導光板21の片側のみに、遮光部30の遮光部材31を設ける構成に限定されることはない。具体的には、図9(b)に示すように、光源11及び導光板21の両側に、遮光部材31を設ける構成としても良い。また、図9(c)に示すように、光源11及び導光板21の両側に遮光部材31を設け、且つ及び導光板21の下側に遮光部材32を設ける構成としても良い。また、図9(d)に示すように、光源11及び導光板21の両側に遮光部材31を設け、且つ及び導光板21の下側に遮光部材32を設け、更に導光板21の裏面側に遮光部材33を設ける構成としても良い。ここで、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、隣り合う表示部20の導光板21又は導光板51において、互いの光が干渉することを防止する。さらに、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、表示部20の導光板21又は導光板51において、側面から光が出射されることを防止し、該側面で光を反射させて主面から出射させる。
【0026】
案内表示装置1を構成する筐体部40は、光源部10、表示部20及び遮光部30を保持する筐体41を設けている。この様な筐体41は、アルミニウム合金から成り、断面がコの字状から成る板状に形成されている。また、筐体41の内部に、光源11を複数実装した基板12が、図示せぬネジによりネジ留め又は接着剤により接着されている。また、筐体41の上部に設けられた鉤状の取付部41aを用いて、案内表示装置1を施設の天井から吊り下げて設置する。また、係留部材42は、セットスクリュから成り、筐体41の側面に形成されたネジ溝41iにネジ留めされ、少なくとも表示部20を固定する。具体的には、係留部材42の先端を、表示部20の例えば導光板21に形成された所定の深さの穴21gに挿入し、該表示部20を付勢して固定する。
【0027】
ここで、表示部20において、案内表示装置1では、図10に示す制御部90の制御に基づき、電源部80から供給された駆動電力を用い、複数の表示部20を個別に発光させて表示させる構成となっている。また、制御部90は、案内表示装置6に隣接して又は遠隔して設けられた管理室のパーソナルコンピュータを用いて駆動する制御ソフトに相当する。また、制御部90は、「○□」から成る情報が表示された表示板52に対して、「矢印」から成る情報が隣接して2個設けられた導光板21を、交互に点滅させる等の制御を行う。
【0028】
次に、応用例の一つの例に相当する筐体を設けた筐体部を有する案内表示装置2の構成について、図11乃至図15を参照しながら説明する。
【0029】
案内表示装置2を構成する筐体部60は、光源部10、表示部20及び遮光部30を保持する。この様な筐体部60は、図12乃至図15に示すように、吊下部材61、第1保持部材62、第2保持部材63、固定部材64及び密閉蓋65から構成されている。以下、筐体部60を構成する各部材について、順に説明する。筐体部60の吊下部材61は、ステンレスの板を複数回屈折させて、下部の中央が開口し内部に空間を設けた角柱形状に形成されている。また、筐体部60の第1保持部材62及び第2保持部材63は、それぞれ、ステンレスの板を2回屈折させて、L字状を組み合わせた形状に形成されている。また、筐体部60の固定部材64は、ボルト及びナットから成る。また、筐体部60の密閉蓋65は、アルミニウムの平板から成る。ここで、図14に示すように、第1保持部材62及び第2保持部材63を用い導光板21及び該導光板21に隣接して設けられた図示せぬ導光板51と表示板52を挟み込む。その上で、図13に示すように、固定部材64のボルトを、第2保持部材63に形成された貫通孔63h、導光板21に形成された貫通孔21h、及び第1保持部材62に形成された貫通孔62hの順で挿通し、ナットで固定している。その上で、第1保持部材62の底面及び第2保持部材63の底面を、吊下部材61の内部に載置している。また、密閉蓋65を用いて、吊下部材61と第1保持部材62及び第2保持部材63の側部を密閉している。
【0030】
また、筐体部60の構成に関し、図16及び図17に示すように、結合部材66により、少なくとも複数の表示部20の導光板21及び表示板52と、複数の遮光部30の遮光部材31とを一体に保持する構成としても良い。また、結合部材66により、複数の光源部10の基板12と、複数の表示部20の導光板21及び表示板52と、複数の遮光部30の遮光部材31とを一体に保持する構成としても良い。この様な結合部材66は、ステンレスの合金から成り、コの字状に形成されている。また、結合部材66の内面66aに各構成部材を収納する。さらに、セットスクリュから成る固定部材67を、結合部材66の両側に設けられたネジ溝66iに挿通し、導光板21及び表示板52を付勢して固定する。
【0031】
また、筐体部60の取り付け方法に関し、図18 (a)に示すように、図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合するネジ溝61iを、吊下部材61の上面に形成する構成としても良い。また、図18(b)に示すように、図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合する係留部材68を、吊下部材61の下面に接合する構成としても良い。なお、係留部材68はナットであり、吊下部材61の下面に溶接されている。また、図18(c)に示すように、図示せぬ天井から吊り下げられたボルトを係合する係留部材68を、吊下部材61の上面に接合する構成としても良い。なお、係留部材68は、吊下部材61の上面に溶接されている。また、図18(d)に示すように、図示せぬ天井に固定される固定部材69を、吊下部材61の上面に開口された取付部61aの下面から上面に向かって挿通する構成としても良い。なお、固定部材69は、ボルトである。
【0032】
さらに、応用例の他の例に相当する筐体を設けた筐体部を有する案内表示装置3の構成について、図19乃至図23を参照しながら説明する。
【0033】
案内表示装置3を構成する筐体部70は、光源部10、表示部20及び遮光部30を保持する。この様な筐体部70は、図19乃至図23に示すように、吊下部材71、保持部材72、第1付勢部材73、第2付勢部材74、固定部材75及び密閉蓋76から構成されている。具体的には、図19に案内表示装置3を斜視図で示している。さらに、図19に対応する図として、図20に案内表示装置3を構成部材毎に分解して示し、図21に案内表示装置3の一部を構成部材毎に分解し且つ表示部20を透明で示し、図22に密閉蓋76を除いた状態の案内表示装置3を側面から示し、図23に案内表示装置3の一部を正面から示している。以下、筐体部70を構成する各部材について、順に説明する。
【0034】
筐体部70の吊下部材71は、ステンレスの板を複数回屈折させて、下部の中央が開口し内部に空間を設けた角柱形状に形成されている。また、筐体部70の保持部材72は、ステンレスの板を2回屈折させて、コの字状に形成されている。また、筐体部70の第1付勢部材73は、板状の硬質ゴムから成る。また、筐体部70の第2付勢部材74は、板状に形成された金属板から成る。また、筐体部70の固定部材75は、セットスクリュから成る。ここで、第1付勢部材73及び第2付勢部材74により、導光板21及び該導光板21に隣接して設けられた図示せぬ導光板51と表示板52を挟み込んでいる。さらに、固定部材75が、保持部材72の側面に形成されたネジ溝72iにネジ留めされ、第2付勢部材74に形成された貫通孔74hに挿通され、表示部20の各導光板及び表示板に形成された所定の深さの穴21g及び穴51gに挿入されている。その上で、保持部材72の底面を、吊下部材71の内部に載置している。また、密閉蓋76を用いて、吊下部材71及び保持部材72の側部を密閉している。
【0035】
以上、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【0036】
また、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、複数の表示部20に同一の情報又は異なる情報を表示して、該表示を効果的に報知することができる。具体的には、図1に示すように、例えば案内表示装置1では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報において、「矢印」を隣接して2個表示していることから、「○□」の位置に係る情報を強調することができる。特に、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、図10に示す制御部90の制御に基づき、「○□」から成る情報が表示された表示板52に対して、「矢印」から成る情報が隣接して2個設けられた導光板21を、交互に点滅させる等の制御を行うことにより、該「矢印」を用い、視認者に対して「○□」に相当する例えば駅の改札口やトイレの場所を効果的に報知することができる。
【0037】
また、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、複数の表示部20の導光板は、主面の片側の一主面に表示された情報に対し、一主面に対向して形成された他主面に表示された情報が左右の方向に反転している。したがって、案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、該案内表示装置1乃至案内表示装置3を異なる方向から視認した場合においても、同一の情報を表示することができる。
【0038】
また、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、複数の表示部20は、少なくとも可視域の波長において透明性を有している。したがって、案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、図2及び図3に示すように、例えば案内表示装置1を病院の廊下の天井から吊り下げて設置して用いている場合において、該案内表示装置1を消灯させているときには、該案内表示装置1の表示部20越しに、廊下の壁面Kに掛けられた時計Tを視認することができる。
【0039】
また、本発明の第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、遮光部30の遮光部材は、所定の反射率を有している。したがって、案内表示装置1乃至案内表示装置3によれば、図9に示すように、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、隣り合う表示部20の導光板21又は導光板51において、互いの光が干渉することを防止することができる。さらに、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、表示部20の導光板21又は導光板51において、側面から光が出射されることを防止し、該側面で光を反射させて主面から出射させることができる。
【0040】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置4について、図24及び図25を参照しながら、具体的に説明する。
【0041】
なお、本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置4は、図24に示すように、主面に凹部が複数形成され該凹部により所定の情報を表示する導光板を設けた表示部20を隣接して3個配設していることに特徴を有している。また、それ以外の第2の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。そこで、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について中心に説明する。
【0042】
案内表示装置4を構成する表示部20において、図25に示すように、一主面22bに複数形成された凹部22fにより「○□」から成る情報が表示された導光板22、一主面21bに複数形成された凹部21fにより「矢印」から成る情報が表示された導光板21及び該導光板21の順で、各導光板が隣接して配設されている。したがって、案内表示装置4では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報が、各導光板の主面に複数形成された凹部により表示されている。また、案内表示装置4では、各導光板の一主面に形成された情報に対して、該一主面に対向して形成された他主面に表示された情報が左右の方向に反転している。したがって、案内表示装置4を異なる方向から視認した場合においても、同一の情報を表示する構成になっている。また、導光板21及び導光板22は所定の透過率を有するため、後方の物体等を視認することができる。
【0043】
以上、本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置4によれば、第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3と同様に、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【0044】
また、本発明の第2の実施形態に係る案内表示装置4によれば、図25に示すように、一主面22bに複数形成された凹部22fにより「○□」から成る情報が表示された導光板22、一主面21bに複数形成された凹部21fにより「矢印」から成る情報が表示された導光板21及び該導光板21の順で、各導光板が隣接して配設されている。したがって、例えば案内表示装置4では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報を、各導光板の主面に複数形成された凹部により表示させることができる。
【0045】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置5について、図26及び図27を参照しながら、具体的に説明する。
【0046】
なお、本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置5は、図26に示すように、主面に表示面が複数形成され該表示面により所定の情報を表示する表示板を設けた表示部20を隣接して3個配設していることに特徴を有している。また、それ以外の第3の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。そこで、第3の実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について中心に説明する。
【0047】
案内表示装置5を構成する表示部20において、図27に示すように、一主面52bに「○□」から成る情報が表示面52fにより表示された表示板52、一主面54bに「矢印」から成る情報が表示面54fにより表示された表示板54及び該表示板54の順で、各表示板が隣接して配設されている。ここで、表示板52及び表示板54は、図示していないが透明から成る。また、表示板52、表示板54及び表示板54は、主面に凹部がマトリクス状に形成された導光板51、導光板53及び該導光板53の主面に積層されている。したがって、案内表示装置5では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報が、各表示板に形成された印刷面により表示されている。また、案内表示装置5では、各表示板の一主面に形成された情報に対して、該一主面に対向して形成された他主面に表示された情報が左右の方向に反転している。したがって、案内表示装置5を異なる方向から視認した場合においても、同一の情報を表示する構成になっている。
【0048】
以上、本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置5によれば、第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3と同様に、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【0049】
また、本発明の第3の実施形態に係る案内表示装置5によれば、図27に示すように、一主面52bに「○□」から成る情報が表示面52fにより表示された表示板52、一主面54bに「矢印」から成る情報が表示面54fにより表示された表示板54及び該表示板54の順で、各表示板が隣接して配設されている。また、表示板52、表示板54及び該表示板54は、主面に凹部がマトリクス状に形成された導光板51、導光板53及び該導光板53の主面に積層されている。したがって、例えば案内表示装置5では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報を、各表示板に形成された印刷面により表示させることができる。
【0050】
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置6について、図28及び図31を参照しながら、具体的に説明する。
【0051】
なお、本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置6は、図28に示すように、複数の表示部20を個別に発光させて表示させることに特徴を有している。また、それ以外の第4の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。そこで、第4の実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について中心に説明する。なお、図28には案内表示装置6を斜視図で示している。さらに、図28に対応する図として、図29に案内表示装置6を構成部材毎に分解して示し、図30(a)に左端の表示部20を除く2個の表示部20を発光させている案内表示装置6を示し、図30(b)に右端の表示部20を除く2個の表示部20を発光させている案内表示装置6を示し、図31に案内表示装置6の制御を模式図で示している。
【0052】
案内表示装置6を構成する表示部20において、図31に示すように、一主面23bに複数形成された凹部23fにより「矢印」から成る情報が表示された導光板23、一主面55bに「△◇」から成る情報が表示面55fにより表示された表示板55及び導光板23の順で、導光板及び各表示板が隣接して配設されている。したがって、案内表示装置6では、「矢印」、「△◇」、「矢印」から成る情報が表示されている。また、「△◇」の両側に表示された「矢印」から成る情報は、互いに異なる方向を示している。ここで、例えば、案内表示装置6を駐車場に配設し、「△◇」から成る情報を「空車」とし、「△◇」の両側に表示された「矢印」により、駐車場に入ってきた車両を適切な方向に誘導する。同様に、例えば、案内表示装置6をバス乗り場に配設し、「△◇」から成る情報を「名古屋行き」とし、「△◇」の両側に表示された「矢印」により、バス乗り場に来た乗客を適切な乗り場に誘導する。また、導光板23は所定の透過率を有するため、後方の物体等を視認することができる。
【0053】
ここで、表示部20において、案内表示装置6では、図29に示す制御部90の制御に基づき、電源部80から供給された駆動電力を用い、複数の表示部20を個別に発光させて表示させる構成となっている。また、制御部90は、案内表示装置6に隣接して又は遠隔して設けられた管理室のパーソナルコンピュータを用いて駆動する制御ソフトに相当する。また、制御部90は、「△◇」の両側に表示された「矢印」から成る情報のいずれかを表示させるか制御する他に、「矢印」から成る情報を点滅させて表示させたり、発光色を変化させて表示させる。
【0054】
以上、本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置6によれば、第1の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置3と同様に、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【0055】
また、本発明の第4の実施形態に係る案内表示装置6によれば、図29に示すように、「矢印」、「△◇」、「矢印」から成る情報が表示されている。また、「△◇」の両側に表示された「矢印」から成る情報は、互いに異なる方向を示している。ここで、例えば、案内表示装置6を駐車場に配設し、「△◇」から成る情報を「空車」とすることにより、「△◇」の両側に表示された「矢印」を用い、駐車場に入ってきた車両を適切な方向に誘導することができる。同様に、例えば、案内表示装置6をバス乗り場に配設し、「△◇」から成る情報を「名古屋行き」とすることにより、「△◇」の両側に表示された「矢印」を用い、バス乗り場に来た乗客を適切な乗り場に誘導することができる。
【0056】
また、本発明の第1乃至第4の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置6にそれぞれ設けられた表示部20の導光板の製造方法について、具体的に説明する。
【0057】
表示部20の導光板の製造方法には、超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工及びシルク印刷加工を用いることができる。したがって、導光板の仕様やコスト及び必要数量等に応じて、各加工方法を選択することにより、凹部又は凸部を導光板の各面に精度良く安定的に形成することができる。以下、導光板の製造方法について詳細に説明する。超音波加工では、導光板の各面に当接させた超音波加工用ホーンの超音波の振動を用いて、導光板の各面を部分的に溶融させることにより、該各面に凹部を形成する。また、加熱加工では、導光板の各面に当接させた加工具の熱を用いて、導光板の各面を部分的に溶融させることにより、該各面に凹部を形成する。同様に、切削加工では、導光板の各面に当接しながら回転又は付勢させた切削工具を用いて、導光板の各面を部分的に削り取ることにより、該各面に凹部を形成する。同様に、レーザ加工では、導光板の各面に集光させたレーザ光の熱を用いて、導光板の各面を部分的に溶融させることにより、該各面に凹部を形成する。同様に、成型加工では、成型する導光板の外形形状を反映させた形状を金型の内部に形成し、射出成型機に装着した金型に対して加熱して軟化させた樹脂を注入してから、該樹脂を冷却させることにより、導光板の各面に凹部、凸部又は凹状及び凸部を形成する。
【0058】
また、表示部20の導光板の製造方法に関し、シルク印刷加工では、導光板の各面に対して所定の孔が開口した版を当接させ、孔を介して硬化性の樹脂を各面に付着させて、該各面を部分的に樹脂で被覆させることにより、該各面に凸部を形成する。また、成型加工又はシルク印刷加工に用いる導光板の基材である樹脂に、拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加しても良い。同様に、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工又はレーザ加工を行う導光板の基材である樹脂に、拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加したものを用いても良い。なお、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工及びシルク印刷加工を組み合わせて導光板を形成しても良い。具体的には、成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、超音波加工により導光板の各面に凹部を形成しても良い。同様に、成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、シルク印刷加工により導光板の各面に凸部を形成しても良い。
【0059】
最後に、本発明の第1乃至第4の実施形態に係る案内表示装置1乃至案内表示装置6の構成と主な作用効果について、請求項毎に、具体的に説明する。
【0060】
請求項1に記載の案内表示装置1乃至6は、光を発する光源を設けた複数の光源部10と、光源部10に隣接し、光源部10の光源の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる複数の表示部20と、少なくとも隣り合う光源部10の間及び隣り合う表示部20の間に設けられ、光を遮光する遮光部材を設けた遮光部30と、光源部10、表示部20及び遮光部30を保持する筐体を設けた筐体部40、60及び70とを有し、複数の表示部20は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表していることを特徴としている。
【0061】
この様な請求項1に記載の案内表示装置1乃至6によれば、簡便な構成により、複数の情報をそれぞれ明確に表示して案内することができる。
【0062】
請求項2に記載の案内表示装置1、2、3、4及び6は、請求項1に従属し、表示部20は、主面に形成された複数の凹部又は凸部により所定の情報を表示する導光板から成ることを特徴としている。
【0063】
この様な請求項2に記載の案内表示装置1、2、3、4及び6によれば、例えば図25に示すように、一主面22bに複数形成された凹部22fにより「○□」から成る情報が表示された導光板22、一主面21bに複数形成された凹部21fにより「矢印」から成る情報が表示された導光板21及び該導光板21の順で、各導光板が隣接して配設されている。したがって、例えば案内表示装置4では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報を、各導光板の主面に複数形成された凹部により表示させることができる。
【0064】
請求項3に記載の案内表示装置1及び5は、請求項1に従属し、表示部20は、主面に凹部又は凸部がマトリクス状に形成された導光板と、導光板の主面に積層して又は離間して配設され表示面により所定の情報を表示する表示板とから成ることを特徴としている。
【0065】
この様な請求項3に記載の案内表示装置1及び5によれば、例えば図27に示すように、一主面52bに「○□」から成る情報が表示面52fにより表示された表示板52、一主面54bに「矢印」から成る情報が表示面54fにより表示された表示板54及び該表示板54の順で、各表示板が隣接して配設されている。また、表示板52、表示板54及び該表示板54は、主面に凹部がマトリクス状に形成された導光板51、導光板53及び該導光板53の主面に積層されている。したがって、例えば案内表示装置5では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報を、各表示板に形成された印刷面により表示させることができる。
【0066】
請求項4に記載の案内表示装置1乃至6は、請求項1に従属し、複数の光源部10は、該光源部10毎に、点灯、点滅及び消灯することを特徴としている。
【0067】
この様な請求項4に記載の案内表示装置1乃至6によれば、例えば図10に示す案内表示装置1のように、制御部90の制御に基づき、「○□」から成る情報が表示された表示板52に対して、「矢印」から成る情報が隣接して2個設けられた導光板21を、交互に点滅させる等の制御を行うことにより、該「矢印」を用い、視認者に対して「○□」に相当する例えば駅の改札口やトイレの場所を効果的に報知することができる。また、例えば図29に示す案内表示装置6のように、「矢印」、「△◇」、「矢印」から成る情報が表示されている。また、「△◇」の両側に表示された「矢印」から成る情報は、互いに異なる方向を示している。ここで、例えば、案内表示装置6を駐車場に配設し、「△◇」から成る情報を「空車」とすることにより、「△◇」の両側に表示された「矢印」を用い、駐車場に入ってきた車両を適切な方向に誘導することができる。同様に、例えば、案内表示装置6をバス乗り場に配設し、「△◇」から成る情報を「名古屋行き」とすることにより、「△◇」の両側に表示された「矢印」を用い、バス乗り場に来た乗客を適切な乗り場に誘導することができる。
【0068】
請求項5に記載の案内表示装置1乃至6は、請求項1に従属し、複数の表示部20は、同一の情報又は異なる情報を表示していることを特徴としている。
【0069】
この様な請求項5に記載の案内表示装置1乃至6によれば、該案内表示装置1乃至6の仕様により、複数の表示部20に同一の情報又は異なる情報を表示して、該表示を効果的に報知することができる。具体的には、図1に示すように、例えば案内表示装置1では、「○□」、「矢印」、「矢印」から成る情報において、「矢印」を隣接して2個表示していることから、「○□」の位置に係る情報を強調することができる。
【0070】
請求項6に記載の案内表示装置1、2、3、4及び6は、請求項2に従属し、複数の表示部20の導光板は、主面の片側の一主面に表示された情報に対し、一主面に対向して形成された他主面に表示された情報が左右の方向に反転していること
を特徴としている。
【0071】
この様な請求項6に記載の案内表示装置1、2、3、4及び6によれば、該案内表示装置1、2、3、4及び6を異なる方向から視認した場合においても、同一の情報を表示することができる。
【0072】
請求項7に記載の案内表示装置1及び5は、請求項3に従属し、複数の表示部20の表示板は、導光板の主面の両側に積層され、且つ一の表示板に表示された情報に対し、他の表示板に表示された情報が左右の方向に反転していることを特徴としている。
【0073】
この様な請求項7に記載の案内表示装置1及び5によれば、該案内表示装置5を異なる方向から視認した場合においても、同一の情報を表示することができる。
【0074】
請求項8に記載の案内表示装置1乃至6は、請求項1に従属し、複数の表示部20は、透明性を有することを特徴としている。
【0075】
この様な請求項8に記載の案内表示装置1乃至6によれば、図2及び図3に示すように、例えば案内表示装置1を病院の廊下の天井から吊り下げて設置して用いている場合において、該案内表示装置1の表示部20越しに、廊下の壁面Kに掛けられた時計Tを視認することができる。
【0076】
請求項9に記載の案内表示装置1乃至6は、請求項1に従属し、遮光部30の遮光部材は、所定の反射率を有することを特徴としている。
【0077】
この様な請求項9に記載の案内表示装置1乃至6によれば、図9に示すように、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、隣り合う表示部20の導光板21又は導光板51において、互いの光が干渉することを防止することができる。さらに、遮光部材31、遮光部材32及び遮光部材33は、表示部20の導光板21又は導光板51において、側面から光が出射されることを防止し、該側面で光を反射させて主面から出射させることができる。
【符号の説明】
【0078】
1,2,3,4,5,6 案内表示装置、10 光源部、11 光源、12 基板、20 表示部、21,22,23,51,53 導光板、52,54,55 表示板、21a,22a,23a,51a, 53a 側面、21b,22b,23b,51b,52b,54b,55b 一主面、51d 他主面、21f,22f,23f,51c,51e 凹部、21g,22g,23g,51g,53g 穴、52f,54f,55f 表示面、21h,52h,54h,62h,63h,74h 貫通孔、30 遮光部、31,32,33 遮光部材、40,60,70 筐体部、41 筐体、41a 取付部、41i,61i,66i,72i ネジ溝、42 係留部材、61,71 吊下部材、61a,71a 取付部、62 第1保持部材、63 第2保持部材、64,67,75,69 固定部材、68 係留部材、65,76 密閉蓋、66 結合部材、66a 内面、72 保持部材、73 第1付勢部材、74 第2付勢部材、80 電源部、90 制御部、K 壁面、T 時計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源を設けた複数の光源部と、
前記光源部に隣接し、前記光源部の前記光源の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる複数の表示部と、
少なくとも隣り合う前記光源部の間及び隣り合う前記表示部の間に設けられ、光を遮光する遮光部材を設けた遮光部と、
前記光源部、前記表示部及び前記遮光部を保持する筐体を設けた筐体部とを有し、
複数の前記表示部は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表していること
を特徴とする案内表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、主面に形成された複数の凹部又は凸部により所定の情報を表示する導光板から成ること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、主面に凹部又は凸部がマトリクス状に形成された導光板と、前記導光板の前記主面に積層して又は離間して配設され表示面により所定の情報を表示する表示板とから成ること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。
【請求項4】
複数の前記光源部は、該光源部毎に、点灯、点滅及び消灯すること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。
【請求項5】
複数の前記表示部は、同一の情報又は異なる情報を表示していること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。
【請求項6】
複数の前記表示部の前記導光板は、前記主面の片側の一主面に表示された情報に対し、前記一主面に対向して形成された他主面に表示された情報が左右の方向に反転していること
を特徴とする請求項2に記載の案内表示装置。
【請求項7】
複数の前記表示部の前記表示板は、前記導光板の主面の両側に積層され、且つ一の前記表示板に表示された情報に対し、他の前記表示板に表示された情報が左右の方向に反転していること
を特徴とする請求項3に記載の案内表示装置。
【請求項8】
複数の前記表示部は、透明性を有すること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。
【請求項9】
前記遮光部の前記遮光部材は、所定の反射率を有すること
を特徴とする請求項1に記載の案内表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−3194(P2013−3194A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131096(P2011−131096)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000127857)株式会社エス・ケー・ジー (105)
【出願人】(300029307)株式会社ジェスコ (3)
【Fターム(参考)】