説明

案内装置、案内方法、コンピュータプログラム

【課題】時刻表にしたがって運行している交通システムを利用して目的地に向かう際のユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】案内装置200は、出発地から目的地までの経路情報を準備する経路準備部231a(100)と、時刻表情報を準備する時刻表準備部231b(180)と、現在位置情報を取得するための現在位置取得部201と、ユーザに携帯され、情報を出力することができる出力部202と、を備える。時刻管理部232は、ユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する第1の利用駅にユーザが到着する第1の予想到着時刻を、現在位置情報と、経路情報とに基づいて計算する。第1の予想到着時刻と経路情報と時刻表情報とに基づいて、ユーザが次に乗るべき輸送手段が第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を特定する。第1の利用駅および第1の出発時刻を出力部202に出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器を利用した経路案内の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、データ通信が可能な携帯電話を利用した経路案内が行われている。ある技術においては、ユーザは、携帯電話11のディスプレイ11cに表示された電車案内画面において、たとえば、出発駅、目的駅、希望到着時刻を入力する。電車案内サーバ21は、それらをキーとして、時刻表データベース22と乗り換えデータベース23から、電車情報を抽出し、携帯電話11に送信する。ユーザは、さらに、報知方法(画面、バイブ)とお知らせ時刻(3分前)を設定する。
【0003】
運行中、携帯電話11のCPU11aは、お知らせ時刻になると、報知方法に基づいて、振動制御プログラムに振動指令を行うとともに、ディスプレイ11cにお知らせ画面を表示する。また、お知らせ時刻から所定の時間前に、電車案内サーバ11に接続し、その電車情報に関する情報(例えば、積雪のため運行中止・・・)を取得してディスプレイ11に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−225712号公報
【0005】
しかし、上記の技術は、現にユーザが乗っている列車が遅れた場合や早まった場合には、次の駅への到着の3分前などの時刻に正確に予告を行うことができない。また、ユーザが、当初の予定を変更して、検索時に提示された列車に乗らなかった場合にも、役には立たない。このような問題は、列車に限らず、路線バス、定期連絡船、航空路線など、あらかじめ定められた時刻表にしたがって運行している交通システムを利用する場合に、広く存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に係る発明は、時刻表にしたがって運行している交通システムを利用して目的地に向かう際のユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、以下のような構成を備える案内装置を採用する。この案内装置は、
出発地から目的地までの経路であって、時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線を含む経路の位置を表す経路情報を準備する経路準備部と、
時刻表の情報である時刻表情報を準備する時刻表準備部と、
全地球測位システムを利用して、現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、
ユーザに携帯され、情報を出力することができる出力部と、
経路に含まれる路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する第1の利用駅にユーザが到着する第1の予想到着時刻を、現在位置情報と、経路情報とに基づいて計算し、第1の予想到着時刻と経路情報と時刻表情報とに基づいて、ユーザが次に乗るべき輸送手段が第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を特定し、第1の利用駅および第1の出発時刻を出力部に出力させる時刻管理部と、を備える。
【0008】
このような態様とすれば、実際の現在位置を反映させて、利用駅で次に乗るべき輸送手段の出発時刻をユーザに告知することができる。このため、ユーザが利用駅に向かって予定どおりに移動できなかった場合にも、その状況を反映して、輸送手段の出発時刻が告知される。よって、時刻表にしたがって運行している交通システムを利用する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【0009】
なお、ある構成要素がある情報を「準備する」とは、その構成要素がその情報を他の情報から自ら生成すること、その構成要素があらかじめその情報を保持しておりそれを提供すること、その構成要素が外部からその情報を入手し提供することなど、様々な態様を含む。また、「経路の位置」は、経路に含まれる複数の地点の位置を表すものとすることができる。
【0010】
なお、案内装置は、さらに、現在時刻を得ることができる時計部を含んでもよい。また、現在位置取得部が、全地球測位システムを利用して、現在時刻を表す現在時刻情報を取得することで、時計部として機能してもよい。
【0011】
また、現在位置取得部は、ユーザに携帯され、現在位置取得部の現在位置、すなわちユーザの現在位置を表す現在位置情報を取得することができるものとすることができる。
【0012】
また、第1の予想到着時刻を計算する際には、さらに、時刻表情報に基づいて第1の予想到着時刻を計算することもできる。そのような態様とすれば、途中の停車駅における停車時間や、通常の停車時間より長い通過列車の待ちあわせ時間などを、より正確に第1の予想到着時刻に反映することができる。
【0013】
また、案内装置は、さらに、少なくとも現在位置の周辺の地図を表す地図情報を準備する地図情報準備部を備えることができる。
そして、出力部は、画像を表示することができる表示部を備えることができる。
そのような態様において、時刻管理部は、地図情報と、経路情報と、現在位置情報とに基づいて、現在位置が含まれる地図と、現在位置が含まれる経路の少なくとも一部の位置と、現在位置と、を重ねて表示部に表示することが好ましい。
【0014】
このような態様とすれば、ユーザは、現在位置と第1の利用駅がどのような位置関係にあるかを、地図上の表示に基づいて確認しながら、目的地に移動することができる。
【0015】
なお、出力部は、音声と振動との少なくとも一方でユーザに注意を促すことができることが好ましい。
そして、時刻管理部は、第1の予想到着時刻から所定時間だけ前の時刻を経過した場合には、出力部を使用して音声と振動との少なくとも一方でユーザに注意を促すことが好ましい。
【0016】
このような態様とすれば、第1の利用駅への到着が早まったり遅れたりした場合にも、到着から一定の時間だけ前に、ユーザは第1の利用駅に近づいた旨を告知される。このため、第1の利用駅を利用するための準備を、余裕を持って行うことができる。また、不必要に早い時刻から第1の利用駅を利用するための準備をはじめてしまい、そのために第1の利用駅に到着する前の時間を不便に過ごす可能性も低減できる。
【0017】
また、時刻管理部は、第1の出発時刻を出力部に出力させた後、さらに以下の処理を行うことが好ましい。すなわち、
新たに取得された現在位置情報と経路情報とに基づいて、新たに第1の利用駅への第1の予想到着時刻を計算し、
新たに計算された第1の予想到着時刻と時刻表情報とに基づいて、ユーザが次に乗るべき輸送手段が第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を新たに計算し、
新たな第1の出発時刻を出力部に出力させる。
【0018】
このような態様とすれば、第1の出発時刻を出力部に出力させた後に、第1の利用駅への到着が遅れたり早まったりするなど、状況が変化した場合にも、その変化した状況に応じて適切な輸送手段の出発時刻を出力することができる。なお、このような処理は、繰り返し行われることが好ましい。
【0019】
なお、出力部によって第1の出発時刻が出力された後、現在位置と路線との少なくとも一方に関する所定の条件が満たされた場合には、以下の処理が行われることが好ましい。
経路準備部は、新たに取得された現在位置情報に基づく現在位置から目的地まで移動するための経路であって、路線を含む経路の位置を表す経路情報を新たに準備する。
時刻管理部は、
新たな経路情報の経路に含まれる路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する新たな第1の利用駅にユーザが到着する新たな第1の予想到着時刻を、新たな現在位置情報と新たな経路情報とに基づいて計算し、
新たな第1の予想到着時刻と新たな経路情報と時刻表情報とに基づいて、ユーザが次に乗るべき輸送手段が新たな第1の利用駅を出発する新たな第1の出発時刻を特定し、
新たな第1の利用駅および新たな第1の出発時刻を出力部に出力させる。
【0020】
このような態様とすれば、ユーザが予定どおりに移動せず、または、路線に何らかの異常が生じた場合にも、ユーザは、目的地に到達するための新たな経路において、次に乗るべき輸送手段が出発する利用駅、および輸送手段の出発時刻を知ることができる。
【0021】
なお、所定の条件は、さらに、ユーザが経路の再探索を指示したことを含むこともできる。また、ユーザの指示によらず、再探索が自動で行われる態様とすることもできる。さらに、所定の条件は、個々の下位の要件を「アンド」や「オア」で結合した条件とすることができる。
【0022】
なお、過去に準備した時刻表情報が、新たな第1の利用駅および新たな第1の予想到着時刻以降の十分な時間範囲についての情報を保持している場合には、過去に利用したものと同じ時刻表情報を使用して新たな第1の出発時刻を得ることができる。一方、過去に準備した時刻表情報が、新たな第1の利用駅の情報を保持していない場合や、新たな第1の予想到着時刻以降の十分な時間範囲についての情報を保持していない場合は、新たな第1の利用駅および現在時刻に基づいて、新たに時刻表情報を準備することが好ましい。
【0023】
新たな経路情報を準備する際の所定の条件は、経路上の一つの地点を含む所定の領域内に、所定の時間以上、現在位置が留まったことを含むことができる。
【0024】
このような態様とすれば、たとえば、ユーザが途中の停車駅で輸送手段を降りたり、ユーザが乗った輸送手段が何らかの原因で止まってしまった場合にも、ユーザは、目的地に到達するための新たな経路において、次に乗るべき輸送手段が出発する利用駅、および輸送手段の出発時刻を知ることができる。
【0025】
また、新たな経路情報を準備する際の所定の条件は、経路を含む所定の領域外に、現在位置が存在することを含むことができる。
【0026】
このような態様とすれば、たとえば、ユーザが経路からそれて寄り道をしたり、乗り換えを間違えたりした場合にも、ユーザは、目的地に到達するための新たな経路において、次に乗るべき輸送手段が出発する利用駅、および輸送手段の出発時刻を知ることができる。
【0027】
なお、案内装置は、さらに、経路に含まれる路線の少なくとも一部が利用不能である旨の事故情報を、外部から受けとることができる事故情報取得部を備えることが好ましい。そのような態様においては、上記の経路情報の再準備等を行う所定の条件は、事故情報取得部を介して上記の事故情報を受信したことを含むことができる。
そのような態様において、経路準備部は、新たな経路情報を準備する際に、新たに取得された現在位置情報と事故情報とに基づく、路線のうち利用不能である区間を含まない経路の位置を表す新たな経路情報を準備することが好ましい。
【0028】
このような態様とすれば、経路に含まれる路線の一部が使用不能となった場合にも、ユーザは、目的地に到達するための新たな経路において、次に乗るべき輸送手段が出発する利用駅、および輸送手段の出発時刻を知ることができる。
【0029】
また、出力部が、画像を表示することができる表示部を備える場合には、案内装置を以下のような態様とすることが好ましい。
時刻管理部は、
第1の出発時刻よりも後に第1の利用駅を出発する輸送手段であって、ユーザが次に乗るべき輸送手段の代替となりうる輸送手段の第1の利用駅からの出発時刻である第1の代替出発時刻を、第1の出発時刻と経路情報と時刻表情報とに基づいて計算し、
第1の代替出発時刻を第1の出発時刻とともに表示部に表示させ、
第1の出発時刻を第1の代替出発時刻よりも強調して表示させる。
【0030】
このような態様とすれば、ユーザは、次に乗るべき輸送手段の代替となりうる輸送手段の出発時刻を知ることができる。そして、同時に、ユーザは、次に乗るべき輸送手段の出発時刻を、代替輸送手段の出発時刻よりも強く印象づけられる。このため、ユーザは、予備的な情報を入手しつつ、より重要な、本来乗るべき輸送手段の情報をより強く意識することができる。
【0031】
なお、ある表示を他の表示よりも強調して表示する態様としては、たとえば、より大きな字で表示する、より太い線で描かれた文字で表示する、異なる色の文字で表示する、異なる背景を付す、などの態様を採用することができる。
【0032】
また、時刻管理部は、
第1の利用駅からユーザが乗るべき輸送手段が、経路において乗り換えのためにユーザが降りるべき第2の利用駅に到着する第2の予想到着時刻を、現在位置情報と、経路情報とに基づいて計算し、
第2の予想到着時刻と経路情報と時刻表情報とに基づいて、ユーザが乗り換えるべき輸送手段が第2の利用駅を出発する第2の出発時刻を特定し、
第2の利用駅および第2の出発時刻を出力部に出力させることが好ましい。
【0033】
このような態様とすれば、乗換駅としての第2の利用駅における輸送手段の出発時刻であって、実際の現在位置を反映した出発時刻を、ユーザは、知ることができる。
【0034】
また、出力部が、画像を表示することができる表示部を備える場合には、案内装置を以下のような態様とすることも好ましい。
時刻管理部は、
第1の利用駅と第2の利用駅の間にある駅であって、ユーザが次に乗るべき輸送手段が止まらない駅を表示せず、
第1の出発時刻とともに第1の利用駅を表示部に表示し、
第2の出発時刻とともに第2の利用駅を表示部に表示する。
【0035】
このような態様とすれば、重要性が低い通過駅の情報が表示部に表示されない。このため、表示部が小さい場合にも、ユーザが、第1の利用駅および第1の出発時刻、ならびに第2の利用駅および第2の出発時刻を、容易に把握することができる。
【0036】
なお、時刻管理部は、出力部に、第1の出発時刻を第2の出発時刻よりも強調して表示させることが好ましい。
【0037】
このような態様とすれば、ユーザは、乗り換えるべき輸送手段の出発時刻を知ることができる。そして、同時に、ユーザは、次に乗るべき輸送手段の出発時刻をより強く印象づけられる。このため、ユーザは、予備的な情報を入手しつつ、より重要な、次に乗るべき輸送手段の情報をより強く意識することができる。
【0038】
なお、出力部が、画像を表示することができる表示部を備える場合には、案内装置を以下のような態様とすることも好ましい。
経路準備部は、経路に含まれる路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が停まる停止駅と、その停止駅が、改札内に所定の設備を有しているか否かを表す駅設備情報を含む経路情報を準備する。
時刻管理部は、駅設備情報に基づいて、停止駅を表す表示とともに、停止駅が改札内に所定の設備を有している場合には、所定の表示を表示部に表示させる。
【0039】
このような態様とすれば、ユーザは、所定の設備を利用するために途中の停車駅で途中下車するか否かを、表示部の表示に基づいて決定することができる。なお、「改札内」とは、ユーザが、輸送手段から降りて、改札口を通過せずに自由に行き来できる領域内を意味する。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、案内方法、案内装置および案内システム、画像表示方法および画像表示装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】経路案内を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、地図サーバ150、時刻表サーバ170、運行管理サーバ180の情報のやりとりを示すチャート。
【図3】図2のステップS110以降で表示パネル202上に表示される画像の例SD1を示す図。
【図4】駅への予想到着時刻とこの先、乗るべき列車の発車時刻の表示とを更新する処理を示すフローチャート。
【図5】携帯電話200の主制御部210が行う到着予告の処理を示すフローチャート。
【図6】ルートの再検索を行うための処理を示すフローチャート。
【図7】図6のステップS720で経路データが再度生成された場合の、表示パネル202上に表示される画像の例SD2を示す図。
【図8】第2実施例において、携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の例SD3を示す図。
【図9】第3実施例において、携帯電話200の表示パネル202上において、地図上に表示される経路等の表示の左側に並べて表示される案内図SD4の表示を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路案内システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、運行管理サーバ180と、携帯電話200と、を含む。
【0042】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0043】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0044】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、音声、振動を出力する装置203,204を、まとめて「警告部」と呼ぶことがある。また、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0045】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
【0046】
コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0047】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。
【0048】
通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0049】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、経路案内(ルートガイド)を行うことができる。なお、経路データを入手する主制御部210の機能部を、図1において経路準備ユニット231として示す。また、経路データに基づいて経路案内を行う主制御部210の機能部を、図1において経路案内ユニット232として示す。
【0050】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、時刻表サーバ170、運行管理サーバ180および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0051】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータ(経路探索データ)を格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、時刻表サーバ170、運行管理サーバ180および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0052】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、道路の交差点や、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。交差点の属性情報は、ユーザがその交差点に進入するときに、そのユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき情報、たとえば、交差点で交わる各道路がどこに向かっているかを示す情報である。
【0053】
駅の属性情報は、その駅に列車の路線のうち何線が乗り入れているかを表す乗り入れ路線情報を含む。また、駅の属性情報は、列車の停車位置とその駅の階段の位置の関係を表す情報も含む。列車の停車位置の情報は、列車の車両数と対応づけて保持される。さらに、駅の属性情報は、その駅が、改札内にトイレを有するか否か、ならびに飲食店を有するか否か、の情報を含む。さらに、駅の属性情報は、その駅における乗り換えに要する時間の情報も含んでいる。
【0054】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。また、道路の区間のアークには、その道路の名称(国道1号線、県道30号線など)の情報が対応づけられている。そして、路線の区間のアークには、その路線の名称(山手線、中央線など)の情報が対応づけられている。
【0055】
また、道路の区間のアークには、その区間の距離の情報のほか、徒歩、自動車、および自転車で移動する場合のそれぞれの平均速度の情報も割り当てられている。路線の区間のアークには、その区間の距離の情報のほか、その区間を列車で移動する際の平均移動速度の情報も割り当てられている。この列車の平均移動速度の情報は、各駅停車の場合、急行の場合などの、1以上の情報が各アークに割り当てられている。
【0056】
各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。
【0057】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0058】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0059】
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、時刻表データベース176とを有している。通信部172は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。
【0060】
時刻表データベース176は、日本国内の列車の路線の時刻表のデータを格納している。制御部174は、経路探索サーバ100から受け取ったデータに基づいて、特定の駅、特定の路線、かつ特定の時刻近傍の列車の発車時刻の情報、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータ(以下、「時刻表原データ」と呼ぶ)を作成し、通信部152を介して経路探索サーバ100に送信する。
【0061】
運行管理サーバ180は、通信部182と、制御部184と、記憶部186とを有している。通信部182は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。また、通信部182は、図示しない専用回線を介して、列車の運行監視装置と通信を行うことができる。列車の運行監視装置は、たとえば、各路線の主要駅に設置されており、列車の実際の到着時刻、発車時刻、ならびに運休情報や事故の情報を含む運行管理データを運行管理サーバ180に送信する。運行管理サーバ180は、それらの情報に基づいて、列車事故が起こった位置や不通区間の情報を作成し、経路探索サーバ100に送信する。
【0062】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106を参照しつつ、地図サーバ150、時刻表サーバ170、運行管理サーバ180および携帯電話200から受け取った各データに基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成する。経路には、列車の路線の区間を含むことができる。このため、経路データには、たとえば、目的地に向かう際に列車に乗車すべき駅、乗車すべき列車の発車時刻、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報が含まれる。生成された経路データは、携帯電話200に送信され、携帯電話200において経路案内に使用される。
【0063】
A2.経路案内:
図2は、経路案内を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、地図サーバ150、時刻表サーバ170、運行管理サーバ180の情報のやりとりを示すチャートである。携帯電話200は、まず、ステップS105で、コマンド入力部206を介してユーザから出発地、経由地、目的地、検索条件などの入力を受けとる。そして、ユーザからルート検索の指示を受け取る。
【0064】
ユーザからルート検索の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、GPSユニット201から取得した現在位置情報と、時計部209から取得した現在時刻情報とともに、出発地、経由地、目的地、検索条件などの情報を、経路探索サーバ100に送信する。
【0065】
ステップS205では、経路探索サーバ100が、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地から経由地を経て目的地に至るルートを探索する。なお、このルートは、少なくとも一部において列車を利用するルートである。
【0066】
ステップS210では、経路探索サーバ100は、探索されたルートで利用する路線の区間(以下「利用区間」という)の情報を運行管理サーバ180に送信し、利用区間の運行状況を問い合わせる。
【0067】
ステップS405では、運行管理サーバ180は、保持しているすべての運行情報の中から、携帯電話から受け取った利用区間の運行状況を調べ、利用区間中に不通区間がないかどうかを決定する。不通区間とは、事故などによって列車が運行していないか、または大幅な遅延が生じている区間である。そして、運行管理サーバ180は、不通区間の有無の情報、および不通区間がある場合にはその区間の情報を含む運行情報を、経路探索サーバ100に返信する。
【0068】
利用区間中に不通区間があった場合には、経路探索サーバ100は、ステップS215で、不通区間を避けて、再度、ルートを探索する。そして、新たに探索されたルートの利用区間の情報を運行管理サーバ180に送信し、再び利用区間の運行状況を問い合わせる(ステップS210)。
【0069】
このステップS210,S405,S215の処理は、不通区間を含まないルートが見つかるまで行われる。なお、不通区間を含まないルートが決まらず、ステップS210,S405,S215が所定回数、繰り返された場合には、経路探索サーバ100は、ルート探索不能の旨を携帯電話200に返信する。
【0070】
ステップS220では、経路探索サーバ100は、決定された利用区間における出発駅、目的駅の情報、ならびに携帯電話200から受け取った現在時刻情報を時刻表サーバ170に送信して、利用すべき列車の情報を問い合わせる。
【0071】
ステップS305では、時刻表サーバ170は、時刻表データベース176を参照して、出発駅から目的駅までの利用区間において利用すべき1以上の列車を決定する。そして、それらの列車の路線名(山手線、中央線など)、車両数、乗車駅における乗車ホームおよび列車の停車位置、乗車駅における出発時刻、降車駅への到着時刻、降車駅における降車ホームおよび列車の停車位置、停車駅、停車駅における停車ホームおよび列車の停車位置、停車駅への到着時刻および出発時刻を決定する。
【0072】
また、ステップS305では、そのようにして決定された列車よりも後にその乗車駅を出発し、その列車の代替となりうる列車を決定する。そのような代替としての列車としては、本来乗るべき列車の出発時刻から、たとえば1時間以内に出発する列車が選択される。そして、それらの列車の路線名、車両数およびドアの位置、乗車駅における乗車ホームおよび列車の停車位置、乗車駅における出発時刻、降車駅への到着時刻、降車駅における降車ホームおよび列車の停車位置、停車駅、停車駅における停車ホームおよび列車の停車位置、停車駅への到着時刻および出発時刻も決定される。そして、それらの列車の情報は経路探索サーバ100に送信される。なお、これらの乗車すべき列車および代替列車の情報を、以下では「時刻表情報」と呼ぶことがある。
【0073】
ステップS225では、経路探索サーバ100は、利用区間において利用すべき1以上の列車の路線名、車両数およびドアの位置、乗車駅における乗車ホームおよび列車の停車位置、乗車駅における出発時刻、降車駅への到着時刻、降車駅における降車ホームおよび列車の停車位置、停車駅、停車駅における停車ホームおよび列車の停車位置、停車駅への到着時刻および出発時刻、ならびにステップS205またはS215で決定したルートに基づいて、経路データを生成する。生成された経路データは、出発地、経由地、目的地、検索条件などの情報とともに、経路探索サーバ100の記憶部106内に格納される。
【0074】
経路データは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。アーク情報は、さらに、緯度および経度の点列の情報を含む。また、経路データは、上述の時刻表情報を含む。なお、ノード情報とアーク情報とをまとめて「経路情報」と呼ぶことがある。
【0075】
なお、経路探索サーバ100は、時刻表サーバ150から受け取った各駅におけるホームおよび列車の停車位置の情報、および列車の車両数およびドアの位置、ならびに経路探索サーバ100の記憶部106内の経路ネットワークデータに含まれる列車の停車位置とその駅の階段の位置の関係を表す情報に基づいて、各駅の階段に最も近い車両およびドアを決定する。経路データには、そのようにして決定された、乗車駅、停車駅および降車駅の階段に最も近い車両およびドアの情報も、駅の属性情報の一部として含まれる。さらに、経路データには、経路において利用する各列車の路線の名称(山手線、中央線など)の情報も含まれる。
【0076】
ステップS225で経路探索サーバ100によって生成された経路データは、携帯電話200に送信される。携帯電話200は、その経路データを受信する。出発地、経由地、目的地、検索条件などの情報を、経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100から経路データを受け取る主制御部210の機能部は、経路準備ユニット231である(図1参照)。
【0077】
経路データは、上述のように、「時刻表情報」を含んでいる。経路データを入手する機能部としての経路準備ユニット231のうち、特に時刻表情報を入手する機能を果たす機能部を、図1において、時刻表準備ユニット231bとして示す。なお、これに対して「経路情報」(ノード情報とアーク情報)を入手する機能を果たす機能部を、図1において、経路情報準備ユニット231aとして示す。
【0078】
ステップS110では、携帯電話200の主制御部210は、経路データと、別途、地図サーバ150から取得された地図画像データとに基づいて、表示パネル202上にルートを描画する。そして、ユーザからのガイド開始の指示をコマンド入力部206を介して取得すると、ルートガイドを開始する。そして、ユーザが目的地に到着したらルートガイドを終了する。
【0079】
なお、地図サーバ150から地図画像データを入手する主制御部210の機能部を、図1において地図情報準備ユニット233として示す。また、経路データに基づいて経路案内を行う主制御部210の機能部は、経路案内ユニット232である(図1参照)。
【0080】
図3は、図2のステップS110以降で表示パネル202上に表示される画像の例SD1を示す図である。画像表示SD1は、携帯電話200の表示パネルにおいて、拡大および縮小して表示することが可能である。その際、地図画像の拡大、縮小によらず文字の大きさは一定である。画像表示SD1中の文字の大きさは、あらかじめ設定することができる。
【0081】
画像表示SD1においては、経路データのうちのノード情報に基づいて、出発地SP,出発駅Stb,停車駅Sts1,停車駅Sts2,乗換駅Stt1,目的駅Std,目的地PDが、地図画像上に示されている。
【0082】
また、画像表示SD1においては、経路データのうちのアーク情報に基づいて、区間S01(出発地SP〜出発駅Stb)、S02(出発駅Stb〜停車駅Sts1)、S03(停車駅Sts1,停車駅Sts2)、S04(停車駅Sts2〜乗換駅Stt1)、S05(乗換駅Stt1〜目的駅Std)、S06(目的駅Std〜目的地PD)が示されている。なお、列車の路線である区間S02〜S05は、太い実線で示す。一般の道路である区間S01,S06は、太い破線で示す。PPは、現在位置を示すアイコンである。
【0083】
出発地SPから目的地PDに至る経路のうち、区間S01は、徒歩で移動すべき区間である。同様に、区間S06も徒歩で移動すべき区間である。区間S02〜S05(図3において太い実線で示す)は、列車を利用する区間である。図3においては、4本の路線L01,L02,L03,L04が示されているが、そのうち、ルートガイドの経路で使用される区間は、路線L01のうちの利用区間Lu01と、路線L02のうちの利用区間Lu02である。
【0084】
なお、実際には、停車駅Sts1と停車駅Sts2の間に駅Stnが存在する。しかし、駅Stnには、ルートガイドが行われている経路で利用する予定の列車は、停車しない。このため、駅Stnは、画像表示SD1においては表示されない。なお、図3では、本実施例の理解を容易にするために、駅Stnを破線で示す。
【0085】
一方、ユーザが列車に乗り降りする駅Stb,Stt1,Stdおよび停車駅Sts1,Sts2は、画像表示SD1において表示される。このような態様とすることで、面積の小さい画面上においても、情報を分かりやすく表示することができる。
【0086】
出発駅Stb,停車駅Sts1,停車駅Sts2,乗換駅Stt1,目的駅Stdには、それぞれ駅の属性情報に基づいて、吹き出しB01〜B05が示される。
【0087】
出発駅Stbの吹き出しB01には、出発駅Stbの名前「A駅」と、A駅で乗るべき列車の出発時刻Td11と、その路線名(P駅)とホーム(1番ホームを表す「1番H」)の表示TLd1と、その次に利用できる代替候補としての列車の出発時刻Td12とが示されている。よって、ユーザは、A駅への到着が遅れた場合に、次の列車がいつ発車するのかを知ることができる。
【0088】
なお、携帯電話200は、上述のように、時刻表情報として、本来乗るべき列車の代替となりうる列車の情報を、本来乗るべき列車の出発時刻から1時間以内に出発する列車について、保持している。しかし、画像表示SD1においては、そのような代替列車のうち、最も出発時刻が速い列車1本の出発時刻の情報が表示される。このような態様とすることで、面積の小さい画面上においても、情報を分かりやすく表示することができる。なお、1時間以内に出発する代替列車がない場合には、画像表示SD1には、代替列車の出発時刻は表示されない。
【0089】
出発駅Stbの吹き出しB01には、その駅の改札内にトイレがあることを示すアイコンIc1と、その駅の改札内に飲食店があることを示すアイコンIc2と、が示されている。このような態様とすることで、ユーザは、駅において改札を通った後、改札を出ることなくトイレを利用できるか、そして、改札を出ることなく飲食店を利用できるか、を知ることができる。
【0090】
これらのアイコンIc1,Ic2の表示は、途中の乗換駅についても、改札内のトイレおよび飲食店の有無に応じてなされる(図3の吹き出しB04参照)。このため、ユーザは、乗り換え時間中にトイレに行くことができるか否かを知ることができる。また、これらのアイコンIc1,Ic2の表示は、途中の停車駅についてもなされる(吹き出しB03参照)。このため、ユーザは、途中の停車駅において下車して、改札を出ることなく、トイレや飲食店を利用することができるか否かを知ることができる。
【0091】
停車駅Sts1は、この経路において列車に乗り降りする駅ではない。このため、図3において、停車駅Sts1の吹き出しB02には、列車の出発時刻は示されていない。また、この駅には、改札内にトイレおよび飲食店が存在しない。このため、停車駅Sts1の吹き出しB02には、アイコンIc1,Ic2は示されていない。そして、停車駅Sts1の吹き出しB02には、駅名「B駅」と路線名「P線」が表示されている。
【0092】
乗換駅Stt1の吹き出しB04には、乗換駅Stt1の名前「D駅」と、A駅(出発駅Stb)から乗った列車の到着予定時刻Ta4と、その路線名(P線)とホーム(2番H)の表示TLa4と、D駅で乗るべき列車の出発時刻Td41と、その路線名(Q線)とホーム(3番H)の表示TLd4と、その次に利用できる代替候補としての列車の出発時刻Td42とが示されている。ユーザは、これらの表示に基づいて、乗換駅における列車の乗り継ぎの予定をあらかじめ知ることができる。このため、ユーザは、乗り継ぎの時間中にトイレや飲食店に行く時間があるかを知ることができる。さらに、D駅で乗るべき列車を1本乗り過ごした場合に、どの程度の遅れが生じるかを知ることができる。
【0093】
目的駅Stdの吹き出しB05には、D駅(乗換駅Stt1)から乗った列車の到着予定時刻Ta5と、その路線名(Q線)とホーム(1番H)の表示TLa5と、が示されている。ユーザは、この表示に基づいて、降車駅への到着時刻をあらかじめ知ることができる。
【0094】
図3の例においては、ユーザは、出発駅Stbに向かっている途中である(現在位置アイコンPP参照)。そして、出発駅Stbにおいて乗車すべき列車の出発時刻Td11が、他の列車の出発時刻Td12,Td41,Td42よりも大きく表示されている。このため、ユーザは、次に乗るべき列車の発車時刻を、画面表示から容易に知ることができる。
【0095】
携帯電話200の主制御部210は、たとえば3秒ごとなど、一定時間ごとにGPSユニット201を介して現在位置情報を取得し、現在位置アイコンPPを画面上に描き直す。
【0096】
図4は、駅への予想到着時刻とこの先、乗るべき列車の発車時刻の表示とを更新する処理を示すフローチャートである。図4の処理は、ルートガイドが行われている時間中に、主制御部210の経路案内ユニット232によって、繰り返し行われる。
【0097】
携帯電話200の主制御部210は、現在位置情報が更新されるたびに、現在位置と、ユーザが次に降車すべき駅との間の距離を計算する。次に降車すべき駅と現在位置の間の距離は、アークデータが含む区間の点列であって、次に降車すべき駅と現在位置の間に含まれる点列について、各点間の距離の和を計算することで得られる。なお、距離の計算に際しては、次に降車すべき駅と現在位置の間に含まれるすべての点について、各点間の距離の和を計算するのではなく、代表的な点についてのみ、点間の距離の和を計算してもよい。
【0098】
そして、その距離と、現在位置が含まれる区間の平均移動速度と、に基づいて、ユーザが次に降車すべき駅への到着時刻を計算する(図4のステップS505)。なお、利用区間内の各区間の平均移動速度の情報は、経路データのアーク情報に含まれる。そのようにして得られた予想到着時刻は、それまで表示パネル202に表示されていた予想到着時刻(図3のTa4参照)と置き換えて表示される。
【0099】
表示パネル202に最初に表示される予想到着時刻は、経路探索サーバ100および時刻表サーバ170を介して得られた、時刻表データベース176に基づく到着予定時刻(図3においてTa4)である。しかし、その後、予想到着時刻は、図4の処理によって、一定時間毎に更新される。このような態様とすることで、ユーザは、現実の状況に基づいた到着時刻を知ることができる。
【0100】
次に、携帯電話200の主制御部210は、ステップS510で、予想到着時刻に基づいて、乗換駅での乗り換えが可能であるか否かを判定する。より具体的には、乗換駅への予想到着時刻が、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻から、その乗換駅での乗り換えに要する時間を引いた時刻よりも遅いか否かを判定する。なお、乗換駅において乗り換えに要する時間の情報は、経路データの駅の属性情報に含まれる。
【0101】
ステップS510において、予想到着時刻が、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻から、その乗換駅での乗り換えに要する時間を引いた時刻と同じか、より早い場合には、処理は終了する。ステップS510において、予想到着時刻が、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻から、その乗換駅での乗り換えに要する時間を引いた時刻よりも遅い場合には、ステップS515で、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻を更新する。
【0102】
ステップS515では、具体的には、乗換駅で乗るべきであった列車の代替となりうる列車のうち、出発時刻が(予想到着時刻)+(乗り換えに要する時間)よりも後であって、その中で最も出発時刻が早いものを選択する。そして、その出発時刻を、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻とする。たとえば、図3の例では、遅れが5分であるとすると、出発時刻Td41の時刻が出発時刻Td42の時刻によって置き換えられる。そして、出発時刻Td42の時刻は、さらに出発時刻がその後であって、最も早い代替列車の出発時刻によって置き換えられる。また、同時に、乗るべき列車の路線およびホームの情報(図3のTLd4参照)も、時刻表情報に基づいて更新され、表示パネル202に表示される。
【0103】
さらに、乗換駅で乗るべき列車の出発時刻が更新されることに伴い、経路においてその乗換駅よりも下流側に位置する各乗車駅および降車駅における到着予定時刻(図3のTa5参照)、乗るべき列車の発車時刻(図3において存在せず)、路線、およびホーム、ならびに代替列車の発車時刻(図3において存在せず)が更新される。たとえば、図3において、D駅で乗るべき列車の出発時刻が17時27分から17時35分に更新された場合には、E駅における到着時刻は、その17時35分にD駅を出発する代替列車のE駅への到着時刻に更新される。
【0104】
なお、経路データには、時刻表情報として、各乗車駅において本来乗るべき列車の出発時刻から、1時間以内に出発する代替列車の情報が含まれている。上記の各到着時刻、発車時刻等の置き換えは、そのような代替列車の情報に基づいて行われる。一方、代替列車が存在しない場合には、後述する経路の再探索が行われる。
【0105】
以上のようにして、画像表示SD1においては、列車の出発時刻および到着時刻が一定時間ごとに更新される。このような態様とすることで、ユーザは、経路上の実際の状況に応じた、列車の到着時刻、および乗り換え列車の出発時刻および到着時刻を知ることができる。
【0106】
図5は、携帯電話200の主制御部210が行う到着予告の処理を示すフローチャートである。図5の処理も、ルートガイドが行われている時間中、主制御部210の経路案内ユニット232によって、現在位置情報の更新に応じて繰り返し行われる。携帯電話200の主制御部210は、上述のように、一定時間ごとに降車駅への予想到着時刻を更新する(ステップS605)。そして、ステップS610では、現在時刻が予想到着時刻のTp前よりも後であるか否かが判定される。Tpは予め設定された時間であり、たとえば、3分に設定されることができる。
【0107】
現在時刻が予想到着時刻のTp前よりも後でない場合には、一定時間待機した後、再びステップS610の処理を行う。一方、現在時刻が予想到着時刻のTp前よりも後である場合には、主制御部210は、ステップS610において、音声出力部203と振動機構204によって、ユーザに注意を促し、その後、処理を終了する。
【0108】
このような態様とすることで、ユーザは、たとえば、列車の中で眠っていたり、読書に集中している場合にも、携帯電話からの警告を受けることによって、降車に先立って荷物をまとめるなど、降車の準備をすることができる。
【0109】
また、実際の現在位置によらず、あらかじめ定められた時刻に降車の準備を開始すると、列車が予定よりも早く到着した場合には、降車の準備がせわしなくなるという不都合が生じる。また、列車が予定よりも遅れた場合には、たとえば、以下のような不都合が生じる。すなわち、列車が遅れているにもかかわらず、読んでいた本や使用していたゲーム機などをカバンにしまってしまい、列車が駅に到着するまで手持ちぶさたとなる。また、上着を着てしまい、列車の中で暑い思いをする。
【0110】
しかし、本実施例においては、実際の現在位置を考慮してユーザに到着の予告を発する時刻が決定される。このため、列車が駅に遅れて到着したり、早く到着したりする場合にも、ユーザは、それらの現実の状況に合わせて降車の準備を開始することができる。
【0111】
図6は、ルートの再検索を行うための処理を示すフローチャートである。図6の処理も、ルートガイドが行われている時間中に、主制御部210の経路案内ユニット232によって、繰り返し行われる。なお、主制御部210の経路案内ユニット232の指示によってルートの再検索を行うのは、主制御部210の経路情報準備ユニット231aである。
【0112】
ステップS705では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置が経路近傍の一定の範囲内に時間Ts以上留まったか否かが判定される。ステップS705における「経路近傍の所定の範囲」とは、たとえば、列車の路線上または駅内の一点から半径20mの円形の範囲とすることができる。また、Tsは、あらかじめ設定される時間であり、たとえば、10分とすることができる。さらに、ステップS705では、上述の列車の到着時刻および出発時刻の更新(図4参照)において、出発時刻を表示すべき代替列車が存在しないか否かも判定される。
【0113】
ステップS705において、現在位置が経路近傍の一定の範囲内に時間Ts以上留まった場合、または、列車の到着時刻および出発時刻の更新において代替列車が存在しない場合は、処理はステップS720に進む。その他の場合には、処理はステップS710に進む。
【0114】
たとえば、ユーザが乗っている列車が事故などにより10分以上、止まった場合には、処理はステップS705からステップS720に進むことになる。また、ユーザが降車駅ではない途中の停車駅(たとえば、図3のC駅)で下車してトイレに行って、その駅で次の列車を10分以上待っている場合などにも、処理はステップS705からステップS720に進むことになる。
【0115】
ステップS710では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置が経路近傍の所定の範囲から外れたか否かを判定する。ステップS710における「経路近傍の所定の範囲」とは、たとえば、経路に含まれる列車の路線または駅から20m内の領域とすることができる。この領域は、たとえば、経路に含まれる路線の左右20m以内の範囲である。ステップS710の判定結果がYesである場合には、処理はステップS720に進む。判定結果がNoである場合には、処理はステップS705に進む。
【0116】
ステップS710においては、たとえば、ユーザが途中の駅で下車して周辺を観光した場合や、乗り換えを間違えて違う方面の列車に乗った場合などは、判定結果がYesとなる。
【0117】
経路探索サーバ100は、一定時間ごとに運行管理サーバに利用区間の運行情報を問い合わせて、運行情報を受け取る(図2のステップS210参照)。ステップS715では、携帯電話200の主制御部210は、その運行情報を経路探索サーバ100から受け取って、その運行情報に基づいて、利用区間中に不通区間が存在するか否かを判定する。利用区間中に不通区間が存在する場合には、処理はステップS720に進む。その他の場合には、処理はステップS705に戻る。
【0118】
携帯電話200の主制御部210は、ルートガイドを行っている間、ステップS705,S710,S715の判定を、一定時間(たとえば3分)ごとに行う。
【0119】
ステップS720では、携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100に現在位置情報および現在時刻情報を送信し、ルートの再検索の指示を送信する。経路探索サーバ100は、受け取った現在位置情報と、記憶部106内に格納されている経由地、目的地、検索条件などの情報を使用して、再び経路データを生成する。以降の処理は、図2のステップS205以下の処理と同じである。
【0120】
ただし、新たに生成される経路データは、列車事故が起こった位置(以下「不通位置」という)を示す事故情報を含む。不通箇所の位置の情報は、運行管理サーバから提供される運行情報に基づいて得られる。経路データを入手する機能部としての経路準備ユニット231のうち、特に事故情報を入手する機能を果たす機能部を、図1において、事故情報準備ユニット231cとして示す。
【0121】
図7は、図6のステップS720で経路データが再度生成された場合の、表示パネル202上に表示される画像の例SD2を示す図である。図7の例においては、事故情報に基づいて、不通位置を示すアイコンAPが、示されている。区間S04(停車駅Sts2〜乗換駅Stt1)が不通区間である。
【0122】
図7の例では、C駅が停車駅から乗換駅に変わり(図7の駅Stt2参照)、新たにF駅(駅Stt3)が乗換駅として提示されている。そして、区間S07(乗換駅Stt2〜Stt3)、S08(乗換駅Stt3〜目的駅Std)を含む経路が太い線で提示されている。すなわち、経路において利用される利用区間が変更されている。路線L03のうち、区間S07が利用路線Lu03である。路線L04のうち、区間S08が利用路線Lu04である。
【0123】
そして、それぞれの駅の吹き出しB03b、B06,B05bにおいて、各駅における列車の路線名とホームの表示(TLa3,TLa6,TLa5b)、その到着時刻(Ta3,Ta6,Ta5b)、乗り換え列車の路線名とホームの表示(TLd3,TLd6)、その発車時刻(Td31,Td32,Td61,Td62)が示されている。
【0124】
また、区間S04,S05は、利用区間ではなくなったため、利用区間よりも細い線で表示されている。そして、D駅は、乗換駅でも停車駅でもなくなったため、示されない。ただし、図7においては、本実施例の理解を容易にするために、D駅(駅Stt1)を破線で示す。なお、一度、経路案内において示された駅は、引き続き画面に表示することとしてもよい。
【0125】
このような態様とすることで、ユーザが最初に提示された経路に従って移動しない場合や、最初に提示された経路に従って移動できない場合など、状況が大きく変わった場合にも、その状況に合わせて、新たに経路を探索し、ユーザに提示することができる。
【0126】
B.第2実施例:
第1実施例では携帯電話200の表示パネル202において、経路に含まれる各区間、各駅の表示、ならびに列車の到着時刻、出発時刻等が、地図上に表示される(図3、および図7参照)。しかし、第2実施例では、経路に含まれる各区間、各駅の表示、ならびに列車の到着時刻、出発時刻等は、地図の上に表示されず、案内図として表示される。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0127】
図8は、第2実施例において、携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の例SD3を示す図である。画像表示SD3では、出発地のアイコンSP(図3参照)に代えて、ブロックB20が表示される。また、目的地のアイコンPDに代えてブロックB26が表示される。そして、出発駅、目的駅、および停車駅のアイコンおよび吹き出しに代えて、ブロックB21〜B25が表示される。なお、図8においても、通過駅に対応するブロックは表示されない。
【0128】
ブロックB21〜B25は、出発地のブロックB20と目的地のブロックB26との間において直線的に配される。ブロックB21〜B25は、第1実施例の吹き出しB01〜B05に相当する表示を含む。図8において、図3で使用されている符号と同じ符号が付されている要素は、図3の要素と同じ要素である。
【0129】
なお、図8の画面表示SD3が携帯電話200の表示パネル202上に収まりきらない場合には、表示パネル202上に画面表示SD3の一部を表示し、他の部分については、スクロールして表示させることもできる。
【0130】
図8に示される到着時刻(Ta4,Ta5参照)および出発時刻(Td11,Td41,Td42参照)等の情報、ならびに経路そのものの情報は、第1実施例と同様の処理で更新される(図4、および図6参照)。
【0131】
このような態様としても、ユーザは、実際の状況に応じた到着時刻、および乗車すべき列車の発車時刻を知ることができる。また、第2実施例の態様は、第1実施例に比べて画面上の表示情報が少ない。このため、ユーザは、到着時刻、および乗車すべき列車の発車時刻を容易に知ることができる。
【0132】
C.第3実施例:
第1実施例では携帯電話200の表示パネル202において、経路に含まれる各区間、各駅の表示、ならびに列車の到着時刻、出発時刻が、地図上に表示される(図3のSD1、および図7のSD2参照)。第3実施例においては、その地図上に表示される経路等の表示と並べて、各駅までの所要時間が示された案内図が表示される。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0133】
図9は、第3実施例において、携帯電話200の表示パネル202上において、地図上に表示される経路等の表示(図3のSD1、および図7のSD2参照)の左側に並べて表示される案内図SD4の表示を示す図である。すなわち、第3実施例では、携帯電話200の表示パネル202上において、画像SD1と画像SD4が並べて表示される。
【0134】
画像表示SD4では、目的地を表すブロックB46が表示される。そして、出発駅、目的駅、および停車駅を表すブロックB41〜B45が表示されている。なお、図9においても、通過駅に対応するブロックは表示されない。
【0135】
ブロックB41〜B46は、直線的に配される。ブロックB41〜B46は、各駅および目的地までの距離Lr2〜Lr6と所要時間Tr2〜Tr6を示す。各駅および目的地までの距離および所要時間は、経路データに含まれるアーク情報と、目的駅のノード情報、ならびにユーザによって指定された目的地の情報と、に基づいて、計算される。
【0136】
各駅および目的地までの距離および所要時間は、現在位置情報が更新されるたびに更新される(図4参照)。そして、各駅および目的地までの距離および所要時間は、再探索が行われるたびに更新される(図6参照)。
【0137】
第3実施例のような態様とすることで、ユーザは、各駅および目的地に到着するまでに、あとどのくらいの時間および労力を要するのかを直感的に把握することができる。そして、状況が変わるのに応じて各駅および目的地までの距離および所要時間が更新されるため、常に正確な情報を得ることができる。
【0138】
なお、図9の例では、現在位置はA駅とB駅の間であることを想定している。このため、すでに通過した出発地点およびA駅に相当するブロックは表示されない。このような態様とすることで、ユーザは、現在位置を起点として直感的に残りの道程の距離および所要時間を把握することができる。なお、通過済みの駅や出発地点を、目的地に到着するまで表示する態様とすることもできる。
【0139】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0140】
D1.変形例1:
上記実施例で示した現在位置情報の更新時間間隔(3秒)、再探索の時間間隔(10分)、代替列車を決定する時間範囲(1時間)等の時間は、いずれも例示であり、各時間の大きさはそれらよりも大きくすることができ、小さくすることができる。
【0141】
同様に、上記実施例において、再探索の判断基準として示した路線および駅の近傍の範囲(20mの範囲)は、例示であり、近傍の範囲の大きさはそれらよりも大きくすることができ、小さくすることができる。
【0142】
また、地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0143】
また、上記実施例では、図3の画像表示SD1,図7の画像表示SD2において、文字の大きさは地図画像の拡大縮小によらず一定である。しかし、画像表示中の文字の一部または全部が、地図画像の拡大や縮小に応じて拡大、縮小される態様とすることもできる。
【0144】
D2.変形例2:
上記実施例では、区間の平均速度の情報を使用して、ユーザが次に降車すべき駅への到着時刻を計算する。しかし、ユーザが次に降車すべき駅への到着時刻は、他の方法で計算してもよい。
【0145】
たとえば、主制御部210の経路案内ユニット232は、列車が停車駅に停車するたびに、図4の処理を実行する。そして、ステップS505では、主制御部210は、経路データにあらかじめ格納されている停車駅への到着時刻(以下、「到着予定時刻」という)と、実際に列車が停車駅に到着した時刻(以下、「実到着時刻」という)とを比較する。そして、停車駅への到着予定時刻とその停車駅への実到着時刻の差に基づいて、経路データにあらかじめ格納されている降車駅への到着時刻(図3のTa4参照)を修正する。
【0146】
そのようにして得られた修正後の予想到着時刻は、それまで表示パネル202に表示されていた予想到着時刻(図3のTa4参照)と置き換えて表示される。その後の処理は、第1実施例と同じである。このような態様としても、予想到着時刻および乗換駅で乗るべき列車の出発時刻を、現実の状態を反映して更新することができる。
【0147】
なお、このような処理は、停車駅の出発時刻に基づいて行うこともできる。さらに、そのような停車駅への実際の到着時刻および停車駅からの実際の出発時刻に基づく処理は、図6の降車駅への到着予告についても行うことができる(図6のステップS605参照)。
【0148】
さらに、上記の処理は、通過駅についても行われてもよい。すなわち、図2のステップS305では、時刻表サーバ170は、時刻表データベース176を参照して、通過駅の通過時刻を計算し、「時刻表情報」の一部として経路探索サーバ100に送信する。その通過駅の通過時刻の情報は、経路データの一部として、経路探索サーバ100から携帯電話200に送信される。主制御部210の経路案内ユニット232は、列車が通過駅を通過するたびに、経路データにあらかじめ格納されている通過駅の通過時刻と、実際に列車が通過駅を通過した時刻との差に基づいて、降車駅への到着時刻を修正し、表示する(図4のステップS505、および図5のステップS605参照)。
【0149】
上記実施例では、経路ネットワークデータのアーク情報が、各駅停車の場合、急行の場合などの1以上の平均移動速度を備えている。しかし、経路ネットワークデータのアーク情報がそのような平均移動速度を備えていない態様とすることもできる。そのような態様としても、本変形例のような態様とすれば、実際の現在位置と経路情報とに基づいて、降車駅への到着時刻を更新することができる。
【0150】
D3.変形例3:
上記第3実施例では、図9の表示SD4が図3の表示SD1の左隣に表示される。しかし、第1ないし第3実施例の各表示SD1(SD2),SD3,SD4は、任意の組み合わせおよび配置で携帯端末の表示部上に表示することができる。
【0151】
D4.変形例4:
各駅への到着時刻が変更された結果、利用する列車が変更になったり、利用する路線が変更された結果、利用する列車が変更になったりした場合には、案内装置としての携帯電話は、変更後の列車のチケットを購入できるシステムのサーバにアクセスする態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、乗換駅に到着する前に予めチケットを購入することができる。
【0152】
D5.変形例5:
上記実施例では、駅の改札内にトイレやレストランがある旨の表示が行われる(図3および図7参照)。しかし、案内装置がユーザに提示する駅の情報はこれらに限られない。たとえば、案内装置は、乗車駅、降車駅、停車駅において、改札内におみやげ屋があるか否か、コンビニエンスストアがあるか否か、各ホームにキオスクや自動販売機があるか否かを表示する態様とすることもできる。すなわち、案内装置は、改札内にユーザが利用することができる所定の設備を有しているか否かを、ユーザに提示する態様とすることができる。
【0153】
D6.変形例6:
上記実施例においては説明していないが、各吹き出し(図3および図7のB01〜B06など)内の各表示や、ブロック(図8および図9のB20〜B26,B42〜B46)内の各表示は、携帯電話200のカーソルキー206bで順に選択することができる。
【0154】
たとえば、駅名にカーソルを合わせて選択し、決定キーを押すなどして選択を確定した場合に、駅の設備(おみやげ屋、コンビニ、飲食店など)の有無の情報や乗り入れ路線の情報を表示する態様とすることもできる。すなわち、駅の属性情報は、所定の操作を行う前に表示されるものと、所定の操作を行った後に表示されるものと、に分けて表示することができる。
【0155】
また、路線にカーソルを合わせ、決定キーを押して選択を確定した場合に、列車のホームの番号や階段に最も近い車両の番号を表示するようにすることもできる。すなわち、列車の属性情報は、所定の操作を行う前に表示されるものと、所定の操作を行った後に表示されるものと、に分けて表示することができる。
【0156】
D7.変形例7:
大幅な遅延があった場合などに経路を再探索する場合には(図6のS705参照)、過去に準備された経路の情報を利用して、経路は変更せずに、その路線の利用駅に到着する再探索予想到着時刻、およびその利用駅を輸送手段が出発する再探索出発時刻を特定する態様としてもよい。また、経路そのものを再度、探索する態様とすることもできる。
【0157】
D8.変形例8:
上記実施例においては、ユーザに情報を提供する出力部は、表示パネル202、音声出力部203、および振動機構204として構成される(図1参照)。しかし、出力部は、印刷物の形で情報を出力したり、点字を構成する凹凸で情報を出力するものとすることもできる。出力部は、画像、音声、触覚、振動等の何らかの形でユーザに情報を提供することができるものであればよい。
【0158】
D9.変形例9:
上記実施例では、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信して現在位置を特定するシステムが使用されている。案内装置の構成要素としての現在位置取得部は、現在位置を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0159】
D10.変形例10:
上記実施例では、駅と駅の間の一つの区間に、一つの平均移動速度が割り当てられている。しかし、駅と駅の間の区間は、より細かい小区間に分けられていてもよい。そして、それらの区間ごとに平均移動速度や距離、移動に要する平均時間などの情報が割り当てられていてもよい。
【0160】
D11.変形例11:
上記実施例では、経路に列車の路線を含む例を説明した。しかし、本発明は、列車以外にも、路線バス、定期連絡船、航空機など様々な路線を経路に含む場合の経路案内に適用することができる。すなわち、経路に含まれる路線は、「時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線」であればよい。
【0161】
ここで、「輸送手段」は、その運行予定と対応づけられた概念である。すなわち、「8時21分に名古屋駅を出発し、東京方面に向かう列車」が「輸送手段」の例である。この場合、たとえば、「東海道新幹線」が「路線」の例である。
【0162】
また、上記実施例では、目的地に至る経路において、ユーザがある列車から他の列車に乗り換える態様について説明した。しかし、乗り換えは、列車からバス、徒歩から列車など、異なる種類の交通手段に乗り換える態様で行われてもよい。すなわち、経路案内システムは、「ユーザが次に乗るべき輸送手段」が出発する駅およびその出発時刻をユーザに示すことができるものであればよい。
【0163】
ここで、「ユーザが次に乗るべき輸送手段」とは、「現時点で利用している手段(たとえば、徒歩、自転車、自動車、または他の列車、船舶もしくは航空機など)をやめて、次に利用すべき輸送手段」を意味する。そして、「ユーザが次に乗るべき輸送手段」の前に利用する移動手段は、時刻表に従って運行されている必要はなく、たとえば、徒歩、自転車、自動車などであってもよい。また、それらの時刻表によらない移動手段を利用する場合にも、駅への到着時刻は、現在位置および経路情報に含まれる平均移動速度や平均所要時間に基づいて計算することができる。
【0164】
また、「輸送手段が出発する駅」とは、「輸送手段の始発駅」を限定的に意味するものではない。「輸送手段が出発する駅」とは、輸送手段がその駅よりも前に他の駅に止まったか否かを問わず、その駅からその輸送手段が出発する駅を意味する。すなわち、「輸送手段が出発する駅」は、「輸送手段が他の駅から到着し、その後、出発する駅」と「輸送手段の始発駅」との両方を含む概念である。
【0165】
D12.変形例12:
上記実施例においては、経路案内システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、運行管理サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットおよびディスプレイを備える携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。さらに、携帯端末に、時刻表サーバ170の機能を備えることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、時刻表サーバ170と、運行管理サーバ180とは、同じサーバであってもよい。
【0166】
すなわち、案内装置としての経路案内システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、案内装置としての経路案内システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路情報を生成する機能、地図情報を生成する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0167】
D13.変形例13:
本発明に係る案内装置は、たとえば、第1実施例の携帯電話200のような携帯端末として把握することができる。そのような携帯端末は、処理に使用される各情報を外部から入手することによって準備する(図1の経路準備ユニット231、地図情報準備ユニット233参照)。
【0168】
たとえば、そのような携帯端末においては、主制御部は、経路情報を、外部のサーバ100から入手することによって準備する(図1の経路情報準備ユニット231a参照)。また、主制御部は、駅への到着時刻近傍の時間におけるその駅の時刻表情報を、外部のサーバ170からサーバ100を介して入手することによって準備する(同、時刻表準備ユニット231b参照)。さらに、主制御部は、現在位置周辺の地図情報を、外部のサーバ150から入手することによって、準備する(同、地図情報準備ユニット233参照)。そして、主制御部は、路線の事故情報を、外部のサーバ180からサーバ100を介して入手することによって、準備する(同、事故情報準備ユニット231c参照)。すなわち、各情報を準備する機能は、携帯端末の主制御部の機能部が、通信部を制御して実現する。
【0169】
一方、本発明に係る案内装置は、たとえば、第1実施例の経路案内システム全体として把握することもできる。そのような案内装置においては、処理に使用される情報を、案内装置の各構成要素が自ら保持している情報に基づいて生成することができる。たとえば、全体の地図画像から現在位置周辺の地図画像を切り出す、図1の地図サーバ150がこれに相当する。また、処理に使用される情報を、外部から入手した情報と自ら保持している情報とに基づいて生成することができる。たとえば、経路探索サーバ100や運行管理サーバ180がこれに相当する。さらに、処理に使用される情報を、案内装置の各構成要素が自ら保持していてもよい。
【0170】
D14.変形例14:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0171】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0172】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0173】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【0174】
11…ディスプレイ
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
170…サーバ
170…時刻表サーバ
172…通信部
174…制御部
176…時刻表データベース
180…運行管理サーバ
182…通信部
184…制御部
186…記憶部
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
220…通話制御部
AP…不通位置を示すアイコン
INT…インターネット
Ic1…トイレがあることを示すアイコン
Ic2…飲食店があることを示すアイコン
Lr2…B駅までの距離
Lr3…C駅までの距離
Lr4…D駅までの距離
Lr5…E駅までの距離
Lr6…目的地までの距離
PD…目的地を示すアイコン
PP…現在位置を示すアイコン
S01〜S07…区間
SD1,SD3,SD4…画像表示
SP…出発地を示すアイコン
Stb…出発駅
Std…目的駅
Stn…経路において乗るべき列車が停車しない駅
Stt1,Stt2,Stt3…乗換駅
Sts1,Sts2…停車駅
Ta4,Ta5…到着予定時刻
Td11,Td41…乗るべき列車の出発時刻
Td12,Td42…代替列車の出発時刻
Lr2…B駅までの所要時間
Lr3…C駅までの所要時間
Lr4…D駅までの所要時間
Lr5…E駅までの所要時間
Lr6…目的地までの所要時間
Ts…駅への到着を予告する時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内装置であって、
出発地から目的地までの経路であって、時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線を含む経路の位置を表す経路情報を準備する経路準備部と、
前記時刻表の情報である時刻表情報を準備する時刻表準備部と、
全地球測位システムを利用して、現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、
ユーザに携帯され、情報を出力することができる出力部と、
前記経路に含まれる前記路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する第1の利用駅に前記ユーザが到着する第1の予想到着時刻を、前記現在位置情報と、前記経路情報とに基づいて計算し、前記第1の予想到着時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を特定し、前記第1の利用駅および前記第1の出発時刻を前記出力部に出力させる時刻管理部と、を備える、案内装置。
【請求項2】
請求項1記載の案内装置であって、さらに、
少なくとも前記現在位置の周辺の地図を表す地図情報を準備する地図情報準備部を備え、
前記出力部は、画像を表示することができる表示部を備え、
前記時刻管理部は、前記地図情報と、前記経路情報と、前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置が含まれる地図と、前記現在位置が含まれる前記経路の少なくとも一部の位置と、前記現在位置と、を重ねて前記表示部に表示する、案内装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の案内装置であって、
前記出力部は、音声と振動との少なくとも一方で前記ユーザに注意を促すことができ、
前記時刻管理部は、前記第1の予想到着時刻から所定時間だけ前の時刻を経過した場合には、前記出力部を使用して音声と振動との少なくとも一方で前記ユーザに注意を促す、案内装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の案内装置であって、
前記時刻管理部は、前記第1の出発時刻を前記出力部に出力させた後、
新たに取得された現在位置情報と前記経路情報とに基づいて、新たに前記第1の利用駅への第1の予想到着時刻を計算し、
前記新たに計算された第1の予想到着時刻と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を新たに計算し、
前記新たな第1の出発時刻を前記出力部に出力させる、案内装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の案内装置であって、
前記出力部によって前記第1の出発時刻が前記出力された後、前記現在位置と前記路線との少なくとも一方に関する所定の条件が満たされた場合に、
前記経路準備部は、新たに取得された現在位置情報に基づく現在位置から目的地まで移動するための経路であって、前記路線を含む経路の位置を表す経路情報を新たに準備し、
前記時刻管理部は、
前記新たな経路情報の経路に含まれる路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する新たな第1の利用駅に前記ユーザが到着する新たな第1の予想到着時刻を、前記新たな現在位置情報と前記新たな経路情報とに基づいて計算し、
前記新たな第1の予想到着時刻と前記新たな経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記新たな第1の利用駅を出発する新たな第1の出発時刻を特定し、
前記新たな第1の利用駅および前記新たな第1の出発時刻を前記出力部に出力させる、案内装置。
【請求項6】
請求項5記載の案内装置であって、
前記所定の条件は、前記経路上の一つの地点を含む所定の領域内に、所定の時間以上、前記現在位置が留まったことを含む、案内装置。
【請求項7】
請求項5記載の案内装置であって、
前記所定の条件は、前記経路を含む所定の領域外に、前記現在位置が存在することを含む、案内装置。
【請求項8】
請求項5記載の案内装置であって、さらに、
前記経路に含まれる前記路線の少なくとも一部が利用不能である旨の事故情報を、外部から受けとることができる事故情報取得部を備え、
前記所定の条件は、前記事故情報取得部を介して前記事故情報を受信したことを含み、
前記経路準備部は、前記新たな経路情報を準備する際に、前記新たに取得された現在位置情報と前記事故情報とに基づく、前記路線のうち前記利用不能である区間を含まない前記経路の位置を表す前記新たな経路情報を準備する、案内装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の案内装置であって、
前記出力部は、画像を表示することができる表示部を備え、
前記時刻管理部は、
前記第1の出発時刻よりも後に前記第1の利用駅を出発する輸送手段であって、前記ユーザが次に乗るべき前記輸送手段の代替となりうる輸送手段の前記第1の利用駅からの出発時刻である第1の代替出発時刻を、前記第1の出発時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて計算し、
前記第1の代替出発時刻を前記第1の出発時刻とともに前記表示部に表示させ、
前記第1の出発時刻を前記第1の代替出発時刻よりも強調して表示させる、案内装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の案内装置であって、
前記時刻管理部は、
前記第1の利用駅から前記ユーザが乗るべき前記輸送手段が、前記経路において乗り換えのためにユーザが降りるべき第2の利用駅に到着する第2の予想到着時刻を、前記現在位置情報と、前記経路情報とに基づいて計算し、
前記第2の予想到着時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが乗り換えるべき輸送手段が前記第2の利用駅を出発する第2の出発時刻を特定し、
前記第2の利用駅および前記第2の出発時刻を前記出力部に出力させる、案内装置。
【請求項11】
請求項10記載の案内装置であって、
前記出力部は、画像を表示することができる表示部を備え、
前記時刻管理部は、
前記第1の利用駅と前記第2の利用駅の間にある駅であって、前記ユーザが次に乗るべき前記輸送手段が止まらない駅を表示せず、
前記第1の出発時刻とともに前記第1の利用駅を前記表示部に表示し、
前記第2の出発時刻とともに前記第2の利用駅を前記表示部に表示する、案内装置。
【請求項12】
請求項10記載の案内装置であって、
前記時刻管理部は、前記出力部に、前記第1の出発時刻を前記第2の出発時刻よりも強調して表示させる、案内装置。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれかに記載の案内装置であって、
前記出力部は、画像を表示することができる表示部を備え、
前記経路準備部は、前記経路に含まれる前記路線において前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が停まる停止駅と、前記停止駅が、改札内に所定の設備を有しているか否かを表す駅設備情報を含む前記経路情報を準備し、
前記時刻管理部は、前記駅設備情報に基づいて、前記停止駅を表す表示とともに、前記停止駅が改札内に前記所定の設備を有している場合には、所定の表示を前記表示部に表示させる、案内装置。
【請求項14】
出発地から目的地まで移動するための案内方法であって、
(a)出発地から目的地までの経路であって、時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線を含む経路の位置を表す経路情報を準備する工程と、
(b)前記時刻表の情報である時刻表情報を準備する工程と、
(c)全地球測位システムを利用して、現在位置を表す現在位置情報を取得する工程と、
(d)前記経路に含まれる前記路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する第1の利用駅に前記ユーザが到着する第1の予想到着時刻を、前記現在位置情報と、前記経路情報とに基づいて計算し、前記第1の予想到着時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を特定し、前記第1の利用駅および前記第1の出発時刻を、前記ユーザに知らせる工程と、を備える、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、さらに、
(e)前記第1の予想到着時刻から所定時間だけ前の時刻を経過した場合に、音声と振動との少なくとも一方で前記ユーザに注意を促す工程を含む方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法であって、さらに、
(f)前記工程(d)の後、
新たに取得された現在位置情報と前記経路情報とに基づいて、新たに前記第1の利用駅への第1の予想到着時刻を計算し、
前記新たに計算された第1の予想到着時刻と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を新たに計算し、
前記新たな第1の出発時刻を前記ユーザに知らせる工程を含む方法。
【請求項17】
請求項14ないし16のいずれかに記載の方法であって、さらに、
(g)前記工程(d)の後、前記現在位置と前記路線との少なくとも一方に関する所定の条件が満たされた場合に、
新たに取得された現在位置情報に基づく現在位置から目的地まで移動するための経路であって、前記路線を含む経路の位置を表す経路情報を新たに準備し、
前記新たな経路情報の経路に含まれる路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する新たな第1の利用駅に前記ユーザが到着する新たな第1の予想到着時刻を、前記新たな現在位置情報と前記新たな経路情報とに基づいて計算し、
前記新たな第1の予想到着時刻と前記新たな経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記新たな第1の利用駅を出発する新たな第1の出発時刻を特定し、
前記新たな第1の利用駅および前記新たな第1の出発時刻を前記ユーザに知らせる工程を含む、方法。
【請求項18】
請求項14ないし17のいずれかに記載の方法であって、さらに、
(h)前記第1の出発時刻よりも後に前記第1の利用駅を出発する輸送手段であって、前記ユーザが次に乗るべき前記輸送手段の代替となりうる輸送手段の前記第1の利用駅からの出発時刻である第1の代替出発時刻を、前記第1の出発時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて計算する工程と、
(i)前記第1の代替出発時刻を前記第1の出発時刻とともに表示する工程であって、前記第1の出発時刻を前記第1の代替出発時刻よりも強調して表示する工程と、を備える方法。
【請求項19】
請求項14ないし18のいずれかに記載の方法であって、さらに、
(j)前記第1の利用駅から前記ユーザが乗るべき前記輸送手段が、前記経路において乗り換えのためにユーザが降りるべき第2の利用駅に到着する第2の予想到着時刻を、前記現在位置情報と、前記経路情報とに基づいて計算し、
前記第2の予想到着時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが乗り換えるべき輸送手段が前記第2の利用駅を出発する第2の出発時刻を特定し、
前記第2の利用駅および前記第2の出発時刻を前記ユーザに知らせる工程を含む方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、
前記工程(d)および(j)における、利用駅および出発時刻のユーザへの告知は、
前記第1の利用駅と前記第2の利用駅の間にある駅であって、前記ユーザが次に乗るべき前記輸送手段が止まらない駅を表示せず、
前記第1の出発時刻とともに前記第1の利用駅を表示し、
前記第2の出発時刻とともに前記第2の利用駅を表示することによって行われる、方法。
【請求項21】
請求項19記載の方法であって、
前記工程(d)および(j)においては、前記第1の出発時刻が前記第2の出発時刻よりも強調して表示される、方法。
【請求項22】
請求項14ないし20のいずれかに記載の方法であって、
前記工程(a)は、前記経路に含まれる前記路線において前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が停まる停止駅が、改札内に所定の設備を有しているか否かを表す駅設備情報を含む前記経路情報を準備する工程であり、
前記方法は、さらに、
(k)前記駅設備情報に基づいて、前記停止駅を表す表示とともに、前記停止駅が改札内に前記所定の設備を有している場合には、所定の表示を行う工程を含む方法。
【請求項23】
出発地から目的地まで移動するためのコンピュータプログラムであって、
ユーザに携帯され情報を出力することができる出力部と、全地球測位システムを利用して現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、前記出力部および前記現在位置取得部を制御する制御部と、を備える案内装置において実行されることによって、
出発地から目的地までの経路であって、時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線を含む経路の位置を表す経路情報を準備する機能と、
前記時刻表の情報である時刻表情報を準備する機能と、
前記経路に含まれる前記路線においてユーザが次に乗るべき輸送手段が出発する第1の利用駅に前記ユーザが到着する第1の予想到着時刻を、前記現在位置情報と、前記経路情報とに基づいて計算し、前記第1の予想到着時刻と前記経路情報と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を特定し、前記第1の利用駅および前記第1の出発時刻を、前記ユーザに知らせる機能と、を案内装置に実現させることができる、コンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項23記載のコンピュータプログラムであって、
前記出力部は、音声と振動との少なくとも一方で前記ユーザに注意を促すことができ、
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記第1の予想到着時刻から所定時間だけ前の時刻を経過した場合には、前記出力部を制御して音声と振動との少なくとも一方で前記ユーザに注意を促すことができる、コンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項23または24に記載のコンピュータプログラムであって、
前記第1の出発時刻を前記出力部に出力させた後、
新たに取得された現在位置情報と前記経路情報とに基づいて、新たに前記第1の利用駅への第1の予想到着時刻を計算し、
前記新たに計算された第1の予想到着時刻と前記時刻表情報とに基づいて、前記ユーザが次に乗るべき輸送手段が前記第1の利用駅を出発する第1の出発時刻を新たに計算し、
前記新たな第1の出発時刻を前記ユーザに知らせる機能を実現することができる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−56576(P2012−56576A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280644(P2011−280644)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2007−284428(P2007−284428)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】