説明

梱包体及び梱包方法

【課題】梱包体及びその梱包方法において、梱包資材を低減する。
【解決手段】同一形状の板状部材が複数枚積層されて形成され、複数の辺と複数の角を有する積層体10を用意し、複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材20を、一方側に前記複数の角及び複数の辺を接触させて配置し、積層体10と保護部材20とを、保護部材20の他方側に、袋体の内面を接触させて袋体に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包体及び梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子用のパネル等の板状部材を輸送するための梱包方法とその梱包物としては、輸送中の衝撃、と輸送中の環境の変化による影響を無くすために、複数の液晶パネルを収納するパレットにそれぞれ複数の液晶パネルを収納し、このパレットを複数用意して積層し、これらの複数のパレットを梱包箱4に収納した後、この梱包箱を収納袋に収納し、この収納袋に窒素ガスを封入すること(特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−157774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した梱包方法は、板状部材を収納袋に収納するために、複数のパレットと、これらのパレットを収納する梱包箱を用いているため、梱包資材の数が多いという問題があった。
この発明は、梱包資材の数を削減した梱包体及び梱包方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1に記載の梱包方法は、同一形状の板状部材が複数枚積層されて形成され、複数の辺と複数の角を有する積層体を用意するステップと、前記複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材を、前記一方側に前記複数の角及び複数の辺を接触させて配置するステップと、前記積層体と前記保護部材とを、前記保護部材の他方側に、袋体の内面を接触させて前記袋体に収納するステップとを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の梱包方法前記保護部材を配置するステップは、前記複数の辺と複数の角を覆う凹部が形成されたトレイに、前記積層体を収納するステップを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の梱包方法において、前記保護部材を配置するステップは、前記凹部の底板に対向する上面側に前記凹部の一部を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を有する前記トレイに、前記積層体を収納するステップを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の梱包方法において、前記保護部材を配置するステップは、前記凹部の底板に対向する上面側に前記凹部の一方の端を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を有するトレイに、前記積層体を収納するステップを備え、前記袋体に収納するステップは、前記積層体を、前記トレイの脱落防止板が形成された一方端よりも前記一方端と対向する他方端のほうが前記袋体の挿入口の近くに配置されるようにして前記袋体に収納するステップを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の梱包方法において、前記保護部材を配置するステップは、帯状の枠を、前記複数の辺と複数の角を覆って、前記複数の辺に沿って配置するステップを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の梱包方法において、前記積層体を用意するステップは、外形が平行六面体形状の複数の辺と複数の角を有する前記積層体を用意するステップを備え、前記保護部材を配置するステップは、前記積層体の1つの面に対応する第1の辺部と、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つ面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部とからなり、前記第2の辺部の長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成された前記帯状の枠を、該帯状の枠の3つの辺部に対応する前記積層体の3つの面を覆うように配置するステップを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の梱包方法において、前記袋体に収納するステップは、前記積層体を、前記積層体の前記帯状の枠が配置されていない一の面のほうが該一の面と対向する反対側の他の面よりも前記袋体の挿入口の近くに配置されるようにして前記袋体に収納するステップを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7に記載の梱包方法において、前記袋体に収納するステップの後に、前記袋体の挿入口を封止するステップをさらに備えることを特徴とする。
【0013】
この発明の請求項9に記載の梱包体は、請求項1乃至請求項8に記載の梱包方法によって梱包されていることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の梱包体において、前記板状部材は、二枚の基板を所定の間隔を隔て対向配置させた液晶表示素子用の液晶パネルであることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の梱包体において、前記板状部材は、複数の液晶パネルを形成することが可能な面積を有し、各液晶パネルに対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体であることを特徴とする。
【0016】
この発明の請求項12に記載の梱包体は、同一形状の板状部材が複数枚積層されて形成された積層体と、前記積層体を収納する袋体と、前記積層体の最外周に形成された複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに一方の側を接触させ、且つ前記袋体の内面に他方の側を接触させる保護部材と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の梱包体において、前記保護部材は、前記複数の辺と複数の角を覆い、前記積層体を収納するトレイからなることを特徴とする。
【0018】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の梱包体において、前記トレイは、前記積層体の1つの面に対応する底板と、前記積層体の他の面に対応する側壁とを有する凹部が形成され、前記凹部の底板と側壁のうちの少なくとも底板に開口部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項15に記載の発明は、請求項13または請求項14のいずれかに記載の梱包体において、前記トレイは、前記積層体の1つの面に対応する底板と、前記積層体の他の面に対応する側壁とを有する凹部が形成され、前記凹部の底板に対向する上面側に、前記凹部の一部を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の梱包体において、前記トレイの脱落防止板が形成された一方端よりも前記一方端と対向する他方端のほうが前記袋体の挿入口の近くに配置されていることを特徴とする。
【0021】
請求項17に記載の発明は、請求項12に記載の梱包体において、前記保護部材は、前記複数の辺と複数の角を覆い、前記積層体の周辺に沿って配置させる帯状の枠からなることを特徴とする。
【0022】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の梱包体において、前記帯状の枠は、前記板状部材が前記帯状の枠からの脱落を防止するための脱落防止片を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項19に記載の発明は、請求項17または請求項18のいずれかに記載の梱包体において、前記積層体は平行六面体形状に形成され、前記帯状の枠は、平行六面体の対向する2面を除く残りの4面のうちの3つの面を覆って配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の梱包体において、前記積層体のうち、前記平行六面体の対向する前記2面を除く残りの前記4面のうちの前記帯状の枠が配置されていない一の面のほうが該一の面と対向する反対側の他の面よりも前記袋体の挿入口の近くに配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の梱包体において、前記帯状の枠は、前記積層体の1つの面に対応する第1の辺部と、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つ面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部とからなり、前記第2の辺部の長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項22に記載の発明は、請求項12に記載の梱包体において、前記保護部材は、前記積層体の角を覆うコーナーガードからなることを特徴とする。
【0027】
請求項23に記載の発明は、請求項12乃至請求項22に記載の梱包体において、前記保護部材は、前記複数の角と複数の辺に接触する側とは反対側の外側に形成される辺及び角のうち少なくとも1つが、面取形状と円弧状のうちの少なくとも一方の形状に形成されていることを特徴とする。
【0028】
請求項24に記載の発明は、請求項12乃至請求項23に記載の梱包体において、前記板状部材の積層体が収納された前記袋体を収納する箱体をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
請求項25に記載の発明は、請求項12乃至請求項24に記載の梱包体において、前記袋体は、前記積層体を収納した状態で、内部の気体が吸引されて密封されていることを特徴とする。
【0030】
請求項26に記載の発明は、請求項12乃至請求項25に記載の梱包体において、前記板状部材は、二枚の基板を所定の間隔を隔て対向配置させた液晶表示素子用の液晶パネルであることを特徴とする。
【0031】
請求項27に記載の発明は、請求項12乃至請求項26に記載の梱包体において、前記板状部材は、複数の液晶パネルを形成することが可能な面積を有し、各液晶パネルに対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
この発明の梱包体及び梱包方法によれば、梱包資材の数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第1の実施形態における板状部材の積層体とトレイを分解して示す分解斜視図。
【図2】第1の実施形態にかかり、トレイに収容された積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態にかかり、積層体を袋体に収納した梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図。
【図4】この発明の第2の実施形態における板状部材の積層体とトレイを分解して示す分解斜視図。
【図5】この発明の第2の実施形態における板状部材の積層体をトレイに収容した状態を示す斜視図。
【図6】第2の実施形態にかかり、トレイに収容された積層体を袋体に収納した梱包体を示す斜視図。
【図7】この発明の第3の実施形態における板状部材の積層体とトレイを分解して示す分解斜視図。
【図8】この発明の第3の実施形態にかかり、トレイに収容した積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図。
【図9】第3の実施形態にかかり、袋体に密封された積層体からなる梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図。
【図10】この発明の第4の実施形態における保護部材を示す斜視図。
【図11】この発明の第4の実施形態における板状部材の積層体に保護部材を配置した状態を示す斜視図。
【図12】第4の実施形態にかかり、保護部材を配置した積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図。
【図13】第4の実施形態にかかり、積層体を袋体に収納した梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図。
【図14】この発明の第5の実施形態における保護部材を示す斜視図。
【図15】この発明の第5の実施形態における板状部材の積層体に保護部材を配置した状態を示す斜視図。
【図16】第5の実施形態にかかり、保護部材が配置された積層体を袋体に収納した梱包体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[実施例1]
図1〜図3はこの発明の第1の実施形態を示しており、図1は板状部材の積層体と、その積層体を収納するトレイを分解して示す分解斜視図、図2はトレイに収容された積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図、図3は積層体を袋体に収納した梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図である。
【0035】
この発明の梱包体、及びその梱包方法は、図1に示すように、液晶パネル1等の平坦な板状部材を複数枚重ね、最上層に緩衝フィルム2を配置して液晶パネルの積層体10を形成する。この積層体10を、図2に示す凹部が形成されたトレイ20に収納し、このトレイ20に収納されたトレイ収納体30を袋体40に挿入する。この袋体40から内部の空気を吸引した状態で前記袋体の挿入口40aを熱圧着により封止して、図3に示すような袋体40に前記トレイ収納体30が密閉収納された梱包体50が完成し、また、液晶パネル1からなる板状部材の梱包工程を完了する。そしてこの梱包体50は、図3に示すように、箱体60に収納され、前記箱の蓋を閉じられた状態で輸送される。
【0036】
前記板状部材は、液晶表示素子用の液晶パネル、EL表示用のELパネル、その他の薄型表示素子用のパネル、あるいはガラス板等からなり、この実施形態では、液晶パネル1を前記板状部材として梱包する場合を示している。
【0037】
液晶パネル1は、詳細は図示しないが、複数の画素電極、これらの画素電極に接続された複数の薄膜トランジスタ、及びこれらの薄膜トランジスタに各種の信号を供給する複数の配線等が形成された一方のガラス基板と、前記複数の画素電極に対向する対向電極、及びそれぞれに接続された配線等が形成された他方のガラス基板とが、液晶を封入するための間隙を設けてシール材により貼り合わされており、それぞれが1枚の板状を成している。
【0038】
前記液晶パネル1のうち、同一の矩形形状に形成された複数の液晶パネル1を重ねて配置し、最も上層に、前記液晶パネルの露出及び直接的な衝撃が加わることを防止するための緩衝フィルム2を配置して液晶パネル1の積層体10を形成する。
【0039】
そして、前記液晶パネル1の積層体10は、前記液晶パネル1の角1a、及び辺1bに存在する鋭利なエッジを覆う保護部材を構成するトレイ20に収納されている。
【0040】
前記トレイ20は、前記積層体10の各液晶パネル1のそれぞれの辺に対応する側壁20aと、前記液晶パネルの板面に対応する底板20bとを備え、前記底板20bからの側壁20aの高さが前記液晶パネル1の積層体10の厚さより僅かに高く形成された凹部20cを有し、その外側20dには鋭利な角、エッジが存在しないように合成樹脂等により形成されている。この場合、前記トレイ20の角20e及び辺20fはそれぞれ面取りが施されるか、あるいは円弧状に形成することが好ましい。
【0041】
そして、前記トレイ20の凹部20cには、前記液晶パネル1の積層体10が収納されている。したがって、積層体10を構成する前記液晶パネル1の各角1a及び各辺1bは、それぞれ前記トレイ20によって覆われており、露出していない。
【0042】
すなわち、前記トレイ20に複数の液晶パネル1を、この実施形態では5枚挿入し、最後に緩衝フィルム2を挿入することによって液晶パネル1の積層体10のトレイ収納体30が形成される。
【0043】
液晶パネル1の積層体10のトレイ収納体30は、図2に示すように、気体を透過させないフィルムで形成された袋体40に挿入し、その挿入口40aから内部の空気を吸引し、負圧状態、好ましくは真空状態にして、前記袋体40の挿入口40aを熱圧着することによって密封する。
【0044】
このようにして、前記袋体40を密封することにより前記板状部材1の梱包体50が完成し、また梱包肯定か完了する。その後さらに、図3に示すように、梱包体50を梱包箱60に収納し蓋を閉じることにより、輸送に適した梱包状態を得ることができる。
【0045】
上述したように、この実施形態の梱包体50は、複数の角1aと複数の辺1bを有する板状部材である液晶パネル1と、この板状部材を収納する袋体40と、前記板状部材の複数の角1a及び複数の辺1bの少なくとも1つに一方の側を接触させ、且つ前記袋体の内面に他方の側を接触させる保護部材であるトレイ20とを備えているので、少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0046】
また、前記板状部材である液晶パネル1は、同一形状の前記板状部材が複数枚積層され、最外周に複数の辺と複数の角を有する積層体10を形成し、この積層体10を、前記積層体10の複数の辺と複数の角を覆い、前記積層体10を収納する前記保護部材であるトレイ20に収納しているため、複数の板状部材を効率よく、少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0047】
前記袋体40は、前記積層体10を収納した状態で、内部の気体が吸引されて密封され、さらに好ましくは、前記袋体の内部を実質的な真空状態にしているので、袋内の空気に含まれる水分、塵埃、酸性又はアルカリ性化学物質等による前記板状部材の表面への影響を防止することができる。また、前記板状部材として、二枚の基板を所定の間隔を隔て対向配置させた液晶表示素子用の液晶パネル1を用いて且つそれらの二枚の基板間に液晶を封入する前の状態である場合や、複数の液晶パネル1を形成することが可能な大きさを有し、各液晶パネル1に対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体を用いた場合は、前記液晶パネル1や液晶パネル形成用構成体の内部への前記水分、塵埃、酸性又はアルカリ性化学物質等の侵入による基板表面と、後から注入される液晶への影響を防止することができる。さらに、輸送中に発生する前記袋体の損傷を、その袋体内部の負圧状態を検査することによって確認することができる。
【0048】
この場合、前記保護部材(トレイ20)は、前記積層体10の複数の角と辺に接触する側とは反対側の外側に形成される辺及び角のうち少なくとも1つに、面取形状と円弧状のうちの少なくとも一方の形状に形成することが好ましく、このような形状とすることにより、前記袋体40の内部を実質的な真空状態にしたとき、前記保護部材の鋭利な角又は辺に前記袋体40のフィルムが接触することが無くなり、前記袋体40の内部の収容物に起因する破損を防止することができる。
【0049】
また、この実施形態の梱包体50は、前記板状部材の積層体10が収納された前記袋体40を収納する箱体(梱包箱60)をさらに備えているので、前記袋体40の外部からの損傷を防止し、確実な梱包を行なうことができる。
【0050】
さらに、この実施形態の梱包方法は、同一形状の板状部材(液晶パネル1)が複数枚積層されて形成され、複数の辺と複数の角を有する積層体を用意するステップと、前記複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材を、前記一方側に前記積層体の複数の角及び複数の辺を接触させて配置するステップと、前記積層体と前記保護部材(トレイ20)とを、前記保護部材の他方側に、袋体40の内面を接触させて前記袋体40に収納するステップとを備えているので、少ない梱包資材で且つ少ないステップで確実に梱包することができる。
【0051】
さらにまた、この実施形態の梱包方法は、保護部材を配置するステップが、前記積層体の複数の辺と複数の角を覆う凹部が形成されたトレイ1に、前記積層体10を収納するステップを備えているので、複数の板状部材を効率よく、少ない梱包資材で且つ少ないステップで確実に梱包することができる。
【0052】
尚、上述した実施形態では、前記板状部材として、液晶表示素子用の液晶パネル1を用いた例を示したが、この発明には、水分、塵埃、酸性又はアルカリ性化学物質等により品質の劣化が生じ、たとえばEL表示用のELパネル、その他の薄型表示素子用のパネル、あるいはガラス板等の部品の梱包に適用することができる。
【0053】
[実施例2]
図4乃至図6は、この発明の第2の実施形態を示し、図4は板状部材の積層体とトレイを分解して示す分解斜視図、図5は板状部材の積層体をトレイに収容した状態を示す斜視図、図6はトレイに収容された積層体を袋体に収納した梱包体を示す斜視図である。
【0054】
この第2の実施形態は、板状部材を積層した積層体10を収納するトレイ21の低板21bに開口部21gを形成した点で上述した第1の実施形態と相違し、その他の構造は前記第1の実施形態と一致しているため、この実施形態の説明においては、上記第1の実施形態と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0055】
図4に示すように、前記液晶パネルの積層体10は、前記液晶パネル1の角1a、及び辺1bに存在する鋭利なエッジを覆う保護部材を構成するトレイ21に収納されている。
【0056】
前記トレイ21は、前記液晶パネルの積層体10の各液晶パネル1のそれぞれの辺に対応する側壁21aと、前記液晶パネル1の板面に対応する底板21bとを備え、前記底板21bからの側壁21aの高さが前記液晶パネル1の積層体10の厚さより僅かに高く形成された凹部21cを有し、その外側21dには鋭利な角、エッジが存在しないように合成樹脂等により形成されている。前記トレイ21の底板21bの部分には、開口部21gが設けられている。
【0057】
そして、前記トレイ21の凹部21cには、前記液晶パネル1の積層体10を収納してトレイ収納体31を形成し、前記第1の実施形態と同様に、袋体40に挿入し、内部の空気を吸引した後、前記袋体40を密封することによって梱包体51が完成され、また前記板状部材の梱包工程が完了する。その後、前記梱包体51を梱包箱60に収納し、この梱包箱60の蓋を閉じ、輸送に適した梱包状態が得られる。
【0058】
上述したように、この第2の実施形態においては、前記トレイ21に、前記積層体10の1つの面に対応する底板21bと、前記積層体10の他の面に対応する側壁21aとを有する凹部21cが形成され、前記凹部21cの底板21bと側壁21aのうちの少なくとも底板21bに開口部21gが設けられているので、前記トレイ1の重量を少なくして軽量化を測ることができ、減量された少ない梱包資材で確実な梱包を行なうことができる。また前記トレイ21を製造するための原材料を節減することができる。
【0059】
[実施例3]
図7乃至図9は、この発明の第3の実施形態を示し、図7は板状部材の積層体とトレイを分解して示す分解斜視図、図8はトレイに収容された積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図、図9は積層体が袋体に収納された梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図である。
【0060】
この第3の実施形態は、板状部材(液晶パネル1)を積層した積層体10を収納するトレイ22の前記凹部22cの底板22bに対向する上面側に、前記板状部材が前記凹部22cから脱落を防止するための脱落防止板22hを設けた点で上述した第1の実施形態と相違し、その他の構造は前記第1の実施形態と一致しているため、この実施形態の説明においては、上記第1の実施形態と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0061】
図7に示すように、前記トレイ22は、前記積層体10の1つの面に対応する底板22bと、前記積層体10の他の面に対応する側壁22aとを有する凹部22cが形成され、前記凹部22cの底板22bに対向する上面側に、前記凹部22cの一部を覆い、前記板状部材の前記凹部22cからの脱落を防止するための脱落防止板22hが形成されている。
【0062】
すなわち、前記トレイ22に複数の液晶パネル1を、前記トレイ22の脱落防止板22hが形成されていない側から、この実施形態では5枚挿入し、最後に緩衝フィルム2を挿入することによって液晶パネル1の積層体10を収納したトレイ収納体32が形成される。
【0063】
そして、液晶パネル1の積層体10のトレイ収納体32は、図8に示すように、前記トレイ1の脱落防止板22hが形成された一方端と対向する他方端を上面にして袋体40に収納され、その後、その内部の空気を吸引した状態で密封して梱包体52が完成する。
【0064】
密封された梱包体52は、図9に示すように、前記トレイ1の脱落防止板22hが形成された一方端と対向する他方端を上面にして前記梱包箱60に収納され、この梱包箱60の蓋を閉じることによって梱包される。
【0065】
上述したように、この実施形態の梱包体52は、前記トレイ22に、前記積層体10の1つの面に対応する底板22bと、前記積層体10の他の面に対応する側壁22aとを有する凹部22cが形成され、前記凹部22cの底板22bに対向する上面側に、前記凹部22cの一部を覆い、前記板状部材の前記凹部22cからの脱落を防止するための脱落防止板22hを設けたため、前記板状部材が前記トレイ22から脱落するのを防止することができ、少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0066】
また、この実施形態の梱包方法は、複数の辺と複数の角を有する少なくとも1枚の板状部材である液晶パネル1を用意するステップと、前記複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材(トレイ22)を、前記一方側に前記板状部材の複数の角及び複数の辺を接触させて配置するステップと、前記板状部材と前記保護部材とを袋体40に収納するステップとを備え、保護部材を配置するステップは、前記積層体10の複数の辺と複数の角を覆う凹部22cが形成された、前記凹部22cの底板22bに対向する上面側に前記凹部22cの一方の端を覆い、前記板状部材の前記凹部22cからの脱落を防止するための脱落防止板22hを有するトレイ22に前記積層体10を収納するようにしたので、板状部材が前記トレイ22から脱落するのを防止でき、梱包作業の作業効率を高めることができる。
【0067】
さらに、前記袋体40に収納するステップは、前記板状部材の積層体10を、前記袋体40の挿入口40aを上方に向けて、且つ、前記トレイ22の脱落防止板22hが形成された一方端と対向する他方端を上方に向けて前記袋体40に収納するステップを備えるようにしたので、前記トレイ22に前記積層体10を収納するステップ、及び袋体40内部の空気を吸引するステップにおいて、前記板状部材が前記トレイ22から脱落するのを防止でき、梱包作業の作業効率を高めることができる。
【0068】
尚、上述した第3の実施形態では、第1の実施形態に示したトレイ22に脱落防止板22hを設けた例を示したが、これに限ることなく、この実施形態は、前記第2の実施形態に示したトレイ21にも適用することができる。その場合、底板21bに開口部21gが設けられたトレイ21の前記底板21bとは反対側の前面側に脱落防止板22hが設けられる。この構成によれば、前記トレイ22の軽量化を図ることができ、また、前記板状部材が前記トレイ22から脱落するのを防止でき、梱包作業の作業効率を高めることができる。
【0069】
[実施例4]
図10乃至図13は、この発明の第4の実施形態を示し、図10は保護部材を示す斜視図、図11は板状部材の積層体に保護部材を配置した状態を示す斜視図、図12は保護部材を配置した積層体を袋体に収納する状態を示す斜視図、図13は梱包体を箱体に収納する状態を示す斜視図である。
【0070】
この第4の実施形態は、前記板状部材(液晶パネル1)の複数の辺1bと複数の角1aを覆い、前記板状部材の周辺に沿って配置させる保護部材として帯状の枠23を用いた点で上述した第1の実施形態と相違し、その他の構造は前記第1の実施形態と一致しているため、この実施形態の説明においては、上記第1の実施形態と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図10、図11に示すように、保護部材は、前記板状部材の少なくとも3つの辺に対応する3つの辺部23a,23b,23cを備え、前記板状部材の各角1aに対応する部分でコの字状に屈曲され、その内側に前記板状部材の辺及び角1aが接触し、その外側には鋭利な角、エッジが存在しないように合成樹脂等により形成された帯状の枠23からなっている。この帯状の枠23の内側には、同一形状の前記板状部材が複数枚積層され、最外周に複数の辺と複数の角を有する積層体10が配置される。
【0072】
前記帯状の枠23の3辺は、前記板状部材の1つの辺に対応する第1の辺部23bと、前記板状部材の前記1つの辺部23bに隣接し且つ互いに対向する2つ辺部にそれぞれ対応する2つの第2の辺部23a,23cとからなり、前記第2の辺部23a,23cの長さが、前記板状部材の対応する辺の長さより長く形成されている。これにより、前記板状部材の3つの辺に対応する辺部23a,23b,23cをもった帯状の枠23によって、3つの辺と4つの角を保護することができる。
【0073】
また、前記帯状の枠23には、前記板状部材が前記枠から脱落するのを防止するための脱落防止片23hが前記帯状の枠23の幅方向の両側に各辺部に沿って形成され、前記板状部材の各角1aに対応する部分に切欠き23iが設けられている。
【0074】
そして、前記積層体10に前記帯状の枠23を配置するには、予め直線状に形成された前記帯状の枠23を、その3つの辺部23a,23b,23cのうちの1つの辺部23bを前記積層体10の1つの辺に対応させて配置し、その他の辺部を前記積層体10の他の辺に沿って配置させように、前記脱落防止片23hの切欠き部23iで屈曲させる。
【0075】
帯状の枠23からなる保護部材が前記積層体10の周辺に配置された枠収容体33は、前記第3の実施形態と同様に、前記帯状の枠23の脱落防止板23hが形成された一方端と対向する他方端を上面にして袋体40に挿入され、内部の空気を吸引した後、前記袋体40を密封して梱包体53を完成させ、また梱包工程を完了する。そして、密封された梱包体53は、梱包箱60に収納し、この梱包箱の蓋を閉じることによって、輸送に適した梱包状態が得られる。
【0076】
上述したように、この実施形態では、前記保護部材を、前記板状部材の複数の辺と複数の角を覆い、前記板状部材の周辺に沿って配置させる帯状の枠23としたので、単純な構造の少ない梱包資材で確実な梱包を行なうことができる。
【0077】
また、この実施形態では、前記板状部材が、同一形状の前記板状部材が複数枚積層され、最外周に複数の辺と複数の角を有する積層体10を形成し、前記保護部材を、前記板状部材の複数の辺と複数の角を覆い、前記板状部材の周辺に沿って配置させた帯状の枠23としたので、単純な構造の少ない梱包部材で、複数の板状部材を効率よく、確実な梱包を行なうことができる。
【0078】
前記帯状の枠23は、前記板状部材が前記帯状の枠からの脱落を防止するための脱落防止片23hを備えているため、板状部材が前記帯状の枠23から脱落するのを防止でき、梱包作業の作業効率を高めることができる。
【0079】
前記積層体は平行六面体形状に形成され、前記帯状の枠23は、前記積層体の対向する2面を除く残りの4面辺のうちの3つの面を覆って配置されているので、単純な構造の少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0080】
前記帯状の枠23は、前記第1の辺部の1つの面に対応する第1の辺部23bと、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つの面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部23a,23cとからなり、前記第2の辺部23a,23cの長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成されているので、3つの辺に対応する辺部23a,23b,23cを配置することにより、単純な構造の少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0081】
また、この実施形態の梱包方法は、複数の辺と複数の角を有する同一形状の前記板状部材を複数枚積層して、最外周に複数の辺と複数の角を有する積層体10を形成するステップと、前記複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材を備えた梱包方法において、前記板状部材の複数の辺と複数の角を覆い、前記板状部材の周辺に沿って配置させた帯状の枠23を、前記板状部材の複数の辺に沿って配置するステップを備えているため、少ない梱包部材で且つ少ないステップで確実に梱包することができる。
【0082】
さらに、前記積層体10を形成するステップが同一形状の四角形に形成された複数枚の板状部材を積層して、外形が平行六面体形状の複数の辺と複数の角を有する積層体10を形成し、前記保護部材を配置するステップは、前記積層体の1つの面に対応する第1の辺部と、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つ面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部とからなり、前記第2の辺部の長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成された前記帯状の枠を、該帯状の枠の3つの辺に対応する前記積層体の3つの面を覆って、前記帯状の枠23を配置するようにしたので、少ない梱包部材で且つ少ないステップで確実に梱包することができる。
【0083】
またさらに、前記板状部材の積層体10を、前記袋体40の挿入口40aを上方に向けて、且つ、前記積層体10の前記帯状の枠23が配置されていない面を上方に向けて前記袋体40に収納しているので、前記積層体10を前記袋体40に収納する際に、前記板状部材の一部が前記帯状の枠23から脱落することを防止することができ、確実に梱包することができる。
【0084】
[実施例5]
図14乃至図16は、この発明の第5の実施形態を示し、図14は保護部材を示す斜視図、図15は板状部材の積層体に保護部材を配置した状態を示す斜視図、図16は保護部材が配置された積層体を袋体に収納した梱包体を示す斜視図である。
【0085】
この第5の実施形態は、保護部材として、板状部材を積層した積層体10の角を保護するコーナーガード24を設けた点で上述した第1の実施形態と相違し、その他の構造は前記第1の実施形態と一致しているため、この実施形態の説明においては、上記第1の実施形態と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0086】
図14に示すように、前記液晶パネル1の積層体10は、前記液晶パネル1の角に存在する鋭利なエッジを覆う保護部材としてのコーナーガード24を4つの角に配置している。
【0087】
前記コーナーガード24は、前記液晶パネル1の積層体10の各角が納まるコーナー凹部24aを備え、その内側には前記板状部材の角1aが接触し、外側には鋭利な角、エッジが存在しないように合成樹脂等により形成されている。
【0088】
そして、前記コーナーガード24が4つの角に配置されたコーナーガード収納体34は、前記第1の実施形態と同様に、袋体40に挿入し、内部の空気を吸引した後、前記袋体40を密封して梱包体54が完成し、また梱包工程が完了する。そして、密封された前記袋体40は、梱包箱60が収納され、この梱包箱60の蓋を閉じることによって、輸送に適した梱包状態が得られる。
【0089】
上述したように、この実施形態では、前記保護部材として、前記積層体の角を覆うコーナーガード24を各コーナーに配置したので、単純な構造の少ない梱包部材で確実な梱包を行なうことができる。
【0090】
また、この実施形態では、前記板状部材が、同一形状の前記板状部材が複数枚積層され、最外周に複数の辺と複数の角を有する積層体を形成し、前記保護部材として、前記積層体の複数の角を覆うコーナーガード24を用いているので、複数の板状部材を効率よく、確実な梱包を行なうことができる。
【0091】
尚、この発明の梱包体では、矩形の液晶パネル、あるいはELパネル等の梱包体及び梱包方法について述べたが、この発明は、これに限ることなく、水分、塵埃、酸性又はアルカリ性化学物質等により品質の劣化が生じるパネル、ガラス基板等に適用することができる。また、上記のいずれの実施形態においても、複数の液晶パネルを形成することが可能な大きさを有し、各液晶パネルに対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体や、複数のELパネルを形成することが可能な大きさを有し、各ELパネルに対応する素子が形成された少なくとも一枚のガラス基板を有するELパネル形成用構成体に適用できることは言うまでもない。さらに、板状部材は四角形に限ることなく、三角、五角、六角形であっても、この発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0092】
1…液晶パネル、2…緩衝フィルム、10…積層体、20…トレイ(保護部材)、30…収納体、40…袋体、40a…挿入口、50…梱包体、60…箱体、1a…辺、1b…角、20a…側壁、20b…底板、20c…凹部、20d…外側、20e…角、20f…辺、21…トレイ(保護部材)、21a…側壁、21b…底板、21c…凹部、21d…外側、21g…開口部、31…トレイ収納体、51…梱包体、22…トレイ(保護部材)、22a…側壁、22b…底板、22c…凹部、22h…脱落防止板、32…トレイ収納体、52…梱包体、23…帯状の枠(保護部材)、23b…第1の辺部、23a,23c…第2の辺部、23h…脱落防止片、23i…切欠き、53…梱包体、33…枠収容体、24…コーナーガード(保護部材)、24a…凹部、34…コーナーガード収納体、40a…挿入口、54…梱包体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の板状部材が複数枚積層されて形成され、複数の辺と複数の角を有する積層体を用意するステップと、
前記複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに接触する一方側と、その反対側に鋭利な角を持たない他方側とを有する保護部材を、前記一方側に前記複数の角及び複数の辺を接触させて配置するステップと、
前記積層体と前記保護部材とを、前記保護部材の他方側に、袋体の内面を接触させて前記袋体に収納するステップとを備えることを特徴とする梱包方法。
【請求項2】
前記保護部材を配置するステップは、前記複数の辺と複数の角を覆う凹部が形成されたトレイに、前記積層体を収納するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の梱包方法。
【請求項3】
前記保護部材を配置するステップは、前記凹部の底板に対向する上面側に前記凹部の一部を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を有する前記トレイに、前記積層体を収納するステップを備えることを特徴とする請求項2に記載の梱包方法。
【請求項4】
前記保護部材を配置するステップは、前記凹部の底板に対向する上面側に前記凹部の一方の端を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を有するトレイに、前記積層体を収納するステップを備え、
前記袋体に収納するステップは、前記積層体を、前記トレイの脱落防止板が形成された一方端よりも前記一方端と対向する他方端のほうが前記袋体の挿入口の近くに配置されるようにして前記袋体に収納するステップを備えることを特徴とする請求項3に記載の梱包方法。
【請求項5】
前記保護部材を配置するステップは、帯状の枠を、前記複数の辺と複数の角を覆って、前記複数の辺に沿って配置するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の梱包方法。
【請求項6】
前記積層体を用意するステップは、外形が平行六面体形状の複数の辺と複数の角を有する前記積層体を用意するステップを備え、
前記保護部材を配置するステップは、前記積層体の1つの面に対応する第1の辺部と、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つ面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部とからなり、前記第2の辺部の長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成された前記帯状の枠を、該帯状の枠の3つの辺部に対応する前記積層体の3つの面を覆うように配置するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の梱包方法。
【請求項7】
前記袋体に収納するステップは、前記積層体を、前記積層体の前記帯状の枠が配置されていない一の面のほうが該一の面と対向する反対側の他の面よりも前記袋体の挿入口の近くに配置されるようにして前記袋体に収納するステップを備えることを特徴とする請求項6に記載の梱包方法。
【請求項8】
前記袋体に収納するステップの後に、前記袋体の挿入口を封止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の梱包方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8に記載の梱包方法によって梱包された梱包体。
【請求項10】
前記板状部材は、二枚の基板を所定の間隔を隔て対向配置させた液晶表示素子用の液晶パネルであることを特徴とする請求項9に記載の梱包体。
【請求項11】
前記板状部材は、複数の液晶パネルを形成することが可能な面積を有し、各液晶パネルに対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体であることを特徴とする請求項9に記載の梱包体。
【請求項12】
同一形状の板状部材が複数枚積層されて形成された積層体と、
前記積層体を収納する袋体と、
前記積層体の最外周に形成された複数の角及び複数の辺の少なくとも1つに一方の側を接触させ、且つ前記袋体の内面に他方の側を接触させる保護部材と、
を備えることを特徴とする梱包体。
【請求項13】
前記保護部材は、前記複数の辺と複数の角を覆い、前記積層体を収納するトレイからなることを特徴とする請求項12に記載の梱包体。
【請求項14】
前記トレイは、前記積層体の1つの面に対応する底板と、前記積層体の他の面に対応する側壁とを有する凹部が形成され、前記凹部の底板と側壁のうちの少なくとも底板に開口部が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の梱包体。
【請求項15】
前記トレイは、前記積層体の1つの面に対応する底板と、前記積層体の他の面に対応する側壁とを有する凹部が形成され、前記凹部の底板に対向する上面側に、前記凹部の一部を覆い、前記板状部材の前記凹部からの脱落を防止するための脱落防止板を備えることを特徴とする請求項13または請求項14のいずれかに記載の梱包体。
【請求項16】
前記トレイの脱落防止板が形成された一方端よりも前記一方端と対向する他方端のほうが前記袋体の挿入口の近くに配置されていることを特徴とする請求項15に記載の梱包体。
【請求項17】
前記保護部材は、前記複数の辺と複数の角を覆い、前記積層体の周辺に沿って配置させる帯状の枠からなることを特徴とする請求項12に記載の梱包体。
【請求項18】
前記帯状の枠は、前記板状部材が前記帯状の枠からの脱落を防止するための脱落防止片を備えることを特徴とする請求項17に記載の梱包体。
【請求項19】
前記積層体は平行六面体形状に形成され、
前記帯状の枠は、平行六面体の対向する2面を除く残りの4面のうちの3つの面を覆って配置されていることを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の梱包体。
【請求項20】
前記積層体のうち、前記平行六面体の対向する前記2面を除く残りの前記4面のうちの前記帯状の枠が配置されていない一の面のほうが該一の面と対向する反対側の他の面よりも前記袋体の挿入口の近くに配置されていることを特徴とする請求項19に記載の梱包体。
【請求項21】
前記帯状の枠は、前記積層体の1つの面に対応する第1の辺部と、前記積層体の前記1つの面に隣接し且つ互いに対向する2つ面にそれぞれ対応する2つの第2の辺部とからなり、前記第2の辺部の長さが、前記積層体の対応する面の前記第2の辺部に沿った長さより長く形成されていることを特徴とする請求項19に記載の梱包体。
【請求項22】
前記保護部材は、前記積層体の角を覆うコーナーガードからなることを特徴とする請求項12に記載の梱包体。
【請求項23】
前記保護部材は、前記複数の角と複数の辺に接触する側とは反対側の外側に形成される辺及び角のうち少なくとも1つが、面取形状と円弧状のうちの少なくとも一方の形状に形成されていることを特徴とする請求項12乃至請求項22に記載の梱包体。
【請求項24】
前記板状部材の積層体が収納された前記袋体を収納する箱体をさらに備えることを特徴とする請求項12乃至請求項23に記載の梱包体。
【請求項25】
前記袋体は、前記積層体を収納した状態で、内部の気体が吸引されて密封されていることを特徴とする請求項12乃至請求項24に記載の梱包体。
【請求項26】
前記板状部材は、二枚の基板を所定の間隔を隔て対向配置させた液晶表示素子用の液晶パネルであることを特徴とする請求項12乃至請求項25に記載の梱包体。
【請求項27】
前記板状部材は、複数の液晶パネルを形成することが可能な面積を有し、各液晶パネルに対応する素子が形成された一対のガラス基板が貼り合わされた液晶パネル形成用構成体であることを特徴とする請求項12乃至請求項26に記載の梱包体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−195173(P2011−195173A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64187(P2010−64187)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】