説明

梱包材

【課題】 本発明は、被梱包物の保護が確実に行えるとともに、被梱包物の取り出しも容易であり、しかも、被梱包物の取り出し後は効率良く廃棄が行える梱包材を提供することにある。
【解決手段】 紙製シート1と紙製の結束材4とを備え、紙製シート1は、1枚からなり、
複数の被梱包物2a,2b,12a,12b,22a〜22cを順次巻きつけて全ての被梱包物を包むものであり、中間部にミシン線6が設けてあるとともに包まれた被梱包物2a,2b,12a,12b,22a〜22cの両端を閉塞し、結束材4は、紙製シート1の閉塞部5を結束していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目板やレール材などの被梱包物を梱包するための梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
目板やレールなどの被梱包物を複数梱包するときに、被梱包物の有効面に傷が付かないように、図5のように、複数の箇所に樹脂アングル32を挟んで各被梱包物31a,31b同士を非接触とし、各被梱包物31a,31b間の適宜の箇所にミラーマット33を巻きつけて上記の各被梱包物31a,31bを纏めている。さらに、梱包した複数の被梱包物を大きなポリ袋34に包むとともに、ポリ袋34の両端を粘着テープ35などで閉塞して被梱包物31a,31bの有効面の保護と袋からの抜け出しを防ぐものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような梱包材は、樹脂アングルやミラーマットにより被梱包物を一つ一つ梱包してあるとともに、全体をポリ袋に収容してあることから、被梱包物を取り出す際に大変煩わしいものであった。さらに、梱包材の各々の材質も異なっていることから、廃棄の際の分別も煩わしく再資源化も難しいものであった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、被梱包物の保護が確実に行えるとともに、被梱包物の取り出しも容易であり、しかも、被梱包物の取り出し後は効率良く廃棄が行える梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、紙製シートと紙製の結束材とを備え、紙製シートは、1枚からなり、複数の被梱包物を順次巻きつけて全ての被梱包物を包むものであり、中間部にミシン線が設けてあるとともに包まれた被梱包物の両端を閉塞し、結束材は、紙製シートの閉塞部を結束していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、複数の被梱包物を1枚の紙製シートで梱包してあり、さらに、中間部にミシン線が設けてあることにより、紙製シートが軽い力で簡単に破れることで中から被梱包物を取り出す手間が省かれる。また、1枚の紙製シートにより各被梱包物の有効面のすべてが紙製シートにより保護されるので、梱包材の有効面を傷つけることがない。さらに、梱包材を構成するシートや結束材が紙製であるため、廃棄時に分別する手間がかからず、しかも、再資源化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】(a)は、梱包材の全体を示す側面図であり、(b)は、A−A線縦断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、梱包の手順を示す説明図である。
【図3】(a)〜(c)は、図2(b)の手順をさらに詳細に説明する縦断面図である。
【図4】(a)(b)は、本発明の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】従来の梱包材を示す一部を断面した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、図面に基づいて本実施による梱包材について説明する。
本実施による梱包材は、図1(a)を参照すれば、1枚の紙製シート1と結束材とからなっている。また、図1(b)と図3(a)〜(c)のように、紙製シート1は、中間部にミシン線6が設けてあり、この紙製シート1により、同一形状で且つ同一寸法の2枚の各目板の差込部同士を重ねて1セットにまとめてある一つ目の被梱包物2aを巻いた後に、二つ目の被梱包物2bを順次巻いていく、所謂のり巻き状に2つの被梱包物2a,2bを包んでいる。さらに、上記のように複数の被梱包物2a,2bを包んだ紙製シート1の両端を折り曲げて閉塞し、その閉塞部5を紙製の結束材4で巻いて折り曲げた状態が解除されないように固定して梱包材を形成している。このように形成することにより、各被梱包物2a,2bの有効面3のすべてを紙製シート1が覆った状態で包まれるので、被梱包物2a,2bの有効面3に傷が付かずに確実な保護がなされることになる。また、梱包材の両端を軽い力で引っ張る、あるいは、捻ることによって梱包材がミシン線6で分断されることにより、梱包材から被梱包物2a,2bを容易に取り出すことができる。さらに、紙製シート1と紙製の結束材4であり、被梱包物2a,2bを取り出した後はすべてが紙製であることから、分別することなく資源ゴミとして廃棄できる。尚、紙製シート1は、本実施のものではクラフト紙が使われており、そのクラフト紙の滑面側を被梱包物2a,2bの有効面3に向けて巻きつけるものであり、紙製シート1と被梱包物2a,2bの有効面3との摩擦をできるだけ小さくしている。また、紙製の結束材4は、本実施のものでは一面側に粘着層を有する紙テープが使用されている。
【0008】
上記した梱包材の梱包手順を図2(a)〜(d)と図3に基づいて説明する。第一の手順として図2(a)のように、紙製シート1を巻くロール10から所定長さ(符号9の位置)を引き出して切り取り、その切り取られた紙製シート1の引き出し方向の中間位置にミシン線6を設け、さらに、紙製シート1の上に間隔をあけて2本の被梱包物2a,2bをそれぞれ載置する。第二の手順として図2(b)と図3(a)〜(c)のように、一つ目の被梱包物2aに紙製シート1を巻きつけ、次いで、二つ目の被梱包物2bへと、順次のり巻き状に巻きつけていく。第三の手順として図2(c)のように、複数の被梱包物2a,2bを包んだ状態の紙製シート1の両端を折り曲げて、複数の被梱包物2a,2bが紙製シート1から抜け出さないように閉塞する。第四の手順として図2(d)のように、折り曲げて閉塞した状態にある紙製シート1の閉塞部5の外周に紙製の結束材4を巻いて閉塞部5が解除されないように固定する。以上の第一〜第四の手順を経ることにより、本実施による梱包材が形成される。
【0009】
図4(a)(b)は、本発明の他の実施形態を示すものである。
図4(a)は、被梱包物12a,12bとして目板を1本ずつ2本梱包したものであり、このような場合でも被梱包物12a,12bの有効面3の間に紙製シート1が挟まった状態でそれぞれが包まれるので、上記実施形態のものと同様に、被梱包物12a,12bのそれぞれの有効面13の確実な保護がなされる。また、図4(b)のものは、被梱包物22a〜22cとして中空形材を1本ずつ3本梱包したものであり、このような四方に有効面23を有する被梱包物22a〜22cであっても、すべての有効面23において紙製シート1が覆うことにより傷付くことがない。また、本発明の梱包材の寸法については、本実施形態に限らず、被梱包物2a,2b,12a,12b,22a〜22cの大きさや形状に対応して様々なものがある。また、紙製シート1の大きさにより、被梱包物2a,2b,12a,12b,22a〜22cをいくつでものり巻き状に包んで梱包することができる。さらに、紙製シート1は、上記実施形態で使用するクラフト紙以外のものであってもよい。紙製の結束材4は、上記実施形態で使用する紙テープの他、紙繊維の糸などでもよく、閉塞部5が解かれないようにできるものであればよい。閉塞部5は、紙製シート1を折り曲げる他に捻って閉塞するものなど、紙製シート1に内包した被梱包物2a,2b,12a,12b,22a〜22cが抜け出さないものであればよい。
【符号の説明】
【0010】
1 紙製シート
2a,2b,12a,12b,22a〜22c 被梱包物
3,13,23 有効面
4 結束材
5 閉塞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製シートと紙製の結束材とを備え、紙製シートは、1枚からなり、複数の被梱包物を順次巻きつけて全ての被梱包物を包むものであり、中間部にミシン線が設けてあるとともに包まれた被梱包物の両端を閉塞し、結束材は、紙製シートの閉塞部を結束していることを特徴とする梱包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−43685(P2013−43685A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183868(P2011−183868)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【出願人】(591170016)株式会社広上製作所 (1)
【Fターム(参考)】