説明

梱包箱

【課題】製品購入後、ユーザがこの製品に添付される付属品等を保管するための容器として再利用しやすい形態の梱包箱を提供して再利用を促す。
【解決手段】電子機器本体およびその付属物を含む内容物を内部に収容してユーザに提供するための六面体形状を有する梱包箱200は、折り曲げられたシート材により形成され、互いに対向する三組の面のうち、少なくとも二組の面が長方形状をなし、梱包箱200を縦長の立位姿勢となるようにして、そのときに横幅となる部分の寸法が最も短くなる面が手前側となる姿勢である収納姿勢で収納スペースに収納したときに、手前側となる面204cには、内容物表示をするための内容物アイコン210が表示され、梱包箱200が収納姿勢で正立状態となるように収納されているときに、内容物表示210は正立した向きとなるように表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ、ボイスレコーダ、オーディオプレーヤ、携帯電話等の電子機器の梱包箱(包装箱)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えばカメラやボイスレコーダ、オーディオプレーヤ、携帯電話等は、製品本体と付属品、取扱説明書等を梱包箱に収納した状態で販売される。梱包箱は、輸送中の震動および衝撃からの内容物の保護と販売店での陳列のためのものであり、購入者が内容物を取り出した後は不要となって廃棄されることがあった。または、そのまま、もしくは畳んだ状態で梱包箱を購入者が保管することもあった。
【0003】
特許文献1には、一枚のシートを折り曲げて、所定箇所で連設された第1および第2の箱部を形成し、それら第1および第2に本体と付属品とを別々に収納可能な梱包箱が開示される。これら第1および第2の箱部は、上記所定箇所を支点として開閉可能に構成され、流通時には閉じた状態とされて一つの箱状となる。販売店の店頭で展示する際には、第1および第2の箱部は開いた状態とされる。
【0004】
特許文献2には、商品梱包の用を果たした後、梱包箱を物品の収納のために再利用することを可能とする技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−293319号公報
【特許文献2】特開2001−233366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10は、デジタルカメラ用の、従来の技術に係る梱包箱の外観を示す斜視図である。梱包箱1000の各面には、商品名1002、商品の写真1004、同梱される付属品の内容1006、そして社名1008などが表示される。
【0007】
電子機器は通常、本体のみを持ち歩いて使用することが多く、ACアダプタ、CD−ROM、ケーブル等のアクセサリや取扱説明書等は本体とは別に保管されることが多い。これらのアクセサリのうち、使用頻度の少ないものは、他の電子機器のアクセサリとともに保管されることがあり、後でどのアクセサリがどの電子機器のものか、わかりにくくなることがあった。また、アクセサリの保管場所を失念して、必要なときにすぐに使えない、ということもあった。電子機器は特に、機能が豊富である場合が多く、操作方法を一時に習得するのは難しい。ある機能を使いたくなったときに取扱説明書が手許にないと、目的の機能をすぐに利用することができない。電子機器はまた、コンピュータ等、他の機器と接続して使用する機会が比較的多いため、その際に使用するためのアクセサリを紛失すると、目的とする機能を利用することができなくなる。
【0008】
これらのアクセサリの収納ケースとして梱包箱1000を利用すれば、ユーザにとっては付属品の管理が容易となり、また、梱包箱を廃棄してしまう無駄を省くことができる。しかし、ユーザにより梱包箱をこのように利用してもらえないのは、梱包箱が棚等に収容しやすい形態となっていないことが一因である。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、製品購入後、ユーザがこの製品に添付される付属品等を保管するための容器として再利用しやすい形態の梱包箱を提供し、再利用を促すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明の代表的な一例を示すと、以下のとおりである。すなわち、
電子機器本体およびその付属物を内部に収容してユーザに提供するための六面体形状を有する梱包箱であって、
前記梱包箱は、
折り曲げられたシート材により直方体形状に形成され、
当該直方体形状の1つの側面であって、前記梱包箱を縦長の立位姿勢を収納姿勢として、所定の収納スペースに収納されるときに、手前側になる側面には、
前記付属物の内容を示す内容物表示が表示され、当該内容物表示は、前記縦長の立位姿勢で収納されている状態で、正立した向きとなるように表示される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開梱して内容物を取り出した梱包箱を、付属物等を保管するための箱として再利用する気持ちをユーザに抱かせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】梱包箱からデジタルカメラおよびその付属物を含む内容物が取り出され、当座使用しない付属物が梱包箱に戻されて保管される様子を概念的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱の外観を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱の一側面に内容物アイコンおよび製品外観が表示される例を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱の外観を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱において容積低減を可能とする第1の構成を説明する図であり、(a)は破断容易部を破断する様子を、(b)は側面を折り目で梱包箱の内側に折り返す様子を、(c)は容積低減された梱包箱の蓋部を閉じる様子を、それぞれ示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱において容積低減を可能とする第2の構成を説明する図であり、(a)は開梱後の梱包箱の外観を、(b)は破断容易部に沿って切り取られた切取片を、(c)は容積低減された梱包箱の蓋部を閉じる様子を、それぞれ示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱において容積低減を可能とする構成を説明する図であり、(a)は外観を、(b)は上箱を取り外した様子を、(c)は仕切り板を取り外して上箱を下箱に被せ、容積低減を行う様子を説明する図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱において容積低減を可能とする別の構成を説明する図であり、(a)は上箱、内箱、下箱を分離した状態を分解斜視図で示し、(b)は(a)のC−C断面であって、内箱を取り外す前の断面を、(c)は(a)のC−C断面であって、内箱を取り外した後の断面を、それぞれ示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱を示す図であり、(a)は蓋部の内側にポケットが設けられる様子を、(b)はポケットの細部を、それぞれ示す図である。
【図10】従来の技術に係る梱包箱の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、電子機器を収容するための梱包箱100を示す斜視図であり、収容される電子機器がデジタルカメラ10である例を示している。梱包箱には仕切り板102が挿入され、それぞれが袋やシート等で包装された状態で、デジタルカメラ10と、その付属物であるAV(オーディオ・ビジュアル)ケーブル12、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)ケーブル14、取扱説明書16、ドライバソフトウェアやユーティリティソフトウェアや電子マニュアル等が記録された光ディスク18、ACアダプタ20等が収容される。
【0014】
梱包箱100は紙、合成樹脂等のシート材に印刷をして、必要に応じてコートやラミネート等の表面加工を施し、罫線などとも称される折り目を付ける折り目加工、打ち抜き、製函等の工程を経て製造される。本実施の形態において、梱包箱100は紙製の段ボールシートから製造されるものとして説明をする。
【0015】
仕切り板102もまた、シート材に折り目加工、打ち抜き、曲げ、組み立て等の工程を経て製造され、製品梱包時に梱包箱100内に挿入される。仕切り板102は、パルプモールドで成形されたものとすることも可能である。あるいは、仕切り板102が梱包箱100と一体に形成されていてもよい。つまり、シート材を打ち抜いた時点の展開状態で梱包箱100の部分と仕切り板102の部分とが連なっていてもよい。仕切り板102は、輸送時に上述したデジタルカメラ10やその付属物等の内容物が互いにぶつかり合ったり擦れ合ったりしないように、内容物を分離して梱包箱100内に収容する役目を有する。仕切り板102はまた、外力により梱包箱100が変形するのを抑制する補強材としての役目と、梱包箱100とともに、輸送時の震動や衝撃から内容物を保護するための緩衝材としての役目も有する。
【0016】
本実施の形態において、ユーザが商品を購入して梱包箱100を開け、内容物および仕切り板102を取り出した後、梱包箱100を当座使用しない付属物等の保管容器として用いることが可能に構成される。このとき、仕切り板102が梱包箱100と一体に形成される場合、ミシン目等で形成された破断容易部において梱包箱100と仕切り板102とを容易に切り離すことが可能に構成されていることが望ましい。無論、仕切り板102を入れたままで保管容器として使用することも可能である。
【0017】
保管に際して、梱包箱100を単に平積み状態にするのではなく、棚等に立てて収納可能とすることにより、以下で説明するように保管のために必要な面積を減じることができる。また、本と一緒に並べて置かれていても、違和感を生じることなく、なおかつ保管場所を忘れてしまい、探し回るのに余計な時間や手間がかかる、といった事を抑制することが可能となる。
【0018】
梱包箱100の形状は、収容する内容物の大きさ等に応じてさまざまな形状とすることが可能であるが、六面体であることが望ましい。加えて、上述したように棚等に立てて収納可能とするため、以下に説明する形状を梱包箱100が備えていることが望ましい。すなわち、梱包箱100は直方体であることが望ましい。このとき、互いに対向する三組の面のうち、少なくとも二組の面が長方形状をなしていることが望ましい。残りの一組の面については、長方形であっても、正方形であってもよい。
【0019】
棚等に収納する際、梱包箱100は縦長の立位姿勢となるように向きが定められて、その姿勢で横幅となる部分の寸法が最も短くなる面が手前を向くように収納される。本明細書において、棚等に収納される際の上述した姿勢(縦長の立位姿勢となるように向きが定められて、その姿勢で横幅となる部分の寸法が最も短くなる面が手前を向く姿勢)を収納姿勢と称する。梱包箱100が収納姿勢で棚等に収納されると、棚等における横方向の収納スペースを節約することが可能となる。
【0020】
図1に例示される梱包箱100は、内容物を梱包箱100から出し入れするための開口部101と、その開口部を覆うための蓋部106とを備える。蓋部106は、開口部101を囲う位置にある四つの面104a、104b、104c、104dのうち、折り部108を介して面104aにつながっている。
【0021】
図1においては、六面のうち、投影面積の最も大きい面に開口部101および蓋部106を設ける例が示されているが、他の面、すなわち四つの面104a、104b、104c、104dのうち、いずれかの面に開口部101および蓋部106が設けられていてもよい。
【0022】
− 第1の実施の形態 −
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱の外観と、棚等への収納形態を説明する斜視図である。梱包箱200は、先に図1を参照して説明した梱包箱100と同様に、紙段ボールのシート材から製造されるものとする。梱包箱200は、六面体形状、さらに望ましくは直方体形状を有していて、蓋部206が矢印pで示される方向に開閉可能な形式のものである。つまり、四つの面204a、204b、204c、204dによって囲われる面が梱包箱200から内容物を出し入れするための開口部となっている。
【0023】
蓋部206は、折り部220を介して面204cにつながっている。また、蓋部206の先端側には、折り部222を介してつながるフラップ部204eが形成されていて、箱を閉じた状態においてはフラップ部204eが面204aを覆う位置にまで巻き回される。フラップ部204eの先端に係止部224が形成されていて、面204aに設けられるスリット状の係止穴(不図示)に係止部224を挿入することによりフラップ部204eが係止される。
【0024】
梱包箱200の外面には、内容物アイコン210、製品名称212、社名214、製品外観216などが表示されている。内容物アイコン210は、内容物を絵柄で記号化して表示するためのものである。本実施の形態では内容物表示として内容物アイコン210が表示される例について説明するが、アイコンに限らず、写真や文字などの、他の表示形態で内容物表示をしてもよい。図2の上側には、梱包箱200が書籍等の間に収納姿勢で収納される様子が示されている。収納姿勢では、面204cが手前側の面となる。つまり、本に例えれば、背表紙にあたる部分となる。面204cには、内容物アイコン210などが表示されている。面204cにはさらに、製品名称212、製品外観216も表示されていることが望ましい。これら製品名称212、製品外観216、内容物アイコン210等の表示の向きは、梱包箱200が収納姿勢で正立状態となるように収納されたときに正立する向きとなっている。
【0025】
図3は、面204cに表示される内容物アイコン210および製品外観216の例を示す図である。内容物アイコンとは、付属品の種類を分かりやすく示すシンボルマーク(アイコン)や付属品の略称・記号、あるいは付属品の内容を簡単に説明する文章等のいずれかあるいはそれらを組み合わせたものである。図3に示す例では、内容物アイコン210の上部に製品外観216が表示されていて、どのような製品がどのような付属物とともに収容されているかが一瞥して分かるようになっている。図3に例示される内容物アイコン210は、カメラ、ストラップ、リチウム・イオン充電池、CD−ROM、USBケーブル、AVケーブル、取扱説明書、保証書、ACアダプタ等の内容物が収容、梱包されていることを示している。
【0026】
これらの製品外観216や内容物アイコン210の表示の向きが上述したように定められていることにより、店頭の在庫として陳列されているときにも、ユーザによって棚等に収納された際にも、内容物の表示を容易に視認することが可能となる。さらに、フラップ部204eにも、面204cに表示される内容と同様のものを表示することにより、これらの面204c、フラップ部204eのうち、いずれが手前となるように収納されても内容物の表示を容易に視認することが可能となる。面204c、フラップ部204eに、内容物アイコン210に加えて製品名称212や製品外観216も表示することにより、ユーザが同じメーカーの異なる種類の製品を保有している場合に、どの製品の梱包箱であるかを容易に区別することが可能となる。
本実施の形態に係る梱包箱は、その側面に内容物アイコン(シンボル)が印刷され、この内容物アイコンが、本棚等に収納した状態で表示内容が正立する向きになるように印刷されている。これにより、内容確認が容易になるだけでなく、この梱包箱を本棚に収納するよう誘導する要因にもなる。本実施の形態に係る梱包箱は、かかる特徴を備えることで、ブック型梱包箱ともよばれ、内容物アイコンが表示された側面が、本の背表紙に相当する。
【0027】
− 第2の実施の形態 −
収容される製品の体積が比較的大きい場合、あるいは付属物の種類が多かったり、付属物の体積が大きかったりする場合、それらを収容する梱包箱も大きくなる。本発明の第2の実施の形態では、比較的大きい梱包箱、さらに具体的には比較的厚い梱包箱を保管容器として棚等に収容する際、その厚みを減じることを可能とする例について説明する。
【0028】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱の外観と、商品流通の段階においてこの梱包箱に収容されるデジタルカメラの外観とを示す斜視図である。デジタルカメラ30は、いわゆる一眼レフレックスカメラや、変倍比の比較的高い可変焦点距離の撮影レンズと、EVF(電子ビューファインダ)とを内蔵するカメラ等である。ここでは、デジタルカメラ30は撮影レンズおよびEVFを内蔵するカメラであるものとして説明をする。デジタルカメラ30の撮影レンズ先端からカメラ本体の背面までの寸法(厚さ寸法)および高さ寸法は、図1に示されるデジタルカメラ10に比して大きい。この、厚さ寸法および高さ寸法の比較的大きいデジタルカメラ30をその付属物とともに収容するため、梱包箱300の大きさも比較的大きくなっている。
【0029】
ユーザがデジタルカメラ30およびその付属物を含む内容物を取り出し、そのうち、当座使用しない付属物等を梱包箱300に戻して、そのまま保管容器として用いることも可能である。しかし、デジタルカメラ30本体と、仕切り板や緩衝材等とを取り出した後は梱包箱300の容積に余裕ができる。そこで、その余裕分を以下に説明する方法により減じて、梱包箱300を保管容器として棚等に保管する際の必要スペースが減じられるようにして、ユーザが梱包箱300を再利用しやすいようにする。
【0030】
梱包箱300は、先に図1を参照して説明した梱包箱100と同様に、紙段ボールのシート材から製造されるものとする。梱包箱300はまた、内容物を出し入れするための開口とその開口を開閉可能に覆う蓋部306を備える。この開口は、四つの面304a、304b、304c、304dによって囲われている。
【0031】
蓋部306は、折り部320を介して面304cにつながっている。また、蓋部306の先端側には、折り部322を介してつながるフラップ部304eが形成されている。フラップ部304eの先端に第1の実施の形態で図3を参照して説明した係止部224と同様の係止部が形成されている。梱包箱300を閉じた状態では、面304aに設けられるスリット状の係止穴に係止部を挿入することによりフラップ部304eが係止される。この係止部および係止穴については後で図5を参照して説明する。
【0032】
梱包箱300の外面には、内容物アイコン310、製品名称312、社名314、製品外観316などが表示されている。内容物アイコン310は、内容物を絵柄で記号化して表示するためのものである。第1の実施の形態で説明したのと同様、内容物表示はアイコンに限らず、写真や文字などの、他の表示形態によるものであってもよい。製品名称312は、梱包箱300に収容されている製品に付されている名前である。社名314は、製品を販売する会社の名前である。製品外観316は、製品外観の写真またはイラストである。収納姿勢では、面304cが手前側を向く面となり、面304dが上面に、面304bが底面に位置する。面304cには、製品名称312、製品外観316、内容物アイコン310などが表示されている。これら製品名称312、製品外観316、内容物アイコン310等の表示の向きは、梱包箱300が収納姿勢で正立状態となるように収納されたときに正立する向きとなっている。
【0033】
第2の実施の形態に係る梱包箱300と第1の実施の形態に係る梱包箱200との違いは、以下に説明するとおりである。すなわち、梱包箱300を、その開口部が上面(天面)に位置する姿勢としたときに、高さに相当する寸法が梱包箱100に比べて大きい(収納姿勢にした場合の横幅に相当する寸法が大きい)点である。また、折り部320を介して蓋部306とつながる面304cにおける製品名称312、製品外観316、内容物アイコン310等の表示位置が、開口部が上面に位置するように梱包箱300の姿勢を定めたときに、底部に相当する面に近い側(下側)に偏っている。さらに、蓋部306の先端側の領域には、内容物アイコン310が表示される。この領域にはまた、必要に応じて製品名称312や製品外観316も表示される。さらにまた、蓋部306の先端側に近い位置で、上述した内容物アイコン310、製品名称312、製品外観316が表示される領域よりも折り部320に近い側に、折り部320の延びる方向と略平行な方向に延びる折り目324が形成される。なお、図4において、面304b上および面304c上に、開口部が上面に位置するように梱包箱300の姿勢を定めたときに、底面に相当する面と略平行な方向に沿って延びる破線328および330が示されている。これらの破線については後で図5、図6を参照して説明する。
【0034】
図4を参照して説明した梱包箱300を収納姿勢としたときの横幅に相当する部分の寸法を減じることを可能とする構成として、図5に第1の構成を、図6に第2の構成を示す。図5においては梱包箱に符号300Aを付し、図6においては梱包箱に符号300Bを付す。また、図面が煩雑となるのを防ぐために、図5、図6に示される梱包箱300A、300Bの外面には文字、写真、図柄等が表示される様子が示されていない。しかし、梱包箱300A、300Bも、図4に示される梱包箱300と同様の外観を有するものとする。図5、図6に示される梱包箱300A、300Bにおいて、図4に示される梱包箱300と同様の構成要素には同じ符号を付してある。
【0035】
ところで、図4、図5、図6において、梱包箱300、300A、300Bは、その開口部が上面となるような姿勢で描かれている。以下で図5、図6を参照して梱包箱300A、300Bの構成を説明するにあたり、特に折り目、切れ込み、面の向き、二面が交じり合う部分に形成される稜部の延びる方向等、幾何学的な特徴を説明する際には、理解を容易にすることを目的として、これらの図に示されるように開口部が上面となるような姿勢にあることを前提に説明をする。つまり、開口部に対向する面を底面と称し、開口部を囲う位置にある四つの面304a、304b、304c、304dを側面と称する。図5、図6を参照して説明をする際に高さ寸法として説明をする部分が、梱包箱300A、300Bが収納姿勢にあるときには横幅となる。
【0036】
最初に図5を参照し、第1の構成を説明する。図5(a)は、開梱して内容物を仕切りなどとともに取り出した状態の梱包箱300Aを示す図である。開口部の四隅のそれぞれから底面に向かって延びる四つの稜部に沿うように破断容易部358a、358b、358c、358dが設けられる。この破断容易部358a、358b、358c、358dは、ユーザが工具等を用いることなく、容易に破断できるように構成される。例えば、梱包箱300Aを製造する過程でミシン目や半抜き等の加工を破断容易部358a、358b、358c、358dに施すことが可能である。この破断容易部358a、358b、358c、358dは、梱包箱の製造工程、あるいは梱包や物流の過程では破断することのない程度の強度でつながっていることが望ましい。そして、梱包箱300Aを開梱したユーザが、例えば側面304a、304bを掴み、これらの側面304a、304bが交わる部分に形成される稜部に引っ張り力あるいは剪断力が加わるように力を加えることにより、破断する程度の強度となっていることが望ましい。
【0037】
これらの破断容易部358a、358b、358c、358dをユーザが破断させることにより、切取片354、356が取り去られる。図5(a)では破断容易部358a、358bに対応する切取片354、356のみ示されるが、破断容易部358c、358dに対応する切取片も取り去られる。
【0038】
図5(b)は、切取片354、356等を除去した後、開口部の四隅のそれぞれから底面に向かって延びる四つの稜部に沿うように切り込み部が形成された様子が描かれている。これら四つの切り込み部は、折り目326A、328A、330A、332Aが設けられる位置まで達している。すなわち、図5(a)において、底部からの高さh1近傍の位置にまで達している。本実施の形態において、高さh1は、梱包箱300Aの元の高さの略半分の高さに設定されている。
【0039】
側面304a、304b、304c、304dにはそれぞれ、底面から高さh1の位置において、底面と略平行な方向に折り目326A、328A、330A、332Aが形成されている。この折り目326A、328A、330A、332Aは、梱包箱300Aを製造する過程において折り目加工が施されて形成される。折り目326A、328A、332Aにより、蓋部306がつながる側面304cを除く側面304a、304b、304dにおいて上述のように切り込み部が形成された部分340a、340b、340dを矢印pの方向に沿って梱包箱300Aの内側に折り曲げることが容易となる。
【0040】
蓋部306と折り部320を介してつながる側面304cに形成される折り目330Aにより、側面304cにおいて切り込み部が形成された部分340cを矢印qで示される方向に沿って折り曲げることが容易となる。
【0041】
図5(c)は、側面304a、304b、304c、304dにおける切り込みの形成された部分340a、340b、340c、340dが折り目326A、328A、330A、332Aで内側に曲げられた状態の梱包箱300Aを示す図である。折り目330Aにおいて、側面304cにおける切り込み部が形成された部分を図5(b)に示される矢印qに沿う方向に折り曲げることにより、蓋部306と側面304cとをつなぐ新たな折り部330A−1が形成される。
【0042】
上記のように、蓋部306と側面304cとをつなぐ新たな折り部330A−1が形成されることにより、蓋部306の先端側では開口部の大きさに対して余剰部分(はみ出る部分)を生じる。この余剰部分が、図5(a)、図5(b)、図5(c)において符号348の付される部分である。蓋部306の先端側に設けられている折り目324の延びる方向は、折り目330Aの延びる方向と略平行となっている。この折り目324を、図5(b)に示される矢印rに沿うように折り曲げることにより、図5(c)に示される折り部324−1が形成され、余剰部分348を梱包箱300Aの外周に容易に巻き回すことが可能となる。
【0043】
蓋部306の先端側に折り部322を介してつながるフラップ部304eの先端部には係止部321が形成されている。一方、製品梱包状態(製品流通段階)においてフラップ部304eと重なり合う側面304aにはスリット状の係止穴350が設けられており、係止部321がこの係止穴350に挿入される。また、梱包箱300Aの底部には、もう一つの係止穴352が形成されている。この係止穴352は、係止穴350と同様の開口形状を有していて、上述のように梱包箱300Aの高さ方向の寸法が減じられて、蓋部306の余剰部分348が梱包箱300Aの外周に巻き回された際に、係止部321を挿入するための新たな係止穴として用いられる。
【0044】
以上のようにして梱包箱300Aの高さ方向の寸法が減じられた結果、蓋部306の余剰部分348が側面304aの外側を覆う新たな側面となる。この余剰部分348に内容物アイコン310等を表示することにより、容積を減少させた梱包箱300Aが収納姿勢となるように立てられて棚等に収納されたときに、側面304cおよび余剰部分348のうち、何れの面が手前側となっても、内容物の種類を容易に視認することが可能となる。以下では梱包箱の容積を減少させることを「容積減少」と称する。
【0045】
製品梱包状態において2×h1の高さ寸法を有していた梱包箱300Aは、上述した構成によって容積減少がなされ、高さ寸法がh1に減じられる。この高さ寸法は、収容姿勢において横幅寸法となる部分である。つまり、上述した構成によって収納姿勢における横幅方向の寸法を減じることが可能となる。無論、ユーザが容積減少を望まない場合には、開梱した後に上述した容積減少の手順を経ることなく収納することも可能であるので、梱包箱300Aを保管容器として用いる際の、ユーザの自由度を増すことができる。
【0046】
以上では梱包箱300Aの高さ寸法が、容積減少前において2×h1、容積減少後においてh1とする例について説明したが、容積減少後の高さ寸法は様々に設定可能であることはもちろんである。なお、容積減少後の高さ寸法を、容積減少前の高さ寸法の半分とすることにより、容積減少前は開口部と側面304aとでなす綾部の近傍に位置していた折り部322が、容積減少後、側面304aと底面とでなす綾部の近傍に移動する。容積減少後の高さ寸法を、容積減少前の高さ寸法の半分以外の寸法とする場合、容積減少後に側面304aと底面とでなす綾部の近傍に折り部が位置するように、折り部322の延びる方向と平行な方向に延びる別の折り目を設けることが望ましい。このとき、係止穴352を設ける位置も、容積減少後の高さ寸法に応じて移動させることが望ましい。
【0047】
次に図6を参照して、容積減少を可能とする第2の構成を説明する。図6(a)は、開梱して内容物を仕切りなどとともに取り出した状態の梱包箱300Bを示す図である。蓋部306と折り部320を介してつながる側面304cを除く三つの側面304a、304b、304dには、破断容易部326B、328B、332Bが設けられる。これらの破断容易部326B、328B、332Bは、底面から高さh1の位置において、底面と略平行な方向に延びるように設けられている。また、側面304cの両端に位置して高さ方向に延びる二つの綾部に沿うように破断容易部344a、344bが設けられる。これらの破断容易部344a、344bは、二つの綾部が開口部に接する位置から、底面からの高さh1の位置に達する位置までの長さにわたって設けられる。つまり、上述した五つの破断容易部は、344aから328B、326B、332B、そして344bと連なっている。破断容易部326B、328B、332B、344a、344bの構成については、第1の構成の説明中に記載したのと同様のものとすることが可能である。第2の構成においても、梱包箱300Bの高さ寸法(収納姿勢における幅方向の寸法に相当)は、容積減少前において2×h1で、容積減少後においてh1であるものとする。
【0048】
梱包箱300Bを開梱した後、破断容易部326B、328B、332B、344a、344bをユーザが破断することにより、側面304a、304b、304dにおける破断容易部326B、328B、332Bよりも上側の(開口部に近い)部分342a、342b、342dが梱包箱300Bから切り離される。これらの部分342a、342b、342dからなる切取片342が図6(b)に示される。この切取片342は、処分されてもよいし、容積減少処理後の梱包箱300B中に挿入して仕切り板として用いることも可能である。
【0049】
図6(c)は、切取片342が除去されたあとの梱包箱300Cを示す図である。蓋部306と折り部320を介してつながる側面304cには、底面からの高さh1の位置において、底面と略平行な方向に延びる折り目330Bが形成される。この折り目330Bにより、側面304cにおける折り目330Bよりも上側の部分342cを矢印qで示される方向に折り、新たな折り部330B−1を形成することが容易となる。そして、切取片342を除去した後に形成される新たな開口部を上記の部分342cおよび蓋部306で覆うことが可能となる。
【0050】
上記のように、蓋部306と側面304cとをつなぐ新たな折り部330B−1が形成されることにより、蓋部306の先端側では開口部の大きさに対して余剰部分(はみ出る部分)を生じる。この余剰部分が、図6(a)、図6(c)において符号348の付される部分である。蓋部306の先端側に設けられている折り目324の延びる方向は、折り目330Bの延びる方向と略平行となっている。この折り目324に沿い、蓋部306を図6(c)に示される矢印rに沿うように折り曲げることにより、図6(c)に示される新たな折り部324−1を容易に形成することが可能となる。そして、余剰部分348を梱包箱300Bの外周に容易に巻き回すことが可能となる。
【0051】
蓋部306の先端側に折り部322を介してつながるフラップ部304eの先端部分には係止部321が形成されている。一方、製品梱包状態(製品流通段階)においてフラップ部304eと重なり合う側面304aにはスリット状の係止穴350が設けられており、係止部321がこの係止穴350に挿入される。また、梱包箱300Bの底部には、もう一つの係止穴352が形成されている。この係止穴352は、係止穴350と同様の開口形状を有していて、上述のように梱包箱300Bの高さ方向の寸法が減じられて、蓋部306の余剰部分348が梱包箱300Bの外周に巻き回された際に、係止部321を挿入するための新たな係止穴として用いられる。
【0052】
以上のようにして梱包箱300Bの高さ方向の寸法が減じられた結果、蓋部306の余剰部分348が側面304aの外側を覆う新たな側面となる。この余剰部分348に内容物アイコン310等を表示することにより、減容させた梱包箱300Bが収納姿勢となるように立てられて棚等に収納されたときに、側面304cおよび余剰部分348のうち、何れの面が手前側となっても、内容物を容易に視認することが可能となる。
【0053】
製品梱包状態において2×h1の高さ寸法を有していた梱包箱300Bは、上述した構成によって減容され、高さ寸法がh1に減じられる。この高さ寸法は、収容姿勢において横幅寸法となる部分である。つまり、上述した構成によって収納姿勢における横幅方向の寸法を減じることが可能となる。無論、ユーザが減容を望まない場合には、開梱した後に上述した減容の手順を経ることなく収納することも可能であるので、梱包箱300Bを保管容器として用いる際の、ユーザの自由度を増すことができる。
【0054】
第2の構成の説明においても、梱包箱300Bの高さ寸法が、容積減少前において2×h1、容積減少後においてh1とする例について説明したが、容積減少後の高さ寸法は様々に設定可能である。その場合、容積減少後に側面304aと底面とでなす綾部の近傍に折り部が位置するように、折り部322の延びる方向と平行な方向に延びる別の折り目を設けることが望ましいのは第1の構成と同様である。また、係止穴352を設ける位置に関して、容積減少後の高さ寸法に応じて移動させることが望ましいことも第1の構成と同様である。
【0055】
− 第3の実施の形態 −
第3の実施の形態も、第2の実施の形態と同様に、収容される製品の体積が比較的大きい場合に、開梱後の梱包箱の容積減少をして、収納姿勢における幅方向の寸法を減じることを可能とするものである。
【0056】
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱を示す図である。図7(a)には、梱包箱700の外観を斜視図で示す。梱包箱700には、第2の実施の形態で説明したデジタルカメラ30が収納されるものとする。梱包箱700は、下箱704と、下箱704の開口部を覆うために、下箱704に被せる上箱706とを備える。図7(b)には、上箱706を外した状態の梱包箱700からデジタルカメラ30およびその付属物を含む内容物を取り出した状態の斜視図と上箱706を被せた状態の断面図(左側の斜視図における断面A−A)とで示す。図7(c)には、下箱704から図7(b)に示される仕切り板702を取り外して上箱706を被せた状態の梱包箱700を斜視図と断面図(左側の斜視図における断面B−B)とで示す。
【0057】
ユーザがデジタルカメラ30およびその付属物を含む内容物を取り出し、そのうち、当座使用しない付属物等を梱包箱700に戻して、そのまま保管容器として用いることも可能である。しかし、ユーザが梱包箱700を棚等に収納する際に容積減少を希望する場合、以下で説明するように仕切り板702を下箱704から取り出して上箱706を被せるだけで梱包箱700を収納姿勢にしたときの横幅に相当する寸法を減じることが可能に構成される。
【0058】
上箱706、下箱704はそれぞれ、先に図1を参照して説明した梱包箱100と同様に、紙段ボールのシート材から製造されるものとする。図7において、梱包箱700は、上箱706を外したときに下箱704の開口部が上面となるような姿勢で描かれている。以下で図7を参照して梱包箱700の構成を説明するにあたり、特に幾何学的な特徴を説明する際には、理解を容易にすることを目的として、図7に示されるように下箱704の開口部が上面となるような姿勢にあることを前提に説明をする。つまり、下箱704の、開口部に対向する面を底面と称し、その開口部を囲う位置にある四つの面704a、704b、704c、704dを側面と称する。また、上述した姿勢の下箱704に上箱706を被せた状態で下箱704の開口部と略平行な位置関係となる上箱706の外面を上面と称し、その上面を囲う位置にある四つの面706a、706b、706c、706dを側面と称する。図7を参照して説明する際に高さ寸法となる部分は、梱包箱700が収納姿勢にあるときには横幅に相当する。
【0059】
上箱706の上面には、図7(a)に例示されるように、製品名称712、製品外観716、社名714などが表示される。また、梱包箱700を収納姿勢にして棚等に載置したときに手前側となる面である側面706cには、内容物アイコン710が表示される。内容物アイコン710については第1の実施の形態で図3を参照して説明した内容物アイコン210と同様のものとすることが可能である。また、内容物表示はアイコンに限らず、写真や文字などの、他の表示形態によるものであってもよい。側面706cには、必要に応じて製品名称712、製品外観716、社名714等を表示することも可能である。これらの表示の向きは、梱包箱700が収納姿勢で正立状態となるように棚等に収納されたときに、正立する向きとなっている。また、側面706aの側にも内容物アイコン710等を表示することにより、梱包箱700を収納姿勢で棚等に収納する際、これらの側面706aおよび706cのうち、いずれの面が手前となっても内容物アイコン710等を容易に視認することが可能となる。
【0060】
図7(a)において、下箱704の側面704bに製品名称712や製品外観716が表示される様子が示されているが、側面704b以外の面に表示されていてもよい。図7(b)、図7(c)においては図が煩雑となることを避けるため、上述した表示は省かれている。
【0061】
図7(b)において、下箱704の内部に仕切り板702が収容される様子が示されている。図7(b)の左側に示される斜視図の断面A−Aにおける様子が図7(b)の右側に断面図として示されている。なお、図7(b)右側の断面図においては、上蓋706が下箱704に被せられた状態で示されている。仕切り板702は、紙段ボール等のシート材によって形成することが可能である。
【0062】
仕切り板702の高さ寸法H1は、収容物の寸法や体積に応じて設定される。下箱704に仕切り板702を挿入して上箱706を被せることにより、梱包箱700内に高さH1の収納空間が形成される。この状態でデジタルカメラ30およびその付属物を含む内容物が収容されて梱包される。
【0063】
図7(b)の断面A−Aの図を参照して説明すると、仕切り板702は、基部702bと張出部702aとを有する。なお、図7(b)において、下箱704の側面704cと底面とでなす綾部の延びる方向と平行な方向を「幅方向」と称し、同じく側面704bと底面とでなす綾部の延びる方向と平行な方向を「奥行き方向」と称する。仕切り板702の基部702bにおける幅方向の寸法Wは、下箱704の内寸の幅方向寸法と略等しくなるように設定される。また、仕切り板702の基部702bにおける奥行き方向の寸法Dは、下箱704の内寸の奥行き方向寸法と略等しくなるように設定される。ここで、寸法が略等しいとは、下箱704に仕切り板702の基部702bを嵌合させたとき、仕切り板702に大きなガタを生じることなく、かつ、きつすぎる嵌合関係であるために仕切り板702および下箱704のいずれかで変形を生じる、ということのない程度の寸法関係であることを意味する。このとき、下箱704に仕切り板702を挿入した状態で、両者の間に摩擦力を生じ、この摩擦力によって仕切り板702が下箱704内で保持されるようにすることが望ましい。
【0064】
張出部702aは、基部702bの幅方向および奥行き方向の両端において、基部702bの両端からそれぞれ張出寸法sで突出している。この張出寸法sは、下箱704の各側面704a、704b、704c、704dの厚さtと略等しくなるように設定される。その結果、仕切り板702の、張出部702aを含む幅方向、奥行き方向の寸法は、下箱704の幅方向、奥行き方向の外寸と略等しくなる。また、上箱706の幅方向、奥行き方向の寸法は、下箱704の幅方向、奥行き方向の外寸と略等しく設定されている。したがって、仕切り板702の、張出部702aを含む幅方向、奥行き方向の寸法は、上箱706の幅方向、奥行き方向の内寸と略等しくなる。ここでの「寸法が略等しい」の意味も、先に説明した仕切り板702の基部702bにおける寸法と下箱704の内寸との関係と同様とすることが可能である。このように各部の寸法関係が定められていることにより、梱包箱700内で大きなガタを生じることがない。また、下箱704に仕切り板702を挿入した状態で上箱706を被せたり外したりする際に、それらをスムーズに行うことができる。
【0065】
上箱706の側面706aおよび706cにはそれぞれ、係止部721が設けられる。下箱704の側面704aおよび704cにはそれぞれ、スリット状の係止穴750および752が高さ方向に配列されるように形成されている。仕切り板702の挿入された状態で上箱706が下箱704に被せられた場合には、係止部721を、下箱704の開口部に近い側に設けられた係止穴750と係合させて梱包箱700が不用意に開くことのないようにされる。仕切り板702が取り外された状態で上箱706が下箱704に被せられた場合、係止部721は、下箱704の底面に近い側に設けられた係止穴752と係合させられる。これらの係止部721および係止穴750、752は、以上のように梱包箱700の対向する二つの側面だけに設けられるものであっても、四つの側面に設けられるものであってもよい。また、上箱706と下箱704とを係止する構成に関しては、テープ、紐、ホック・スナップ、面ファスナ等のいずれかを用いることも可能である。
【0066】
ここで、梱包箱700内に仕切り板702が挿入されている場合、挿入されていない場合の双方における下箱704と上箱706との嵌合関係について図7(b)および図7(c)を参照して説明する。仕切り板702が挿入された状態で上箱706を下箱704に被せて嵌合させるときのストロークは、図7(b)の断面図に示されるように、仕切り板702の高さ寸法H1で規制されるように各部の寸法関係が定められている。上箱706を下箱704に向かって完全に押し下げた状態において、上箱側面と下箱側面との嵌合長はL1となる。以上のように、仕切り板702が下箱704に挿入されている状態では、上箱706の上面内側(内側天井面)が仕切り板702の上端と当接して上述したストローク、嵌合長L1が得られる。
【0067】
図7(c)では、仕切り板702が取り外された状態で下箱740に上箱706が被せられている状態が示されている。図7(c)の左側に示される斜視図の断面B−Bにおける様子が図7(c)の右側に断面図として示されている。仕切り板702を取り外して上箱706を下箱704に被せて嵌合させるときのストロークは、図7(c)に示されるように下箱704の高さ寸法(内寸)H2で規制されるように各部の寸法関係が定められている。仕切り板702を取り外して上箱706を下箱704に被せ、上箱706を下箱704に向かって完全に押し下げた状態において、上箱側面と下箱側面との嵌合長はL2となる。以上のように、仕切り板702が下箱704から取り外されている状態では、上箱706の上面内側(内側天井面)が下箱704の開口端と接触して上述したストローク、嵌合長L2が得られる。
【0068】
図7(b)、図7(c)から見てとれるように、製品梱包状態における上記嵌合長L1は、ユーザが開梱して仕切り板702を取り外し、再び上箱706を下箱704に被せた、収納状態における上記嵌合長L2に比べて短い。輸送時に梱包箱700に作用する震動や外力を考慮すると、嵌合長L1はより長くなることが望ましい。しかし、仕切り板702に、上述した構成の基部702bおよび張出部702aを設けることにより、上記嵌合長L1が比較的短い状態であっても、製品梱包状態における梱包箱700の強度を増すことが可能となる。何故ならば、上箱706、下箱704の側面に外力が作用した場合に、その外力を仕切り板702で受けることが可能となるからである。
【0069】
以上では、下箱に上箱を被せる形式を有する梱包箱700を開梱して内容物を取り出した後、付属物等を中に戻して棚等に収納する際に、仕切り板702を下箱704から取り外すだけで梱包箱700の容積減少が可能となり、収納姿勢における横幅に相当する寸法を減じることが可能となる構成について説明した。被せ箱の形式を有する梱包箱を収納姿勢としたときに横幅に相当する寸法を減じる構成としては上述したものに限られることはなく、以下のような構成とすることも可能である。
【0070】
例えば、下箱704の高さ寸法(内寸)を、図7(b)内の断面図のH1まで延長することにより、製品梱包状態における容積を確保することが可能となる。そして、下箱704の各側面704a、704b、704c、704d上に、下箱704の底面に略平行で、この底面(内側)から高さH2の位置に延びる平面と交差する位置に破断容易部を設ける。つまり、下箱704の四つの側面704a、704b、704c、704d全周に沿う破断容易部を下箱704の底面と略平行となる破断容易部を設ける。破断容易部の構成については第2の実施の形態で説明したものと同様とすることが可能である。梱包箱700を付属品等の保管箱として用いる際には、この破断容易部で各側面704a、704b、704c、704dを切断し、除去することにより、底面内側から高さH2の位置に開口部を有する下箱704を得ることができる。
【0071】
あるいは、上述した破断容易部を折り目とし、下箱704の開口部の四隅から底面に向かって延びる四つの綾部にそって開口部から上記折り目に達する破断容易部を設けてもよい。容積減少をする際、ユーザは四カ所の破断容易部を破断した後、折り目に沿って四つの側面704a、704b、704c、704dを下箱704の内側に折り曲げてもよい。
【0072】
さらに別の方法として、下箱704の内部に挿入可能な内箱をさらに備えていて、その内箱の高さを下箱704の底面内側からの高さH2よりも高くすることも可能である。この例について図8を参照して説明する。図8において、図7に示されるものと同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0073】
図8に示される梱包箱700Aでは、製品梱包状態における容積を確保するための構成として図7における仕切り板702に代えて内箱760が下箱704の内側に挿入される点が相違する。図8を参照して梱包箱700Aの幾何学的な特徴を説明する際に、理解を容易にすることを目的として、図8に示されるように内箱760および下箱704の開口部が上面となるような姿勢にあることを前提に説明をする。そして、内箱760の、開口部に対向する面を底面と称し、その開口部を囲う位置にある四つの面760a、760b、760c、760dを側面と称する。また、梱包箱700Aが収納姿勢にあるときに横幅となる部分の寸法は、図8を参照して説明する際には、高さ寸法として説明をする。また、内箱760の底面と側面760cとでなす綾部の延びる方向と平行な方向を幅方向、同じく底面と側面760bとでなす綾部の延びる方向と平行な方向を奥行き方向と称する。
【0074】
内箱760の側面760a、760b、760c、760dの開口部側端部には、それぞれ折返し部762a、762b、762c、762dが設けられる。内箱760の幅方向および奥行き方向の外寸は、下箱704の幅方向および奥行き方向の内寸と略等しい。つまり、内箱760を下箱704に挿入したときに、ガタを生じることがなく、さらに内箱760と下箱704との嵌合関係がきつ過ぎて内箱760を下箱704に挿入したときにいずれかが破損したり、変形したりすることのないように寸法が定められている。
【0075】
内箱760は、梱包箱700Aを構成する上箱706、下箱704と同様、紙段ボールのシート材で構成されたものとすることが可能である。また、内箱760の材料厚は、下箱704の材料厚と略等しいことが望ましい。
【0076】
図8(b)は、図8(a)の断面C−Cを示しており、下箱704に内箱760が挿入されていて、上箱706が下箱704に被せられた状態の断面を示している。図8(c)は、同じく図8(a)の断面C−Cを示しているが、内箱760が下箱704から取り外されていて、上箱706が下箱704に被せられた状態の断面を示している。
【0077】
図8(b)に示されるように、内箱760が下箱704に挿入された状態で上箱706を下箱704に被せて嵌合させるときのストロークは、内箱760の高さ寸法H1で規制されるように各部の寸法関係が定められている。上箱706を下箱704に向かって完全に押し下げた状態において、上箱側面と下箱側面との嵌合長はL1となる。以上のように、内箱760が下箱704に挿入されている状態では、上箱706の上面内側(内側天井面)が内箱760の上端と当接して上述したストローク、嵌合長L1が得られる。
【0078】
一方、図8(c)に示されるように、内箱760を取り外して上箱706を下箱704に被せて嵌合させるときのストロークは、下箱704の高さ寸法(内寸)H2で規制されるように各部の寸法関係が定められている。内箱760を取り外して上箱706を下箱704に被せ、上箱706を下箱704に向かって完全に押し下げた状態において、上箱側面と下箱側面との嵌合長はL2となる。以上のように、内箱760が下箱704から取り外されている状態では、上箱706の上面内側(内側天井面)が下箱704の開口端と当接して上述したストローク、嵌合長L2が得られる。
【0079】
図7(b)、図7(c)を参照して先に説明したのと同様、製品梱包状態における上記嵌合長L1は、ユーザが開梱して内箱760を取り外し、再び上箱706を下箱704に被せた、収納状態における上記嵌合長L2に比べて短い。この点、内箱760の材料厚を下箱704の材料厚と等しくすることにより、折返し部762a、762b、762c、762dの厚みを含めた内箱760の幅方向および奥行き方向の寸法(外寸)を、下箱704の幅方向および奥行き方向の寸法(外寸)と揃えることができる。
【0080】
つまり、折返し部762aの外面と下箱704の側面704a、折返し部762bの外面と側面704b、折返し部762cの外面と側面704c、折返し部762dの外面と側面704dを、それぞれ面一にすることができる。その結果、製品梱包状態における上箱706と下箱704との嵌合長を実質的に増すことが可能となる。また、折返し部762a、762b、762c、762dが図8(b)に示される状態からスプリングバックによって幅方向または奥行き方向に拡がろうとするので、上箱706を開閉する際には上箱706の側面706a、706b、706c、706dの内側面と、折返し部762a、762b、762c、762dの外側面との間で摩擦力を生じる。この摩擦力によって上箱706と内箱760との間で適度な拘束力を得ることが可能となる。
【0081】
以上では、内箱760が底面を備える箱であるものとして説明したが、底面の部分を有しない枠体として形成されていてもよい。
【0082】
− 第4の実施の形態 −
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱900を示す斜視図である。図9(a)は、梱包箱900を開いた状態の外観を示し、図9(b)は、梱包箱900に設けられるポケットを示す。梱包箱900は特に、デジタルカメラや、デジタルカメラを内蔵する電子機器を収納するためのものとする。梱包箱900は、図1を参照して説明した梱包箱100と同様、開口部901を開閉自在に覆う蓋部906を備える。そして、開口部901を囲う位置にある四つの面、すなわち側面904a、904b、904c、904dのうちの一つの側面904aに、折り部908を介して蓋部906がつながっている。蓋部906の先端部近傍には折り部922を介してつながるフラップ部904eが設けられる。梱包箱図1に示される梱包箱100との違いは、蓋部906の内面にポケット910が設けられる点である。
【0083】
図9(a)において、梱包箱900の外部における表示は省略してあるが、目的に応じて図2に示されるような内容物アイコン210、製品名称212、社名214、製品外観216等を表示可能である。表示の向きも、目的に応じて様々に設定可能である。収納姿勢で棚等に収納することが想定される場合、梱包箱900が収納姿勢で正立した状態で棚等に収納されたときに、手前となる面において正立した向きとなるように表示されることが望ましい。
【0084】
ポケット910は、紙、あるいはポリエチレン、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)などといったプラスチック等のシート材で形成され、蓋部906の内面側に両面粘着テープ、化学接着剤、ホットメルト接着剤等のいずれかによって固定される。あるいは、ポケット910が熱可塑性のプラスチックシートで形成される場合には、超音波による熱容着によって固定することも可能である。
【0085】
蓋部906の内面に設けられるポケット910の数は、蓋部906の大きさとポケット910の大きさとの関係等によって様々に設定可能である。ポケット910が複数設けられる場合、それらのポケット910の大きさは同じであっても、互いに異なっていてもよい。ポケット910の開口部、すなわち図9(b)に示される入口部926は、蓋部906の自由端側、すなわち側面904aと蓋部906とのつながる部分に対して反対を向く側とすることが望ましい。理由は、蓋部906の開閉時にポケット910内に収納されているものが脱落するのを抑止するためである。また、蓋部906を閉じた状態で入口部926が側面904aまたは904bに向くようにポケット910の向きが定められる場合には、以下のようにポケット910の向きを定めることが望ましい。すなわち、梱包箱900が収納姿勢で棚等に収納されることが想定される場合には、収納姿勢で正立した状態に置かれたときに入口部926が上を向くようにポケット910の向きを定めることが望ましい。
【0086】
ポケット910は、梱包箱900を開梱して内容物を取り出し、付属物等を保管する保管容器として用いられる際に、写真プリントPPを収納可能に構成される。そのため、ポケット910を形成する材料は、写真プリントの出し入れに際して破れにくい程度の強度を有し、かつ、内容物がある程度判別できる程度の透光性、あるいは透明性を有することが望ましい。
【0087】
図9(b)に、ポケット910の構成例を示す。ポケット910は、薄い箱状、あるいは封筒のように折って接着して形成されたもの等、様々な形態のものとすることが可能である。図9(b)では、その1例が示されている。
【0088】
ポケット910は、ポケット910中で最大の投影面積を有する前カバー部912およびこれに対向する後カバー部914と、入口部926と対向する底部920を備える。ポケット910の側面には、前カバー部912、底部920、後カバー部914をつなぐ、ゆとり部916が形成される。前述のように後カバー部914が蓋部906の内面に貼付されるように、ポケット910は梱包箱900に配置される。二つのゆとり部916はそれぞれ折り部918によって内側に向かってV字状に折られる。また、ポケット910の底部920近傍には、折り部918に連なるように複数の第2の折り部924が設けられている。従って、ポケット910内に収容物が入れられていない状態では折り部918、第2の折り部924を折り込み、ポケット910を薄く折り畳むことが可能に構成される。
【0089】
ポケット910のサイズは、写真プリントを収容可能なサイズに設定されることが望ましい。例えば、市場で一般に流通している82.5mm×117mm(日本国内ではE判と称される)、89mm×127mm(同じくL判)、102mm×152mm(同じくKG判、はがきサイズ)、127×178mm(同じく2L判)、A6サイズなどといったサイズのうち、いずれかのサイズの写真プリントを収容可能なサイズに設定されることが望ましい。
【0090】
このとき、ポケット910は不使用時には薄く折り畳むことができる。また、ポケット910がゆとり部916、底部920を備えることにより、より多くの枚数の写真プリントを収容することが可能となる。
【0091】
図9では示していないが、ポケット910の入口部926にフラップ部を設けることも可能である。写真プリントを収容しているときにはこのフラップ部を閉じて、中の写真プリントが不用意に脱落することを抑止することができる。
【0092】
ポケット910は、梱包箱900が製品梱包状態にあるときに、取扱説明書や保証書を収容するためのスペースとして用いることも可能である。また、梱包箱900の形態は、第2の実施の形態で説明したような、容積低減が可能な構成を有するものであってもよい。
【0093】
以上、第4の実施の形態に係る梱包箱900によれば、開梱後の梱包箱900を付属物などと共に写真プリントも収容可能な保存容器として利用することが可能となり、梱包箱900を再利用することをユーザに対してより積極的に訴求することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、電子式のスチルカメラ、ムービーカメラ、撮影機能付きの携帯電話、録音装置等を収容可能な梱包箱に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
10、30 … デジタルカメラ
100、200、300、300A、300B、700、700A、900、1000 … 梱包箱
101、901 … 開口部
102、702 … 仕切り板
104a、104b、104c、104d … 側面
106、206、306、706、906 … 蓋部
108、220、222、320、322、908、922 … 折り部
204a、204b、204c、204d … 側面
204e、304e、904e … フラップ部
210、310、710 … 内容物アイコン
216、316、716 … 製品外観
304a、304b、304c、304d … 側面
324、330、326A、328A、330A、330B、332A … 折り目
326B、328B、332B、344a、344b … 破断容易部
321、721 … 係止部
350、352、750、752 … 係止穴
358a、358b、358c、358d … 破断容易部
702a … 張出部
702b … 基部
704 … 下箱
704a、704b、704c、704d … 側面
706 … 上箱
706a、706b、706c、706d … 側面
760 … 内箱
762a、762b、762c、762d … 折返し部
760a、760b、760c、760d … 側面
904a、904b、904c、904d … 側面
910 … ポケット
912 … 前胴部
914 … 後胴部
916 … ゆとり部
918 … 折り部
920 … 底部
924 … 第2の折り部
926 … 入口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体およびその付属物を内部に収容してユーザに提供するための六面体形状を有する梱包箱であって、
前記梱包箱は、
折り曲げられたシート材により直方体形状に形成され、
当該直方体形状の1つの側面であって、前記梱包箱を縦長の立位姿勢を収納姿勢として、所定の収納スペースに収納されるときに、手前側になる側面には、前記付属物の内容を示す内容物表示が表示され、当該内容物表示は、前記縦長の立位姿勢で収納されている状態で、正立した向きとなるように表示される、
ことを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
前記本体を前記梱包箱内から取り出した後、前記収納姿勢における前記梱包箱の前記横幅となる部分の寸法が減じられるようにするための横幅寸法短縮部をさらに備え、
前記横幅寸法短縮部により前記横幅となる部分の寸法が減じられた後も、前記収納姿勢において前記手前側となる側面に前記内容物表示が表示されるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記内容物を前記梱包箱内から出し入れするための開口部を開閉可能に覆うための蓋部を前記直方体形状のうちの一面に備え、
前記蓋部は、前記手前側となる側面を含む四つの側面のうち、前記手前側になる側面と折り部を介してつながれる、
ことを特徴とする請求項2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記横幅寸法短縮部は、
前記梱包箱を、前記開口部の面が上面となるような姿勢としたときに、底面に相当する面に向かって前記開口部の四隅のそれぞれから延びる四つの稜部に沿って設けられる破断容易部であって、前記開口部から前記四つの稜部に沿って、前記底面に相当する面を基準として所定の高さとなる位置まで切れ込みを入れることを容易にする破断容易部と、
前記開口部を囲う位置にある四つの面のうち、前記蓋部がつながっていない三つの側面上における前記所定の高さ近傍の位置に、前記底面と略平行に設けられる第1の折り目であって、前記三つの側面それぞれの、前記切れ込みが入れられた部分を前記梱包箱の内側に折り込むことを容易にする第1の折り目と、
前記開口部を囲う位置にある四つの側面のうち、前記蓋部がつながる面上における前記所定の高さ近傍の位置に、前記底面と略平行に設けられる第2の折り目であって、前記蓋部がつながる面と前記蓋部との間の新たな折り部を形成することを容易にする第2の折り目と、
前記第2の折り目の部分において前記蓋部開閉用の新たな折り部が形成されることにより、前記蓋部を閉じたときに前記蓋部の先端側で生じる余剰部分を前記梱包箱の外周部に巻き回すことを容易にするために、前記蓋部において前記第2の折り目の延びる方向と略平行な方向に設けられる第3の折り目と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記横幅寸法短縮部は、
前記側面の高さ方向の寸法が減じられるように、当該四つの側面のうち、前記蓋部がつながっていない三つの側面を構成する部材を部分的に切り取ることを容易にする破断容易部と、
前記四つの側面のうち、前記蓋部がつながる側面上における前記所定の高さ近傍の位置に設けられた第1の折り目であって、前記蓋部がつながる側面と前記蓋部との間の新たな折り部を形成することを容易にする第1の折り目と、
前記第1の折り目の部分において前記蓋部の新たな折り部が形成されることにより、前記蓋部を閉じたときに前記蓋部の先端側で生じる余剰部分を前記梱包箱の外周部に巻き回すことを容易にするために、前記蓋部において前記第1の折り目の延びる方向と略平行な方向に設けられる第2の折り目と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の梱包箱。
【請求項6】
前記梱包箱は、下箱に上箱を被せて嵌合させることにより前記内容物を収容するための空間が形成されており、
前記下箱に前記上箱を嵌合させたときに、第1の嵌合長と、前記第1の嵌合長よりも長い第2の嵌合長とを含む複数の嵌合長で嵌合状態に維持することの可能な嵌合長規制部と、
前記第1および第2の嵌合長のいずれの嵌合長で嵌合していても前記下箱と前記上箱とを係止可能とする係止部とを備え、
前記梱包箱を前記収納姿勢で前記収納スペースに収納する際には、
前記第2の嵌合長で前記下箱と前記上箱とが嵌合した状態に維持可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項7】
写真撮影機能を備える電子機器本体およびその付属物を含む内容物を内部に収容してユーザに提供するための六面体形状を有する梱包箱であって、前記六面体形状のうちの一面は、前記内容物を前記梱包箱内から出し入れするための四角状の開口部となっており、
前記開口部を開閉可能に覆うための蓋部であって、前記開口部を囲う位置にある四つの面のうち、一つの面と折り部を介してつながる蓋部と、
前記蓋部の内面に設けられたポケット部とを備え、
前記ポケット部は、写真プリントを収納可能に構成される
ことを特徴とする梱包箱。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−121594(P2012−121594A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273352(P2010−273352)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】