説明

梱包箱

【課題】積み上げ時における強度を低下させることなく、窓を介して挿入される印刷物の垂れ下がりを抑制し、印刷物を所定の場所にスムーズに配置可能な梱包箱を提供する。
【解決手段】本発明に係る梱包箱1は、印刷物22を内部の所定位置に挿入するための窓17が側面11に設けられる梱包箱1であって、前記窓17は、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ前記所定位置で平面姿勢に自然と復元可能な形状に変形させた印刷物22が通過可能となるように設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬時や保管時等において被梱包物を保護するための梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置やこの画像形成装置を構成する部品等の被梱包物を運搬、保管するために、段ボール等の梱包材料によって形成される梱包箱が用いられている。
【0003】
この梱包箱には、一般的に、印刷物や部品等を所定の位置に挿入するための窓が設けられている(例えば、特許文献1の「挿入口51」や特許文献2の「窓7」参照)。この窓から印刷物を挿入する場合とは、例えば、仕向地に応じた世界各国の言語の取扱説明書を追加する場合や、誤記訂正のためのチラシを追加する場合である。このような場合、印刷物の配置場所が梱包箱内に設定されるが、その配置場所は梱包仕様によって左右され、被梱包物の種類によって様々である。
【0004】
従来例の梱包箱51を、図6に示す。梱包箱51は、底フラップ(図示せず)によって下面が閉止され、蓋フラップ52によって上面が閉止されている。梱包箱51の一側面の上端には矩形状の窓53が設けられ、この窓53は、上端部を支点に開閉可能な扉54によって閉止されている。
【0005】
従来例の梱包箱51の内部を、図7に示す。梱包箱51の内部には、印刷物55の配置場所56が上面に設けられた被梱包物57が収納され、この被梱包物57を衝撃から保護するための緩衝材58が、被梱包物57と梱包箱51の側面の間に介装されている。窓53と被梱包物57の間には、緩衝材58の厚みに応じた隙間59が生じている。
【0006】
そして、前記した扉54(図7では不図示)を開放した状態で窓53を介して梱包箱51内に印刷物55を挿入し、配置場所56に配置するように構成されている。この従来例の梱包箱51では、図7に示されるように、窓53の幅が印刷物55の幅よりも大きくなっており、印刷物55を折り曲げることなく平面姿勢で保持したまま窓53を介して梱包箱51内に挿入できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4261505号公報
【特許文献2】特開平9−58666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように印刷物55を平面状に保持したまま梱包箱51内に挿入すると、印刷物55の挿入先端部が垂れ下がり、上記した隙間59に印刷物55が落下してしまう虞が有る。
【0009】
また、上記の如く窓53を矩形状とした場合に、その窓53が大きいと、積み上げ時における梱包箱51の強度(圧縮強度)を低下させる原因となる。
【0010】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、積み上げ時における強度を低下させることなく、窓を介して挿入される印刷物の垂れ下がりを抑制し、印刷物を所定の場所にスムーズに配置可能な梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る梱包箱は、印刷物を内部の所定位置に挿入するための窓が側面に設けられる梱包箱であって、前記窓は、平面姿勢の印刷物が通過不能且つ前記所定位置で平面姿勢に自然と復元可能な形状に変形させた印刷物が通過可能となるように設けられていることを特徴とする。
【0012】
このような構成を採用することで、梱包箱に挿入される際の印刷物の形状安定性を高めることが可能となる。これに伴って、梱包箱への挿入中に印刷物が垂れ下がるのを抑制することが可能となり、印刷物を所定の場所にスムーズに配置することが可能となる。また、平面姿勢の印刷物が通過不能となるように窓を形成することで、平面姿勢の印刷物が通過可能である場合と比較して、窓を小さくすることが可能となる。これに伴って、積み上げ時における梱包箱の強度(圧縮強度)を向上させることが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る梱包箱は、前記窓には、印刷物のサイズに対応した複数の挿入部が設けられ、該各挿入部の境界に段差が設けられていても良い。
【0014】
このような構成を採用することで、サイズの異なる複数の印刷物を、所定の場所に確実に配置することが可能となる。
【0015】
本発明に係る梱包箱は、前記窓は、円弧形状又は波形状を成していても良い。
【0016】
このような構成を採用することで、印刷物を湾曲姿勢で窓に挿入する必要があることを、作業者に確実に認識させることが可能となる。
【0017】
本発明に係る梱包箱は、前記窓は、円形状又は多角形状を成していても良い。
【0018】
このような構成を採用することで、積み上げ時における梱包箱の強度(圧縮強度)を一層向上させることが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る梱包箱は、前記梱包箱の内面には、前記窓と対応する位置にフィルムシートが取り付けられ、該フィルムシートには、前記窓と対応する形状の切り込みが設けられていても良い。
【0020】
このような構成を採用することで、フィルムシートによって窓を閉止しておくことが可能となり、窓から異物が梱包箱内に侵入するのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の梱包箱は、積み上げ時における強度を低下させることなく、窓を介して挿入される印刷物の垂れ下がりを抑制し、印刷物を所定の場所にスムーズに配置可能な梱包箱を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る梱包箱の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る梱包箱の内部を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。
【図4】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図であり、(b)は、本発明の第3の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。
【図5】(a)は、本発明の第4の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図であり、(b)は、本発明の第5の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。
【図6】従来例に係る梱包箱の斜視図である。
【図7】従来例に係る梱包箱の内部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る梱包箱1について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る梱包箱の斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る梱包箱の内部を示す断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。以下、説明の便宜上、図1における左下側を梱包箱1の正面側(前側)とする。図2では、下側が梱包箱1の正面側である。
【0024】
梱包箱1は、例えば段ボール等の厚紙を折り曲げることで形成されており、図1に示されるように、直方体形状を成している。梱包箱1の下面は底フラップ(図示せず)により閉止され、梱包箱1の上面は蓋フラップ2により閉止されている。
【0025】
図2に示されるように、梱包箱1の内部中央には、略直方体形状の被梱包物3が収容されている。この被梱包物3は、例えば、プリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置やこの画像形成装置を構成する部品等である。被梱包物3は、蓋フラップ2を開放した状態(図1の二点鎖線参照)で梱包箱1内に収容された後、蓋フラップ2を内側に折り曲げることで、梱包箱1に梱包されている。被梱包物3の上面には、平面視矩形状の配置場所4が設けられている。
【0026】
梱包箱1の内部両側には、緩衝材5が収容されている。緩衝材5は、例えば、段ボール等の厚紙や発泡スチロール等を用いて形成されている。緩衝材5は、梱包箱1の左右両面部6、7と被梱包物3の左右両面8、9の間に介装される第1緩衝部10と、この第1緩衝部10の前後両端から内側に向かって屈曲され、梱包箱1の前後両面部11、12と被梱包物3の前後両面13、14の間に介装される第2緩衝部15と、を備えており、平面視コ字状を成している。梱包箱1の前面部11と被梱包物3の前面13の間には、第2緩衝部15の前後幅と対応する幅の隙間16が生じている。
【0027】
図1に示されるように、梱包箱1の側面の一部を成す前面部11には、横長形状の窓17が設けられている。窓17は、前面部11の上部の左右方向中央に設けられている。図3に示されるように、窓17は、下向きに湾曲する円弧形状を成している。窓17の上端部には第1挿入部18が設けられ、第1挿入部18の下方には、第1挿入部18よりも左右の幅が狭い第2挿入部19が設けられ、第2挿入部19の下方には、第2挿入部19よりも左右の幅が狭い第3挿入部20が設けられている。窓17の左右両端部には、各挿入部18〜20の境界部分に段差21が設けられている。なお、図3の二点鎖線a、bはそれぞれ、第1挿入部18と第2挿入部19の境界と第2挿入部19と第3挿入部20の境界を示している。
【0028】
各挿入部18〜20によって形成される円弧の長さは、想定される印刷物22(図1参照)のサイズに対応している。例えば、第1挿入部18によって形成される円弧の長さはA4サイズに対応し、第2挿入部19によって形成される円弧の長さはA5サイズに対応し、第3挿入部20によって形成される円弧の長さはA6サイズに対応している。各挿入部18〜20の左右幅(W1〜W3)は、各挿入部18〜20と対応するサイズ(例えばA4〜A6)の左右幅よりも狭くなっており、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ配置場所4で平面姿勢に自然と復元可能な形状(本実施形態では湾曲形状)に変形させた印刷物22が通過可能となっている。各挿入部18〜20の上下幅は、想定される印刷物22の上下幅よりもわずかに大きくなっている。
【0029】
梱包箱1の前面部11の内面には、窓17と対応する位置に横長矩形状のフィルムシート23が取り付けられている。フィルムシート23には、各挿入部18〜20の形状に対応して円弧形状に湾曲する切り込み24が設けられている。なお、フィルムシート23は、図1において記載が省略されている。
【0030】
上記の如く構成されたものにおいて、被梱包物3の上面に設けられた配置場所4に印刷物22を配置するには、下向きに湾曲させた印刷物22(図1参照)をフィルムシート23の切り込み24に沿って窓17に挿入する。その際、印刷物22のサイズに合わせて、使用する挿入部18〜20を適宜選択する。このようにして窓17から湾曲姿勢で梱包箱1内に挿入された印刷物22は、隙間16の上方を通過して被梱包物3の上方へと移動し、配置場所4に配置され、平面姿勢に自然と復元する。
【0031】
本実施形態では上記のように、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ湾曲形状に変形させた印刷物22が通過可能となるように窓17が形成されているため、印刷物22が平面姿勢で窓17を通過する場合と比較して、梱包箱1に挿入される印刷物22の形状安定性を高めることが可能となる。これに伴って、梱包箱1への挿入中に印刷物22の挿入先端部が垂れ下がるのを抑制することが可能となり、印刷物22を所定の場所にスムーズに配置することが可能となる。また、平面姿勢の印刷物22が通過不能となるように窓17を形成することで、平面姿勢の印刷物22が通過可能である場合と比較して、窓17を小さくすることが可能となる。これに伴って、積み上げ時における梱包箱1の強度(圧縮強度)を向上させることが可能となる。
【0032】
また、本実施形態では、段差21によって区画される複数の挿入部18〜20が窓17に設けられているため、サイズの異なる印刷物22を、配置場所4の中央に確実に配置することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態では、窓17が円弧形状に湾曲しているため、印刷物22を湾曲姿勢で窓17に挿入する必要があることを、作業者に確実に認識させることが可能となる。
【0034】
また、窓17の形状に対応する切り込み24を有するフィルムシート23を用いることで、窓17を閉止しておくことが可能となり、窓17から異物が梱包箱1内に侵入するのを防止することが可能となる。
【0035】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る梱包箱1について、図4(a)を参照しつつ説明する。図4(a)は、本発明の第2の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一の番号を図面上に付し、説明を省略する。
【0036】
前記第1の実施形態の窓17は、下向きに湾曲する円弧形状を成していたが、本実施形態の窓27は、上向きに湾曲する円弧形状を成している。このように、窓を湾曲させる方向は、梱包箱1の内部のレイアウト等に応じて適宜変更することが可能である。
【0037】
前記第1の実施形態では、第1挿入部18〜第3挿入部20を上下に3段で窓17に設けたが、本実施形態では、第1挿入部28と第2挿入部29を上下に2段で窓27に設けている。このように、窓に設けられる挿入部の数は、想定される印刷物22の種類等に応じて、適宜変更することが可能である。
【0038】
各挿入部28、29によって形成される円弧の長さは、想定される印刷物22のサイズに対応している。例えば、第1挿入部28によって形成される円弧の長さはA4サイズに対応し、第2挿入部29によって形成される円弧の長さはA5サイズに対応している。各挿入部28、29の左右幅(W4、W5)は、各挿入部28、29と対応するサイズ(例えばA4とA5)の左右幅よりも狭くなっており、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ配置場所4で平面姿勢に自然と復元可能な形状(本実施形態では湾曲形状)に変形させた印刷物22が通過可能となっている。各挿入部28、29の上下幅は、想定される印刷物22の上下幅よりもわずかに大きくなっている。
【0039】
本実施形態では、窓27が円弧形状に湾曲しているため、第1の実施形態と同様に、印刷物22を湾曲姿勢で窓27に挿入する必要があることを、作業者に確実に認識させることが可能となる。
【0040】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る梱包箱1について、図4(b)を参照しつつ説明する。図4(b)は、本発明の第3の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一の番号を図面上に付し、説明を省略する。
【0041】
前記第1、第2の実施形態では、窓17、27を円弧形状に湾曲させていたが、本実施形態では、窓31を波形状(正弦波形状)に湾曲させている。窓31は、上向きに凸の両側湾曲部32と、この両側湾曲部32の間に設けられる下向きに凸の中央湾曲部33と、を備えている。
【0042】
本実施形態では、第1挿入部34〜第3挿入部36を上下に3段で窓31に設けている。例えば、第1挿入部34によって形成される波形の長さはA4サイズに対応し、第2挿入部35によって形成される波形の長さはA5サイズに対応し、第3挿入部36によって形成される波形の長さはA6サイズに対応している。各挿入部34〜36の左右幅(W6〜W8)は、各挿入部34〜36と対応するサイズ(例えばA4〜A6)の左右幅よりも狭くなっており、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ配置場所4で平面姿勢に自然と復元可能な形状(本実施形態では波形状)に変形させた印刷物22が通過可能となっている。各挿入部34〜36の上下幅は、想定される印刷物22の上下幅よりもわずかに大きくなっている。
【0043】
本実施形態ではこのように、窓31が波形状を成しているため、印刷物22を湾曲姿勢で窓31に挿入する必要があることを、作業者に確実に認識させることが可能となる。
【0044】
なお、本実施形態では前記のように、両側湾曲部32を上向きに凸、中央湾曲部33を下向きに凸としたが、他の異なる実施形態では、両側湾曲部32を下向きに凸、中央湾曲部33を上向きに凸としても良い。また、本実施形態では、湾曲部の数を3個としたが、他の異なる実施形態では、湾曲部の数を2個又は4個以上の複数個としても良い。
【0045】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態に係る梱包箱1について、図5(a)を参照しつつ説明する。図5(a)は、本発明の第4の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一の番号を図面上に付し、説明を省略する。
【0046】
前記第1〜第3の実施形態では、窓17、27、31を円弧形状又は波形状に湾曲させていたが、第4の実施形態では、窓38を正円形状としている。窓38の左右幅(W9)は、想定される印刷物22の左右幅よりも狭くなっており、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ配置場所4で平面姿勢に自然と復元可能な形状(本実施形態では丸めた形状)に変形させた印刷物22が通過可能となっている。窓38は、印刷物22を梱包箱1内に挿入する前の段階において、蓋部39によって閉止されている。梱包箱1の前面部11には、蓋部39の外周に沿って切り込み又はミシン目が設けられており、蓋部39がその上端に設けられたヒンジ部40を支点に回転するように構成されている。窓38の下端部には孔41が設けられ、蓋部39を開放する際には、孔41に指を挿入できるようになっている。なお、本実施形態では、梱包箱1の前面部11の内面にフィルムシートが設けられていない。
【0047】
そして、蓋部39を後方に回転させて開放した状態(図5(a)の二点鎖線参照)で、丸めた印刷物22を梱包箱1内に窓38を介して挿入するように構成されている。
【0048】
本実施形態では、窓38を正円状としているため、積み上げ時における梱包箱1の強度(圧縮強度)を一層向上させることが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では上記のように、窓38を正円形状としたが、他の異なる実施形態では、窓38を楕円形状、長円形状等としても良い。
【0050】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態に係る梱包箱1について、図5(b)を参照しつつ説明する。図5(b)は、本発明の第5の実施形態に係る梱包箱において、窓の周辺部分を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一の番号を図面上に付し、説明を省略する。
【0051】
第4の実施形態では、窓38を正円形状としたが、本実施形態では、窓42を下向きの三角形状としている。窓42は、印刷物22を梱包箱1内に挿入する前の段階において、蓋部43によって閉止されている。梱包箱1の前面部11には、蓋部43の左右両縁部44、45に沿って切り込み又はミシン目が設けられており、蓋部43がその上縁部に設けられたヒンジ部46を支点に回転するように構成されている。窓42の左右幅W10(ヒンジ部46の左右幅に相当)は、想定される印刷物22の左右幅よりも狭くなっており、平面姿勢の印刷物22が通過不能且つ配置場所4で平面姿勢に自然と復元可能な形状(本実施形態では丸めた形状)に変形させた印刷物22が通過可能となっている。窓42の下端部には孔47が設けられ、蓋部43を開放する際には、孔47に指を挿入できるようになっている。なお、本実施形態では、梱包箱1の前面部11の内面にフィルムシートが設けられていない。
【0052】
そして、蓋部43を後方に回転させて開放した状態(図5(b)の二点鎖線参照)で、丸めた印刷物22を梱包箱1内に窓42を介して挿入するように構成されている。
【0053】
本実施形態では、窓42を三角形状としているため、積み上げ時における梱包箱1の強度(圧縮強度)を一層向上させることが可能となる。
【0054】
なお、本実施形態では上記のように、窓42を下向きの三角形状としたが、他の異なる実施形態では、窓42を上向きの三角形状又は四角形状、五角形状等、四個以上の角数の多角形状としても良い。
【0055】
上記した第1〜第5の実施形態では、梱包箱1の側面を構成する前面部11に窓17、27、31、38、42を設ける場合について説明したが、他の異なる実施形態では、梱包箱1の側面のうちの左右両面部6、7や後面部12に窓17、27、31、38、42を設けても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 梱包箱
11 前面部(側面)
17 窓
18 第1挿入部
19 第2挿入部
20 第3挿入部
21 段差
22 印刷物
23 フィルムシート
24 切り込み
27 窓
28 第1挿入部
29 第2挿入部
31 窓
34 第1挿入部
35 第2挿入部
36 第3挿入部
38 窓
42 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物を内部の所定位置に挿入するための窓が側面に設けられる梱包箱であって、
前記窓は、平面姿勢の印刷物が通過不能且つ前記所定位置で平面姿勢に自然と復元可能な形状に変形させた印刷物が通過可能となるように設けられていることを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
前記窓には、印刷物のサイズに対応した複数の挿入部が設けられ、該各挿入部の境界に段差が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記窓は、円弧形状又は波形状を成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記窓は、円形状又は多角形状を成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記梱包箱の内面には、前記窓と対応する位置にフィルムシートが取り付けられ、該フィルムシートには、前記窓と対応する形状の切り込みが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の梱包箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−71774(P2013−71774A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214289(P2011−214289)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】