説明

梱包装置

【課題】被せ箱式構造を廃止し、高さの高い被梱包物であっても容易に梱包することができ、危険を伴う封緘作業を安全なものとし、さらには開梱後の梱包材を嵩張らずに運搬し、保管し、また廃棄することができるようにした梱包装置を提供する。
【解決手段】底トレー1の四方側部に形成された縁枠3の前後の内側に沿って一対の前枠4と後枠5とを立設し、これらの前枠4と後枠5とを外箱6で被うことによって被梱包物を梱包する梱包装置において、前枠4と後枠5との各上辺には敷蓋片7、7が折曲げ自在に形成され、外箱6は前枠4と後枠5との左右両側面を分離した状態で囲う一対の分割外枠8a、8bからなり、各分割外枠は底トレー1の縁枠3の内側に沿って立設される枠面9と各枠面の上辺に折曲げ自在に形成された上蓋片10a、10bとを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的高さの高い被梱包物を梱包するための梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の梱包装置の例として、図9を参照すると、この図に示す梱包箱50は、外装箱51と前枠52と後枠53と底受け部材54と底トレー55とから構成されており、外装箱51は四方に形成された枠体56と、その上部の各辺に開閉蓋57、57…を有する。このような梱包箱50を組み立てるには、底トレー55に底受け部材54を収容した状態にして該底受け54の上部に被梱包物(不図示)を載置し、前枠52と後枠53とを底トレー55の前後の内側に沿って差込んだ状態にし、外装箱51を上方に持ち上げて前枠52と後枠53の外側に被せ、次いで緩衝材を詰め込んだ後、封緘材としてPPテープやステープルを用いて封緘するものである。
【0003】
ところが、上記のような外装箱51を有する従来の梱包箱50は、外装箱51を前枠52と後枠53の上方に持ち上げて被せるようにした被せ箱式であるため、高さの高い製品を梱包するには、製品の高さ以上に外装箱51を持ち上げる必要があり、作業者の負担が大きいという欠点があった。
【0004】
また、封緘材には上記のようにPPテープやステープルを使用しているため、開梱、廃棄時にカッターナイフ等を使用することとなり、怪我をする危険があった。また、開梱後の梱包材の保管や廃棄には、梱包材そのものが嵩張り、利便性に欠けるという問題があった。
【0005】
ここで、他の従来例として、特許文献1に記載されたマッサージ椅子の梱包構造について参照すると、この文献の梱包構造は、座板及び背凭れから成る椅子本体を脚部で支持し、この脚部に座板の両側に立ち上がる肘掛を設け、椅子本体にマッサージ用機械部を備えたマッサージ椅子を梱包する構造であって、脚部下端を受ける脚受緩衝材及びその前後方向の移動を規制する脚部固定材を備えた底トレーと、肘掛の左右方向の移動を規制する肘掛パッドと、この肘掛パッドの浮き上がりを防止する肘掛押え部材を備えた左右一対の側面パッドと、両側面パッドに亘って上方から被せる上被部材とから成る構造を有する。
【特許文献1】特開2000−247391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1に記載された梱包構造は、マッサージ椅子に備えた肘掛を利用して、肘掛の左右方向の移動を規制する肘掛パッドや、この肘掛パッドの浮き上がりを防止する肘掛押え部材を備えた左右一対の側面パッドを備えている点に特徴を有するものであるが、この梱包構造においても、箱体の側面材をなす両側面パッドに亘って上方から上被部材(外箱)を被せるように組み立てる被せ箱式の構造を有するものであるため、外箱を被せるには、外周をなす側面パッドの上方に外箱を持ち上げる必要があり、作業者に大きな負担をかけるという点では上記の梱包箱と同様の欠点を有するものである。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、被せ箱式構造を廃止し、高さの高い被梱包物であっても容易に梱包することができ、危険を伴う封緘作業を安全なものとし、さらには開梱後の梱包材を嵩張らずに運搬し、保管し、また廃棄することができるようにした梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するために、本発明における請求項1の梱包装置は、底トレーの四方側部に形成された縁枠の前後の内側に沿って一対の前枠と後枠とを立設し、これらの前枠と後枠とを外箱で被うことによって被梱包物を梱包する梱包装置において、前枠と後枠との各上辺には敷蓋片が折曲げ自在に形成され、外箱は前枠と後枠との左右両側面を分離した状態で囲う一対の分割外枠からなり、各分割外枠は底トレーの縁枠の内側に沿って立設される枠面と各枠面の上辺に折曲げ自在に形成された上蓋片とを有してなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2の梱包装置は、請求項1において、各分割外枠の左右側辺には前枠又は後枠の左右の角部に沿って折曲げた状態で囲う折曲外片が形成されると共に、各折曲外片の上辺には被せ片が折曲げ自在に形成される一方、前枠と後枠との上辺に形成された各敷蓋片には左右に離間した差込穴が形成され、各被せ片に形成した折込片を各敷蓋片の差込穴に差し込んで係止することにより、各分割外枠を前枠と後枠とに固定した状態で取付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3の梱包装置は、請求項1又は2において、一方の分割外枠の上蓋片の端辺に差込片が形成されると共に、他方の分割外枠の上蓋片に差込穴が形成され、上蓋片の差込片を上蓋片の差込穴に差し込んで係止することにより、外箱の上部を閉塞することを特徴する。
【0011】
また、本発明の請求項4の梱包装置は、請求項1、2又は3において、各分割外枠の枠面の左右側辺に形成された折曲外片と、各折曲外片の上辺に形成された被せ片とを展開形状にした状態で左右の折曲外片を枠面側に折り返すと共に、この左右の折曲外片を折り返した側の反対側に上蓋片を折り返し、この折り返した上蓋片の上に枠面の下半分を折り返して重ねることによって枠面の下半分の左右に露呈された一部の折曲外片に左右夫々の被せ片を挿入して係止することにより、各分割外枠を折り畳んだ状態にして底トレーの内部に収納可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5の梱包装置は、請求項1、2、3又は4において、前枠と後枠の夫々の左右側辺に形成された折曲内片を内側に折り返すと共に、前枠と後枠の夫々の上辺に形成された敷蓋片を内側に折り返し、各折曲内片の側端に形成された切込爪を突合せ状態にして、該突合せ状態にされた切込爪に敷蓋片の上端に形成された折込爪を係止することにより、前枠と後枠とを折り畳んだ状態にして底トレーの内部に収納可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の梱包装置によれば、外箱が前枠と後枠との左右両側面を分離した状態で囲う一対の分割外枠からなるため、従来の被せ箱式のように、外箱を高い位置に持ち上げる必要がなく、梱包及び開梱作業の手間や労力を軽減することができ、少なくとも2人で持ち上げていた従来の外箱を、本発明では1人で取り付けることが可能となる。
【0014】
また、上記のように外箱を分割構成にすると共に、この分割構成を左右の分割外枠、前枠及び後枠を折り畳んだ状態で底トレーに収納可能としたため、大幅な減容化が可能であり、運搬際の労力の軽減、運搬の際のスペースの減少化、保管スペースの有効利用及び廃棄性の向上を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、底トレーに収納した被梱包物を前枠と後枠と左右の分割外枠とで梱包し、左右の分割外枠の各被せ片に形成した折込片を前枠と後枠の各敷蓋片の差込穴に差し込んで係止し、一方の分割外枠の上蓋片に形成した差込片を他方の分割外枠の上蓋片に形成した差込穴に差し込んで係止した状態で、梱包箱の全体をベルト等で縛ることにより、従来の封緘材として用いたPPテープやステープルを使用する必要がなくなり、これによって、開梱、廃棄の際にカッターナイフ等を使用する必要がなく、怪我等の危険を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明による梱包装置は、図1に示すように、底トレー1の四方側部に形成された縁枠3の前後の内側に沿って一対の前枠4と後枠5とを立設し、これらの前枠4と後枠5とを外箱6(左右の分割外枠8a、8b)で被うことによって被梱包物を梱包するようにした梱包装置において、前枠4と後枠5との各上辺には敷蓋片7、7が折曲げ自在に形成され、外箱6は前枠4と後枠5との左右両側面を分離した状態で囲う一対の分割外枠8a、8bからなり、各分割外枠8a、8bは底トレー1の縁枠3の内側に沿って立設される枠面9と各枠面9の上辺に折曲げ自在に形成された上蓋片10a、10bとを有してなるものである。
【0018】
なお、本発明の説明に関し、「前後」とは、例えば図1に示す梱包装置において前枠4が取付けられる側を「前」とし、後枠5が取付けられる側を「後」としたものであり、「左右」とは、上記の前側から後側を向いてその左右方向をいうものとする。
【0019】
また、本実施例の梱包装置の各部材はダンボール材料によって作製することが可能であるが、その他の材料によって作製することを制限するものではない。
【0020】
以下、本実施例の梱包装置の各部材について詳細に説明する。図3(a)に示すように、底トレー1の展開形状は、被梱包物の大きさに応じて形成された底面1aと該底面1aの4辺から延長されてなる縁枠3(3a、3b、3c)を有する。図3(b)に示すように、底面1aの左右の長辺側縁枠3a、3aは折曲線BLを介して立ち上げ状態に折曲げ自在であり、また各長辺側縁枠3a、3aの両側には折曲線BLを介して延長片3b、3b…が形成されている。さらに、底面1aの前後の短辺側には折曲線BLを介して短辺側縁枠3c、3cが形成され、各短辺側縁枠3c、3cは、夫々の中間に形成された折返線TLで折返し自在に形成されている。
【0021】
また、上記の構成において、前後の短辺側縁枠3c、3cの端辺の離間位置には差込突部18、18…が形成されると共に、前後の各折曲線BLに沿って離間位置に差込穴19、19…が形成されている。さらに、4箇所に設けられた延長片3b、3b…の夫々には各側辺に係止突部20、20…が形成されると共に、前後の短辺側縁枠3c、3cの夫々の折返線TLには離間位置に係止穴21、21…が形成されている。
【0022】
このような構成により、図3(b)に示すように、左右の長辺側縁枠3a、3aを立ち上げると共に、前後左右の延長片3b、3b…を内側に折り曲げ、このように折り曲げた各延長片3b、3b…を挟み込むように、前後の短辺側縁枠3c、3cを夫々の折曲線BLで立ち上げるように折り曲げた後、折返線TLで折り返す。次いで、図3(c)に示すように、各短辺側縁枠3c、3cの差込突部18、18…を各差込穴19、19…に差し込み、同時に各延長片3b、3b…の係止突部20、20…を係止穴21、21…に係止させることにより、底トレー1の四方の縁枠3(3a、3b、3c)を固定した状態にすることができ、このように縁枠3を立ち上げた状態にして、その内部に他の折り畳んだ部材を収容することが可能となる(図8参照)。
【0023】
なお、このような底トレー1において、前後の短辺側縁枠3c、3cの各端辺の中央には指差し穴22、22が形成され、図3(c)に示すように組み立てられた後の底トレー1を展開する際、この指差し穴22に指先を入れて持ち上げることにより、容易に前後の短辺側縁枠3c、3cを展開することが可能となる。また、底トレー1の各延長片3b、3b…および前後の短辺側縁枠3c、3cの所定位置に複数の手掛穴23、23…が形成されたことにより、この手掛穴23、23…に手を掛けることによって持ちやすくなる。
【0024】
次に、底受け部材2の展開形状は、図4(a)に示すように、上記の底トレー1の底面よりもやや小径の長方形の底板2aと、該底板2aの左右の長辺側に並設された切離線CL、CL…の夫々の離間位置に繋ぎ片25、25…が設けられた折返片2b、2bを有する。
【0025】
このような底受け部材2は、図4(d)、(e)に示すように、底板2aの左右の折返片2b、2bを各繋ぎ片25、25…で連結した状態で底板2a側に折り返して畳み込むことにより、折り畳んだ状態の底受け部材2を底トレー1の内部に収納することが可能となる(図8参照)。
【0026】
また、図4(a)〜(e)に示すように、底受け部材2の必要箇所には、被梱包物の底部又は脚部等の形状に応じて形成された位置決め穴24、24…が設けられている。これらの位置決め穴24、24…の形状や形成位置は被梱包物の底部や脚部等の形状によって決定されるべきものであり、図4(a)〜(c)等に図示したものはその一例である。また、これらの位置決め穴24、24…に被梱包物の底部や脚部等を嵌め込むことにより、被梱包物を所定位置に保持することができる。なお、上記のように折返片2b、2bを複数回折り重ねた厚みによって各位置決め穴24に必要とされる深さを確保することができる。
【0027】
次に、前枠4と後枠5について説明すると、両者は図1に示すように共通の形状を有するものである。また、図5(a)に示すように、前枠4(後枠5も同様)の展開形状は、図5(a)に示すように、長方形状の側面部4aの左右側辺に折曲線BL、BLを介して折曲内片17、17が形成されると共に、側面部4aの上辺には折曲線BLを介して敷蓋片7が形成されたものである。
【0028】
このような前枠4(後枠5)を折り畳むには、図5(b)、(c)(d)に示すように、左右の折曲内片17、17を内側に折り返すと共に、上部の敷蓋片7を内側に折り返し、左右の折曲内片17、17の側端に形成された切込爪17a、17aを突合せ状態にする。さらに、突合せ状態にされた切込爪17a、17aに折り返した敷蓋片7の上端に形成された左右一対の折込爪7a、7aを押し込んで係止することにより、前枠4(後枠5)の折り畳み状態を保持して、底トレー1の内部に収納することが可能となる。
【0029】
なお、上記の切込爪7a又は17aは、折曲内片17と敷蓋片7の端部から内側に離間した2本の切込みを入れることによって形成したものであり、図5(d)に示すように、敷蓋片7の左右の切込爪7a、7aを折曲内片17、17の切込爪17a、17aの上に重ねた状態にして押下げることにより、上側の切込爪7aが下側の切込爪17aに食い込むことによって係合状態にすることができるものである。
【0030】
次に、上記の前枠4と後枠5は、図1に示すように、前枠4と後枠5とに形成された左右の折曲内片17、17を内側に向けて略直角に折り曲げ、図7(b)に示すように、前枠4と後枠5とを底トレー1の前後の短辺側の縁枠3の内側に沿って差し込むことにより、底トレー1に取り付けられるものである。この際、図7(b)に示すように、先に底トレー1に収納された底受け部材2と底トレー1の縁枠3との隙間に前枠4と後枠5とを差し込むことによって、前枠4と後枠5は定位置に保持された状態となる。
【0031】
また、図7(b)に示すように、前枠4と後枠5の各敷蓋片7、7には、その上端付近の面内に左右に離間して差込穴13、13が形成されている。この差込穴13、13は、後述する分割外箱8a又は8bの被せ片に設けられた折込片14、14を差し込むための穴である(図7(d)参照)。
【0032】
次に、図1に示すように、外箱6は前枠4と後枠5との左右両側面を分離した状態で囲う一対の(左右の)分割外枠8a、8bからなり、各分割外枠8a、8bは底トレー1の縁枠3の内側に沿って立設される枠面9と各枠面9の上辺に設けられた折曲線BLによって折曲げ自在に形成された上蓋片10a、10bとを有する。各分割外枠8a、8bは略同様の構成を有するが、図6(a1)に示すように、図6(a1)に示すように一方の分割外枠8aの上蓋片10aの端辺には差込片15、15が形成される一方、図6(a2)に示すように他方の分割外枠8bの上蓋片10bの端辺には差込穴16、16が形成されている構成において異なるものである。
【0033】
また、各分割外枠8a、8bの矩形の枠面9の左右側辺には夫々の折曲線BLを介して折曲外片11、11が形成され、図7(d)に示すように、底トレー1の縁枠3の内側の前後に立設して差し込んだ前枠4又は後枠5の左右の角部に沿って、各分割外枠8a、8bの夫々の折曲外片11、11を折曲げた状態で囲う構成となる。
【0034】
また、各分割外枠8a、8bを前枠4と後枠5に固定するには、各分割外枠8a、8bの夫々の折曲外片11、11の各被せ片12に形成した折込片14を前枠4と後枠5の各敷蓋片7、7の差込穴13、13…に差し込んで係止することにより、各分割外枠8a、8bを前枠4と後枠5とに固定した状態で取付けることができる。
【0035】
さらに、一方の分割外枠8aの上蓋片10aと他方の分割外枠8bの上蓋片10aとを閉じた際に、一方の上蓋片10aの差込片15、15を他方の上蓋片10bの差込穴16、16に差し込んで係止することにより、外箱6の上部を閉塞することができる。
【0036】
また、各分割外枠8a、8bにおいて、枠面9の左右の折曲外片11、11の夫々の上辺には被せ片12が折曲げ自在に形成されると共に、夫々の被せ片12は上蓋片10とは切離された構成とされている。
【0037】
上記の各分割外枠8a、8bを折り畳むには、図6(a1)、(a2)に示すように、枠面9の上部の上蓋片10a、10bと、枠面9の左右の折曲外片11、11と、各折曲外片11、11の上部の被せ片12、12…とを展開形状にした状態で、図6(b1)、(b2)に示すように、左右の折曲外片11、11を枠面9側に折り返す。次いで、図6(c1)、(c2)に示すように、左右の折曲外片11、11を折り返した側の反対側に上蓋片10a、10bを折り返した後、図6(d1)、(d2)に示すように、この折り返した上蓋片10の上に枠面9の下半分を中央折返線CTLで折り返して重ねる。さらに、図6(e1)、(e2)に示すように、枠面9の下半分の左右に露呈された一部の折曲外片11、11に左右夫々の被せ片12、12を挿入して係止することにより、図6(f1)、(f2)に示すように、折り畳んだ各分割外枠8a、8bを底トレー1の内部に収納可能とすることが可能となる。
【0038】
上記の各部材からなる梱包装置を組み立てるには、図7(a)に示すように、縁枠3を立ち上げた状態に組み立てた底トレー1の内部に折り畳んだ底受け部材2を収納する。次いで、図7(b)に示すように、前枠4と後枠5の夫々の折曲内片17、17を略直角に折曲した状態にして底受け部材2と底トレー1の縁枠3の前後の短辺側の隙間に差し込むことにより、前枠4と後枠5を底トレーの前後の定位置に保持した状態とする。また、図7(c)に示すように、前枠4と後枠5の夫々の敷蓋片7、7を閉じた状態にする。
【0039】
次いで、図7(d)に示すように、左右の分割外枠8a、8bの夫々の折曲外片11、11を略直角に折曲した状態にし、前枠4と後枠5の夫々の左右の角部に沿って、底トレー1の縁枠3の内側の前後に立設した状態で差し込む。さらに、図7(a)に示すように、左右の分割外枠8a、8bの夫々の折曲外片11、11の各被せ片12に形成した折込片14を前枠4と後枠5の各敷蓋片7、7の差込穴13、13…に差し込んで係止することにより、各分割外枠8a、8bを前枠4と後枠5とに固定した状態で取付ける。
【0040】
また、図7(f)に示すように、左方の分割外枠8aの上蓋片10aと他方の分割外枠8bの上蓋片10aを閉じた際に、一方の上蓋片10aの差込片15、15を他方の上蓋片10bの差込穴16、16に差し込んで係止することにより、外箱6の上部を固定状態に閉塞する。なお、このような図7(f)に示す組み立て状態において、左右の分割外枠10a、10bの側面に設けられた手掛穴27、27は前枠4と後枠5に設けられた手掛穴26、26と一致した手掛穴となって、運搬の際に利便となる。
【0041】
上記の各部材からなる梱包装置を折り畳んで収納するには、図8に示すように、縁枠3を立ち上げた状態に組み立てた底トレー1の内部に上記のように折り畳んだ各部材として、左方の分割外枠10a、右方の分割外枠10b、前枠4、後枠5、底受け部材2を積み重ねた状態で収容することにより、大幅に減容化した状態で運搬、保管及び廃棄等が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の梱包装置は、被せ箱式構造を廃止し、高さの高い被梱包物であっても容易に梱包することができ、危険を伴う封緘作業を安全なものとし、さらには開梱後の梱包材を嵩張らずに運搬し、保管し、また廃棄することができる梱包装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例に係る梱包装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る梱包装置を組み立てた状況を透視的に示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明の実施例に係る梱包装置の底トレーの展開図であり、(b)は組み立て図であり、(c)は組み立て後の斜視図である。
【図4】(a)は本発明の実施例に係る梱包装置の底受け部材の展開図であり、(b)〜(d)は組立図であり、(e)は組み立て後の斜視図である。
【図5】(a)は本発明の実施例に係る梱包装置の前枠または後枠の展開図であり、(b)、(c)は組立図であり、(d)は組み立て後の斜視図である。
【図6】(a1)〜(f1)は本発明の実施例に係る梱包装置の一方の分割外枠を示すものであり、(a1)は展開図、(b1)〜(e1)は組み立て図、(f1)は組み立て後の斜視図である。また、(a2)〜(f2)は本発明の実施例に係る梱包装置の他方の分割外枠を示すものであり、(a2)は展開図、(b2)〜(e2)は組み立て図、(f2)は組み立て後の斜視図である。
【図7】(a)〜(f)は本発明の実施例に係る梱包装置の組み立て手順を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る梱包装置の各部材を折り畳んで底トレーに収納している状況を示す斜視図である。
【図9】従来の梱包装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 底トレー
1a 底面
2 底受け部材
2a 底板
2b 折返片
3 縁枠
3a 長辺側縁枠
3b 延長片
3c 短辺側縁枠
4 前枠
4a 側面部
5 後枠
6 外箱
7 敷蓋片
7a 折込爪
8a、8b 分割外枠
9 枠面
10 上蓋片
11 折曲外片
12 被せ片
13 差込穴
14 折込片
15 差込片
16 差込穴
17 折曲内片
17a 切込爪
18 差込突部
19 差込穴
20 係止突部
21 係止穴
22 指差し穴
23 手掛穴
24 位置決め穴
25 繋ぎ片
26 手掛穴
27 手掛穴
BL 折曲線
TL 折返線
CL 切離線
CTL 中央折返線
P 被梱包物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底トレーの四方側部に形成された縁枠の前後の内側に沿って一対の前枠と後枠とを立設し、これらの前枠と後枠とを外箱で被うことによって被梱包物を梱包する梱包装置において、前枠と後枠との各上辺には敷蓋片が折曲げ自在に形成され、
外箱は前枠と後枠との左右両側面を分離した状態で囲う一対の分割外枠からなり、
各分割外枠は底トレーの縁枠の内側に沿って立設される枠面と各枠面の上辺に折曲げ自在に形成された上蓋片とを有してなることを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
各分割外枠の左右側辺には前枠又は後枠の左右の角部に沿って折曲げた状態で囲う折曲外片が形成されると共に、各折曲外片の上辺には被せ片が折曲げ自在に形成される一方、
前枠と後枠との上辺に形成された各敷蓋片には左右に離間した差込穴が形成され、
各被せ片に形成した折込片を各敷蓋片の差込穴に差し込んで係止することにより、
各分割外枠を前枠と後枠とに固定した状態で取付けることを特徴とする請求項1記載の梱包装置。
【請求項3】
一方の分割外枠の上蓋片の端辺に差込片が形成されると共に、他方の分割外枠の上蓋片に差込穴が形成され、上蓋片の差込片を上蓋片の差込穴に差し込んで係止することにより、
外箱の上部を閉塞することを特徴する請求項1又は2記載の梱包装置。
【請求項4】
各分割外枠の枠面の左右側辺に形成された折曲外片と、各折曲外片の上辺に形成された被せ片とを展開形状にした状態で左右の折曲外片を枠面側に折り返すと共に、
この左右の折曲外片を折り返した側の反対側に上蓋片を折り返し、
この折り返した上蓋片の上に枠面の下半分を折り返して重ねることによって枠面の下半分の左右に露呈された一部の折曲外片に左右夫々の被せ片を挿入して係止することにより、
各分割外枠を折り畳んだ状態にして底トレーの内部に収納可能としたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の梱包装置。
【請求項5】
前枠と後枠の夫々の左右側辺に形成された折曲内片を内側に折り返すと共に、前枠と後枠の夫々の上辺に形成された敷蓋片を内側に折り返し、
各折曲内片の側端に形成された切込爪を突合せ状態にして、該突合せ状態にされた切込爪に敷蓋片の上端に形成された折込爪を係止することにより、
前枠と後枠とを折り畳んだ状態にして底トレーの内部に収納可能としたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の梱包装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−67456(P2009−67456A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239786(P2007−239786)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(506100990)日本トーカンパッケージ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】