説明

梱包装置

【課題】保管時や輸送時における被梱包物の変形を防止することができる梱包装置を提供する。
【解決手段】内部に空間を有した外装箱5と、ダンボールで形成された底壁の縁部を上方に折り曲げることにより形成された外板8を有し、空間に被梱包物が収納される際に空間内で外板よりも中央側で底壁7の上面に被梱包物を載置するように形成された支持部材6と、を備え、支持部材6は、空間内で水平投影面上において外装箱5の対角に配置された状態で外装箱の上下内面に接するように外板8の側縁部を折り曲げることにより形成された折り曲げ部、を有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
梱包装置として、箱体、下緩衝体、上緩衝体を備えたものが提案されている。当該梱包装置においては、箱体内に下緩衝体が収納される。下緩衝体に電気掃除機等の被梱包物が載置される。被梱包物の上部には、上緩衝体が載置される。この状態で、箱体のフラップが閉められる。この際、上緩衝体の上縁部は、箱体のフラップの下面に接触する。このため、被梱包物の上方への移動が阻止される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−4659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被梱包物は、上記梱包装置に梱包された状態で倉庫に保管されたり輸送されたりする。この際、外部から上下方向の圧縮力がかかると、箱体が座屈してつぶれ得る。この場合、被梱包物に圧縮力がかかる。当該圧縮力により、被梱包物が変形する。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、保管時や輸送時における被梱包物の変形を防止することができる梱包装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る梱包装置は、内部に空間を有した箱体と、ダンボールで形成された底壁の縁部を上方に折り曲げることにより形成された外板を有し、前記空間に被梱包物が収納される際に前記空間内で前記外板よりも中央側で前記底壁の上面に前記被梱包物を載置するように形成された支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記空間内で水平投影面上において前記箱体の対角に配置された状態で前記箱体の上下内面に接するように前記外板の側縁部を折り曲げることにより形成された折り曲げ部、を有したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、保管時や輸送時における被梱包物の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包する際の分解斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1における梱包装置に利用される支持部材の展開平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1における梱包装置に利用される支持部材の斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の縦断面図である。
【図6】図5のA−A線における断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包する際の分解斜視図である。
【0011】
図1において、1は掃除機本体である。2はホースである。ホース2の一端は、掃除機本体1の前部に連結するように形成される。3は連結パイプである。連結パイプ3の一端は、ホース2の他端に連結するように形成される。4は吸い込み具である。吸い込み具4は、連結パイプ3の他端に連結するように形成される。
【0012】
5は外装箱(箱体)である。外装箱5は、略直方体状に形成される。外装箱5は、上方に開口する。外装箱5内には、空間が形成される。外装箱5の上縁部には、フラップが形成される。6は支持部材である。支持部材6は、ダンボールで一体形成される。
【0013】
次に、図2を用いて、支持部材6の組立方法を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における梱包装置に利用される支持部材の展開平面図である。
【0014】
図2において、7は底壁である。底壁7は、略長方形状に形成される。底壁7の長縁部の一方には、外板8が連結される。底壁7の長縁部の他方には、外板9が連結される。底壁7の短縁部の一方には、外板10が連結される。底壁7の短縁部の他方には、外板11が連結される。
【0015】
外板8と底壁7との境界には、折り曲げ罫線8aが形成される。折り曲げ罫線8aの底壁7側には、一対の切り込み罫線8bが外板8側に開口するように形成される。すなわち、切り込み罫線8bは、長手方向が折り曲げ罫線8aと平行するように形成される。その結果、凸部8cが形成される。
【0016】
外板8の一側縁部側には、折り曲げ罫線8dが折り曲げ罫線8aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線8dの外側には、外片8eが形成される。外板8の他側縁部側には、折り曲げ罫線8fが折り曲げ罫線8aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線8fの外側には、外片8gが形成される。
【0017】
外板8の外縁部中央には、一対の切り込み罫線8hが折り曲げ罫線8aと垂直となるように形成される。切り込み罫線8hの端部間には、折り曲げ罫線8iが折り曲げ罫線8aと平行するように形成される。折り曲げ罫線8iの外側には、外片8jが形成される。
【0018】
外板9と底壁7との境界には、折り曲げ罫線9aが形成される。折り曲げ罫線9aの底壁7側には、一対の切り込み罫線9bが外板9側に開口するように形成される。すなわち、切り込み罫線9bは、長手方向が折り曲げ罫線9aと平行するように形成される。その結果、凸部9cが形成される。
【0019】
外板9の一側縁部側には、折り曲げ罫線9dが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線9dの外側には、外片9eが形成される。外板9の他側縁部側には、折り曲げ罫線9fが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線9fの外側には、外片9gが形成される。外片9gの外側には、折り曲げ罫線9hが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線9hの外側には、外片9iが形成される。
【0020】
外板9の外縁部中央には、一対の切り込み罫線9jが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。切り込み罫線9jの端部間には、折り曲げ罫線9kが折り曲げ罫線9aと平行するように形成される。折り曲げ罫線9kの外側には、外片9lが形成される。
【0021】
折り曲げ罫線9fの一端の延長線上には、切り込み罫線9mが形成される。切り込み罫線9mよりも外板9中央側には、切り込み罫線9nが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。切り込み罫線9m、9nの端部間には、折り曲げ罫線9oが折り曲げ罫線9aと平行するように形成される。折り曲げ罫線9oの外側には、外片9pが形成される。
【0022】
折り曲げ罫線9fの他端の延長線上には、切り込み罫線9qが形成される。切り込み罫線9qよりも外板9中央側には、切り込み罫線9rが折り曲げ罫線9aと垂直となるように形成される。切り込み罫線9q、9rの端部間には、折り曲げ罫線9sが折り曲げ罫線9aと平行するように形成される。折り曲げ罫線9sの外側には、外片9tが形成される。
【0023】
外板10と底壁7との境界には、折り曲げ罫線10aが形成される。折り曲げ罫線10aの底壁7側には、切り込み罫線や凸部は形成されない。
【0024】
外板10の一側縁部側には、折り曲げ罫線10bが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10bの外側には、外片10cが形成される。外片10cの外側には、折り曲げ罫線10dが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10dの外側には、外片10eが形成される。外片10eの外側には、折り曲げ罫線10fが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10fの外側には、外片10gが形成される。
【0025】
外板10の他側縁部側には、折り曲げ罫線10hが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10hの外側には、外片10iが形成される。外片10iの外側には、折り曲げ罫線10jが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10jの外側には、外片10kが形成される。外片10kの外側には、折り曲げ罫線10lが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線10lの外側には、外片10mが形成される。
【0026】
外片10cの外縁部には、切り込み罫線10nが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。外片10iの外縁部には、切り込み罫線10oが折り曲げ罫線10aと垂直となるように形成される。
【0027】
外板10の外縁部側には、折り曲げ罫線10pが折り曲げ罫線10aと平行するように形成される。折り曲げ罫線10pの外側には、外片10qが形成される。外片10qの外側には、折り曲げ罫線10rが折り曲げ罫線10aと平行するように形成される。折り曲げ罫線10rの外側には、外片10sが形成される。外片10sの一側には、差し込み片10tが形成される。外片10sの他側には、差し込み片10uが形成される。
【0028】
外板11と底壁7との間には、折り曲げ罫線11aが形成される。折り曲げ罫線11aの底壁7側には、切り込み罫線8bと同等の切り込み罫線が形成される。その結果、凸部8cと同等の凸部が形成される。
【0029】
外板11の一側縁部側には、折り曲げ罫線等は形成されない。外板11の他側縁部側には、折り曲げ罫線11bが折り曲げ罫線11aと垂直となるように形成される。折り曲げ罫線11bの外側には、外片11cが形成される。
【0030】
折り曲げ罫線11bの延長線上には、切り込み罫線11dが形成される。切り込み罫線11dよりも外板11中央側には、切り込み罫線11eが折り曲げ罫線11aと垂直となるように形成される。切り込み罫線11d、11eの端部間には、折り曲げ罫線11fが折り曲げ罫線11aと平行するように形成される。折り曲げ罫線11fの外側には、外片11gが形成される。切り込み罫線11dと外板11の他側縁部との間には、折り曲げ罫線11hが折り曲げ罫線11aと平行するように形成される。折り曲げ罫線11hの外側には、外片11iが形成される。
【0031】
図2の展開基板から支持部材6を組み立てるには、まず、折り曲げ罫線8aを支点として、外板8が底壁7の内側方向に90度折り曲げられる。その結果、凸部8cが底壁7よりも下方に突出する。次に、折り曲げ罫線9aを支点として、外板9が底壁7の内側方向に90度折り曲げられる。その結果、凸部9cが底壁7よりも下方に突出する。次に、折り曲げ罫線10aを支点として、外板10が底壁7の内側方向に90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線11aを支点として、外板11が底壁7の内側方向に90度折り曲げられる。
【0032】
次に、折り曲げ罫線8dを支点として、外片8eが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線8fを支点として、外片8gが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線8iを支点として、外片8jが底壁7の方向へ0度〜90度の角度で折り曲げられる。
【0033】
次に、折り曲げ罫線9dを支点として、外片9eが底壁7とは反対方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線9fを支点として、外片9gが底壁7とは反対方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線9kを支点として、外片9lが底壁7の方向へ0度〜90度の角度で折り曲られる。
【0034】
次に、折り曲げ罫線10bを支点として、外片10cが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線10dを支点として、外片10eが底壁7とは反対方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線10fを支点として、外片10gが外片10cの方向へ90度折り曲げられる。
【0035】
次に、折り曲げ罫線10hを支点として、外片10iが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線10jを支点として、外片10kが底壁7とは反対方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線10lを支点として、外片10mが外片10iの方向へ90度折り曲げられる。
【0036】
次に、折り曲げ罫線10pを支点として、外片10qが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線10rを支点として、外片10sが底壁7の方向へ90度折り曲げられる。この際、差し込み片10tが切り込み罫線10nに接するように差し込まれる。差し込み片10uが切り込み罫線10oに接するように差し込まれる。
【0037】
次に、折り曲げ罫線11bを支点として、外片11cが底壁7とは反対方向へ90度折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線11hを支点として、外片11iが底壁7の方向へ0度〜90度の角度で折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線11fを支点として、外片11gが底壁7の方向へ0度〜90度の角度で折り曲げられる。
【0038】
次に、折り曲げ罫線9sを支点として、外片9tが底壁7の方向へ0度〜90度の角度で折り曲げられる。次に、折り曲げ罫線9oを支点として、外片9pが底壁7とは反対方向へ0度〜90度の角度で折り曲げられる。
【0039】
次に、折り曲げ罫線9hを支点として、外片9iが外板9側に90度折り曲げられる。
【0040】
次に、図3を用いて、組立後の支持部材6を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における梱包装置に利用される支持部材の斜視図である。
【0041】
図3に示すように、支持部材6は、水平投影面上の4隅に第1〜第4折り曲げ部が形成される。第1折り曲げ部は、外板8の一側と外片8eとで形成される。第2折り曲げ部は、外板8の他側と外片8gとで形成される。第3折り曲げ部は、外板9の一側と外片9eで形成される。第4折り曲げ部は、外片9gと外片9iとで形成される。
【0042】
次に、図4を用いて、電気掃除機の梱包方法を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の斜視図である。
【0043】
まず、外装箱5に支持部材6が収納される。この際、支持部材6の第1〜第4折り曲げ部は、水平投影面上において外装箱5の4隅に配置される。すなわち、第1折り曲げ部と第4折り曲げ部とは、互いに対角となる位置に配置される。第2折り曲げ部と第3折り曲げ部とは、互いに対角となる位置に配置される。第1〜第4の折り曲げ部の外側ライナー面は、外装箱5の内側面に接するように対向する。
【0044】
次に、底壁7に掃除機本体1が載置される。この際、掃除機本体1の下部は、底壁7の上面に接する。掃除機本体1は、外片8jと外片9lとの下方に配置される。次に、外板11の外側に吸い込み具4(図4においては図示せず)が収納される。この際、吸い込み具4は、外片9t(図4においては図示せず)と外片11i(図4においては図示せず)との下方に配置される。次に、外板9の外側に連結パイプ3が収納される。
【0045】
次に、掃除機本体1の上方にホース2が配置される。この際、ホース2の一端は、外片9lの上方に配置される。ホース2の一端寄りは、外片8jの上方に配置される。ホース2の他端寄りは、外片9tと外片11iの上方に配置される。ホース2の他端は、連結パイプ3の上方で外板9の外側に配置される。
【0046】
次に、外装箱5のフラップが閉められる。これにより、外装箱5の開口部が塞がれる。
【0047】
次に、図5と図6とを用いて、電気掃除機の梱包状態を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の縦断面図である。図6は図5のA−A線における断面図である。
【0048】
図5において、5aは外装箱5の内底面である。5bは外装箱5の内天面である。図5に示すように、外板8の一側と外片8eとは、内底面5aと内天面5bとに接する。すなわち、第1折り曲げ部は、内底面5aと内天面5bとに接する。この際、第1折り曲げ部において、外装箱5の内底面5aとの接触長さと内天面5bとの接触する長さが略均等となる。
【0049】
外板8の他側と外片8gとは、内底面5aと内天面5bとに接する。すなわち、第2折り曲げ部は、内底面5aと内天面5bとに接する。この際、第2折り曲げ部において、外装箱5の内底面5aとの接触長さと内天面5bとの接触する長さが略均等となる。
【0050】
図6に示すように、外片9gと外片9iとは、内底面5aと内天面5bとに接する。すなわち、第4折り曲げ部は、内底面5aと内天面5bとに接する。この際、第4折り曲げ部において、外装箱5の内底面5aとの接触長さと内天面5bとの接触する長さが略均等となる。
【0051】
なお、図6には示していないが、外板9の一側と外片9eとは、内底面5aと内天面5bとに接する。すなわち、第3折り曲げ部は、内底面5aと内天面5bとに接する。この際、第3折り曲げ部において、外装箱5の内底面5aとの接触長さと内天面5bとの接触する長さが略均等となる。
【0052】
図6に示すように、凸部8cと凸部9cとは、内底面5aに接する。その結果、底壁7は、内底面5aと接触しない位置に配置される。
【0053】
以上で説明した実施の形態1によれば、支持部材6の第1〜第4折り曲げ部は、外装箱5の内底面5aと内天面5bとに接触するように配置される。このため、梱包装置の圧縮強度は、外装箱5の圧縮強度に支持部材6の第1〜第4折り曲げ部の圧縮強度を加えたものとなる。すなわち、梱包装置全体の圧縮強度が増加する。このため、例えば、電気掃除機を梱包した梱包装置を段積みした場合や輸送する場合に梱包装置に上下方向の圧縮力が加わっても、外装箱5がつぶれることを抑制することができる。従って、電気掃除機が変形することもない。
【0054】
なお、外装箱5の対向する2隅のみに折り曲げ部を形成しても、梱包装置全体の圧縮強度を効率的に増加させることができる。
【0055】
また、電気掃除機の梱包時において、掃除機本体1とホース2との間には、外片8jと外片9lとが配置される。このため、電気掃除機を梱包した梱包装置を輸送する際に、掃除機本体1とホース2とが接触することはない。従って、掃除機本体1とホース2との擦れや変形等の損傷を防止することができる。
【0056】
また、支持部材6の第1〜第4折り曲げ部の折り曲げ角度は90度である。このため、第1〜第4折り曲げ部の断面二次モーメントを効率よく大きくすることができる。なお、第1〜第4折り曲げ部の折り曲げ角度が60度以上かつ120度以下であれば、第1〜第4折り曲げ部の断面二次モーメントはある程度大きくなる。
【0057】
また、支持部材6の凸部8c、9cは、底壁7よりも下方へ突出する。その結果、底壁7は、外装箱5の内底面5aと接触しない位置に配置される。このため、電気掃除機を梱包した梱包装置を落下させた際は、凸部8c、9cが折れ曲がって変形する。当該変形により、掃除機本体1にかかる衝撃エネルギーを軽減することができる。従って、掃除機本体1の変形等の損傷を防止することができる。
【0058】
また、支持部材6の第1〜第4折り曲げ部は、外装箱5の内底面5aとの接触長さと内天面5bとの接触する長さが均等となるように形成される。このため、電気掃除機を梱包した梱包装置を段積みした場合、各梱包装置にかかる荷重が傾くことを防止できる。その結果、外装箱5がつぶれることを確実に防止できる。従って、掃除機本体1の変形等の損傷を防止することができる。
【0059】
また、外片8jを形成することで、外板8の上縁部に直角の段差が形成される。すなわち、第1及び第2折り曲げ部以外の箇所は、第1及び第2折り曲げ部よりも下方に凹む。その結果、第1及び第2折り曲げ部以外の箇所は、内天面5bから離れた位置に配置される。外片9lを形成することで、外板9の上縁部に直角の段差が形成される。すなわち、第3及び第4折り曲げ部以外の箇所は、内天面5bから離れた位置に配置される。その結果、第3及び第4折り曲げ部以外の箇所が第3及び第4折り曲げ部よりも下方に凹む。このため、電気掃除機を梱包した梱包装置を段積みした場合、各梱包装置にかかる荷重が傾くことをより確実に防止できる。
【0060】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2における梱包装置で電気掃除機を梱包した際の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
実施の形態の2の支持部材6は、実施の形態1の支持部材6の外板8に傾斜部8k、8lを形成したものである。傾斜部8kは、外板8の上縁部の一側の中央と切り込み罫線8hの一方の端部とをつなぐように形成される。傾斜部8lは、外板8の上縁部の他側の中央と切り込み罫線8hの他方の端部とをつなぐように形成される。
【0062】
以上で説明した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、外板8の上縁部において、第1及び第2折り曲げ部以外の箇所は、第1及び第2折り曲げ部よりも下方に凹む。外板9の上縁部において、第3及び第4折り曲げ部以外の箇所は、第3及び第4折り曲げ部よりも下方に凹んでいる。このため、電気掃除機を梱包した梱包装置を段積みした場合、各梱包装置にかかる荷重が傾くことをより確実に防止できる。
【0063】
なお、実施の形態1及び2の梱包装置は、電気掃除機以外の電気機器等にも適用できる。すなわち、被梱包物を電気掃除機に限定する必要はない。
【符号の説明】
【0064】
1 掃除機本体、 2 ホース、 3 連結パイプ、 4 吸い込み具、
5 外装箱、 5a 内底面、 5b 内天面、 6 支持部材、 7 底壁、
8 外板、 8a 折り曲げ罫線、 8b 切り込み罫線、 8c 凸部、
8d 折り曲げ罫線、 8e 外片、 8f 折り曲げ罫線、 8g 外片、
8h 切り込み罫線、 8i 折り曲げ罫線、 8j 外片、 8k、8l 傾斜部、
9 外板、 9a 折り曲げ罫線、 9b 切り込み罫線、 9c 凸部、
9d 折り曲げ罫線、 9e 外片、 9f 折り曲げ罫線、 9g 外片、
9h 折り曲げ罫線、 9i 外片、 9j 切り込み罫線、 9k 折り曲げ罫線、
9l 外片、 9m 切り込み罫線、 9n 切り込み罫線、 9o 折り曲げ罫線、
9p 外片、 9q 切り込み罫線、 9r 切り込み罫線、 9s 折り曲げ罫線、
9t 外片、 10 外板、 10a 折り曲げ罫線、 10b 折り曲げ罫線、
10c 外片、 10d 折り曲げ罫線、 10e 外片、 10f 折り曲げ罫線、
10g 外片、 10h 折り曲げ罫線、 10i 外片、 10j 折り曲げ罫線、
10k 外片、 10l 折り曲げ罫線、 10m 外片、 10n 切り込み罫線、
10o 切り込み罫線、 10p 折り曲げ罫線、 10q 外片、
10r 折り曲げ罫線、 10s 外片、 10t 差し込み片、
10u 差し込み片、 11 外板、 11a 折り曲げ罫線、
11b 折り曲げ罫線、 11c 外片、 11d 切り込み罫線、
11e 切り込み罫線、 11f 折り曲げ罫線、 11g 外片、
11h 折り曲げ罫線、11i 外片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間を有した箱体と、
ダンボールで形成された底壁の縁部を上方に折り曲げることにより形成された外板を有し、前記空間に被梱包物が収納される際に前記空間内で前記外板よりも中央側で前記底壁の上面に前記被梱包物を載置するように形成された支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、
前記空間内で水平投影面上において前記箱体の対角に配置された状態で前記箱体の上下内面に接するように前記外板の側縁部を折り曲げることにより形成された折り曲げ部、
を有した梱包装置。
【請求項2】
前記空間に前記被梱包物が収納される際に前記被梱包物の上方に配置されるように前記外板の上縁部の一部を前記底壁側に折り曲げることにより形成された外片を有した請求項1記載の梱包装置。
【請求項3】
前記折り曲げ部は、前記外板の側縁部を60度以上120度以下の角度で折り曲げることにより形成された請求項1又は請求項2に記載の梱包装置。
【請求項4】
前記底壁と前記外板との境界に形成された折り曲げ罫線の前記底壁側に切り込みを入れることにより形成され、前記折り曲げ罫線により前記外板が上方に折り曲げられた際に前記底壁よりも下方へ突出する凸部を有した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の梱包装置。
【請求項5】
前記折り曲げ部は、前記空間に前記被梱包物が収納される際に前記箱体の上内面との接触長さと前記箱体の下内面との接触する長さが均等となるように形成された請求項1〜請求項4のいずれかに記載の梱包装置。
【請求項6】
前記外板は、上縁部において前記折り曲げ部以外の箇所が前記折り曲げ部よりも下方に凹んだ請求項1〜請求項5のいずれかに記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−91517(P2013−91517A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235692(P2011−235692)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】