説明

梱包陳列システム

【課題】内箱収容外箱も店頭陳列物品の陳列に利用することができ、制限されたスペースでも多数の店頭陳列物品を陳列することができる梱包陳列システムを提供する。
【解決手段】物品陳列状態では内箱収容外箱200が開梱されて物品収容内箱100と組み合され、その物品収容内箱100に店頭陳列物品STPが陳列される。ただし、物品陳列状態で複数の物品収容内箱100と個々に組み合された複数の内箱収容外箱200が上下方向に多段に組み合される。このため、内箱収容外箱200も店頭陳列物品STPの陳列に利用され、店頭陳列物品STPが上下方向に多段に陳列される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店頭陳列物品を梱包して搬送に利用される梱包陳列システムに関し、特に、開梱されて店頭陳列物品の陳列にも利用される梱包陳列システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、箱入菓子、文房具、タバコパッケージ、タバコパッケージが同梱されるノベルティグッズ、等の各種の店頭陳列物品が、サプライチェーン店舗であるコンビニエンスストアなどの各種店舗で、店頭に陳列されて販売されている。
【0003】
このような店頭陳列物品は、一般的に物品梱包容器に梱包されて搬送されている。そこで、このような店頭陳列物品を店頭に陳列する場合には、物品梱包容器を開梱し、専用や汎用の什器に陳列する。
【0004】
しかし、これでは物品梱包容器と什器とを別個に用意する必要がある。また、物品梱包容器を廃棄する必要がある。さらに、物品梱包容器を開梱して店頭陳列物品を什器に陳列する作業が煩雑である。
【0005】
上述のような課題を解決するため、開梱した物品梱包容器で店頭陳列物品を陳列できるようにする提案があり、実際に実施されている。例えば、商品陳列作業を短時間で行なうことができ、かつ、内部に商品を収容した状態でも容易な運送が可能となる商品陳列装置の提案がある。
【0006】
その技術は、複数の筆記具用部品を収容した商品陳列装置であり、正面板と、第一側面板と、第二側面板と、背面板と、天面板と、底面板とからなる。背面板を上方に延長し、背面板の上端部に、天面板より上方に突出する突出片部を形成する。
【0007】
突出片部に、吊下陳列用フックが係合可能な係合孔を設ける。ミシン目を、正面板と、第一側面板と、第二側面板とに設ける。天面板と、正面板上端部と、第一側面板の正面側上端部と、第二側面板の正面側上端部とをミシン目に沿って切断除去可能に構成する(特許文献1)。
【0008】
また、三枚のピースを接合して箱側面が八角形で、全体が十面体の外観形状をした視覚デザイン性およびハンドリング性に富み、店頭開封時に多段陳列可能な包装箱の提案もある。
【0009】
その包装箱は、二枚で一組のサイドパネルと、一枚のボディーパネルで組み立てられる。サイドパネルは、本体パネルと、左右側片と、蓋フラップとを備え、ボディーパネルは、八角形の底面パネルと、前後パネルと蓋フラップとを順次連接してなり、底面パネルの左右に左右つなぎ片を、前後パネルの左右にサイドパネルの左右側片と重合する左右つなぎ片とを、それぞれ備える(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−285220号公報
【特許文献2】特開2008−013244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように物品梱包容器を、店頭陳列物品の陳列に利用する各種の提案がある。しかし、特許文献1の技術では、店頭陳列物品を平坦に陳列することにしか利用できず、上下方向に多段に陳列することができない。
【0012】
特許文献2の技術では、店頭陳列物品を上下方向に多段に陳列することができる。しかし、特許文献1,2の技術は、何れも複数個の店頭陳列物品を収容する物品収容内箱を什器として利用するものでしかない。
【0013】
一般的に小型の店頭陳列物品は、複数が物品収容内箱に収容され、複数の物品収容内箱が大型の内箱収容外箱に収容される。このような物品梱包状態で小型の多数の店頭陳列物品は移送される。
【0014】
しかし、上述のような構造の物品梱包容器では、物品収容内箱を店頭陳列物品の陳列に利用しても、大型の内箱収容外箱は廃棄されている。この廃棄はエコロジカルではなく、好ましくない。
【0015】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、内箱収容外箱も店頭陳列物品の陳列に利用することができ、制限されたスペースでも多数の店頭陳列物品を陳列することができる梱包陳列システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の梱包陳列システムは、店頭陳列物品を収容する物品収容内箱と、少なくとも一個の物品収容内箱を収容する内箱収容外箱と、を有し、店頭陳列物品が物品収容内箱に収容されて内箱収容外箱に梱包された物品梱包状態と、内箱収容外箱と物品収容内箱とを利用して店頭陳列物品が陳列された物品陳列状態と、に可変される梱包陳列システムであって、内箱収容外箱は、物品陳列状態では開梱されて物品収容内箱と組み合され、物品収容内箱は、内箱収容外箱と組み合された物品陳列状態で店頭陳列物品が陳列され、物品陳列状態で複数の物品収容内箱と個々に組み合された複数の内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合される。
【0017】
従って、本発明の梱包陳列システムでは、物品陳列状態では内箱収容外箱が開梱されて物品収容内箱と組み合され、その物品収容内箱に店頭陳列物品が陳列される。ただし、物品陳列状態で複数の物品収容内箱と個々に組み合された複数の内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合される。このため、内箱収容外箱も店頭陳列物品の陳列に利用され、店頭陳列物品が上下方向に多段に陳列される。
【0018】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、内箱収容外箱は、物品梱包状態で一面が矩形の直方体状に形成されており、一面の矩形の開口が外周四辺の少なくとも一つから突出した凸片で封止されており、物品陳列状態で左右の少なくとも一方に突出された凸片が曲折または湾曲され、曲折または湾曲された凸片の先端が外面に連結されて筒状に形成され、物品陳列状態で上下方向に多段に組み合される複数の内箱収容外箱の筒状の凸片に上下連結部材が挿通されていてもよい。
【0019】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、上下連結部材は、筒状の凸片の内面に係合する筒状に形成されていてもよい。
【0020】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、内箱収容外箱は、筒状の凸片から内側に係合突起が形成されており、上下連結部材は、上端と下端との少なくとも一方に係合突起が係合してもよい。
【0021】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、上下連結部材は、上端と下端との少なくとも一方に係合突起が係合する係合凹部が形成されていてもよい。
【0022】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、上下連結部材は、内箱収容外箱から分断された部分で形成されていてもよい。
【0023】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、内箱収容外箱は、開梱により開口した一面が物品陳列状態で前面とされ、物品収容内箱は、物品陳列状態では後部が内箱収容外箱の前面の開口に挿入されて下部に連結されてもよい。
【0024】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、物品収容内箱は、後部上縁に凸部が形成されており、内箱収容外箱は、物品収容内箱の後部上縁の凸部が係合する凹穴が開口の内面に形成されていてもよい。
【0025】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、内箱収容外箱は、物品梱包状態で複数の物品収容内箱が収容され、内箱収容外箱は、物品陳列状態では開梱されて収容されている物品収容内箱と同数以上に分断され、分断された複数の内箱収容外箱は、物品陳列状態で収容されていた複数の物品収容内箱と個々に組み合され、物品陳列状態で複数の物品収容内箱と個々に組み合された複数の内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合されてもよい。
【0026】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、物品陳列状態で複数の物品収容内箱と個々に組み合された複数の内箱収容外箱が左右方向に多列に組み合されてもよい。
【0027】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、内箱収容外箱は、物品梱包状態で一面が矩形の直方体状に形成されており、一面の矩形の開口が外周四辺の少なくとも一つから突出した凸片で封止されており、物品陳列状態で上方に突出された凸片が曲折または湾曲され、曲折または湾曲された凸片の先端が外面に連結されて筒状に形成され、左右方向に多列に組み合される複数の内箱収容外箱の筒状の凸片に左右連結部材が挿通されていてもよい。
【0028】
また、上述のような梱包陳列システムにおいて、左右連結部材は、内箱収容外箱から分断された部分で形成されていてもよい。
【0029】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の梱包陳列システムでは、物品陳列状態で複数の物品収容内箱と個々に組み合された複数の内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合される。このため、内箱収容外箱を店頭陳列物品の陳列に利用することができるので、内箱収容外箱を廃棄する必要がなくエコロジカルとなる。しかも、店頭陳列物品を上下方向に多段に陳列することができるので、コンビニエンスストアなどのように制限されたスペースでも多数の店頭陳列物品を陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態の梱包陳列システムの物品陳列状態の組立構造を示す分解斜視図である。
【図2】下側の梱包陳列システムの物品梱包状態の組立構造を示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、である。
【図3】上側の梱包陳列システムの物品梱包状態の組立構造を示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、である。
【図4】下側の内箱収容外箱の物品梱包状態の組立構造を示す斜視図である。
【図5】上側の内箱収容外箱の物品梱包状態および上下連結部材の組立構造を示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、である。
【図6】上側の内箱収容外箱と上下連結部材との組立構造を示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、である。
【図7】梱包陳列システムの物品陳列状態の外観を示す斜視図である。
【図8】一の変形例の梱包陳列システムの物品梱包状態の外観を示す分解斜視図である。
【図9】梱包陳列システムの物品陳列状態の組立構造を示す分解斜視図である。
【図10】梱包陳列システムの物品陳列状態の外観を示す斜視図である。
【図11】他の変形例の梱包陳列システムの物品陳列状態の外観を示す斜視図である。
【図12】さらに他の変形例の梱包陳列システムの組立構造を示す分解斜視図である。
【図13】梱包陳列システムの物品陳列状態の外観を示す斜視図である。
【図14】さらに他の変形例の梱包陳列システムの物品陳列状態の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の一形態を図1および図2を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0033】
本実施の形態の梱包陳列システム1000は、図1および図2に示すように、店頭陳列物品STPを収容する物品収容内箱100と、少なくとも一個の物品収容内箱100を収容する内箱収容外箱200(H,L)と、を有する。
【0034】
梱包陳列システム1000は、図2に示すように、店頭陳列物品STPが物品収容内箱100に収容されて内箱収容外箱200に梱包された物品梱包状態と、図1に示すように、内箱収容外箱200と物品収容内箱100とを利用して店頭陳列物品STPが陳列された物品陳列状態と、に可変される。
【0035】
内箱収容外箱200は、物品陳列状態では開梱されて物品収容内箱100と組み合され、物品収容内箱100は、内箱収容外箱200と組み合された物品陳列状態で店頭陳列物品STPが陳列され、物品陳列状態で複数の物品収容内箱100と個々に組み合された複数の内箱収容外箱200が上下方向に多段に組み合される。
【0036】
本実施の形態では、複数の梱包陳列システム1000の内箱収容外箱200が上下方向に多段に組み合される。このため、本実施の形態では、図2に示すように、下側の梱包陳列システム1000Lと、図3に示すように、上側の梱包陳列システム1000Hと、がある。
【0037】
内箱収容外箱200は、図2および図3に示すように、物品梱包状態で一面が矩形の直方体状に形成されており、一面の矩形の開口204が外周四辺から突出した凸片201,202で封止されている。
【0038】
内箱収容外箱200は、図4および図5に示すように、物品陳列状態で左右に突出された凸片202が曲折され、曲折された凸片201の先端が外面に連結されて三角筒状に形成される。
【0039】
本実施の形態の梱包陳列システム1000では、図1ないし図3に示すように、内箱収容外箱200は、凸片201,202の開梱により開口した外箱本体部分203の一面が物品陳列状態で前面とされる。
【0040】
内箱収容外箱200は、図1ないし図5に示すように、物品陳列状態で曲折用のミシン目206が上方の凸片201に左右方向に形成されており、左右の凸片202に上下方向に形成されている。
【0041】
凸片201,202の先端にはT字型の連結凸部207も形成されており、この連結凸部207が挿入されて連結されるT字状の連結凹穴208が上面と側面とにミシン目で形成されている。
【0042】
図1および図4および図5に示すように、左右の凸片202は、物品陳列状態で外側である左右に各々突出され、ミシン目206で後方に曲折されて連結凸部207と連結凹穴208とで左右の側面に外側から先端が各々連結される。
【0043】
ただし、上側の内箱収容外箱200Hでは、物品陳列状態で上方の凸片201は外側である上方に突出され、ミシン目206で後方に曲折されて連結凸部207と連結凹穴208とで先端が上面に外側から連結される。
【0044】
しかし、下側の内箱収容外箱200Lでは、物品陳列状態で上方の凸片201は内側である下方に突出され、ミシン目206で後方に曲折されて連結凸部207と連結凹穴208とで先端が上面に内側から連結される。
【0045】
図1および図4に示すように、下側の内箱収容外箱200Lでは、物品陳列状態で下側の凸片201は前方に突出される。しかし、図3に示すように、上側の内箱収容外箱200Hでは、図5に示すように、物品陳列状態で下側の凸片201は外箱本体部分203から分断される。
【0046】
この分断された上側の内箱収容外箱200Hの凸片201が、さらに二つに分断され、ミシン目206で三角筒状に曲折されることで、一対の上下連結部材220が形成される。
【0047】
そして、本実施の形態の梱包陳列システム1000では、図1に示すように、物品陳列状態で上下方向に多段に組み合される複数の内箱収容外箱200の三角筒状の凸片201,202に上下連結部材220が挿通されている。
【0048】
このような上下連結部材220は、前述のように三角筒状の凸片201,202の内面に係合する三角筒状に形成されている。なお、内箱収容外箱200は、図6等に示すように、三角筒状の凸片201,202から内側に係合突起205がミシン目で形成されており、上下連結部材220は、上端と下端とに係合突起205が係合する係合凹部221がミシン目で形成されている。
【0049】
上述の係合突起205のミシン目は、図2に示すように、下側の内箱収容外箱200では物品梱包状態での側面と左右の凸片202との前方に、図3に示すように、内箱収容外箱200では物品梱包状態での側面と左右の凸片202とに、各々形成されている。
【0050】
図1および図7に示すように、物品収容内箱100は、物品陳列状態では後部が内箱収容外箱200の前面の開口204の下部に挿入されて連結される。より具体的には、物品収容内箱100は、後部上縁に凸部103が形成されており、内箱収容外箱200は、物品収容内箱100の後部上縁の凸部103が係合する凹穴209が開口204の内面に形成されている。
【0051】
このため、物品収容内箱100は、後部上縁の凸部103が凹穴209に係合することにより、内箱収容外箱200の下部に後部が連結される。なお、左右の凸片202の連結凸部207を物品収容内箱100の側部上縁に係合させることで、より強固に内箱収容外箱200の下部に物品収容内箱100の後部を連結してもよい(図示せず)。
【0052】
また、物品収容内箱100は、内箱本体部分101の内部が仕切102により左右方向で二列に区分されており、物品梱包状態では、そこに店頭陳列物品STPが上下方向に複数が積載された状態で、前後方向に複数行に収容される。
【0053】
なお、本実施の形態の梱包陳列システム1000では、内箱収容外箱200は、物品陳列状態で内箱収容外箱200と組み合されて露出する凸片201,202の内面に、店頭陳列物品STPと関連する情報である図柄TCMがカラー印刷などで表記されている。また、物品収容内箱100は、物品陳列状態で内箱収容外箱200と組み合されて前方に露出する前面に、図柄TCMがカラー印刷などで表記されている。
【0054】
この図柄TCMは、店頭陳列物品STPと関連する情報であればよく、例えば、店頭陳列物品STPの広告、店頭陳列物品STPの説明、店頭陳列物品STPの注意書き、店頭陳列物品STPを予測される図案や配色、等からなる。
【0055】
本実施の形態では、店頭陳列物品STPは、タバコパッケージ(図示せず)と組み合される携帯灰皿等のノベルティグッズなどからなる。このような店頭陳列物品STPは、タバコパッケージとは別個に梱包陳列システム1000に梱包されてコンビニエンスストアなどの店舗まで移送され、店舗でタバコパッケージと同梱される。
【0056】
このような店頭陳列物品STPは、開梱された内箱収容外箱200から取り出され、例えば、タバコパッケージが同梱されてから、図1および図7に示すように、物品陳列状態の物品収容内箱100に前方から後方まで立設した状態で二列に収容される。
【0057】
そこで、店頭陳列物品STPと関連する図柄TCMは、例えば、店頭陳列物品STPと組み合されるタバコパッケージの広告や、タバコパッケージに店頭陳列物品STPが同梱されていることの案内メッセージなどからなる。
【0058】
物品梱包状態では、上述のように店頭陳列物品STPが収容された物品収容内箱100が、開梱されている内箱収容外箱200の外箱本体部分203の矩形の上面開口から内部に収容される。
【0059】
図2(b)および図3(b)に示すように、このような状態で内箱収容外箱200の上面開口が外周四辺から突出している凸片201,202で閉止され、例えば、左右一対の凸片202が粘着テープAGTで封止される。当然ながら、この粘着テープAGTは凸片202の外面に貼着されるので、図柄TCMが表記されている内面に影響することはない。
【0060】
このように店頭陳列物品STPを梱包した物品梱包状態の梱包陳列システム1000が、例えば、製造メーカからコンビニエンスストアなどの店舗まで移送される。この移送の過程で内箱収容外箱200の外面は擦過等されることがあるが、やはり図柄TCMが表記されている内面に影響することはない。
【0061】
このような物品梱包状態の梱包陳列システム1000が店舗に到着すると、粘着テープAGTが引き剥がされたり切断されるなどして、図2(a)および図3(a)に示すように、内箱収容外箱200が開梱される。
【0062】
上述のような物品陳列状態の梱包陳列システム1000は、二個の梱包陳列システム1000L,1000Hからなり、コンビニエンスストアなどの店舗で店頭陳列物品STPの、いわゆる什器として利用される。
【0063】
そして、従来は廃棄していた内箱収容外箱200も廃棄することなく店頭陳列物品STPの陳列に利用するので、本実施の形態の梱包陳列システム1000はエコロジカルである。
【0064】
しかも、物品収容内箱100が上下二段となるので、一個の占有面積に二倍の店頭陳列物品STPを陳列することができる。このため、コンビニエンスストアなどのように設置スペース数に制限がある場合に好適である。
【0065】
特に、内箱収容外箱200L,200Hは、物品収容内箱100を梱包するために従来から必須の凸片202が三角筒状に曲折されるので、これで上下方向の強度が確保される。
【0066】
そして、このような上下の三角筒状の左右の凸片202が、同様に三角筒状の上下連結部材220で連結される。このため、下側と上側との内箱収容外箱200L,200Hが堅固に連結される。
【0067】
しかも、このような上下連結部材220は、上述のように上下連結することで不要となる上側の内箱収容外箱200Hの下方の凸片201から形成される。このため、上下連結部材220を別途用意する必要がない。
【0068】
さらに、図6に示すように、下側と上側との内箱収容外箱200L,200Hの三角筒状の左右の凸片202の内側に係合突起205が突出され、この係合突起205が上下連結部材220の上端と下端との係合凹部221に係合する。
【0069】
このため、上下連結部材220が下側の内箱収容外箱200Lの三角筒状の凸片202の内部下方に落ち込むようなことがなく、下側と上側との内箱収容外箱200L,200Hの三角筒状の左右の凸片202を強固に連結することができる。
【0070】
なお、図6に示すように、上側の内箱収容外箱200Hの係合突起205は下端が先鋭に傾斜しており、下側の内箱収容外箱200Lの係合突起205は上端が先鋭に傾斜している。このため、係合突起205は上下連結部材220の係合凹部221に容易に挿入されて係合する。
【0071】
さらに、本実施の形態の梱包陳列システム1000では、陳列される店頭陳列物品STPの外側に位置する内箱収容外箱200の凸片201,202や、物品収容内箱100の前面などに、店頭陳列物品STPに関連する図柄TCMがカラー印刷などで表記されている。このため、顧客(図示せず)を良好に訴求することができる。
【0072】
なお、上述のように内箱収容外箱200は移送の過程で外面が擦過されたり粘着テープが貼着されたりするが、図柄TCMは凸片201,202の内面に表記されているので移送の過程で損傷されることがない。
【0073】
しかも、このような凸片201,202は、物品収容内箱100を梱包するために従来から必須の構成である。このため、図柄TCMを提示するために特別な部分を内箱収容外箱200に追加する必要がない。
【0074】
また、三角筒状の凸片201,202により、図柄TCMの訴求効果を向上させることが期待できる。さらに、凸片201,202の図柄TCMを後方にも配置できるので、物品陳列状態の梱包陳列システム1100が顧客に後方から視認されたときも店頭陳列物品STPを訴求することができる。
【0075】
また、図2および図3に示すように、物品収容内箱100は内箱収容外箱200に隙間なく収容される外形に形成されている。従って、図1に示すように、開口が前面に位置するように立設させた内箱収容外箱200の下部に、物品収容内箱100の後部を隙間なく配置することができる。
【0076】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では二個の梱包陳列システム1000L,1000Hを上下に組み合わせることで、物品収容内箱100が二段の梱包陳列システム1000が形成されることを例示した。しかし、下側の梱包陳列システム1000Lを複数とすることで、物品収容内箱100が三段以上の梱包陳列システム(図示せず)を形成することもできる。
【0077】
また、上記形態では二個の梱包陳列システム1000L,1000Hを上下に組み合わせることで、一個の梱包陳列システム1000が形成されることを例示した。しかし、図8ないし図10に例示する梱包陳列システム1100のように、内箱収容外箱200に二個の物品収容内箱100が収容されており、物品梱包状態で前後対象に形成されている内箱収容外箱200が前後方向に二個に分断され、図9に示すように、この分断された二個の内箱収容外箱200L,200Hが上下方向に連結されてもよい。
【0078】
この場合、図8に示すように、上下連結部材220は、例えば、内箱収容外箱200の物品陳列状態で開封されず利用されない、内側の凸片201などから形成することができる。
【0079】
このような梱包陳列システム1100は、一個で物品収容内箱100が二段の構造を実現することができる。しかも、全高も上記形態の梱包陳列システム1000の略半分とすることができるので、コンビニエンスストアなどのように、陳列場所の全高にも制限がある場合でも利用することができる。
【0080】
さらに、上記形態では内箱収容外箱200の物品陳列状態で左右の凸片202を上下連結部材220とともに三角筒状に曲折することを例示した。しかし、このような凸片202や上下連結部材220を四角筒状や六角筒状に曲折してもよい。
【0081】
さらに、図11に例示する梱包陳列システム1200のように、内箱収容外箱200の物品陳列状態で左右の凸片202を上下連結部材(図示せず)とともに半円筒状に湾曲させてもよく、円筒状に湾曲させてもよい(図示せず)。
【0082】
また、複数の梱包陳列システム1300a,1300bを左右方向に連結してもよい。その場合、単純に配列するだけでもよいが、図12に示すように、例えば、相対する左右の凸片202を切除して山型の左右連結部材230を形成し、この左右連結部材230を左右の梱包陳列システム1300a,1300bの上方の凸片201に挿入し、図13に示すように、一個の梱包陳列システム1300を実現してもよい。
【0083】
この場合、物品収容内箱100が上下左右に配列されるので、多量の店頭陳列物品STPを陳列することができる。さらに、四個の内箱収容外箱200が上下左右に連結されるので、梱包陳列システム1300の全体を一体として取り扱うことができる。当然ながら、左右方向に三個以上の梱包陳列システムを配列して連結してもよい(図示せず)。
【0084】
また、上記形態では物品収容内箱100に店頭陳列物品STPが二列に収容されることを例示した。しかし、物品収容内箱100に店頭陳列物品STPが一列に収容されてもよく、三列以上に収容されてもよい(図示せず)。
【0085】
さらに、上記形態では一個の物品収容内箱100に二列の店頭陳列物品STPが収容されることを例示した。しかし、店頭陳列物品STP一列に収容される幅狭の物品収容内箱が内箱収容外箱に二列に収容されてもよく、これが三列以上でもよい(図示せず)。
【0086】
また、上記形態では店頭陳列物品STPがタバコパッケージと同梱される携帯灰皿等のノベルティグッズなどからなることを例示した。しかし、このような店頭陳列物品STPが、菓子パッケージなどであってもよい。
【0087】
さらに、上記形態では部品陳列状態で正面に位置する、凸片201,202の内面や物品収容内箱100の前面に、図柄TCMが表記されていることを例示した。しかし、図14に例示する梱包陳列システム2000のように、さらに内箱収容外箱200の部品陳列状態での内部前面に図柄TCMが表記されていてもよい。
【0088】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0089】
100 物品収容内箱
101 内箱本体部分
102 仕切
103 凸部
110 物品収容内箱
200 内箱収容外箱
200L,200H 内箱収容外箱
201 凸片
202 凸片
203 外箱本体部分
204 開口
205 係合突起
206 ミシン目
207 連結凸部
208 連結凹穴
209 凹穴
220 上下連結部材
221 係合凹部
230 左右連結部材
1000 梱包陳列システム
1000L,1000H 梱包陳列システム
1100 梱包陳列システム
1200 梱包陳列システム
1300 梱包陳列システム
1300a,1300b 梱包陳列システム
2000 梱包陳列システム
2000L,2000H 梱包陳列システム
AGT 粘着テープ
STP 店頭陳列物品
TCM 図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店頭陳列物品を収容する物品収容内箱と、少なくとも一個の前記物品収容内箱を収容する内箱収容外箱と、を有し、前記店頭陳列物品が前記物品収容内箱に収容されて前記内箱収容外箱に梱包された物品梱包状態と、前記内箱収容外箱と前記物品収容内箱とを利用して前記店頭陳列物品が陳列された物品陳列状態と、に可変される梱包陳列システムであって、
前記内箱収容外箱は、前記物品陳列状態では開梱されて前記物品収容内箱と組み合され、
前記物品収容内箱は、前記内箱収容外箱と組み合された前記物品陳列状態で前記店頭陳列物品が陳列され、
前記物品陳列状態で複数の前記物品収容内箱と個々に組み合された複数の前記内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合される梱包陳列システム。
【請求項2】
前記内箱収容外箱は、前記物品梱包状態で一面が矩形の直方体状に形成されており、前記一面の矩形の開口が外周四辺の少なくとも一つから突出した凸片で封止されており、前記物品陳列状態で左右の少なくとも一方に突出された前記凸片が曲折または湾曲され、曲折または湾曲された前記凸片の先端が外面に連結されて筒状に形成され、
前記物品陳列状態で上下方向に多段に組み合される複数の前記内箱収容外箱の前記筒状の前記凸片に上下連結部材が挿通されている請求項1に記載の梱包陳列システム。
【請求項3】
前記上下連結部材は、筒状の前記凸片の内面に係合する筒状に形成されている請求項2に記載の梱包陳列システム。
【請求項4】
前記内箱収容外箱は、前記筒状の前記凸片から内側に係合突起が形成されており、
前記上下連結部材は、上端と下端との少なくとも一方に前記係合突起が係合する請求項3に記載の梱包陳列システム。
【請求項5】
前記上下連結部材は、上端と下端との少なくとも一方に前記係合突起が係合する係合凹部が形成されている請求項4に記載の梱包陳列システム。
【請求項6】
前記上下連結部材は、前記内箱収容外箱から分断された部分で形成されている請求項2ないし5の何れか一項に記載の梱包陳列システム。
【請求項7】
前記内箱収容外箱は、開梱により開口した前記一面が前記物品陳列状態で前面とされ、
前記物品収容内箱は、前記物品陳列状態では後部が前記内箱収容外箱の前面の開口に挿入されて下部に連結される請求項1ないし6の何れか一項に記載の梱包陳列システム。
【請求項8】
前記物品収容内箱は、後部上縁に凸部が形成されており、
前記内箱収容外箱は、前記物品収容内箱の後部上縁の前記凸部が係合する凹穴が前記開口の内面に形成されている請求項7に記載の梱包陳列システム。
【請求項9】
前記内箱収容外箱は、前記物品梱包状態で複数の前記物品収容内箱が収容され、
前記内箱収容外箱は、前記物品陳列状態では開梱されて収容されている前記物品収容内箱と同数以上に分断され、
分断された複数の前記内箱収容外箱は、前記物品陳列状態で収容されていた複数の前記物品収容内箱と個々に組み合され、
前記物品陳列状態で複数の前記物品収容内箱と個々に組み合された複数の前記内箱収容外箱が上下方向に多段に組み合される請求項1ないし8の何れか一項に記載の梱包陳列システム。
【請求項10】
前記物品陳列状態で複数の前記物品収容内箱と個々に組み合された複数の前記内箱収容外箱が左右方向に多列に組み合される請求項1ないし9の何れか一項に記載の梱包陳列システム。
【請求項11】
前記内箱収容外箱は、前記物品梱包状態で一面が矩形の直方体状に形成されており、前記一面の矩形の開口が外周四辺の少なくとも一つから突出した凸片で封止されており、前記物品陳列状態で上方に突出された前記凸片が曲折または湾曲され、曲折または湾曲された前記凸片の先端が外面に連結されて筒状に形成され、
左右方向に多列に組み合される複数の前記内箱収容外箱の前記筒状の前記凸片に左右連結部材が挿通されている請求項10に記載の梱包陳列システム。
【請求項12】
前記左右連結部材は、前記内箱収容外箱から分断された部分で形成されている請求項11に記載の梱包陳列システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−207504(P2011−207504A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76869(P2010−76869)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】