説明

棒材交差部保持用のフックバンド及びこれを用いる棒材交差部保持構造並びに支柱枠構造物

【課題】直角に或いは斜めに交差する棒材交差部の保持を1種類で行うことができて、使用時の取り扱い性に便利であり、経済性にも優れるフックバンドを提供する。
【解決手段】第1の棒材2と第2の棒材5との所要角度の棒材交差部6を保持するフックバンド7である。第1の棒材2を嵌め入れるU字状屈曲部25の左右両端に、一対の押圧線状部29,30が連設されると共に、両押圧線状部29,30の先端部に、第1の棒材2の裏面部に弾性圧接状態に当接し得る円弧状係合片33,35を有する。一方の押圧線状部29には、第2の棒材5a,5bの円弧状表面部分37に沿う2個の押圧屈曲部39a,39bが隣り合わせて設けられている。他方の押圧線状部30には、円弧状表面部分37に沿う2個の押圧屈曲部40a,40bが隣り合わせて設けられている。左右対向する押圧屈曲部によって、又は、斜め配置の押圧屈曲部によって棒材交差部を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒材相互を交差状態に重ね合わせて形成される棒材交差部を保持する、棒材交差部保持用のフックバンドに関するものであり、又、これを用いて構成された棒材交差部保持構造に関するものであり、更に、該棒材交差部保持用フックバンドを用いて構成された支柱枠構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トマトや胡瓜等の栽培に際してその栽培棚を形成する際、例えば図13〜14に示すように、所要間隔を置いて地面に立設した支柱aの全体を、該支柱aの軸線と直交する方向に延長する連結棒材bで連結し、更に必要に応じて、所要の支柱aを、下端側部分cが地面dに押し込まれた傾斜棒材eで補強していた。該傾斜棒材eによる支柱aの補強は、該傾斜棒材eが、図13に示すように該支柱aの右側に配置されたり、或いは図14に示すように該支柱aの左側に配置されたりする場合がある。
【0003】
図15は、前記支柱aと前記連結棒材bとを直角の交差状態に重ね合わせて形成された直交する棒材交差部fを従来の一般的なフックバンドg1で保持した状態を示している。又、図16、図17は、前記支柱aと前記傾斜棒材eとを例えば約45度の交差状態に重ねて形成された斜め交差の棒材交差部h1,h2を、例えば特許文献1記載のフックバンドg2,g3で保持した状態を示している。
【0004】
ここで、特許文献1記載のフックバンドg2,g3は、棒材相互を斜めの交差状態に重ね合わせて形成された前記斜め交差の棒材交差部h1,h2を保持できる構成のものである。特許文献1に記載されている従来技術は、図15に示すような、直交する棒材交差部fを保持する一般的な構成を有するフックバンドg1であった。該フックバンドg1は、図15に示すように、第1の棒材jを嵌め入れて該第1の棒材jの裏面部kを支持するU字状屈曲部mの左右両端n1,n2に、第2の棒材pを該第1の棒材jに向けて押圧する左右一対の押圧線状部q1,q2が、所要間隔を隔てて該第1の棒材jの略長さ方向に延長して連設されると共に、該両押圧線状部q1,q2の先端部r1,r2に、該第1の棒材jの裏面部kに押圧状態に当接し得る円弧状係合片s1,s2が該第1の棒材jの長さ方向で位置をずらして逆方向に突設されていた。
【0005】
そして該両押圧線状部q1,q2には、前記第1の棒材jの表面部tに重なる前記第2の棒材pの円弧状表面部分uに沿うように円弧状に屈曲した押圧屈曲部v1,v2が、該押圧線状部q1,q2に左右隣り合わせて設けられており、左右対向する該押圧屈曲部v1,v2に前記第2の棒材pの円弧状表面部分uを嵌め入れると共に、前記両円弧状係合片s1,s2を前記第1の棒材jの裏面部kに押圧状態に当接させることにより、前記第1の棒材jと前記第2の棒材pとが直交の棒材交差部fを保持できるように構成されていた。
【0006】
又、前記斜め交差の棒材交差部h1を保持する前記フックバンドg2,g3は、図16〜17に示すように、前記左右の押圧線状部q1,q2に設けられて前記第2の棒材pの円弧状表面部分uを嵌め入れる押圧屈曲部v1,v2が、該傾斜棒材(第2の棒材p)eに密着するように前記押圧線状部q1,q2の長さ方向で位置をずらして設けられていた。このように位置をずらす際、前記傾斜棒材eの取り付け向きによって該左右の押圧屈曲部v1,v2の位置関係が逆になる。例えば図16に示すフックバンドg2にあっては、一方の押圧線状部q1に設けられている押圧屈曲部v1が、他方の押圧線状部q2に設けられている押圧屈曲部v2よりも前記U字状屈曲部mに近い。一方、図17に示すフックバンドg3にあっては、他方の押圧線状部q2に設けられている押圧屈曲部v2が、前記一方の押圧線状部q1に設けられている押圧屈曲部v1よりも前記U字状屈曲部mに近い。
【0007】
このように従来のフックバンドによるときは、直交の棒材交差部fを保持するためのフックバンドg1(図15)と、斜め交差の棒材交差部h1,h2を保持するための2種類のフックバンド(図16、図17)g2,g3を要した。従来は、このように合計3種類のフックバンドを必要としたため、フックバンドの管理が煩わしく、特に、斜め交差の棒材交差部h1,h2を保持するための2種類のフックバンドg2,g3については、左右の押圧屈曲部v1,v2が位置ずれしているだけであるため、その使用時の向きを見極めるのが難しい問題もあった。又、3種類のフックバンドを用意しなければならないことは、経済的負担が大きくなる問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−65019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、第1の棒材と第2の棒材が直角に交差する場合の直交の棒材交差部の保持と、両棒材が斜めに交差する場合の2種類の斜め交差の棒材交差部の保持を1種類で行うことができて、使用時の取り扱い性に便利であると共に、該3種類の棒材交差部の保持に1種類で対応できるため経済性にも優れる、棒材交差部保持用のフックバンドの提供を課題とするものである。又、該棒材交差部保持用のフックバンドを用いて施工性よく簡易に構成される棒材交差部保持構造の提供を課題とするものであり、更に、該棒材交差部保持用のフックバンドを用いて施工性よく簡易に構成される支柱枠構造物の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る棒材交差部保持用のフックバンド(以下フックバンドという)は、第1の棒材の表面部に第2の棒材を交差状態に重ね合わせて形成される棒材交差部を保持する棒材交差部保持用のフックバンドであって、弾力性を有する金属線材を屈曲して形成されており、前記第1の棒材を嵌め入れて該第1の棒材の裏面部を支持するU字状屈曲部の左右両端に、前記第2の棒材を前記第1の棒材に向けて押圧する左右一対の押圧線状部が、所要間隔を隔てて且つ該第1の棒材の略長さ方向に延長する如く連設されると共に、該両押圧線状部の先端部に、該第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接し得る円弧状係合片が該第1の棒材の長さ方向で位置をずらして逆方向に突設されている。そして前記両押圧線状部には、前記第1の棒材に裏面部で重なる前記第2の棒材の円弧状表面部分に沿うように円弧状に屈曲した2個の押圧屈曲部が前記押圧線状部の長さ方向に隣り合わせて設けられており、該両押圧屈曲部を、前記U字状屈曲部に近い側から第1の押圧屈曲部と第2の押圧屈曲部とした場合、左右対向する押圧屈曲部に前記第2の棒材の前記円弧状表面部分を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片を前記第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第1の棒材と前記第2の棒材が直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部を保持できる一方、何れか一方の押圧線状部の第1の押圧屈曲部と他方の押圧線状部の第2の押圧屈曲部に前記第2の棒材の前記円弧状表面部分を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片を前記第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第2の棒材が前記第1の棒材に対して斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部を保持できることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る棒材交差部保持構造の一態様は、前記フックバンドを用いて構成された棒材交差部保持構造であって、前記第1の棒材と前記第2の棒材が直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部が前記フックバンドを用いて前記のように保持されてなることを特徴とするものである。又、本発明に係る棒材交差部保持構造の他の態様は、前記フックバンドを用いて構成された棒材交差部保持構造であって、前記第1の棒材に対して前記第2の棒材が斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部が前記フックバンドを用いて前記のように保持されてなることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る支柱枠構造物の一態様は、前記フックバンドを用いて構成された支柱枠構造物であって、前記第1の棒材は、下端側部分が土中に押し込まれて立設された支柱であり、又、前記第2の棒材は、前記支柱を立設して形成された支柱列を連結する連結棒材であり、該第1の棒材と該第2の棒材が直角に交差しており、このように直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部が前記フックバンドを用いて前記のように保持されていることを特徴とするものである。又、本発明に係る支柱枠構造物の他の態様は、前記フックバンドを用いて構成された支柱枠構造物であって、前記第1の棒材は、下端側部分が土中に押し込まれて立設された支柱であり、又、前記第2の棒材は、その下端側部分が土中に押し込まれて傾斜状態を呈し、その上端部分が前記支柱に斜め交差の状態で重ね合わせられる傾斜棒材であり、該第1の棒材に対して該第2の棒材が斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部が前記フックバンドを用いて前記のように保持されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るフックバンドは、前記構成を有するため、第1の棒材と第2の棒材が直角に交差する場合の直交の棒材交差部の保持と、該第1の棒材と該第2の棒材が斜めに交差する場合の2種類の斜め交差の棒材交差部の保持を1種類のフックバンドで行うことができ、使用時の取り扱い性に便利である。又、3種類の形態の棒材交差部の保持に1種類のフックバンドで対応できるため、経済性にも優れる。又本発明に係る棒材交差部保持構造及び支柱枠構造物は、該フックバンドを用いて施工性よく簡易に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るフックバンドを用いて構成された植物栽培棚を示す斜視図である。
【図2】その植物栽培棚の他の態様を示す部分斜視図である。
【図3】本発明に係るフックバンドを示す斜視図である。
【図4】その正面図である。
【図5】その背面図である。
【図6】その平面図である。
【図7】その底面図である。
【図8】その左側面図である。
【図9】その右側面図である。
【図10】フックバンドの使用状態の一態様を拡大して示す斜視図である。
【図11】フックバンドの使用状態の他の態様を拡大して示す斜視図である。
【図12】フックバンドの使用状態のその他の態様を拡大して示す斜視図である。
【図13】従来のフックバンドを用いて構成された植物栽培棚を示す斜視図である。
【図14】その植物栽培棚の他の態様を示す部分斜視図である。
【図15】支柱と連結棒材とが直角に交差した棒材交差部を従来の一般的なフックバンドで保持した状態を示す斜視図である。
【図16】支柱と傾斜棒材とが斜めに交差してなる棒材交差部を、従来のフックバンドで保持した状態を示す斜視図である。
【図17】支柱と傾斜棒材とが斜めに交差してなる棒材交差部を従来のフックバンドで保持した他の態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
図1、図2は、例えば家庭菜園でトマトを栽培するための植物栽培棚1a(支柱枠構造物1の一例)を示しており、該植物栽培棚1aは、第1の棒材2の表面部3に第2の棒材5を交差状態に重ね合わせて形成される棒材交差部6を、本発明に係るフックバンド7で保持して構成されている。該植物栽培棚1aが設置される畝9の上面部10には、その長さ方向に50〜70cm程度の間隔で例えばトマトの苗11が移植されると共に、該トマトの苗11を支持する支柱12が、その下端側部分13が該畝9に押し込まれて(土中に押し込まれて)立設されている。
【0016】
このようにして支柱12(前記第1の棒材2)を立設して形成された支柱列15を、横方向に延長される連結棒材16(前記第2の棒材5a)で連結すると共に、各支柱12は、傾斜棒材17(前記第2の棒材5b)で補強されている。横方向に延長される該連結棒材16は、図1〜2、図10に示すように、該支柱12の上端部分19の前記表面部3に、直角の交差状態で重ね合わせられ、これによって形成された直交の棒材交差部6aが、前記フックバンド7で保持される。これにより、直交の棒材交差部保持構造18aが構成される。又、前記傾斜棒材17は、図1〜2、図11〜12に示すように、その下端側部分20が土中に押し込まれた傾斜状態で、その上端部分22が前記支柱12の表面部3に斜めの交差状態で重ね合わせられ、図11、図12に示すように、斜め交差の棒材交差部6bが、前記フックバンド7で保持される。これにより、斜め交差の棒材交差部保持構造18bが構成される。
【0017】
以下、該フックバンド7の構成を具体的に説明する。該フックバンド7は、例えば図10に示すように、垂直に立設された前記支柱(例えば外径が16mmや20mm)12としての前記第1の棒材2の表面部3に、水平方向に延長する前記連結棒材16としての第2の棒材5aを直角の交差状態に重ねて形成した直交の棒材交差部6aを保持できる。又図11〜12に示すように、前記支柱12としての第1の棒材2の表面部3に前記補強用の傾斜棒材(例えば外径が16mmや20mm)17としての第2の棒材5bを斜めの交差状態に重ねて形成した、斜め交差の棒材交差部6bを保持できる。このように該フックバンド7によるときは、3種類の棒材交差部の保持に1種類のフックバンド7で応じられる。
【0018】
該フックバンド7は、例えばステンレス線材等の弾力性を有する金属線材(例えば線材径が2.5mm程度)を屈曲して形成されており、図3〜12に示すように、前記第1の棒材2を嵌め入れて該第1の棒材2の裏面部23を支持するU字状屈曲部25の左右両端26,27に、前記第2の棒材5a,5bを前記第1の棒材2に向けて押圧する左右一対の押圧線状部29,30が、所要間隔を隔てて(例えば30mm程度の間隔を隔てて)該第1の棒材2の略長さ方向に延長して連設されている。そして該両押圧線状部29,30の先端部31,32に、該第1の棒材2の裏面部23に弾性圧接状態に当接し得る円弧状係合片33,35が該第1の棒材2の長さ方向で位置をずらして逆方向に突設されている。
【0019】
前記両押圧線状部29,30には、前記第1の棒材2に裏面部36で重なる第2の棒材5a,5bの円弧状表面部分37に沿うように円弧状に屈曲した2個の押圧屈曲部39,39が、前記押圧線状部29,30の長さ方向で見て隣り合わせて設けられており、該両押圧屈曲部39,40を、前記U字状屈曲部25に近い側から第1の押圧屈曲部39a,39bと第2の押圧屈曲部40a,40bとした場合、左右対向する押圧屈曲部39a,40aに前記第2の棒材5aの円弧状表面部分37を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片33,35を前記第1の棒材2の裏面部23に弾性圧接状態に当接させることにより、例えば図3に示すように、前記第1の棒材2と前記第2の棒材5aとが直角に交差して形成された直交の棒材交差部6aを保持できる。
【0020】
又、図11に示すように、一方の押圧線状部29の第1の押圧屈曲部39aと他方の押圧線状部30の第2の押圧屈曲部40bに前記第2の棒材5bの円弧状表面部分37,37を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片33,35を前記第1の棒材2の裏面部23に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第2の棒材5b(傾斜棒材17)が前記第1の棒材2(支柱12)に対して右下がりであるとき、前記第2の棒材5bが前記第1の棒材2に対して斜めに交差して形成された斜め交差の棒材交差部6bを保持できる。
【0021】
又、図12に示すように、一方の押圧線状部30の第1の押圧屈曲部40aと他方の押圧線状部29の第2の押圧屈曲部39bに前記第2の棒材5bの円弧状表面部分37,37を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片33,35を前記第1の棒材2の裏面部23に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第2の棒材5b(傾斜棒材17)が前記第1の棒材2(支柱12)に対して左下がりであるとき、前記第2の棒材5bが前記第1の棒材2に対して斜めに交差して形成された斜め交差の棒材交差部6bを保持できる。
【0022】
このように本発明に係るフックバンド7によるときは、3種類の交差状態を呈する棒材交差部6a,6b,6bの保持に1種類のフックバンド7で応ずることができ、これによって棒材交差部の保持作業の容易化、能率化を達成できる。又、従来のように3種類のフックバンドを用意する必要がないことから経済性に優れる。
【0023】
該フックバンド7は、前記第1の押圧屈曲部39a,39b、前記第2の押圧屈曲部40a,40bの円弧の大きさによっては、多少の交差角度の変化に対して1種類で応じられる。又、本発明に係るフックバンド7は、斜め交差の棒材交差部6bを保持する際、前記第1の押圧屈曲部39a,39bと前記第2の押圧屈曲部40a,40bの配置関係を所要に設定することにより、例えば、約10度、約15度、約45度等の各種の交差角度の斜め交差の棒材交差部6bの保持に応じ得る。
【0024】
本発明に係るフックバンド7は、第1の棒材2の表面部に第2の棒材5を交差状態に重ね合わせて形成される棒材交差部6を保持するためであるならば、園芸分野だけでなく、垣状構造物やフエンス等の支柱枠構造物を構成するために、その他、建築分野や土木分野等において広く応用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 支柱枠構造物
1a 植物栽培棚
2 第1の棒材
5 第2の棒材
6a 直交の棒材交差部
6b 斜め交差の棒材交差部
7 フックバンド
9 畝
11 トマトの苗
12 支柱
17 傾斜棒材
25 U字状屈曲部
29 押圧線状部
30 押圧線状部
33 円弧状係合片
35 円弧状係合片
37 円弧状表面部分
39 押圧屈曲部
40 押圧屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の棒材の表面部に第2の棒材を交差状態に重ね合わせて形成される棒材交差部を保持する棒材交差部保持用のフックバンドであって、弾力性を有する金属線材を屈曲して形成されており、
前記第1の棒材を嵌め入れて該第1の棒材の裏面部を支持するU字状屈曲部の左右両端に、前記第2の棒材を前記第1の棒材に向けて押圧する左右一対の押圧線状部が、所要間隔を隔てて且つ該第1の棒材の略長さ方向に延長する如く連設されると共に、該両押圧線状部の先端部に、該第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接し得る円弧状係合片が該第1の棒材の長さ方向で位置をずらして逆方向に突設されており、
前記両押圧線状部には、前記第1の棒材に裏面部で重なる前記第2の棒材の円弧状表面部分に沿うように円弧状に屈曲した2個の押圧屈曲部が前記押圧線状部の長さ方向に隣り合わせて設けられており、該両押圧屈曲部を、前記U字状屈曲部に近い側から第1の押圧屈曲部と第2の押圧屈曲部とした場合、左右対向する押圧屈曲部に前記第2の棒材の前記円弧状表面部分を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片を前記第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第1の棒材と前記第2の棒材が直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部を保持できる一方、何れか一方の押圧線状部の第1の押圧屈曲部と他方の押圧線状部の第2の押圧屈曲部に前記第2の棒材の前記円弧状表面部分を嵌め入れると共に前記両円弧状係合片を前記第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接させることにより、前記第2の棒材が前記第1の棒材に対して斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部を保持できることを特徴とする棒材交差部保持用のフックバンド。
【請求項2】
請求項1記載の棒材交差部保持用のフックバンドを用いて構成された棒材交差部保持構造であって、前記第1の棒材と前記第2の棒材が直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部が前記棒材交差部保持用のフックバンドで保持されてなることを特徴とする棒材交差部保持構造。
【請求項3】
請求項1記載の棒材交差部保持用のフックバンドを用いて構成された棒材交差部保持構造であって、前記第1の棒材に対して前記第2の棒材が斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部が前記棒材交差部保持用のフックバンドで保持されてなることを特徴とする棒材交差部保持構造。
【請求項4】
請求項1記載の棒材交差部保持用のフックバンドを用いて構成された支柱枠構造物であって、前記第1の棒材は、下端側部分が土中に押し込まれて立設された支柱であり、又、前記第2の棒材は、前記支柱を立設して形成された支柱列を連結する連結棒材であり、該第1の棒材と該第2の棒材が直角に交差しており、このように直角に交差して形成された直交の前記棒材交差部が前記棒材交差部保持用のフックバンドで保持されていることを特徴とする支柱枠構造物。
【請求項5】
請求項1記載の棒材交差部保持用のフックバンドを用いて構成された支柱枠構造物であって、前記第1の棒材は、下端側部分が土中に押し込まれて立設された支柱であり、又、前記第2の棒材は、その下端側部分が土中に押し込まれて傾斜状態を呈し、その上端部分が前記支柱に斜め交差の状態で重ね合わせられる傾斜棒材であり、該第1の棒材に対して該第2の棒材が斜めに交差して形成された斜め交差の前記棒材交差部が前記棒材交差部保持用のフックバンドで保持されていることを特徴とする支柱枠構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−100893(P2013−100893A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263511(P2011−263511)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】