説明

棒状アンテナの取付け装置

【課題】棒状アンテナを簡単な構造で、支柱に容易に取付け、経時変化が少なく安定した取付け状態を保つことのできる装置を提供する。
【解決手段】棒状アンテナaの周側に平面視コ形に突設した取付け枠3と支柱pの周側に突設した支持盤1およびこれら取付け枠3と支持盤1との間に介在させる取付け金具4を備える。取付け金具4は、水平板4aとその両側に相対して立設した側板4b,4bとで成る。側板4bを水平板4a上に載せて、接続ボルト15で取付け枠3に接続する。前記水平板4aには軸ボルト5を挿通させる軸孔13と調節ボルトを挿通させる調節孔14を設け、調節孔14は前記軸孔13を中心とする円周上に適宜数並べて設けると共に、前記軸孔13に一致させて前記軸ボルト5を挿通させる第一透孔と前記調節孔14の適宜のものに一致させて前記調節ボルト7を挿通させる第二透孔を、前記支持盤1の上部片1bに前記支柱pの径方向に並べて設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸系アンテナなどの棒状アンテナを支柱に取付ける際に用いる、棒状アンテナの取付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの基地局に設けられる同軸系の棒状アンテナを支柱に取付けるには、該棒状アンテナに巻付けたバンド片の、相対する、両端のフランジ部片を、支柱に介在させて相対向させた一対の両端にそれぞれフランジ部片を備えた挟持片の一方のフランジ部片間に介在させ、互いに重なり合う各フランジ部片同士をボルトとこれに螺合するナットによって締付けるようにした構造のものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−85913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来構造のものは、棒状アンテナ側のバンド片と支柱側の挟持片をフランジ部片においてボルトで組付ける構成を採るので、ボルトが緩み、バンド片(アンテナ)側がボルトを横軸にして回動降下し、アンテナの方向が設定当時から変化し、不都合が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、設定(取付け)当時から変化することなく、しかも、棒状アンテナを簡単な構造(部品点数が少ない)で支柱に容易に取付け、確実に支持することのできる装置を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
棒状アンテナの周側に平面視コ形に突設した取付け枠と支柱の周側に突設した支持盤およびこれら取付け枠と支持盤との間に介在させる取付け金具を備え、取付け金具は、水平板とその両側に相対して立設した側板とで成り、側板には前記水平板上に載せて、該側板間に係合した前記取付け枠の側部片に接続する接続ボルトの通し孔を設け、また、前記水平板には軸ボルトを挿通させる軸孔と調節ボルトを挿通させる調節孔を設け、調節孔は前記軸孔を中心とする円周上に適宜数並べて設けると共に、前記軸孔に一致させて前記軸ボルトを挿通させる第一透孔と前記調節孔の適宜のものに一致させて前記調節ボルトを挿通させる第二透孔を、前記支持盤の上部片に前記支柱の径方向に並べて設けた構成とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、棒状アンテナ側に設けた取付け枠と、支柱側に設けた支持基盤を取付け金具を介して互いに組付けることにより、棒状アンテナを支柱に簡単に取付けることができる。しかも、支柱側の取付け枠は、取付け金具に載せられ、かつ、内側に係合して横軸となる接続ボルトで取付け金具に接続された態様となるから、接続ボルトの緩みが生じても、該ボルトを中心にした回転が防止され、従って、設置方向の変化に影響の受け易い棒状アンテナに適用するに好適な装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】平面図。
【図2】主要部材の関係を示す斜視図。
【図3】支柱と棒状アンテナの関係を示す正面図。
【図4】支持盤の斜視図。
【図5】取付け金具の斜視図。
【図6】取付け金具の正面図。
【図7】取付け金具の平面図。
【図8】取付け金具の左側面図。
【図9】図8のA−A線断面図。
【実施例】
【0009】
図面は、本発明に係る棒状アンテナの取付け装置の一実施例を示し、実施例は、支柱pに上下一対の支持盤1をブレード(バンド片)2を用いて取付け、各支持盤1,1に取付け枠3と取付け金具4を用いて棒状アンテナaを取付け、棒状アンテナaを支柱pに上下2個所において支持させるようにしたものである。
【0010】
なお、図示Bは、支持盤1とブレード2で成る、上部側の組付け体に隣接させて配した補強組付け体で、上部側の組付け体の経時変化に伴う支柱pに沿う降下を防止する。
【0011】
本発明は、支柱pの周側面に突設した支持盤1に、棒状アンテナaの周側面に突設した取付け枠3を、取付け金具4を介して取付け、棒状アンテナaを支柱pに上下2個所において支持させるようにしたもの(図示の場合は上側個所には補強組付け体Bを配して支持状態を補強するようにしているが)である。
【0012】
前記支持盤1は、支柱pの周側に合わせた弧状の当接部片1aの上、下両端に上、下部片1b,1cを相対設した、断面ややコ形状の枠体で成り、底辺部側が前記当接部片1aに連続する平面視略等辺三角形状の前記上部片1bに、軸ボルト5の挿通用の第一透孔6と、調節ボルト7挿通用の第二透孔8を、第一透孔6を前記三角形状の頂点部に、第二透孔8を前記底辺部の中央に位置するようにして設けて、すなわち、第一透孔6と第二透孔8を、第二透孔8を支柱p側に配して前記支柱pの径方向に並設して構成したものである。
【0013】
この支持盤1は、支柱p周側に当てがった当接部片1aと、該当接部片1aと同様に支柱p周側面に当てがったブレード2のそれぞれの両端に設けた緊締受部1a´,1a´、2´,2´の相隣接するもの同士に、緊締ボルト9を挿通させてわたし、一方より突出する該ボルト9の先端に緊締ナット9Aを螺合、締付けることにより、一対のブレード2,2を用いて支柱pに組付けられ、その周側に突設される。
【0014】
前記取付け枠3は、金属板を屈曲して、中央部片3aの両側に側部片3b,3bを相対設し、側部片3bの自由端に、棒状アンテナaの周側に沿う弧状の止着部片3cを連設して構成したもので、止着部片3cを棒状アンテナaの周側に重ね合わせて透孔10を通じてねじ11をアンテナaに設けたねじ穴11Aに螺合して取付け、棒状アンテナaの周側に突設したものである。
【0015】
前記取付け金具4は、金属板を折曲して、中央の水平板4aと、その両側に相対して立設した側板4b,4bとで構成する。
【0016】
この取付け金具4の前記水平板4aには、前記軸ボルト5を挿通させる軸孔13と、調節ボルト7を挿通させる調節孔14,…を設け、調節孔14,…は、前記軸孔13を中心とする大、小の円周上に適宜数並べて2段に配して設け、前記側板4bには、前記取付け枠3の側部片3bに設けた、接続ボルト15の通し孔16と一致させる通し孔17を設けたものである。
【0017】
そして、支持盤1側の第一透孔6と取付け金具4側の軸孔13とを一致させて、これらに軸ボルト5を挿通させ、支持盤1側の第一透孔6より突出する軸ボルト5の先端にナット5Aとロックナット5Bを螺合して、支柱pに突設した支持盤1に取付け金具4を組付ける。そして、取付け金具4の水平板4a上に、棒状アンテナaの突設した取付け枠3の中央部片3aを載せ、かつ、側板4b,4b間に取付け枠3を係合して、取付け枠3側の通し孔16と取付け金具4側の通し孔17に接続ボルト15を挿通させ、一方の通し孔16より突出する接続ボルト15の先端にナット15Aとロックナット15Bを螺合することにより、取付け枠3は取付け金具4に組付けられ、棒状アンテナaは支柱pに組付けられる。そして、この状態で、支持盤1を固定側として取付け金具4を軸ボルト5を中心にして回転させて、適宜の調節孔14を第二透孔8に一致させて、棒状アンテナaの方位角を決めて、これら孔14,8に調節ボルト7を挿通させ、調節孔14より突出するボルト7先端に調節ナット7Aおよびロックナット7Bを螺合締付けることにより、棒状アンテナaは支柱pに取付け、支持される。
【0018】
なお、前記の通り、図示の棒状アンテナaは、上、下に本発明に係る装置を配して支柱pに支持させるようにしているが、本発明に係る装置は、図示のように棒状アンテナa(支柱p)の上、下それぞれ用いる必要はなく、上、下いずれの一方側にのみ用いても必ずしも不都合はない。
【0019】
支持盤1、取付け枠3および取付け金具4相互の組付けや、これら各部材と支柱p又は棒状アンテナaとの組付けは、自由な順序で行えば良い。
【0020】
なお、図示20は、取付け枠3の側部片3b,3b間に介在させた補強片で、接続ボルト15と接続ナット15Aの締付けによる側部片3bの変形を防止する。
【符号の説明】
【0021】
1 支持盤
1b 上部片
3 取付け枠
3b 側部片
4 取付け金具
4a 水平板
4b 側板
5 軸ボルト
6 第一透孔
7 調節ボルト
8 第二透孔
13 軸孔
14 調節孔
15 接続ボルト
17 通し孔
a 棒状アンテナ
p 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状アンテナの周側に平面視コ形に突設した取付け枠と支柱の周側に突設した支持盤およびこれら取付け枠と支持盤との間に介在させる取付け金具を備え、取付け金具は、水平板とその両側に相対して立設した側板とで成り、側板には前記水平板上に載せて、該側板間に係合した前記取付け枠の側部片に接続する接続ボルトの通し孔を設け、また、前記水平板には軸ボルトを挿通させる軸孔と調節ボルトを挿通させる調節孔を設け、調節孔は前記軸孔を中心とする円周上に適宜数並べて設けると共に、前記軸孔に一致させて前記軸ボルトを挿通させる第一透孔と前記調節孔の適宜のものに一致させて前記調節ボルトを挿通させる第二透孔を、前記支持盤の上部片に前記支柱の径方向に並べて設けた、棒状アンテナの取付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−34188(P2012−34188A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172025(P2010−172025)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(509036012)株式会社TCM (5)
【出願人】(592157076)イワブチ株式会社 (80)
【Fターム(参考)】