説明

棒状包装品からの包材検査片切出し装置、包材検査片に対する品質測定装置並びに棒状包装品の品質検査システム

【課題】フィルタロッド等の棒状の包装品から包材試験片を機械的に切出すことができる包材試験片切出し装置、包材試験片に対する品質測定装置及び切出し装置を含む品質検査システムを提供する。
【解決手段】品質測定装置及び品質検査システムに使用される包材試験片切出し装置は、フィルタロッド(F)を受取る一対の受取ローラ(38)と、これら受取ローラ(38)上にてフィルタロッド(F)がその軸線回りに回転されるとき、フィルタロッド(F)における包材(W)のラップ部(L)を検出して位置決めするため、フィルタロッド(F)の外周面を撮像するCCDカメラと、フィルタロッド(F)の両側にて包材(F)をそれぞれ切断し、ラップ部(L)を含む包材試験片を切出す一対の回転カッタ(48)と、切出された包材試験片を吸着して取出す取出しヘッド(46)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタシガレットの製造に使用されるフィルタロッドやシガレットロッド等の棒状包装品の品質を検査するに際し、棒状包装品から包材検査片を切出す装置、切出した包材検査片に対する品質測定装置及びこれら装置を含む品質検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタロッドの品質を検査するため、フィルタロッドの1つ以上の物理特性を検査する装置が知られており、この検査装置はその物理特性としてフィルタロッドの長さ、平均直径、楕円性度合、外周、真円度、又は、外形形状を検査する(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特表2006-522928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した公知の検査装置の場合、検査対象の物理特性が何れも外部から視認可能なものであることから、フィルタロッドを撮像して得られるイメージデータに基づいて検査対象の物理特性を検査可能である。
しかしながら、フィルタロッドの品質を考慮するにあたっては、上述の物理特性の他に、フィルタロッドにおける包材のラップ部の剥離強度や、このラップ部を形成する接着剤の塗布幅もまた重要な物理特性である。
【0004】
即ち、上記ラップ部は包材の両側縁が接着剤を介して互いに重ね合わせて形成されるものであるため、ラップ部の剥離強度が低いと、フィルタロッドの製造過程にて包材のラップ部にて所謂パンクが発生し、フィルタロッドの製造自体が不能になる。
一方、接着剤の塗布幅が狭いと、上述のパンクが発生し易くなるばかりでなく、フィルタロッドの通気度にも悪影響を及ぼし、逆に、その塗布幅が広すぎれば、接着剤がラップ部からはみ出てしまい、この後のフィルタシガレットの製造にも悪影響を及ぼす。
【0005】
ラップ部の剥離強度や接着剤の塗布幅はフィルタロッドの外部から視認して検査可能なものではないので、ここでの検査に上述した公知の検査装置を使用することはできない。
このため、ラップ部の剥離強度や接着剤の塗布幅を検査するにあたっては、製造されたフィルタロッドからラップ部を含む包材の一部を包材検査片として切出し、この包材検査片に対して剥離強度や塗布幅の検査を行うことになるが、包材検査片の切出しは手作業にならざるを得ず、これらの検査には多大な労力と時間を要する。
【0006】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、フィルタロッド等の棒状の包装品からラップ部を含んだ包材検査片を機械的に切出し可能とした包材検査片切出し装置、包材検査片に対し、ラップ部の剥離強度や接着剤の塗布幅等の品質データの測定を可能とした品質測定装置、そして、これら装置を含む棒状包装品の品質検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、包材により形成された外周面を含み且つこの外周面に前記包材の両側縁が接着剤を介して互いに重ね合わされて形成されたラップ部を有する棒状の包装品を対象とし、この包装品からラップ部を含む包材検査片を切出す本発明の包材検査片切出し装置は、互いに隣接して並置された一対の回転可能な受取ローラを含み、これら受取ローラ間のニップ部に受取った包装品をその軸線回りに回転させる受取台と、この受取台の近傍に配置されたカメラを含み、受取台上にて包装品が回転中にあるとき、カメラにて包装品の外周面を撮像し、包装品のラップ部を所定の回転角位置に位置付ける位置決め手段と、受取台上にて包装品のラップ部が所定の回転角位置に位置付けられた後、包装品の包材をラップ部が含まれる包材検査片と残片とに切断する切断手段と、受取台に対して接離可能な取出しヘッドを含み、この取出しヘッドに包材検査片を吸着して包装品から取出す取出し手段とを備える(請求項1)。
【0008】
請求項1の包材検査片切出し装置によれば、受取台上に棒状の包装品が載置されたとき、その一対の受取ローラの回転に伴い、包装品はその軸線回りに回転する。この際、位置決め手段のカメラは包装品の外周面を撮像し、この撮像結果に基づき、包装品のラップ部を所定の回転角位置に位置付ける。この後、受取台上の包装品の包材は切断手段により切断され、ラップ部を含んだ包材検査片と残片とに分割される。
【0009】
この後、包材検査片は取出し手段の取出しヘッドに吸着され、この取出しヘッドにより包装品から取出され、これにより、包装品からのラップ部を含む包材検査片の切出しが機械的に実施される。
位置決め手段のカメラは、包装品の自転方向でみて、ラップ部の段差と対向可能に配置されているのが好ましく(請求項2)、このようなカメラ配置によれば、カメラにて撮像したデータ中にはラップ部の段差が含まれることから、位置決め手段はその段差を識別することで、包装品のラップ部の検出、つまり、その位置決めが可能となる。
【0010】
一方、上述の切断手段は、包装品の軸線方向に沿い包装品の両側を回転しながら移動すべく設けられ、包装品の包材をそれぞれ切断する一対の回転カッタと、受取台に対して接離可能に設けられ、包材の切断時、包装品を受取台との間にて挟持する押さえ部材と含むことができる(請求項3)。
請求項3の切断手段によれば、ラップ部は包装品の上部に位置すべく位置決めされ、この位置決めの完了後、押さえ部材は受取台との間にて包装品を挟持する。具体的には、押さえ部材はラップ部を押し付けることで、包装品を受取台との間にて挟持する。この状態で、一対の回転カッタは回転しながら、包装品の軸線方向に沿い包装品の一端から他端に向けて移動し、ラップ部の両側にて包装品の包材をそれぞれ切断し、包材を包材試験片と残片とに分割する。
【0011】
この場合、回転カッタは、受取台に対する高さ位置を調整可能に設けられているのが好ましい(請求項4)。このように回転カッタの高さ位置が調整可能であれば、包装品が前述したフィルタロッドの場合に好適する。
即ち、フィルタロッドはアセテート繊維等からなるフィルタ材を包材により包み込んだものであるが、この種のフィルタロッドはラップ部以外の領域にて、フィルタ材と包材とを相互に接着するレール糊を含んでいる。それ故、フィルタロッドを対象とする場合、回転カッタはレール糊の部位にて包材を切断する可能性があるものの、その高さ位置が調整可能であれば、レール糊を避けて包材の切断が可能となる。
【0012】
更に、取出し手段の取出しヘッドは、上述した切断手段の押さえ部材を兼用しているのが好ましい(請求項5)、この場合、包材の切断から包材試験片の取出しを速やかに実施可能となる。
更にまた、取出し手段は、受取台に対して接離する取出しヘッドの接離経路に設けられ、取出しヘッドに吸着された包材検査片に包装品の残部が付随しているとき、この残部を衝突させて包材検査片から除去する除去壁を更に含むことができる(請求項6)。このような除去壁が取出しヘッドの接離経路に設けられていれば、取出しヘッドの吸着力が包材試験片を介して包装品の残部を吸着するほどに強くても、包材試験片からの包装品の残部の除去が機械的に可能となる。
【0013】
一方、本発明は、上述の包材検査片を対象とする品質測定装置をも提供し、この品質測定装置は、棒状の包装品から切出された包材検査片を受取り、受取った前記包材検査片を移送する移送ブロックと、この移送ブロックから包材検査片を受取り、ラップ部の品質データを測定する測定セクションと備える(請求項7)。
具体的には、測定セクションは、品質データとして、ラップ部の剥離強度を測定する強度測定セクション(請求項8)、又は、ラップ部における接着剤の塗布状態を測定する塗布幅測定セクションである(請求項11)。
【0014】
好ましくは、強度測定セクションは、包材検査片の一端部におけるラップ部の接着剤を加熱溶融し、包材検査片の一端部を互いに分離した一対の摘みに形成する摘み形成手段と、一方の摘みを固定した状態で、他方の摘みを包材検査片の面に対して直交する方向に引上げ、ラップの残部を剥がす引き剥がし手段と、ラップ部の残部が引き剥がされるとき、他方の摘みに加わる引っ張り荷重を剥離強度として測定する荷重計とを含む(請求項9)。
【0015】
上述の強度測定セクションによれば、包材検査片の一端部を互いに分離した一対の摘みに形成することで、包材検査片のラップ部の安定した引き剥がしが可能となり、包材検査片に破れを生じることなく、ラップ部における剥離強度の測定が可能となる。
この場合、強度測定セクションは、ラップ部の残部が剥がされるとき、この残部側の包材検査片の部位を引き出し可能に受け止める検査片受けを更に含んでいるのが好ましく、この検査片受けは、他方の摘みの引上げ速度の1/2の速度で他方の摘みに連動して引上げられる(請求項10)。
【0016】
請求項10の強度測定セクションによれば、ラップ部における剥離強度の測定中、他方の摘みの引上げに伴い、包材検査片は検査片受けから引き出されると同時に、検査片受けもまた他方の摘みに連動し、その引上げ速度の1/2の速度で引上げられる。それ故、ラップ部の引き剥がし点は、一対の摘みを結ぶライン上に常時位置付けられ、ラップ部の引き剥がしは安定して実施される。
【0017】
一方、上述の塗布幅測定セクションは、包材検査片におけるラップ部の接着剤を加熱溶融させ、包材検査片をラップ部の外側部位を有する外側半片と、ラップ部の内側部位を有する内側半片とに分離する分離手段と、分離手段から外側半片を受取り、外側半片の内面に塗布された接着剤を除いて内面を着色する着色手段と、外側半片の着色内面を撮像するカメラを含み、撮像結果に基づいて接着剤の塗布幅を測定する幅測定器とを含むことができる(請求項12)。
【0018】
請求項12の塗布幅測定セクションによれば、外側半片の内面が接着剤を除いて着色された後、幅測定器のカメラにより外側半片の着色内面を撮像しているので、接着剤の境界を際立たせた撮像結果が得られ、この撮像結果に基づき、幅測定器は接着剤の塗布幅を正確に測定可能となる。
更にまた、本発明は棒状包装品の品質検査システムをも提供し(請求項13〜16)、この品質検査システムは、前述の包材試験片切出し装置と、前述の強度測定セクション及び塗布幅測定セクションの少なくとも一方とを含む品質測定装置との組合せから実現される。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜6の包材試験片切出し装置は、棒状の包装品からラップ部を含む包材試験片のみを機械的且つ安定して取出すことができるので、包材試験片の生成に要する労力が大幅に軽減され、また、包材試験片の迅速な提供を可能とする。
そして、請求項7〜12の品質測定装置は、包材試験片に対してラップの剥離強度や、その接着剤の塗布幅の測定を自動的に行うことができ、そして、請求項13〜16の品質検査システムは、包材試験片の準備から、ラップの剥離強度やその接着剤の塗布幅の測定に至る一連のプロセスを連続して実施可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、棒状の包装品としてフィルタシガレットの製造に使用されるフィルタロッドのための品質検査システム全体のレイアウトを示す。
ここで、フィルタロッドは、アセテート繊維等のフィルタ材を包材により棒状に包み込んで得られ、その外周面に包材の両側縁を互いに重ね合わして形成したラップ部を有する。より詳しくは、ラップ部は包材の両側縁を接着する接着剤を含み、この接着剤はラップ部の形成に先立ち、ラップ部の上側となる包材の一側縁内面にその長手方向に沿って塗布され、帯状をなす。
【0021】
先ず、図1を参照しながらフィルタロッドの品質検査の概略を説明する。
ロッド製造機にて製造されたフィルタロッドは、その製造ラインから供給装置2により周期的にサンプリングされ、供給装置2はサンプリングしたフィルタロッドを包材試験片切出し装置4、即ち、その受取台6上に供給する。受取台6の近傍には、カメラを含む位置決め装置8が配置され、この位置決め装置8は受取台6と協働して、フィルタロッドにおけるラップ部の検出及び位置決めをなす。
【0022】
この後、切出し装置4は、フィルタロッドの包材をそのラップ部の両側にて切断し、ラップ部を含む帯状の包材試験片(図8参照)と、その残片とに分割し、そして、包材試験片はフィルタロッドから吸着して取出され、後段の2つ測定セクションの一方に選択的に移送される。この移送過程にて、包材試験片は除去部10を通過し、この除去部10は包材試験片がフィルタシガレットの残部とともに移送されるような状況にあっても、この残部を包材試験片から分離する。それ故、除去部10は測定セクションに向け、包材試験片のみを通過させる。
【0023】
図1中、参照符号12は切出し装置4と2つの測定セクション14,16を接続する移送経路を示しており、この移送経路12は前述の除去部10の下流にて分岐されている。
測定セクション14は、包材試験片におけるラップ部の剥離強度を測定する強度測定セクションであって、この強度測定セクション14は先ず、移送経路12に沿って移送されてきた包材試験片を摘み形成部18にて受取る。この摘み形成部18にて、包材試験片の一端部はそのラップ部の両側にてそれぞれ把持され(チャッキング)、そして、包材試験片の一端部間に位置したラップ部は外部からの加熱を受け、その接着剤が溶融する。それ故、この状態にて、包材試験片の両方の把持部に互いに逆向きに捻りを加えることで、包材試験片の一端部はそのラップ部から引き剥がされ、一端部は包材試験片におけるラップ部の剥離強度を測定するに際し、この測定に好適し且つ互いに分離された一対の摘みとして形成される。
【0024】
この後、一対の摘みを有する包材試験片は剥離強度測定部20に受け渡され、この剥離強度測定部20は一方の摘みを固定した状態で、他方の摘みを包材試験片の面と直交する方向に引上げていくことで、包材試験片における残りのラップ部を引き剥がし、この際、他方の摘みに加わる引っ張り荷重をラップ部の剥離強度として測定する。
上述した剥離強度の測定が完了すると、包材試験片は排除器22により剥離強度測定部20から排除される。
【0025】
一方、前述の測定セクション16は、ラップ部における接着剤の塗布幅を測定する塗布幅測定セクションであって、この塗布幅測定セクション16では先ず、移送経路12に沿って移送されてきた包材試験片を分離部24にて受取る。この分離部24でも、包材試験片はそのラップ部の両側にてそれぞれ把持され(チャッキング)、そして、ラップ部の接着剤が加熱溶融される。それ故、この状態で、包材試験片の把持部が包材試験片の面に沿い互いに逆向きに引っ張られることで、包材試験片のラップ部が引き剥がれ、包材試験片はラップ部の外側を形成する外側半片と、ラップ部の内側を形成する内側半片とに分離される。
【0026】
この後、内側半片は分離部24から排除部26に搬送されることで、この排除部26を通じて排除される。一方、外側半片は分離部24から反転部28を経て着色部30に搬送される。この着色部30にて、外側半片の内面は接着剤を除いて着色され、着色後の外側半片は着色部39から塗布幅測定部32に搬送される。
塗布幅測定部32はカメラを備え、このカメラにより外側半片の内面を撮像して得た撮像データに基づき、接着剤の塗布幅を測定する。塗布幅の測定後、外側半片は排除部34に搬送され、この排除部34を通じて排除される。
【0027】
図1中、1点鎖線で囲まれているように供給装置2から除去部10に至るセクション36は前述した強度測定セクション14及び塗布幅測定セクション16に共通のものであって、フィルタロッドから切出した包材試験片を測定セクション14,16の一方に選択的に供給する。
図2は、図1の品質検査システムが実施する上述の品質検査手順をフローチャートとして示しており、この図2からもフィルタロッドからの包材試験片の切出し手順が測定セクション14又は16での測定手順に共通であることが分かる。
【0028】
なお、図2中、測定セクション14,16での処理手順にそれぞれ含まれる加熱・剥がしのステップは、図1の摘み形成部18及び分離部24にそれぞれ対応するものである。
次に、前述したセクション36,14,16の詳細について順次説明する。
共通セクション
図3は、前述した受取台6を具体的に示す。
【0029】
受取台6は一対の受取ローラ38を備え、これら受取ローラ38は互いに隣接し且つ水平に並置されている。それ故、図3から明らかなように受取台6は一対の受取ローラ38間にて形成される上側のニップ部に、これら受取ローラ38と平行にしてフィルタロッドFを受取ることができる。なお、図3中、フィルタロッドFにおける包材Wのラップ部は参照符号Lで示されている。
【0030】
一対の受取ローラ38は互いに逆向きに回転可能であり、これら受取ローラ38の回転に伴い、受取台6上のフィルタロッドFはその軸線回りに一方向に回転される。
受取台6の近傍には前述した位置決め装置8のCCDカメラ40に加えて、一対の照明ランプ42が配置されている。これら照明ランプ42は受取台6の上方にて受取台6上のフィルタロッドFの両側に位置付けられ、このフィルタロッドFを上方から照明する。
【0031】
受取台6上にてフィルタロッドFが自転するとき、位置決め装置8はCCDカメラ40によりフィルタロッドFの外周面を撮像し、この撮像結果に基づいて包材Wのラップ部Lを検出し、そして、フィルタロッドFの周方向でみてラップ部Lを所定の回転角位置に位置付ける。
CCDカメラ40は、受取台6上にてフィルタロッドFが自転されるとき、そのラップ部Lの段差と対向可能に配置されている。具体的には、CCDカメラ40は、フィルタロッドFの自転中、そのラップ部Lが上方から回転回入する受取ローラ38側に配置され、その光軸はフィルタロッドFの軸線に対し所定の角度を存した状態で、受取台6上のフィルタロッドFの上部に向けられている。
【0032】
それ故、図4から明らかなように、フィルタロッドFの自転中、ラップ部LがフィルタロッドFの上部を通過する際、CCDカメラ40はその撮像視野にラップ部Lの段差が明瞭に入ることから、位置決め装置8はCCDカメラ40からの撮像データに基づき、ラップLを確実に検出でき、そして、この検出タイミングにて、一対の受取ローラ38の回転を停止させることで、ラップ部LをフィルタロッドFの上部に正確に位置決めすることができる。
【0033】
上述したラップ部Lの位置決めが完了すると、前述したようにフィルタロッドFからの包材試験片の切出しが実施されるが、この切出しのため、前述の切出し装置4は図5に示す切断ユニット44を備えている。この切断ユニット44は、フィルタロッドFのための押さえ部材を兼用するブロック形状の取出しヘッド46を含み、この取出しヘッド46は前述の移送経路12に沿って移動し、受取台6、即ち、受取台6上のフィルタロッドFに対して接離することができる。具体的には、取出しヘッド46はフィルタロッドFの上方から下降してフィルタロッドFの上部に当接し、このフィルタロッドFを受取台6との間にて挟持する。フィルタロッドFの安定した挟持を確保するため、取出しヘッド46の下面はフィルタロッドFの直径に応じた円弧面を有し、そして、この円弧面はサクションによる吸着面として形成されている。
【0034】
ここで、前述の説明から明らかなように、取出しヘッド46と受取台6との間にてフィルタロッドFが挟持されたとき、ラップ部Lは取出しヘッド46の吸着面にて押し付けられた状態にある。
更に、切断ユニット44は上述の取出しヘッド46に加えて、一対の回転カッタ48をも含んでいる。これら回転カッタ48は受取台6上のフィルタロッドFの両側にそれぞれ配置され、フィルタロッドFの軸線方向に沿いフィルタロッドFの一端から他端に向けて移動可能である。
【0035】
従って、フィルタロッドFが取出しヘッド46と受取台6との間にて挟持された状態で、一対の回転カッタ48が回転しながら、フィルタロッドFの全長に亘って移動することで、図6から明らかなように、一対の回転カッタ48はフィルタロッドFの包材Wをラップ部Lの両側にてそれぞれ切断し、包材Wを包材試験片とその残片とに分割する。
ここで、一対の回転カッタ48は上下方向にも移動でき、受取台6に対する各回転カッタ48の高さ位置が調整可能となっている。それ故、図6中、フィルタロッドFの一部を拡大して示した部分から明らかなように、一対の回転カッタ48はフィルタロッドFのフィルタ材と包材Wとを接着する一対のレール糊Rを避けて、包材Wの切断を行うことができる。
【0036】
包材Wの切断後、取出しヘッド46は包材試験片を吸着し、図7から明らかなようにフィルタロッドFの残部から上昇して、包材試験片をフィルタロッドFから取出すことができる。このようして取出された包材試験片Tは図8に示されており、図8から明らかなように包材試験片Tはその中央にラップ部Lを有する。
この後、取出しヘッド46は包材試験片Tとともに移送経路12に沿って移動し、この移送過程にて、前述の除去部10を通過する。具体的には、図9に示されるように除去部10は障壁ブロック50によって実現され、この障壁ブロック50は移送経路12の直下に配置されている。取出しヘッド46が包材試験片Tとともに障壁ブロック50を通過する際、障壁ブロック50は包材試験片T及び取出しヘッド46に対して何ら干渉しないが、図9に示されているように取出しヘッド46に包材試験片TとともにフィルタロッドFの残部が吸着されて付随するような状況にあっては、このフィルタロッドFの残部は障壁ブロック50に衝突し、包材試験片Tから除去される。この結果、取出しヘッド46は除去部10を通過することで、包材試験片TのみをフィルタロッドFから取出すことができる。
【0037】
この後、取出しヘッド46が包材試験片Tとともに移送経路12に規定された受渡し位置まで移送されると、この受渡し位置にて、図10から明らかなように取出しヘッド46はブロック状の移送ブロック52と上下方向に互いに対向し、そして、取出しヘッド46及び移送ブロック52はそれぞれ下降及び上昇して互いに重なり合う。
移送ブロック52の上面にはサクションによる吸着面として形成され、それ故、取出しヘッド46及び移送ブロック52が互いに上下に重なり合うことで、移送ブロック52はその吸着面に取出しヘッド46から包材試験片Tを吸着して受取ることができる。ここで、移送ブロック52に吸着された包材試験片Tは少なくとも一端部が移送ブロック52から突出した状態にある。
【0038】
この後、包材試験片Tは移送ブロック52とともに、移送経路12に沿い受渡し位置から前述した強度測定セクション14又は塗布幅測定セクション16に向けて選択的に移送される。なお、取出しヘッド46は受渡し位置から前述した受取台6の上方に規定された待機位置まで戻る。
強度測定セクション
図11は、前述した強度測定セクション14の摘み形成部18を示す。
【0039】
摘み形成部18は開閉可能な一対のチャック54a,54bを含み、これらチャック54a,54bは、強度測定セクション14側の移送経路12の終端に配置されている。詳しくは、移送ブロック52が包材試験片Tとともに摘み形成部18に移送されたとき、一対のチャック54a,54bは包材試験片Tにおける一端部の両側にそれぞれ位置付けられており、この状態から包材試験片Tに向けて移動することで、図11及び図12から明らかなように移送ブロック52と干渉することなく、包材試験片Tにおける一端部の両側縁をそれぞれ受け入れる。この後、図13に示されるように、一対のチャック54a,54bは共に閉じられ、包材試験片Tの一端部をラップ部Lの両側にてそれぞれ把持する。
【0040】
一方、図14及び図15に示されているように、摘み形成部18は移送ブロック52の側方に待機位置に試験片受け56を備えており、この試験片受け56はコ字状の横断面形状を有し、移送ブロック52側の側面及び前後の端面にてそれぞれ開口する。それ故、移送ブロック52上の包材試験片Tが一対のチャック54a,54bに把持された後、試験片受け56は待機位置から移送ブロック52に向けて水平移動し、一方、移送ブロック52は包材試験片Tの吸着を解除して下降し、前述した受渡し位置まで戻る。
【0041】
従って、図16に示されるように試験片受け56は移送ブロック52と干渉することなく、その内部に包材試験片Tを受け入れることができ、そして、試験片受け56内にて受け止められた包材試験片Tは一対のチャック54a,54b側の試験片受け56の開口端から引き出し可能である。
なお、図14及び図15から明らかなように、試験片受け56への包材試験片Tの受け入れを確実になすため、包材試験片Tはその一端部のみならず、少なくとも試験片受け56側の一側縁もまた移送ブロック52から突出されている。この点、図11〜13に示した移送ブロック52は包材試験片Tよりも幅広となっているが、これは作図上の都合による。
【0042】
一方、摘み形成部18は、一対のチャック54a,54bの下方にヒータを内蔵した加熱ピン58を備えており、この加熱ピン58は図12及び図13から明らかなようにチャック54a,54b間に配置されている。
包材試験片Tが一対のチャック54a,54bに把持された後、加熱ピン58は上昇し、図16に示されるように包材試験片Tの一端部にて、そのラップ部Lに下側から接触する。それ故、ラップ部Lの接着剤は加熱ピン58からの熱を受けて溶融する。この後、加熱ピン58は元の位置まで下降する。
【0043】
ここで、一対のチャック54a,54bはその軸線回りに回動可能であり、それ故、上述したようにラップ部Lの接着剤が部分的に加熱溶融された後、図17に示されるように互いに逆向きに90°だけ回動されることで、包材試験片Tにおける一端部でのラップ部Lが引き剥がされ、この結果、包材試験片Tの一端部は一対の摘み60a,60bとして形成される。
【0044】
この場合、図17から明らかなように、チャック54aは摘み60aを上方に向けるべく回動し、これに対し、チャック54bは摘み60bを下方に向けるべく回動する。
図17は前述した剥離強度測定部20をも併せて示している。
剥離強度測定部20は、チャック54aの上方に配置された開閉可能な可動チャック62を備え、この可動チャック62は荷重計としてのロードセル64を介してチャックサポート66に取付けられており、このチャックサポート66は単軸ロボット68に接続されている。この単軸ロボット68はチャックサポート66を介して可動チャック62を昇降させることができる。
【0045】
一方、単軸ロボット68は、前述した試験片受け56に減速機構70を介して接続され、この減速機構70は単軸ロボット68が可動チャック62を引上げるとき、この引上げ速度の1/2の速度にて、可動チャック62に連動して試験片受け56を引上げ可能となっている。
上述の剥離強度測定部20によれば、包材試験片Tの一端部が一対の摘み60a,60bに形成された後、可動チャック62はチャック54aに向けて下降し、その閉作動により摘み60aを把持する。この後、チャック54aは開かれて元の位置まで後退し、そして、その回動姿勢もまた元に戻される。
【0046】
従って、図18に示されるように摘み60aの把持はチャック54aから可動チャック62に切換えられ、これに対し、摘み60bはチャック54bに把持されたままの状態に維持される。
この状態から、チャック54bを固定側のチャックとして可動チャック62が上方に引上げられると、摘み60aが摘み60bに対して上昇することから、包材試験片Tは一対の摘み60a,60bを起点とし、ラップ部Lから円滑に引き剥がされていく。それ故、この際、可動チャック62に加わる引っ張り荷重がロードセル64により測定され、測定れた引っ張り荷重はラップ部Lの剥離強度を示す。
【0047】
摘み60aの引上げ時、前述したように試験片受け56もまた可動チャック62、即ち、摘み60aの引上げ速度の1/2の速度で引上げられるので、ラップ部Lの引き剥がしが進行するにつれ、包材試験片Tは試験片受け56から引き出される。この結果、剥離強度の測定中、ラップ部Lの引き剥がし点は一対の摘み60a,60b間を結ぶライン上に常時維持されるので、剥離強度の測定は正確且つ安定して実施される。なお、剥離強度の測定は、包材試験片Tが2枚の半片に完全に分離される前の段階で終了する。
【0048】
また、図18には前述した排除器22の一部をもまた示されており、この排除器22は、サクションノズル72を含み、このサクションノズル72は可動チャック62の上昇位置の近傍に配置されている。剥離強度の測定が終了後、サクションノズル72による包材試験片Tの吸引が開始され、この直後に、チャック62,54bによる摘み60a,60bの把持が解除されることで、測定済みの包材試験片Tはサクションノズル72内に吸引され、そして、図示しない回収ボックスまで風送される。
【0049】
この後、チャック54b、可動チャック62及び試験片受け56は元の位置まで復帰する。
塗布幅測定セクション
図19は、前述した分離部24を具体的に示す。
分離部24もまた一対のチャック74a,74bを含み、これらチャック74は塗布幅測定セクション16側での移送経路12の終端に配置されている。前述した移送ブロック52が包材試験片Tとともに分離部24に移送されたとき、一対のチャック74a,74bは移送ブロック52の両側の待機位置にそれぞれ位置付けられている。
【0050】
この状態から、図19(a)に示されるように一対のチャック74a,74bは移送ブロック52に向けて移動して包材試験片Tの両側縁をそれぞれ受け入れ、そして、その閉作動により包材試験片Tの対応する側の側縁を把持する。この後、移送ブロック52は包材試験片Tの吸着を解除した後に下降し、分離部24から前述した受渡し位置まで戻る。
この後、一対のチャック74a,74bは図19(b)に示す分離位置まで包材試験片Tとともに搬送される。分離位置の下方にはヒートブロック76が昇降可能に配置されており、このヒートブロック76はその上昇により包材試験片Tのラップ部Lに下方から接触し、このラップ部Lの接着剤を加熱して溶融させる。
【0051】
この後、一対のチャック74a,74bは互いに離間する方向に移動することで、包材試験片Tを2枚の半片に分離し、これら半片をそれぞれ把持する。なお、ヒートブロック76はラップ部Lの加熱が完了後、元の下降位置に復帰する。
より詳しくは、図20から明らかなように、チャック74aはラップ部Lの外側部分を形成する外側半片Haを把持し、これに対し、チャック74bはラップ部Lの内側部分を形成する内側半片Hbを把持する。
【0052】
この後、チャック74bは内側半片Hbを伴い前述した排除部26まで搬送され、この排除部26にて、チャック74bから内側半片Hbが排除される。具体的には、排除部26は前述したサクションノズル72と同様なサクションノズルを含み、このサクションノズルを通じて内側半片Hbの吸引排除を実施する。
一方、チャック74aは外側半片Haを伴い、前述した反転部28まで搬送される。この反転部28にて、図22の(a),(b)の対比から明らかなように、チャック74aは180°回転し、外側半片Haを反転させて搬送ブロック78上に載置する。搬送ブロック78もまた前述の移送ブロック52と同様に、その上面が吸着面に形成されており、それ故、外側半片Haはその外面にて搬送ブロック78に吸着され、接着剤の塗布を受けた内面が上向きにされた状態となる。
【0053】
この後、搬送ブロック78は外側半片Haとともに搬送経路に沿って搬送され、前述した着色部30を通過する。図23に示されるように着色部30は、搬送経路に対して昇降可能な着色ローラ80を備え、この着色ローラ80には所望の着色液が含浸されている。外側半片Haが搬送ブロック78とともに通過する際、着色ローラ80は下降して外側半片Haに転接し、外側半片Haの内面を着色液にて着色する。ここで、着色液は、外側半片Haの内面に塗布されている接着剤により弾かれる性質を有し、これにより、接着剤を除き、外側半片Hの内面全面を着色する。
【0054】
この後、着色済みの外側半片Haは搬送ブロック78とともに、前述の塗布幅測定部32を通過し、この際、塗布幅測定部32は外側半片Haにおける接着剤の塗布幅を測定する。
具体的には、図24に示されるように塗布幅測定部32は、搬送経路の上方に配置されたCCDカメラ82及び照明ランプ84を備え、CCDカメラ82はその直下を通過する着色済みの外側半片Haを撮像し、この撮像結果から接着剤の塗布幅を測定する。
【0055】
より詳しくは、塗布幅測定部32では、CCDカメラ82からの撮像データに基づき、図25に示されるように、ラップ部Lの段差を形成する外側半片Haの一側縁から接着剤Nの一側縁までの幅aと、外側半片Haの一側縁から接着剤Nの他側縁までの幅bとを測定し、そして、これらの幅a,bから接着剤Nの幅c(=b−a)を演算により求める。
ここで、外側半片Haの内面には接着剤Nを除いて着色されているから、接着剤Nの境界、即ち、その両側縁を容易に識別することができ、接着剤Nの幅cを正確に測定することができる。
【0056】
この後、外側半片Haは前述の排除部34にて、搬送ブロック78から排除され、そして、搬送ブロック78は図22に示した元の位置に戻る。
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく、前述した各セクションの具体的な構成は種々に変形可能である。
また、本発明の品質検査対象は上述のプレーンタイプのフィルタロッドFに限らず、デュアルタイプのフィルタロッドにも対しても、本発明を同様に適用可能である。ここで、デュアルタイプのフィルタロッドは、プレーンタイプのフィルタロッドを切断して得られたプレーンプラグとチャコールフィルタロッドを切断して得られたチャコールプラグとを同一の軸線上にて交互に並べ、そして、これらプラグを包材により包み込んだものであり、チャコールフィルタロッドはそのフィルタ材に活性炭の粒子が分布されている点のみで、プレーンフィルタロッドとは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】一実施例の品質検査システムのレイアウトを示す概略図である。
【図2】図1のシステムが実施する品質検査の手順を示したフローチャートである。
【図3】図1の切出し装置及び位置決め装置をより具体的に示した斜視図である。
【図4】フィルタロッドにおける包材のラップ部の検出原理を説明するための図である。
【図5】フィルタロッドからの包材試験片の切出しを説明するための切出し装置の斜視図である。
【図6】図5の切出し装置の横断面図である。
【図7】図6の状態からフィルタロッドから包材試験片が取出しヘッドにより取り出された状態を示す図である。
【図8】取出しヘッドにより取り出された包材試験片を示す平面図である。
【図9】除去部の障壁ブロックを示した斜視図である。
【図10】取出しヘッドから移送ブロックへの包材試験片の受渡しを説明するための図である。
【図11】摘み形成部の一部を構成する一対のチャックを示した平面図である。
【図12】図11の一対のチャックの側面図である。
【図13】図12のチャックがそれぞれ閉じた状態を示す図である。
【図14】摘み形成部の試験片受けと移送ブロックとの関係を示した側面図である。
【図15】試験片受けと移送ブロックとの関係を示した平面図である。
【図16】試験片受けに包材試験片が受け止められた状態を示す図である。
【図17】剥離強度測定部を示した斜視図である。
【図18】測定中の剥離強度測定部を示した正面図である。
【図19】分離部を示し、(a)は移送ブロックと一対のチャックとの関係を示す図、(b)は一対のチャックとヒートブロックとの関係を示す図である。
【図20】図19(b)の分離部を示す斜視図である。
【図21】内側半片の排除を説明するための図である。
【図22】外側半片の反転を説明するための図であり、(a)は反転前の状態、(b)は反転後の状態をそれぞれ示す。
【図23】着色部を示した概略斜視図である。
【図24】塗布幅測定部の概略正面図である。
【図25】外側半片の内面を示した図である。
【符号の説明】
【0058】
6 受取台
8 位置決め装置
12 移送経路
14 強度測定セクション
16 塗布幅測定セクション
18 摘み形成部(摘み形成手段)
20 剥離強度測定部(引き剥がし手段)
24 分離部(分離手段)
30 着色部(着色手段)
32 塗布幅測定部(幅測定器)
40 CCDカメラ
46 取出しヘッド(押さえ部材)
48 回転カッタ(切断手段)
50 障壁ブロック(除去壁)
52 移送ブロック
56 試験片受け
64 ロードセル(荷重計)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材により形成された外周面を含み且つこの外周面に前記包材の両側縁が接着剤を介して互いに重ね合わされて形成されたラップ部を有する棒状の包装品から、前記ラップ部を含む包材検査片を切出す装置であって、
互いに隣接して並置された一対の回転可能な受取ローラを含み、これら受取ローラ間のニップ部に受取った前記包装品をその軸線回りに回転させる受取台と、
前記受取台の近傍に配置されたカメラを含み、前記受取台上にて前記包装品が回転中にあるとき、前記カメラにて前記包装品の外周面を撮像し、この撮像結果に基づいて前記包装品のラップ部を所定の回転角位置に位置付ける位置決め手段と、
前記受取台上にて前記包装品のラップ部が所定の回転角位置に位置付けられた後、前記包装品の包材を前記ラップ部が含まれる包材検査片と残片とに切断する切断手段と、
前記受取台に対して接離可能な取出しヘッドを含み、この取出しヘッドに前記包材検査片を吸着して前記包装品から取出す取出し手段と
を具備したことを特徴とする包材検査片切出し装置。
【請求項2】
前記位置決め手段の前記カメラは、前記包装品の自転方向でみて、前記ラップ部の段差と対向可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の包材検査片切出し装置。
【請求項3】
前記切断手段は、
前記包装品の軸線方向に沿い前記包装品の両側を回転しながら移動すべく設けられ、前記包装品の包材をそれぞれ切断する一対の回転カッタと、
前記受取台に対して接離可能に設けられ、前記包材の切断時、前記包装品を前記受取台との間にて挟持する押さえ部材と
を含む請求項1又は2に記載の包材検査片切出し装置。
【請求項4】
前記回転カッタは、前記受取台に対する高さ位置を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の包材検査片切出し装置。
【請求項5】
前記取出しヘッドは、前記切断手段の前記押さえ部材を兼用することを特徴とする請求項3又は4に記載の包材検査片切出し装置。
【請求項6】
前記取出し手段は、前記受取台に対して接離する前記取出しヘッドの接離経路に設けられ、前記取出しヘッドに吸着された前記包材検査片に前記包装品の残部が付随しているとき、この残部を衝突させて前記包材検査片から除去する除去壁を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の包材検査片切出し装置。
【請求項7】
請求項1に記載の棒状の包装品から切出されたラップ部を含む包材検査片を受取り、受取った前記包材検査片を移送する移送ブロックと、
前記移送ブロックから前記包材検査片を受取り、前記ラップ部の品質データを測定する測定セクションと
を具備したことを特徴とする包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項8】
前記測定セクションは、前記品質データとして前記ラップ部の剥離強度を測定する強度測定セクションであることを特徴とする請求項7に記載の包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項9】
前記強度測定セクションは、
前記包材検査片の一端部における前記ラップ部の前記接着剤を加熱溶融し、前記包材検査片の一端部を互いに分離した一対の摘みに形成する摘み形成手段と、
前記一方の摘みを固定した状態で、他方の摘みを前記包材検査片の面に対して直交する方向に引上げ、前記ラップの残部を剥がす引き剥がし手段と、
前記ラップ部の残部が引き剥がされるとき、前記他方の摘みに加わる引っ張り荷重を剥離強度として測定する荷重計と
を含むことを特徴とする請求項8に記載の包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項10】
前記強度測定セクションは、前記ラップ部の残部が剥がされるとき、この残部側の前記包材検査片の部位を引き出し可能に受け止める検査片受けを更に含み、
前記検査片受けは、前記他方の摘みの引上げ速度の1/2の速度で前記他方の摘みに連動して引上げられることを特徴とする請求項9に記載の包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項11】
前記測定セクションは、前記ラップ部の品質データとして前記ラップ部における前記接着剤の塗布状態を測定する塗布幅測定セクションであることを特徴とする請求項7に記載の包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項12】
前記塗布幅測定セクションは、
前記包材検査片における前記ラップ部の接着剤を加熱溶融させ、前記包材検査片を前記ラップ部の外側部位を有する外側半片と、前記ラップ部の内側部位を有する内側半片とに分離する分離手段と、
前記分離手段から前記外側半片を受取り、前記外側半片の内面に塗布された前記接着剤を除いて前記内面を着色する着色手段と、
前記外側半片の着色内面を撮像するカメラを含み、撮像結果に基づいて前記接着剤の塗布幅を測定する幅測定器と
を含むことを特徴とする請求項11に記載の包材検査片に対する品質測定装置。
【請求項13】
請求項1〜6の何れかに記載の包材検査片切出し装置と、
前記包材検査片切出し装置の前記受取台に前記棒状の包装品を供給する供給装置と、
前記請求項7に記載の品質測定装置と
を具備した棒状包装品の品質検査システム。
【請求項14】
前記品質測定装置はその測定セクションとして、請求項8〜10の何れかに記載の強度測定セクションを含む請求項13に記載の棒状包装品の品質検査システム。
【請求項15】
前記品質測定装置はその測定セクションとして、請求項11又は12に記載の塗布幅測定セクションを含む請求項13に記載の棒状包装品の品質検査システム。
【請求項16】
請求項1〜6の何れかに記載の包材検査片切出し装置と、
前記包材検査片切出し装置の前記受取台に前記棒状の包装品を供給する供給装置と、
前記包材検査片切出し装置の前記取出しヘッドから前記包材検査片を受取る移送ブロックと、
前記移送ブロックから前記包材検査片を受取ったとき、前記ラップ部の剥離強度を測定する請求項9又は10に記載の強度測定セクションと、
前記移送ブロックから前記包材検査片を受取ったとき、前記ラップ部における前記接着剤の塗布状態を測定する請求項11又は12に記載の塗布幅測定セクションと、
前記移送ブロックを前記強度測定セクション及び前記塗布幅測定セクションの一方に選択して移送する移送経路と
を具備したことを特徴とする棒状包装品の品質検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−55828(P2009−55828A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225452(P2007−225452)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】