棒状部品の整列搬送装置および検査装置
【課題】ねじ・ピン等の棒状部品を確実に直立させて搬送するとともに、搬送中の棒状部品を撮像する部品検査において正確な良否判定を実現する検査装置を提供する。
【解決手段】ねじの端面を搬送面に吸着して搬送する回転テーブルと、回転テーブル上のねじの頭部を吸着して当該ねじを直立姿勢に矯正する矯正手段12とを備える整列搬送装置および検査装置1による。これら装置によると、ねじを確実に直立姿勢で搬送するができるとともに、搬送中のねじを撮像してこの撮像画像に基づく部品検査においても良否判定が正確になる。
【解決手段】ねじの端面を搬送面に吸着して搬送する回転テーブルと、回転テーブル上のねじの頭部を吸着して当該ねじを直立姿勢に矯正する矯正手段12とを備える整列搬送装置および検査装置1による。これら装置によると、ねじを確実に直立姿勢で搬送するができるとともに、搬送中のねじを撮像してこの撮像画像に基づく部品検査においても良否判定が正確になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状部品を直立姿勢で搬送する整列搬送装置および直立姿勢で搬送中の棒状部品を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、棒状部品の一例のねじを回転テーブルへ順次供給し、これを整列移送しながら、その外観を検査する装置としては、特許文献1(特開2002−119926号公報)あるいは特許文献2(2010−83628号公報)に示す部品検査装置がある。
【0003】
特許文献1に示す部品検査装置は、回転テーブルの円周に磁石が埋設されており、順次供給されるねじの頭部を回転テーブルの下面で磁気吸着するように構成されている。そして、回転テーブルの回転に伴って脚部を垂下させた状態で整列搬送されるねじをカメラで撮像し、撮像画像に基づいてねじの外観を検査するように構成されている。
【0004】
特許文献2に示す部品検査装置は、回転テーブルの外周に磁石が埋設されており、順次供給されるねじの脚部端面を回転テーブルの外周面で磁気吸着するように構成されている。そして、回転テーブルの回転に伴って回転テーブルの外周面に対して直立姿勢で整列搬送されるねじをカメラで撮像し、撮像画像に基づいてねじの外観を検査するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−119926号公報
【特許文献2】特開2010−83628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記部品検査装置によるねじの搬送構造では、ねじ端面の表面荒さあるいは加工精度の違いから、ねじが回転テーブル上で直立姿勢にならず傾いてしまうことがあった。そのため、全てのねじを一定の直立姿勢で搬送することができなかった。ひいては、搬送中のねじを撮像する検査においては良否判定を正確に行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の棒状部品の整列搬送装置は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段とを備える。
【0008】
本発明の棒状部品の検査装置は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、直立姿勢に矯正された前記搬送手段上の棒状部品を検査する検査手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送面に端面を吸着して直立姿勢で搬送中の棒状部品に対して、その他端面を吸着して直立姿勢に矯正するので、搬送手段上の全ての棒状部品が確実に直立姿勢で搬送される。ひいては、搬送中の棒状部品を撮像して検査する場合においても、全ての棒状部品が確実に直立姿勢となり、正確な検査を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る部品検査装置の構成斜視図である。
【図2】本発明に係る部品検査装置の正面視要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は棒状部品の検査装置(以下、部品検査装置という)であり、棒状部品の一例であるねじの寸法を検査するものである。
【0012】
前記部品検査装置1は、多数のねじを貯留してバイブレータ(図示せず)の振動により当該ねじを順次供給するボウルフィーダ(図示せず)と、このボウルフィーダから順次供給されるねじの頭部を吊下して整列供給する搬送レール2と、この搬送レール2から供給されるねじを直立姿勢で保持するとともに、駆動源の駆動により回転する回転テーブル3と、この回転テーブル3上のねじを撮像する撮像手段の一例であるCCDカメラ4a,4bとから構成されている。
【0013】
前記回転テーブル3は、駆動源の一例であるダイレクトドライブモータ5の駆動により円周方向(図1の矢印Y1方向)に回転するように構成されている。このダイレクトドライブモータ5は与えられたパルス数に応じて回転角度が決定されるものであり、このパルス数を監視することにより当該ダイレクトドライブモータ5の回転角度を検知することが可能である。
【0014】
回転テーブル3には、図1および図2に示すように、ゴム製のマグネット6が円周に沿って埋設されており、ねじの脚部の下端面を磁気吸着して直立姿勢で支持する。そして、回転テーブル3上のねじは、回転テーブル3の回転に伴って整列搬送される。
【0015】
前記搬送レール2の先端には、図1及び図2に示すように、ガイドレール7が連接されている。このガイドレール7は、回転テーブル3の回転を阻害しないよう、回転テーブル3の上面に対して所定の隙間を設けて配置されている。また、このガイドレール7は、搬送レール2から供給されるねじが倒れないよう、脚部周面を案内しながら、回転テーブル3へ供給するように構成されている。ガイドレール7上では、ねじは、その脚部の下端面が回転テーブル3の上面に磁気吸着しており、回転テーブル3の回転に伴ってガイドレール7を通過する。
【0016】
前記CCDカメラ4aは、ねじの脚部を撮像してその寸法を検査するためのものであり、図1に示すように、回転テーブル3上のねじを横方向から撮像する位置に配置されている。
【0017】
一方、前記CCDカメラ4bは、ねじの頭部を撮像してその寸法を検査するためのものであり、CCDカメラ4aによる撮像後のねじを上方から撮像する位置に配置されている。そして、これら撮像画像に基づいて判定ユニット(図示せず)によりねじの良否が判定される。
【0018】
判定ユニットは、ねじの脚部側面画像および頭部平面画像を解析し、これにより得られたねじ各部の寸法データを予め設定しておいた基準寸法データと比較し、そのねじSが良品であるか不良品であるかを判定するように構成されている。
【0019】
前記判定ユニットにより不良品または良品に判定されたねじは、不良品排出羽根車8あるいは良品排出羽根車9によりはじき出され、それぞれ不良品排出口10あるいは良品排出口11へ振り分けられる。
【0020】
また、回転テーブル3の上方には、矯正手段12が配置されている。この矯正手段12は、マグネット13を内蔵しており、回転テーブル3上のねじの上端面(頭部)を磁気吸着するように構成されている。
【0021】
本発明の部品検査装置1においては、ねじが矯正手段12の下方を通過すると、ねじの上端面がマグネット13によって磁気吸着されるので、確実に直立姿勢となる。ただし、矯正手段12は、ねじの上端面から所定の間隔をあけて配置されている。そのため、ねじの上端面が受ける磁気吸着力は、下端面が受ける磁気吸着力よりも小さくなる。したがって、矯正手段12の下方を通過するねじが、マグネット13に引き寄せられて回転テーブル3から浮き上がる虞はない。
【0022】
本発明の部品検査装置1によれば、ねじの端面の加工精度の違いから、概ね直立姿勢で搬送されているねじは、搬送途中、そのの上端面が矯正手段12で磁気吸着されることにより、確実に直立姿勢となる。そして、確実に直立姿勢に矯正されたねじの側面撮像画像に基づいて検査するので、正確な良否判定を実現することができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、マグネット6,13による磁気吸着式の例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、エアによる吸引式であってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 部品検査装置
2 搬送レール
3 回転テーブル
4a,4b CCDカメラ
5 ダイレクトドライブモータ
6 マグネット
7 ガイドレール
8 不良品排出羽根車
9 良品排出羽根車
10 不良品排出口
11 良品排出口
12 矯正手段
13 マグネット
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状部品を直立姿勢で搬送する整列搬送装置および直立姿勢で搬送中の棒状部品を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、棒状部品の一例のねじを回転テーブルへ順次供給し、これを整列移送しながら、その外観を検査する装置としては、特許文献1(特開2002−119926号公報)あるいは特許文献2(2010−83628号公報)に示す部品検査装置がある。
【0003】
特許文献1に示す部品検査装置は、回転テーブルの円周に磁石が埋設されており、順次供給されるねじの頭部を回転テーブルの下面で磁気吸着するように構成されている。そして、回転テーブルの回転に伴って脚部を垂下させた状態で整列搬送されるねじをカメラで撮像し、撮像画像に基づいてねじの外観を検査するように構成されている。
【0004】
特許文献2に示す部品検査装置は、回転テーブルの外周に磁石が埋設されており、順次供給されるねじの脚部端面を回転テーブルの外周面で磁気吸着するように構成されている。そして、回転テーブルの回転に伴って回転テーブルの外周面に対して直立姿勢で整列搬送されるねじをカメラで撮像し、撮像画像に基づいてねじの外観を検査するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−119926号公報
【特許文献2】特開2010−83628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記部品検査装置によるねじの搬送構造では、ねじ端面の表面荒さあるいは加工精度の違いから、ねじが回転テーブル上で直立姿勢にならず傾いてしまうことがあった。そのため、全てのねじを一定の直立姿勢で搬送することができなかった。ひいては、搬送中のねじを撮像する検査においては良否判定を正確に行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の棒状部品の整列搬送装置は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段とを備える。
【0008】
本発明の棒状部品の検査装置は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、直立姿勢に矯正された前記搬送手段上の棒状部品を検査する検査手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送面に端面を吸着して直立姿勢で搬送中の棒状部品に対して、その他端面を吸着して直立姿勢に矯正するので、搬送手段上の全ての棒状部品が確実に直立姿勢で搬送される。ひいては、搬送中の棒状部品を撮像して検査する場合においても、全ての棒状部品が確実に直立姿勢となり、正確な検査を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る部品検査装置の構成斜視図である。
【図2】本発明に係る部品検査装置の正面視要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は棒状部品の検査装置(以下、部品検査装置という)であり、棒状部品の一例であるねじの寸法を検査するものである。
【0012】
前記部品検査装置1は、多数のねじを貯留してバイブレータ(図示せず)の振動により当該ねじを順次供給するボウルフィーダ(図示せず)と、このボウルフィーダから順次供給されるねじの頭部を吊下して整列供給する搬送レール2と、この搬送レール2から供給されるねじを直立姿勢で保持するとともに、駆動源の駆動により回転する回転テーブル3と、この回転テーブル3上のねじを撮像する撮像手段の一例であるCCDカメラ4a,4bとから構成されている。
【0013】
前記回転テーブル3は、駆動源の一例であるダイレクトドライブモータ5の駆動により円周方向(図1の矢印Y1方向)に回転するように構成されている。このダイレクトドライブモータ5は与えられたパルス数に応じて回転角度が決定されるものであり、このパルス数を監視することにより当該ダイレクトドライブモータ5の回転角度を検知することが可能である。
【0014】
回転テーブル3には、図1および図2に示すように、ゴム製のマグネット6が円周に沿って埋設されており、ねじの脚部の下端面を磁気吸着して直立姿勢で支持する。そして、回転テーブル3上のねじは、回転テーブル3の回転に伴って整列搬送される。
【0015】
前記搬送レール2の先端には、図1及び図2に示すように、ガイドレール7が連接されている。このガイドレール7は、回転テーブル3の回転を阻害しないよう、回転テーブル3の上面に対して所定の隙間を設けて配置されている。また、このガイドレール7は、搬送レール2から供給されるねじが倒れないよう、脚部周面を案内しながら、回転テーブル3へ供給するように構成されている。ガイドレール7上では、ねじは、その脚部の下端面が回転テーブル3の上面に磁気吸着しており、回転テーブル3の回転に伴ってガイドレール7を通過する。
【0016】
前記CCDカメラ4aは、ねじの脚部を撮像してその寸法を検査するためのものであり、図1に示すように、回転テーブル3上のねじを横方向から撮像する位置に配置されている。
【0017】
一方、前記CCDカメラ4bは、ねじの頭部を撮像してその寸法を検査するためのものであり、CCDカメラ4aによる撮像後のねじを上方から撮像する位置に配置されている。そして、これら撮像画像に基づいて判定ユニット(図示せず)によりねじの良否が判定される。
【0018】
判定ユニットは、ねじの脚部側面画像および頭部平面画像を解析し、これにより得られたねじ各部の寸法データを予め設定しておいた基準寸法データと比較し、そのねじSが良品であるか不良品であるかを判定するように構成されている。
【0019】
前記判定ユニットにより不良品または良品に判定されたねじは、不良品排出羽根車8あるいは良品排出羽根車9によりはじき出され、それぞれ不良品排出口10あるいは良品排出口11へ振り分けられる。
【0020】
また、回転テーブル3の上方には、矯正手段12が配置されている。この矯正手段12は、マグネット13を内蔵しており、回転テーブル3上のねじの上端面(頭部)を磁気吸着するように構成されている。
【0021】
本発明の部品検査装置1においては、ねじが矯正手段12の下方を通過すると、ねじの上端面がマグネット13によって磁気吸着されるので、確実に直立姿勢となる。ただし、矯正手段12は、ねじの上端面から所定の間隔をあけて配置されている。そのため、ねじの上端面が受ける磁気吸着力は、下端面が受ける磁気吸着力よりも小さくなる。したがって、矯正手段12の下方を通過するねじが、マグネット13に引き寄せられて回転テーブル3から浮き上がる虞はない。
【0022】
本発明の部品検査装置1によれば、ねじの端面の加工精度の違いから、概ね直立姿勢で搬送されているねじは、搬送途中、そのの上端面が矯正手段12で磁気吸着されることにより、確実に直立姿勢となる。そして、確実に直立姿勢に矯正されたねじの側面撮像画像に基づいて検査するので、正確な良否判定を実現することができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、マグネット6,13による磁気吸着式の例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、エアによる吸引式であってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 部品検査装置
2 搬送レール
3 回転テーブル
4a,4b CCDカメラ
5 ダイレクトドライブモータ
6 マグネット
7 ガイドレール
8 不良品排出羽根車
9 良品排出羽根車
10 不良品排出口
11 良品排出口
12 矯正手段
13 マグネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、
を備えることを特徴とする棒状部品の整列搬送装置。
【請求項2】
棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、
直立姿勢に矯正された前記搬送手段上の棒状部品を検査する検査手段と、
を備えることを特徴とする棒状部品の検査装置。
【請求項1】
棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、
を備えることを特徴とする棒状部品の整列搬送装置。
【請求項2】
棒状部品の端面を搬送面に吸着して当該棒状部品を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上の棒状部品の他端面を吸着して当該棒状部品を直立姿勢に矯正する矯正手段と、
直立姿勢に矯正された前記搬送手段上の棒状部品を検査する検査手段と、
を備えることを特徴とする棒状部品の検査装置。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2012−214272(P2012−214272A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80131(P2011−80131)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
【Fターム(参考)】
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