説明

棚卸システムおよび棚卸方法

【課題】
調査対象物品の情報がバーコードで記載され、手書きで物品数が入力される調票を用いた、作業性に優れた棚卸システムおよび棚卸方法を提供する。
【解決手段】
物品保管ブロックA,B,Cにはそれぞれ、在庫物品量記憶装置12と、所定の棚位置に保管された物品について調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込むための前記調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票11と、バーコード読取り装置12と、調票に書き込まれた前記在庫物品量を操作者のキー入力または音声入力により取得する在庫物品量取得手段13と、在庫物品量実際値/理論値比較手段14と、在庫物品量実際値/理論値比較手段による比較において、実際値と前記理論値との差が所定値を超えるときはユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する警告発生手段15と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調査対象物品の情報がバーコードで記載され、手書きで物品数が入力される調票を用いた棚卸システムおよび棚卸方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の棚卸システムでは、棚卸作業者が、保管庫に保管されている在庫物品を数え、ホストコンピュータにより在庫物品数の実際値と理論値とを比較し、比較結果をディスプレイに表示出力等している。
【0003】
たとえば、この種の棚卸システムでは、複数の物品保管ブロックに分割された棚卸作業領域においてそれぞれ棚卸作業が実行される。たとえば物品棚の各所に物品種を示すラベルが貼り付けられている。
【0004】
(A)具体的には、棚卸作業者は在庫物品表を携帯しており、目視により計数した物品個数を在庫物品表に記入する。棚卸作業者は、在庫物品表への記入が全ての物品について終了すると、在庫物品表の内容を端末コンピュータに手入力する。端末コンピュータに手入力された在庫物品の個数情報は、ホストコンピュータに送出される。
【0005】
ホストコンピュータでは各物品保管ブロックの端末コンピュータから受け取った在庫個数の実際値と理論値とを比較する。ある物品保管ブロックにおける在庫物品の実際値と理論値とが異なるときは、その物品保管ブロックの棚卸作業者に、該当する在庫物品の個数の確認を指示し、指示を受けた棚卸作業者は該当する在庫物品の個数を再計数する。
【0006】
(B)また、棚卸作業者はバーコードリーダと端末装置を携帯しており、バーコードリーダによりバーコードを読み取ることで棚卸のための調査対象となる物品あるいは商品(本明細書において「調査対象物品」と言う)の種類を特定し、目視により計数した物品個数をキーボードから入力する。バーコードリーダにより読み取られた物品種情報およびキーボードから入力された物品個数情報はホストコンピュータに送出される。
【0007】
(A)の場合と同様、ホストコンピュータでは、各ブロックの端末コンピュータから受け取った在庫個数の実際値と、理論値とを比較し、あるブロックにおける在庫物品の実際値と理論値とが異なるときは、そのブロックの棚卸作業者に、該当する在庫物品の個数の確認を指示し、指示を受けた棚卸作業者は該当する物品の個数を再計数する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、(A)に示した棚卸方法では、在庫物品表の内容を、端末コンピュータに表示された表計算等の入力セルにキー入力する際に、入力ミスが生じる易い。
この入力ミスの一要因は、棚卸作業者(入力作業者)が、在庫物品表のセルと、コンピュータに表示された表計算ソフトウェアの対応するセルとを対応付けて入力しなくてはならないことにある。
【0009】
また、(B)に示した棚卸方法では、棚卸作業者は、バーコードリーダと、キー入力装置を携帯し、バーコードリーダによるバーコードの読取り操作、キー入力装置による数値入力操作を物品ごとに行わなければならず、(A)の棚卸方法よりも作業効率が劣る傾向が強い。
【0010】
本発明の目的は、調査対象物品の情報がバーコードで記載され、手書きで物品数が入力される調票を用いた、作業性に優れた棚卸システムおよび棚卸方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の棚卸システムは、
棚卸が複数の物品保管ブロックにおいて独立して行われ、棚卸結果がホストコンピュータに送出されるものであって、
前記物品保管ブロックにはそれぞれ、
調査対象物品ごとに前記ホストコンピュータからダウンロードした在庫物品量の理論値を記憶する在庫物品量記憶装置と、
所定の棚位置に保管された物品について調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込むための前記調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票と、
前記調票の前記バーコードを読み取るバーコード読取り装置と、
前記バーコードに記載されている前記調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、前記調票に書き込まれた前記在庫物品量を操作者のキー入力または音声入力により取得する在庫物品量取得手段と、
前記在庫物品量取得手段により取得した在庫物品量の実際値を、前記在庫物品量記憶装置に記憶されている前記理論値とを比較する在庫物品量実際値/理論値比較手段と、
前記在庫物品量実際値/理論値比較手段による比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロでないときはユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する警告発生手段と、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロのときは、ホストコンピュータに棚卸結果を通知する棚卸結果通知手段と、
が備えられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の棚卸システムでは、前記在庫物品量取得手段および前記在庫物品量実際値/理論値比較手段は、前記物品保管ブロックに備えられた端末コンピュータのCPUおよびROMまたはRAMに記憶されたプログラムにより実現することができる。
【0013】
本発明の棚卸方法は、棚卸が複数の物品保管ブロックにおいて独立して行われ、物品保管ブロックごとの棚卸結果がホストコンピュータに送出されるものであって、
前記物品保管ブロックではそれぞれ、
調査対象物品ごとに在庫物品量の理論値を前記ホストコンピュータからダウンロードして在庫物品量記憶装置に記憶する在庫物品量記憶ステップと、
調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票に、所定の棚位置に保管された物品について、調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込ませる在庫物品量書込みステップと、
前記調票に記載された前記バーコードを読み取らせるバーコード読取りステップと、
前記バーコードに記載されている前記調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、前記調票に書き込まれた前記在庫物品量を、前記入力欄にキー入力または音声入力することで在庫物品量の実際値を取得する在庫物品量取得ステップと、
前記在庫物品量取得ステップにおいて取得した在庫物品量の実際値と、前記在庫物品量記憶ステップにおいて記憶した在庫物品量の理論値とを比較する在庫物品量実際値/理論値比較ステップと、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロでないときは、ユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する警告発生ステップと、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロのときは、ホストコンピュータに棚卸結果を通知する棚卸結果通知ステップと、
前記警告があったときに実行される、
【0014】
前記調票に記載されている在庫物品量の取得ミスの有無をチェックし、前記取得ミスがあるときは在庫物品量書込みステップに処理を戻す在庫物品量取得ミスチェックステップと、
前記在庫物品量取得ミスチェックステップにおいて前記取得ミスがないときは、在庫物品量の入力ミスの有無をチェックし、前記入力ミスがあるときは在庫物品量取得ステップに処理を戻す在庫物品量入力ミスチェックステップと、
【0015】
前記在庫物品量入力ミスチェックステップにおいて前記入力ミスがないときは、ロス値の修正を行い、処理を前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップに戻すロス値修正ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0016】
前記棚卸方法では、在庫物品量入力ミスチェックステップおよび前記在庫物品量入力ミスチェックステップを実行した後に、前回の棚卸が正しいか否かのチェックを行う前回棚卸量チェックステップと、
前回棚卸量チェックステップにおいて前回の棚卸が正しくないと判断したときは、前回棚卸量の修正を行う前回棚卸量の修正ステップと、
前回棚卸量チェックステップにおいて前回の棚卸が正しくないと判断したときは、入出庫量のチェックを行い、入出庫量が正しいと判断したときは処理を前記ロス値修正ステップに渡す入出庫量チェックステップと、
前記入出庫量チェックステップにおいて入出庫量が正しくないと判断したときは入出庫量の修正を行い処理を前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップに処理を戻す入出庫量修正ステップと、
を含むことができる。
【0017】
前記棚卸方法では、前記在庫物品量記憶ステップ、前記バーコード読取りステップ、前記在庫物品量取得ステップ、前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップ、前記警告発生ステップ、前記棚卸結果通知ステップは、コンピュータに実行可能なプログラムにより実行される。
【発明の効果】
【0018】
調査対象物品の情報がバーコードで記載され、手書きで物品数を入力することで、誤りの発生が少ない棚卸システム、棚卸方法を提供することができる。
【0019】
本発明では、在庫物品量の理論値はインターネット等のネットワークを介してホストコンピュータからダウンロードされ、棚卸結果は上記ネットワークを介してホストコンピュータに送信(アップロード)される。在庫物品量の実際値と、理論値との一致は、各ブロックに設けられた端末コンピュータが判断するので、システム構成を単純化することができる(ホストコンピュータに依存せずに棚卸ができる)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の棚卸システムの一実施形態を示す説明図である。図1の棚卸システム1では、棚卸が複数の物品保管ブロックA,B,C,・・・において独立して行われ、各棚卸結果がネットワーク100を介してホストコンピュータ3に送出される。
【0021】
図1では物品保管ブロックAにおける棚卸に際して、棚aについて作業をする場合を示してある。物品保管ブロックAは、調票(棚卸票)11と、在庫物品量記憶装置12と、バーコード読取り装置13と、在庫物品量取得手段14と、在庫物品量実際値/理論値比較手段15と、警告発生手段16と、通信手段17とを備えている。
【0022】
なお、在庫物品量記憶装置12は端末コンピュータ2に付属のハードディスク等であり、在庫物品量取得手段14、在庫物品量実際値/理論値比較手段15は、物品保管ブロックAに備えられた端末コンピュータ2のCPU、およびROMまたはRAMに記憶されたプログラムにより実現される。
【0023】
調票11は、所定の棚位置に保管された物品について、調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込むためのカードであり、調査対象物品の情報がバーコードで記載されている。
【0024】
バーコードには、棚卸場所、棚卸物品に対応する情報等(場所コード、資材コード等)を埋め込むことがでる。なお、本実施形態では、棚卸に際しての間違いを低減するために、バーコードには、棚卸場所に対応する情報(場所コード)が埋め込まれている。
【0025】
調票11は、図2に示すようにバーコードを記載した紙を、合成樹脂でラミネートして作成することができ、これにより水性のフェルトペン等により物品量(数値)を記入でき、また布等により消去することができ、再利用が可能となる。調票11の大きさは限定されないが、たとえば、名刺程度の大きさないし官製はがき程度の大きさとすることができる。
【0026】
在庫物品量記憶装置12は、調査対象物品ごとに通信手段17を介してホストコンピュータ3からダウンロードした在庫物品量の理論値を記憶する。
バーコード読取り装置13は、調票11のバーコードを読み取ることができる。
【0027】
在庫物品量取得手段14は、バーコードに記載されている調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、調票11に書き込まれた在庫物品量を操作者(棚卸作業者)のキー入力または音声入力により取得する。
【0028】
たとえば、在庫物品量取得手段14が表計算等のソフトウェアの入力インタフェースであるときは、在庫物品量取得手段14は、バーコード読取り装置13が読み取ったバーコードに含まれる物品種に対応する入力欄をディスプレイの入力欄に表示することができる。
【0029】
在庫物品量実際値/理論値比較手段15は、在庫物品量取得手段14により取得した在庫物品量の実際値を、在庫物品量記憶装置12に記憶されている理論値とを比較する。在庫物品量実際値/理論値比較手段15は、たとえば、表計算等のソフトウェアにアドオンしたプログラムにより実現される。
【0030】
警告発生手段16は、在庫物品量実際値/理論値比較手段15による比較において、在庫物品量の実際値と理論値との所定値を超えるときはユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する。この場合のユーザインタフェースは、ディスプレイやスピーカであり、ユーザは、警告表示または警告音声により在庫物品量の実際値と理論値との差が所定値を超えたことを知ることができる。
通信手段17は、ホストコンピュータ3との通信を行うことができる。
【0031】
図3(A),(B)により、本発明の棚卸方法の処理を説明する。
本発明の棚卸方法では、棚卸が複数の物品保管ブロックにおいて独立して行われ、物品保管ブロックごとの棚卸結果がホストコンピュータに送出される。
物品保管ブロックではそれぞれ以下の処理が行われる。
【0032】
図3(A)に示すように、在庫物品量記憶ステップS110においては、調査対象物品ごとに在庫物品量の理論値をホストコンピュータ3からダウンロードして在庫物品量記憶装置12に記憶する。以下、図3(B)により説明する。
在庫物品量書込みステップS121においては、調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票11に、所定の棚位置に保管された物品について、調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込ませる。この書込みは全調票について行われる(S122)。
【0033】
バーコード読取りステップS123においては、調票11に記載されたバーコードの読み取りが行われる。
在庫物品量取得ステップS124においては、バーコードに記載されている調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、調票11に書き込まれた在庫物品量を、入力欄にキー入力または音声入力することで在庫物品量の実際値を取得する。
【0034】
在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125では、在庫物品量取得ステップ124において取得した在庫物品量の実際値と、在庫物品量記憶ステップS110において記憶した在庫物品量の理論値とを比較する。
【0035】
実際値と理論値との差がゼロのとき(S126の「yes」)は、棚卸結果(表計算等のファイル)が、通信手段17によりホストコンピュータ3に送出される(S127)。実際値と理論値との差がゼロでないとき(S126の「no」)は、処理を警告発生ステップS128に移す。
【0036】
警告発生ステップS128では、在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125における比較において、在庫物品量の実際値と理論値との差が所定値を超えるときは、ユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発し、処理を在庫物品量取得ミスチェックステップS129に移す。
【0037】
在庫物品量取得ミスチェックステップS129では、調票11に記載されている在庫物品量の取得ミスの有無をチェックし、前記取得ミスがあるとき(S130の「yes」)は処理を在庫物品量書込みステップS121に戻し当該取得ミスがあった物品についての正しい値を再入力させる。前記入力ミスがないとき(S130の「no」)は処理を在庫物品量入力ミスチェックステップS131に移す。
【0038】
在庫物品量入力ミスチェックステップS131では、在庫物品量の入力ミスがあるとき(S132の「yes」)は処理を在庫物品量取得ステップS124に戻し、入力ミスがないとき(S132の「no」)は、前回棚卸量チェックステップS133において前回の棚卸量のチェックを行う。前回の棚卸量が正しくないとき(S134の「no」)は、前回棚卸量修正テップ135において前回棚卸量の修正を行う。前回棚卸量が正しくない場合として、たとえばあるブロックに入庫するべき物品の一部が、手違い等により他のブロックに割り当てられてしまい、気付かれずにいる場合がある。このような場合には棚卸量のチェックにより、前回棚卸量の修正が行われた後、処理を在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125に戻す。
【0039】
前回の棚卸量が正しいとき(S134の「yes」)は、入庫量チェックステップS136において入庫量のチェックを行う。
入庫量が正しくないとき(S137の「no」)は、入庫量修正ステップS138において入庫量の修正を行い、処理を在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125に戻す。入庫量が正しいとき(S137の「yes」)は、出庫量チェックステップS139において出庫量のチェックを行う。出庫量チェックステップS139において、出庫数が正しくないときは(S140の「no」)、出庫量修正ステップS141において出庫量の修正を行い、処理を在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125に戻す。出庫数が正しいときは(S138の「yes」)、ロス値修正ステップS142においてロス値の修正を行い、処理を在庫物品量実際値/理論値比較ステップS125に戻す。なお、S136,S137、S139,S140が、本発明の棚卸方法における入出庫量チェックステップであり、S138,S141が本発明の棚卸方法における入出庫量修正ステップである。
【0040】
本発明の棚卸方法の他の実施形態では、図4に示すように、前回棚卸量修正テップ135、入庫量チェックステップS136および入庫量の判断ステップS137を省略することができる。
【0041】
図3(A),(B)に示すシステムにおける棚卸処理前の、前残、入庫、理論出庫(実出庫からロスを差し引いた量)、ロス、理論在庫、実在庫の各値を図5(A)に示し、棚卸処理後の、前残、入庫、理論出庫、ロス、理論在庫、実在庫、棚卸誤差の値を図5(B)に示す。なお、本実施形態では、棚卸処理においては、上記各値は、実在庫、前残、入庫、理論出庫、ロス(実誤差)の順でチェックされる。
図5(A)では、実際値と理論値との差がゼロではないので、前述したように、S126の判断後の処理は警告発生ステップS128に移される(S126の「no」)。この時点では、ロス値(実誤差)は不確定である。
【0042】
在庫物品量の取得ミスがなく(S130の「no」)、在庫物品量の入力ミスがなく(S132の「no」)、前回棚卸量が正しく(S134の「yes」)、入庫量および出庫量が正しいとき(S137の「yes」,S140の「yes」)は、S142でロス値((理論在庫)−(実在庫))の修正が行われる。棚卸処理前(図5(A))では、理論在庫が5.3kg、実在庫が5.0kgなので、棚卸処理後(図5(B))では、ロス値は0.3にセットされる。ロス値が0.3にセットされれば、実際値と理論値との差がゼロとなるので、処理は棚卸結果通知ステップS127に移行する(S126の「yes」)。
【0043】
在庫物品量記憶ステップ、バーコード読取りステップ、在庫物品量取得ステップ、在庫物品量実際値/理論値比較ステップ、警告発生ステップ、棚卸結果通知ステップは、コンピュータに実行可能なプログラムにより実行される。は、コンピュータに実行可能なプログラム(在庫物品量記憶プログラム,バーコード読取りプログラム,在庫物品量取得プログラム,在庫物品量実際値/理論値比較プログラム,警告発生プログラム)により実行される。
本発明では、各部門ごとの棚卸の結果を総合して管理することで、過多の仕入等、適切な仕入管理を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の棚卸システムを示す一実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明において使用される、調票の例を示す図である。
【図3】(A),(B)は本発明の棚卸方法の実施形態における処理を説明するための図である。
【図4】本発明の棚卸方法の他の実施形態における処理を説明するための図である。
【図5】(A)は、本発明の棚卸処理前の残量、入庫、理論出庫、ロス、理論在庫、実在庫の値を示す図、(B)は本発明の棚卸処理後の残量、入庫、理論出庫、ロス、理論在庫、実在庫の値を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 棚卸システム
2 端末コンピュータ
3 ホストコンピュータ
11 調票
12 在庫物品量記憶装置
13 バーコード読取り装置
14 在庫物品量取得手段
15 在庫物品量実際値/理論値比較手段
16 警告発生手段
17 通信手段
A,B,C 物品保管ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚卸が複数の物品保管ブロックにおいて独立して行われ、棚卸結果がホストコンピュータに送出される棚卸システムであって、
前記物品保管ブロックにはそれぞれ、
調査対象物品ごとに前記ホストコンピュータからダウンロードした在庫物品量の理論値を記憶する在庫物品量記憶装置と、
所定の棚位置に保管された物品について調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込むための前記調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票と、
前記調票の前記バーコードを読み取るバーコード読取り装置と、
前記バーコードに記載されている前記調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、前記調票に書き込まれた前記在庫物品量を操作者のキー入力または音声入力により取得する在庫物品量取得手段と、
前記在庫物品量取得手段により取得した在庫物品量の実際値を、前記在庫物品量記憶装置に記憶されている前記理論値とを比較する在庫物品量実際値/理論値比較手段と、
前記在庫物品量実際値/理論値比較手段による比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロでないときはユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する警告発生手段と、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロのときは、ホストコンピュータに棚卸結果を通知する棚卸結果通知手段と、
が備えられていることを特徴とする棚卸システム。
【請求項2】
前記在庫物品量取得手段および前記在庫物品量実際値/理論値比較手段は、
前記物品保管ブロックに備えられた端末コンピュータのCPUおよびROMまたはRAMに記憶されたプログラムにより実現されることを特徴とする請求項1に記載の棚卸システム。
【請求項3】
棚卸が複数の物品保管ブロックにおいて独立して行われ、物品保管ブロックごとの棚卸結果がホストコンピュータに送出される棚卸方法であって、
前記物品保管ブロックではそれぞれ、
調査対象物品ごとに在庫物品量の理論値を前記ホストコンピュータからダウンロードして在庫物品量記憶装置に記憶する在庫物品量記憶ステップと、
調査対象物品の情報がバーコードで記載された調票に、所定の棚位置に保管された物品について、調査対象物品ごとに在庫物品量を書き込ませる在庫物品量書込みステップと、
前記調票に記載された前記バーコードを読み取らせるバーコード読取りステップと、
前記バーコードに記載されている前記調査対象物品に対応する入力欄を呼び出し、前記調票に書き込まれた前記在庫物品量を、前記入力欄にキー入力または音声入力することで在庫物品量の実際値を取得する在庫物品量取得ステップと、
前記在庫物品量取得ステップにおいて取得した在庫物品量の実際値と、前記在庫物品量記憶ステップにおいて記憶した在庫物品量の理論値とを比較する在庫物品量実際値/理論値比較ステップと、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロでないときは、ユーザインタフェースを介して、ユーザに警告を発する警告発生ステップと、
前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップにおける比較において、前記実際値と前記理論値との差がゼロのときは、ホストコンピュータに棚卸結果を通知する棚卸結果通知ステップと、
前記警告があったときに実行される、
前記調票に記載されている在庫物品量の取得ミスの有無をチェックし、前記取得ミスがあるときは在庫物品量書込みステップに処理を戻す在庫物品量取得ミスチェックステップと、
前記在庫物品量取得ミスチェックステップにおいて前記取得ミスがないときは、在庫物品量の入力ミスの有無をチェックし、前記入力ミスがあるときは在庫物品量取得ステップに処理を戻す在庫物品量入力ミスチェックステップと、
前記在庫物品量入力ミスチェックステップにおいて前記入力ミスがないときは、ロス値の修正を行い、処理を前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップに戻すロス値修正ステップと、
を含むことを特徴とする棚卸方法。
【請求項4】
前記在庫物品量入力ミスチェックステップおよび前記在庫物品量入力ミスチェックステップを実行した後に、前回の棚卸が正しいか否かのチェックを行う前回棚卸量チェックステップと、
前回棚卸量チェックステップにおいて前回の棚卸が正しくないと判断したときは、前回棚卸量の修正を行う前回棚卸量修正ステップと、
前回棚卸量チェックステップにおいて前回の棚卸が正しくないと判断したときは、入出庫量のチェックを行い、入出庫量が正しいと判断したときは処理を前記ロス値修正ステップに渡す入出庫量チェックステップと、
前記入出庫量チェックステップにおいて入出庫量が正しくないと判断したときは入出庫量の修正を行い処理を前記在庫物品量実際値/理論値比較ステップに処理を戻す入出庫量修正ステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の棚卸方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−103958(P2006−103958A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296989(P2004−296989)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(391043413)石井食品株式会社 (8)
【Fターム(参考)】